JPH07238925A - 玉軸受装置 - Google Patents

玉軸受装置

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JPH07238925A
JPH07238925A JP2940494A JP2940494A JPH07238925A JP H07238925 A JPH07238925 A JP H07238925A JP 2940494 A JP2940494 A JP 2940494A JP 2940494 A JP2940494 A JP 2940494A JP H07238925 A JPH07238925 A JP H07238925A
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ball
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balls
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクリューコンプレッサの回転軸2を支承す
る第一、第二の玉軸受5a、6aの耐久性向上を図る。 【構成】 それぞれがアンギュラ型玉軸受である第一、
第二の玉軸受5a、6aを、正面組み合わせで配置す
る。玉軸受装置にはプラスの隙間を設ける。反負荷側で
ある第二の玉軸受6aを構成する玉12の数mを、負荷
側である第一の玉軸受5aを構成する玉11の数nより
も少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る玉軸受装置は、ス
クリューコンプレッサの回転軸を回転自在に支持する為
に利用する。
【0002】
【従来の技術】スクリューコンプレッサの回転軸等、高
速で回転する軸を支承する為、図1に示す様な玉軸受装
置が、従来から使用されている。この玉軸受装置は、ス
クリューコンプレッサを構成するロータ1を固定した回
転軸2の外周面と、ハウジング3の内周面との間に設け
られる。尚、図1で4は、ラジアル方向の荷重Fr を支
承する為のころ軸受である。
【0003】本発明の対象である玉軸受装置は、上記回
転軸2の軸方向(図1の左右方向)に亙るアキシャル荷
重Fa を支承する為のもので、それぞれがアンギュラ型
である第一、第二の玉軸受5、6を組み合わせる事で構
成される。これら第一、第二の玉軸受5、6の接触角α
(後述する図2参照)の方向は、互いに逆方向で、且つ
互いの正面同士を対向させる正面組み合わせ(以下『D
F』とする。)としている。この為、上記回転軸2が図
1の左方に変位しようとする時は、同図で左方の第一の
玉軸受5がアキシャル荷重を支承し、同じく右方に変位
しようとする時は、右方の第二の玉軸受6がアキシャル
荷重を支承して、回転軸2及びロータ1が、ハウジング
3に対し変位する事を防止する。
【0004】尚、アンギュラ型の玉軸受を1対組み合わ
せる事で何れの方向のアキシャル荷重も支承できる様に
する組み合わせの型としては、図1に示した構造とは逆
に、第一、第二の玉軸受の背面同士を対向させて組み合
わせる、所謂背面組み合わせがある。しかしながら、こ
の様な背面組み合わせの構造を採用した場合には、上記
第一、第二の玉軸受の内輪側の作用点の間隔が大きくな
って、回転軸が傾斜する事に対する曲げ剛性が大きくな
る。従って、スクリューコンプレッサの回転軸2の様
に、傾斜が比較的大きくなる部材の支持に上記背面組み
合わせを使用すると、上記作用点部分に過大な面圧が作
用し易くなる。過大な面圧は、異常発熱や玉の転動面並
びに軌道面の疲れ寿命が低下する原因となる為、好まし
くない。
【0005】又、スクリューコンプレッサに組み込まれ
る玉軸受装置は、第一、第二の玉軸受5、6を構成する
玉11、12の転動面と、内輪10、10外周面の内輪
