JPH07234271A - 無人水中航走体用航法装置 - Google Patents

無人水中航走体用航法装置

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JPH07234271A
JPH07234271A JP2642794A JP2642794A JPH07234271A JP H07234271 A JPH07234271 A JP H07234271A JP 2642794 A JP2642794 A JP 2642794A JP 2642794 A JP2642794 A JP 2642794A JP H07234271 A JPH07234271 A JP H07234271A
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unmanned
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Miyuki Takeyama
幸 竹山
邦彦 ▲真▼野
Kunihiko Mano
Fumio Nakamura
文夫 中村
Tatsuo Suetsugu
辰雄 末続
Yasuyoshi Ishii
康義 石井
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Japan Steel Works Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
NEC Corp
Oki Electric Industry Co Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
NEC Corp
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無人水中航走体の航法装置において前方と側
面の水中の探知を可能とし、さらに使用する周波数を低
周波数として伝搬損失を少くする。 【構成】 無人水中航走体用航法装置において、ポリふ
っ化ビニリデンよりなる複数個の受波セル20によりな
るアレー22,23,24を無人水中航走体の外面に形
成してなる受波器と、前記受波器の受波信号を処理する
ビームフォーミング回路44とからなり、前記受波器に
よって広範囲の受波ビームを形成して前記ビームフォー
ミング回路によって目標の水中航走体の方位と距離を求
める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無人の水中航走体が目
標の物体を最も効率良く探知するための無人水中航走体
用航法装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無人水中航走体用航法装置として
は、ソーナを用いたものが知られている。図5は従来の
無人水中航走体航法装置の外観図であり、図6は従来の
無人水中航走体航法装置の運用図である。無人水中航走
体1は送受波器101を有し、該送受波器101によっ
て目標の位置を探知する。送受波器101はセラミック
振動子からなる素子によって形成され、無人水中航走体
1の先端に取り付けられ表面はモールドされている。各
セラミック振動子は、パッシブモード及び、アクティブ
モードの両モードを兼用するため、送波器としても受波
器としても使用される。また、セラミック振動子からな
る素子を垂直方向、及び水平方向に複数個配列するとと
もに、マルチビームによって音波の送波、及び受波を行
い信号処理を施すことによって目標の方位推定を行って
いる。
【0003】次に、図6において、自立型水中航走体
(Autonomous Underwater Vi
hicle,以下AUVという)を例として無人水中航
走体1の運用を説明する。無人水中航走体1は、船舶又
は航空機から投下され水中に進入する。無人水中航走体
1は、水中において捜索を行うパッシブモード102と
追尾を行うアクティブモード103の2つのモードによ
って目標を探知する。
【0004】始めに、無人水中航走体1は目標となる別
の水中航走体2を捜索する。この捜索には、目標が放射
する雑音を検出するパッシブによって行われる。無人水
中航走体1がAUVの場合には、目標の水中航走体2の
位置を検知する送受波器101が無人水中航走体1の先
端部に設置されているため、検知できる方向は前方の一
方向だけである。そのため、無人水中航走体1は円運動
をしながら上から下へ移動していき、360°全周方向
の探知を行い目標の方向を推定する。
【0005】パッシブモード102によってに目標の捜
索を行って水中航走体2を探知し、その方位が推定され
ると、次にアクティブモード103による追尾に移る。
このアクティブモード103においては、目標の水中航
走体2に対して送信された信号の反射音を検知すること
によって行われる。無人水中航走体1は送波器から音波
を送波し、目標の水中航走体2から反射してくる反射波
を受波器で受波して方位と距離を測定する。AUVの場
合には、前面にしか送受波器101がないため、目標の
水中航走体2の後方からのみ追尾して接近してメイティ
ングを行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法では、以下のような問題点がある。 (1)送受波器は無人水中航走体の断面積の小さな先端
に取り付けられるため振動素子自体の大きさは小さくな
り、探知に使用する音波の周波数は高くなる。水中にお
いては周波数の高い音波は減衰が大きいので、目標の水
中航走体を探知できる探知距離は短い。 (2)探知範囲が前方だけで狭いため、捜索モードにお
いて目標の水中航走体を全方向において探知するために
は円運動又は蛇行運動を行う必要がある。 (3)前記円運動又は蛇行運動には航走時間を要し、目
標に到達することができる確率が低い。 (4)AUVの場合には、後方追尾となるため、目標に
対して直角にメイティングするという最も効果的な接近
方法を採ることが困難である。
【0007】本発明は以上述べた問題点を除去し、AU
Vなどの無人水中航走体が水中の目標に到達するまでの
時間を短縮し、目標に到達する確率を上げ、AUVにお
いては、メイティングの効果を上げることができる無人
水中航走体用航法装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために、ポリふっ化ビニリデンよりなる複数個
の受波セルによりなるアレーを無人水中航走体の外面に
形成してなる受波器と、前記受波器の受波信号を処理す
るビームフォーミング回路とからなり、前記受波器によ
って広範囲の受波ビームを形成し、前記ビームフォーミ
ング回路によって目標の水中航走体の方位と距離を求め
るものである。
【0009】
【作用】本発明によれば、前記のように無人水中航走体
の外壁側面に、ポリふっ化ビニリデン(P.V.D.
