JPH07233349A - 塗料組成物およびプレコート鋼板の製造方法 - Google Patents
塗料組成物およびプレコート鋼板の製造方法Info
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- JPH07233349A JPH07233349A JP11268194A JP11268194A JPH07233349A JP H07233349 A JPH07233349 A JP H07233349A JP 11268194 A JP11268194 A JP 11268194A JP 11268194 A JP11268194 A JP 11268194A JP H07233349 A JPH07233349 A JP H07233349A
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Abstract
そのプレコ−ト鋼板の最外層に適用される熱硬化型塗料
組成物、およびプレコ−ト鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 一般式 【化1】 を主たる繰り返し単位とするポリエステル化合物1〜1
5重量%と、ポリオ−ルと硬化剤を主成分とするプレコ
−ト鋼板用塗料組成物。前記記載の塗料組成物を鋼板上
に形成させることによってプレコ−ト鋼板を製造する。
Description
び高鮮映性等が要求されるプレコ−ト鋼板およびこのプ
レコ−ト鋼板の最外層に適用される熱硬化型塗料組成物
に関するものである。本発明の塗装鋼板は、例えば家電
製品用、建材用に好適であり、また自動車にも使用でき
る可能性がある。
としては、高硬度、高加工性、耐汚染性、耐薬品性、耐
水性、高鮮映性など多くの項目がある。中でも重要な特
徴である硬度と加工性は、互いに相反する性質であり、
要求されるレベルは高い。ここでいう加工性とは、平ら
な金属板から種々の形状にしていく際の折り曲げ、切
断、しぼり等の工程において、塗膜の損傷が少ないこと
を言い、塗膜自体の伸びや柔軟性の程度が大きい程良好
となる。一方、硬度は塗膜の耐久性を向上させるという
点で、高い程望ましいが、加工性を低下させる方向に作
用する。
料としては、外面下塗り塗料および裏面塗料にはポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂が主として使用されており、
外面上塗り塗料としてはポリエステル系、アクリル系、
ビニル系塗料等が使用されている。外面上塗り塗料とし
て最も一般的であるのが、ポリエステル樹脂(主剤)と
メラミン化合物(硬化剤)の組合せから成るポリエステ
ル樹脂塗料であり、この場合ポリエステル樹脂により加
工性を、メラミン化合物により硬度を得ている。しか
し、要求の厳しいプレコ−ト鋼板に於いては、特に家電
用途などに於いてその性能は必ずしも充分とは言えず改
良が望まれてきた。
は、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、および
脂肪族ジカルボン酸を用いグリコ−ル成分としてエチレ
ングリコ−ルとネオペンチルグリコ−ルを用いてこれら
の組成の異なる2種類の線状ポリエステルを組合せ、こ
れにさらにメトキシメラミン化合物とブトキシメラミン
化合物を配合した塗料樹脂組成物が開示されている。
酸基を有する共重合ポリエステル樹脂とポリイソシアネ
−ト化合物を重縮合した樹脂中にウレタン結合が含まれ
るウレタンポリマ−と、水酸基を有する共重合ポリエス
テル樹脂と、アルキルエ−テル化メラミン樹脂とからな
るプレコ−ト鋼板用塗料組成物が開示されている。
ジカルボン酸(またはそのエステル)を必須成分とする
酸成分とビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド低付
加物および高付加物で構成されるグリコ−ル成分とから
なる飽和ポリエステル樹脂と、アルキルエ−テル化ホル
ムアルデヒド樹脂からなる塗装鋼板用塗料組成物が開示
されている。
示される技術ではアクリル系樹脂組成物にゴム粒子を分
散させることにより加工ひずみの緩和を図っている。
ン基と共有結合したガラス転移点の低いアクリルポリマ
−、またはポリエステルポリマ−を用い、これらをアミ
ノ樹脂等の硬化剤との反応で生成する塗膜に関する技術
が開示されている。
ポリエステル樹脂に対して、硬化剤として変性により配
向性を付与したメラミン樹脂を反応させることにより、
可撓性および塗膜硬度の両者を高位で満足させる塗膜を
得る試みがなされている。
2号公報に開示される技術では加工ひずみの緩和を図っ
ているが、プレコ−ト鋼板としての伸びと硬度のバラン
スが充分にとれているとはいえない。
る技術は、硬度と耐衝撃性に優れているが、メソゲン基
により変成されたポリマ−の合成工程が煩雑であり、手
間がかかる。また、塗膜構成、硬化条件などの点からプ
レコ−ト鋼板用塗料としての適用は困難である。さら
に、曲げ加工性については言及されていない。
技術では変性メラミン化合物の合成過程が長く、実用的
な樹脂を製造するまでには至っていない。
脂に工夫をこらし塗膜の硬度と加工性の改善を試みてい
る場合が多い。しかしながら、一般に塗膜の硬度と加工
