JPH07243911A - 融液表面の温度測定装置及びその測定方法 - Google Patents

融液表面の温度測定装置及びその測定方法

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JPH07243911A
JPH07243911A JP3435194A JP3435194A JPH07243911A JP H07243911 A JPH07243911 A JP H07243911A JP 3435194 A JP3435194 A JP 3435194A JP 3435194 A JP3435194 A JP 3435194A JP H07243911 A JPH07243911 A JP H07243911A
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JP
Japan
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temperature
melt
radiation
auxiliary plate
melt surface
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JP3435194A
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English (en)
Inventor
Keiichi Takanashi
啓一 高梨
Kazuo Hiramoto
一男 平本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 温度測定補助板31と、放射温度計32と、
レーザ光放射装置33と、温度測定補助板31の温度を
測定する温度分布測定装置34と、レーザ光が温度測定
補助板31上で反射した位置31cを検出する迷光放射
源検出装置35と、融液14面上の所定箇所14aの温
度を算出する演算部36とを備えている融液表面の温度
測定装置。 【効果】 放射温度計32に入射する反射光放射源31
cを常に放射率が既知の温度測定補助板31に限定する
ことができるとともに、融液14面が揺らいで反射光放
射源31cが移動し、かつこの温度が変動しても、これ
を温度分布測定装置34と迷光放射源検出装置35とに
より確実に追跡してこの温度を特定することができるた
め、反射光放射源31cからの熱放射光輝度を常に正確
に求めることができ、反射光の影響を確実に除去するこ
とができ、融液14面上の所定箇所14aの温度を直接
的、かつ正確に測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は融液表面の温度測定装置
及び温度測定方法に関し、より詳細には、単結晶引き上
げ装置内における融液の表面温度を非接触で測定するた
めの融液表面の温度測定装置及びその測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】単結晶の品質を確保するには単結晶育成
の際に融液表面の温度を最適状態に維持する必要がある
ため、融液表面の温度を正確に測定することが求められ
ている。融液表面の温度測定には浸漬式の熱電対や非接
触式の放射温度計が用いられている。熱電対による温度
測定法の場合、損耗し易く寿命が短い、融液中に不純物
が混入して引き上げられる単結晶の品質に悪影響を及ぼ
す等の問題があり、したがって融液表面の温度を長時間
にわたり連続的に測定することは不可能であった。
【0003】このため、非接触で融液表面の温度を測定
するには放射温度計が用いられる。この放射温度計によ
る温度測定方法は、測定対象から放射される熱放射光の
輝度が前記測定対象の温度及び放射率によって決定され
ることを利用したものであり、非接触で測定した前記熱
放射光の輝度と、別に得た放射率とから温度が求められ
る。したがってこの放射温度計を用いた場合、融液中へ
の不純物の混入がなく、単結晶引き上げ中に融液表面の
温度を連続的に測定することが可能となる。
【0004】図3は放射温度計を用いた従来の融液表面
の温度測定装置が組み込まれている単結晶引き上げ装置
を模式的に示したブロック構成図であり、図中11は坩
堝を示している。坩堝11は略有底円筒形状に形成さ