軌道15、15、外輪13、13内周面の外輪軌道1
4、14との間にプラス隙間(実際に存在する隙間)を
残した状態で運転されるものである。この理由は、やは
り発熱や疲れ寿命の低下を防止する為である。本発明の
対象となる玉軸受装置が組み込まれるスクリューコンプ
レッサは、超高速(例えばdmn が70万〜200万mm・
r.p.m)で回転する。この為、上記各玉11、12に予
圧付与を行ない、所謂マイナスの隙間を持った第一 第
二の玉軸受5、6を使用した場合には、予圧に基づいて
これら第一、第二の玉軸受5、6の内部荷重が増加し、
やはり異常発熱や疲れ寿命の低下の原因となる。
【0006】従って、スクリューコンプレッサに組み込
まれる玉軸受装置は、それぞれがプラス隙間を持ったア
ンギュラ型の第一、第二の玉軸受5、6を、DFで使用
する。又、この玉軸受装置により支持される回転軸2に
は、上記スクリューコンプレッサの使用時に、前記ロー
タ1の回転に伴なってほぼ一定方向(図1では右から左
方向へ)のアキシャル荷重Fa が加わる。これは、ロー
タ1に加わる圧力の方向が決まっている為である。尚、
図1で7、8は間座、9は抑え金である。
【0007】ところで、上述の様に、それぞれがアンギ
ュラ型である第一、第二の玉軸受5、6をDFで組み合
わせて成る玉軸受装置は、回転軸2が高速で回転した場
合には、必ずしも十分な軸受寿命を得られない。この様
に高速回転に伴って軸受寿命が低下する原因に就いて、
図2により説明する。
【0008】図2は、高速回転で生じる遠心力に基づい
て、第一、第二の玉軸受5、6に加わる力を説明する為
の図である。上記回転軸2(図1)を高速で回転させた
場合、第一、第二の玉軸受5、6を構成する玉11、1
2に遠心力Fc1が加わる。そして、これら第一、第二の
玉軸受5、6を構成する玉11、12は、この遠心力F
c1に基づいて外輪軌道14、14に、Qin1 の力で、接
触角α方向から押し付けられる。そして、これら第一、
第二の玉軸受5、6を構成する玉11、12は、この力
in1 のアキシャル方向の分力Fain1で各外輪軌道1
4、14に、アキシャル方向に亙り押し付けられる。
【0009】そして、この分力によりFain1+Fain1
相当する内部アキシャル荷重が、互いに直列に組み合わ
された第一、第二の玉軸受5、6内で発生し、上記外輪
軌道14、14と玉11、12との接触面圧を増大させ
て、これら第一、第二の玉軸受5、6の疲れ寿命を低下
させてしまう。尚、高速回転時に於ける玉の遠心力を考
慮した玉軸受の疲れ寿命の計算は、1952年7月発行
のTrans. ASME 中に記載された論文である『The Life o
f High-Speed Ball Bearings』に示された理論に基づい
て行える。
【0010】上述の様な原因による寿命低下を防止すべ
く、第一、第二の玉軸受5、6を構成する玉11、12
を、軽量なセラミック材により造ったり、或は玉11、
12として小径のものを使用し、遠心力Fc1を小さくす
る試みもなされている。更には、上記第一、第二の玉軸
受5、6の接触角αを何れも小さくする事で、上記遠心
力Fc1に基づくアキシャル方向の分力Fain1を小さくす
る試みも行なわれている。
【0011】ところが、玉11、12を、縦弾性係数の
大きなセラミック材により造ると、特に外部荷重(例え
ば上記アキシャル荷重Fa )を支承する側の第一の玉軸
受5に於いて、外輪軌道14と玉11との接触面圧が、
軸受鋼製の玉を使用した場合よりも増大する。この結
果、第一の玉軸受5の疲れ寿命が低下し、第一、第二の
玉軸受5、6を組み合わせて成る玉軸受装置全体の疲れ
寿命が低下してしまう。又、玉11、12として小径の
ものを使用したり接触角αを小さくすると、第一、第二
の玉軸受5、6のアキシャル方向の負荷容量(基本動定
