JPH07242106A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH07242106A
JPH07242106A JP6060192A JP6019294A JPH07242106A JP H07242106 A JPH07242106 A JP H07242106A JP 6060192 A JP6060192 A JP 6060192A JP 6019294 A JP6019294 A JP 6019294A JP H07242106 A JPH07242106 A JP H07242106A
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JP
Japan
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groove
tire
depth
block
main
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JP6060192A
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English (en)
Inventor
Shigehisa Asame
董久 浅芽
Yukiyasu Tani
幸泰 谷
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1本のタイヤにおいて、氷雪路面上の性能を
低下させることなく、該冬用性能としてのトレッドパタ
ーンの摩耗後においても夏用タイヤの性能を有し、冬・
夏通年使用可能なるタイヤの提供。 【構成】 空気入りタイヤ1のトレッド部外面2に、タ
イヤ周方向に延びる複数の主溝3と、該各主溝3とは離
隔して周方向に延びる複数の副溝4と、更に周方向に対
して交差する向きに延びる複数の横溝5とにより、それ
ぞれ区画された複数のブロック6を配設するとともに、
各ブロック上には幅方向に延びるサイプ7を切り込んだ
ブロックパターンを有するタイヤにおいて、主溝3の溝
深さが最も深く、かつ、副溝4の溝深さおよびサイプ7
の切込み深さは、主溝の溝深さの55〜65%であり、
ブロックパターンの摩耗進行により副溝とサイプが摩耗
消滅してブロックからリブパターンへ移行するタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、氷雪路面上において用
いることのできるブロックパターンを有する冬用タイヤ
としての機能を低下させることなく、同タイヤの冬用機
能の終了後はリブパターンを有して次は夏用タイヤとし
ての性能をも有する通年使用可能なる空気入りタイヤに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、冬用タイヤとしては、雪上路
面においてタイヤのトレッド部外面に形成した溝の深さ
をより深くして雪柱剪断力を大きく確保することが必要
であり、また氷上路面においては、溝の幅を狭くしてト
レッド部の接地面積をより広くとることにより、氷上路
面での粘着力をより大きく確保することが重要なる視点
である。したがって、スタッドを植設していない、いわ
ゆるスタッドレスタイヤにおいてもこの両方の要件を満
足するように設計されている。そのためには、トレッド
部のゴム硬さをやや軟質の特殊ゴムをベースとした配合
ゴムとし、これにサイプを多用することによって、いわ
ゆる接地面積を拡大すると同時に、サイプのエツジ効
果、即ち氷を引掻くことによって摩擦力を高めるための
工夫がなされいる。しかし、スタッドレスタイヤでは、
スタッドが植設されていないことから、従来の冬用タイ
ヤに比較して一般路面での走行期間が長くなっているの
が現状である。そしてタイヤトレッド部には、タイヤ周
方向に相互に離隔する複数のブロックよりなるブロック
列が複数列タイヤ幅方向に相互に離隔して配列された、
いわゆるブロックパターンを有するタイヤでは駆動力お
よび制動力に優れていることから、雪上路面および非舗
装路上を走行する機会の多いタイヤには好んで用いられ
ている。しかし、ゴムブロックの剛性が低くやや軟らか
いために動き易いが、コーナリングパワーが小さく、耐
摩耗性が劣るという問題がある。他方、リブパターンを
有するタイヤは、主として縦溝のタイヤであり、高速走
行にも耐え、湿潤路面上での耐スキッド特性を向上させ
るために溝をくの字状に屈曲させたり、またはサイプを
多数形成していて、主として夏用タイヤに用いられるト
レッドパターンである。
