JPH07242938A - 加工性に優れた熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

加工性に優れた熱延鋼板の製造方法

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JPH07242938A
JPH07242938A JP3211694A JP3211694A JPH07242938A JP H07242938 A JPH07242938 A JP H07242938A JP 3211694 A JP3211694 A JP 3211694A JP 3211694 A JP3211694 A JP 3211694A JP H07242938 A JPH07242938 A JP H07242938A
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steel
steel sheet
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hot
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JP3211694A
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Norio Imai
規雄 今井
Nozomi Komatsubara
望 小松原
Kazutoshi Kunishige
和俊 国重
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【構成】重量%で、C:0.01〜0.20%、Si: 2.0%以
下、Mn:0.05〜2.0 %およびNi:0〜0.50%を含有し、
更に、トランプエレメントとして、Cu:0.01〜0.50%、
Sn: 0.001〜0.050 %、Pb: 0.001〜0.010 %およびA
s: 0.001〜0.050 %を含有する鋼を、熱間圧延後 500
℃以下で巻き取る。Niを含まない鋼片を対象とする場合
は、鋼片の加熱温度を低下させるのが好ましい。 【効果】上記のトランプエレメントを含む鋼片を原料と
して用いても、優れた加工性が損なわれず、表面性状が
良好で、自動車あるいは産業機械の構造用部材として使
用し得る熱延鋼板を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車あるいは産業機
械の構造用部材として使用される、延性、穴拡げ性等の
加工性、および表面性状に優れた熱間圧延鋼板(以下、
熱延鋼板という)を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続熱間圧延によって製造される熱延鋼
板は比較的安価な構造用材料として広く使用されてい
る。この熱延鋼板は、使用に際してプレス加工等により
成形される場合が多く、延性、穴拡げ性等の加工性に優
れていること、および表面性状のよいことが要求され
る。
【0003】近年、廃棄された自動車などをはじめとす
る鉄スクラップが増加し、製鉄用の原料として見直しさ
れつつあり、将来、大量に使用されることが予想され
る。しかし、鉄スクラップ中には、銅(Cu)、錫(S
n)、鉛(Pb)、砒素(As)などの通常の製錬法では除
去することが困難なトランプエレメントが含まれるた
め、鉄スクラップを製鉄用原料として使用した場合、こ
れらのトランプエレメントが鋼中に残留し、品質が劣化
する。そのため、従来の技術では、これらのトランプエ
レメントを含有する鉄スクラップを加工性が要求される
構造用材料としての熱延鋼板を製造する際の原料に使用
することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の従来技
術における問題点を解決し、Cu、Sn、Pb、Asなどがトラ
ンプエレメントとして残留する鋼片を原料として用いて
も、優れた加工性が損なわれず、表面性状の良好な熱延
鋼板を製造する方法を提供することを課題としてなされ
たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために種々の検討を重ねた結果、下記の知
見を得た。
【0006】(1) 熱間圧延後の巻取温度を 500℃以下と
することにより、加工性の劣化を抑制することができ
る。
【0007】Cu、Sn、Pb、Asなどがトランプエレメント
として残留する鋼片を用い、従来の技術により熱延鋼板
を製造した場合、熱間圧延後の巻取温度が 600〜700 ℃
程度と高いためにこれらのトランプエレメントが粒界に
偏析し、穴拡げ性が低下するとともに二次加工脆化を招
く。しかしながら、通常の熱間圧延を行った後、巻取温
度を 500℃以下に低下させることにより、上記トランプ
エレメントの粒界への偏析を抑制することができ、穴拡
げ性の低下ならびに二次加工脆化を回避することが可能
である。
【0008】(2) 鋼中へのNiの添加あるいはスラブ低温
加熱により表面性状を改善することができる。
