JPH07241846A - プリフォームおよびその製造方法 - Google Patents

プリフォームおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH07241846A
JPH07241846A JP6059823A JP5982394A JPH07241846A JP H07241846 A JPH07241846 A JP H07241846A JP 6059823 A JP6059823 A JP 6059823A JP 5982394 A JP5982394 A JP 5982394A JP H07241846 A JPH07241846 A JP H07241846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
reinforcing
fabric
preform
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6059823A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3214646B2 (ja
Inventor
Akira Nishimura
明 西村
Kiyoshi Honma
清 本間
Ikuo Horibe
郁夫 堀部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP05982394A priority Critical patent/JP3214646B2/ja
Publication of JPH07241846A publication Critical patent/JPH07241846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3214646B2 publication Critical patent/JP3214646B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物性に優れかつそのばらつきが小さい深絞り
FRP成形品と、それを成形するためのプリフォームお
よびその製造方法を提供する。 【構成】 2方向性補強織物を含み、かつ、その補強織
物の2方向に延びる織糸の最小交角が20〜45度であ
ることを特徴とする深絞り成形されたプリフォーム、お
よびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形された際に優れた
特性が期待できる繊維強化複合材料用のプリフォームと
その製造方法に関し、とくに深絞り成形されたプリフォ
ームおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材料、とくに繊維強化プラ
スチック(以下、「FRP」という)には、炭素繊維糸
やガラス繊維糸、ポリアラミド繊維糸等を用いて織物の
形態にした補強織物が多用されている。中でも、比弾性
率が大きく、かつ、比強度が大きい炭素繊維からなる炭
素繊維織物は、通常、一般のシャトル織機やレピア織機
により製織されており、合成樹脂と複合して所定形状に
形成することにより炭素繊維強化プラスチック(以下、
「CFRP」という)等の複合材料に用いる補強基材と
して多用されている。
【0003】とくにCFRPは、その機械的特性に優れ
ることから、釣り竿、ゴルフシャフトなどや航空機の2
次構造部材のハニカムサンドイッチ構造の表皮材などと
して使われてきた。これらは、CFRPの機械的特性や
信頼性に優れることから、炭素繊維は連続繊維の形で使
われ、一方向性プリプレグや織物およびそのプリプレグ
に加工されて成形に供されている。ところが、これら一
方向性プリプレグや織物は連続繊維から構成されたシー
ト状物であるので、深絞り成形が困難であり、つまり所
定形状に深絞り成形されたプリフォームを成形すること
が困難であり、おのずと成形される形状に制限があっ
た。
【0004】深絞りしたFRP成形品として、たとえば
ヘルメット用帽体が知られているが、織物材は成形型に
皺を入れずにフィットさせることが困難なので、所定寸
法の小片に裁断した織物を雌型にパッチワーク的に積層
し成形する方法が採られている。ところが、このような
成形方法では、雄型でプレスする際、織物材の積層位置
がずれ、所定の補強効果が得られず、弱部が存在した帽
体となる。したがって、安全性の点から成形工程のばら
つきを考え、必要以上にヘルメット用帽体が重くなると
いう問題があった。また、数十枚の小片の繊維基材を一
枚一枚積層するから人手がかかり、生産性が悪いという
問題があった。
【0005】また、深絞り成形品を成形する方法とし
て、補強繊維のストランドを10〜25mm程度に切断
してランダムに配向させ、樹脂を含浸させたシート・モ
ールディング・コンパンド(SMC)やチョップド・ス
トランド・マット、また連続ストランドをループを描き
ながら配向したコンティニュアス・ストランド・マット
による方法が知られているが、これら繊維基材だけで
は、補強繊維が短繊維であるため、また補強繊維の配向
が制御できないため物性がばらつき、信頼性の高い成形
品とはならなかった。また、真っ直ぐ配列した連続繊維
が入っていないので、衝撃に対して弱いという問題があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の上述した深絞りFRP成形品の問題点を解決し、物性
に優れ、しかも、そのばらつきが小さい深絞りFRP成
形品とそれを成形するためのプリフォームを提供するこ
とにある。
【0007】また、この発明の他の目的は、そのような
プリフォームを優れた作業性をもって安価に製造できる
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の深絞り成形されたプリフォームは、2方向
性補強織物を含み、かつ、その補強織物の2方向に延び
る織糸の最小交角が20〜45度であることを特徴とす
るものからなる。
【0009】ここで最小交角とは、深絞り成形された状