【0003】ところで、この種スタッドレスタイヤにあ
っては、一般的にはトレッド面の溝深さが50%まで摩
耗すると、積雪路面上での性能が低下するためにその使
用限界の目安としてタイヤ周方向に延びる主溝の溝深さ
の50%に相当するその表面に一致するように、主溝の
一部を埋めたプラットフォームを設け、タイヤ摩耗によ
ってこのプラットフォーム面が表面に露出した時点をも
って、冬用タイヤの寿命とされており、この時点をもっ
てタイヤは更新されることとなっているが、これら冬用
タイヤのスタッドレスタイヤの摩耗タイヤについては、
夏用タイヤへの移行はほとんどなされておらず、また、
主溝の溝深さも70〜75%とより深くなっているの
で、ブロック剛性も充分ではなく、摩耗、偏摩耗に対す
る耐久性が問題となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明者ら
は、上記実情に鑑み、従来のスタッドレスタイヤにおけ
るトレッドパターンに対し、冬用にはブロックタイプ,
夏用にはリブタイプの2種類のトレッドパターンの機能
に着目し、1本のタイヤについて冬用,夏用の両シーズ
ンを通じて使用可能なるトレッドパターンについて、該
トレッドパターンの溝深さおよび各ブロック配列との相
関性について鋭意検討した結果、偏摩耗はブロック剛性
に依存するところ大であり、特に溝深さがこれに大きく
寄与しているという理由から、摩耗時点においてトレッ
ドパターン剛性が向上する方策をとっておくことで全体
のブロック剛性が向上することとなって偏摩耗を防止す
ることができ、そのために、溝深さの浅いサイプおよび
タイヤ周方向に延びる主溝(縦溝)の他に、同様に幅の
狭い補助的縦溝として主方向副溝を設け、そしてこの主
溝と周方向副溝の溝深さを特定することによって前記ブ
ロック剛性をアップさせると同時に、両シーズンを通じ
てブロックパターンからリブパターンへの移行が可能で
ある、という事実を知見するに至った。
【0005】かくして、本発明は、上記知見に基づきな
されたもので、その目的は、1本のタイヤにおいて氷雪
路面上の性能を低下させることなく、該冬用性能として
のトレッドパターンの摩耗後においても夏用タイヤの性
能を有し、摩耗および偏摩耗に対する耐久性のある冬用
を主用途とした冬・夏通年使用可能なるタイヤを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明の空気入りタイヤの特徴は、タイヤのトレッド
部外面に、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、該各主
溝とは離隔してタイヤ周方向に延びる複数の周方向副溝
と、更にタイヤ周方向に対して交差する向きに延びる複
数の横溝とにより、それぞれ区画された複数のブロック
を配設すると共に、各ブロック上にはタイヤ周方向に延
びるサイプを切り込んだブロックパターンを有する空気
入りタイヤにおいて、前記主溝の溝深さが最も深く、か
つ、周方向副溝の溝深さおよびサイプの切込み深さは、
主溝の溝深さの55〜65%であって、前記ブロックパ
ターンの摩耗の進行に伴って周方向副溝およびサイプが
摩耗消滅することにより、リブパターンへの移行可能な
るトレッドパターンを有する構成の空気入りタイヤであ
る。そして、前記横溝が、少なくともトレッド部中央領
域において、主溝および周方向副溝にそれぞれ連続して
いるトレッドパターンであれば好ましく、また、前記周
方向副溝の溝深さとサイプの切込み深さが、主溝の溝深
さの58〜62%であれば好適である。更に、周方向副
溝の溝深さとサイプの切込み深さが、ほぼ同一であれば
好ましい。その理由はブロックパターンからリブタイプ
への変換がより容易となるからである。
【0007】
【作用】本発明の空気入りタイヤにおいては、タイヤの
トレッドパターンのタイヤ周方向に延びる主溝の溝深さ
が最も深く、また各主溝とは離隔する周方向副溝、およ
び各ブロック上におけるタイヤ幅方向に切込まれたサイ
プのそれぞれの溝深さおよび切込み深さを主溝の溝深さ
の55〜65%、好ましくは58〜62%とし、更に好
ましくは、周方向副溝の溝深さとサイプの切込み深さを
ほぼ同一としたので、タイヤの使用初期段階において
は、本タイヤのトレッドパターンはブロックパターンで
あるために、本タイヤの主用途としての氷雪路面におけ
る冬季性能を発揮し、次にトレッドパターンの摩耗が進
行するに従って、上記各溝の溝深さ、切込み深さの相異
により溝深さ、切込み深さの浅いスリット状の周方向副
溝とサイプとは、冬季末には摩耗消滅して、次は摩耗消