F)という厚みが薄く、屈曲性に富んだ合成樹脂の圧電
材料を使った受波器を形成することによって直線アレー
や面アレーを形成することができ、無人水中航走体では
前方しか探知することができなかったものが、これを併
用することによって前方と側面の水中の探知を可能とす
ることができる。また、使用する周波数も伝搬損失の少
ない、低い周波数が利用できる。
【0010】さらに、無人水中航走体は後方に無指向性
受波器を曳航し、後方を中心に探知し、前述の前方、両
側面アレーとデータ融合し、360°全方向の探知を可
能とすることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しな
がら詳細に説明する。図1は本発明の無人水中航走体用
航法装置のブロック図であり、図2は本発明の無人水中
航走体用航法装置の外観図である。本発明の無人水中航
走体用航法装置は、無人水中航走体1と、無人水中航走
体1の外周面に取り付けられる送波器10及び受波器
と、無人水中航走体1の内部に設置される信号処理回路
部分とから構成される。
【0012】図2において、無人水中航走体1の外周面
には送波器10と受波器とが設けられる。受波器は無人
水中航走体1の先端に取り付けられる前方アレー21
と、無人水中航走体1の側面に取り付けられる側面アレ
ー22,23と、無人水中航走体1の後方に設けられる
曳航受波器30とからなる。前方アレー21は無人水中
航走体1の前方からの音波を検知する受波器であり、側
面アレー22,23は無人水中航走体1の側面方向から
の音波を検知する受波器であり、曳航受波器30は無人
水中航走体1の後方からの音波を検知する受波器であ
る。前方アレー21と側面アレー22,23は、ポリふ
っ化ビニリデン(P.V.D.F)によって形成される
受波器セル20をアレー状に複数個並べることによって
構成される。側面アレー22,23の受波器セルは、無
人水中航走体1の胴体の両側面の曲面に沿って直線状に
N個並べて取り付けられる。また、曳航受波器30は無
人水中航走体1の後方に曳航ケーブル32によって取り
付けられ、その受波信号は該曳航ケーブル32を介して
無人水中航走体1の胴体内に設置された信号処理のため
の装置に送信される。
【0013】ポリふっ化ビニリデン(P.V.D.F)
は厚みが薄く、屈曲性に富んだ合成樹脂の圧電材料であ
るので、この圧電材料によって形成される受波器セルを
用いれば、無人水中航走体1の形状に合わせて直線アレ
ーや面アレーを構成することができ無人水中航走体1の
側面方向の探知を行うことができる。前記の構成によっ
て、本発明の無人水中航走体用航法装置の探知範囲は次
のようになる。図3は本発明の無人水中航走体用航法装
置の探知範囲図である。前方アレー21は無人水中航走
体1の前方を探知範囲とし、図においてAで示される前
方探知範囲を形成する。側面アレー22,23は無人水
中航走体1の側面方向を探知範囲とし、図においてB、
Cで示される側面探知範囲を形成する。また、曳航受波
器30は無人水中航走体1の後方を探知範囲とし、図に
おいてDで示される後方探知範囲を形成する。
【0014】各アレー及び曳航受波器30によって形成
される探知範囲はそのアレーの形状や大きさを設定する
ことによって、同一平面状において探知範囲に漏れが無
いように形成される。また、その各アレー及び曳航受波
器30によって形成される探知範囲は3次元的広がりを
有しているので、全体として無人水中航走体1の全方位
をカバーすることができる。
【0015】次に、図1の本発明の無人水中航走体用航
法装置のブロック図を説明する。無人水中航走体用航法
装置は前記受波器と、その受波信号を信号処理のための
回路部分と、受波信号から目標の水中航走体2の方位と
距離を推測する総合処理回路50とその方位と距離の情
報に基づいて無人水中航走体1を駆動する運動制御回路
51とから構成される。前記の総合処理回路50には、
