JPH0723356Y2 - 船 舶 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、船舶、特に陸上輸送が
行える大きさの船舶に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、小形船舶を陸上移送（牽引）した
り陸揚げして留め置く場合には、台車が利用されてお
り、船舶を乗せたのち、この台車に設けられているタイ
ヤなどの車輪によって移動が行われる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た台車を用いる場合には、台車上に船舶を乗せる作業に
多大な労力を要し、容易に船舶を乗せ置くことができな
いという問題があった。

【０００４】そこで本考案は上記した事情に鑑みて、台
車を用いることなく船舶を容易に陸上に引き上げて移動
が行えるようにすることを課題とし、船舶の引き上げ、
陸上移動を行う際の労力を軽減することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は上記した課題を
考慮してなされたもので、船首側に位置する前支持体
と、船尾側に位置する後支持体とを備え、前記前支持体
は、船体の右舷と左舷に枢着されそれぞれ船首側に延設
された一対のステーの船首結合部に転動可能なタイヤを
配して、船底側に回し込み可能に設けられ、前記後支持
体は、一端に転動可能なタイヤを有するステーを、最下
点のときの前記タイヤが船底より下方に位置するように
船体の右舷と左舷に回動可能に取り付けて、タイヤを下
方に降ろしたときの前記ステー間が、船底側を回るベル
トにより連結可能に設けられていることを特徴とする船
舶を提供して、上記した課題を解消するものである。

【０００６】

【作用】本考案において、船舶が海上にあるときは、前
支持体のタイヤが船首側に位置するように引き上げ、後
支持体のタイヤがを船体側方に位置するように引き上げ
ておくことによって、支承なく航行が行われるようにな
る。また陸揚げを行う際には、前支持体を船底側に回し
込むようにすることによって、この前支持体のタイヤが
船底に位置し、後支持体を降ろすことにより、この後支
持体のタイヤが船底より下方に位置し、ベルトを掛け渡
して後支持体の両タイヤの間隔が保たれるようになる。

【０００７】

【実施例】つぎに本考案を図１から図４に示す一実施例
に基づいて詳細に説明する。図中１は船舶であり、図１
に示すように該船舶１の船首側には前支持体２が設けら
れているとともに、船尾側には後支持体３が設けられて
いる。前記前支持体２は、船体の右舷と左舷にそれぞれ
一端が枢着されて船首側に延設されている一対のステー
４とこの両ステー４の船首結合部５に転動可能に取り付
けられた一対のタイヤ６とからなるものであり、船首上
に位置する状態から船底側に回り込むように回動可能に
設けられている。また後支持体３は、船尾側の右舷と左
舷に一端に開口された長孔７を介して回動にしてかつ移
動可能に取り付けられたステー８と、このステー８の他
端側に転動可能に設けられたタイヤ９と、前記ステー８
間を連結することができるベルト１０とからなるもので
ある。

【０００８】そして上記した前支持体２と後支持体３と
を有する船舶１の海上航行にあっては、図１に示すよう
に前支持体２を船首上に上げた位置とし、後支持体３の
両ステー８を船体に添わせた状態とする。この船体１を
陸上に引き上げるに際しては、前記前支持体２を船底側
に回し込み、また後支持体３の両ステー８を下方に向け
る。前記ステー８にあっては、長孔７の最下点に船体と
の枢支点が位置しタイヤ９が最下点に位置したときに
も、このタイヤ９が船底より下方に位置するように設け
られており、このため前支持体２のタイヤ６と前記タイ
ヤ９とによって船底が接地しないようになる。下方に向
いたステー８間には船底に沿うベルト１０を掛け渡して
連結されており、これによってタイヤ９の間隔が定めら
れ、このベルト１０が船体を受け止めステー８の位置決
めが行われている。

【０００９】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
船首側に位置する前支持体と、船尾側に位置する後支持
体とを備え、前記前支持体は、船体の右舷と左舷に枢着
されそれぞれ船首側に延設された一対のステーの船首結
合部に転動可能なタイヤを配して、船底側に回し込み可
能に設けられ、前記後支持体は、一端に転動可能なタイ
ヤを有するステーを、最下点のときの前記タイヤが船底
より下方に位置するように船体の右舷と左舷に回動可能
に取り付けて、タイヤを下方に降ろしたときの前記ステ
ー間が、船底側を回るベルトにより連結可能に設けられ
ているので、船舶を陸上に引き上げる際には、この船舶
が有している前支持体と後支持体により船底を接地させ
ることなく行え、陸上を移動させる場合にも前支持体と
後支持体のタイヤによりスムーズになり、労力を要する
ことがない。また従来、陸揚げして留め置くときの専用
台車により占められていたスペース（かなり幅広のもの
となっている）が大きなものとなっていたが、本考案に
より陸上に留め置くときの占有面積が最小限にできるよ
うになるなど、実用性に優れた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る船舶の一実施例における前支持体
と後支持体を引き上げた状態を示す説明図である。

【図２】一実施例における陸上移動時を示す説明図であ
る。

【図３】一実施例における前支持体の使用状態を示す説
明図である。

【図４】一実施例における後支持体の使用状態を示す説
明図である。

【符号の説明】

１…船舶 ２…前支持体 ３…後支持体 ４…ステー ５…船首結合部 ６…タイヤ ７…長孔 ８…ステー ９…タイヤ １０…ベルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】船首側に位置する前支持体と、船尾側に位
   置する後支持体とを備え、 前記前支持体は、船体の右舷と左舷に枢着されそれぞれ
   船首側に延設された一対のステーの船首結合部に転動可
   能なタイヤを配して、船底側に回し込み可能に設けら
   れ、 前記後支持体は、一端に転動可能なタイヤを有するステ
   ーを、最下点のときの前記タイヤが船底より下方に位置
   するように船体の右舷と左舷に回動可能に取り付けて、
   タイヤを下方に降ろしたときの前記ステー間が、船底側
   を回るベルトにより連結可能に設けられていることを特
   徴とする船舶。