滅しない主溝と横溝とが残存して、これによってリブタ
イプへの移行がはじまり、そこでは、湿潤・乾燥路面に
おける夏季性能を発揮する。したがって、1本のタイヤ
でもって冬季、夏季の、いわゆる通年のタイヤ性能を発
揮すると共に、周方向副溝の溝深さおよびサイプの切込
み深さを浅くコントロールすることによってブロック剛
性をアップすることができたので、偏摩耗の発生がコン
トロールされてタイヤ寿命の延長がはかられる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の1実施例を従来タイヤと対比
しながら図面に基づき説明するが、本発明はこれに限定
されるものでないのはいうまでもない。
【0009】図1は、本発明の1実施例を示すタイヤの
要部断面説明図であり、図2は、図1のトレッドパター
ンの展開平面図である。また、図3(イ)〜(ホ)は、
本発明タイヤの使用に伴うトレッドパターンの摩耗経過
を示した接地面状態図であり、図4は、本発明のタイヤ
と同一の構造で、かつ同一のトレッドパターン構成を有
する従来タイヤの同摩耗経過を示した接地面状態図であ
る。従来タイヤのトレッドパターン構成の説明は省略す
るが、本発明タイヤと従来タイヤとの相異点は溝深さの
みにある。
【0010】図において、本発明の空気入りタイヤ1
は、トレッド部2の外面に、タイヤ周方向に延びるやや
広幅(5.5 〜7.5 mm) の複数の主溝3と、この各主溝
3とは離隔してタイヤ周方向に延びる周方向副溝4とが
配設されていて、主溝3は、くの字状に屈曲した形状で
あるのに対し、周方向副溝4は、ほぼ同一幅(1.5 〜2
mm)の直線状に形成されている。また、主溝3の溝幅
は本例ではトレッド路面部中心CLに対して左側に隣接
する主溝3aが最も広幅(7.5 mm) であるに対し、ト
レッド踏面部中心CLに対し右側に位置する2本の主溝
3b,3cはほぼ同一幅(5.5 〜6mm)である。そし
て、上記くの字状に屈曲した形状の屈曲傾斜面は任意に
選択されることができ、しかも、必ずしもくの字状に屈
曲していなくともよい。また、前記周方向副溝4も直線
状である必要はなく、屈曲していてもよい。一般的に
は、主溝3は舗装路で使用されるトラック・バスや乗用
車用のトレッドパターンでは、高速走行にも、更に湿潤
路面上での耐スキッド特性を良好ならしめるためには、
くの字状に屈曲させることが多い。また、周方向副溝4
は、本例では、幅狭スリット状の直線溝を形成している
が、この溝幅は、主溝3よりは幅狭溝ではあるが、任意
に設定できる。
【0011】次に、主溝3と周方向副溝4とは、少なく
ともトレッド部中央領域、即ち、トレッド踏面部中心C
L領域およびその近傍においては、タイヤ周方向に対し
て交差する向きに延びる複数の横溝5によってそれぞれ
連続配設されていると好適である。即ち、トレッド踏面
部中心CL領域およびその近傍においては、少なくとも
主溝3a,3bおよび周方向副溝4b,4c,4dと
は、それぞれ横溝5によってその各溝は連続状態を形成
している。
【0012】もちろん、この領域以外においても主溝
3、周方向副溝4とが横溝5によって連続しているか、
断続であるかは任意である。そして、上記トレッド踏面
部中心CLおよびその近傍において、少なくとも連続状
態を形成するのは、タイヤ転動に際して、大きな駆動力
並びに制動力を受ける該トレッド踏面部中心CLが最も
大きく作動してタイヤ走行における湿潤路面の排水性を
よくすると同時に、各溝部のエツジ成分の増加によっ
て、いわゆるエツジ効果が発揮されて雪上路面、湿潤路
面でのグリップ力向上においても良好であるからであ
る。本例では、トレッド踏面部中心CL左側のショルダ
ー部S′端域の周方向副溝4aと、これとタイヤ内側に
隣接する周方向副溝4bとは、その延びる方向が傾斜す
る横溝5′によって連続していない。また主溝3および
横溝5の溝底8は、図1に示す如く滑らかな曲面であっ
て、溝の側壁部9に連続している。横溝5の溝幅は、5
〜6mm、同5′の溝幅は6〜6.5mm である。
【0013】これら主溝3、周方向副溝4および横溝5
により区画されて形成した各ブロック6の表面には、タ
イヤ幅方向に延びるサイプ7が切り込まれている。な
お、このサイプ7は、各ブロック6の位置によりその長
さは相異し、またその端部も主溝3または周方向副溝4
に対して連続または断続であって、タイヤ幅方向に平行
またはほぼ平行に配列される薄い切込みであり、その端
部の主溝3および周方向副溝4、また時には横溝5への
連続または断続も同様に適宜選択される。本例では、ト
