JPH07239688A - アクティブ消音方法及びその装置 - Google Patents

アクティブ消音方法及びその装置

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JPH07239688A
JPH07239688A JP6028665A JP2866594A JPH07239688A JP H07239688 A JPH07239688 A JP H07239688A JP 6028665 A JP6028665 A JP 6028665A JP 2866594 A JP2866594 A JP 2866594A JP H07239688 A JPH07239688 A JP H07239688A
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JP
Japan
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sound
noise
filter
speaker
signal
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Withdrawn
Application number
JP6028665A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Matsuura
哲哉 松浦
Takehiko Hiei
武彦 樋江井
Hiroyuki Ito
宏幸 伊藤
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低周波数帯域の音圧が低い状態でシステム同定
されないようにして消音効果を向上させる。 【構成】検出マイクロホン(30)の検出騒音信号に対して
反転音信号を生成する消音用フィルタ(41)が設けられて
いる。更に、反転音を放射するスピーカ(31)と、音響帰
還補正を行うハウリング防止用フィルタ(43)と、低減音
信号を出力するモニタマイクロホン(32)とが設けられて
いる。上記スピーカ(31)とモニタマイクロホン(32)との
間の特性補正を行う補正用フィルタ(42)と、上記騒音信
号と低減音信号とに基づいて消音用フィルタ(41)のフィ
ルタ係数を更新する適応アルゴリズム実行回路(44)とが
設けられている。加えて、上記スピーカ(31)から検出マ
イクロホン(30)及びモニタマイクロホン(32)までのシス
テム同定を行うシステム同定実行手段(50)には、ランダ
ム音信号における低周波数帯域の音圧を大きくしたシス
テム同定音信号を出力するように同定用フィルタ(52)が
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空間を伝播する騒音に
対して、逆位相で且つ同振幅の反転音を放射して消音を
行うアクティブ消音方法及びその装置に関し、特に、空
間における音響的伝達特性を設定するシステム同定対策
に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のアクティブ消音装置に
は、特開平3−36897号公報に開示されているよう
に、ダクト内空間等の音波の伝播通路の非定常的な広帯
域の騒音に対して、これとは逆位相で且つ同振幅の反転
音を発生させて消音を行うようにしているものがある。
このアクティブ消音装置は、適応型FIR(Finite Imp
ulse Response)デジタルフィルタを使用し、検出マイク
ロフォンから出力される空間の騒音信号に対して上記適
応型FIRデジタルフィルタにより逆位相で同振幅の反
転音信号を生成した後、該反転音信号をスピーカに出力
して反転音を空間に放射するようにしている。更に、こ
の空間の所定観測点に配置したモニタマイクロホンによ
り該観測点にて騒音と上記スピーカから放射された反転
音との合成音を検出して、該合成音を低減音レベルとし
て入力し、該低減音レベルを小さくするように適応型F
IRデジタルフィルタのフィルタ係数を逐次更新するこ
とにより、上記観測点周辺の音圧レベルを低減するよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したアクティブ消