態で、上記補強織物中、2方向に延びる強化繊維糸の交
差する角度が最小になった部分の、両強化繊維糸の交角
のことをいう。すなわち、深絞りによって上記補強織物
の織糸(2方向に延びる強化繊維糸)には多かれ少なか
れ目ずれが生じ、目ずれによって両織糸の交角が変化す
る。そして、この変化後の交角が最小になった部分の角
度を最小交角という。通常この最小交角は、深絞り領域
の縁部あるいはその近傍に生じる。
【0010】最小交角を20〜45度の範囲とすること
により、目開きがなく、カバーファクターの高いプリフ
ォームが得られる。このプリフォームのおけるカバーフ
ァクターは、85%以上であることが好ましく、より好
ましくは90%以上である。
【0011】上記のような最小交角を実現するために
は、深絞り成形される補強織物の各織糸が、深絞り成形
の際剪断方向に動き易く、かつその際にも織糸の望まし
い形態を保って高いカバーファクターを保つ必要があ
る。通常の織物では、深絞り成形が困難であるか、深絞
り成形の際に生じる皺を防止するためには切れ目を入れ
ておかなければならなかったが、上記のように織糸が剪
断方向に動き易く上記のような最小交角を実現し得る補
強織物を用いると、切れ目を入れておく必要がない。
【0012】深絞り成形された状態で上記のような最小
交角を実現できる補強織物は、たとえば扁平で実質的に
撚がない強化繊維マルチフィラメント糸を織糸とする織
物である。
【0013】ここで「実質的に撚りがない」とは、糸長
1m当たりに1ターン以上の撚りがない状態をいう。つ
まり、現実的に無撚の状態をいう。
【0014】織糸に撚りがあると、その撚りがある部分
で糸幅が狭く収束して分厚くなり、製織された織物の表
面に凹凸が発生する。このため、製織された織物は、外
力が作用した際にその撚り部分に応力が集中し、FRP
等に成形した場合に強度特性が不均一となってしまう。
【0015】このような扁平状態の、実質的に撚りがな
い織糸からなる補強織物は、織糸の繊度を大きくして
も、また繊維密度を大きくしても、各織糸の交錯部にお
けるクリンプは極めて小さく抑えられ、FRPやCFR
Pにした際に高い強度特性が得られる。織糸の繊度を上
げられることから、織糸、ひいては補強織物が、より安
価に製造される。
【0016】また、クリンプが極めて小さく抑えられる
ので、織物目付を高く設定でき、かつ、織糸の扁平状態
を確保した状態にてカバーファクターを100%近くに
設定することが可能となる。したがって、FRP等にお
いて、繊維含有率を高く設定できるとともに、織糸間の
樹脂リッチな部分を極めて小さく抑えることができ、高
強度でかつ均一な強度特性を有する複合材料が得られ
る。
【0017】さらに、織物の形態で各織糸が扁平な状態
に維持されているから、樹脂の含浸性が極めてよい。し
たがって、一層均一な特性の複合材料が得られ、目標と
する強度特性が容易に得られる。
【0018】このような本発明に係る補強織物において
は、上記強化繊維マルチフィラメント糸の糸厚みが0.
05〜0.2mm、糸幅/糸厚み比が30以上であるこ
とが好ましい。糸厚みが上記範囲未満であると、薄すぎ
て扁平糸の形態を保持するのが困難となり、上記範囲を
越えると、クリンプを小さく抑えることが困難となる。
また、糸幅/糸厚み比が30未満であると、扁平糸の形
態の維持と同時にクリンプを抑えることの両方を同時に
達成することが難しくなる。糸幅/糸厚み比の上限は特
に限定しないが、現実の製織工程の行い易さを考慮する
と、上限値は150程度である。また、糸幅としては、
4〜16mmの範囲程度が製織しやすい。
【0019】上記のような本発明で用いる補強織物は、
各種形態に製織できる。各形態の織物においては、織物
厚みおよび織物目付は以下のような範囲が好ましい。
【0020】前記扁平な強化繊維マルチフィラメント糸
をたて糸およびよこ糸とする織物とする場合には、織物
厚みが0.07〜0.4mm、織物目付が100〜30
0g/m2 であることが好ましい(織物−1)。
【0021】上記織物において、強化繊維マルチフィラ
メント糸を炭素繊維糸とする場合には、該炭素繊維糸の
フィラメント数が5,000〜24,000本、繊度が
3,000〜20,000デニールであることが好まし
い。
【0022】また、扁平な強化繊維マルチフィラメント
糸をたて糸およびよこ糸とする織物であって、該たて糸
とよこ糸の少なくとも一方が前記強化繊維マルチフィラ
メント糸が複数積層されてなる織物とする場合には、織
物厚みが0.2〜0.6mm、織物目付が200〜50
0g/m2 であることが好ましい(織物−2)。扁平な
織糸であるため、このように複数積層した状態で織成し
ても、クリンプは小さく抑えられる。積層により、織物
の繊維密度を高めることができる。
【0023】ここで、織物の繊維密度とは、次式で定義
される値をいう。 織物の繊維密度(g/m3 )=[織物目付(g/
2 )]/[織物厚さ(mm)] なお、織物目付(g/m2 )および織物厚さ(mm)
は、それぞれJIS R7602に準拠して測定した値
である。
【0024】この織物において、強化繊維マルチフィラ
メント糸を炭素繊維糸とする場合には、該炭素繊維糸の
フィラメント数が3,000〜12,000本、繊度が
1,500〜10,000デニールであることが好まし
い。
【0025】上述の如く、繊度が3,000〜20,0
00デニール、あるいは1,500〜10,000デニ
ールの太い糸を用いても、上記最適な織物目付の範囲と
することにより、扁平糸の扁平状態が潰されたり、織り
目が粗くなりすぎたり、樹脂の含浸性が悪化したりする
ことを防止できる。
【0026】なお、強化繊維糸が炭素繊維糸の場合、使
用する炭素繊維扁平糸の特性として、引張破断伸度が大
きく、引張破断強度が高い必要があり、引張破断伸度は
1.5%以上、引張破断強度は200kg・f/mm2
以上、引張弾性率は20,000kg・f/mm2 以上
であることが望ましい。
【0027】上記のような各種形態の本発明で使用する
補強織物は、たとえば平組織されている。また、扁平な
織糸を用い、クリンプが極めて小さいことから、大きな