【0009】鋼中にCuが含まれる場合、熱間加工時に生
じる割れによって熱延鋼板に表面疵、耳割れなどが発生
し、表面性状が劣化する。この熱間加工割れは、鋼片加
熱時に、スケールと鋼の界面に酸化されずに残ったCuが
溶融状態で母材の結晶粒界に浸入し、鋼の表面が脆化す
ることにより生じる。
【0010】更に、鋼中に含まれるCu、Sn、Pb、Asなど
の熱間加工時の割れに及ぼす影響を種々調査・検討した
結果、以下の結論を得た。すなわち、 (a) 0.001〜0.050 %のSn、 0.001〜0.010 %のPbまた
は 0.001〜0.050 %のAsがCuと共存せずに含まれている
場合は、これらの元素がCuと同様に酸化されにくく、Cu
よりも融点が低いにもかかわらず、熱間加工時の割れは
発生しない。しかし、CuとSn、AsまたはPbが共存する
と、熱間加工時の割れは、Cuのみが含まれている場合に
比べて助長される。その理由は明らかではないが、Cuに
Sn、Asが溶解し、より低融点の金属が形成されることに
よるものと考えられる。
【0011】(b)この低融点の金属は、Niを添加するこ
とにより融点が高くなって溶解しなくなり、また、鋼片
の加熱温度を低下させることによっても溶解しなくな
る。従って、Niの添加あるいはスラブ低温加熱により熱
間加工時の割れを抑制することができる。
【0012】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので、その要旨は、下記の熱延鋼板の製造方法にある。
【0013】重量%で、炭素(C):0.01〜0.20%、珪
素(Si): 2.0%以下、マンガン(Mn):0.05〜2.0 %
およびニッケル(Ni):0〜0.50%を含有し、更に、ト
ランプエレメントとして、銅(Cu):0.01〜0.50%、錫
(Sn): 0.001〜0.050 %、鉛(Pb): 0.001〜0.010
%および砒素(As): 0.001〜0.050 %を含有する鋼
を、熱間圧延後 500℃以下で巻き取ることを特徴とする
加工性に優れた熱延鋼板の製造方法。
【0014】
【作用】以下に、本発明の構成要件とその作用効果につ
いて詳細に説明する。なお、合金元素の「%」は「重量
%」を意味する。
【0015】(A)鋼片の化学組成 まず、本発明方法により製造される熱延鋼板に含有され
る各成分の作用効果とそれらの含有量の限定理由につい
て述べる。
【0016】C:Cは、鋼板の強度を高める好ましい成
分であるが、0.01%未満ではその効果が発揮されず、一
方、その含有量が0.20%を超えると加工性が低下する上
に、溶接性の劣化を招く。従って、Cの含有量は0.01〜
0.20%と定めた。
【0017】Si:Siは、固溶強化を通して鋼板の強度と
延性を向上させる作用を有している。しかし、 2.0%を
超えて含有させてもその効果が飽和するとともに、溶接
性が劣化する。従って、Si含有量は 2.0%以下と定め
た。
【0018】Mn:Mnは、鋼板の強度を向上させる元素で
あり、更に、鋼中に不純物として存在する硫黄(S)を
MnSとして固定し、熱間圧延中に生じる割れを抑制する
作用も有している。しかし、その含有量が0.05%未満で
は、割れ抑制効果が認められず、一方、 2.0%を超えて
含有させても加工性が低下する上に、溶接性の劣化を招
く。従って、Mnの含有量は0.05〜2.0 %と定めた。
【0019】Ni:Niは、前記のように、鋼片を加熱する
際に酸化されずに表面に残存するCu、Sn、Pb、Asなどか
らなる低融点金属の形成に起因する熱間加工時の割れを
抑制する作用を有しているので、必要に応じて添加す
る。しかし、0.50%を超えて含有させても上記作用が飽
和し、経済性を損なうだけである。従って、Niの含有量
は0〜0.50%とした。前記の作用を充分発揮させるため
には、0.01〜0.50%の含有量とするのが好ましい。な
お、Niを添加しない場合は表面性状に若干劣化の傾向が
みられるので、後述するように鋼片の加熱温度を低下さ
せることが望ましい。
【0020】Cu、Sn、PbおよびAs:製鉄用の原料の一部
または全部に鉄スクラップを使用した場合、製造される
熱延鋼板にはトランプエレメントとして主にCu、Sn、P
b、Asが含有される。
【0021】これらのトランプエレメントは、加工性、
特に穴拡げ性を低下させるとともに二次加工脆化を生じ
させる。これらの元素の含有量が、Cuについては0.50
%、Snについては0.10%、Pbについては 0.010%、Asに
ついては0.05%を超えると、本発明方法で定める条件で
熱間圧延を行っても加工性の劣化と二次加工脆化を回避
することはできない。一方、これらのトランプエレメン
トの含有量が、 Cu 0.01%未満、 Sn 0.05%未満、Pb
0.001%未満、As 0.001%未満の場合は、通常の条件で
熱間圧延を行っても加工性の劣化は許容限界内にとどま
る。従って、本発明方法で対象とする鋼に含まれるトラ
ンプエレメントの含有量は、 Cu 0.01〜0.50%、Sn 0.0
01〜0.050 %、Pb 0.001〜0.010 %およびAs 0.001〜0.