音装置において、システムを稼動させる前にシステム同
定を行っており、つまり、上記スピーカにランダム音信
号を出力して該スピーカよりランダム音を空間に放出
し、このランダム音を検出マイクロホンとモニタマイク
ロホンとで検出し、この検出信号に基づいて適応型FI
Rデジタルフィルタのフィルタ係数を更新し、伝達特
性、つまり、伝達関数を設定してシステム同定を行って
いる。しかしながら、上記スピーカは、ランダム音信号
をそのまゝ受けてランダム音を発生しており、一方、上
記スピーカは、スピーカ自体の特性として、図5に示す
ように、発生するランダム音のうち 100Hz以下の低周波
数帯域の音圧が低く、この低周波数帯域の再生が困難で
あった。従って、上記ランダム音をそのまゝ用いてシス
テム同定を行うと、低周波数帯域の音圧が低い状態で伝
達関数が設定され、上記伝達関数に基づく騒音信号の補
正を行う補正用フィルタがハイパス特性を有することに
なり、低周波数帯域の特性が劣化することになる。この
結果、アクティブ消音を実行する際、低周波数帯域の騒
音を充分に消音することができないことになり、消音効
果が低いという問題があった。特に、上記低周波数帯域
の騒音である低周波数音は、人間の聴覚上、高周波数音
ほどに敏感に感じられないが、人体に与える影響が大き
く、長時間低周波数音に晒されていると、気分が悪くな
るなどの問題が生じることになる。
【0004】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、低周波数帯域の音圧が低い状態でシステム同定され
ないようにして低周波数帯域の騒音をも確実に消音でき
るようにすることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明が講じた手段は、ランダム音信号における低
周波数帯域の音圧を大きくしたシステム同定信号を出力
するようにしたものである。具体的に、請求項1に係る
発明が講じた手段は、図1に示すように、騒音が伝播す
る空間(22)における騒音伝播方向の上流側から騒音検出
手段(30)とスピーカ(31)とモニタ手段(32)とを配置して
いる。そして、先ず、予めシステム同定音信号をスピー
カ(31)より出力してシステム同定音を上記空間(22)に放
射することにより、所定観測点のモニタ手段(32)とスピ
ーカ(31)との間の音響的な伝達特性を設定するためのシ
ステム同定を行う。その後、上記モニタ手段(32)とスピ
ーカ(31)との間の伝達特性による特性補正を行った信号
に基づき、上記騒音検出手段(30)から出力される空間(2
2)の騒音信号に対して逆位相で同振幅の反転音信号を消
音用フィルタ(41)によって生成し、該反転音信号をスピ
ーカ(31)に出力して反転音を空間(22)に放射する一方、
上記モニタ手段(32)によって観測点の低減音レベルを検
出し、該低減音レベルに基づいて消音用フィルタ(41)の
フィルタ係数を更新し、上記観測点周辺の音圧レベルを
低減するアクティブ消音方法を対象としている。そし
て、上記システム同定時に、ランダム音信号における低
周波数帯域の音圧を同定用フィルタ(52)によって大きく
したシステム同定音信号を上記スピーカ(31)に出力して
システム同定を行う構成としている。また、請求項2に
係る発明が講じた手段は、上記請求項1の発明における
システム同定後において、上記騒音検出手段(30)から出
力される空間(22)の騒音信号に対してスピーカ(31)から
騒音検出手段(30)への音響帰還補正を該騒音検出手段(3
0)とスピーカ(31)との間の伝達特性に基づいて行うと共
に、上記モニタ手段(32)とスピーカ(31)との間の伝達特
性による特性補正を行った信号に基づき、反転音信号を
生成する構成としている。
【0006】また、請求項3に係る発明が講じた手段
は、空間(22)を伝播する騒音を検出して騒音信号を出力
する騒音検出手段(30)と、該騒音検出手段(30)からの騒
音信号に対して逆位相で同振幅の反転音信号を生成する
消音用フィルタ(41)とが設けられている。更に、該消音
用フィルタ(41)により生成された反転音信号を受けて反
転音を空間(22)に放射するスピーカ(31)と、上記空間(2
2)の所定観測点に配置され、該観測点の低減音レベルを