性とは相反するものであり、従来技術では硬度が高くか
つ加工性が優れている塗膜は容易には得られていない。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされた
もので、加工性と塗膜硬度のバランスの良いプレコ−ト
鋼板用塗料を、従来よりも簡潔な方法で得ることを目的
とする。
を解決して優れた性能のプレコ−ト鋼板用塗料を得るべ
く検討した結果、ポリオ−ルを主剤とし、イソシアネー
ト化合物および/またはアミノ樹脂化合物を硬化剤とす
る塗料配合系において、ナフタレン−2,6−ジカルボ
ン酸またはその低級アルキルエステルを含むジカルボン
酸またはその低級アルキルエステルを、アルコ−ル成分
として、主としてジオ−ル成分であるグリコ−ルと反応
させて得られるポリエステル化合物を加えることによ
り、加工性および硬度の両者を高位で満足させる塗膜が
得られることを発見し、この目的を達成することができ
た。さらに、光沢度等、諸性能も向上した。
鋼板用塗料組成物は、一般式
%と、ポリオ−ルと硬化剤を主成分とする樹脂組成物で
ある。
記載の塗料組成物を鋼板上に形成させることによってプ
レコ−ト鋼板を製造することを特徴とする。
化合物は、酸成分としてナフタレン−2,6−ジカルボ
ン酸および/またはその低級アルキルエステルと、アル
コ−ル成分から成るポリエステル化合物である。また、
塗料組成物におけるポリエステル化合物の配合量として
は、ポリエステル化合物が塗料組成物全量に対して1〜
15重量%含まれるようにするのが望ましい。更に好ま
しくは、2〜10重量%、更には3〜8重量%である。
配合量が1重量%よりも少ない場合は、塗膜性能の向上
効果が顕著ではなく、比較材に対する優位性がわずかな
ものになる。一方、15重量%よりも多い場合は、溶剤
への溶解性およびポリオ−ル、硬化剤などとの相溶性が
不十分となり、塗膜外観、塗膜性能ともに低下する。
カルボン酸は、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸およ
び/またはその低級アルキルエステルを主たる対象とす
るが、その一部をテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸な
どのジカルボン酸、あるいはジカルボン酸の低級アルキ
ルエステルなどで置き換えることもできる。低級アルキ
ルエステルとしては、炭素数が1〜2個のメチルエステ
ル、エチルエステルなどが挙げられる。この場合主たる
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸は酸成分全体のうち
85モル%以上であり、置き換えることのできる他の化
合物の割合は15モル%未満であることが望ましい。
は、主としてジオ−ル成分であり、ジオ−ル成分として
は脂肪族ジオ−ル、脂環族ジオ−ル等を用いることがで
きる。エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、
ネオペンチルグリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノ−ル等が挙げられる。また、 ポリオキシアルキレン
グリコール、特に、平均分子量が1200以下のポリオ
キシアルキレングリコ−ル、望ましくは平均分子量が1
000以下のポリエチレングリコ−ル(以下、PEGと
略す)、あるいは平均分子量1000以下のポリテトラ
メチレングリコ−ル(以下、PTGと略す)も使用でき
る。さらに、これらを混合して使用しても良い。
リエステル化合物が生成される(平均分子量が1200
以下のPEG、または平均分子量1000以下のPTG
を用いた場合、ポリエステルの一部であるポリエ−テル
を生成する)。本発明におけるポリエステル化合物はエ
ステル交換法や直接エステル化法など通常のポリエステ
ル製造方法によって得ることができる。通常、酸成分と
ジオ−ル成分はモル比1:2で反応する。効率良く反応
を行なうため、酸成分とジオ−ル成分は、できるだけモ
ル比1:2に近い割合で加えるのが望ましい。また、ポ
リエステル化合物は、単独または2種類以上の組合わせ
のいずれでも使用することができる。
せ、および低分子量のポリオキシアルキレングリコール
と酸成分の組合わせで形成されるポリエステル化合物
は、偏光顕微鏡で観察した場合に、液晶性を示す。この
ようなポリエステル化合物を含む塗膜では、焼付後の塗
膜においても液晶化合物の特徴である配向等の作用によ
り塗膜の強靱化が図られる。その結果、高硬度、高加工
性の塗膜が得られたものと考える。
して用いた場合、酸成分と反応し、ポリエ−テル化合物
(ポリエステル化合物の一部)を生成する。ポリエ−テ
ル化合物は還元粘度が0.20dl/g以下であること
が望ましい。還元粘度が0.20dl/gを越える場合
は、溶剤への溶解性およびポリオ−ル、硬化剤等との相
溶性が著しく低下し、塗膜性能も不十分である。なお還
元粘度は、試料をフェノ−ル/テトラクロロエタン(6
0/40重量比)の溶液に溶解し、ウベロ−デ型粘度計
を用いて25℃で測定した値である。ポリエーテル化合
物については、フレキシブルなポリエ−テル鎖と剛直な
ナフタレン骨格との組合せにより架橋構造に強靭性が付