格荷重)が小さくなり、やはり疲れ寿命が低下してしま
う。
【0012】この様な遠心力に基づく内部アキシャル荷
重を低減し、上記第一、第二の玉軸受5、6の疲れ寿命
を延長すべく、特開平5−248431号公報、同5−
280482号公報には、図3〜4に示す様な玉軸受装
置が記載されている。この玉軸受装置の場合には、使用
時に外部から回転軸2に加わるアキシャル荷重Fa を支
承する負荷側(図3〜4の左側)に設けられた、第一の
玉軸受5aの接触角α1 よりも、使用時に上記アキシャ
ル荷重Fa を支承しない反負荷側(図3〜4の右側)に
設けられた第二の玉軸受6aの接触角α2 を小さく(α
2 <α1 )している。
【0013】上述の様に、第一の玉軸受5aの接触角α
1 を第二の玉軸受6aの接触角α2よりも大きくする事
で、上記第一の玉軸受5aの負荷容量を十分に確保でき
る。この場合に於いて、上記接触角α1 を、前記従来か
ら一般的に知られた玉軸受装置に組み込まれた第一、第
二の玉軸受5、6の接触角αと同じ(α=α1 )とすれ
ば、遠心力に基づいてこの第一の玉軸受5aに作用する
アキシャル方向分力は、Fain1となる。又、第二の玉軸
受6aに加わるアキシャル方向分力はFain2となる。こ
の場合に於いて、この第二の玉軸受6aの接触角α2
は、上記第一の玉軸受5aの接触角α1 よりも小さい。
この為、上記第二の玉軸受6aに加わるアキシャル方向
分力Fain2は、前記従来装置の第二の玉軸受6に作用す
るアキシャル方向分力Fain1よりも小さく(Fain2<F
ain1)なる。この結果、第一、第二の玉軸受5a、6a
を組み合わせて成る玉軸受装置に発生する、遠心力に基
づく内部アキシャル荷重は、Fain1+Fain2となり、前
記従来装置に生じる内部アキシャル荷重Fain1+Fain1
よりも小さくなる。
【0014】この為、上記第一、第二の玉軸受5a、6
aを構成する玉11、12と外輪軌道14、14との接
触面圧が低下する。そして、第一、第二の玉軸受5a、
6aの疲れ寿命の低下が抑えられ、これら第一、第二の
玉軸受5a、6aを組み合わせて成る玉軸受装置の寿命
低下を抑える事ができる。接触角α2 を小さくした第二
の玉軸受6aのアキシャル方向の負荷容量は小さくなる
が、この第二の玉軸受6aは稀に加わる軽荷重を支承す
る、一種のバックアップ軸受としての機能しか持たない
ので、負荷容量の減少は特に問題とはならない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様な
各公報等に記載された玉軸受装置の場合、反負荷側の第
二の玉軸受6aの接触角α2 を負荷側の玉軸受5aの接
触角α1 よりも小さくする為、これら第一、第二の玉軸
受5a、6aの接触角α1 、α2 の管理を厳密に行なう
必要があった。この為、これら第一、第二の玉軸受5
a、6aの製作費が嵩むだけでなく、次の様な問題も生
じる。
【0016】即ち、図3〜4に示す様な玉軸受装置を、
スクリューコンプレッサの回転軸2の外周面とハウジン
グ3の内周面との間に装着する場合には、装着方向を間
違えない様にしなければならない。装着方向を逆にした
場合(第二の玉軸受6aによりアキシャル荷重Fa を支
持する方向に装着した場合)には、耐久性が著しく悪化
する。ところが、組み立てられた玉軸受の接触角は、目
視により外部から容易に確認する事はできない。この
為、組立作業時に注意しないと、軸受メーカーから出荷
された玉軸受装置を、コンプレッサメーカーで逆方向に
組み付ける可能性がある。
【0017】勿論、軸受メーカーで組み付け方向を示す
目印を付与すれば、この様な誤組み付けを防止できる
が、目印を付与する分、玉軸受装置の製造作業が面倒に
なり、製作費を高くする原因となる。本発明の玉軸受装