検出して低減音信号を出力するモニタ手段(32)とが設け
られている。その上、上記騒音検出手段(30)からの騒音
信号に対してスピーカ(31)とモニタ手段(32)との間の音
響的な伝達特性に基づく特性補正を行う補正用フィルタ
(42)と、該補正用フィルタ(42)で補正された騒音信号と
上記モニタ手段(32)からの低減音信号とに基づいて観測
点周辺の音圧レベルが低減するように消音用フィルタ(4
1)のフィルタ係数を更新する適応アルゴリズム実行手段
(44)とが設けられている。加えて、上記スピーカ(31)か
らモニタ手段(32)までの音響的な伝達特性を設定するた
めにシステム同定を行うシステム同定実行手段(50)を備
えているアクティブ消音装置を対象としている。そし
て、上記システム同定実行手段(50)には、ランダム音信
号における低周波数帯域の音圧を大きくしたシステム同
定音信号を出力するように同定用フィルタ(52)が設けら
れた構成としている。また、請求項4に係る発明が講じ
た手段は、上記請求項3の発明において、騒音検出手段
(30)が出力する騒音信号に対し、消音用フィルタ(41)の
反転音信号を受けてスピーカ(31)から騒音検出手段(30)
への音響帰還補正を該騒音検出手段(30)とスピーカ(31)
との間の伝達特性に基づいて行うハウリング防止用フィ
ルタ(43)が設けられると共に、システム同定実行手段(5
0)は、スピーカ(31)から騒音検出手段(30)及びモニタ手
段(32)までの音響的な伝達特性を設定するように構成さ
れている。
【0007】
【作用】上記の構成により、請求項1及び請求項3に係
る発明では、先ず、システムを稼動させる前に、システ
ム同定を行い、システム同定実行手段(50)がランダム音
信号を出力し、このランダム音信号は、同定用フィルタ
(52)で信号処理され、この同定用フィルタ(52)が、低周
波数帯域のゲインが大きく設定されているので、上記ラ
ンダム音信号は、低周波数帯域の出力が大きいシステム
同定音信号に変換されて出力される。続いて、上記同定
用フィルタ(52)より出力されたシステム同定音信号はス
ピーカ(31)に入力され、システム同定音が空間(22)に放
出されてモニタ手段(32)により検出され、このモニタ手
段(32)の検出信号と上記システム同定音信号とに基づい
てスピーカ(31)とモニタ手段(32)との間のシステム同定
が行われる。また、請求項2及び4に係る発明では、上
記騒音検出手段(30)及びモニタ手段(32)の検出信号と上
記システム同定音信号とに基づいてスピーカ(31)とモニ
タ手段(32)との間のシステム同定と、スピーカ(31)と騒
音検出手段(30)との間のシステム同定が行われる。つま
り、請求項3及び請求項4に係る発明では、適応アルゴ
リズム実行手段(44)が消音用フィルタ(41)のフィルタ係
数を逐次更新してシステム同定を行うことになる。
【0008】一方、上記システム同定後において、空間
(22)の騒音を消音する場合は、騒音検出手段(30)が空間
(22)における騒音を検出して騒音信号を出力し、この騒
音信号は、消音用フィルタ(41)に入力され、上記騒音信
号とは逆位相で且つ同振幅の抽出信号である反転音信号
が生成される。この反転音信号に基づいてスピーカ(31)
から反転音が空間(22)に放射され、上記騒音が反転音に
より低減されることになる。更に、モニタ手段(32)が騒
音と反転音との誤差を検出して低減音信号を出力し、こ
の低減音信号が適応アルゴリズム実行手段(44)に入力さ
れて、この低減音信号に基づいて上記消音用フィルタ(4
1)のフィルタ係数が逐次更新される。この更新により、
該消音用フィルタ(41)による反転音信号の生成が騒音に
対して経時的に精度良く行われることになる。
【0009】
【発明の効果】従って、請求項1及び請求項3によれ
ば、システム同定を行う際、ランダム音信号における低
周波数帯域の音圧を大きくしたシステム同定音信号をス
ピーカ(31)に出力するようにしたゝめに、該スピーカ(3
1)の特性から生じる低周波数帯域の音圧低下を補正する
ことができるので、補正用フィルタ(42)が低周波数帯域
に対しても所定の特性を有することとなり、低周波数帯
域の特性劣化を確実に防止することができる。この結