与され、その結果、高硬度、高加工性の塗膜が得られた
ものと考える。
−ル成分を用いても本発明を実施するにあたり問題はな
い。多価アルコ−ル成分としてはトリエチレングリコ−
ル、グリセリン、ペンタエリスリト−ル、トリメチロ−
ルプロパン、トリメチロ−ルエタンなどが挙げられる。
しては、ポリエステルポリオ−ルとアクリルポリオ−ル
が挙げられる。
なくとも2個の水酸基を有し、かつ数平均分子量が10
00〜50000の化合物であれば特に限定されるもの
ではない。好ましくは1500〜30000、更に好ま
しくは2000〜20000の化合物である。ポリエス
テルポリオ−ルの分子中にある水酸基は、分子中の末端
あるいは側鎖のいずれにあってもよい。ポリエステルポ
リオ−ルの数平均分子量が1000未満の場合は、加工
性が著しく低下する。一方、数平均分子量が50000
を越える場合には、高粘度になるため過剰の希釈溶剤が
必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するため
充分な塗膜を得ることができない。さらに、他の配合成
分との相溶性も著しく低下する。なお、ポリエステルポ
リオ−ルの数平均分子量は、ゲルパ−ミエ−ションクロ
マトグラフィ−(以下、GPCと略す)によるポリスチ
レン換算分子量である。
と多価アルコ−ル成分を周知の方法で加熱反応させて得
られる共重合体である。多塩基酸成分としては、無水フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリッ
ト酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸などを用いる
ことができる。他方、多価アルコ−ル成分としては、例
えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポ
リエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロ
ピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、1,4
−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペ
ンチルグリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、グリセリ
ン、ペンタエリスリト−ル、トリメチロ−ルプロパン、
トリメチロ−ルエタンなどが挙げられる。
録商標)、アルキノ−ル(住友バイエルウレタン株式会
社登録商標)、デスモフェン(住友バイエルウレタン株
式会社登録商標)、バイロン(東洋紡績株式会社登録商
標)などの市販のポリエステルポリオ−ルも使用でき
る。
とも2個の水酸基を有し、かつ数平均分子量が500〜
50000の化合物であれば特に限定されるものではな
い。好ましくは1000〜30000、更に好ましくは
1500〜20000の化合物である。水酸基はアクリ
ルポリオ−ル主鎖に無秩序に配置されており、アクリル
ポリオ−ルの数平均分子量が500未満の場合は、加工
性が著しく低下する。一方、数平均分子量が50000
を越える場合には、高粘度になるため過剰の希釈溶剤が
必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するため
充分な塗膜を得ることができない。さらに、他の配合成
分との相溶性も著しく低下する。なお、アクリルポリオ
−ルの数平均分子量は、GPCによるポリスチレン換算
分子量である。
リル重量体とアクリル酸エステルとを周知の方法で加熱
反応させて得られる共重合体である。アクリル単量体と
しては、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシ
プロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどを用いる
ことができる。他方、アクリル酸エステルとしては、例
えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−
2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
式会社登録商標)、デスモフェン(住友バイエルウレタ
ン株式会社登録商標)などの市販のアクリルポリオ−ル
も使用できる。
化剤との反応により硬化塗膜を形成する。本発明に用い
るポリオ−ルおよびポリエステル化合物の硬化剤として
はイソシアネ−ト化合物および/またはアミノ樹脂を用
いることができる。
法で得られるイソシアネ−ト化合物が用いられる。好ま
しくは1液型塗料としての使用が可能であるフェノ−
ル、クレゾ−ル、芳香族第二アミン、第三級アルコ−
ル、ラクタム、オキシムなどのブロック剤でブロック化
された化合物である。ブロック化イソシアネ−ト化合物
を用いることにより、1液での保存が可能となり、プレ
コ−ト鋼板用塗料としての適用が可能となる。更に好ま
しくは非黄変性のヘキサメチレンジイソシアネ−ト(以
下、HDIと略す)およびその誘導体、トリレンジイソ
イアネ−ト(以下、TDIと略す)およびその誘導体、
