JPH0724349U - 炎センサ組込み防火ダンパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炎センサで火炎を検知して羽根を敏速に閉塞
作動させ、ダクト内を通流する火炎を遮断して火災の延
焼を防止でき、現場における施工も迅速簡易にできる炎
センサ組込み防火ダンパを提供することを目的とする。 【構成】 ダンパ枠１２と、このダンパ枠内の流路１４
を開閉する様にダンパ壁１６に軸支された羽根１８と、
この羽根を駆動させる駆動部２０とを有し、前記ダンパ
枠には、駆動部に接続され、この駆動部を介して羽根を
閉塞作動させる炎センサ２２が組込まれて成る。炎セン
サで火炎を早期に検知し、ダンパ内を火炎が通過する以
前に羽根を閉塞して火炎を遮断でき、炎センサの組込み
で迅速簡易に防火ダンパを現場で施工ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、炎センサで炎発生を検知して流路内の羽根を素早く閉塞する炎セン サ組込み防火ダンパに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ホテル、レストラン等の厨房においては、レンジ部の略上方となる天井 面にレンジフードを設置し、このレンジフードに接続した排気ダクトを天井裏空 間を経由して屋外へと配置している。そして、前記排気ダクト内の屋外側寄り位 置に排気フアンを設置してレンジ部に発生する排気ガスをレンジフードから排気 ダクトへ吸引して屋外へと排気している。

【０００３】 また、万一、厨房室内に火災が発生し、その火煙が排気ダクト内を経由して他 の区画へ通流しながら火災が延焼するのを防止するため、図１０の説明図に示す 様に、排気ダクト内のレンジフード寄り位置や厨房室の区画壁の近傍となる位置 等に防火ダンパを設置し、火災発生時に排気ダクトから防火ダンパの流路内を通 流する高温度の気流で防火ダンパに内装された温度ヒューズを加熱溶解させ、こ れにより、防火ダンパ内の羽根を閉塞作動させて排気ダクトを通じて火災が他の 区画へ延焼するのを防止しているものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

しかしながら、前記厨房室のレンジフードに接続された排気ダクト内面側には 、排気ガス中に含まれた油滴がミスト状に付着しているもので、厨房室内の火災 発生時には排気ダクト内面の油滴に引火し、この引火した火炎が常時稼動中の排 気フアンの吸入負圧で排気ダクト内を排気側へ高速で通過する。したがって、防 火ダンパは内装した温度ヒューズが加熱溶解して羽根が閉塞作動する前に、引火 した火炎が防火ダンパ内を通過して他の区画へと火災が延焼し、防火ダンパはそ の機能を発揮するに至らない危険がある等の問題があった。

【０００５】 本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、防火 ダンパ内を火炎が通過する前に、防火ダンパ内の羽根を敏速に閉塞作動させ、火 災の延焼を確実に防止すると共に、防火ダンパ組込みによる迅速簡易な施工性等 を確保できる炎センサ組込み防火ダンパを提供することにある。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、ダンパ枠１２と、このダンパ枠１２内 部の流路１４を開閉する様にダンパ壁１６に軸支された羽根１８と、この羽根１ ８を駆動させる駆動部２０とを有し、前記ダンパ枠１２には、前記駆動部２０に 接続され、この駆動部２０を介して羽根１８を閉塞作動させる炎センサ２２が組 込まれて成る炎センサ組込み防火ダンパ１０から構成される。

【０００７】 前記ダンパ壁１６には、孔３８が穿孔され、前記炎センサ２２は、前記孔３８ を通じて流路１４側に光りを透光しつつ流路内を検視し得る様に同孔３８の外側 位置に配置されて成ることとしてもよい。

【０００８】 前記炎センサ２２により炎発生を検知した場合に、前記孔３８を閉鎖する孔閉 鎖手段４４が設けられて成ることとしてもよい。

【０００９】 前記孔閉鎖手段４４は、少なくとも前記孔３８を開閉し得るように揺動可能に 取付けられ、前記羽根１８の羽根軸２４と連動して前記炎センサ２２が火炎を検 知して該羽根１８が流路１４を閉塞する時にはこの孔３８を閉止する開閉部４６ を含むこととしてもよい。