レッド部2の両端部のショルダー部S,S′に位置する
ブロック列6a,6a′にあるブロック6面上には、そ
れぞれ主溝3または周方向副溝4側にのみ連続したサイ
プ7があり、その溝幅は0.6mm である。またトレッド踏
面部中心CL領域にあるブロック列6b,6bにあるブ
ロック6面上および周方向副溝4cをはさんで相対する
ブロック列6c,6cにあるブロック6面上、周方向副
溝4aと4bにより区画されてタイヤ周方向に延びる細
長いブロックであるリブバンド6′の面上の各サイプ7
は、その両端部は共に不連続閉止状態である。更に、ブ
ロック列6eにあるブロック6面上のサイプ7が主溝3
と周方向副溝4bに連続している状態を示し、そして更
に、右側シヨルダ部Sに位置するブロック列6aにある
ブロック6面上のサイプ7は、主溝3c側にのみ連続し
ていることをそれぞれ示している。したがって、本例に
示したタイヤトレッドパターンは左右非対称であって、
リブバンド6′側、即ちショルダー部S′側が車の外側
になるように装着することが必要である。
【0014】しかし、本発明においては、かかる非対称
タイヤは例外であって、一般的タイヤである対称タイヤ
に適応されるのは勿論である。また、本例の空気入りタ
イヤ1では、前記トレッド部2の両端ショルダー部S,
S′からタイヤ半径方向内方へ延びるサイドウオール部
11,11と該サイドウオール部11,11のタイヤ半
径方向内端部に位置する図示しないビードコアーを有
し、各ビードコアー間には、前記サイドウオール部1
1,11トレッド部2を通るトロイダル状のカーカスプ
ライ12が装架されていると共に、このタイヤ半径方向
外側にはトレッド部2内にベルトプライ13が配設され
ており、前記カーカスプライ12はカーカスコードをタ
イヤのトレッド踏面部中心CLに対し70〜90度の角
度で配列されている。いわゆるラジアル方向の配列体で
ある。そして、カーカスプライ12を構成するカーカス
コードは、スチールコード、ポリエステル、ナイロンお
よびアラミド等の無機、有機の繊維コードが用いられ、
また一方のベルトプライ13はそれぞれ相互に約15度
の傾斜角度で配されて交差状態を形成しており、そのコ
ードはカーカスプライと同様にスチール、ポリエステ
ル、ナイロンおよびアラミド等の無機、有機の繊維コー
ドが用いられる。
【0015】ところで、本発明において、構成上重要な
る点の一つは、各溝の溝深さの選定であって、主溝3の
溝深さ3hが最も深く、また周方向副溝4の溝深さ4h
とサイプ7の切込み深さ7h、更に主溝3の溝深さ3h
の間には、次の関係が設定される点である。4h/3h
×100=7h/3h×100=55〜65%、即ち、
タイヤの冬季使用によりブロックパターンの摩耗が進行
した後のトレッド部2外面には、夏季性能に適したリブ
パターンが顕出される。そして上記においては、トレッ
ドパターンにおけるブロックタイプの冬季性能の摩耗率
〔(走行前の主溝の溝深さ)−(走行後の主溝の溝深
さ)/(走行前の主溝の溝深さ)×100(%)〕は5
0%が限界とされるところから、上記の55%未満では
冬季性能の限界域となるので不適であり、また、65%
を越えるとブロックの剛性が低下すると共に、冬季性能
が低下しているに拘らず、なおブロックタイプパターン
からリブタイプパターンへの円滑なる移行が行なわれ
ず、そのため夏季性能が充分発揮されないばかりか、タ
イヤ騒音発生上も好ましくなく、タイヤ性能上不適であ
る。
【0016】したがって、本発明の空気入りタイヤにお
いては、ブロックパターンからリブパターンへの変換移
行が円滑かつ容易に行なわれるトレッドパターンである
ことが必要であり、それがためには、冬季タイヤから夏
季タイヤへと通年にわたって使用可能なるトレッドパタ
ーンを設計選定することが必要である。即ち、図2に示
したタイヤサイズ5.60R13のトレッドパターンに
ついて、これがタイヤの走行に伴ってトレッド部の摩耗
が発生するが、その摩耗の経過をトレッド部の接地面状
態図として図3に示した。同図の摩耗変化を示した
(イ)〜(ホ)にわたる摩耗経過図では、まず(イ)は
新品タイヤのトレッドパターンであり、本例における主
溝3の溝深さは12.1mmであって最も深く、また周方向
副溝4の溝深さは7.2 mm、横溝5の溝深さは7.2 〜1
0.4mm、サイプ7の切込み深さは7.7mmである。次に
(ロ)は、主溝3の摩耗率25%時、(ハ)は同50%
時を示し、この時点において既に主溝3を一部埋めて冬
季タイヤの使用の終期を示すプラットフオームEが露出
しており、一般的にはそれ以降の冬季使用は不可であ