れ、坩堝11下部には坩堝昇降手段(図示せず)が配設
されており、この坩堝昇降手段により坩堝11高さを調
整し得るようになっている。また坩堝11外側にはヒー
タ12が配設され、ヒータ12の外側には保温筒13が
配設され、また坩堝11上方には引き上げ軸15が配設
されており、これらは炉壁(図示せず)により囲まれて
いる。これら坩堝11、ヒータ12、保温筒13、引き
上げ軸15等を含んで単結晶引き上げ装置10が構成さ
れている。坩堝11内には例えばシリコン(Si)等の
原料をヒータ12により加熱・溶融した融液14が充填
されており、引き上げ軸15下端部に取り付けられた種
結晶(図示せず)を融液14表面に接触させつつ引き上
げ軸15を引き上げることにより、融液14表面から単
結晶16を凝固・成長させるようになっている。
【0005】一方、融液14表面の水平方向における前
記炉壁外方には窓(図示せず)を介して放射温度計21
が設置されており、放射温度計21は温度変換部22に
接続されている。これら放射温度計21と温度変換部2
2とにより温度測定装置20が構成されており、さらに
温度変換部22は電力供給制御部23に接続され、電力
供給制御部23は導線23aを介してヒータ12に接続
されている。そして保温筒13から放射された熱放射光
の輝度を放射温度計21を用いて測定し、この輝度信号
が温度変換部22で温度に変換される。電力供給制御部
23ではこの保温筒13の温度に基づいてヒータ12へ
の出力を制御することにより、融液14表面を所定温度
に維持している。
【0006】しかし上記した温度測定方法では、単結晶
引き上げ装置10の大形化につれて保温筒15の温度と
融液14表面の温度との間に誤差が生じ易くなり、融液
14表面の温度を正確に測定することが難しいという問
題があった。また融液14の熱容量が比較的大きいた
め、ヒーター12に接近した坩堝11側壁近傍における
融液14表面部と、ヒータ12から離れた単結晶16近
傍における融液14表面部との間に温度差が生じ易く、
単結晶16近傍における融液14表面の温度を正確に求
めることが難しいという問題があった。またヒータ12
に近い坩堝11側壁部近傍の融液14と融液14表面部
との間に温度差に基づく対流が発生し、融液14表面の
温度が時間的に絶えず変動するため、この変動に追従し
て融液14表面の温度を正確に求めることが難しいとい
う問題があった。
【0007】このような問題に対処するには、融液14
表面を放射温度計により直接的に測定する必要がある。
ところで融液14表面においては、その周囲にある高温
の坩堝11側壁上部、ヒータ12、前記炉壁等を放射源
とする熱放射光が鏡面反射している。したがって放射温
度計で融液14表面を直接的に測定すると、融液14表
面自体からの熱放射光に加えてこれらの反射光(迷光)
も放射温度計に入射し、その結果、融液14表面の温度
に関して誤差が生じる。
【0008】前記反射光による影響を低減して測定精度
の向上を図るため、光軸を同じくする偏光フィルタと光
学的検知器とにより構成された単結晶成長装置用の温度
測定装置が提案されている(特開昭58−168927
号公報)。この装置は融液の斜め上方に設置されてお
り、該融液表面からの熱放射光は前記偏光フィルタを透
過し、次いで前記光学的検知器に入射するようになって
いる。そして前記偏光フィルタにより前記融液表面に平
行に偏光している成分S1 と、垂直に偏光している成分
2 とを分離し、(S1 +S2 )−α(S1 −S2 )を
測定することにより、反射光成分の除去を図っている。
なお、αは測定波長領域、反射角等に関する複雑な関数
であるため、実用上はこの値を経験的に設定している。
【0009】また、放射温度計を融液表面から離れた単
結晶引き上げ装置の上部に設置し、温度を測定する方法
がある。この方法によると、融液表面で鏡面反射して放
射温度計に入射する反射光の放射源を、単結晶引き上げ
装置の上方における低温部に限定することができ、反射
光による誤差を小さくすることが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した偏光フィルタ
と光学的検知器とにより構成された温度測定装置におい
ては、αを経験的に設定するため、反射光の影響を確実