【００１０】 前記ダンパ壁１６には、孔３８が穿孔され、前記炎センサ２２は、前記流路１ ４内であって、ダンパ壁１６の孔３８の近傍位置であり、かつ、この孔３８から 負圧により流入する外気を受け得るように配置されて成ることとしてもよい。

【００１１】 前記炎センサ２２は、風の流れ方向に対して前記孔２２と略同じ位置又は該孔 より下流側に配置されて成ることとしてもよい。

【００１２】 前記炎センサ２２により炎発生を検知した場合には、前記孔３８を閉鎖する孔 閉鎖手段４４が設けられて成ることとしてもよい。

【００１３】 前記孔閉鎖手段４４は、少なくとも前記孔３８を閉鎖し得る様に揺動可能に取 付けられ、前記羽根１８の羽根軸２４と連動して前記炎センサ２２が炎を検知し て該羽根１８が流路１４を閉塞する時にはこの孔３８を閉止する開閉部４６を含 むこととしてもよい。

【００１４】

【作用】

本発明に係る炎センサ組込み防火ダンパは、厨房室等の天井板に設置されたレ ンジフードから天井裏空間を経由して屋外へと配置された排気ダクトの所望の位 置に連通設置するものである。 厨房室に火災が発生し、その火炎が排気ダクトに沿って高速で通流する場合に 、防火ダンパに組込んだ炎センサで早期に火炎を検知し、内部の羽根を閉塞作動 させ、かつダンパ壁に開孔した炎センサのための孔を閉鎖するものである。 これにより、高速で通流する火炎を防火ダンパの位置で的確に遮断し、排気ダ クトを経由して他区画へ火災が延焼するのを防止できる。 また炎センサを防火ダンパに組込んでいるため、施工を迅速簡易にができる。

【００１５】

【実施例】

以下、添付図面を参照しながら、本考案の好適な実施例を説明する。 図１乃至図６には、本考案に係る炎センサ組込み防火ダンパ１０が示されてい る。 図より明らかな様に、炎センサ組込み防火ダンパ１０は、ダンパ枠１２と、こ のダンパ枠１２内部の流路１４を開閉する様にダンパ壁１６に軸支された羽根１ ８と、この羽根１８を駆動させる駆動部２０とを有し、前記ダンパ枠１２には、 前記駆動部２０に接続され、この駆動部２０を介して羽根１８を閉塞作動させる 炎センサ２２が組込まれて成るものである。

【００１６】 これにより、防火ダンパ１０に組込んだ炎センサ２２で防火ダンパへ通流する 火炎を検視しながら、火炎の検知と同時に駆動部２０で開口している羽根１８を 敏速に閉塞させて火炎を遮断し、更に、炎センサ２２の駆動部２０への接続、配 線をする必要がなく、現場における施工を迅速簡易にできる。

【００１７】 図１、図２に示す様に、前記ダンパ枠１２は、排気ダクトに接続可能な端面視 略矩形状のケース体から形成されており、このダンパー枠１２の両側面のダンパ 壁１６、１６には、ダンパ枠１２内の流路１４を開閉する上下２枚の羽根１８、 １８の羽根軸２４、２４が軸支されている。 この羽根１８、１８は、前記流路１４の下流側に配置されたリンクレバの様な 同期連動機構２６で連係されている。

【００１８】 前記ダンパー枠１２は、必ずしも端面視略矩形状に限ることなく、円筒形でも よく、また、ダンパー枠１２内の羽根１８も二枚に限ることなく、一枚でも、或 は三枚以上であってもよい。 図において、前記羽根１８、１８は水平方向に開口された状態が示されている 。

【００１９】 前記駆動部２０は、ダンパ枠１２の一方のダンパー壁１６の外面上方位置に付 設された閉鎖装置２８と、この閉鎖装置２８内に設置された駆動スプリング３０ と、を備えている。

【００２０】 前記閉鎖装置２８には、図に示す上方側の羽根１８の羽根軸２４の一端部が貫 通軸支されて前記駆動スプリング３０に連係され、この閉鎖装置２８より突出し た羽根軸２４の端部に手動ハンドル３２が固定されている。

【００２１】 この手動ハンドル３２により閉鎖状態の羽根１８、１８を手動で水平方向へ開 口保持させたり、或は羽根の開口度を調整できる。また、前記閉鎖装置２８内に は、図示しない制御機構部が設けられ、この閉鎖装置２８の上面側には、開口状 態の羽根１８、１８のロックを開放して手動閉鎖させるための閉鎖レバ３４が突 出され、更に、前記閉鎖装置２８からダンパ壁１６を経由してダンパー枠１２内 へ温度ヒューズ３６が突出されている。

