JPH07232515A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH07232515A
JPH07232515A JP6336108A JP33610894A JPH07232515A JP H07232515 A JPH07232515 A JP H07232515A JP 6336108 A JP6336108 A JP 6336108A JP 33610894 A JP33610894 A JP 33610894A JP H07232515 A JPH07232515 A JP H07232515A
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tire
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central
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Masatoshi Tanaka
正俊 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ドライグリップ性能を維持しつつ、ウエットグ
リップ性能を向上させ、さらにタイヤ騒音を低減する。 【構成】トレッド部Tを、円周方向に延びる2本の縦溝
71、72によって、ショルダー部81、82と中央部
9とに区分する。中央部9は、縦溝71、72のタイヤ
軸方向内側の溝底縁7aから半径方向外側に凸の曲線で
軸方向内側にのびる溝壁面9Aと、この溝壁面9A、9
A間を滑らかに継ぐ中央接地面域9Bとからなる中央部
表面形状を具えるとともに、中央部表面形状は、前記シ
ョルダー部81、82の接地面域12、12間を継ぐ仮
想トレッド線10に接する。一方のショルダー部81の
接地面域巾SW1は他方のショルダ部ー82の接地面域
巾SW2より大、かつ各縦溝71、72の溝巾GW1、
GW2は35mm以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に乗用車タイヤとし
て好適に採用でき、ドライグリップ性能を維持しつつ、
ウエットグリップ性能の向上及びタイヤ騒音の低減を達
成しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の静粛性向上に伴い、タイヤ
が発生する騒音の車両全体の騒音への寄与率が大とな
り、その低減が望まれている。特にタイヤが発生する騒
音のピーク周波数である1kHz付近の領域の騒音は、
人間が聴取しやすい領域でもあり、この騒音の低減が望
まれている。このような高周波領域の主要な音源の一つ
にいわゆる気柱共鳴による音がある。
【0003】他方、タイヤトレッドには、ウエットグリ
ップを維持するため一般にタイヤ周方向に連続する複数
の縦溝が配置される。
【0004】このようなタイヤは接地状態において、路
面と縦溝とによって一種の気柱を形成し、転動中のタイ
ヤトレッドの変形により、この気柱内に空気が流動する
ことによって、特定波長、すなわち、気柱の2倍の波長
の音が発生する。
【0005】この現象は、気柱共鳴と呼ばれ、縦溝を有
するタイヤでは、800〜1.2kHzの騒音の主たる音
源となる。この気柱共鳴音の波長は、タイヤの速度によ
らずほぼ一定周波数となり、車内音及び車外音を増加さ
せる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この気柱共鳴を防止す
るべく、縦溝の本数、又は溝容積を減らすことが知られ
ているが、縦溝本数、溝容積の減少はウエットグリップ
性能の低下を招く。
【0007】一方、ウエットグリップ性能を向上させる
ためには、逆に縦溝の本数、溝容積を増加させればよい
が、単なる増加は、前記のタイヤ騒音の増大の他、接地
面積の減少によるドライグリップ性能の低下及びトレッ
ドパターンの剛性低下による操縦安定性能の低下を招来
する。
【0008】従来は、このような相反する性能のいずれ
かを犠牲にして、タイヤ性能が調整されていた。
【0009】本発明は、ドライグリップ性能及び操縦安
定性能を損なうことなく、ウエットグリップ性能を改善
でき、しかも気柱共鳴の抑制によりタイヤ騒音を低減し
うる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部に