に除去することができないという課題があった。
【0011】また上記した放射温度計を単結晶引き上げ
炉の上部に設置する温度測定方法においては、反射光の
影響はかなり軽減されるがまだ不十分であるとともに、
放射温度計と融液表面との距離が長くなるため、引き上
げ中の結晶の揺れにより測定視野に引き上げ中の単結晶
が入り易く邪魔となり、融液表面における限定された所
定箇所の温度を正確に測定することが困難であるという
課題があった。
【0012】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、温度変化に追従させることができ、限定され
た所定箇所を連続的に測定することができるとともに、
融液表面や炉の状況変化の影響を受けることなく、反射
光成分を除去して高精度に温度を測定することができる
融液表面の温度測定装置及びその測定方法を提供するこ
とを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る融液表面の温度測定装置は、融液面上方
の所定箇所に配設された所定面積を有する温度測定補助
板と、前記融液面上における所定箇所からの熱放射光輝
度を検出するための放射温度計と、該放射温度計の光軸
と同じくして前記融液面上の前記所定箇所にレーザ光を
放射するためのレーザ光放射装置と、前記温度測定補助
板の温度分布を測定するための温度分布測定装置と、前
記融液面上の前記所定箇所で反射された前記レーザ光が
さらに前記温度測定補助板上で反射した位置を検出する
ための迷光放射源検出装置と、前記融液面上における前
記所定箇所の温度を算出するための演算部とを備えてい
ることを特徴としている(1)。
【0014】また本発明に係る融液表面の温度測定方法
は、放射温度計を用いて融液面上における所定箇所から
の熱放射光輝度を求める一方、温度分布測定装置を用い
て温度測定補助板の温度分布を測定するとともに、レー
ザ光放射装置を用い、前記放射温度計の光軸と同じくし
て前記融液面上にレーザ光を放射させ、前記融液面上の
前記所定箇所で反射した前記レーザ光がさらに前記温度
測定補助板上で反射した位置を迷光放射源検出装置を用
いて検出し、前記温度測定補助板の温度分布と前記反射
位置とを照合して該反射位置における温度を特定し、該
反射位置における温度と前記熱放射光輝度等とから前記
融液面上における前記所定箇所の温度を求めることを特
徴としている(2)。
【0015】また本発明に係る融液表面の温度測定装置
は、上記(1)記載の前記迷光放射源検出装置に代え
て、温度分布測定装置と温度測定補助板との間に、レー
ザー光の波長のみを透過する光学フィルタと前記レーザ
ー光の波長以外を透過する光学フィルタとが配設された
回転円盤を備えていることを特徴としている。
【0016】
【作用】融液表面の放射率をεS とすると、前記融液表
面の反射率は1−εS と表わされるので、放射温度計に
入射する熱放射光輝度Lは下記の数1のように表わされ
る。
【0017】
【数1】
【0018】数1をLb(TS) で解くと下記の数2のよう
に表わされ、数2よりLb(TS) が求められる。
【0019】
【数2】
【0020】求められたLb(TS) を下記の数3に示した
プランクの放射則に代入すると、融液温度TS が求めら
れることとなる。
【0021】
【数3】
【0022】本発明に係る融液表面の温度測定装置
(1)によれば、前記放射温度計に入射する反射光の放
射源を常に放射率が既知の前記温度測定補助板に限定し
得るとともに、前記融液面が揺らいで前記反射光の放射
源が移動し、かつこの温度が変動しても、これを前記温
度分布測定装置と前記迷光放射源検出装置とにより確実
に追跡してこの温度を特定し得ることとなる。そのた
め、前記反射光の放射源からの熱放射光輝度が常に正確
に求められ、前記反射光の影響を確実に除去し得ること
となり、この結果、前記融液面上における前記所定箇所
の温度を直接的、かつ正確に測定し得ることとなる。
【0023】また本発明に係る融液表面の温度測定方法
(2)によれば、温度測定装置(1)に記載した作用と
同様の作用が得られることとなる。
【0024】また本発明に係る融液表面の温度測定装置
(3)によれば、上記した温度測定装置(1)の迷光放
射源検出装置に代えて、温度分布測定装置と温度測定補
