JPH0724309A - 粒子の分離方法及び装置 - Google Patents
粒子の分離方法及び装置Info
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- JPH0724309A JPH0724309A JP16919593A JP16919593A JPH0724309A JP H0724309 A JPH0724309 A JP H0724309A JP 16919593 A JP16919593 A JP 16919593A JP 16919593 A JP16919593 A JP 16919593A JP H0724309 A JPH0724309 A JP H0724309A
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- light
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡単な手法で高い分別性能が得られる方法の
提供。 【構成】 フローセル1内に流路2を形成して、ここに
複数種の粒子が混在する分散媒を流す。この流路に対し
て流れ方向を横切るように2次元的に高速に光走査す
る。移動する粒子は走査光の1本1本を通過する毎に光
トラップによって制動力を受けるが、その際、サイズの
小さい(あるいは屈折率が小さい)粒子よりもサイズの
大きな(あるいは屈折率が大きい)粒子に、より大きな
制動力が作用する。これにより作用する制動力の小さい
粒子ほど照射位置を早く通過し、制動力の小さい粒子か
ら大きな粒子の順に分別されて流れる。
提供。 【構成】 フローセル1内に流路2を形成して、ここに
複数種の粒子が混在する分散媒を流す。この流路に対し
て流れ方向を横切るように2次元的に高速に光走査す
る。移動する粒子は走査光の1本1本を通過する毎に光
トラップによって制動力を受けるが、その際、サイズの
小さい(あるいは屈折率が小さい)粒子よりもサイズの
大きな(あるいは屈折率が大きい)粒子に、より大きな
制動力が作用する。これにより作用する制動力の小さい
粒子ほど照射位置を早く通過し、制動力の小さい粒子か
ら大きな粒子の順に分別されて流れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光によって粒子を分別す
る技術に関する。
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞、微生物、リポソームなどの生体関
連粒子、あるいはラテックス粒子、ゲル粒子、工業用粒
子などの合成粒子などの粒子を分別するため、種々の方
法が従来より知られている。
連粒子、あるいはラテックス粒子、ゲル粒子、工業用粒
子などの合成粒子などの粒子を分別するため、種々の方
法が従来より知られている。
【0003】一例として、レーザ光を集光して粒子を空
間内に閉じ込めるいわゆるレーザトラッピングを利用し
て粒子を分別しようとする報告がある[ H.Misawa, et
al.Chem.Lett., 469(1991) ]。
間内に閉じ込めるいわゆるレーザトラッピングを利用し
て粒子を分別しようとする報告がある[ H.Misawa, et
al.Chem.Lett., 469(1991) ]。
【0004】レーザトラッピングとは、光による粒子へ
の力学的作用を利用して粒子を操作する技術である。レ
ーザ光などの強度勾配を有する光ビームを粒子に集光照
射すると、粒子には光ビームの照射方向へ作用する光圧
力(放射圧)と光軸中に粒子を閉じこめる力(光勾配
力)の2つの力が作用する。これら光圧力及び光勾配力
は、いずれも光強度そして光軸方向の強度分布つまりレ
ンズ等による集光の度合い及び光軸に直角方向の強度分
布に依存する。さらには粒子の屈折率や吸収率(反射
率)及び粒子のサイズ等にも依存する。この内の勾配力
の作用によって照射位置に粒子を捕捉することができ
る。
の力学的作用を利用して粒子を操作する技術である。レ
ーザ光などの強度勾配を有する光ビームを粒子に集光照
射すると、粒子には光ビームの照射方向へ作用する光圧