【００２２】 これにより、手動ハンドル３２を回動して閉鎖状態の羽根１８、１８を開口保 持させ、この開口保持された羽根１８、１８の閉塞作動をテストしたりする時に 前記閉鎖レバ３４を操作する。そして、火災等の発生時には、後述する炎センサ ２２が火炎を検知すると同時に閉鎖装置２８内の駆動スプリング３０が瞬時に作 動し、羽根軸２４を回転させて羽根１８、１８を敏速に閉塞作動させる。

【００２３】 図２、図３に示す様に、前記閉鎖装置２８の下方位置において、前記ダンパー 枠１２のダンパ壁１６には孔３８が穿孔され、前記ダンパ壁１６の外側には、前 記駆動部２０に接続され、前記孔３８を通じて流路１４側に光を透光させつつ必 要時に前記駆動部２０を介して羽根１８、１８を閉塞作動させる炎センサ２２が 設けられている。 この炎センサ２２をダンパ壁１６の外部に設置して保護しながら内部を検視で きる。

【００２４】 前記孔３８は、図６に示す様に、ダンパ壁１６内の羽根１８、１８の閉塞位置 より風の流れ方向の上流側において前記閉鎖装置２８の略下方位置に開孔されて いる。 前記炎センサ２２は、前記閉鎖装置２８の下面に付設された端子ボックス４０ 内に設置され、この炎センサ２２の検知部４２が前記ダンパ壁１６の孔３８から 流路１４内へ向けられている。

【００２５】 前記炎センサ２２がダンパ壁１６内の流路１４の上流側に到達した火炎を検知 すると同時に駆動スプリング３０が瞬時に作動し、羽根軸２４を回転させて羽根 １８、１８を敏速に閉塞作動させ、防火ダンパ１０内を火炎が通過する以前に遮 断するものである。 前記炎センサ２２の検知部４２は、孔３８の中心線に対し上下、左右方向に略 ５０度程度の範囲をカバーできるが、この検知部４２をダンパ壁１６内の上流側 へ向ければ流路１４内に到達する火炎を早目に検知できることとなる。

【００２６】 図３、図４、図５に示す様に、前記ダンパ壁１６の外面側には、炎センサ２２ が火炎を検知した場合に、前記ダンパ壁１６の孔３８を閉塞し、火炎がダンパ枠 １２の外部へ出るのを防止するための孔閉鎖手段４４が設けられている。 前記孔閉鎖手段４４は、少なくとも前記孔３８を開閉し得るように揺動可能に 取付けられ、前記羽根１８の羽根軸２４と連動して前記炎センサ２２が火炎を検 知して該羽根１８、１８が流路１４を閉塞する時にはこの孔３８を閉止する開閉 部４６を含む。

【００２７】 図４に示す様に、前記開閉部４６は、前記孔３８と対向した炎センサ２２側の 端子ボックス４０に一端が枢着４８された開口閉鎖板５０と、この開口閉鎖板５ ０の他端側を前記孔３８へ回動させるため前記閉鎖装置内へ貫通された羽根軸２ ４のダンパ壁１６寄り位置に固定された作動板５２とを備えている。

【００２８】 前記開口閉鎖板５０は、その上面側に逆Ｔ形状に突設された突板５４を有し、 この突板５４の上端側部にダンパ壁１６の反対側へ向け受部５６が折曲されてい る。更に、前記開口閉鎖板５０は、突板５４と端子ボックス４０とに張設された 付勢バネ５８で孔３８を開口保持する様に付勢されている。 前記羽根軸２４に固定された作動板５２の端部には、前記開口閉鎖板５０の突 板５４の受部５６に当接し得る押圧部６０がダンパ壁１６の反対側へ向け折曲さ れている。

【００２９】 これにより、ダンパ壁１６内の羽根１８、１６が水平方向へ回動して流路が開 口されているときには、図４に示す様に、前記開口閉鎖板５０はその端部が孔３ ８の上方へ傾斜した状態に付勢バネ５８で付勢保持され、また、前記羽根軸２４ に固定された作動板５２は、図４上において羽根軸２４から右側方向へ水平に突 出した状態に保持される。