助板との間に、レーザー光の波長のみを透過する光学フ
ィルタと前記レーザー光の波長以外を透過する光学フィ
ルタとが配設された回転円盤を備えているので、前記レ
ーザ光の波長以外を通す前記光学フィルタを透過した熱
放射光により前記温度測定補助板の温度分布を測定し得
るとともに、前記レーザ光の波長のみを通す前記光学フ
ィルタを透過したレーザ光により反射光の放射源位置を
検出し得るため、温度測定装置(1)の場合と略同様の
作用が得られることととなる。また温度測定装置(1)
に備えられた前記迷光放射源検出装置が省けるため、温
度測定装置(1)よりもコストを削減し得ることとな
る。
【0025】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る融液表面の温
度測定装置及びその測定方法の実施例を図面に基づいて
説明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品に
は同一の符号を付すこととする。図1は本発明の実施例
(1)に係る融液表面の温度測定装置が組み込まれた単
結晶引き上げ装置を模式的に示したブロック構成図であ
り、図中10は図4に示したものと同様の単結晶引き上
げ装置を示している。融液14面上方の所定箇所には黒
鉛製の温度測定補助板31が配設されており、温度測定
補助板31は所定面積を有して形成されている。一方、
単結晶引き上げ装置10外方の所定箇所には放射温度計
32が装備されており、放射温度計32の光軸32aは
炉壁(図示せず)の所定箇所に取り付けられた石英窓
(図示せず)を通り、所定角度を有して融液14面上の
所望の測温箇所14aに直接的に入射するよう設定され
ている。また放射温度計32に接近してHe−Neレー
ザ光放射装置33が装備されており、レーザ光の光軸3
3aはミラー33dにより放射温度計32の光軸32a
と重なるように設定されている。さらに放射温度計32
近傍には温度分布測定装置としての熱画像測定装置34
と、迷光放射源検出装置35とが装備されており、迷光
放射源検出装置35はCCDカメラ35bとレーザ光の
波長のみを透過する光学フィルタ35aとにより構成さ
れている。レーザ光(光軸33a)は融液14面上の測
温箇所14aで反射して光軸33bで表わされる反射光
となり、さらに温度測定補助板31上の所定位置31c
で反射して光軸33cで表わされる反射光となるように
なっており、迷光放射源検出装置35は光軸33cで表
わされる反射光が入射するように配設されている。また
熱画像測定装置34及びCCDカメラ35bの視野はそ
れぞれ温度測定補助板31上の同一範囲にあるよう設定
されている。なお熱画像測定装置34の検出感度がレー
ザ光(光軸33c)の波長により影響される場合、熱画
像測定装置34の前方に前記レーザ光の波長を遮るため
のフィルタ(図示せず)を配設しておく。放射温度計3
2、熱画像測定装置34及びCCDカメラ35bは演算
部36にそれぞれ接続されており、これら温度測定補助
板31、放射温度計32、レーザ光放射装置33、熱画
像測定装置34、迷光放射源検出装置35及び演算部3
6を含んで温度測定装置30が構成されている。さらに
演算部36は図4のものと同様の電力供給制御部23に
接続され、電力供給制御部23は導線23aを介してヒ
ータ12に接続されており、温度測定装置30により測
定された温度に基づきヒータ13への出力を制御するこ
とにより、融液14表面が所定温度に維持されるように
なっている。
【0026】このように構成された温度測定装置30を
用いて融液14表面における測温箇所14aの温度を測
定する場合、まず光軸32aが所望の測温箇所14aに
向くよう放射温度計32の取り付け方向を調整する。次
に放射温度計32を用いて測温箇所14aからの熱放射
光(光軸32a、31b)輝度Lを測定し、この輝度信
号を演算部36に伝送する。同時に、熱画像測定装置3
4を用いて温度測定補助板31の温度分布を測定し、こ
の温度分布信号を演算部36に伝送する。また同時に、
レーザ光放射装置33を用いて測温箇所14aにレーザ
光(光軸33a)を放射し、測温箇所14aで反射した
レーザ光(光軸33b)がさらに温度測定補助板31上
で反射した位置31cを迷光放射源検出装置35を用い
て検出し、この検出信号を演算部36に伝送する。次に