各受波器からの信号が入力される。
【0016】また、受波信号を信号処理のための回路部
分は、前方アレー21及び側面アレー22,23の信号
処理のための回路部分と、曳航受波器30の信号処理の
ための回路部分とからなる。前方アレー21及び側面ア
レー22,23の信号処理のための回路部分について、
側面アレー22を例にして説明する。アレー状に配置さ
れたポリふっ化ビニリデンの受波器セル20のそれぞれ
はイコライザアンプ41に接続され、各イコライザアン
プ41はバンドパスフィルタ(B.P.F)42、A/
D変換器43を介してビームフォーミング回路44に接
続される。ビームフォーミング回路44の出力は信号処
理回路45に入力される。また、前記A/D変換器43
を介してビームフォーミング回路44には制御回路12
の制御信号が入力される。制御回路12はビームフォー
ミング回路44に制御信号を出力するとともに送波回路
11を介して送波器10にも制御信号を出力する。この
制御回路12はアクティブモードにおいて使用しパッシ
ブモードにおいては使用しない。
【0017】また、曳航受波器30の信号処理のための
回路部分は、無指向性受波器31と該無指向性受波器3
1の受信信号を増幅するアンプ46とアンプ出力から必
要とする周波数信号を選択するバンドパスフィルタ
(B.P.F)47とアナログ信号をデジタル信号に変
換するA/D変換器48とから構成される。前記の前方
アレー21及び側面アレー22,23の信号処理のため
の回路部分及び曳航受波器30の信号処理のための回路
部分からの信号は、総合処理回路50に入力される。
【0018】以下に、各受波器の信号処理についてパッ
シブモードの場合とアクティブモードの場合とに分けて
説明する。まず、パッシブモードの場合について説明す
る。図1および図2においてポリふっ化ビニリデンの受
波器セル20をアレー状に配置して形成される前方アレ
ー21と側面アレー22,23の信号処理について側面
アレー22の信号処理を例にして説明する。側面アレー
22のアレーを構成する各受波器セル20は、検知した
音響エネルギを電気エネルギに変換しその受波信号を各
イコライザアンプ41に接続される。各イコライザアン
プ41は各受波器セル20の周波数特性を補正して増幅
する。イコライザアンプ41の出力はバンドパスフィル
タ(B.P.F)42に入力され有効な周波数成分のみ
を取り出し、さらに信号処理を容易とするためにA/D
変換器43でアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0019】各受波器セル20からの信号は、次のビー
ムフォーミング回路44でそれぞれ異なる遅延特性が与
えられ、次の信号処理回路45で各受波器セルの信号を
加算し自乗検波を行う。その出力レベルから目標か否か
の判定を行い、また、ビームフォーミングから目標の方
位が分かる。また、同様にして前方アレー12、及び側
面アレー23においても処理が行われ目標の方位推定が
行われる。
【0020】次に、無人水中航走体1の後部より、曳航
ケーブルで曳航された曳航受波器30について説明す
る。曳航受波器30は、無指向性受波器31と該無指向
性受波器31の受信信号を増幅するアンプ46とアンプ
出力から必要とする周波数信号を選択するバンドパスフ
ィルタ(B.P.F)47とアナログ信号をデジタル信
号に変換するA/D変換器48とから構成される。無指
向性受波器31は無人水中航走体1の後方を中心とした
探知を行う。
【0021】前方アレー21と側面アレー22,23の
信号及び無指向性受波器31の信号は、総合処理回路5
0に入力される。前方アレー21からは無人水中航走体
1の前方の情報が得られ、側面アレー22,23からは
無人水中航走体1の側面方向の情報が得られ、無指向性
受波器31からは無人水中航走体1の後方の情報が得ら
れので無人水中航走体1の全方位をカバーすることがで