4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(以下、
MDIと略す)およびその誘導体、キシリレンジイソシ
アネ−ト(以下、XDIと略す)およびその誘導体、イ
ソホロンジイシシアネ−ト(以下、IPDIと略す)お
よびその誘導体、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネ−ト(以下、TMDIと略す)およびその誘導体など
を挙げることができる。
タン株式会社登録商標)、デスモジュ−ル(住友バイエ
ルウレタン株式会社登録商標)、コロネ−ト(日本ポリ
ウレタン株式会社登録商標)などの市販のイソシアネ−
トも使用できる。
とポリエステル化合物およびポリオ−ルの水酸基との比
(NCO/OH)は0.8〜1.2(モル比)の割合で
配合するのがよい。好ましくは0.90〜1.10であ
る。(NCO/OH)の配合比が0.8より小さい場合
は、塗膜の硬化が不十分であり、期待される塗膜の硬
度、強度が得られない。(NCO/OH)の配合比が
1.2より大きい場合は、過剰のイソシアネ−ト基同士
あるいはウレタン結合との副反応が生じて、塗膜の加工
性が低下する。
尿素、ベンゾグアナミン、メラミン等とホルムアルデヒ
ドとの反応で得られる樹脂および、メタノール、ブタノ
ールなどのアルコールによりアルキルエーテル化したも
のが使用できる。具体的にはメチル化尿素樹脂、n−ブ
チル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、
n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラミン
樹脂などを挙げることができる。
式会社登録商標)、スミマール(住友化学工業株式会社
登録商標)、メラン(日立化成工業株式会社登録商標)
などの市販のアミノ樹脂も使用できる。
リオ−ルとの配合重量比(固形分比)は(ポリエステル
化合物およびポリオ−ル)/(アミノ樹脂)が95〜6
5/5〜35、好ましくは90〜75/10〜25の割
合で配合するのがよい。
する。有機溶剤としては例えば、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ソルベッ
ソ100、ソルベッソ200、トルエン、キシレン、メ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテ
−ト、ブチルセロソルブアセテ−ト、カルビト−ル、エ
チルカルビト−ルアセテ−ト、ブチルカルビト−ルアセ
テ−ト、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エ−テル、石油
ナフサなどが挙げられる。
てp−トルエンスルホン酸、オクトエ酸錫、ジブチル錫
ジラウレ−ト、2−エチルヘキソエ−ト鉛等の硬化触
媒、及び炭酸カルシウム、カオリン、クレ−、酸化チタ
ン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、ベンガラ、マンガ
ンブル−、カ−ボンブラック等の顔料、その他、消泡剤
流れ性調整剤などの各種添加剤を選択して配合すること
ができる。
ドグラインドミル、ボ−ルミル、またはブレンダ−など
の通常の分散機や混練機を選択して使用し、配合するこ
とができる。
有用であり、冷間圧延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気
亜鉛めっき鋼板、複合亜鉛めっき鋼板、クロムめっき鋼
板(TFS)などの表面に、リン酸塩処理、クロメ−ト
処理などの化成処理を施したものに塗装することができ
る。化成処理を行なった鋼板上に塗装することにより、
鋼板への密着性が向上するとともに耐食性も向上する。
また、塗装の際に塗料と鋼板の密着性を向上させ、耐食
性を高めるために防錆顔料が添加されたプライマ−コ−
トを塗布することもできる。このようなプライマ−コ−
トとしては、エポキシ系、ポリエステル系のものが適し
ている。
は、ロ−ルコ−タ−塗装、カ−テンフロ−塗装などの方
法で塗布するのがよい。塗布後、熱風乾燥、赤外線加
熱、誘導加熱などの加熱手段により塗膜を焼付、樹脂を
架橋させて硬化塗膜を得る。加熱硬化時の焼付温度は2
00〜250℃で約1〜3分行なう。このようにして形
成した硬化塗膜の膜厚は15〜25μm程度であるが特
に限定されるものではない。
たは3コ−ト・3ベ−ク方式のトップコ−トとしての使
用が好ましい。3コ−ト・3ベ−ク方式で使用する場合
は、本塗料組成物とプライマ−コ−トとの間に、通常の
3コ−ト・3ベ−クで使用される中塗りを施す。
実施例中の部および%は特にことわりのない限り、それ
ぞれ重量部および重量%を意味する。
器に、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチルエ−
テル(以下、2,6−NDCMと略す)を1.0mo
l、エチレングリコ−ルを2.1mol入れ、200℃
で加熱溶融した。その後触媒として酢酸マンガンを2,
6−NDCMに対して0.03mol%添加し、反応温
度を段階的に230℃まで上げていき、理論量のメタノ
−ル64g(2.0mol)が留出したところで、リン
酸トリメチルを2,6−NDCMに対して0.03mo