演算部36で温度測定補助板31の温度分布と反射位置
31cとが照合されて反射光の放射源温度(TF)が特定
されるとともに、あらかじめ入力されている換算式に放
射源温度(TF)が導入されて反射光の放射源(反射位置
31c)からの熱放射光輝度Lb(TF) が計算される。な
お演算部36には、あらかじめ融液14表面の放射率ε
S 、温度測定補助板31の放射率εF 、石英窓の透過率
τW 、上記した数2及び数3が入力されている。
【0027】そしてこれらの値と、測定した熱放射光輝
度Lと、特定された反射光の放射源(反射位置31c)
からの熱放射光輝度Lb(TF) とが前記数2に代入される
ことにより、反射光(光軸31b)成分を除去した測温
箇所14aからの熱放射光(光軸32a)輝度Lb(TS)
が計算される。さらにこの熱放射光輝度Lb(TS) と前記
数3とにより、融液14上の測温箇所14aにおける温
度TS が求められる。なおこの間、単結晶16が引き上
げられて融液14面が下がるにしたがい、前記坩堝昇降
装置を用いて坩堝11を上昇させ、融液14面を常に所
定の高さに維持させる。
【0028】上記説明から明らかなように、実施例
(1)に係る融液表面の温度測定装置及びその測定方法
では、放射温度計32に入射する反射光(光軸31b)
の放射源(反射位置31c)を常に放射率が既知の温度
測定補助板31に限定することができるとともに、融液
14面が揺らいで反射光(光軸31a)の放射源(反射
位置31c)が移動し、かつこの温度が変動しても、こ
れを熱画像測定装置34と迷光放射源検出装置35とに
より確実に追跡してこの温度を特定することができる。
そのため、反射光の放射源(反射位置31c)からの熱
放射光輝度Lb(TF)を常に正確に求めることができ、反
射光(光軸31b)の影響を確実に除去することがで
き、この結果、融液14面上における所望箇所14aの
温度を直接的、かつ正確に測定することができる。
【0029】なお実施例(1)のものでは、温度分布測
定装置として熱画像測定装置34を用いたが、別の実施
例のものではCCDカメラを用いることも可能である。
【0030】図2は本発明の実施例(2)に係る融液表
面の温度測定装置が組み込まれた単結晶引き上げ装置を
模式的に示したブロック構成図であり、図中41は温度
分布測定装置としてのCCDカメラを示している。CC
Dカメラ41は、融液14面上の測温箇所14aで反射
して反射光(光軸33b)となり、さらに温度測定補助
板31上の所定位置31cで反射して反射光(光軸33
c)となったレーザ光が入射するように配設されてお
り、CCDカメラ41の視野は温度測定補助板31上の
所定範囲にあるよう設定されている。迷光放射源検出装
置35(図1)の代わりに、CCDカメラ41の前方に
は回転円盤42が装備されており、回転円盤42の所定
箇所にはレーザ光(光軸33c)の波長のみを透過する
光学フィルタ42aとレーザ光(光軸33c)の波長以
外を透過する光学フィルタ42bとが配設されている。
その他の構成は図1に示した実施例(1)のものと同様
であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0031】このように構成された温度測定装置を用い
て融液14表面における測温箇所14aの温度を測定す
る場合、まず光軸32aが所望の測温箇所14aに向く
よう放射温度計32の取り付け方向を調整する。次に放
射温度計32を用いて融液14面上における測温箇所1
4aからの熱放射光(光軸32a、31b)の輝度Lを
測定し、この輝度信号を演算部36に伝送する。同時
に、回転円盤42を所定速度で回転させつつCCDカメ
ラ41を用い、光学フィルタ42bを透過した熱放射光
により温度測定補助板31の温度分布を測定するととも
に、光学フィルタ42aを透過した反射レーザ光(光軸
33c)により温度測定補助板31上での反射位置31
cを検出し、これらの信号を演算部36に伝送する。次
に演算部36で温度測定補助板31の温度分布と反射位
置31cとが照合され、単位時間内における平均的な反
射光の放射源温度(TF)が特定されるとともに、あらか
じめ入力されている換算式に放射源温度(TF)が導入さ
れて反射光の放射源(反射位置31c)からの熱放射光
輝度Lb(TF) が計算される。なお演算部36には融液1