果、アクティブ消音を実行する際、低周波数帯域の騒音
を充分に消音することができることになり、消音効果を
向上させることができる。また、請求項2及び請求項4
によれば、上記スピーカ(31)とモニタ手段(32)との間に
おける伝達特性の設定の他、スピーカ(31)と騒音検出手
段(30)との間における伝達特性の設定に対しても低周波
数帯域の音圧を大きくしたシステム同定音信号を用いる
ようにしたゝめに、ハウリング防止用フィルタ(43)が低
周波数帯域に対しても所定の特性を有することとなるの
で、確実にハウリングを防止することができ、より消音
効果を向上させることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図2は、本発明の一実施例を示し、(10)
は、ダクト(20)内の騒音を消音するアクティブ消音装置
であって、該ダクト(20)の内部には、図2の左端に位置
する騒音源(21)からの騒音音波の伝播通路としての空間
(22)が形成されている。また、上記ダクト(20)には、図
2の矢符で示す空間(22)における騒音の伝播方向の上流
側から下流側に向かって検出マイクロフォン(30)とスピ
ーカ(31)とモニタマイクロフォン(32)とが順に配置され
ている。そして、該検出マイクロフォン(30)は、上記空
間(22)における騒音を検出して騒音信号を出力する騒音
検出手段を構成しており、該騒音信号は、コントローラ
(40)に増幅器(3a)を介して入力されている。また、上記
スピーカ(31)は、上記コントローラ(40)からの反転音信
号を増幅器(3b)を介して受け、騒音とは逆位相で且つ同
振幅の反転音を上記ダクト(20)内の空間(22)に放射する
ための付加音源を構成している。また、上記モニタマイ
クロフォン(32)は、所定の観測点に位置し、上記スピー
カ(31)から放射された反転音と騒音との干渉により低減
された騒音の低減音レベルをその観測点で検出し、低減
音信号を出力するモニタ手段を構成している。つまり、
上記モニタマイクロフォン(32)は、スピーカ(31)からの
反転音と騒音との誤差である低減音レベルを検出して誤
差信号の低減音信号を出力しており、該低減音信号は、
コントローラ(40)に増幅器(3c)を介して入力されてい
る。
【0011】上記コントローラ(40)は、騒音とは逆位相
で且つ同振幅の反転音信号を生成するためのものでっ
て、消音用フィルタ(41)と補正用フィルタ(42)とハウリ
ング防止用フィルタ(43)とを備えると共に、適応アルゴ
リズム実行回路(44)を備えている。該消音用フィルタ(4
1)は、上記検出マイクロフォン(30)が出力する騒音信号
を増幅器(3a)からエリアシング防止用ローパスフィルタ
(4a)及びA/D変換器(4b)及び加算回路(4c)を介して受
け、該騒音信号とは基本的に逆位相で同振幅の反転音信
号を生成する適応型FIRデジタルフィルタで構成さ
れ、該反転音信号をD/A変換器(4d)及びエリアシング
防止用ローパスフィルタ(4e)を介し、増幅器(3b)からス
ピーカ(31)に出力している。また、上記補正用フィルタ
(42)は、検出マイクロフォン(30)が出力する騒音信号を
加算回路(4c)を介して受け、上記消音用フィルタ(41)の
反転音信号に基づいてスピーカ(31)から放射された反転
音がモニタマイクロフォン(32)に入力されるのに要する
伝播時間だけ検出マイクロフォン(30)の騒音信号を予め
所定時間遅延させると共に、波形減衰等を考慮したフィ
ルタであって、上記騒音信号に対して上記スピーカ(31)
とモニタマイクロフォン(32)との間の伝達特性に基づく
特性補正を行うように所定の伝達関数を有するFIRデ
ジタルフィルタで構成されている。上記ハウリング防止
用フィルタ(43)は、スピーカ(31)から放射された反転音
が検出マイクロフォン(30)に伝播してハウリングが発生
するのを防ぐために上記消音用フィルタ(41)からの反転
音信号を加算回路(4c)にフィードバックするフィルタで
あって、上記騒音信号に対して音響帰還補正をスピーカ
(31)と検出マイクロフォン(30)との間の伝達特性に基づ
いて行うように所定の伝達関数を有するFIRデジタル
フィルタで構成されている。更に、上記適応アルゴリズ
