JPH07242582A - 3−ヘキシナールアセタール及びシス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセタールの製造法 - Google Patents

3−ヘキシナールアセタール及びシス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセタールの製造法

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JPH07242582A
JPH07242582A JP5531694A JP5531694A JPH07242582A JP H07242582 A JPH07242582 A JP H07242582A JP 5531694 A JP5531694 A JP 5531694A JP 5531694 A JP5531694 A JP 5531694A JP H07242582 A JPH07242582 A JP H07242582A
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JP
Japan
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acetal
cis
hexinal
hexenyl
dicis
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JP5531694A
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English (en)
Inventor
Ko Horino
曠 堀野
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】シス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニ
ルアセタールを高収率かつ高純度で得る製造法を提供す
る。 【構成】式(1)または式(2)で表されることを特徴
とする3−ヘキシナールアセタール。前記3−ヘキシナ
ールアセタールを水素添加せしめることを特徴とするシ
ス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセター
ルの製造法。 【化1】 【化2】 【効果】シス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニ
ルアセタールを高収率かつ高純度で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な3−ヘキシナール
アセタール及びそれを原料に用いるシス−3−ヘキセナ
ールジシス−3−ヘキセニルアセタールの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】下記式(3)で表されるシス−3−ヘキ
セナールジシス−3−ヘキセニルアセタールは、他のア
セタール類とは異なった新しい芳香を有することが見出
され、香料成分としての用途が期待されている。かかる
シス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセタ
ールの製造法としては、シス−3−ヘキセナールとシス
−3−ヘキセノールとを触媒及び脱水剤の存在下に縮合
させる方法が知られているが、この方法では多くの副生
成物が生成し、目的物を高収率かつ高純度で得られない
といった問題点があった(S.Arctander,”
Perfumeand Flavor Chemica
ls”,Steffen,Arctander’s,
Publications,Las Vegas,N
V,1969)。
【0003】
【化3】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は前記問題点
を解決するべく鋭意検討を行ったところ、後記式(4)
または式(5)で表される新規な3−ヘキシナールアセ
タールは公知化合物から合成できること、さらに、該3
−ヘキシナールアセタールを水素添加することによりシ
ス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセター
ルを高収率かつ高純度で得られることを見出し、かかる
知見に基づき本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決する為の手段】かくして本発明によれば式
(4)または式(5)で表されることを特徴とする3−
ヘキシナールアセタールが提供される。さらに本発明に
よれば、該3−ヘキシナールアセタールを水素添加する
ことを特徴とするシス−3−ヘキセナールジシス−3−
ヘキセニルアセタールの製造法が提供される。
【0006】
【化4】
【0007】
【化5】
【0008】本発明の3−ヘキシナールアセタールは文
献未記載の新規化合物であり、前記式(4)または式
(5)で表される構造を有するものである。すなわち、
式(4)で表される3−ヘキシナールジシス−3−ヘキ
セニルアセタールまたは式(5)で表される3−ヘキシ
ナールジ−3−ヘキシニルアセタールである。本発明の
3−ヘキシナールアセタールは、常法に従い得ることが
できる。例えば、3−ヘキシナールアセタールが式
(4)で表される3−ヘキシナールジシス−3−ヘキセ
ニルアセタールである場合は、式(6)で表される3−
ヘキシナールジアルキル−アセタールとシス−3−ヘキ
セン−1−オールとを酸触媒の存在下に反応させること
により得ることができる。また、3−ヘキシナールアセ
タールが式(5)で表される3−ヘキシナールジ−3−
ヘキシニルアセタールである場合は、式(6)で表され
る3−ヘキシナールジアルキル−アセタールと3−ヘキ
シン−1−オールとを酸触媒の存在下に反応させること
により得ることができる。
【0009】
【化6】 式中、R3はアルキル基を示し、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニ
ル基などが挙げられる。なかでも、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基などの低級アルキル基
が好適である。
【0010】酸触媒としては、例えば、塩酸、リン酸、
硝酸などの無機酸;塩化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ムなどの無機酸の塩;メタンスルホン酸、パラトルエン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸;パ
ラトルエンスルホン酸ピリジニウムなどのスルホン酸の
塩;酸型イオン交換樹脂;ポリビニルピリジン塩酸塩な