050 %とした。
【0022】これらのトランプエレメントによる加工性
の劣化と二次加工脆化を一層効果的に抑えるためには、
Cu(%)+10Sn(%)+50Pb(%)+10As(%)が 1.5
%以下であることが好ましい。
【0023】本発明方法により製造される熱延鋼板に
は、上記の成分以外に、0.0002〜0.0100%のカルシウム
(Ca)、0.01〜0.10%のジルコニウム(Zr)、 0.002〜
0.10%の希土類元素、 0.005〜0.10%のチタン(Ti)、
0.005〜0.10%のニオブ(Nb)、 0.005〜0.20%のバナ
ジウム(V)、0.01〜1.0 %のクロム(Cr)、および0.
01〜1.0 %のモリブデン(Mo)の中の1種以上を含有さ
せてもよい。
【0024】Ca、Zrおよび希土類元素:これらの成分は
いずれも介在物の形状を調整して冷間加工性を改善する
作用を有する。しかし、その含有量が、Caについては0.
0002%未満、 Zr については0.01%未満、および希土類
元素については 0.002%未満では、前記の作用による所
望の効果が得られず、一方、Caについては0.0100%、Zr
については0.10%、希土類元素については0.10%を超え
て含有させると、逆に鋼中の介在物が多くなりすぎて加
工性が劣化する。従って、これらの元素を添加する場
合、その含有量を、Caについては0.0002〜0.01%、Zrに
ついては0.01〜0.10%、希土類元素については 0.002〜
0.10%とするのがよい。
【0025】Ti、NbおよびV:Ti、NbおよびVはフェラ
イト地に炭窒化物として析出して鋼板の強度を高める元
素である。しかし、その効果は、Ti、NbおよびVのいず
れについても 0.005%未満では得られず、一方、これら
の元素のうち、TiおよびNbについては0.10%を超えて、
Vについては0.20%を超えて含有させるとその効果は飽
和する。従って、これらの元素を含有させる場合、その
含有量はTiおよびNbについては 0.005〜0.10%、Vにつ
いては 0.005〜0.20%とするのがよい。
【0026】CrおよびMo:CrおよびMoは変態強化により
鋼板の強度を高める元素である。しかし、その効果は、
いずれも0.01%未満では得られず、一方、 1.0%を超え
て含有させるとその効果は飽和する。従って、これらの
元素を添加する場合、その含有量はいずれも0.01〜1.0
%とするのがよい。
【0027】本発明方法により製造される熱延鋼板は、
上記の成分以外、残部が鉄(Fe)と脱酸剤として添加す
るアルミニウム(Al)および不可避の不純物からなる鋼
板である。不純物としては、燐(P)および硫黄(S)
が重要である。これらの成分の含有量はいずれも下記の
ように低い値に抑えるのが望ましい。
【0028】sol.Al:Alは鋼の脱酸剤として添加される
成分であるが、鋼の清浄度の観点からその含有量はsol.