ム実行回路(44)は、最小二乗平均法(LMS;Least Me
an Square)アルゴリズムによる適応制御を行う適応アル
ゴリズム実行手段を構成しており、上記モニタマイクロ
フォン(32)が出力する低減音信号を増幅器(3c)からエリ
アシング防止用ローパスフィルタ(4f)及びA/D変換器
(4g)を介して受け、上記補正用フィルタ(42)を通して受
ける騒音信号と、上記モニタマイクロフォン(32)からの
低減音信号とに基づいて、ダクト(20)内の観測点周辺の
低減音レベルが低下するようにLMSの制御パラメータ
としての消音用フィルタ(41)のフィルタ係数を更新し、
その反転音信号を適応制御して補正するように構成され
ている。
【0012】一方、本発明の特徴として、上記コントロ
ーラ(40)には、図1に示すように、システム同定実行手
段(50)が設けられている。該システム同定実行手段(50)
は、ランダム音信号を出力する信号出力手段(51)と同定
用フィルタ(52)とを備えており、該信号出力手段(51)
は、広帯域のランダム音信号を同定用フィルタ(52)に出
力するように構成されている。上記同定用フィルタ(52)
は、本発明の最も特徴とするところであって、上記ラン
ダム音信号における低周波数帯域の音圧を大きくしたシ
ステム同定音信号に変換し、該システム同定音信号を上
記スピーカ(31)と消音用フィルタ(41)に出力するように
している。つまり、上記スピーカ(31)は、スピーカ自体
の特性として、図5に示すように、 100Hz以下の低周波
数帯域の音圧が低下することになるので、この低周波数
帯域の音圧が大きくなるように、上記同定用フィルタ(5
2)は、図3に示すように、100Hz以下の低周波数帯域の
信号に対するゲインが大きく設定されており、低周波数
帯域の出力が大きいシステム同定音信号がスピーカ(31)
と消音用フィルタ(41)に出力されるようになっている。
具体的に、システム同定時において、上記同定用フィル
タ(52)から出力されるシステム同定音信号は、D/A変
換器(4d)、ローパスフィルタ(4e)及び増幅器(3b)を介し
てスピーカ(31)に入力され、該スピーカ(31)がシステム
同定音を空間(22)に放射する一方、上記システム同定音
信号は、消音用フィルタ(41)に入力される。そして、上
記空間(22)に放射されたシステム同定音は、所定の伝達
特性を有する空間(22)を経て検出マイクロホン(30)及び
モニタマイクロホン(32)により検出され、該検出マイク
ロホン(30)及びモニタマイクロホン(32)の検出信号と消
音用フィルタ(41)の出力信号とを加算した加算信号に基
づいて適応アルゴリズム実行回路(44)が消音用フィルタ
(41)のフィルタ係数を更新してシステム同定を行うよう
になっている。
【0013】次に、アクティブ消音方法ついて上記アク
ティブ消音装置(10)の消音動作と共に説明する。先ず、
該アクティブ消音装置(10)の消音動作を稼動させる前
に、システム同定を行う。つまり、システム同定実行手
段(50)が信号出力手段(51)より広帯域のランダム音信号
を出力させる。このランダム音信号は、本発明の特徴と
して、同定用フィルタ(52)で信号処理され、この同定用
フィルタ(52)が、図3に示すように、低周波数帯域のゲ
インが大きく設定されているので、上記ランダム音信号
は、低周波数帯域の出力が大きいシステム同定音信号に
変換される。続いて、上記同定用フィルタ(52)より出力
されたシステム同定音信号は、消音用フィルタ(41)に入
力されると共に、D/A変換器(4d)、ローパスフィルタ
(4e)及び増幅器(3b)を介してスピーカ(31)に入力され、
該スピーカ(31)よりシステム同定音がダクト(20)内の空
間(22)に放出される。上記システム同定音は、検出マイ
クロホン(30)及びモニタマイクロホン(32)によって検出
され、この検出信号は、増幅器(3a, 3c)、ローパスフィ
ルタ(4a, 4f)及びA/D変換器(4b, 4g)を経て、上記消
音用フィルタ(41)から出力されるシステム同定音信号が
減算されて適応アルゴリズム実行回路(44)に入力する。
そして、上記適応アルゴリズム実行回路(44)が消音用フ
ィルタ(41)のフィルタ係数を逐次更新し、上記スピーカ