どが挙げられる。なかでも、好ましいものはスルホン酸
やその塩であり、特に好ましいものはパラトルエンスル
ホン酸やそのピリジニウム塩である。
【0011】3−ヘキシナールジアルキル−アセタール
1モルに対するシス−3−ヘキセン−1−オールまたは
3−ヘキシン−1−オールの使用量は、通常、1〜20
モル、好ましくは1.5〜5モルである。また、3−ヘ
キシナールジアルキル−アセタール1モルに対する酸触
媒の使用量は、通常、0.0001〜0.1モル、好ま
しくは0.001〜0.1モルである。
【0012】反応温度は、通常、0〜100℃、好まし
くは10〜50℃である。反応時間は、通常、数分〜1
0時間、好ましくは10分〜5時間である。反応の方法
は特に限定されず、通常は反応成分を混合し攪拌すれば
よい。反応を速やかに行い、平衡を有利に導くには、副
生するアルコールを系外に逐次留去させることが好まし
い場合がある。また、減圧下に反応を実施してもよく、
その場合の圧力は、反応温度における、原料の3−ヘキ
シナールジアルキル−アセタール、シス−3−ヘキセン
−1−オールまたは3−ヘキシン−1−オールの蒸気圧
のいずれよりも高く、副生するアルコールの蒸気圧より
も低い圧力が選択される。
【0013】反応終了後は、常法により3−ヘキシナー
ルアセタールを単離することができる。例えば、反応液
をアルカリ水溶液で洗浄し、有機層を蒸留する方法が挙
げられる。蒸留の際には、蒸留中の分解を防止するため
に炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの炭酸のアルカリ
金属塩またはトリエタノールアミンのようなアミン類を
添加することが好ましい場合がある。
【0014】本発明では、このようにして得られた3−
ヘキシナールアセタールを水素添加触媒の存在下に水素
添加することにより、シス−3−ヘキセナールジシス−
3−ヘキセニルアセタールを得ることができる。水素添
加触媒は、炭素−炭素三重結合を選択的に炭素−炭素二
重結合に接触還元する際に、通常用いられているもので
あれば特に限定されず、例えば、パラジウム系水素添加
触媒が用いられる。パラジウム系水素添加触媒としては
パラジウムを活性源として含むものであれば何れも使用
可能であり、例えば、リンドラー触媒、パラジウム担持
の活性炭、パラジウム担持の炭酸カルシウム、パラジウ
ム担持のシリカゲル、パラジウム担持のケイソウ土、パ
ラジウムブラックなどが挙げられる。なかでも、リンド
ラー触媒が賞用される。水素添加触媒の使用量は、3−
ヘキシナールアセタール100重量部に対し、0.00
1〜0.3重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部
である。
【0015】水素添加反応は常法に従い、バッチ式また
は流通式の反応器中に水素を吸収させることによって行
われる。また、反応に際し不活性溶媒を存在させること
ができる。不活性溶媒としては、例えば、ヘキサン、シ
クロヘキサンなどの飽和炭化水素;メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢
酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。なかで
も、飽和炭化水素やアルコール類が好ましく、飽和炭化
水素が特に好ましい。不活性溶媒の使用量は3−ヘキシ
ナールアセタールの濃度が5〜100重量%になる範囲
で適宜選択される。反応温度は、通常、0〜100℃、
好ましくは20〜50℃である。
【0016】水素添加反応終了後は反応液から触媒を分
離した後、蒸留やカラムクロマトグラフィーに供するこ
とにより、シス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセ
ニルアセタールを取得することができる。
【0017】以下に、本発明の3−ヘキシナールアセタ
ール及びシス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニ
ルアセタールの製造法の好ましい態様を示す。 (1)3−ヘキシナールアセタールが式(4)で表され
る3−ヘキシナールジシス−3−ヘキセニルアセタール
である本発明の3−ヘキシナールアセタール。 (2)3−ヘキシナールアセタールが式(5)で表され
る3−ヘキシナールジ−3−ヘキシニルアセタールであ
る本発明の3−ヘキシナールアセタール。 (3)3−ヘキシナールアセタールをパラジウム系水素
添加触媒の存在下に水素添加するシス−3−ヘキセナー
ルジシス−3−ヘキセニルアセタールの製造法。 (4)パラジウム系水素添加触媒がリンドラー触媒であ
るシス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセ
タールの製造法。 (5)水素添加触媒の使用量が、3−ヘキシナールアセ
タール100重量部に対し、0.01〜0.10重量部
である本発明のシス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘ
キセニルアセタールの製造法。 (6)水素添加反応を飽和炭化水素またはアルコール類
の存在下に行う本発明のシス−3−ヘキセナールジシス
−3−ヘキセニルアセタールの製造法。 (7)水素添加反応を20〜50℃で行う本発明のシス
−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセタール
の製造法。
【0018】
【発明の効果】かくして、本発明によればシス−3−ヘ
キセナールジシス−3−ヘキセニルアセタールの合成中
間体として有用な新規化合物が提供され、それを使用す
ることによりシス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキ
セニルアセタールを高収率かつ高純度で得ることができ
る。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例及び比較例中の%は重量基準
である。 実施例1 3−ヘキシナールジ−3−ヘキシニルアセタールの合成 反応器に3−ヘキシナールジエチルアセタール17.0
グラム、3−ヘキシン−1−オール29.4グラム及び
パラトルエンスルホン酸1水和物1.0グラムを入れ混
合した。反応器に還流冷却器を取り付け、その頂部にコ
ールドトラップを経て真空系に接続し、10mmHgの
減圧下、40℃で1時間攪拌した。反応後、エーテルで
希釈し析出した結晶をろ過により除去し、ろ液を炭酸ナ
トリウム水溶液、水で順次洗浄した。有機層にトリエタ
ノールアミン1グラムを加え、10mmHgの減圧下に
低沸点部分を留去し、次いで残部を2mmHgで減圧蒸
留したところ、沸点145〜150℃(2mmHg)の
3−ヘキシナールジ−3−ヘキシニルアセタール15.