l%加え反応を終了した。このようにして化合物(1)
を得た。還元粘度は0.05dl/gであった。偏光顕
微鏡により測定した液晶性の発現温度範囲は、昇温時が
130〜190℃付近、降下時が140℃〜室温までで
あった。測定法は、2枚のスライドガラスの間に試料を
薄く挟み、温度制御機能の付いた偏光顕微鏡にセットし
て、偏光下で加熱あるいは冷却しながら観察する方法で
あり、視野が明るくなった温度範囲を液晶性発現範囲と
した。
器に、2,6−NDCMを0.5mol、1、4−ブタ
ンジオ−ルを1.02mol入れ、200℃で加熱溶融
した。その後触媒としてチタニウムテトラ−n−ブトキ
シドを2,6−NDCMに対して0.06mol%添加
し、反応温度を段階的に240℃まで上げていき、理論
量のメタノ−ル32g(1.0mol)が留出したとこ
ろで反応を終了した。このようにして化合物(2)を得
た。還元粘度は0.04dl/gであった。偏光顕微鏡
を用い、合成例1と同様な方法で測定した液晶性の発現
温度範囲は、昇温時が90〜180℃付近、降下時が1
60℃〜室温までであった。
器に、2,6−NDCMを0.5mol、1,4−シク
ロヘキサンジメタノ−ル(トランス体70%)を1.0
2mol入れ、200℃で加熱溶融した。その後触媒と
してチタニウムテトラ−n−ブトキシドを2,6−ND
CMに対して0.06mol%添加し、反応温度を段階
的に270℃まで上げていき、理論量のメタノ−ル32
g(1.0mol)が留出したところで反応を終了し
た。このようにして化合物(3)を得た。還元粘度は
0.05dl/gであった。偏光顕微鏡を用い、合成例
1と同様な方法で測定した液晶性の発現温度範囲は、昇
温時が140〜280℃付近、降下時が240℃〜室温
までであった。
器に、2,6−NDCMを0.5mol、ネオペンチル
グリコールを1.05mol入れ、200℃で加熱溶融
した。その後触媒として酢酸カルシウムを2,6−ND
CMに対して0.03mol%添加し、反応温度を段階
的に240℃まで上げていき、理論量のメタノ−ル32
g(1.0mol)が留出したところで、リン酸トリメ
チルを2,6−NDCMに対して0.03mol%加え
反応を終了した。このようにして化合物(4)を得た。
還元粘度は0.04dl/gであった。偏光顕微鏡を用
い、合成例1と同様な方法で測定した液晶性の発現温度
範囲は、昇温時が100〜180℃付近、降下時が19
0℃〜室温までであった。
器に、テレフタル酸ジメチルエ−テル(以下、DMTと
略す)を1.0mol、エチレングリコ−ルを2.1m
ol入れ、180℃で加熱溶融した。その後触媒として
酢酸マンガンをDMTに対して0.03mol%添加
し、反応温度を段階的に220℃まで上げていき、理論
量のメタノ−ル64g(2.0mol)が留出したとこ
ろで、リン酸トリメチルをDMTに対して0.03mo
l%加え反応を終了した。このようにして化合物(5)
を得た。還元粘度は0.04dl/gであった。偏光顕
微鏡を用い、合成例1と同様な方法で測定した液晶性の
発現温度範囲は、昇温時が80〜120℃付近、降下時
は観察されなかった。
器に、2,6−NDCMを0.5mol、ジエチレング
リコ−ルを1.05mol入れ、200℃で加熱溶融し
た。その後触媒としてチタニウムテトラ−n−ブトキシ
ドを2,6−NDCMに対して0.10mol%添加
し、反応温度を段階的に240℃まで上げていき、理論
量のメタノ−ル32g(1.0mol)が留出したとこ
ろで反応を終了した。このようにして化合物(6)を得
た。還元粘度は0.05dl/gであった。
器に、2,6−NDCMを0.5mol、平均分子量が
200のポリエチレングリコ−ル(PEG#200)を
1.02mol入れ、200℃で加熱溶融した。その後
触媒としてチタニウムテトラ−n−ブトキシドを2,6
−NDCMに対して0.06mol%添加し、反応温度
を段階的に270℃まで上げていき、触媒添加から3時
間を要して理論量の95%にあたるメタノ−ル30gを
留出させた。このようにして化合物(7)を得た。還元
粘度は0.08dl/gであった。
器に、2,6−NDCMを0.5mol、平均分子量が
600のポリエチレングリコ−ル(PEG#600)を
1.02mol入れ、200℃で加熱溶融した。その後
触媒としてチタニウムテトラ−n−ブトキシドを2,6
−NDCMに対して0.06mol%添加し、反応温度
を段階的に270℃まで上げていき、触媒添加から4時
間10分を要して理論量の92%にあたるメタノ−ル2
9g留出させた。このようにして化合物(8)を得た。
還元粘度は0.07dl/gであった。
器に、2,6−NDCMを0.5mol、平均分子量が
650のポリテトラメチレングリコ−ル(PTG#65
0)を1.02mol入れ、200℃で加熱溶融した。
その後触媒としてチタニウムテトラ−n−ブトキシドを
2,6−NDCMに対して0.06mol%添加し、反
応温度を段階的に270℃まで上げていき、触媒添加か
ら4時間を要して理論量の93%にあたるメタノ−ル3
0gを留出させた。このようにして化合物(9)を得
た。還元粘度は0.07dl/gであった。
器に、DMTを0.5mol、平均分子量が650のポ
リテトラメチレングリコ−ル(PTG#650)を1.
