JPH0724326Y2 - 物品整列装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は物品整列装置に関し、より詳しくは、ランダム
の状態で供給された棒状物品を吊下させることによって
１列に整列させるようにした物品整列装置に関する。

「従来の技術」 従来、この種の物品整列装置として、傾斜させて回転自
在に軸支した回転テーブルと、この回転テーブルの外周
に配設され、該回転テーブルの外周部との間に物品整列
間隙を形成する筒状壁と、小径部分が上記物品整列間隙
内に落下し、かつ大径部分が上記回転テーブルに係合し
て吊下可能な棒状物品を、上記回転テーブル上にランダ
ムの状態で供給する供給手段と、上記物品整列間隙に接
続されて該物品整列間隙に吊下された物品を外部に搬出
する排出シュートとを備えたものが知られている（特開
昭62-8914号公報）。

上記構成の物品整列装置においては、供給手段から回転
テーブル上にランダムの状態で供給された物品は、傾斜
された回転テーブルの下方で該回転テーブルと筒状壁と
の間の物品整列間隙に吊下されるようになり、回転テー
ブルの回転に伴なって吊下された状態のまま回転テーブ
ルの上方に搬送され、さらに所要位置に設けた排出シュ
ートを介して外部に搬出されるようになる。

「考案が解決しようとする課題」 しかるに、上記構成の物品整列装置では、回転テーブル
上の物品は自重によってその下方に集積され、かつ該下
方部分で物品整列間隙に入り込んで吊下されるので、そ
の物品整列間隙に吊下された物品の上方に多数の物品が
ランダムの状態で積層されるようになる。

その結果、物品整列間隙に吊下された物品は、その上方
の物品を押し分けて回転テーブルの回転に伴なって上方
に搬送される必要があるが、回転テーブルと物品の大径
部分との接触面積はそれほど大きくないので当該物品を
押し上げる摩擦力が不足し、それが原因となって回転テ
ーブルの下方部分に物品が滞る虞があった。

「課題を解決するための手段」 本考案はそのような事情に鑑み、傾斜させて回転自在に
軸支した回転ドラムと、この回転ドラムの外周に傾斜し
て配設され、該回転ドラムの外周壁との間に傾斜した物
品整列間隙を形成するガイド部材と、このガイド部材の
外周に該ガイド部材よりも大きな角度で傾斜させて回転
自在に軸支し、かつ内周部の頂部の高さを上記物品整列
間隙の頂部の高さにほぼ一致させたリング状の回転テー
ブルと、小径部分が上記物品整列間隙内に落下し、かつ
大径部分が上記回転テーブルに係合して吊下可能な棒状
物品を、上記回転テーブル上にランダムの状態で供給す
る供給手段と、この回転テーブルの外周を囲み、該回転
テーブル上に供給された物品が外部に脱落するのを防止
する筒状壁と、上記回転テーブルの上面に直径方向に設
けられて物品をその方向に案内する物品ガイドと、上記
回転ドラムの頂部よりも回転ドラムの回転方向下流側で
上記物品整列間隙に接続されて該物品整列間隙に吊下さ
れた物品を外部に搬出する排出シュートとを備える物品
整列装置を提供するものである。

「作用」 上記構成によれば、リング状の回転テーブル上に供給さ
れた物品は該回転テーブルの回転に伴なって上方に搬送
され、上方まで搬送されると自重により物品ガイドに沿
って落下し、小径部分を下方に向けていた物品は回転ド
ラムとガイド部材との間の物品整列間隙内に入り込んで
吊下される。そして物品整列間隙に吊下された物品は、
上記回転ドラムの回転に伴なって下方に搬送され、排出
シュートから外部に排出されるようになる。

これに対し、大径部分を下方に向けていた物品等は物品
整列間隙内に入り込むことができずにリング状回転テー
ブルの下方まで搬送されるが、その下方部分に貯留され
ている多数の物品と混合して向きが代り、小径部分を回
転テーブルの半径方向内方に向くように方向が変えられ
た物品は、上方まで搬送された際に自重によって物品整
列間隙内に入り込んで吊下される。

そして下方部分に貯留されている多数の物品は、この位
置では物品整列間隙内に入り込むことができずに転倒し
た状態となっているので上記回転テーブルとの接触面積
が大きく、しかも回転テーブルには上記物品ガイドが形
成されているので、容易に回転テーブルの回転に伴なっ
て上方に搬送され、下方部分に滞ることがない。

「実施例」 以下図示実施例について本考案を説明すると、第１図な
いし第２図において、物品整列装置１は、支柱２に大き
く傾斜させて固定した概略円筒状の第１フレーム３と、
この第１フレーム３の軸部に傾斜させて取付けた第１固
定軸４とを備えており、この第１固定軸４に回転テーブ
ル５を回転自在に軸支している。