力(放射圧)と光軸中に粒子を閉じこめる力(光勾配
力)の2つの力が作用する。これら光圧力及び光勾配力
は、いずれも光強度そして光軸方向の強度分布つまりレ
ンズ等による集光の度合い及び光軸に直角方向の強度分
布に依存する。さらには粒子の屈折率や吸収率(反射
率)及び粒子のサイズ等にも依存する。この内の勾配力
の作用によって照射位置に粒子を捕捉することができ
る。
【0005】上述のレーザトラッピングを利用した粒子
の分別は、大きさの異なる2種類のポリスチレンラテッ
クス粒子が混在する粒子群を用意して、これに向けてレ
ーザ光を光干渉によって多重リング状に集光させる。そ
して、多数の粒子を各リング上に光トラップした状態
で、リングの径を変化させると、トラッピング力の弱い
小さい粒子がリング外にはじき出されて排除され、大き
な粒子だけがリング上にトラップされ続け、結果的に大
きな粒子が選択的に分別されるものである。
の分別は、大きさの異なる2種類のポリスチレンラテッ
クス粒子が混在する粒子群を用意して、これに向けてレ
ーザ光を光干渉によって多重リング状に集光させる。そ
して、多数の粒子を各リング上に光トラップした状態
で、リングの径を変化させると、トラッピング力の弱い
小さい粒子がリング外にはじき出されて排除され、大き
な粒子だけがリング上にトラップされ続け、結果的に大
きな粒子が選択的に分別されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では分別性能に劣り、例えば3種類以上の粒子群を分
別することが困難である。
法では分別性能に劣り、例えば3種類以上の粒子群を分
別することが困難である。
【0007】本発明は上記従来例に鑑みなされたもの
で、簡単な手法で高い分別性能が得られる方法の提供を
目的とする。
で、簡単な手法で高い分別性能が得られる方法の提供を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の粒子の分別方法は、移動する粒子に対して走査光を
照射することにより、粒子の種類に応じた作用力を与え
て粒子の分別を行なうことを特徴とする。
明の粒子の分別方法は、移動する粒子に対して走査光を
照射することにより、粒子の種類に応じた作用力を与え
て粒子の分別を行なうことを特徴とする。
【0009】又、本発明の粒子の分別装置は、粒子が移
動する流路と、該流路に走査光を照射する手段とを有
し、該照射によって粒子の種類に応じた作用力を与えて
粒子の分別を行なうことを特徴とする。
動する流路と、該流路に走査光を照射する手段とを有
し、該照射によって粒子の種類に応じた作用力を与えて
粒子の分別を行なうことを特徴とする。
【0010】
<実施例1>本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図2、図3は第1本実施例の装置の全体構成を示すもの
である。図2は本実施例の装置の流体搬送系の構成を示
す図である。図中、試料容器4の内部には複数種類(3
種類以上)の粒子と分散媒(例えば水)からなる粒子分
散液5が蓄積されている。ここで粒子と分散媒とは同程
度の比重を有している。本実施例において異なる粒子と
は、(1)サイズが異なる、(2)屈折率が異なる、
(3)サイズ及び屈折率が異なる、のいずれかとする。
粒子の具体例としては、例えば、細胞、微生物、リポソ
ーム、DNA、RNAなどの生体関連粒子、あるいはラ
テックス粒子、ゲル粒子、工業用粒子、ミセルなどの合
成粒子、あるいはゴミなどの異物、土壌粒子などが挙げ
られる。
図2、図3は第1本実施例の装置の全体構成を示すもの
である。図2は本実施例の装置の流体搬送系の構成を示
す図である。図中、試料容器4の内部には複数種類(3
種類以上)の粒子と分散媒(例えば水)からなる粒子分
散液5が蓄積されている。ここで粒子と分散媒とは同程
度の比重を有している。本実施例において異なる粒子と
は、(1)サイズが異なる、(2)屈折率が異なる、
(3)サイズ及び屈折率が異なる、のいずれかとする。
粒子の具体例としては、例えば、細胞、微生物、リポソ