4表面の放射率εS 、温度測定補助板31の放射率ε
F 、石英窓の透過率τW、上記した数2及び数3があら
かじめ入力されている。そしてこれらの値と、測定した
熱放射光輝度Lと、特定された反射光の放射源(反射位
置31c)からの熱放射光輝度Lb(TF) とが前記数2に
代入されることにより、反射光(光軸31b)成分を除
去した測温箇所14aからの熱放射光(光軸32a)輝
度Lb(TS)が計算される。さらにこの熱放射光輝度Lb(T
S) と前記数3とにより、融液14上の測温箇所14a
における温度TS が求められる。なおこの間、単結晶1
6が引き上げられて融液14面が下がるにしたがい、前
記坩堝昇降装置を用いて坩堝11を上昇させ、融液14
面を常に所定の高さに維持させる。
【0032】上記説明から明らかなように、実施例
(2)に係る融液表面の温度測定装置では、レーザ光の
波長以外を通す光学フィルタ42bを透過した熱放射光
で温度測定補助板31の温度分布を測定するとともに、
レーザ光の波長のみを通す光学フィルタ42aを透過し
たレーザ光(光軸33c)で反射光の放射源(反射位置
31c)を検出することにより、上記した温度測定装置
(1)の場合と略同様の効果を得ることができる。さら
に比較的高価な迷光放射源検出装置35(図1)が省け
るため、上記した温度測定装置(1)よりもコストを削
減することができる。
【0033】なお、上記した実施例のものでは、いずれ
も温度測定補助板31に黒鉛製のものを用いたが、何ら
黒鉛に限定されるものでなく、放射率εF が既知で、か
つ角度依存性が少なく、融液14に溶融・混入し難い材
質であれば別のものも適用可能である。
【0034】また、上記した実施例のものでは、いずれ
もレーザ光にHe−Neレーザを用いたが、熱放射光
(光軸32a)から分離し易いものであればよく、別の
実施例ではArレーザを用いることが可能である。
【0035】また、上記した実施例のものでは、レーザ
光の光軸33aを放射温度計32の光軸32aと同一に
するためにミラー33bが用いられたが、別の実施例で
は、レーザ光放射装置33と放射温度計32のファイン
ダ(図示せず)とが光ファイバにより接続されたものも
適用することが可能である。
【0036】また放射温度計32の取り付け方向を調整
する方法として、融液14面上に放射されるレーザ光
(光軸33a)の投影位置を確認しながら、放射温度計
32の光軸32aを測温箇所14aに合わせることが可
能であり、調整作業をより一層容易、かつ確実に行なう
ことができる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る融液表
面の温度測定装置(1)にあっては、融液面上方の所定
箇所に配設された所定面積を有する温度測定補助板と、
前記融液面上における所定箇所からの熱放射光輝度を検
出するための放射温度計と、該放射温度計の光軸と同じ
くして前記融液面上の前記所定箇所にレーザ光を放射す
るためのレーザ光放射装置と、前記温度測定補助板の温
度分布を測定するための温度分布測定装置と、前記融液
面上の前記所定箇所で反射された前記レーザ光がさらに
前記温度測定補助板上で反射した位置を検出するための
迷光放射源検出装置と、前記融液面上における前記所定
箇所の温度を算出するための演算部とを備えているの
で、前記放射温度計に入射する反射光の放射源を常に放
射率が既知の前記温度測定補助板に限定することができ
るとともに、前記融液面が揺らいで前記反射光の放射源
が移動し、かつこの温度が変動しても、これを前記温度
分布測定装置と前記迷光放射源検出装置とにより確実に
追跡してこの温度を特定することができる。そのため、
前記反射光の放射源からの熱放射光輝度を常に正確に求
めることができ、前記反射光の影響を確実に除去するこ
とができ、この結果、前記融液面上における前記所定箇
所の温度を直接的、かつ正確に測定することができる。
【0038】また本発明に係る融液表面の温度測定方法
(2)にあっては、放射温度計を用いて融液面上におけ
る所定箇所からの熱放射光輝度を求める一方、温度分布
測定装置を用いて温度測定補助板の温度分布を測定する
とともに、レーザ光放射装置を用い、前記放射温度計の
光軸と同じくして前記融液面上にレーザ光を放射させ、