実質的に円周方向に連続して延びるタイヤ赤道両側の2
本の縦溝を設けることによって、トレッド部を縦溝のタ
イヤ軸方向外側の溝底縁よりも外側の一対のショルダー
部と縦溝のタイヤ軸方向内側の溝底縁間の中央部とに区
分した空気入りタイヤであって、前記中央部は、タイヤ
子午断面において、前記内側の溝底縁から半径方向外側
に凸の曲線でタイヤ軸方向内側にのびる内側の溝壁面と
この内側の溝壁面間を滑らかに継ぐ中央接地面域とから
なる一連の曲線を用いた中央部表面形状を具え、しかも
該中央部表面形状は、前記ショルダー部の接地面域間を
継ぐ仮想トレッド線に実質的に接するとともに、一方の
ショルダー部の接地面域のタイヤ軸方向の接地面域巾S
W1は他方のショルダー部の接地面域の接地面域巾SW
2より大、しかも前記一方のショルダー部の接地面域の
タイヤ軸方向内側の内縁とこれに隣り合う側の中央接地
面域の外縁との間のタイヤ軸方向の距離である一方の縦
溝の溝巾GW1を35mm以上、かつ前記他方の縦溝の溝
巾GW2を35mm以上としたことを特徴とした空気入り
タイヤである。
【0011】
【作用】中央部表面形状において、内側の溝壁面及び中
央接地面域が凸の曲面で形成されることによって縦溝の
溝深さがタイヤ軸方向外側に向かって除々に拡大し、し
かも縦溝の溝巾GWを35mm以上の広巾とすることによ
って排水性を向上し、ハイドロプレーニング現象を減じ
てウエッドグリップ性を向上する。
【0012】又縦溝の溝巾GWを35mm以上、好ましく
は40mm以上に設定し、更に中央部における縦溝の溝深
さを一連の凸曲線で除々に深くすることによって、フッ
トプリントである接地面の接地中心の前後(タイヤ進行
方向の前後)に、接地面における溝部の巾がラッパ状に
増加する拡巾部が形成され、これにより気柱共鳴を防ぎ
タイヤ騒音を低下する。
【0013】又、凸状の中央部表面形状は、中央部の剛
性を高めるのに役立つ。しかも一方のショルダー部の接
地面域巾を他方のショルダー部の接地面域巾より大とし
ているため、この一方のショルダー部を車体外側に向け
て装着することによって、車体外方側のトレッド剛性が
大となるなど、限られた接地面積のもとで強い横力を発
揮でき、ドライグリップ性能を向上しかつ直進安定性及
び旋回安定性を高めうる。
【0014】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて詳述す
る。図1は、JATMA規格適用リムRに取付けられか
つ正規内圧を充填した標準状態でのタイヤのタイヤ子午
断面を示す。
【0015】タイヤ1は、トレッド部Tからサイドウォ
ール部Sをへてビード部Bのビードコア2の回りをタイ
ヤ軸方向内側から外側に巻き上げられて係止されるラジ
アル配列のカーカス3と、トレッド部Tの内方かつカー
カス3外側のベルト層4とを具える。又ビードコア2、
2間をのびるカーカス3の本体部とその両端の巻返し部
との間には、ビードコア2からタイヤ半径方向外側にの
びるビードエーペックス6が配置され、ビード部Bの形
状及び剛性を保持している。
【0016】なおタイヤ1は、タイヤ断面高さ/タイヤ
巾である偏平率が0.4〜0.6程度であり、相対的に
排水性に劣る広巾の偏平タイヤ、特に乗用車用の偏平ラ
ジアルタイヤとして形成される。
【0017】前記ベルト層4は、スチール、芳香族ポリ
アミドなどの引張剛性の高いコードを用いた複数のプラ
イを、各プライ間でコードが交差するように、タイヤ周
方向に対し、15〜30°の比較的小さい角度で配列す
ることにより形成されている。又カーカス3は、乗用車
用タイヤであるとき、通常ナイロン、レーヨン、ポリエ
ステルなどの有機繊維コードを用いうる。
【0018】トレッド部Tはその表面に、タイヤ赤道C
Lの両側に位置して実質的に円周方向に連続して延びる
広巾の2本の縦溝7、7を具え、このことによって、各
縦溝7のタイヤ軸方向外側の溝底縁7bよりも外側の一
対のショルダー部8と、各溝7のタイヤ軸方向内側の溝
底縁7a、7a間に位置する中央部9とにトレッド部T
を区分する。なお以下に、各縦溝7を区別するとき縦溝
71、72とよび、また各ショルダー部8を区別すると
きショルダー部81、82とよぶ。
【0019】前記一対の縦溝7は、タイヤ赤道面に対し
て非対称の位置に形成されており、又その溝深さDは、
互いに同一でかつトレッドの全接地巾TWの4〜8%、
例えばタイヤサイズ205/55R15においては7.