ーム、DNA、RNAなどの生体関連粒子、あるいはラ
テックス粒子、ゲル粒子、工業用粒子、ミセルなどの合
成粒子、あるいはゴミなどの異物、土壌粒子などが挙げ
られる。
【0011】容器6には分散媒7(例えば緩衝液などの
水系溶媒や、エタノールなどの有機溶媒)が蓄積され
る。試料容器4及び容器6にはそれぞれチューブ8、9
が挿入され、これらチューブはジョイントバルブ10を
介して流通路11に接続されている。流通路11には、
石英ガラスからなるフローセル1(ステージ19上に保
持されている)が接続され、フローセル1は排気チャン
バ12に接続されている。排気チャンバ12はバルブ1
3を閉じることにより内部の気密が保たれる。排気チャ
ンバ12内には分別容器14が設置され、流通路を流れ
た液体は分別容器14に収容される。この構成におい
て、吸引ポンプ15を作動させると、排気チャンバ内が
負圧となりフローセル1に粒子を含む分散媒の流れを形
成することができる。フローセル1の下流には、例えば
光学的、電気的、磁気的、音響光学的な手法を用いた粒
子測定手段16が設けられている。
水系溶媒や、エタノールなどの有機溶媒)が蓄積され
る。試料容器4及び容器6にはそれぞれチューブ8、9
が挿入され、これらチューブはジョイントバルブ10を
介して流通路11に接続されている。流通路11には、
石英ガラスからなるフローセル1(ステージ19上に保
持されている)が接続され、フローセル1は排気チャン
バ12に接続されている。排気チャンバ12はバルブ1
3を閉じることにより内部の気密が保たれる。排気チャ
ンバ12内には分別容器14が設置され、流通路を流れ
た液体は分別容器14に収容される。この構成におい
て、吸引ポンプ15を作動させると、排気チャンバ内が
負圧となりフローセル1に粒子を含む分散媒の流れを形
成することができる。フローセル1の下流には、例えば
光学的、電気的、磁気的、音響光学的な手法を用いた粒
子測定手段16が設けられている。
【0012】図3は本実施例の装置の走査光学系の構成
を示す図である。図中、40は光源である。光源40の
波長は、粒子の光吸収が少ない波長域、例えば細胞等の
生体関連粒子である場合は、光照射による損傷が少ない
波長域(近赤外〜赤外域)が好ましい。具体的には、Y
AGレーザ等の固体レーザ、Ar+ レーザ等のガスレー
ザ、半導体レーザなどTEM00モード(ガウシアンビー
ム)のレーザ光源が使用できる。又、レーザ光源に限ら
ず強度勾配を有する光を生成する光源であれば使用でき
る。
を示す図である。図中、40は光源である。光源40の
波長は、粒子の光吸収が少ない波長域、例えば細胞等の
生体関連粒子である場合は、光照射による損傷が少ない
波長域(近赤外〜赤外域)が好ましい。具体的には、Y
AGレーザ等の固体レーザ、Ar+ レーザ等のガスレー
ザ、半導体レーザなどTEM00モード(ガウシアンビー
ム)のレーザ光源が使用できる。又、レーザ光源に限ら
ず強度勾配を有する光を生成する光源であれば使用でき
る。
【0013】光源40から出射した光ビームは、2枚の
ガルバノミラー41、42で2次元的に偏向され、レン
ズ系43によりフローセル1に照射され、2次元走査が
行なわれる。なお、ガルバノミラー以外の光偏向手段、
例えば回転多面鏡、音響光学素子、電気光学素子等を使
用することもできる。又、フローセル移動させながら光
走査を行っても同様な光照射を行うことができる。この
場合、1枚のガルバノミラーによる1方向の光走査手段
とステージ19等によるフローセル移動手段とを組み合
わせることにより、フローセル上で2次元の光走査が可
能である。
ガルバノミラー41、42で2次元的に偏向され、レン
ズ系43によりフローセル1に照射され、2次元走査が
行なわれる。なお、ガルバノミラー以外の光偏向手段、
例えば回転多面鏡、音響光学素子、電気光学素子等を使
用することもできる。又、フローセル移動させながら光
走査を行っても同様な光照射を行うことができる。この
場合、1枚のガルバノミラーによる1方向の光走査手段
とステージ19等によるフローセル移動手段とを組み合
わせることにより、フローセル上で2次元の光走査が可
能である。