置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。尚、
負荷側と反負荷側とで玉の数を変える含みわせ玉軸受と
しては、MRC Bearing Services発行の『PUMPAC The MRC
Bearing System 』に記載されたものも、従来から知ら
れている。しかしながら、これに記載された構造の場合
には、反負荷側の玉を負荷側の玉よりも小径とする代わ
りに、反負荷側の玉の数を負荷側の玉の数よりも多くし
ている。この構造は、玉軸受の予圧抜けを目的としたも
のであって、本発明とは目的、構成、効果の何れの点も
根本的に異なるものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の玉軸受装置は、
前述した従来の玉軸受装置と同様に、軸の外周面とハウ
ジングの内周面との間に設けられた、それぞれがアンギ
ュラ型であり、接触角の方向が互いに異なる第一、第二
の玉軸受を備えている。そして、使用時に上記軸とハウ
ジングとの間に外部からほぼ一定方向に加わるアキシャ
ル荷重を、第一の玉軸受により支承する。
【0019】特に、本発明の玉軸受装置に於いては、第
二の玉軸受を構成する玉の数mが第一の玉軸受を構成す
る玉の数nよりも少ない事を特徴としている。
【0020】
【作用】上述の様に構成される本発明の玉軸受装置は、
使用時に外部から加わるアキシャル荷重を支承する第一
の玉軸受を構成する玉の数nが十分に多く、この第一の
玉軸受の負荷容量が大きい為、十分に大きなアキシャル
荷重を支承できる。又、使用時にこのアキシャル荷重を
支承しない第二の玉軸受を構成する玉の数mは少なく、
これら各玉に加わる遠心力に基づく内部アキシャル荷重
の総和が上記第二の玉軸受で発生する内部アキシャル荷
重である事から、この内部アキシャル荷重の増大が抑え
られる。この為、1対のアンギュラ型の第一、第二の玉
軸受を組み合わせて成る玉軸受装置全体としての、疲れ
寿命の低下を抑える事ができる。
【0021】更に、第一、第二の玉軸受をDFで配列
し、プラスの隙間を持たせれば、この玉軸受装置の運転
時にも予圧が加わる事がなく、予圧に基づく発熱や疲れ
寿命の低下を来す事がない。又、軸の傾きに対する許容
限度も高い。
【0022】
【実施例】図5は本発明の第一実施例を示している。ス
クリューコンプレッサを構成する回転軸2の外周面とハ
ウジング3の内周面との間には、このハウジング3内に
収納されたロータ1の側から順に、ラビリンスシール等
の非接触型のシール、或はメカニカルシール等の接触型
のシール等のシール装置19と、ラジアル荷重を支承す
る為のころ軸受4と、本発明の玉軸受装置を構成する第
一の玉軸受5a及び第二の玉軸受6aとを、互いに直列
に配設している。
【0023】本発明の玉軸受装置の場合には、反負荷側
の第二の玉軸受6aを構成する玉12の数mを、負荷側
の第一の玉軸受5aを構成する玉11の数nよりも少な
く(m<n)している。即ち、本発明の玉軸受装置の場
合には、上記第二の玉軸受6aを構成する玉12の数m
を少なくし、各玉12から第二の玉軸受6aを構成する
外輪13に付与される内部アキシャル荷重を小さくして
いる。玉12の数mを少なくする事で、第二の玉軸受6
aの負荷容量は小さくなるが、この第二の玉軸受6aに
加わる負荷は小さいので、玉12の数mを少なくした場
合でも、実用上十分な耐久性を確保できる。
【0024】この様に第二の玉軸受6aを構成する玉1
2の数mを、第一の玉軸受5aを構成する玉11の数n
よりも少なくする場合、上記少ない数mを多い数nの7
0〜80%(m=(0.7〜0.8)n)に規制する事
が好ましい。80%を越える数の玉12を組み込んだ場
合には、内部アキシャル荷重を低減する効果を必ずしも
十分に得られない。反対に、70%に満たない場合に
は、円周方向に隣り合う玉12の間隔が広くなり過ぎ