カバーファクターの達成が可能である。
【0028】たとえば、前述の織物−1の形態とする場
合で、かつ、扁平な強化繊維マルチフィラメント糸が炭
素繊維糸からなる場合、織物目付と炭素繊維糸の繊度と
が次式の関係を満たし、かつ、カバーファクターが95
%以上であることが好ましい。 W=k・D1/2 但し、W:織物目付(g/m2 ) k:比例定数(1.4〜3.6) D:炭素繊維糸の繊度(デニール)
【0029】さらに前述の織物−2の形態とする場合で
あって、かつ、扁平な強化繊維マルチフィラメント糸が
炭素繊維糸からなる場合、織物目付と炭素繊維糸の繊度
とが次式の関係を満たし、かつ、カバーファクターが9
5%以上であることが好ましい。 W=k・D1/2 但し、W:織物目付(g/m2 ) k:比例定数(2.0〜6.0) D:炭素繊維糸の繊度(デニール)
【0030】ここで、カバーファクターCfとは、織糸
間に形成される空隙部の大きさに関係する要素で、織物
上に面積S1 の領域を設定したとき、面積S1 内におい
て織糸に形成される空隙部の面積をS2 とすると、次式
で定義される値をいう。 カバーファクターCf=[(S1 −S2 )/S1 ]×1
00
【0031】上記のような補強織物は、薄い扁平な強化
繊維マルチフィラメントからなるたて糸やよこ糸を用い
ている。従って、目抜け度の小さな、すなわちカバーフ
ァクターが大きな織物となる。このようなカバーファク
ターの大きな補強織物を用いてプリフォームを深絞り成
形し、さらにFRPを成形すると、均一な成形品が得ら
れ、樹脂中にボイドが入ったり、応力が集中するような
繊維分布むらが発生しない。
【0032】なお、上記のような扁平糸自身の作成方法
としては、たとえば、強化繊維糸の製造工程において、
複数の強化繊維からなる繊維束をロール等で所定の幅に
拡げ、扁平な形状にしてそのまま保持するか、あるいは
元に戻らないようにサイジング剤等で形態を保持させれ
ばよい。とくに、扁平形状を良好に保持するためには、
扁平糸に0.5〜1.5重量%程度の小量のサイジング
剤を付着させておくことが好ましい。
【0033】上記扁平な強化繊維マルチフィラメント糸
からなるたて糸および/またはよこ糸を用いて製織され
た、本発明に係る補強織物は、それぞれの糸幅とほぼ等
しい織物構造をなしていることが好ましい。これにより
たて糸とよこ糸が交錯する交錯部においては、空隙が殆
どなく繊維密度の高い織物となる。
【0034】しかし、実際にはたて糸とよこ糸が交錯し
ているため、糸幅と等しい糸間隔にすることは難しい。
そこで、製織された補強織物においては、たて糸または
よこ糸のいずれか一方の糸間は糸幅と等しく、他方の糸
間隔は糸幅より若干大きくなっていてもよい。但し、糸
間隔が、糸幅の1.2倍を越えると空隙が大きくなって
繊維密度の高い織物が得られない。このため、たて糸や
よこ糸の織糸ピッチは、糸幅の1.0〜1.2倍、即
ち、織糸ピッチ/糸幅比は1.0〜1.2であることが
望ましい。
【0035】上述のような2方向性補強織物を少なくと
も一枚含む本発明のプリフォームは、生の織物を深絞り
成形したものやプリプレグの形態から深絞り成形されて
いる。また、必要に応じて、強化繊維からなるマットが
層状に積層、たとえば表面層としてマットが積層された
ものに成形されていてもよい。マットの積層により、そ
れをFRPにした際、より平滑な表面形態が得られる。
【0036】本発明に係るプリフォームの一実施態様を
図面を参照して説明する。図1、図2は、ヘルメット用
帽体成形に用いるプリフォームを示しており、図1は、
本発明に係るプリフォーム1の一部を破断した概略斜視
図、図2は、図1におけるプリフォーム1の繊維基材の
端部を図の一点鎖線に沿って除去したプリフォーム2の
縦断面図である。図3は図1のプリフォーム1の平面図
である。本発明では、プリフォーム1とともに、深絞り
加工後の余分な部分を除去したプリフォーム2もまた、
プリフォームという。
【0037】プリフォーム1、2は、炭素繊維織物3
a、3bとガラス繊維からなるコンティニュアス・スト
ランド・マット4a、4bの4層の補強繊維基材からな
り、プリフォーム1、2の凸部1a、2a(深絞り部)
の外層部から第1層にはコンティニュアス・ストランド
・マット4a、第2層目には炭素繊維織物3a、第3層
目にはコンティニュアス・ストランド・マット4b、第
4層目には炭素繊維織物3bが積層されて、各炭素繊維
織物およびコンティニュアス・ストランド・マットの補
強繊維基材に皺が入ることなく、切れ目がなくて一体に
半球殻状のプリフォーム1、2の全面を覆っている。第
2層目の炭素繊維織物3aは、X1−X1軸、Y1−Y
1軸に対してたて糸およびよこ糸が斜め方向に繊維配向
し、第4層目の炭素繊維織物3bは、X1−X1軸、Y
1−Y1軸と45度位相のずれたX2−X2軸、Y2−
Y2軸に対してたて糸およびよこ糸が斜め方向に繊維配
向している。第2層目と第4層目の2枚の炭素繊維織物
3a、3bによって、機械的特性が疑似等方性になるよ
うになっている。
【0038】炭素繊維織物3a、3bは平組織の織物
で、上記プリフォーム1、2成形前には、そのたて糸お
よびよこ糸は90度の交角をもって製織されているが、
深絞り成形されたプリフォーム1、2にあっては、各織
糸が深絞りによって目ずれし、最小交角θが本発明で特
定した範囲内の角度となっている。この最小交角θは、
本実施態様では深絞り領域(プリフォームの凸部1a、
2a)の縁上で発生している。
【0039】なお、上記説明において、2層の炭素繊維
織物を使用したプリフォームについて説明したが、少な
くとも1層の炭素繊維織物を使用し、残りは他の補強繊
維基材であってよい。また、ガラス繊維からなるコンテ
ィニュアス・ストランド・マットと炭素繊維織物の2種
類の補強繊維基材を使用したプリフォームについて説明
したが、勿論、マットを使用せず全てが炭素繊維織物で
あってよいし、積層による繊維配向は好ましくは、上記
に説明したように、炭素繊維織物の繊維配向が疑似等方
性になるようにすればよいが、必ずしも限定するもので
はない。同様に、積層数も上記の4層に限定するもので