前記融液面上の前記所定箇所で反射した前記レーザ光が
さらに前記温度測定補助板上で反射した位置を迷光放射
源検出装置を用いて検出し、前記温度測定補助板の温度
分布と前記反射位置とを照合して該反射位置における温
度を特定し、該反射位置における温度と前記熱放射光輝
度等とから前記融液面上における前記所定箇所の温度を
求めるので、温度測定装置(1)に記載した効果と同様
の効果を得ることができる。
【0039】また本発明に係る融液表面の温度測定装置
(3)にあっては、温度測定装置(1)における迷光放
射源検出装置に代えて、温度分布測定装置と温度測定補
助板との間に、レーザ光の波長のみを透過する光学フィ
ルタと前記レーザ光の波長以外を透過する光学フィルタ
とが配設された回転円盤を備えているので、前記レーザ
光の波長以外を通す前記光学フィルタを透過した熱放射
光により前記温度測定補助板の温度分布を測定すること
ができるとともに、前記レーザ光の波長のみを通す前記
光学フィルタを透過したレーザ光により反射光の放射源
位置を検出することができるため、温度測定装置(1)
の場合と略同様の効果を得ることができる。また温度測
定装置(1)に備えられた比較的高価な前記迷光放射源
検出装置が省けるため、温度測定装置(1)よりもコス
トを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例(1)に係る融液表面の温度測
定装置が組み込まれている単結晶引き上げ装置を模式的
に示したブロック構成図である。
【図2】本発明の実施例(2)に係る融液表面の温度測
定装置が組み込まれている単結晶引き上げ装置を模式的
に示したブロック構成図である。
【図3】放射温度計を用いた従来の融液表面の温度測定
装置が組み込まれている単結晶引き上げ炉を模式的に示
したブロック構成図である。
【符号の説明】
14 融液 14a 測温箇所 31 温度測定補助板 31c 反射位置 32 放射温度計 32a 光軸 33 レーザ光放射装置 33a、33b 光軸 34 熱画像測定装置 35 迷光放射源検出装置 36 演算部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融液面上方の所定箇所に配設された所定
    面積を有する温度測定補助板と、前記融液面上における
    所定箇所からの熱放射光輝度を検出するための放射温度
    計と、該放射温度計の光軸と同じくして前記融液面上の
    前記所定箇所にレーザ光を放射するためのレーザ光放射
    装置と、前記温度測定補助板の温度分布を測定するため
    の温度分布測定装置と、前記融液面上の前記所定箇所で
    反射した前記レーザ光がさらに前記温度測定補助板上で
    反射した位置を検出するための迷光放射源検出装置と、
    前記融液面上における前記所定箇所の温度を算出するた
    めの演算部とを備えていることを特徴とする融液表面の
    温度測定装置。
  2. 【請求項2】 放射温度計を用いて融液面上における所
    定箇所からの熱放射光輝度を求める一方、温度分布測定
    装置を用いて温度測定補助板の温度分布を測定するとと
    もに、レーザ光放射装置を用い、前記放射温度計の光軸
    と同じくして前記融液面上にレーザ光を放射させ、前記
    融液面上の前記所定箇所で反射した前記レーザ光がさら
    に前記温度測定補助板上で反射した位置を迷光放射源検
    出装置を用いて検出し、前記温度測定補助板の温度分布
    と前記反射位置とを照合して該反射位置における温度を
    特定し、該反射位置における温度と前記熱放射光輝度等
    とから前記融液面上における前記所定箇所の温度を求め
    ることを特徴とする融液表面の温度測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の迷光放射源検出装置に代
    えて、温度分布測定装置と温度測定補助板との間に、レ
    ーザー光の波長のみを透過する光学フィルタと前記レー
    ザー光の波長以外を透過する光学フィルタとが配設され
    た回転円盤を備えていることを特徴とする融液表面の温
    度測定装置。
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