【0014】図1はフローセル1に照射光が与えられた
状態を示した図である。直線状の流路2に対して、走査
光の走査軌跡3が流れ方向を横断するように照射され
る。
状態を示した図である。直線状の流路2に対して、走査
光の走査軌跡3が流れ方向を横断するように照射され
る。
【0015】本実施例の装置では、サイズや屈折率に応
じて粒子を分別するための閾値を設定するために、光源
から出射して照射位置に照射される走査光の照射強度を
調整することができる。この調整の具体例としては、
(1)光源からの発光強度を調整する、(2)変調素子
やフィルターを光路中に配して照射光量を調整する、
(3)レンズ系を調整して実質的な照射光量を調整す
る、などが挙げられる。また、走査光の光波長を変えて
粒子分別の閾値を変えても良い。
じて粒子を分別するための閾値を設定するために、光源
から出射して照射位置に照射される走査光の照射強度を
調整することができる。この調整の具体例としては、
(1)光源からの発光強度を調整する、(2)変調素子
やフィルターを光路中に配して照射光量を調整する、
(3)レンズ系を調整して実質的な照射光量を調整す
る、などが挙げられる。また、走査光の光波長を変えて
粒子分別の閾値を変えても良い。
【0016】又、走査光学系の駆動制御により、走査パ
ターン(ピッチ、走査長さ)や走査スピードを調整する
ことによっても、閾値や分別分解能の設定が可能であ
る。
ターン(ピッチ、走査長さ)や走査スピードを調整する
ことによっても、閾値や分別分解能の設定が可能であ
る。
【0017】このように光の照射条件を変化させるだけ
で分別条件を変えることができるため、様々な種類の粒
子の分別にフレキシブルに対応できる。
で分別条件を変えることができるため、様々な種類の粒
子の分別にフレキシブルに対応できる。
【0018】次に本実施例の装置の動作について説明す
る。図2において、ジョイントバルブをチューブ8側に
して、試料容器4の粒子分散液を流通路11に少量流入
させる。次にジョイントバルブをチューブ9側に切り替
えて分散媒のみを流す。するとフローセル1には分散媒
の流れに乗って粒子が流れる。走査光の照射位置におい
ては、サイズの小さい(あるいは屈折率が小さい)粒子
よりもサイズの大きな(あるいは屈折率が大きい)粒子
に、より大きな作用力(制動力)が作用する。フローセ
ルを流れる粒子の速度に対して光走査速度を十分大きく
(例えば10倍以上)設定することにより、粒子にとっ
て走査軌跡上の光強度は時間平均化された定常光が照射
された場合と実質的に同等となる。従って、粒子は光走
査軌跡の1本を横断する毎に光勾配力によって制動力を
受け、数多くの走査軌跡を横断するので、高い分別性能
が得られる。こうして作用する制動力の小さい粒子ほど
照射位置を早く通過し、制動力の小さい粒子から大きな
粒子の順に分別されて流れる。
る。図2において、ジョイントバルブをチューブ8側に
して、試料容器4の粒子分散液を流通路11に少量流入
させる。次にジョイントバルブをチューブ9側に切り替
えて分散媒のみを流す。するとフローセル1には分散媒
の流れに乗って粒子が流れる。走査光の照射位置におい
ては、サイズの小さい(あるいは屈折率が小さい)粒子
よりもサイズの大きな(あるいは屈折率が大きい)粒子
に、より大きな作用力(制動力)が作用する。フローセ
ルを流れる粒子の速度に対して光走査速度を十分大きく
(例えば10倍以上)設定することにより、粒子にとっ
て走査軌跡上の光強度は時間平均化された定常光が照射
された場合と実質的に同等となる。従って、粒子は光走
査軌跡の1本を横断する毎に光勾配力によって制動力を
受け、数多くの走査軌跡を横断するので、高い分別性能
が得られる。こうして作用する制動力の小さい粒子ほど
照射位置を早く通過し、制動力の小さい粒子から大きな
粒子の順に分別されて流れる。
【0019】測定手段16ではこれらの流れる粒子の測
定を行ない、測定後、分別容器14で採取する。分別容
器14を適切なタイミングで取り替えることにより、分
別された粒子ごとに別々に採取することができる。
定を行ない、測定後、分別容器14で採取する。分別容