5〜15.0mm、より好ましくは8.4mmである。
【0020】さらに中央部9の表面は、タイヤ軸を含む
断面であるタイヤ子午断面において、前記内側の溝底縁
7a、7aから半径方向外側に凸る曲線に沿ってタイヤ
軸方向内方にのびる内側の溝壁面9A、9Aと、これら
内側の溝壁面9A、9A間を滑らかに継ぐ中央接地面域
9Bとからなる一連の凸曲線を用いた中央部表面形状を
具える。
【0021】なお中央接地面域9Bとは、前記中央部9
表面のうち、前記標準状態において正規荷重を付加した
ときに接地するタイヤ軸方向の巾領域をいい、又ショル
ダー部8のショルダ接地面域12とは、ショルダ部表面
のうち正規荷重下で接地するタイヤ軸方向の巾領域をい
う。又前記トレッドの全接地巾TWとは、前記各ショル
ダ接地面域12のタイヤ軸方向外側の外縁e1、e1間
の距離であって、各ショルダー接地面域12の前記外縁
e1と内縁e2との距離によって各ショルダ接地面域1
2のショルダ接地面巾SWが定義される。又ショルダ接
地面域12は、前記内縁e2において、縦溝7の前記外
側の溝底縁7bから立上がる外の溝壁面8Aと交差し、
従って、前記縦溝7は、溝底7Sと内外の溝壁面9A、
8Aとで定義されるとともに、該縦溝7の溝巾GWは、
前記内縁e2とこれに隣り合う側の中央接地面域9Bの
外縁e3との距離で定義される。なお中央接地面域9B
の接地面域巾CWはその外縁e3、e3間の距離で定義
される。
【0022】なお前記溝底縁7a、7bは溝底7Sが本
例のように略平面の時、溝壁面8A、9Aとの間で屈曲
として表れる他、溝底7Sが曲面の時、図3a、図3b
のように溝壁面8A、9Aとの間で屈曲点もしくは変曲
点として表れる。
【0023】そして前記中央部表面形状の前記曲線は、
ショルダ接地面域12、12を延長してこの接地面域間
を滑らかに継ぐ仮想トレッド線10に実質的に接する。
【0024】ここで「実質的に接する」とは、タイヤ赤
道CL上で、中央接地面域9Bと仮想トレッド線10と
の間の距離Lが、全接地巾TWの2%以内であることを
いう。2%以上ではショルダー8部と中央部9の接地圧
の差が大きくなり、グリップ性能が低下し、耐摩耗性を
損なう。従って好ましくは1%以下、より好ましくは
0.5%以下である。
【0025】さらに接地面域間を滑らかに継ぐ仮想トレ
ッド線10とは、ショルダ接地面域12の前記内縁e2
における接線に接してかつこの内縁e2、e2に両端を
有する単一曲率半径の円弧曲線として定義し、前記接線
がほぼ平行なとき、内縁e2、e2間を結ぶ直線状とな
る。
【0026】本発明では、中央部9を前記のごとき曲線
からなる中央部表面形状とすることによって、タイヤ中
央に、曲率半径が比較的小かつタイヤ巾に比しては充分
に巾狭の隆起部を設けることになり、ハイドロプレーニ
ング現象を防いでウエットグリップ性を向上している。
【0027】これは、中央部9の曲率半径、特に中央接
地面域9Aの曲率半径が小の時、両外側への水切り性が
高まりウェット路面での排水効果が向上するためと考え
られる。
【0028】なおショルダ接地面域12の曲率半径R2
も小さくすると、接地面積の減少によるドライ路面での
グリップ性能、及びコーナリング時の操縦安定性能が低
下する。従ってショルダ接地面域12の曲率半径R2は
比較的大きく、好ましくは、全接地巾TWの3倍以上で
あり又その上限は、ショルダ接地面域12がタイヤ軸と
平行な直線に近づくまで許容できる。なお曲率半径R2
の中心はタイヤ赤道面上に配される。
【0029】図1、2には、中央部表面形状を曲率半径
R1の単一の円弧からなる曲線で形成した例を示してい
る。この曲率半径R1は、前記ショルダ接地面域12の