(31)と検出マイクロホン(30)との間の伝達関数、及び上
記スピーカ(31)とモニタマイクロホン(32)との間の伝達
関数を設定し、該スピーカ(31)と検出マイクロホン(30)
との間の伝達関数がハウリング防止用フィルタ(43)に、
上記スピーカ(31)とモニタマイクロホン(32)との間の伝
達関数が補正用フィルタ(42)にそれぞれ与えられること
になる。
【0014】一方、上記ダクト(20)内の空間(22)におけ
る騒音を消音する場合、先ず、ダクト(20)内の空間(22)
における騒音は、検出マイクロフォン(30)により検出さ
れ、このマイクロフォン(30)にて検出した騒音信号は、
増幅器(3a)、ローパスフィルタ(4a)、A/D変換器(4b)
及び加算回路(4c)を経て消音用フィルタ(41)に入力され
る。また、上記加算回路(4c)を経た騒音信号は、補正用
フィルタ(42)で所定時間だけの遅延処理等の特性補正が
行われて適応アルゴリズム実行回路(44)に入力される。
そして、上記消音用フィルタ(41)においては、上記騒音
信号と逆位相で且つ同振幅の反転音信号を生成させる。
この反転音信号がD/A変換器(4d)、ローパスフィルタ
(4e)及び増幅器(3b)を経てスピーカ(31)に出力され、該
スピーカ(31)から反転音が空間(22)に放射される。この
放射により、ダクト(20)内の騒音は、スピーカ(31)から
放射された反転音との干渉によって良好に低減されるこ
とになる。更に、観測点では低減された騒音レベル、つ
まり、低減音レベルがモニタマイクロフォン(32)により
検出され、その検出信号である低減音信号が増幅器(3
c)、ローパスフィルタ(4f)及びA/D変換器(4g)を経て
適応アルゴリズム実行回路(44)に入力され、この低減音
信号と上記補正用フィルタ(42)からの騒音信号とに基づ
いて消音用フィルタ(41)のフィルタ係数が逐次更新され
る。このフィルタ係数の更新により、上記消音用フィル
タ(41)による反転音信号の生成がダクト(20)内の騒音に
対して経時的に精度良く行われ、ダクト(20)内の観測点
周辺の音圧レベルが最も良好に低減される。この消音動
作時において、加算回路(4c)は、上記消音用フィルタ(4
1)が出力する反転音信号が入力して該反転音信号を騒音
信号から差し引き、上記スピーカ(31)から放射された反
転音が検出マイクロフォン(30)に伝播することによるハ
ウリングの発生を防止している。
【0015】そこで、上記システム同定時において、低
周波帯域の音圧を大きくしたシステム同定音を用いた場
合等について、実際に消音測定を行い、本発明の効果を
確認した。この測定結果は、図4に示しており、この図
4において、Aは、アクティブ消音を行っていない状態
のモニタマイクロフォン(32)の音圧レベルで、騒音をそ
のまゝ検出している。Bは、同定用フィルタ(52)を用い
ないでシステム同定を行った後に、スピーカ(31)より反
転音を放射して消音した際のモニタマイクロフォン(32)
の音圧レベルである。Cは、同定用フィルタ(52)を用い
てシステム同定を行った後に、スピーカ(31)より反転音
を放射して消音した際のモニタマイクロフォン(32)の音
圧レベルである。この図4から明らかなように、システ
ム同定時に低周波数帯域の音圧を大きくしたCの場合、
ほゞ全域に亘ってアクティブ消音性能が向上している。
【0016】従って、本実施例のアクティブ消音装置(1
0)においては、システム同定を行う際、ランダム音信号
における低周波数帯域の音圧を大きくしたシステム同定
音信号をスピーカ(31)に出力するようにしたゝめに、該
スピーカ(31)の特性から生じる低周波数帯域の音圧低下
を補正しているので、補正用フィルタ(42)が低周波数帯
域に対しても所定の特性を有することとなり、低周波数
帯域の特性劣化を確実に防止することができる。この結
果、アクティブ消音を実行する際、低周波数帯域の騒音
を充分に消音することができることになり、消音効果を
向上させることができる。また、上記スピーカ(31)とモ
ニタマイクロホン(32)との間における伝達関数の設定の
他、スピーカ(31)と検出マイクロホン(30)との間におけ
る伝達関数の設定に対しても低周波数帯域の音圧を大き
くしたシステム同定音信号を用いるようにしたゝめに、