て、円滑な回転を妨げる可能性がある。
【0025】尚、玉軸受装置を構成する第一の玉軸受5
aの計算寿命L5aと第二の玉軸受6aの計算寿命L6a
の関係は、3L5a≦L6aとする事が、これら両玉軸受5
a、6aを組み合わせて成る玉軸受装置の計算寿命LT
を確保する面から好ましい。この理由は次の通りであ
る。複数の玉軸受を組み合わせて成る玉軸受装置の計算
寿命は、最も計算寿命が短い玉軸受(短寿命軸受)の計
算寿命と一致するのではなく、これよりも短くなる事、
計算寿命の長い玉軸受(長寿命軸受)の計算寿命に影響
される事、更には長寿命軸受の計算寿命が長くなる程、
玉軸受装置の計算寿命LT が短寿命軸受の計算寿命に近
づく事は、従来から知られている。
【0026】一方、使用時にアキシャル荷重を受ける第
一の玉軸受5aの計算寿命L5aを長くする事は難しい反
面、この様なアキシャル荷重を受けない第二の玉軸受6
aの計算寿命L6aを長くする事は容易である。従って、
本発明の玉軸受装置の場合には、第一の玉軸受5aの計
算寿命L5aを短寿命軸受の計算寿命と考え、第二の玉軸
受6aの計算寿命L6aを長寿命軸受の計算寿命と考える
事ができる。そこで、これら第一、第二の玉軸受5a、
6aの計算寿命L5a、L6aの比(L6a/L5a)と、これ
ら両玉軸受5a、6aを組み合わせて成る玉軸受装置の
計算寿命LT と上記第一の玉軸受5aの計算寿命L5a
の比(LT /L5a)の関係を示すと、図6の様になる。
この図6は、従来から知られた組み合わせ軸受の寿命の
計算式に基づいて描いたものである。この図6から明ら
かな通り、第二の玉軸受6aの計算寿命L6aを第一の玉
軸受5aの計算寿命L5aの3倍以上にすれば、玉軸受装
置の計算寿命LT を第一の玉軸受5aの計算寿命L5a
80%以上にできる。
【0027】勿論、第二の玉軸受6aの計算寿命L6a
第一の玉軸受5aの計算寿命L5aに比べて大幅に長くす
れば、上記玉軸受装置の計算寿命LT を第一の玉軸受5
aの計算寿命L5aに、より近づける事ができる。但し、
第二の玉軸受6aの計算寿命L6aを第一の玉軸受5aの
計算寿命L5aの3倍を大幅に越えて延長しても、計算寿
命L6aを伸ばす事に要するコストに比べて、それにより
得られる玉軸受装置の計算寿命LT の延長効果は少な
い。従って、全体のコストを考えた場合、第二の玉軸受
6aの計算寿命L6aは、上記第一の玉軸受5aの計算寿
命L5aの3倍を越える程度にする事が適当である。尚、
これら各計算寿命は、前記『The Life ofHigh-Speed Ba
ll Bearings』に示された理論に基づいて求められる。
【0028】一方、前記ころ軸受4の内輪20と上記第
一の玉軸受5aとの間には間座7を、上記ころ軸受4の
外輪21と上記第一の玉軸受5aの外輪13との間には
ノズルリング22を、それぞれ挟持している。このノズ
ルリング22の両側面内周寄り部分は、内周縁に向かう
程互いに近づく方向に傾斜した、円錐凹面状の傾斜面と
している。そして両傾斜面の円周方向の1個所乃至は複
数個所に、ノズル孔23、23を開口させている。各ノ
ズル孔23、23は、上記傾斜面に対して垂直方向に形
成している。上記傾斜面を設けるのは、傾斜方向のノズ
ル孔23、23を形成する作業の容易化を図る為であ
る。従って、これら各ノズル孔23、23は、直径方向
斜め内方に向けて開口している。そして、これら各ノズ
ル孔23、23には、上記ハウジング3及び上記ノズル
リング22内に形成した給油通路24を介して、潤滑油
を送り込み自在としている。
【0029】一方、上記第一、第二の玉軸受5a、6a
には保持器16、16が組み込まれて、上記各玉11、
12を転動自在に保持している。これら各保持器16、
16は、所謂もみ抜き保持器と呼ばれるもので、円筒状
の主部17、17に玉11、12を転動自在に保持する