02mol入れ、170℃で加熱溶融した。その後触媒
としてチタニウムテトラ−n−ブトキシドをDMTに対
して0.06mol%添加し、反応温度を段階的に24
0℃まで上げていき、触媒添加から4時間20分を要し
て理論量の92%にあたるメタノ−ル29gを留出させ
た。このようにして化合物(10)を得た。還元粘度は
0.07dl/gであった。
えた反応容器にDMTを174.6部、イソフタル酸ジ
メチルを213.4部、エチレングリコ−ルを93.0
部、ネオペンチルグリコ−ルを52.0部、酢酸マンガ
ン触媒を1.5部仕込み、窒素雰囲気中180〜210
℃でエステル交換反応を行い、メタノ−ルを留出させ
た。さらにトリメチロ−ルプロパンを6.1部加え、2
50℃まで加熱しながら10mmHgまで除々に減圧し
て重合反応を行い、シクロヘキサノン溶液により不揮発
分70%に調節した。このようにして、ポリエステルポ
リオ−ル(1)を得た。得られたポリエステルポリオ−
ル(1)はGPCにより求めた数平均分子量(Mn)は
3000、無水フタル酸−ピリジン法で求めた水酸基価
は60.0mgKOH/gであった。
例1と同一の条件で同一の操作を行なった。得られたポ
リエステルポリオ−ル(2)は不揮発分60%であり、
GPCにより求めた数平均分子量(Mn)は4000、
無水フタル酸−ピリジン法で求めた水酸基価は45.0
mgKOH/gであった。
8部にシクロヘキサノンを40部加え、12時間撹拌し
た。この際、化合物(1)は粉砕機により250ミクロ
ン以下に粉砕したものを使用した。このようにして得ら
れた化合物(1)のシクロヘキサノン分散液に対し、ポ
リエステルポリオ−ル合成例1で得たポリエステルポリ
オ−ル1を94.0部、ブロック化イソシアネ−ト(デ
スモジュ−ルBL3175:住友バイエルウレタン株式
会社製、HDIイソシアヌレ−ト体、NCO含有率1
1.1%、不揮発分75%)を43.0部、ルチル型酸
化チタンを80.0部、ジブチル錫ジラウレ−ト(以
下、DBTDLと略す)10%シクロヘキサノン溶液を
10.0部、アクロナ−ル4F(BASF株式会社製)
50%シクロヘキサノン溶液を4.4部配合後、直径約
1mmのガラスビ−ズを入れたサンドミルを用い1時間
分散させた。さらに、シクロヘキサノンを加えて不揮発
分が60%になるように調製し、塗料組成物1を得た。
調製した塗料組成物1は、クロメ−ト処理およびポリエ
ステル系プライマ−(膜厚4μm)を施した電気亜鉛め
っき鋼板(厚さ:0.5mm)上に乾燥膜厚が15〜1
8μmとなるようにバ−コ−タ−にて塗装し、210
℃、150秒の条件で熱風乾燥炉により焼付を行なっ
た。このようにしてプレコ−ト鋼板を得た。得られたプ
レコ−ト鋼板の塗膜性能を後述する方法により評価し
た。結果を表1に示す。
で化合物(1)の含有量を変えた例であり、表1に示し
た配合で塗料組成物2〜4を調製した。樹脂組成分中の
化合物1の割合は実施例2、3、4でそれぞれ5.0、
8.0、12.0重量%である。塗料組成物2〜4は実
施例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行な
った。結果を表1に示す。
ルXP7001:住友バイエルウレタン株式会社製、水
添MDIプレポリマ−、NCO含有率8.9%、不揮発
分75%)を用い、表1に示した配合で実施例1と同様
の操作を行い、塗料組成物を得た。塗料組成物は実施例
1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なっ
た。結果を表1に示す。
ルBL4165:住友バイエルウレタン株式会社製、I
PDIイソシアヌレ−ト体、NCO含有率8.1%、不
揮発分65%)を用い、表1に示した配合で実施例1と
同様の操作を行い、塗料組成物を得た。塗料組成物は実
施例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行な
った。結果を表1に示す。
ヘキサノン分散液に対し、ポリエステルポリオ−ル合成
例2で得たポリエステルポリオ−ル2を125.0部、
メチル化メラミン(サイメル300:三井サイアナミッ
ド株式会社製)を20.0部、ルチル型酸化チタンを8
0.0部、p−トルエンスルホン酸を0.5部配合後、
直径約1mmのガラスビ−ズを入れたサンドミルを用
い、1時間分散させた。さらにシクロヘキサノンを加え
て不揮発分が60%になるように調整し、塗料組成物を
得た。調製した塗料組成物は実施例1と同様な方法で鋼
板への塗布、焼付、評価を行なった。結果を表1に示
す。
ヘキサノン分散液に対し、アクリルポリオ−ル(デスモ
フェンA365:住友バイエルウレタン株式会社製、水
酸基含有率2.8%、不揮発分65%)を98.0部、
ブロック化イソシアネ−ト(デスモジュ−ルBL317
5)を48.4部、ルチル型酸化チタンを80.0部、
ジブチル錫ジラウレ−ト(以下、DBTDLと略す)1
0%シクロヘキサノン溶液を10部、アクロナ−ル4F
(BASF株式会社製)50%シクロヘキサノン溶液を
4.4部配合後、直径約1mmのガラスビ−ズを入れた
サンドミルを用い、1時間分散させた。さらに、シクロ
ヘキサノンを加えて不揮発分が60%になるように調整
し、塗料組成物を得た。塗料組成物は実施例1と同様な
方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なった。結果を表
1に示す。
2で得た化合物(2)を使用した。それ以外は、実施例
2と同様の組合せで、表2に示した配合で実施例1と同
様の操作を行い、塗料組成物を得た。塗料組成物は実施