曲率半径R2より充分に小さく、かつ本例ではこの曲線
は、前記仮想トレッド線10に接点Kで内接している。
なお曲率半径R1の中心は、接点Kを通りかつタイヤ赤
道面と平行な中心面KL上に配置され、本例では中心面
KLはタイヤ赤道面と隔たるとともに、中央部表面形状
は、該中心面KLを中心とした対称形状に形成される。
【0030】又曲率半径R1は、全接地巾TWの0.4
〜1.5倍程度、より好ましくは0.45〜0.55倍
程度に設定する。0.4倍より小さいと、前記中央接地
面域巾CWが過小となり、ドライグリップの低下が大き
くなりやすい。1.5倍より大きいと、排水効果が不足
しウエットグリップ性を損なう。
【0031】なおショルダー部8において、前記縦溝7
のタイヤ軸方向外側の溝壁面8Aは、タイヤ半径線Xと
なす角度αを0〜40°、好ましくは5〜25°とした
比較的急峻かつ非円弧の例えば直線とすることが望まし
く、このことによって、接地圧の高いショルダー部8の
前記内縁e2での路面とのエッジ効果が発揮され、横力
を向上しコーナリングパワを高めてドライグリップ性を
維持するのに役立つ。なお外側の溝壁面8Aは、内側の
溝壁面9Aと同様なタイヤ軸方向外側にのびる凸曲線と
することもできる。
【0032】又縦溝7に関して、縦溝7、7の前記溝巾
GWの溝巾総和2GWと、全接地巾TWとの比である総
溝巾比2GW/TWが、コーナリングパワ、ウエットグ
リップ性に影響を与えることが判明した。図1に示す単
一円弧の中央部表面形状を有する同サイズのタイヤと、
図14に示す4本の縦溝G…を有する従来例のタイヤに
おいて、総溝巾比ΣGW/TWを変化させてコーナリン
グパワを測定した結果を図5に示している。総溝巾比
は、実施例については、前記の2GW/TWの値を、従
来例については(ΣGW)/TWの値を用いた。コーナ
リングパワは、各タイヤを正規リムに装着し、正規内圧
を充填し、室内台上ドラム試験機で測定した。従来タイ
ヤに比べて値が大きいことがわかる。これは、前記定義
の総溝巾比を一定とするとき、凸な曲面の溝壁面9Aが
タイヤ横剛性の増加に寄与していると考えられる。
【0033】同様にして、ハイドロプレーニング現象が
発生した速度を測定した結果を図6に示している。従来
タイヤに比べ、実施例は、同一の総溝巾比であっても、
ハイドロプレーニング発生速度が大きく、同現象が発生
しにくいことがわかる。これは、本発明のタイヤの前記
隆起した小巾の中央部9において、凸曲面の溝壁面9A
を具えることが大きく原因し、正規荷重を負荷した時の
接地面形状を示す図7のごとく、接地の際、縦溝7が接
地中心Qの前後で、ラッパ状に広がる拡巾部13を形成
し、排水性を向上する。なお総溝巾比ΣGW/TWが5
0%をこえると、図6に示すごとく、ハイドロプレーニ
ングの抑制効果の向上がほとんど見込まれず、しかもコ
ーナリングパワーが不十分となる。従って、総溝巾比Σ
GW/TWは好ましくは50%以下、より好ましくは4
5%以下である。
【0034】又このように形成される拡巾部13は、縦
溝7内での気柱共鳴の発生をも抑制し前述のごとく、タ
イヤ騒音の低下にも役立つ。
【0035】そしてこの気柱共鳴の抑制効果をより高め
るために、縦溝7の前記溝巾GWを35mm以上、好まし
くは40mm以上とすることが必要である。なお50mm以
上の範囲では前述の効果はほとんど変化しない。
【0036】これは、縦溝7の溝深さを一定とし、溝巾
GWを変化させて通過騒音を測定した図8に示す結果に
よる。図のごとく、通過騒音は、溝巾GWが25mmの時
最大となった後に急激に低下しており、特に35mm以上
において優れた低騒音性を発揮する。