る。次に(ニ)は同75%時であって、この時点では周
方向副溝4とサイプ7とは共に摩耗消滅し、また周方向
副溝4は60%、サイプ7は64%で既に摩耗消滅して
いる。しかも、横溝5の一部も摩耗消滅して短くなっ
て、まさにリブパターンが顕出している。更に(ホ)は
同87%時であって、この時の主溝の溝深さは1.6mm
であり、T.W.I(トレッド摩耗表示:TREAD
WEAR INDICATOR−トレッドウエアインデ
ィケーター)が露出している。即ち、この時点において
本タイヤの使用の終期を示している。
【0017】一方、図4(イ)〜(ホ)に示した従来タ
イヤの走行摩耗経過を示した接地面状態図では、まず、
(イ)は新品タイヤのトレッドパターンであり、本例に
おける主溝23、周方向副溝24、横溝25およびサイ
プ27の各溝幅および切込み幅は、本発明タイヤと同一
である。また、主溝23の溝深さは本発明タイヤの主溝
3の溝深さと同一である12.1mmであり、周方向副溝2
4の溝深さは9.1 mm、横溝25の溝深さは10.4mm、
およびサイプ27の切込み深さは8.7 mmである。した
がって、この場合における主溝23と周方向副溝24の
溝深さの比は75%となって、本発明のタイヤの60%
とは相異して大であると同時に、周方向副溝24の溝深
さとサイプの切込み深さも同一ではない。(ロ)は主溝
23の摩耗率25%時、(ハ)は同50%時であって、
この時点においてプラットフオームが露出して冬季タイ
ヤの使用の終期を示している。そして、それ以降なお走
行すると、本来この種トレッドパターンに形成された主
溝の溝深さが深いと初期摩耗において偏摩耗が顕著に発
するためにブロック剛性が充分でなく、その結果として
ブロック26が撓んでタイヤ騒音を発生すると同時に摩
耗、偏摩耗が進行することとなる。
【0018】次に、(ニ)は同75%時であって、この
時点ではサイプ27が消滅し(サイプは72%で消滅す
る。)周方向副溝24の一部も消滅している。(ホ)は
同87%時であって、この時点では周方向副溝24も消
滅し、(周方向副溝は75.2%で消滅する。)、T.W.
Iも露出しているので、本タイヤの終えんとなる。
【0019】上記のとおり、本発明タイヤと従来タイヤ
とは、トレッドパターンの摩耗経過としては類似してい
るが、その摩耗速度の遅速が問題であって、本発明タイ
ヤにおいては、従来のスタッドレスタイヤの摩耗率が5
0%時において、トレッドパターンの剛性を向上させる
方策、即ち、この時点においてトレッドパターンがブロ
ックパターンからリブパターンへの移行可能なるパター
ンとして主溝と周方向副溝の溝深さをコントロールし、
これにより区画される周方向に延びるリブを形成せしめ
ることにより、トレッドパターン全体のブロック剛性が
向上することとなって摩耗、偏摩耗を防止することがで
きる。即ち、主溝の溝深さが同一であっても、横溝・周
方向副溝が浅い故にブロック剛性が高い本発明タイヤは
ブロック変形が少なく、初期、耐摩耗、偏摩耗において
も良好である。
【0020】(物性評価)次に具体的に次の試作タイヤ
についてその物性を評価した。
【0021】(1)供試タイヤ ・本発明タイヤ;図1,図2および図3に示す構造およ
びパターン構成を有するスタッドレスタイヤであって、
タイヤサイズ5.60R13を試作し、物性評価を行なっ
た。 ・従来タイヤ;タイヤの構造、パターン構成は本発明タ
イヤと同じ図4に示したタイヤであって、各溝の溝深さ
およびサイピングの切込み深さは前述のとおりである。
【0022】(2)評価方法 ・アイス性能;乗用車全車輪にJIS規格に基づく内圧
を有するタイヤを車両の所定側にそれぞれ装着し、乗員
1名荷重にて氷盤によって構成された試験用路面上を4
0km/hの速度で走行させると共に、4輪ロックにて
急ブレーキをかけて車が停止するまでの制動距離を測定
し、その距離の逆数値を従来タイヤの結果の値を100
として指数表示した(数値大程良好)。 ・スノー性能(フィーリング);表面平滑なる圧雪路上
において、車の発進・旋回および制動につき、総合的に
フィーリング評価し、従来タイヤの値を100として指
数表示した(数値大程良好)。 ・ドライ性能;乾燥路面上において、半径30mの円を
描き得る限界の最高速度を測定し、従来タイヤの結果の
値を100として指数表示した(数値大程良好。 ・ウエット性能;湿潤路面において、半径30mの円を
描き得る限界の最高速度を測定し、従来タイヤの結果の
値を100として指数表示した(数値大程良好)。 ・ブロック剛性;トレッド面の各ブロック形状面に、所
定の圧力を加えて特定の移動距離時の反力であって、剛