上記回転テーブル５は中央部分に凹部5aを形成してあ
り、この凹部5a内に、上記第１固定軸４に固定した第２
フレーム６を配設している。この第２フレーム６は、上
記凹部5a内に位置してその内周面に沿う筒状部材７と、
該筒状部材７の上部に連設した、上記第１フレーム３よ
りも小さな傾斜角を有する筒状のガイド部材８とを備え
ている。

上記第２フレーム６には、筒状ガイド部材８の軸部に第
２固定軸９を設けてあり、該第２固定軸９に回転ドラム
10を回転自在に軸支している。そして該回転ドラム10の
外周壁10aと上記筒状のガイド部材８との間に傾斜した
物品整列間隙11を形成し、該物品整列間隙11で棒状物品
12を吊下できるようにしている。なお、上記回転ドラム
10の水平面からの傾斜角度は15〜30度、回転テーブル５
の水平面からの傾斜角度は40〜55度が好ましい。

上記回転テーブル５の凹部5aよりも外周側はリング状部
分5bとしてあり、その内周部を上記凹部5a内に位置する
筒状部材７の外周面に近傍させ、また外周部を第１フレ
ーム３に設けた筒状壁13の内周面に近接させている。上
記筒状壁13は、回転テーブル５上に供給された棒状物品
12が外部に脱落するのを防止するために設けたものであ
る。

そして第３図に示すように、上記回転テーブル５の傾斜
したリング状部分5bの内周側の最も高い位置が、上記回
転ドラム10とガイド部材８との間に傾斜して形成された
物品整列間隙11の最も高い位置とほぼ一致するように設
定してあり、それによって回転テーブル５上の棒状物品
12を物品整列間隙11に滑らかに落し込むことができるよ
うにしている。

さらに、上記第２フレーム６には回転ドラム10を回転駆
動するモータ14を設けてあり、このモータ14に連動させ
た駆動ギヤ15を回転ドラム10に固定した従動ギヤ16に噛
合させることにより、上記回転ドラム10を一方向に回転
駆動させることができるようにしている。

また第１フレーム６にも回転テーブル５を回転駆動する
モータ17を設けてあり、このモータ17に連動させた駆動
ギヤ18を回転テーブル５に固定した従動ギヤ19に噛合さ
せることにより、上記回転テーブル５を回転ドラム10と
同一方向に回転駆動させることができるようにしてい
る。

そして上記回転テーブル５の上面等間隔位置に多数の物
品ガイド20を直径方向に取付け、各物品ガイド20によっ
て回転テーブル５の下方に集積された棒状物品12を攪拌
できるようにするとともに、棒状物品12を容易に上方に
搬送できるようにし、さらに上方に搬送した棒状物品12
についてはその物品ガイド20の長手方向に沿って落下案
内させるようにしている。

上記棒状物品12は例えばディスペンサからなり、該ディ
スペンサは内部にポンプを収納した小径筒状のポンプ部
21と、このポンプ部21の下端部に取付けた扱い上げ管22
と、さらに上記ポンプ部21の外周に回転自在に取付けら
れて容器の口部に螺着される大径のキャップ部23とを備
えている。

そして第３図に拡大して示すように、小径部分となるポ
ンプ部21および扱い上げ管22は上記物品整列間隙11内に
落下するが、大径部分であるキャップ部23は物品整列間
隙11内に落下することができず、上記筒状のガイド部材
８に係合するようにしている。したがって棒状物品12
は、その大径部分がガイド部材８に係合して物品整列間
隙11内に吊下され、回転ドラム10の回転に伴なって搬送
されるようになる。

上記棒状物品12を回転テーブル５上に供給する供給手段
24は、図示しないホッパと、このホッパ内にランダムの
状態で投入された棒状物品12を掬い上げて上方に搬送す
る図示しないコンベヤと、さらにこのコンベヤの上端部
から落下される棒状物品12を傾斜した回転テーブル５の
上方部分に案内してランダムの状態で落下供給する供給
シュート25とを備え、この供給シュート25を上記筒状壁
13に連結している。

さらに上記第２フレーム６には、傾斜した回転ドラム10
の頂部よりも回転方向下流側となる下方位置に、上記物
品整列間隙11に吊下された棒状物品12を外部に搬出する
排出シュート26を設けている。この排出シュート26も傾
斜させて配設してあり、上記物品整列間隙11から受渡さ
れた棒状物品12の自重による滑動落下を案内できるよう
になっている。