Alとして0.30%以下とするのが望ましい。
【0029】P:Pは溶接性に悪影響を及ぼす不純物元
素であり、所望の溶接性を確保するためにその含有量を
0.05%以下とするのが望ましい。なお、特にフェライト
を均一に分散させるには、 0.010%以下にすることが好
ましい。
【0030】S:Sは硫化物系介在物を形成して加工性
を低下させる不純物元素である。従って、Sの含有量は
0.05%以下、特に優れた加工性を得るためには、 0.003
%以下にすることが好ましい。
【0031】本発明方法は、上記の組成を有する鋼片を
以下に述べる条件で熱間圧延する方法であるが、この鋼
は、転炉、電気炉等により溶製された鋼であればよく、
鋼種も、リムド鋼、キャップド鋼、セミキルド鋼または
キルド鋼のいずれでもよい。
【0032】また、鋼片は、造塊−分塊圧延あるいは連
続鋳造のいずれの手段によって得られたものであっても
よい。
【0033】(B)熱延鋼板の製造条件 次に、本発明方法における熱間圧延条件について述べ
る。
【0034】上記の各成分を含有する鋼片を熱間圧延す
るに際し、Niを含有する鋼片については通常の熱間圧延
を行った後、 500℃以下で巻き取ることにより、加工性
が損なわれず表面性状の優れた熱延鋼板を製造すること
が可能である。これは、 500℃以下で巻き取ることによ
り、Cu、Sn、Pb、Asのトランプエレメントの粒界偏析を
抑制することができるからで、巻取温度が 500℃を超え
るとこれらの元素が粒界に偏析し、穴拡げ性の低下と二
次加工脆化を招く。
【0035】一方、Niが含まれない鋼片については、鋼
片の加熱温度が1080℃を超えると表面性状が若干劣化す
る傾向が認められる。これは、トランプエレメントが本
発明方法で規定する範囲内であっても、加熱時に酸化さ
れずに表面に残留する前記のトランプエレメントが溶融
し、熱間加工時に割れが発生しやすくなることによるも
のである。従って、Niが含まれない鋼片を熱間圧延する
場合は鋼片の加熱温度を1080℃以下とし、熱間圧延を行
った後、 500℃以下で巻き取ることが望ましい。
【0036】本発明方法によれば、Cu、Sn、Pb、Asのト
ランプエレメントが含まれる鉄スクラップを使用して
も、加工性が損なわれず、表面疵、耳割れなどがない表
面性状の優れた熱延鋼板を製造することができる。な
お、本発明方法により製造される熱延鋼板にさらに溶融
亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっきや電気めっきのよう
な表面処理を施すことにより加工性に優れた表面処理鋼
板とすることができる。
【0037】
【実施例1】表1および表2に示す化学組成を有するス
ラブを表3および表4に示す条件で加熱し、粗圧延およ
び仕上圧延した後、制御冷却を行い、巻取って、板厚
2.3mmの鋼板を得た。熱間圧延の終了温度ならびに巻取
温度は表3および表4に示すとおりである。鋼種A1〜
Y1は本発明で規定する条件を満足する鋼で、Niを含ま
ない鋼であり、鋼種Z1はトランプエレメントを含有し
ない従来鋼、鋼種α〜δはトランプエレメントの含有量
が本発明方法で定める範囲を超える比較鋼である。
【0038】前記の板厚 2.3mmの鋼板から JIS5号引張
試験片を採取し、機械的性質を調査するとともに、穴拡
げ性、二次加工脆化および表面性状を調査した。
【0039】穴拡げ性の調査では、 2.3mm× 120mm× 1
20mmの寸法の鋼片に14mmφの孔をクリアランス15%で打
ち抜いた後、円錐ポンチを用いて穴拡がり率を求めた。
【0040】二次加工脆化の調査では、直径 120mmの鋼
片を、絞り比 2.0でカップ成形後、耳部を切断し、種々
の温度で落重試験を行ったときに脆性破壊を起こす最高
の温度 (二次加工脆化温度) を測定した。
【0041】また、表面性状の調査では、幅1m 、長さ
1m の板を圧延方向にランダムに10枚サンプリングし、
各板について1m ×1m の範囲(面)を 100mm毎にます
目に区切って 100等分し、割れのあるます目の数を数え
て1m2当たりの個数を求め、10枚の結果を平均し、下記
の基準で1〜4のランクに分けて表示した。ランク1お
よび2を良好とした。
【0042】 ランク1 表面割れ発生頻度が 0.3個/m2以下 〃 2 〃 0.4〜2.0 個/m2 〃 3 〃 2.1〜3.0 個/m2 〃 4 〃 3.1個/m2以上 調査結果を表3および表4に併せて示す。
【0043】この結果から明らかなように、試験 No.1
〜25の本発明例では、試験 No.26の従来例の鋼板と同様
に、穴拡げ性が劣化せず、二次加工脆化(二次加工脆化
温度の上昇)がなく、優れた加工性を有し、表面性状も
良好である。但し、スラブの加熱温度が比較的低い試験
No.10〜13を除いて表面性状はランク2で、良好ではあ
るが、従来例に比べ若干の劣化が認められた。
【0044】これに対して、巻取温度が本発明方法で定
める条件よりも高い試験 No.27〜31では、穴拡げ性が劣
化し、二次加工脆化が生じた。また、トランプエレメン
トの含有量が本発明方法で定める上限を超える試験 No.