器14を適切なタイミングで取り替えることにより、分
別された粒子ごとに別々に採取することができる。
【0020】<実施例2>次に本発明の第2実施例を説
明する。本実施例は直線形状を有するフローセルの流路
に沿って光走査を行なったものである。
明する。本実施例は直線形状を有するフローセルの流路
に沿って光走査を行なったものである。
【0021】図4はフローセルと走査光の関係を示した
図である。走査光のスポット径が流路の幅と同程度ある
いは大きい場合は(a)のように1次元の光走査を行な
う、又、走査光のスポット径が流路の幅がより小さい場
合は(b)のように2次元的に光走査を行なう。光走査
速度は先の実施例と同様、粒子の流れる速度よりも十分
大きくする。
図である。走査光のスポット径が流路の幅と同程度ある
いは大きい場合は(a)のように1次元の光走査を行な
う、又、走査光のスポット径が流路の幅がより小さい場
合は(b)のように2次元的に光走査を行なう。光走査
速度は先の実施例と同様、粒子の流れる速度よりも十分
大きくする。
【0022】図5は1次元走査の場合の走査光学系の構
成を示すものである。なお、流体搬送系は先の図2と同
様であるため説明は省略する。図5において、光源50
からの光をポリゴンミラー(回転多面体鏡)5により偏
向して、反射ミラー52、レンズ系53によりフローセ
ル1に照射する。光走査方向は粒子の流れる方向と逆方
向もしくは同方向の一方向とし、往復走査はしないこと
が必要である。逆方向に走査した場合は、粒子に対して
光が制動力として作用するので、光による力学的作用を
受け難い(サイズや屈折率が小さい)粒子ほど光走査領
域を早く通過する。一方、同方向に走査した場合は、粒
子に対して光が推進力として作用し、光による力学的作
用を受け易い(サイズや屈折率が大きい)粒子ほど光走
査領域を早く通過する。このように光走査の方向によっ
て、粒子に対する作用力の作用方向を変えることができ
る。
成を示すものである。なお、流体搬送系は先の図2と同
様であるため説明は省略する。図5において、光源50
からの光をポリゴンミラー(回転多面体鏡)5により偏
向して、反射ミラー52、レンズ系53によりフローセ
ル1に照射する。光走査方向は粒子の流れる方向と逆方
向もしくは同方向の一方向とし、往復走査はしないこと
が必要である。逆方向に走査した場合は、粒子に対して
光が制動力として作用するので、光による力学的作用を
受け難い(サイズや屈折率が小さい)粒子ほど光走査領
域を早く通過する。一方、同方向に走査した場合は、粒
子に対して光が推進力として作用し、光による力学的作
用を受け易い(サイズや屈折率が大きい)粒子ほど光走
査領域を早く通過する。このように光走査の方向によっ
て、粒子に対する作用力の作用方向を変えることができ
る。
【0023】<実施例3>本発明の第3実施例を説明す
る。図6はフローセルと走査光との関係を示した図であ
り、フローセル60に形成された折り返し形状の流路6
1に対して、走査光の走査軌跡62が流れ方向を横断す
るように照射される。なお、流体搬送系や走査光学系は
図2、図3と同様である。このような折返し形状の微細
な流路を有するフローセルは、微細加工技術によって作
成される。
る。図6はフローセルと走査光との関係を示した図であ
り、フローセル60に形成された折り返し形状の流路6
1に対して、走査光の走査軌跡62が流れ方向を横断す
るように照射される。なお、流体搬送系や走査光学系は
図2、図3と同様である。このような折返し形状の微細
な流路を有するフローセルは、微細加工技術によって作
成される。
【0024】本実施例では、流路61の流れ方向に沿っ
た複数領域で粒子に作用力(制動力)を与えているの
で、高い分解能で分別を行うことができ、例えば3種類
以上の異なる粒子を容易に分別することができる。又、
フローセルの流路を微細加工技術によって微小領域に集
積させているので走査領域を小さくすることができ、走
査光学系の設計が容易である。
た複数領域で粒子に作用力(制動力)を与えているの
で、高い分解能で分別を行うことができ、例えば3種類