以上の構成において、上記供給手段24から回転テーブル
５の上方部分に供給された棒状物品12は、該回転テーブ
ル５の傾斜により物品ガイド20に沿って下方に移動し、
その小径部分のポンプ部21および吸い上げ管22が上記物
品整列間隙11内に落下するとともに、大径部分のキャッ
プ部23がガイド部材８に係合して吊下される。

そして物品整列間隙11内に吊下された棒状物品12は、回
転ドラム10の回転と自重とによって物品整列間隙11内を
下方に搬送され、回転ドラム10の下方位置から排出シュ
ート26を介して外部に搬出される。

他方、物品整列間隙11に吊下されなかった棒状物品12
は、回転テーブル５の回転と自重とによって回転テーブ
ル５の下方位置まで搬送され、さらに回転テーブル５の
回転に伴なって上方に搬送されるようになる。このと
き、棒状物品12は物品ガイド20に係合してその方向に沿
った状態となり易く、その状態のまま上方まで搬送され
ると自重によって物品ガイド20に沿って落下し、小径部
分のポンプ部21および吸い上げ管22が上記物品整列間隙
11に向いている棒状物品12はその物品整列間隙11内に落
下する。

さらに、大径部分のキャップ部23が物品整列間隙11に向
いている等によって、該物品整列間隙11に吊下されなか
った棒状物品12は再び回転テーブル５の下方位置まで搬
送され、そこに貯留されている棒状物品12と攪拌されて
その向きが変更され、再度回転テーブル５の上方に搬送
されるようになる。

そしてその際、回転テーブル５の下方部分に貯留された
多数の棒状物品12は、この位置では物品整列間隙11内に
入り込むことができずに転倒した状態となっているので
上記回転テーブル５との接触面積が大きく、しかも回転
テーブル５には上記物品ガイド20が形成されているの
で、容易に回転テーブル５の回転に伴なって上方に搬送
され、下方部分に滞って上方に搬送されないということ
がない。

なお、上記物品ガイド20は、回転テーブル５の直径方向
に正確に一致して配設する必要がないことは勿論であ
る。また上記筒状壁13の上方位置にエア噴出装置を設
け、該エア噴出装置から噴射されるエアによって回転テ
ーブル５上の棒状物品12を上記物品ガイド20に沿って物
品整列間隙11に向けて移動させることができるようにし
てもよい。

「考案の効果」 以上のように、本考案によれば、棒状物品は傾斜させた
回転テーブルの上方部分で物品整列間隙に吊下されるの
で、該物品整列間隙に吊下された棒状物品をその自重を
利用して円滑に搬送することができ、したがって排出シ
ュートから確実に外部に搬出させることができるという
効果が得られる。

そして物品整列間隙に吊下されずに回転テーブルの下方
部分に搬送された物品は、その位置では転倒した状態と
なって回転テーブルとの接触面積が大きくなっており、
しかも回転テーブルには物品ガイドが形成されているの
で、回転テーブルの回転に伴なって確実に上方に搬送し
て物品整列間隙に吊下させるようにすることができ、物
品が下方部分に滞って上方に搬送されないといった事態
が発生することを確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は本考
案の平面図、第３図は本考案の要部を示す断面図であ
る。 １……物品整列装置、５……回転テーブル ８……ガイド部材、10……回転ドラム 10a……外周壁、11……物品整列間隙 12……棒状物品、13……筒状壁 20……物品ガイド、21……ポンプ部（小径部） 23……キャップ部（大径部） 24……供給手段、26……排出シュート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】傾斜させて回転自在に軸支した回転ドラム
   と、この回転ドラムの外周に傾斜して配設され、該回転
   ドラムの外周壁との間に傾斜した物品整列間隙を形成す
   るガイド部材と、このガイド部材の外周に該ガイド部材
   よりも大きな角度で傾斜させて回転自在に軸支し、かつ
   内周部の頂部の高さを上記物品整列間隙の頂部の高さに
   ほぼ一致させたリング状の回転テーブルと、小径部分が
   上記物品整列間隙内に落下し、かつ大径部分が上記回転
   テーブルに係合して吊下可能な棒状物品を、上記回転テ
   ーブル上にランダムの状態で供給する供給手段と、この
   回転テーブルの外周を囲み、該回転テーブル上に供給さ
   れた物品が外部に脱落するのを防止する筒状壁と、上記
   回転テーブルの上面に直径方向に設けられて物品をその
   方向に案内する物品ガイドと、上記回転ドラムの頂部よ
   りも回転ドラムの回転方向下流側で上記物品整列間隙に
   接続されて該物品整列間隙に吊下された物品を外部に搬
   出する排出シュートとを備えることを特徴とする物品整
   列装置。