【0037】しかしながら、図5に示すように本願のタ
イヤが高いコーナリングパワーを有するとはいえ、前記
溝巾GWの増加は、接地面積の減少を招き、ドライグリ
ップ性及び操縦安定性を低下する。
【0038】従って本発明ではさらに、優れた前記低騒
音性と耐ハイドロプレーニング性とを維持しながら操縦
安定性及びドライグリップ性をより高めるために、一方
のショルダー部81のショルダ接地面域巾SW1を他方
のショルダー部82のショルダ接地面域巾SW2より大
とした非対称でトレッド面を形成している。これは、巾
広となる一方のショルダー部81を車体外方に向けてタ
イヤを装着することによって、車体外方側のトレッド剛
性が大となり強い横力を発揮でき、操縦安定性、特に旋
回安定性を高めうる。
【0039】又本例では、車体内方に向く前記他方のシ
ョルダ接地面域巾SW2は、全接地巾TWの0.09倍
以上、例えばタイヤサイズ205/55R15において
15mm以上であることが好ましく、0.09倍より小の
時、他方のショルダ接地面域12の接地圧が不均一に増
大し偏摩耗が発生する。
【0040】又本例では、中央接地面域巾CWを前記他
方のショルダ接地面域巾SW2より大とするとともに、
前記一方のショルダ部81に隣接する側となる一方の縦
溝71の溝巾GW1を他方の縦溝72の溝巾GW2より
小としている。これはCW>SW2とし中央接地面域巾
CWを高めることによって、接地の安定性が高まるため
であり、逆にCW≦SW2とした時、特に直進性が低下
しかつこの面域に偏摩耗を誘発しやすい。従って好まし
くは、前記中央接地面域巾CWは他方のショルダ接地面
域巾SW2の1.4〜2.0倍さらに好ましくは1.4
〜1.7倍程度である。又溝巾GW1を溝巾GW2以上
とした時、中央部9がタイヤ赤道CLの車体内方側によ
りすぎることとなり、横力が減じかつ非対称性が過大と
なるなど操縦安定性が低下するという阻害を招きやす
い。
【0041】なおドライグリップ性、耐摩耗性、操縦安
定性などの維持のために、前記中央接地面域巾CWは、
好ましくは、全接地巾TWの5〜40%程度、より好ま
しくは15〜35%とする。さらに前記内の溝底縁7
a、7aの距離である中央部9の巾9Wは、全接地巾T
Wの40〜55%程度とするのがよい。
【0042】又本例では、前記中央部9の中心面KL
を、タイヤ赤道面から隔てて配設しているが、図9に示
すように、中心面KLをタイヤ赤道面と一致させ、左右
の溝巾GW1、GW2を違えることによって、一方の接
地面域巾SW1を他方の接地面域巾SW2より大として
もよい。
【0043】なお図10に示すように、中央部表面形状
を、楕円形状、もしくは楕円に近似される曲線で形成す
ることもできる。
【0044】また、図11には、前記中央部表面形状の
うち、前記溝壁面9Aと中央接地面9Bとが異なる曲率
半径R3、R4の円弧で形成された場合を示す。曲率半
径R3は、中央接地面9Bの曲率半径R4及びショルダ
ー部8の接地面域12の曲率半径R2より夫々小さく、
好ましくは、その下限は、全接地巾TWの5%以上であ
る。5%未満では、排水効果が不足しやすい。又上限
は、前記曲率半径R4と一致する値であり、このとき中
央部表面形状は単一円弧となる。又曲率半径R4は、曲
率半径R2にウエットグリップ性を損なわない程度に近
づけ実質的に同一とすることもできる。
【0045】さらに左右の溝壁面9A、9Aにおいて、
車体外方に臨む側の一方の溝壁面9Aの曲率半径R3を
他方より大とし、外部への放射音を低下するのもよい。
【0046】又本例では、図4に示すように、前記中央
部9に、放熱用の縦ラジエーション溝20を少なくとも