ハウリング防止用フィルタ(43)が低周波数帯域に対して
も所定の特性を有することとなるので、確実にハウリン
グを防止することができ、より消音効果を向上させるこ
とができる。
【0017】尚、本実施例は、スピーカ(31)とモニタマ
イクロホン(32)との間のシステム同定と、スピーカ(31)
と検出マイクロホン(30)との間のシステム同定とを行う
ようにしたが、請求項1及び請求項3に係る発明では、
ハウリング防止用フィルタ(43)を有しない場合、スピー
カ(31)とモニタマイクロホン(32)との間のシステム同定
のみを行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム同定を示すブロック図である。
【図2】アクティブ消音装置を示すブロック図である。
【図3】同定用フィルタのゲインを示す特性図である。
【図4】消音結果を示す周波数に対する音圧レベルの特
性図である。
【図5】スピーカにおける周波数に対する音圧の特性図
である。
【符号の説明】
10 アクティブ消音装置 22 空間 30 検出マイクロホン(騒音検出手段) 31 スピーカ 32 モニタマイクロホン(モニタ手段) 40 コントローラ 41 消音用フィルタ 42 補正用フィルタ 43 ハウリング防止用フィルタ 44 適応アルゴリズム実行回(路適応アルゴリ
ズム実行手段) 50 システム同定実行手段 51 信号出力手段 52 同定用フィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音が伝播する空間(22)における騒音伝
    播方向の上流側から騒音検出手段(30)とスピーカ(31)と
    モニタ手段(32)とを配置し、 予めシステム同定音信号をスピーカ(31)より出力してシ
    ステム同定音を上記空間(22)に放射することにより、所
    定観測点のモニタ手段(32)とスピーカ(31)との間の音響
    的な伝達特性を設定するためのシステム同定を行い、 その後、上記モニタ手段(32)とスピーカ(31)との間の伝
    達特性による特性補正を行った信号に基づき、上記騒音
    検出手段(30)から出力される空間(22)の騒音信号に対し
    て逆位相で同振幅の反転音信号を消音用フィルタ(41)に
    よって生成し、該反転音信号をスピーカ(31)に出力して
    反転音を空間(22)に放射する一方、上記モニタ手段(32)
    によって観測点の低減音レベルを検出し、該低減音レベ
    ルに基づいて消音用フィルタ(41)のフィルタ係数を更新
    し、上記観測点周辺の音圧レベルを低減するアクティブ
    消音方法であって、 上記システム同定時に、ランダム音信号における低周波
    数帯域の音圧を同定用フィルタ(52)によって大きくした
    システム同定音信号を上記スピーカ(31)に出力してシス
    テム同定を行うことを特徴とするアクティブ消音方法。
  2. 【請求項2】 騒音が伝播する空間(22)における騒音伝
    播方向の上流側から騒音検出手段(30)とスピーカ(31)と
    モニタ手段(32)とを配置し、 予めシステム同定音信号をスピーカ(31)より出力してシ
    ステム同定音を上記空間(22)に放射することにより、所
    定観測点のモニタ手段(32)とスピーカ(31)との間の音響
    的な伝達特性及び騒音検出手段(30)とスピーカ(31)との
    間の音響的な伝達特性を設定するためのシステム同定を
    行い、 その後、上記騒音検出手段(30)から出力される空間(22)
    の騒音信号に対してスピーカ(31)から騒音検出手段(30)
    への音響帰還補正を該騒音検出手段(30)とスピーカ(31)
    との間の伝達特性に基づいて行うと共に、上記モニタ手
    段(32)とスピーカ(31)との間の伝達特性による特性補正
    を行った信号に基づき、騒音信号と逆位相で同振幅の反
    転音信号を消音用フィルタ(41)によって生成し、該反転
    音信号をスピーカ(31)に出力して反転音を空間(22)に放
    射する一方、上記モニタ手段(32)によって観測点の低減
    音レベルを検出し、該低減音レベルに基づいて消音用フ