為のポケット18、18を形成して成る。この様な保持
器16、16は、それぞれの第一、第二の玉軸受5a、
6aを構成する外輪13、13の内側に、所謂外輪案内
で装着している。即ち、これら各保持器16、16の軸
方向(図5の左右方向)端部外周面と、外輪13、13
の内周面肩部、即ち外輪軌道14、14から外れた部分
とを、微小隙間を介して互いに対向させている。
【0030】この様に、上記各保持器16、16の案内
状態を外輪案内とする理由は、次の通りである。即ち、
玉軸受装置としての一般的な使用状態、即ち、dmn が7
0万以下で、且つ第一、第二の玉軸受5a、6aに予圧
が付与されて、運転時に振動の発生が少ない状態であれ
ば、保持器16、16の案内条件を特に規制する必要は
ない。一方、本発明の対象となる、スクリューコンプレ
ッサに組み込まれる玉軸受装置の場合には、dmn が70
万を上回る超高速領域で、プラスのアキシャル隙間を付
与した状態で運転される。しかも、スクリューコンプレ
ッサ特有のアキシャル荷重の変動により振動が多くな
る。この様な使用状態で、上記各保持器16、16の案
内面の摩耗を抑える為には、この保持器16、16の傾
斜を抑える事ができる外輪案内とする事が必要である。
【0031】これに対して、これら保持器16、16を
転動体案内、或は内輪案内とした場合には、運転時の遠
心力等に基づいて(内輪10及び外輪13に比べて剛性
が低い)保持器16、16の径が弾性的に広がる事に伴
い、案内面の間隔が広がって、十分な案内を行なえなく
なる。この状態でこれら保持器16、16に運転時の振
動が加わると、保持器16、16の表面と相手面とが狭
い面積で接触し、異常摩耗等の不都合の原因となる。外
輪案内とした場合には、遠心力に伴って保持器16、1
6の径が広がる傾向となっても、案内面(保持器16、
16の外周面及び外輪13、13の内周面)の間隔が広
がる事はない。又、この案内面の間には潤滑油が存在す
る為、この案内面同士が直接擦れ合う事はない。従っ
て、保持器16、16を外輪案内とする事で、上記案内
面の異常摩耗を有効に防止できる。尚、保持器16、1
6として銅合金製の保持器を使用すれば、この保持器1
6、16の強度を高くして、保持器16、16の損傷防
止を有効に図れる。尚、使用時のdmn がそれ程高くな
く、従って保持器16、16に加わる遠心力が限られた
ものであれば、図7に示す第二実施例の様に、各保持器
16、16を外輪片肩案内としても良い。
【0032】更に、図5に示した第一実施例の場合に
は、上記各保持器16、16の軸方向(図5の左右方
向)両端部内周面は、端縁部に向かう程内径が大きくな
る、円錐凹面状の傾斜面としている。従って、上記第
一、第二の玉軸受5a、6aを構成する内輪10、10
の外周面と上記各保持器16、16の内周面との間に存
在する空間の、直径方向(図5の上下方向)に亙る幅寸
法は、開口端部に向かう程大きくなる。この結果、上記
ノズル孔23、23から噴出する潤滑油を、上記第一、
第二の玉軸受5a、6a内に送り込む効率が向上する。
従って、これら各玉軸受5a、6aにより構成される玉
軸受装置が超高速で運転される場合にも、これら第一、
第二の玉軸受5a、6a内に十分量の潤滑油を取り込む
事が可能となる。
【0033】ノズル孔23が開口する方向、並びに上記
各保持器16、16の内周面の形状を上述の様にした理
由は、次の通りである。即ち、本発明の玉軸受装置は、
前述した従来装置に比べて寿命を大幅に延長する事がで
きる。従って、従来と同じ大きさで造った場合に要求寿
命を大幅に上回る様な場合には、第一、第二の玉軸受5
a、6aの寸法系列を小さくして、内径を変える事なく
外径を小さくする事ができる。これにより、玉軸受装置
の小型化、低廉化が可能となるが、寸法系列の小さな玉