【００３０】 そこで、孔３８を通じて炎センサ２２が火炎を検知して羽根１８、１８が閉塞 作動した時に、羽根軸２４と共に作動板５２が図４上の時計方向へ略９０度回転 する。そして、前記作動板５２の押圧部６０が開口閉鎖板５０の突板５４の受部 ５６を、図５に示す様に押圧することにより、開口閉鎖板５０は図４の仮想線で 示す位置へ付勢バネ５８の弾力に抗して回動して孔３８は閉鎖され、ダンパ壁１ ６内の火炎が孔３８から外部へ漏洩することなく、火炎の漏洩による延焼を防止 できる。

【００３１】 次に、本実施例の作用を説明すると、炎センサ組込み防火ダンパ１０は、図１ ０に示す様に、厨房室等の排気ガスを常時外部へと排気するため天井裏に配置さ れた排気ダクトのレンジフード寄り位置や防火壁寄り位置に設置するものである 。そして、ダンパー枠１２内の羽根１８、１８は、通常状態において、水平方向 に回動保持して流路１４内を開口させ、排気ダクトの外部寄り位置に設置した排 風機の吸引負圧で厨房室内の排気ガスを屋外へと排出するものである。

【００３２】 この状態で、万一、厨房室に火災が発生し、排気ダクト内面の油滴に引火した 火炎が防火ダンパ１０のダンパ壁１６内の上流側位置へ到達した時に、ダンパ壁 １６の孔３８の外面に設置された炎センサ２２が火炎を検知する。この検知と同 時に駆動スプリング３０が作動して羽根１８、１８が流路１４内を閉塞し、更に 羽根１８の羽根軸２４と連動して孔閉鎖手段４４が動作し、羽根軸２４に固定さ れた作動板５２の押圧部６０が開口閉鎖板５０の突板５４の受部５６を押圧して 開口閉鎖板５０で炎センサ２２と対向した孔３８を閉鎖するものである。

【００３３】 従って、防火ダンパ１０内を火炎が通過する以前に、防火ダンパ１０内の羽根 １８、１８を敏速に閉塞作動させると共に炎センサの孔３８も閉鎖することによ り、排気ダクト内を高速で通流する火災を防火ダンパ１０の位置で確実に遮断し て他の区画への火災の延焼を防止できる。また、孔３８から火炎が外部へ漏洩す るのを防止できる。そして、炎センサ２２が防火ダンパ１０に組込まれているた め、防火ダンパ１０の施工時に炎センサ２２の付設、配線等をする必要がなく、 現場において防火ダンパを迅速簡易に施工できる。

【００３４】 次に、図７、図８、図９には、本考案に係る炎センサ組込み防火ダンパー１０ の他の実施例が示されている。 本実施例において、先の実施例と同一部材には同一符号を付し、その説明を省 略する。

【００３５】 本実施例の炎センサ組み込防火ダンパ１０は、ダンパ枠１２内部の流路１４を 開閉する羽根１８と、この羽根１８を駆動させる駆動部２０とを有している。 前記ダンパ枠１２は、略矩形状に形成され、このダンパ枠１２内の両側面のダ ンパ壁１６、１６の上下位置に二枚の羽根１８、１８の羽根軸２４、２２が開閉 自在に軸支されている。 前記駆動部２０は、ダンパ枠１２の一方のダンパー壁１６の外面上方位置に付 設された閉鎖装置２８と、この閉鎖装置２８内に設置された駆動スプリング３０ と、を備えている。

【００３６】 前記閉鎖装置２８には、図に示す上方側の羽根１８の羽根軸２４の一端部が貫 通軸支されて前記駆動スプリング３０に連係され、この閉鎖装置２８より突出し た羽根軸２４の端部に手動ハンドル３２が固定されている。 前記閉鎖装置２８内には、図示しない制御機構部が設けられ、この閉鎖装置２ ８の上面側には、開口状態の羽根１８、１８のロックを開放して手動閉鎖させる ための閉鎖レバ３４が突出され、更に、前記閉鎖装置２８からダンパ壁１６を経 由してダンパー枠１２内へ温度ヒューズ３６が突出されている。