含むラジエーション溝21を形成する
【0047】該ラジエーション溝21は、本例では、前
記縦ラジエーション溝20と、横ラジエーション溝22
とからなり、この縦ラジエーション溝20は、前記中心
面KL上を通って実質的に円周方向に連続してのびる1
本の本例では直線状の細溝として形成される。又縦ラジ
エーション溝20は、その溝深さD1を、前記縦溝7の
溝深さDの0.4〜0.9倍、しかもその溝巾W1を5
mm以下とすることにより、ブロック剛性を維持しつつ必
要な放熱効果を発揮させる。なお溝巾W1が5mmより大
の時、及び溝深さD1が溝深さDの0.9倍より大の
時、気柱共鳴が発生しタイヤノイズを悪化する。又溝深
さD1が溝深さDの0.4倍より小の時、放熱効果が不
十分となる。
【0048】又前記横ラジエーション溝22は、前記縦
ラジエーション溝20から隔たる内端の位置から、タイ
ヤ軸方向に対して10度以上の傾斜角度θを有してタイ
ヤ軸方向外方に向かってのびるとともに、その外端は、
前記縦溝7内で開口する。
【0049】このように、横ラジエーション溝22は、
前記縦ラジエーション溝20と離間しているために、前
記中央部9の必要な剛性を維持でき、操縦安定性を確保
する。
【0050】又横ラジエーション溝22は、同様にその
溝深さD2が前記溝深さDの0.4〜0.9倍であっ
て、前記溝深さD2が溝深さDの0.9倍より大の時及
び前記傾斜角度θが10度より小の時、横ラジエーショ
ン溝22のピッチ音が過大となる。又溝深さD2が溝深
さDの0.4倍より小の時、満足な放熱効果が期待でき
ない。
【0051】又前記縦ラジエーション溝20及び横ラジ
エーション溝22は夫々、各溝20、22における溝壁
面とトレッド面上の法線とがなす角、すなわち溝壁面の
傾斜勾配が15度以下、より好ましくは5度以下であっ
て、このことによって、タイヤ摩耗に原因するラジエー
ション溝21の寸法変化を抑制している。
【0052】又本例では、さらに前記ショルダ部8にシ
ョルダー溝23を形成している。ショルダー溝23は、
内端が前記縦溝7内で開口しかつ外端がトレッド端で開
口するラグ溝であって、前記縦溝7内で開口することに
よって放熱効果がよりいっそう高まりショルダ溝8の温
度上昇を大巾に抑制するとともに、排水性を向上させ
る。
【0053】又通常タイヤの横溝の円周方向の平均ピッ
チ長さは、30mm程度であって、例えば速度60km/h
における一次周波数が500〜600Hzとなって、図1
2に示すように、前記隆起状の中央部9を有するトレッ
ドプロファイルのタイヤにおけるノイズピークの周波数
と一致する。従って、本例では、横ラジエーション溝2
2の平均ピッチ長さP1及びショルダー溝23の平均ピ
ッチ長さP2を夫々40mm以上に設定し、各溝22、2
3のピッチ一次周波数を前記ノイズピークと異ならせる
ことが好ましい。
【0054】なお図13に示すように、前記縦ラジエー
ション溝20は、ジグザグ状に形成することができ、又
縦溝7の外側の溝壁面8Aも同様に、ジグザグ面で形成
してもよい。
【0055】
【具体例】タイヤサイズ255/40ZR17のタイヤ
を表1の諸元により製作し、通過騒音、ハイドロプレー
ニング発生速度、直進安定性、旋回安定性、及び耐摩耗
性を夫々測定しかつ比較しその結果を同表に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤは、叙上の如く
構成しているため、ドライグリップ性能を損なうことな
くウエットグリップ性能を向上しかつ気柱共鳴によるタ
イヤ騒音を低減しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】その中央部表面形状を拡大して示す断面図であ