例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なっ
た。結果を表2に示す。
3で得た化合物(3)を使用した。それ以外は、実施例
2と同様の組合せで、表2に示した配合で実施例1と同
様の操作を行い、塗料組成物を得た。塗料組成物は実施
例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なっ
た。結果を表2に示す。
4で得た化合物(4)を使用した。それ以外は、実施例
2と同様の組合せで、表2に示した配合で実施例1と同
様の操作を行い、塗料組成物を得た。塗料組成物は実施
例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なっ
た。結果を表2に示す。
1で得た化合物(6)を使用した。それ以外は、実施例
1と同様の組合せで、表2に示した配合で実施例1と同
様の操作を行い、塗料組成物を得た。塗料組成物は実施
例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なっ
た。結果を表2に示す。
2で得た化合物(7)を使用した。それ以外は、実施例
1と同様の組合せで、表2に示した配合で実施例1と同
様の操作を行い、塗料組成物を得た。塗料組成物は実施
例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なっ
た。結果を表2に示す。
3で得た化合物(8)を使用した。それ以外は、実施例
1と同様の組合せで、表2に示した配合で実施例1と同
様の操作を行い、塗料組成物を得た。塗料組成物は実施
例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なっ
た。結果を表2に示す。
4で得た化合物(9)を使用した。それ以外は、実施例
1と同様の組合せで、表2に示した配合で実施例1と同
様の操作を行い、塗料組成物を得た。塗料組成物は実施
例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なっ
た。結果を表2に示す。
ソシアネ−ト(デスモジュ−ルBL3175)を40.
3部、ルチル型酸化チタンを80.0部、DBTDL1
0%シクロヘキサノン溶液を10.0部、アクロナ−ル
4F(BASF株式会社製)50%シクロヘキサノン溶
液を4.4部配合後、直径約1mmのガラスビ−ズを入
れたサンドミルを用い1時間分散させた。さらに、シク
ロヘキサノンを加えて不揮発分が60%になるように調
製し、塗料組成物を得た。調製した塗料組成物は、クロ
メ−ト処理およびポリエステル系プライマ−(膜厚4μ
m)を施した電気亜鉛めっき鋼板(厚さ:0.5mm)
上に乾燥膜厚が15〜18μmとなるようにバ−コ−タ
−にて塗装し、210℃、150秒の条件で熱風乾燥炉
により焼付を行なった。このようにしてプレコ−ト鋼板
を得た。得られたプレコ−ト鋼板の塗膜性能を後述する
方法により評価した。結果を表3に示す。
オ−ル1を、硬化剤として、ブロック化イソシアネ−ト
(デスモジュ−ルXP7001)(BL4165)をそ
れぞれ用い、表3に示した配合で比較例1と同様の操作
を行い、塗料組成物を得た。これらの塗料組成物は比較
例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼付、評価を行なっ
た。結果を表3に示す。
−ル2、アクリルポリオ−ル(デスモフェンA365)
を、硬化剤として、メチル化メラミン(サイメル30
0)、ブロック化イソシアネ−ト(デスモジュ−ルBL
3175)をそれぞれ用いた。表3に示した配合で比較
例1と同様の操作を行い、塗料組成物を得た。これらの
塗料組成物は比較例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼
付、評価を行なった。結果を表3に示す。
5で得た化合物(5)を使用した。それ以外は、実施例
1、7、8と同様の組合せで、表4に示した配合で実施
例1と同様の操作を行い、塗料組成物を得た。これらの
塗料組成物は実施例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼
付、評価を行なった。結果を表4に示す。
5で得た化合物(10)を使用した。それ以外は、比較
例6〜8と同様の組合せで、表4に示した配合で実施例
1と同様の操作を行い、塗料組成物を得た。これらの塗
料組成物は実施例1と同様な方法で鋼板への塗布、焼
付、評価を行なった。結果を表4に示す。
エステル化合物合成例5で得た化合物(5)を使用し、
表5に示した配合で塗料組成物を調製し、これを塗装、
焼付を行ない、プレコ−ト鋼板を得た。比較例12で
は、ポリエステル化合物の配合比(樹脂成分中の重量
%)が0.5%、比較例13、15、17では、ポリエ
ステル化合物の配合比(樹脂成分中の重量%)が18
%、比較例14、16では、ポリエステル化合物の配合
比(樹脂成分中の重量%)が25%となるように配合調
製した。またポリオ−ルとしては比較例15、16では
ポリオ−ル2を、比較例15、16以外はポリオ−ル1
を用いた。硬化剤としては比較例15、16では、メチ
ル化メラミン(サイメル300)を、比較例15、16
以外はブロック化イソシアネ−ト(デスモジュ−ルBL
3175)を用いた。塗料組塗料組成物の調製、塗装、
焼付方法は実施例1と同様である。得られたプレコ−ト
鋼板の塗膜性能を後述する方法により評価した。結果を
表5に示す。比較例13〜17では、ポリエステル化合