【００３７】 図８、図９に示す様に、前記ダンパ壁１６には、前記閉鎖装置２８の略下方位 置であって、内部の羽根１８、１６の閉塞位置より風の流れ方向の上流側となる 位置に孔３８が開孔されている。 前記ダンパ壁１６の内部の流路１４側には、前記孔３８から流路内を通流する 気流の吸引負圧で外気を受け得る様に炎センサ２２が配置され、この炎センサ２ ２は、前記駆動部２０に接続されて必要時に同駆動部２０を介して羽根１８、１ ８を閉塞作動させる。

【００３８】 本実施例においては、前記炎センサ２２をダンパ壁１６内の流路１４に、風の 流れ方向の上流側に向けて設置することにより、排気ダクト内を高速で防火ダン パ１０へ向かっている火炎を炎センサ２２で早期に検知し、同時に駆動スプリン グ３０が作動して羽根１８、１８で流路が閉塞され火炎を的確に遮断できる。

【００３９】 図９に示す様に、前記ダンパ壁１６の孔３８の内面側において、流路１４内を 流れる風の下流側となる縁部に取付板６２が突設され、この取付板６２に炎セン サ２２がその検知部４２を風の上流側へ向けて設置されている。 しかし、この炎センサ２２は、孔３８の下流側縁部に限定することなく、孔３ ８と略同位置になる様に配置してもよい。 これにより、前記ダンパ壁１６内の流路１４を通流する気流の吸引負圧で外部 の空気が孔３８内から高速で流入し、この流入する空気で炎センサ２２の検知部 ４２前面の透視板に塵埃が付着することなく、長期使用中においても検知部４２ は火炎を正確に検知できる。

【００４０】 また、本実施例においては、先の実施例と同様に、前記炎センサ２２が火炎を 検知した時に前記孔３８の外面を閉鎖する孔閉鎖手段４４が設けられている。 この孔閉鎖手段４４は、少なくとも前記孔３８を開閉し得るように揺動可能に 取付けられ、前記羽根１８の羽根軸２４と連動して前記炎センサ２２が火炎を検 知して該羽根１８、１８が流路１４を閉塞する時にはこの孔３８を閉止する開閉 部４６を含む。

【００４１】 前記開閉部４６は、図４に示す先の実施例と同様に、ダンパ壁１６に枢着４８ された開口閉鎖板５０と、この開口閉鎖板５０の他端側を前記孔３８へ回動させ るため前記閉鎖装置２８内へ貫通された羽根軸２４のダンパ壁１６寄り位置に固 定された作動板５２と、を備えている。

【００４２】 前記開口閉鎖板５０は、その上面側に逆Ｔ形状に突設された突板５４を有し、 この突板５４の上端側部にダンパ壁１６の反対側へ向け受部５６が折曲されてい る。更に、前記開口閉鎖板５０は、突板５４とダンパ壁１６とに張設された付勢 バネ５８で孔３８を開口保持する様に付勢されている。 前記羽根軸２４に固定された作動板５２の端部には、前記開口閉鎖板５０の突 板５４の受部５６に当着し得る押圧部６０がダンパ壁１６の反対側へ向け折曲さ れている。

【００４３】 これにより、ダンパ壁１６内の羽根１８、１８が水平方向へ回動して流路が開 口されているときには、前記開口閉鎖板５０はその端部が孔３８の上方へ傾斜し た状態に付勢バネ５８で付勢保持される。 そして、流路１４内の炎センサ２２が火炎を検知して羽根１８、１８が閉塞作 動した時に、羽根軸２４と共に作動板５２が、図４の場合と同様に、時計方向へ 略９０度回転し、前記作動板５２の押圧部６０が開口閉鎖板５０の突板５４の受 部５６を押圧することにより、開口閉鎖板５０は付勢バネ５８の弾力に抗して回 動して孔３８は閉鎖され、ダンパ壁１６内の火炎が孔３８から外部へ漏洩するの を防止することとなる。

【００４４】 上記した様に、本実施例においては、ダンパ壁１６に設けた孔３８の内部側に 炎センサ２２を設置してその検知部４２を気流の上流側へ向けて設置したもので あり、先の実施例の場合に比べ排気ダクト内を防火ダンパ１０へ向け高速で通流 する火炎を早期に炎センサ２２で検知できることとなる。