以上の異なる粒子を容易に分別することができる。又、
フローセルの流路を微細加工技術によって微小領域に集
積させているので走査領域を小さくすることができ、走
査光学系の設計が容易である。
【0025】<実施例4>次に流体搬送系が異なる第4
実施例を説明する。本実施例では流体を移送するために
電気浸透流を利用したことを特徴とする。実施例の説明
に先立ち、この電気浸透流の原理について図8を用いて
説明する。
実施例を説明する。本実施例では流体を移送するために
電気浸透流を利用したことを特徴とする。実施例の説明
に先立ち、この電気浸透流の原理について図8を用いて
説明する。
【0026】流路内壁はシラノール基等のイオン化によ
り固定した負電荷を持たせている。すると流路内の溶液
はその負電荷を中和するためにそれと等しい正電荷を持
つことになり、電気二重層を形成する。ここで流れ方向
の上流側に正極、下流側に負極の電場を与える、すると
正電荷が電場の力を受け、溶液全体が負極の方向へ移動
する。この電気浸透流の流路内での速度分布は、図の矢
印で示すように電気二重層(厚さ数Å)のごく近傍を除
いてほぼ均一であり、栓流に近いものとなる。一般にポ
ンプなど水圧を利用して液体を搬送する方法では、図9
に示すように流路の中心部に近づくに従い流速は速くな
り栓流にはならない。従ってこの電気浸透流を利用して
粒子分別を行なえば、液体の乱れが無く粒子の分離性能
が大幅に向上する。
り固定した負電荷を持たせている。すると流路内の溶液
はその負電荷を中和するためにそれと等しい正電荷を持
つことになり、電気二重層を形成する。ここで流れ方向
の上流側に正極、下流側に負極の電場を与える、すると
正電荷が電場の力を受け、溶液全体が負極の方向へ移動
する。この電気浸透流の流路内での速度分布は、図の矢
印で示すように電気二重層(厚さ数Å)のごく近傍を除
いてほぼ均一であり、栓流に近いものとなる。一般にポ
ンプなど水圧を利用して液体を搬送する方法では、図9
に示すように流路の中心部に近づくに従い流速は速くな
り栓流にはならない。従ってこの電気浸透流を利用して
粒子分別を行なえば、液体の乱れが無く粒子の分離性能
が大幅に向上する。
【0027】次に本実施例の流体搬送系を図7を用いて
説明する。図7において先の図2と同一の符号は同一の
部材を表わす。分別容器14、試料容器4、容器6内に
はそれぞれ電極100a、100b、100cが挿入さ
れており、内部の液体に浸漬されている。これらの各電
極は高圧直流電源装置17に接続され、電極100aに
は負電場が印加され、リレー18の切り替えによって電
極100bと100cのいずれかに選択的に正電場が印
加される。
説明する。図7において先の図2と同一の符号は同一の
部材を表わす。分別容器14、試料容器4、容器6内に
はそれぞれ電極100a、100b、100cが挿入さ
れており、内部の液体に浸漬されている。これらの各電
極は高圧直流電源装置17に接続され、電極100aに
は負電場が印加され、リレー18の切り替えによって電
極100bと100cのいずれかに選択的に正電場が印
加される。
【0028】この構成の動作を説明する。まずジョイン
トバルブ10をチューブ8側にして、高圧直流電源装置
17を作動させ、試料容器4に設けられた電極100c
に正電場を、分別容器14に設けられた電極100aに
負電場を印加する。すると上述した原理によって電気浸
透流が発生し、試料容器4の粒子分散液5がチューブ8
を移動する。粒子分散媒がジョイントバルブ10を通過
して流通路11に少量流入したら、次にジョイントバル
ブ10をチューブ9側に切り替え、且つリレー19の切
り替えによって容器6の電極100bに正電場を印加す
る。すると電気浸透流によって分散媒7のみが流れる。
こうしてフローセル1には分散媒の流れに乗って粒子が
流れる。
トバルブ10をチューブ8側にして、高圧直流電源装置
17を作動させ、試料容器4に設けられた電極100c
に正電場を、分別容器14に設けられた電極100aに
負電場を印加する。すると上述した原理によって電気浸
透流が発生し、試料容器4の粒子分散液5がチューブ8
を移動する。粒子分散媒がジョイントバルブ10を通過