軸受は内部空間が狭い。この為、スクリューコンプレッ
サで一般的に行なわれているジェット給油(高速回転に
基づいて軸受の内部に発生する空気の壁を破って、軸受
の内部に潤滑油を送り込む潤滑方法)を行ないにくくな
る。そこで、上述の様な開口方向と内周面形状とを採用
する事により、上記ジェット給油を可能とする。
【0034】尚、上記ノズル孔23の回転軸2に対する
傾斜角度は、13度程度が最適であるが、10〜20度
の範囲で設定可能である。又、このノズル孔23を有す
る、外輪間座としての機能を兼ね備えたノズルリング2
2は、硬度が HRc56〜66(更に好ましくは HRc60
〜62)の範囲の鋼材により造るのが好ましい。これ
は、スクリューコンプレッサの運転時に生じる特有の振
動により、互いに当接するこのノズルリング22の両側
面と、ころ軸受4及び第一の玉軸受5aの外輪21、1
3の端面とにフレッチング摩耗が発生する事を防止する
為である。
【0035】尚、図示の実施例は、1対のアンギュラ型
玉軸受をDFで組み合わせた例に就いて示したが、運転
時にアキシャル荷重Fa を支承する第一の玉軸受を複数
個設け、並列で組み合わされたこれら複数個の第一の玉
軸受と、アキシャル荷重Faを支承しない1個の第二の
玉軸受とをDFで組み合わせる事もできる。更に、スク
リューコンプレッサ以外の用途であれば、使用条件に応
じて、背面組み合わせで使用したり、或は多少の予圧を
付与して使用する事も可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、外部アキシャル荷重に対する負荷容量を十分
に確保しつつ、内部アキシャル荷重の低減を図って、玉
軸受装置の耐久性向上を図れる。しかも、回転軸の傾斜
に対する許容度を大きくし、且つ滑りに伴う異常摩耗も
確実に防止する事も可能である。この為、より優れた耐
久性を確実に得る事ができる。又、玉数の多少は外部か
ら目視により容易に確認できる為、特に目印を付さなく
ても、組み付け方向を間違える事はない。従って、目印
を付する手間を省略でき、玉軸受装置のコスト低減も図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来装置の第1例を示す断面図。
【図2】同じく要部断面図。
【図3】同第2例を示す断面図。
【図4】同じく要部断面図。
【図5】本発明の第一実施例を示す要部断面図。
【図6】第一の玉軸受の計算寿命と第二の玉軸受の計算
寿命との比と、これらが組み合わされて成る玉軸受装置
の計算寿命と第一の玉軸受の計算寿命との比との関係を
示す線図。
【図7】本発明の第二実施例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 ロータ 2 回転軸 3 ハウジング 4 ころ軸受 5、5a 第一の玉軸受 6、6a 第二の玉軸受 7、8 間座 9 抑え金 10 内輪 11、12 玉 13 外輪 14 外輪軌道 15 内輪軌道 16 保持器 17 主部 18 ポケット 19 シール装置 20 内輪 21 外輪 22 ノズルリング 23 ノズル孔 24 給油通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸の外周面とハウジングの内周面との間
    に設けられた、それぞれがアンギュラ型であり、接触角
    の方向が互いに異なる第一、第二の玉軸受を備え、使用
    時に上記軸とハウジングとの間に外部からほぼ一定方向
    に加わるアキシャル荷重を、第一の玉軸受により支承す
    る玉軸受装置に於いて、第二の玉軸受を構成する玉の数
    mが第一の玉軸受を構成する玉の数nよりも少ない事を
    特徴とする玉軸受装置。
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