【００４５】 また、通常状態で孔３８から炎センサ２２へ外部空気が吸引されるため、ダン パ壁１６内部であっても炎センサ２２が塵埃で汚染されることもない。 そして、炎センサ２２が火炎を検知すると同時に、駆動部２０の駆動スプリン グ３０が瞬時に作動して羽根１８、１８を閉鎖作動させ、羽根軸２４と連係した 孔閉鎖手段４４の作動板５２で開口閉鎖板５０を回動して孔３８の外面を閉鎖し 、防火ダンパ１０の内部に到達した火炎が孔３８から外部へ漏洩して延焼するこ ともなく、ホテル、レストラン等の厨房室に発生した火災であっても、排気ダク トに設置した炎センサ組込み防火ダンパ１０で火災の延焼を遮断できる。 また、炎センサ２２を防火ダンパ１０内に組込みしているため、先の実施例と 同様に現場において防火ダンパを迅速簡易に施工できる。

【００４６】

【考案の効果】

以上説明した様に、請求項１に係る炎センサ組込み防火ダンパによれば、ダン パ枠と、このダンパ枠内部の流路を開閉する様にダンパ壁に軸支された羽根と、 この羽根を駆動させる駆動部とを有し、前記ダンパ枠には、前記駆動部に接続さ れ、この駆動部を介して羽根を閉塞作動させる炎センサが組込まれて成ることに より、防火ダンパへ高速で通流する火炎が防火ダンパ内を通過する以前に、炎セ ンサで検知して防火ダンパ内の羽根を閉塞作動させて火炎を遮断し、他の区画へ の火災の延焼を防止できると共にに、炎センサを組込んだことにより、炎センサ を駆動部へ接続、配線する必要がなく、現場において防火ダンパの施工を迅速簡 易にできる。

【００４７】 また、請求項２によれば、前記ダンパ壁には、孔が穿孔され、前記炎センサは 、前記孔を通じて流路側に光りを透光させつつ流路内を検視し得る様に同孔の外 側位置に配置されて成ることにより、炎センサを保護でき、保守点検も容易にで きる。

【００４８】 また、請求項３によれば、前記炎センサにより炎発生を検知した場合に、前記 孔を閉鎖する孔閉鎖手段が設けられて成ることにより、羽根による閉塞作動と同 時に炎センサの孔を閉塞でき、火炎が孔から漏洩することなく、炎センサの損傷 を防止できる。

【００４９】 また、請求項４によれば、前記孔閉鎖手段は、少なくとも前記孔を開閉し得る ように揺動可能に取付けられ、前記羽根の羽根軸と連動して前記炎センサが火炎 を検知して該羽根が流路を閉塞する時にはこの孔を閉止する開閉部を含むことを 特徴とすることにより、炎センサが内部を検知する孔は通常状態においては開口 保持されて内部を検視しながら火災発生時にダンパ側へ通流する火炎を的確に検 知でき、同時に孔を閉鎖して火炎が孔から漏洩するのを防止できる。

【００５０】 また、請求項５によれば、前記ダンパ壁には、孔が穿孔され、前記炎センサは 、前記流路内であって、ダンパ壁の孔の近傍位置であり、かつ、この孔から負圧 により流入する外気を受け得るように配置されて成ることにより、ダンパ内へ高 速で通流する火炎を炎センサで早期に検知でき、火炎がダンパ壁を通過する以前 に羽根を的確に閉塞作動させて火炎を遮断できる。 また、外部の空気が孔を経由して炎センサの検知部へ通流しながら検知部の前 面に塵埃が付着することなく、炎センサによる検視を継続できる。

【００５１】 また、請求項６によれば、前記炎センサは、風の流れ方向に対して前記孔と略 同じ位置又は該孔より下流側に配置されて成ることにより、外部の空気を炎セン サの検知部へ効率的に吸引できる。

【００５２】 また、請求項７によれば、前記炎センサにより炎発生を検知した場合には、前 記孔を閉鎖する孔閉鎖手段が設けられて成ることにより、羽根による閉塞作動と 同時に炎センサの孔を閉塞でき、火炎が孔から漏洩することなく、炎センサの損 傷を防止できる。