はなく、成形品に要求される特性や厚みによって適宜決
めることができる。
【0040】なお、凸部の外層部から第1層目をガラス
繊維やビニロン繊維などからなるマット層にすると、成
形品の塗装の際、炭素繊維の黒色を簡単に見えないよう
にすることができて、種々のカラーを有する成形品が得
られ、また、FRP表面の平滑性もよくなり、商品価値
の高い成形品が得られる。
【0041】さて、型に対し、特に炭素繊維織物がフィ
ットする状況をよく観察すると、炭素繊維は引張弾性率
が大きいのでほとんど伸びず、シート状の炭素繊維織物
を半球殻状の形状に深絞り変形させると、型に対してた
て糸(0度)およびよこ糸(90度)が繊維配向してい
る部分は引張られ、斜め方向(±45度)に繊維配向し
ている部分は織糸の交差角が小さくなるように目ずれ変
形して織物が型にフィットした。プリフォームにおいて
織糸の交差角が元の90度の箇所は存在するが、交差角
が目ずれにより種々に変化しており、絞り度合いの高い
プリフォームほど織糸の交差角が小さくなっていた。ま
た、鋭意検討の結果、炭素繊維織物の織物を構成する2
方向の炭素繊維の、プリフォームにおける最小交角が本
発明で特定したように20〜45度であれば、通常の深
絞りCFRP成形品、たとえば、ヘルメット帽体、筐体
やスピーカコーンのプリフォームは織物に切れ目を入れ
ずとも作製することが可能であることがわかった。
【0042】すなわち、プリフォームにおける最小交角
が45度以上であれば、これら深絞り成形品のためのプ
リフォームは、織物に皺が入ったプリフォームとなる
し、また、皺の入らないプリフォームが入らないように
するには織物の切れ目を入れることが必要となる。ま
た、最小交角が20度以下になると、この部分のたて糸
とよこ糸の交錯度合いがきつくなり、FRPに成形した
とき、樹脂含浸性が悪くなったり、また織糸の屈曲、す
なわち、クリンプが大きくなり、応力集中により強度低
下するという問題がある。
【0043】また、皺を入れず、また切れ目を入れずに
一体に半球殻状のプリフォームの全面を覆うには、糸間
の隙間が大きく織糸によって形成される空隙の大きなメ
ッシュ状の炭素繊維織物を使用すれば可能である。この
場合、斜め方向に繊維配向している部分は、目ずれ変形
して織糸の交差角が小さくなり、糸間隔も小さくなり、
この部分の炭素繊維織物の織糸によって形成される空隙
が小さくなる、すなわち、カバーファクターが大きくな
るが、型に対してたて糸およびよこ糸が繊維配向してい
る部分は、型に沿わせてもあまり目ずれ変形しないの
で、織糸によって形成される空隙は元のメッシュ状の炭
素繊維織物の状態と変わらず大きい。すなわち、カバー
ファクターが小さい。
【0044】ところが本発明においては、前述のような
扁平で実質的に撚りがない強化繊維マルチフィラメント
糸を織糸とする補強織物を用いることにより、メッシュ
織物を使用することなく、高いカバーファクターが実現
される。
【0045】プリフォームにおける炭素繊維織物のカバ
ーファクターは、前述の如く、85%以上であることが
好ましい。炭素繊維織物のカバーファクターの小さなプ
リフォームを成形すると、FRP成形品の表面が凸凹し
たり、織糸によって形成される空隙部に樹脂が偏在して
樹脂過多部となり、この部分にクラックが発生し、また
ボイドが集中し、FRPの強度を低下させる。また、部
分的にみてこの部分には炭素繊維が存在しないので、局
部的に極めて強度の低い部分が存在することになる。
【0046】前記のプリフォーム1、2に用いる炭素繊
維織物においては、扁平な炭素繊維マルチフィラメント
糸からなるたて糸とよこ糸は、非常に粗い密度で製織さ
れており、さらに織糸のクリンプが小さいので、織糸を
目ずれさせやすい。すなわち、前記炭素繊維織物を目ず
れ変形させた場合、たて糸またはよこ糸の糸間隔を詰め
る余裕が十分にあるので、扁平糸の糸幅を挟めつつ糸間
隔を小さくさせながら皺を発生させることなく大きく変
形させることができるのである。つまり、たて糸とよこ
糸の交角を小さくすることができ、炭素繊維織物に皺が
入ることがなく、切れ目がなくて一体に半球殻状のプリ
フォームの全面を覆うことができ、物性が高くて、ばら
つきの少ない深絞りFRP成形品が得られる。
【0047】本発明のプリフォームに用いる炭素繊維織
物の炭素繊維は、とくに、単繊維直径が5〜20ミクロ
ンでJIS R7601に準拠して測定される引張弾性
率が18×103 kgf/mm2 以上、引張強度が25
0kgf/mm2 以上のもので、ヘルメット帽体などの
耐衝撃性が要求される製品については、引張弾性率が2
0×103 kgf/mm2 以上、および次式で定義され
る破壊歪みエネルギーwが4.0mm・kgf/mm3
以上の高靱性炭素繊維であることが好ましい。 w=σ2 /2E σ:炭素繊維の引張強度 (kgf/mm2 ) E:炭素繊維に引張弾性率(kgf/mm2
【0048】上記のような本発明に係るプリフォーム
は、次のように深絞り成形される。すなわち、本発明の
プリフォームの製造方法は、少なくとも一枚の2方向性
補強織物を含む補強基材を、前記補強織物の織糸配向方
向が深絞り中心を向く方向に対して斜めの方向となる各
隅部で固定して深絞り賦形することを特徴とする方法か
らなる。
【0049】上記補強織物は、前述の如く、扁平で実質
的に撚りがない強化繊維マルチフィラメント糸を織糸と
する織物であることが好ましい。また、深絞り成形され
る補強基材としては、生の補強織物であってもよいし、
補強基材の少なくとも一層がプリプレグの形態をなして
いてもよい。
【0050】本発明に係るプリフォームの製造方法を、
前述の図1ないし図3に示したプリフォームに関して説
明するに、まず、マット4a、4bおよび炭素繊維織物
3a、3bを、型の表面積より大きな所定の寸法に、た
て糸およびよこ糸に沿って矩形または正方形に裁断す
る。次に、プリフォームの第1層目となるマット4a、
第2層目となる炭素繊維織物3a、第3層目となるマッ
ト4b、第4層目となる炭素繊維織物3bの順に、第2
層目と第4層目の炭素繊維織物3a、3bを45度ずら
して重ね合わせる。次に枠で、第2層目と第4層目の炭