る。
【図3】a、bは縦溝、溝底の他の例を示す略断面図で
ある。
【図4】トレッドパターンの一例を表す部分平面図であ
る。
【図5】総溝巾比とコーナリングパワとの関係を示す線
図である。
【図6】総溝巾比とハイドロプレーニング発生速度との
関係を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施例のタイヤの接地面形状を模式
的に示す平面図である。
【図8】騒音試験の結果を示す線図である。
【図9】中央部表面形状の他の例を示すタイヤの断面図
である。
【図10】中央部表面形状のさらに他の例を示すタイヤ
の断面図である。
【図11】中央部表面形状のさらに他の例を示すタイヤ
の断面図である。
【図12】本発明のトレッドプロファイルにおけるタイ
ヤノイズの周波数分析の結果を示す線図である。
【図13】縦ラジエーション溝及び縦溝の他の例を示す
トレッドパターンの部分平面図である。
【図14】従来タイヤのトレッド部断面図である。
【符号の説明】
7、71、72 縦溝 7a 内側の溝底縁 7b 外側の溝底縁 8、81、82 ショルダー部 9 中央部 9A 内側溝壁面 9B 中央接地面 10 ショルダ接地面域間の仮想トレッド線 CL タイヤ赤道 T トレッド部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部に実質的に円周方向に連続して
    延びるタイヤ赤道両側の2本の縦溝を設けることによっ
    て、トレッド部を縦溝のタイヤ軸方向外側の溝底縁より
    も外側の一対のショルダー部と縦溝のタイヤ軸方向内側
    の溝底縁間の中央部とに区分した空気入りタイヤであっ
    て、前記中央部は、タイヤ子午断面において、前記内側
    の溝底縁から半径方向外側に凸の曲線でタイヤ軸方向内
    側にのびる内側の溝壁面とこの内側の溝壁面間を滑らか
    に継ぐ中央接地面域とからなる一連の曲線を用いた中央
    部表面形状を具え、しかも該中央部表面形状は、前記シ
    ョルダー部の接地面域間を継ぐ仮想トレッド線に実質的
    に接するとともに、一方のショルダー部の接地面域のタ
    イヤ軸方向の接地面域巾SW1は他方のショルダー部の
    接地面域の接地面域巾SW2より大、しかも前記一方の
    ショルダー部の接地面域のタイヤ軸方向内側の内縁とこ
    れに隣り合う側の中央接地面域の外縁との間のタイヤ軸
    方向の距離である一方の縦溝の溝巾GW1を35mm以
    上、かつ前記他方の縦溝の溝巾GW2を35mm以上とし
    たことを特徴とした空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記一方の縦溝の溝巾GW1は、他方の縦
    溝の溝巾GW2より小としたことを特徴とした請求項1
    記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記他方のショルダー部の接地面域巾SW
    2は、前記中央接地面域の中央接地面域巾CWより小と
    したことを特徴とした請求項1記載の空気入りタイヤ。
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JP2010111319A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ

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