【００５３】 また、請求項８によれば、前記孔閉鎖手段は、少なくとも前記孔を閉鎖し得る 様に揺動可能に取付けられ、前記羽根の羽根軸と連動して前記炎センサが炎を検 知して該羽根が流路を閉塞する時にはこの孔を閉止する開閉部を含むことを特徴 とすることにより、通常状態においては孔から外部の空気が炎センサへ通流しな がら炎センサを正常な状態に保持しつつ内部を検視し、火災発生時にダンパ側へ 通流する火炎を的確に検知でき、孔の閉鎖で火炎の漏洩を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る炎センサ組込み防火ダン
パの正面図である。

【図２】図１の炎センサ組込み防火ダンパの右側面図で
ある。

【図３】ダンパ壁に付設された駆動部の閉鎖装置及び炎
センサが内装された端子ボックスを示した拡大側面図で
ある。

【図４】孔閉鎖手段の開閉部を示した拡大側面図であ
る。

【図５】孔閉鎖手段の開閉部が作動して孔が閉鎖された
状態における図４のＡ−Ａ線拡大矢視図である。

【図６】ダンパ壁の外部に設置した炎センサと羽根の遮
断位置を示した横断説明図である。

【図７】炎センサをダンパ壁の内部に設けた実施例の炎
センサ組込み防火ダンパの正面図である。

【図８】図７の炎センサ組込み防火ダンパの右側面図で
ある。

【図９】ダンパ壁内の炎センサを示した炎センサ組込み
防火ダンパの一部拡大横断面図である。

【図１０】厨房室の天井裏空間に配置された排気ダクト
及び防火ダンパの説明図である。

【符号の説明】

１０ 炎センサ組込み防火ダンパ １２ ダンパ枠 １４ 流路 １６ ダンパ壁 １８ 羽根 ２０ 駆動部 ２２ 炎センサ ２４ 羽根軸 ３０ 駆動スプリング ３８ 孔 ４４ 孔閉鎖手段 ４６ 開閉部

フロントページの続き (72)考案者 森 陽司 福岡県粕屋郡篠栗町大字和田1034の４ 協 立エアテック株式会社内

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダンパ枠と、このダンパ枠内部の流路を
   開閉する様にダンパ壁に軸支された羽根と、この羽根を
   駆動させる駆動部と、を有し、 前記ダンパ枠には、前記駆動部に接続され、この駆動部
   を介して羽根を閉塞作動させる炎センサが組込まれて成
   る炎センサ組込み防火ダンパ。
2. 【請求項２】 前記ダンパ壁には、孔が穿孔され、 前記炎センサは、前記孔を通じて流路側に光りを透光さ
   せつつ流路内を検視し得る様に同孔の外側位置に配置さ
   れて成る請求項１記載の炎センサ組込み防火ダンパ。
3. 【請求項３】 前記炎センサにより炎発生を検知した場
   合に、前記孔を閉鎖する孔閉鎖手段が設けられて成る請
   求項１又は２記載の炎センサ組込み防火ダンパ。
4. 【請求項４】 前記孔閉鎖手段は、少なくとも前記孔を
   開閉し得るように揺動可能に取付けられ、前記羽根の羽
   根軸と連動して前記炎センサが火炎を検知して該羽根が
   流路を閉塞する時にはこの孔を閉止する開閉部を含むこ
   とを特徴とする請求項１ないし３記載の炎センサ組込み
   防火ダンパ。
5. 【請求項５】 前記ダンパ壁には、孔が穿孔され、 前記炎センサは、前記流路内であって、ダンパ壁の孔の
   近傍位置であり、かつ、この孔から負圧により流入する
   外気を受け得るように配置されて成る請求項１記載の炎
   センサ組込み防火ダンパ。
6. 【請求項６】 前記炎センサは、風の流れ方向に対して
   前記孔と略同じ位置又は該孔より下流側に配置されて成
   る請求項５記載の炎センサ組込み防火ダンパ。
7. 【請求項７】 前記炎センサにより炎発生を検知した場
   合には、前記孔を閉鎖する孔閉鎖手段が設けられて成る
   請求項５又は６記載の炎センサ組込み防火ダンパ。
8. 【請求項８】 前記孔閉鎖手段は、少なくとも前記孔を
   閉鎖し得る様に揺動可能に取付けられ、前記羽根の羽根
   軸と連動して前記炎センサが炎を検知して該羽根が流路
   を閉塞する時にはこの孔を閉止する開閉部を含むことを
   特徴とする請求項１、５、６、または７記載の炎センサ
   組込み防火ダンパ。