素繊維織物各々の4隅を固定し、好ましくはマットの各
々の4隅も織物と同時に固定し雌型の上に置き、雄型で
押さえることによって、容易に、織物に皺を入れずに深
絞り賦形することができる。これによってプリフォーム
1が成形される。賦形と同時に、押し切りで隅にはみで
た繊維基材を切り取ることによって、簡単に、しかも効
率よくプリフォーム2を製造することができる。
【0051】上記深絞り成形の際の固定点は、炭素繊維
織物3a、3bの織糸配向方向が深絞り中心5を向く方
向に対して斜めの方向となる4隅の点6および7であ
る。この固定は、完全に定点に固定してもよいが、若干
外向きに張力をかけるようにすると、最小交角θを所定
の範囲に納めるための目ずれをおこさせやすいので、よ
り好ましい。
【0052】また、炭素繊維以外の補強繊維基材として
上記の如くコンティニュアス・ストランド・マットを使
用すると、深絞りの賦形を行っても、ループ状のストラ
ンドが伸びて型にフィットし、基材が賦形によって切れ
るようなことがないので好ましい。
【0053】上記のプリフォームの製造法は、繊維基材
を全て同時に賦形する場合について説明したが、繊維基
材を1枚ずつ賦形し、各繊維基材を重ね合わせてプリフ
ォームとしてもよい。
【0054】また、プリフォームの作製にあたって、マ
ットとして熱可塑性ポリマーのバインダーで形態固定さ
れたコンティニュアス・ストランド・マットを使用した
り、補強織物として熱可塑性ポリマーのバインダーを付
着させた炭素繊維織物を使用したり、または炭素繊維織
物とマットの間に熱可塑性ポリマーのバインダーとして
粉末状、糸状や極薄の不織布などを介在させ、型をこれ
ら熱可塑性ポリマーの軟化点以上に加熱させて賦形する
と、型から取り出したプリフォームの形態が安定するの
で、後の成形が容易となる。このような熱可塑性ポリマ
ーとしては、低融点で、FRPの特性を低下させないも
のが好ましく、低融点の共重合ナイロン樹脂や低融点の
ポリエステル樹脂などがよく、FRPの特性を低下させ
ないためには付着量はできるだけ少ないほうがよく、プ
リフォームの繊維重量に対して、0.5〜5重量%程度
である。
【0055】また、前述の如く、本発明のプリフォーム
やFRPを製造するための繊維基材として、炭素繊維織
物などにあらかじめBステージの熱硬化性のマトリクス
樹脂を含浸したプリプレグを用いることもできる。熱硬
化性のマトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂やフェノール樹
脂であり、プリプレグにおける樹脂割合は30〜60重
量%程度である。
【0056】さらに、上記のように製造されたプリフォ
ームを用いて、本発明に係るFRPが成形される。この
FRPにおいては、マトリクス樹脂として、熱硬化性樹
脂または熱可塑性樹脂が使用できる。マトリクス樹脂
は、その引張破断伸度が補強織物の織糸の引張破断伸度
よりも大きいことが好ましく、マトリクス樹脂として、
引張破断伸度が3.5〜10%の熱硬化性樹脂または引
張破断伸度が8〜200%の熱可塑性樹脂であることが
好ましい。
【0057】使用するマトリクス樹脂としては、エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フ
ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの
熱硬化性樹脂は、織物に含浸された状態ではBステージ
である。また、マトリクス樹脂として、ナイロン樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ビスマ
レイミド樹脂等の熱可塑性樹脂も使用することができ
る。
【0058】本発明に係るFRPは、通常の成形法で成
形できる。たとえば、前述のプリフォームを加熱された
雌金型で作製し、この雌金型に計量された、硬化剤を入
れた液状の熱硬化性樹脂を入れ、次に加熱された雄金型
で加圧することによって、容易に成形することができ
る。
【0059】上記FRPの成形品としては、各種形態を
採り得る。たとえば、ヘルメット用帽体、筐体、スピー
カコーン等である。
【0060】本発明に係るヘルメット用帽体、筐体、ス
ピーカコーンなどの深絞りFRP成形品では、少なくと
も一層の補強織物を含む繊維強化樹脂成形用プリフォー
ムにおいて、前記織物を構成する炭素繊維の最小交角が
20〜45度である。プリフォームの形態において、前
記織物を切れ目がなくて一体のものとでき、かつ各部に
おけるカバーファクターを85%以上にできる。
【0061】このようなFRP成形品は、深絞り成形品
ではあるが補強織物のたて糸およびよこ糸が切断するこ
となく、また、皺も入らず、またカバーファクターも大
きいので、成形品の物性、性能がよく、またばらつきも
少ない。したがって、軽量で信頼性の高い製品が得られ
る。
【0062】また、深絞りFRP成形品において少なく
とも1層の補強織物が、切れ目なく、強化繊維が連続し
て成形品の全体にわたって入っているので、たとえ短繊
維系のチョップド・ストランド・マットや、連続繊維で
はあるが、ループを描きながらストランドが配列してい
る、コンティニュアス・ストランド・マットと併用して
も、耐衝撃性のよい成形品となる。
【0063】
【実施例】以下に、本発明の望ましい実施例について説
明する。 実施例1 糸幅が6.5mm、糸厚みが0.12mmの扁平状炭素
繊維(東レ(株)社製“トレカ”T700SC−12K
(繊度7,200デニール))を用い、平織組織で、た
て糸とよこ糸の織密度が1.25本/cmで、かつ扁平
状を保持しながら製織し、目付が200g/m2 の織物
を得た。得られたこの織物のカバーファクターは、99
%と織糸間の空隙がほとんどない織物であった。
【0064】次いで、織糸方向を一辺とする60cm角
に裁断した織物を4枚準備し、各裁断された織物片の中
心を合わせ、織糸角度が(0°,90°)/(±45
°)/(±45°)/(0°,90°)と交差積層し
た。
【0065】そして、積層された織物基材をヘルメット
から型取りした雌型にのせ、その各織物の織糸配向方向