4グラムを得た。3−ヘキシナールジエチルアセタール
に対するモル収率は56%であった。このものの純度を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、99%であ
った。
【0020】以下に、3−ヘキシナールジ−3−ヘキシ
ニルアセタールのスペクトルデータを示す。 IR(neat,KBr,cm-1):2976,293
7,2920,2879,2850,1460,143
7,1377,1325,1321,1284,121
5,1146,1124,1057,887,854,
783
【0021】1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ(ppm):1.11(t,9H,J=7.3H
z),2.13〜2.19(m,6H),2.45
(m,4H),2.50(m,2H),3.61(m,
2H),3.72(m,2H),4.70(t,1H,
J=5.9Hz)
【0022】13C−NMR(100MHz,CDC
3)δ(ppm):12.4,12.5,14.1,
14.2,20.2,24.7,64.8,74.2,
76.0,82.9,83.5,101.4
【0023】マススペクトル(EI)m/e(%):2
07(65),177(4),151(10),149
(13),121(9),105(7),93(6),
81(100),79(43),65(6),53(2
3)
【0024】実施例2 3−ヘキシナールジシス−3−ヘキセニルアセタールの
合成 反応器に3−ヘキシナールジエチルアセタール8.5グ
ラム、シス−3−ヘキセン−1−オール15.0グラム
及びパラトルエンスルホン酸ピリジニウム1.0グラム
を入れ混合した。反応器に還流冷却器を取り付け、その
頂部にコールドトラップを経て真空系に接続し、10m
mHgの減圧下、50℃で3時間攪拌した。反応後、実
施例1と同様に処理したところ、沸点130〜133℃
(2mmHg)の3−ヘキシナールジシス−3−ヘキセ
ニルアセタール8.5グラムを得た。3−ヘキシナール
−ジエチルアセタールに対するモル収率は61%であっ
た。このものの純度をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、99%であった。
【0025】以下に、3−ヘキシナールジシス−3−ヘ
キセニルアセタールのスペクトルデータを示す。 IR(neat,KBr,cm-1):3008,296
4,2935,2920,2875,1655,146
1,1437,1375,1348,1321,121
3,1146,1122,1057,843,791,
721
【0026】1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ(ppm):0.97(t,6H,J=7.3H
z),1.12(t,3H,J=7.3Hz),2.0
6(m,4H),2.17(m,2H),2.34
(m,4H),2.49(m,2H),3.49(m,
2H),3.62(m,2H),4.63(t,1H,
J=5.6Hz),5.36(m,2H),5.47
(m,2H)
【0027】13C−NMR(100MHz,CDC
3)δ(ppm):12.5,14.1,14.3,
20.7,24.9,27.9,65.9,74.5,
83.3,101.5,124.9,133.7
【0028】マススペクトル(EI)m/e(%):2
78(0.05),249(0.3),211(2
4),196(4),179(20),161(1
0),135(26),129(19),111
(6),83(100),67(18),55(10
0),41(35)
【0029】実施例3 シス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセタ
ールの合成 反応器に3−ヘキシナールジ−3−ヘキシニルアセター
ル1.0グラム、リンドラー触媒100ミリグラム及び
n−ヘキサン10ミリリットルを入れ、反応器内を排気
した。次いで、水素ガスを導入し、室温、攪拌下に水素
296ミリリットルを吸収させた。反応後、触媒を吸引
ろ過により除去し、溶媒を減圧下に留去したところ、無
色透明のシス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニ
ルアセタール0.98グラム(収率98%)を得た。化
合物の同定はスペクトル分析で行った。
【0030】実施例4 シス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセタ
ールの合成 3−ヘキシナールジ−3−ヘキシニルアセタールに代え
て、3−ヘキシナールジシス−3−ヘキセニルアセター
ル2.0グラムを用いること以外は実施例3に準じて操
作を行ったところ、無色透明のシス−3−ヘキセナール
ジシス−3−ヘキセニルアセタール1.94グラム(収
率97%)を得た。化合物の同定はスペクトル分析で行
った。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表される3−ヘキシナールア
    セタール。 【化1】
  2. 【請求項2】 式(2)で表される3−ヘキシナールア
    セタール。 【化2】
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の3−ヘキ
    シナールアセタールを水素添加することを特徴とするシ
    ス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセター
    ルの製造法。
JP5531694A 1994-02-28 1994-02-28 3−ヘキシナールアセタール及びシス−3−ヘキセナールジシス−3−ヘキセニルアセタールの製造法 Pending JPH07242582A (ja)

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