して流通路11に少量流入したら、次にジョイントバル
ブ10をチューブ9側に切り替え、且つリレー19の切
り替えによって容器6の電極100bに正電場を印加す
る。すると電気浸透流によって分散媒7のみが流れる。
こうしてフローセル1には分散媒の流れに乗って粒子が
流れる。
【0029】フローセル1には先のいずれかの実施例と
同様、走査光が照射され、サイズの小さい(あるいは屈
折率が小さい)粒子よりもサイズの大きな(あるいは屈
折率が大きい)粒子に、より大きな作用力(制動力)が
作用する。各粒子は走査線の1本を横断する毎に光勾配
力によって制動力を受け、多数の走査線を横断するの
で、高い分別性能が得られる。こうして作用する制動力
の小さい粒子ほど照射位置を早く通過し、制動力の小さ
い粒子から大きな粒子の順に分別されて流れる。
同様、走査光が照射され、サイズの小さい(あるいは屈
折率が小さい)粒子よりもサイズの大きな(あるいは屈
折率が大きい)粒子に、より大きな作用力(制動力)が
作用する。各粒子は走査線の1本を横断する毎に光勾配
力によって制動力を受け、多数の走査線を横断するの
で、高い分別性能が得られる。こうして作用する制動力
の小さい粒子ほど照射位置を早く通過し、制動力の小さ
い粒子から大きな粒子の順に分別されて流れる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な手法で高い分別
性能が得られる。
性能が得られる。
【図1】第1実施例のフローセルと走査光の関係を示す
図である。
図である。
【図2】実施例の装置の流体搬送系の構成を示す図であ
る。
る。
【図3】実施例の装置の走査光学系の構成を示す図であ
る。
る。
【図4】第2の実施例のフローセルと走査光の関係を示
す図である。
す図である。
【図5】第2の実施例の装置の走査光学系の構成を示す
図である
図である
【図6】第3の実施例のフローセルと走査光の関係を示
す図である。
す図である。
【図7】第4の実施例の流体搬送系の構成を示す図であ
る。
る。
【図8】電気浸透流による流体の流れの様子を説明する
ための図である。
ための図である。
【図9】圧力による流体の流れの様子を説明するための
図である。
図である。
1 フローセル 2 流路 3 走査軌跡 4 試料容器 5 粒子分散液 6 容器 7 分散媒 8、9 チューブ 10 ジョイントバルブ 11 流通路 12 排気チャンバー 13 バルブ 14 分別容器 15 吸引ポンプ 16 測定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井阪 和夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 移動する粒子に対して走査光を照射する
ことにより、粒子の種類に応じた作用力を与えて粒子の
分別を行なうことを特徴とする粒子の分別方法。 - 【請求項2】 粒子が移動する流路と、 該流路に走査光を照射する手段と、を有し、該照射によ
って粒子の種類に応じた作用力を与えて粒子の分別を行
なうことを特徴とする粒子の分別装置。 - 【請求項3】 光照射位置の後方で粒子を測定する手段
を有する請求項2の装置。 - 【請求項4】 圧力によって流路に粒子を移動させる手
段を有する請求項2の装置。 - 【請求項5】 電気浸透流によって流路に粒子を移動さ
せる手段を有する請求項2の装置。
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DE69413470T DE69413470T2 (de) | 1993-07-08 | 1994-07-07 | Verfahren und Vorrichtung zum Trennen von Teilchen |
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Publication Number | Publication Date |
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