きる。これらの信号を総合処理回路50に入力し、目標
の位置によって相互補間を行い最終方位推定を行って、
目標の水中航走体2の方位と距離を推測する。総合処理
回路50の方位と距離の情報は運動制御回路51に入力
され無人水中航走体1を駆動する。前記の目標の方位推
定が完了すると、次にアクティブモードに移る。
【0022】次に、アクティブモードの場合について説
明する。アクティブモードにおいては、前記のパッシブ
モードにおいて目標が無人水中航走体1のどの方位にい
るかが推定されているので、該推定方位に基づいて目標
の水中航走体2を追尾する。目標の水中航走体2が無人
水中航走体1のどの方位にいるかによって、前面アレー
21、右側の側面アレー22あるいは左側の側面アレー
23のいずれのアレーで測定するかを自動的に決定す
る。
【0023】今、無人水中航走体1の右側に目標の水中
航走体2があるとすると、制御回路12から送信トリガ
パルスが出力され、送波回路11では、パルス変調波を
電力増幅して送波器10に印加する。送波器10はパル
ス変調した音波を送出する。水中を伝搬した音波は目標
の水中航走体2に到達すると、反射して右側の側面アレ
ー22で受波される。
【0024】側面アレー22は、パッシブモードの時と
同様にビームフォーミングを行う。このアクティブモー
ドでは、送波から受波までの時間間隔から無人水中航走
体1と目標の水中航走体2の間の距離が分かり、ビーム
フォーミングから方位を推定することができる。この方
位と距離に関する出力は、無人水中航走体1の運動制御
回路51に入力され、目的に沿った運動を行う。
【0025】前記の無人水中航走体1のアクティブモー
ドとパッシブモードの動きを図4の本発明の無人水中航
走体用航法装置の運用図によって説明する。まず、無人
水中航走体1は、船舶又は航空機から投下され水中に進
入し水中において、パッシブモード5とアクティブモー
ド6の2つのモードによって目標を探知する。本発明の
無人水中航走体1は前面アレー21、側面アレー22、
側面アレー23及び後方の曳航受波器30を有して全方
向の探知を行っているので、従来の無人水中航走体の様
に360°全周方向の探知を行い目標の方向を推定する
ために円運動や螺旋運動をしながら上から下へ移動する
必要がない。
【0026】パッシブモード5によって目標の水中航走
体2の方位が推定されると次にアクティブモード6によ
る目標の水中航走体2の追尾が行われる。このアクティ
ブモード6においては、従来と同様にして無人水中航走
体1は送波器から音波7を送波し目標の水中航走体2か
ら反射してくる反射波8を受波器で受波して方位と距離
を測定するが、本発明の無人水中航走体1は前面アレー
21、側面アレー22、側面アレー23及び後方の曳航
受波器30によって全方向の探知を行っているので、目
標の水中航走体2の後方からの追尾だけでなく目標の水
中航走体2と平走しての追尾を行うこともできる。
【0027】次に、本発明の無人水中航走体用航法装置
の第2の実施例を説明する。図7は本発明の無人水中航
走体用航法装置の外観図である。図7において、無人水
中航走体1の外周面には送波器10と受波器とが設けら
れる。受波器は無人水中航走体1の先端に取り付けられ
る前方アレー21と、無人水中航走体1の側面に取り付
けられるコンフォーマルアレー24、無人水中航走体1
の後方に設けられる曳航受波器30とからなる。第2の
実施例は、無人水中航走体1の側面に取り付けられる受
波器の構造において本発明の第1の実施例と相違してい
る。本発明の無人水中航走体1の側面に取り付けられる
受波器はコンフォーマルアレー24によって構成され
る。このコンフォーマルアレー24は、無人水中航走体
1の胴体の円周方向及び前後方向にポリふっ化ビニリデ
ンの受波器を胴体の形状に合わせて装備することによっ
て形成される。ポリふっ化ビニリデン(P.V.D.