が深絞り中心を向く方向に対して斜めの方向となる各々
の隅を固定して、その上から雄型を押し付けて賦形させ
た。
【0066】以上の方法によって得られたプリフォーム
は、ヘルメットの型通りで、かつ、皺の発生がなく賦形
されたものであった。また、プリフォームにおけるカバ
ーファクターは98%と空隙部が非常に少なく、平滑な
ものであった。また、プリフォームにおける各織物のバ
イアス方向は引き伸ばされた形となり、織糸の最小交角
は40度と大きく剪断変形されていた。
【0067】前記プリフォームを成形型によって熱硬化
性ビニルエステル樹脂を含浸させて成形品を得た。得ら
れた成形品は、プリフォームにおける高いカバーファク
ターを維持し、樹脂が偏在するような部分がなく炭素繊
維が均一に分散し、表面平滑な製品であった。また、成
形品の断面観察においてもボイドはなく均一に樹脂含浸
されていた。
【0068】比較例1 比較例として、通常の炭素繊維織物(#6343:東レ
(株)社製 “トレカ”T300−3K(繊度1,80
0デニール)使いで、平織組織の200g/m2 目付織
物)について前記実施例1と同じ方法で賦形性の評価を
行った。得られたプリフォームは、ヘルメットの縁部に
おいて各裁断織物のバイアス方向部に皺が発生した。ま
た、バイアス方向の織糸交角は50度と前記実施例1の
プリフォームに比べ小さいものであった。
【0069】すなわち、この比較例で用いた通常の炭素
繊維織物では、バイアス方向の伸長に対して各織糸が接
近し、拘束されているために限界を生じて皺になったも
のである。
【0070】また、前記プリフォームを実施例と同じ方
法で成形したが、皺が存在したために設定厚さ通り成形
することが出来ず分厚いものであった。そのようなこと
から、樹脂が不足して樹脂の欠けたところが多く存在
し、表面の凸凹した製品であった。
【0071】比較例2 バイアス方向の伸長を大きくする目的で、比較例1と同
じ炭素繊維糸を用い、織糸の密度を3本/cmと粗くし
た織物を作製し、比較した。織物目付は120g/m2
で、カバーファクターが80%と目の粗いものであっ
た。
【0072】得られた織物を実施例1と同じ方法で賦形
性の評価を行った。賦形されたプリフォームには皺の発
生は見られなかったが、織糸の拘束が非常に弱いので、
賦形させる際に織糸が大きく目ずれを起こした。また、
剪断変形されないヘルメットの頂部においては、目ずれ
はないが、カバーファクターが元の織物のカバーファク
ターのままであるため目の空いた状態であった。
【0073】前記プリフォームを実施例1と同じ方法で
成形した。得られた成形品は、プリフォームで見られた
目ずれや低いカバーファクターがそのままの形で表れて
おり、目ずれ部や織糸間の隙間に樹脂が偏在した不均一
なものであった。また、樹脂が偏在した部分は、樹脂の
硬化収縮によって窪んでおり、表面平滑性の劣る製品で
あった。以上のように、目の粗い織物は剪断変形し易い
ものの、目ずれを起こしたり、目の空いたところが存在
し、信頼性の必要な繊維強化プラスチックには採用出来
ない問題がある。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプリフォ
ームは、および本発明のプリフォームによる深絞り成形
品は、プリフォームにおける補強織物織糸の最小交角を
特定したので、深絞りされていても、補強織物に切れ目
が入らず、皺も入らず、またカバーファクターも大きい
ので、軽量で信頼性の高いFRP製品とすることができ
る。
【0075】また、少なくとも一層の補強織物が、切れ
目がなく、炭素繊維が連続して成形品の全体に入ってい
るので、たとえ短繊維系のチョップド・ストランド・マ
ットや、連続繊維ではあるが、ループを描きながらスト
ランドが配列している、コンティニュアス・ストランド
・マットと併用しても、耐衝撃性のよい成形品となる。
【0076】さらに、本発明に係るプリフォームの製造
方法によれば、単に織物の各々の隅を固定することによ
って、深絞り成形された所望のプリフォームが賦形さ
れ、また、深絞りの成形品が成形されるので、生産性が
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るプリフォームの斜視
図である。
【図2】図1のプリフォームの周縁部を切断除去したプ
リフォームの縦断面図である。
【図3】図1のプリフォームの概略平面図である。
【符号の説明】
1、2 プリフォーム 1a、2a 凸部(深絞り部) 3a、3b 補強織物(炭素繊維織物) 4a、4b マット 5 深絞り中心 6、7 固定部 θ 最小交角

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2方向性補強織物を含み、かつ、その補
    強織物の2方向に延びる織糸の最小交角が20〜45度
    であることを特徴とする、深絞り成形されたプリフォー
    ム。
  2. 【請求項2】 前記補強織物に切れ目がない、請求項1
    のプリフォーム。
  3. 【請求項3】 前記補強織物のカバーファクターが85
    %以上である、請求項1または2のプリフォーム。
  4. 【請求項4】 前記補強織物が扁平で実質的に撚りがな
    い強化繊維マルチフィラメント糸を織糸とする織物であ
    る、請求項1ないし3のいずれかに記載のプリフォー
    ム。
  5. 【請求項5】 前記強化繊維マルチフィラメント糸の糸
    厚みが0.05〜0.2mm、糸幅/糸厚み比が30以
    上である、請求項4のプリフォーム。
  6. 【請求項6】 前記補強織物が前記強化繊維マルチフィ
    ラメント糸をたて糸およびよこ糸とする織物であって、
    織物厚みが0.07〜0.4mm、織物目付が100〜
    300g/m2 である、請求項4または5のプリフォー
    ム。
  7. 【請求項7】 前記強化繊維マルチフィラメント糸が炭
    素繊維糸であり、該炭素繊維糸のフィラメント数が5,
    000〜24,000本、繊度が3,000〜20,0
    00デニールである、請求項4ないし6のいずれかに記