性値=反力/変位を測定し、従来タイヤの結果の値を1
00として指数表示した(数値大程良好)。 ・耐摩耗性能;一般乾燥路面上を走行し、トレッド面が
1mm摩耗するまでの(イ)リブ化するまで、および
(ロ)リブ化してからの走行距離を測定し、従来タイヤ
の結果の値を100として指数表示した(数値大程良
好)。 ・偏摩耗性能;舗装路を3万km走行した後、タイヤの
トレッド面に、タイヤ外径の1/2 になるラジアス定規を
当てて、トレッド中央部およびショルダー端におけるト
レッド面と定規との間に生じる隙間を測定し、従来タイ
ヤの結果の値を100として指数表示した(数値大程良
好)。 ・タイヤ寿命;上記車両に装着し、冬季使用において主
溝の摩耗率50%から夏季使用に転換し、その後、T.
W.I露出時までの走行距離を測定し、従来タイヤの結
果の値を100として指数表示した(数値大程良好)。
【0023】物性評価の結果は表1に示した。 以下余白
【0024】
【表1】
【0025】表1から分かる如く、本発明タイヤでは、
従来タイヤに比べて冬季性能としてのアイス性能および
スノー性能を低下させることなく、また夏季性能として
のドライ性能、ウエット性能をも低下させることなく、
ブロック剛性を向上させたので耐摩耗性、耐偏摩耗性お
よびタイヤ寿命が増加することを示している。
【0026】
【発明の効果】かくして、本発明の空気入りタイヤによ
れば、従来タイヤにあっては冬季性能と夏季性能の両立
が困難とされていた通年使用可能なる空気入りタイヤと
して、トレッドパターンの各溝の溝深さを特定すること
によって該トレッドパターンの剛性をアップさせること
が可能となり、更に、耐摩耗性および耐偏摩耗性をも向
上させることができたので、タイヤの通年使用を通じて
その寿命の延長がはかれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明タイヤの要部断面説明図である。
【図2】図1のトレッドパターンを示す展開平面図であ
る。
【図3】(イ)〜(ホ)は、本発明タイヤの走行に伴う
トレッドパターンの摩耗経過を示す接地面状態図であ
る。
【図4】(イ)〜(ホ)は、従来タイヤの走行に伴うト
レッドパターンの摩耗経過を示す接地面状態図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ 2 トレッド部 3,3a,3b 主溝 4,4a,4b,4c,4d 周方向副溝 5 横溝 5′ 傾斜する横溝 6 ブロック 6′リブバンド 6a ,6b,6c ブロック列 7 サイプ 8 溝底 9 側壁部 11 サイドウオール部 12 カーカスプライ 13 ベルトプライ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤのトレッド部外面に、タイヤ周方
    向に延びる複数の主溝と、該各主溝とは離隔してタイヤ
    周方向に延びる複数の周方向副溝と、更にタイヤ周方向
    に対して交差する向きに延びる複数の横溝とにより、そ
    れぞれ区画された複数のブロックを配設すると共に、各
    ブロック上にはタイヤ幅方向に延びるサイプを切り込ん
    だブロックパターンを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記主溝の溝深さが最も深く、かつ、周方向副溝の溝深
    さおよびサイプの切込み深さは、主溝の溝深さの55〜
    65%であって、前記ブロックパターンの摩耗の進行に
    伴って周方向副溝およびサイプが摩耗消滅することによ
    りリブパターンへの移行可能なるトレッドパターンを有
    することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記横溝が、少なくともトレッド部中央
    領域において主溝および周方向副溝にそれぞれ連続配設
    されていることを特徴とする請求項1記載の空気入りタ
    イヤ。
  3. 【請求項3】 前記周方向副溝の溝深さとサイプの切込
    み深さが、主溝の溝深さの58〜62%であることを特
    徴とする請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記周方向副溝の溝深さとサイプの切込
    み深さが、ほぼ同一深さであることを特徴とする請求項
    1,2または3記載の空気入りタイヤ。
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