32〜35では、穴拡げ性の劣化、二次加工脆化に加え、表
面性状も劣化した。
【0045】
【実施例2】表5および表6に示す化学組成を有するス
ラブを表7および表8に示す条件で加熱し、粗圧延およ
び仕上圧延した後、制御冷却を行い、巻取って、板厚
2.3mmの鋼板を得た。熱間圧延の終了温度ならびに巻取
温度は表7および表8に示すとおりである。鋼種A2〜
Y2は本発明で規定する条件を満足する鋼で、Niを含む
ものであり、鋼種Z2はトランプエレメントを含有しな
い従来鋼、鋼種β〜εは比較鋼である。
【0046】得られた鋼板から JIS5号引張試験片を採
取して機械的性質を調査するとともに、穴拡げ性、二次
加工脆化および表面性状を調査した。穴拡げ性および表
面性状を調査は実施例1の場合と同様の方法で行った
が、二次加工脆化の調査では、直径 120mmの鋼片を、絞
り比 2.0でカップ成形後、耳部を切断し、種々の温度で
落重試験を行ったときに脆性破壊を起こす最大の温度
(2次加工脆化温度) を測定した。
【0047】調査結果を表7および表8に併せて示す。
【0048】この表に示されるように、試験 No.36〜60
の本発明例では、従来例(試験 No.61)と同様に、穴拡
げ性の劣化および二次加工脆化(二次加工脆化温度の上
昇)がなく、優れた加工性を有し、表面性状も良好であ
る。これに対して、巻取温度が本発明方法で定める条件
よりも高い試験 No.62〜66では、穴拡げ性が劣化し、二
次加工脆化が生じた。また、トランプエレメントの含有
量が本発明方法で定める上限を超える試験 No.67〜70で
は、表面性状の劣化も認められた。
【0049】
【実施例3】表1および表2に示した化学組成を有する
実施例1で用いたスラブを表9および表10に示す条件で
加熱し、粗圧延および仕上圧延した後、制御冷却を行
い、巻取って、板厚 2.3mmの鋼板を得た。Niを含まない
鋼を対象として、スラブの加熱温度を低下させた場合で
ある。熱間圧延の終了温度ならびに巻取温度は表9およ
び表10に示すとおりである。
【0050】得られた鋼板から JIS5号引張試験片を採
取して機械的性質を調査するとともに、穴拡げ性、二次
加工脆化および表面性状を調査した。穴拡げ性、二次加
工脆化および表面性状の調査は実施例1の場合と同様の
方法で行った。
【0051】調査結果を表9および表10に併せて示す。
【0052】この表に示されるように、試験 No.71〜95
の本発明例では、従来例(試験 No.96)と同様に、穴拡
げ性の劣化および二次加工脆化(二次加工脆化温度の上
昇)がなく、優れた加工性を有し、表面性状も良好であ
る。これに対して、本発明方法で定める条件よりも高い
温度で巻き取った試験 No.97〜101 では、穴拡げ性が劣
化し、二次加工脆化が生じた。また、トランプエレメン
トの含有量が本発明方法で定める上限を超える試験No.1
02〜105 では、表面性状の劣化も認められた。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】
【表10】
【0063】
【発明の効果】本発明方法によれば、Cu、Sn、Pb、Asな
どがトランプエレメントとして残留する鋼片を原料とし
て用いても、優れた加工性が損なわれず、表面性状の良
好な、自動車あるいは産業機械の構造用部材として使用
し得る熱延鋼板を製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.01〜0.20%、Si: 2.0%
    以下、Mn:0.05〜2.0 %およびNi:0〜0.50%を含有
    し、更に、トランプエレメントとして、Cu:0.01〜0.50
    %、Sn: 0.001〜0.050 %、Pb: 0.001〜0.010 %およ
    びAs: 0.001〜0.050 %を含有する鋼を、熱間圧延後 5
    00℃以下で巻き取ることを特徴とする加工性に優れた熱
    延鋼板の製造方法。
JP3211694A 1994-03-02 1994-03-02 加工性に優れた熱延鋼板の製造方法 Pending JPH07242938A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0792942A1 (en) * 1996-02-29 1997-09-03 Kawasaki Steel Corporation Steel, steel sheet having excellent workability and method of producing the same by electric furnace-vacuum degassing process

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