F)は厚みが薄く、屈曲性に富んだ合成樹脂の圧電材料
であるので、無人水中航走体1の胴体形状に合わせるこ
とができる。
【0028】図8は、本発明の無人水中航走体用航法装
置の第2の実施例のブロック図である。制御回路12よ
り送波回路11に送信トリガパルスが出力され、送波回
路11ではパルス変調波を電力増幅して送波器10に印
加する。送波器10からは無指向性の音波が送出され、
図9に示す様に水中を伝搬する。周囲の反射物からの反
射波は、コンフォーマルアレー24で受波される。コン
フォーマルアレー24は、側面アレーと同様に複数の受
波セルから構成されており、各受波セルには、イコライ
ザアンプ41、BPF42、A/D変換器43が接続さ
れ、ビームフォーミング回路44において各受波セルご
とに遅延時間を与えて、ビームを円周方向と前後方向に
振り、各方向の反射波を受波する。
【0029】信号処理回路45でビーム方向ごとに時系
列的に出力を整理すると図10の様に各時間ごとの海底
地形などの形状が出力される。この出力信号の送波から
受波までの時間間隔と受波レベルの処理を行うことよ
り、無人水中航走体1の上、下、左、右の全方向の反射
物の構造を得ることができ、海底地形などの調査が効率
よくできる。
【0030】図11は前記コンフォーマルアレー24の
受波ビーム図である。受波ビームは、無人水中航走体1
の胴体の円周方向と前後方向に作ることができる。コン
フォーマルアレー24の受波器セルの受ける受波信号を
遅延させることによって円周方向と前後方向に振り、各
方向の反射波を受波することができる。次に、図11〜
14によって円周方向と前後方向へのビームの振り方を
説明する。
【0031】まず、円周方向のビームについて説明す
る。図11の(a)は円周方向のビームの状態図であ
り、図12、13は円周方向のビームのタイムチャート
である。図12においてn-2〜n2 のに順に受波セルの
駆動の時間をずらせていくと、図11の(a)の様に受
波される受波セルに応じて受波ビームは円周方向に回転
していく。この態様によって受波の方向を順に円周方向
に変更することができる。また、受波セルの駆動の時間
をずらせる順を変更することによって任意の方向の受波
を行うことができる。
【0032】また、図13の様に受波セルの受信した信
号を遅延させることによって、受波ビームは円周方向に
回転させることもできる。ここで、図の矢印の方向の受
波を行う場合について説明する。矢印の方向を向く受波
セルn0 が受ける受波信号をτ1 の時間だけ遅延させ、
受波セルn0 の隣の受波セルn-1とn1 が受ける受波信
号をτ2 の時間だけ遅延させる。同様にして順に受波セ
ルn0 から離れる受波セルが受ける受波信号の遅延時間
を延ばして設定した受波セルnm の位置にそれぞれの受
波信号を揃わせる。これによって、矢印の方向からの受
波を行うことができる。前記受波セルn0 をずらすこと
によって受波ビームを円周方向に回転させることができ
る。
【0033】次に、前後方向のビームについて説明す
る。図11の(b)は円周方向のビームの状態図であ
り、図14は前後方向のビームのタイムチャートであ
る。図11の(b)において、長手方向の受波セルを順
にl1 〜lK とする。ここで、図の矢印の方向の受波を
行う場合について説明する。矢印の方向に近い受波セル
1が受ける受波信号をτ1 の時間だけ遅延させ、受波
セルl1 の隣の受波セルl2が受ける受波信号をτ2
時間だけ遅延させる。同様にして順に受波セルl1 から
離れる受波セルが受ける受波信号の遅延時間を延ばして
受波セルlK の位置にそれぞれの受波信号を揃わせる。
これによって、矢印の方向からの受波を行うことができ
る。受波の角度は、前記遅延時間の時間間隔を変更する
ことによって変えることができる。
【0034】また、本発明の無人水中航走体用航法装置
の第3の実施例として、無人水中航走体1の上下の側面
部分に受波セルをアレー状に配置することもできる。こ
の態様によって、無人水中航走体用航法装置の無人水中
航走体1の上下方向の探知範囲をさらに充実させること
ができる。なお、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形することが
可能であり、それらを本発明の範囲から排除するもので
はない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、 (1)重量を増加せずに受波面積を広くできるので、伝