物の配合量の増加とともに溶剤への分散性が低下し、得
られた塗膜外観はいずれもプレコ−ト鋼板としての水準
に達していなかった。
(1)、化合物(2)を含む塗膜(実施例1および9と
比較例1の組成の塗膜)について熱機械試験機を用いて
ガラス転移温度を測定した。結果を表6に示す。ポリエ
ステル化合物を含む実施例1および9の塗膜は比較例1
に比べてガラス転移温度が上昇していた。一般的に転移
温度が高いほど硬度は上昇する。鉛筆硬度の実験結果で
は実施例1がH、実施例9が2H、比較例1がFとなっ
ており、転移温度の結果と一致した。一方、曲げ加工性
については低下しておらず、これは、本発明におけるポ
リエステル化合物特有の作用であると考える。さらに、
転移温度が高いほど、塗膜の耐汚染性、耐ブロッキング
性、耐薬品性が向上することから、本発明のポリエステ
ル樹脂は硬度と加工性に加え、他の諸性能も向上した。
(%)を測定した。 (2)鉛筆硬度 三菱ユニを使用し、JIS,K5400に基づいて行な
った。 (3)屈曲性(折り曲げ加工性) JIS,K5400の6.15項(耐屈曲性)に規定さ
れた折り曲げバイスであらかじめ塗装した鋼板を折り曲
げた後、内側にn枚の同一サンプル板を挟み、プレスに
て折り曲げた。曲げ部を30倍ル−ペで観察し、塗膜割
れを起こさない最小の挟み込み枚数を評価値とし、1
T、2T、3Tのごとく枚数にTを付けて表示した。 (4)密着性(ゴバン目剥離)試験 硬化塗膜上にカッタ−ナイフを用いて1mm間隔で10
mm×10mmの範囲にゴバン目100個を切り、セロ
ハンテ−プを圧着したのち勢いよく剥離して、ゴバン目
の剥離状態を観察し、100−(剥離したゴバン目の
数)で評価した。 (5)耐衝撃性 デュポン衝撃試験機を用い、JIS,K5400に基づ
いて、荷重1.0kgまたは1.5kgを最大50cm
の高さから塗膜上に落下させ、30倍ル−ペで観察した
際に塗膜表面の割れが見られない最大高さに荷重を乗じ
た値を評価値とした。 (6)耐溶剤性試験 メチルエチルケトンをしみ込ませたガ−ゼを用い、荷重
1.0kgで塗膜表面を擦る。1往復を1回とし、プラ
イマ−が露出するまでの回数で表わした。ただし、上限
を100回とした。 (7)ガラス転移温度測定 セイコ−電子工業株式会社製熱機械試験機TMA120
を使用した。1℃/分の速度で昇温させながら、鋼板上
で硬化させた塗膜のガラス転移温度を測定した。
に本発明のプレコ−ト鋼板用塗料組成物は加工性と塗膜
硬度が大きく向上している。また、本発明のプレコ−ト
鋼板用塗料組成物は加工性と塗膜硬度という相反する性
質を両方とも満たしており、優れた性能を有するプレコ
−ト鋼板を提供することができる。さらに、本発明のプ
レコ−ト鋼板用塗料組成物は従来よりも簡潔な方法で得
られ、工業的に非常に有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 イ)一般式 【化1】 を主たる繰り返し単位とするポリエステル化合物1〜1
5重量%と ロ)ポリオ−ルと ハ)硬化剤 を主成分とするプレコ−ト鋼板用塗料組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の塗料組成物を鋼板上に
形成させることによってプレコ−ト鋼板を製造すること
を特徴とするプレコ−ト鋼板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP11268194A JP3196496B2 (ja) | 1993-12-28 | 1994-05-26 | プレコート鋼板用塗料およびプレコート鋼板並びにその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
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JP33790793 | 1993-12-28 | ||
JP11268194A JP3196496B2 (ja) | 1993-12-28 | 1994-05-26 | プレコート鋼板用塗料およびプレコート鋼板並びにその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998032808A1 (fr) * | 1997-01-28 | 1998-07-30 | Nkk Corporation | Composition de revetement pour tole d'acier prealablement revetue, tole d'acier prealablement revetue, et leur procede de preparation |
JPH10273622A (ja) * | 1997-01-28 | 1998-10-13 | Nkk Corp | プレコート鋼板用塗料組成物並びにプレコート鋼板及びその製造方法 |
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JP2019167563A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 日鉄鋼板株式会社 | 塗装めっき鋼板及び建材 |
-
1994
- 1994-05-26 JP JP11268194A patent/JP3196496B2/ja not_active Expired - Fee Related
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