    ィルタ(41)のフィルタ係数を更新し、上記観測点周辺の
    音圧レベルを低減するアクティブ消音方法であって、 上記システム同定時に、ランダム音信号における低周波
    数帯域の音圧を同定用フィルタ(52)によって大きくした
    システム同定音信号を上記スピーカ(31)に出力してシス
    テム同定を行うことを特徴とするアクティブ消音方法。
  3. 【請求項3】 空間(22)を伝播する騒音を検出して騒音
    信号を出力する騒音検出手段(30)と、 該騒音検出手段(30)からの騒音信号に対して逆位相で同
    振幅の反転音信号を生成する消音用フィルタ(41)と、 該消音用フィルタ(41)により生成された反転音信号を受
    けて反転音を上記空間(22)に放射するスピーカ(31)と、 上記空間(22)の所定観測点に配置され、該観測点の低減
    音レベルを検出して低減音信号を出力するモニタ手段(3
    2)と、 上記騒音検出手段(30)からの騒音信号に対してスピーカ
    (31)とモニタ手段(32)との間の音響的な伝達特性に基づ
    く特性補正を行う補正用フィルタ(42)と、 該補正用フィルタ(42)で補正された騒音信号と上記モニ
    タ手段(32)からの低減音信号とに基づいて上記観測点周
    辺の音圧レベルが低減するように消音用フィルタ(41)の
    フィルタ係数を更新する適応アルゴリズム実行手段(44)
    と、 上記スピーカ(31)からモニタ手段(32)までの音響的な伝
    達特性を設定するためにシステム同定を行うシステム同
    定実行手段(50)とを備えているアクティブ消音装置であ
    って、 上記システム同定実行手段(50)には、ランダム音信号に
    おける低周波数帯域の音圧を大きくしたシステム同定音
    信号を出力するように同定用フィルタ(52)が設けられて
    いることを特徴とするアクティブ消音装置。
  4. 【請求項4】 空間(22)の騒音を検出して騒音信号を出
    力する騒音検出手段(30)と、 該騒音検出手段(30)からの騒音信号に対して逆位相で同
    振幅の反転音信号を生成する消音用フィルタ(41)と、 該消音用フィルタ(41)により生成された反転音信号を受
    けて反転を上記空間(22)に放射するスピーカ(31)と、 上記騒音検出手段(30)が出力する騒音信号に対し、消音
    用フィルタ(41)の反転音信号を受けてスピーカ(31)から
    騒音検出手段(30)への音響帰還補正を該騒音検出手段(3
    0)とスピーカ(31)との間の伝達特性に基づいて行うハウ
    リング防止用フィルタ(43)と、 上記空間(22)の所定観測点に配置され、該観測点の低減
    音レベルを検出して低減音信号を出力するモニタ手段(3
    2)と、 上記騒音検出手段(30)からの騒音信号に対してスピーカ
    (31)とモニタ手段(32)との間の音響的な伝達特性に基づ
    く特性補正を行う補正用フィルタ(42)と、 該補正用フィルタ(42)で補正された騒音信号と上記モニ
    タ手段(32)からの低減音信号とに基づいて上記観測点周
    辺の音圧レベルが低減するように消音用フィルタ(41)の
    フィルタ係数を更新する適応アルゴリズム実行手段(44)
    と、 上記スピーカ(31)から騒音検出手段(30)及びモニタ手段
    (32)までの音響的な伝達特性を設定するためにシステム
    同定を行うシステム同定実行手段(50)とを備えているア
    クティブ消音装置であって、 上記システム同定実行手段(50)には、ランダム音信号に
    おける低周波数帯域の音圧を大きくしたシステム同定音
    信号を出力する同定用フィルタ(52)が設けられているこ
    とを特徴とするアクティブ消音装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110992924A (zh) * 2019-12-26 2020-04-10 无锡吉兴汽车声学部件科技有限公司 一种无反馈机制的汽车主动降噪方法

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