搬損失の少ない低周波を利用することができ、かつ、ア
レー利得が高くとれ、ビーム指向幅をシャープにし、S
/N比をあげることができる。 (2)無人水中航走体は、前方アレー、側面アレーと後
部曳航受波器を持つことにより、それらのデータ融合に
よって前方、両側面及び後方の全方位の探知が可能であ
る。 (3)無人水中航走体をAUVとした場合には、目標と
なる水中航走体の捜索、追尾モードで直線探知(Straig
ht line search) が可能となり、メイティングの効率が
上がる。 (4)無人水中航走体の面アレー(コンフォーマルアレ
ー)によって3次元的に海底地形構造の精密な調査が効
率良くでき、また、水中ロボットの航法装置などに利用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無人水中航走体用航法装置のブロック
図である。
【図2】本発明の無人水中航走体用航法装置の外観図で
ある。
【図3】本発明の無人水中航走体用航法装置の探知範囲
図である。
【図4】本発明の無人水中航走体用航法装置の運用図で
ある。
【図5】従来の無人水中航走体航法装置の外観図であ
る。
【図6】従来の無人水中航走体用航法装置の運用図であ
る。
【図7】本発明の無人水中航走体用航法装置の第2の実
施例の外観図である。
【図8】本発明の無人水中航走体用航法装置の第2の実
施例のブロック図である。
【図9】コンフォーマルアレーの受波ビーム図である。
【図10】本発明の無人水中航走体用航法装置の出力図
である。
【図11】本発明のビームの状態図である。
【図12】円周方向のビームのタイムチャートである。
【図13】円周方向のビームのタイムチャートである。
【図14】前後方向のビームのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 無人水中航走体 2 目標 10 送波器 11 送波回路 12 制御回路 20 受波セル 21 前方アレー 22,23 側面アレー 24 コンフォーマルアレー 30 曳航受波器 32 曳航ケーブル 41 イコライザアンプ 42,47 バンドパスフィルタ 43,48 A/D変換器 44 ビームフォーミング回路 45 信号処理回路 46 アンプ 50 総合処理回路 51 運動制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹山 幸 神奈川県鎌倉市材木座6−12−22 (72)発明者 ▲真▼野 邦彦 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 中村 文夫 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 末続 辰雄 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 石井 康義 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリふっ化ビニリデンよりなる複
    数個の受波セルによりなるアレーを無人水中航走体の外
    面に形成してなる受波器と、(b)前記受波器の受波信
    号を処理するビームフォーミング回路とからなり、
    (c)前記受波器によって広範囲の受波ビームを形成
    し、前記ビームフォーミング回路によって目標の水中航
    走体の方位と距離を求めることを特徴とする無人水中航
    走体用航法装置。
  2. 【請求項2】 前記アレーは無人水中航走体の側面の長
    手方向に設けられる側面アレーである請求項1記載の無
    人水中航走体用航法装置。
  3. 【請求項3】 前記アレーは無人水中航走体の周方向に
    設けられる面アレーである請求項1記載の無人水中航走
    体用航法装置。
  4. 【請求項4】 前記アレーは無人水中航走体の外側表面
    に設けられる面アレーである請求項1記載の無人水中航
    走体用航法装置。
  5. 【請求項5】 前記ビームフォーミング回路は後方に曳
    航される無指向性受波器からの受波信号を入力して前記
    のアレーからの受波信号と共に360°全方向の探知を
    可能とする請求項1記載の無人水中航走体用航法装置。
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