    載のプリフォーム。
  8. 【請求項8】 前記補強織物は前記強化繊維マルチフィ
    ラメント糸をたて糸およびよこ糸とする織物であって、
    該たて糸とよこ糸の少なくとも一方は前記強化繊維マル
    チフィラメント糸が複数積層されてなり、織物厚みが
    0.2〜0.6mm、織物目付が200〜500g/m
    2 である、請求項4または5のプリフォーム。
  9. 【請求項9】 前記強化繊維マルチフィラメント糸が炭
    素繊維糸であり、該炭素繊維糸のフィラメント数が3,
    000〜12,000本、繊度が1,500〜10,0
    00デニールである、請求項4、5または8のプリフォ
    ーム。
  10. 【請求項10】 前記補強織物が平組織されてなる、請
    求項1ないし9のいずれかに記載のプリフォーム。
  11. 【請求項11】 前記補強織物に強化繊維からなるマッ
    トが積層されている、請求項1ないし10のいずれかに
    記載のプリフォーム。
  12. 【請求項12】 前記強化繊維マルチフィラメント糸が
    炭素繊維糸からなり、前記織物目付と前記炭素繊維糸の
    繊度とが次式の関係を満たし、かつ、カバーファクター
    が95%以上である、請求項6のプリフォーム用の補強
    織物。 W=k・D1/2 但し、W:織物目付(g/m2 ) k:比例定数(1.4〜3.6) D:炭素繊維糸の繊度(デニール)
  13. 【請求項13】 前記強化繊維マルチフィラメント糸が
    炭素繊維糸からなり、前記織物目付と前記炭素繊維糸の
    繊度とが次式の関係を満たし、かつ、カバーファクター
    が95%以上である、請求項8のプリフォーム用の補強
    織物。 W=k・D1/2 但し、W:織物目付(g/m2 ) k:比例定数(2.0〜6.0) D:炭素繊維糸の繊度(デニール)
  14. 【請求項14】 2方向性補強織物を含む補強基材を、
    前記補強織物の織糸の方向が深絞り中心を向く方向に対
    して斜めの方向となる各隅部で固定して深絞り賦形する
    ことを特徴とする、プリフォームの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記補強織物が扁平で実質的に撚りが
    ない強化繊維マルチフィラメント糸を織糸とする織物で
    ある、請求項14のプリフォームの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記補強基材がプリプレグの形態をな
    している、請求項14または15のプリフォームの製造
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    のプリフォームを用いて成形された繊維強化プラスチッ
    ク。
  18. 【請求項18】 マトリクス樹脂が熱硬化性樹脂または
    熱可塑性樹脂である、請求項17の繊維強化プラスチッ
    ク。
  19. 【請求項19】 マトリクス樹脂の引張破断伸度が補強
    織物の織糸の引張破断伸度よりも大きい、請求項17ま
    たは18の繊維強化プラスチック。
  20. 【請求項20】 マトリクス樹脂が、引張破断伸度が
    3.5〜10%の熱硬化性樹脂または引張破断伸度が8
    〜200%の熱可塑性樹脂である、請求項17ないし1
    9のいずれかに記載の繊維強化プラスチック。
  21. 【請求項21】 ヘルメット用帽体に成形された、請求
    項17ないし20のいずれかに記載の繊維強化プラスチ
    ック。
  22. 【請求項22】 筐体に成形された、請求項17ないし
    20のいずれかに記載の繊維強化プラスチック。
  23. 【請求項23】 スピーカコーンに成形された、請求項
    17ないし20のいずれかに記載の繊維強化プラスチッ
    ク。
JP05982394A 1994-03-07 1994-03-07 プリフォームおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3214646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05982394A JP3214646B2 (ja) 1994-03-07 1994-03-07 プリフォームおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05982394A JP3214646B2 (ja) 1994-03-07 1994-03-07 プリフォームおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07241846A true JPH07241846A (ja) 1995-09-19
JP3214646B2 JP3214646B2 (ja) 2001-10-02

Family

ID=13124341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05982394A Expired - Fee Related JP3214646B2 (ja) 1994-03-07 1994-03-07 プリフォームおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3214646B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005256186A (ja) * 2004-03-09 2005-09-22 Toray Ind Inc 耐衝撃性ヘルメット
JP2007162185A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Toray Ind Inc 基材の賦型性の評価方法およびfrpの製造方法
JP2007296767A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合材料製構造部材の成形方法および複合材料製構造部材
JP2008500235A (ja) * 2004-05-24 2008-01-10 エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー 航空機用窓枠
JP2011093329A (ja) * 2011-02-16 2011-05-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合材料製構造部材の成形方法
WO2017018235A1 (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 株式会社 豊田自動織機 織物積層体、織物積層体の製造方法、及び織物積層体の製造装置
CN112680861A (zh) * 2020-12-11 2021-04-20 江苏恒力化纤股份有限公司 一种复合材料制成的警用头盔及其制备方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005256186A (ja) * 2004-03-09 2005-09-22 Toray Ind Inc 耐衝撃性ヘルメット
JP2008500235A (ja) * 2004-05-24 2008-01-10 エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー 航空機用窓枠
JP2007162185A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Toray Ind Inc 基材の賦型性の評価方法およびfrpの製造方法
JP2007296767A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合材料製構造部材の成形方法および複合材料製構造部材
JP2011093329A (ja) * 2011-02-16 2011-05-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合材料製構造部材の成形方法
WO2017018235A1 (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 株式会社 豊田自動織機 織物積層体、織物積層体の製造方法、及び織物積層体の製造装置
JP2017030148A (ja) * 2015-07-28 2017-02-09 株式会社豊田自動織機 織物積層体、織物積層体の製造方法、及び織物積層体の製造装置
CN112680861A (zh) * 2020-12-11 2021-04-20 江苏恒力化纤股份有限公司 一种复合材料制成的警用头盔及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3214646B2 (ja) 2001-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0272083B1 (en) Preformed material for fiber reinforced plastics
US5529826A (en) Fabric-faced thermoplastic composite panel
JPH08337666A (ja) プリフォームおよびその製造方法
EP1464743B1 (en) Carbon fiber-made reinforcing woven fabric and prepreg and prepreg production method
WO2018083734A1 (ja) 複合材料用強化基材、複合材料および複合材料用強化基材の製造方法
JP5707734B2 (ja) 繊維強化プラスチック用一方向性の強化繊維織編物及びその繊維基材と、同繊維基材の製造方法及び同繊維基材を使った繊維強化プラスチックの成形方法
JP6369178B2 (ja) プリフォームの製造方法、繊維強化熱硬化性樹脂成形品の製造方法、及びプリフォーム
JP3214646B2 (ja) プリフォームおよびその製造方法
JP2002321215A (ja) プリフォームおよびその成形品
JP2012096475A (ja) 強化繊維基材、強化繊維複合材のプリフォームおよび強化繊維複合材
JP3279048B2 (ja) 補強織物とそれを用いたfrp
JP3011055B2 (ja) ヘルメット
JP5877431B2 (ja) 炭素繊維強化複合材料の製造方法
EP3388215B1 (en) Sandwich panel, method for producing unidirectional prepreg, and method for producing sandwich panel
JP2012241183A (ja) 繊維複合材料およびそれを用いたサンドイッチ材
KR20200141725A (ko) 섬유강화 복합재료 제조용 복합섬유 원단 및 이를 이용한 섬유강화 복합재료의 성형방법
JP3214648B2 (ja) 補強用メッシュ織物プリプレグ、メッシュ状繊維強化プラスチックおよび繊維強化セメント系材料
KR20200019676A (ko) 제직 3d 섬유 보강 구조체 및 이의 제조 방법
JPH08300526A (ja) 輸送機器用部材
JPH0776051A (ja) Frp製パネル及びその製造方法
JPS6223139B2 (ja)
JP3915614B2 (ja) 変形部分を有する繊維構造体及び複合材
JPH08312534A (ja) ケーシング
JPH085137B2 (ja) 繊維強化プラスチックの引抜成形法
JP3061235B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシート

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090727

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees