JPH0723246A - 画像処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 適用される特定の変換特性を認識することな
く、画像データを変換処理することができる画像処理装
置を提供する。 【構成】 Ｎ対Ｍ次元変換を表すルックアップ・テーブ
ル(LUT)のような変換表示データ構造のセットの各要素
が、画像処理装置に搭載されているか、または、そこに
アクセスできるようになっている蓄積手段102 に圧縮形
態で蓄積されている。変換表示データ構造は、例えば、
画像処理装置によって処理される画像データに選択的に
組み込まれる(104) 。圧縮変換表示データが組み込まれ
ている画像データ(175) は、圧縮解除された変換表示デ
ータによって表される変換を分離し、圧縮解除し、それ
を画像データを圧縮解除されたバージョンに適用するよ
うに動作する方法と機器を用いて、処理される。その結
果、画像データは、予め画像データに組み込まれていた
情報により特定される変換に従って、変換される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般的に、例えば、プ
リンタ、スキャナ、カメラ、ディジタイザ、フィルム・
ライタ(writer)、フォトCDプレーヤ、汎用ワークステー
ション、および類似の装置のような画像処理装置、およ
び、ＮとＭは各々１以上の整数であるとして、１つまた
は複数のＮ対Ｍ次元変換を用いて画像データを処理する
複数の画像処理装置を搭載した画像処理システムに一般
的に関する。

【０００２】更に特に、本発明は、蓄積されていた上述
の変換の圧縮されたルックアップ・テーブル(LUT)表示
(compressed look-up table representation) （または
代わりに、他のタイプの圧縮された変換表示データcomp
ressed transforms representative data ）を画像デー
タに組み込む(attach)画像処理装置とシステム、およ
び、組み込まれた圧縮された変換表示データを含む画像
データを処理することができる画像処理装置とシステム
に関する。

【０００３】本発明の原理を説明する過程で、更に一般
的な用語“変換表示データ”が、圧縮された“変換表示
ルックアップ・テーブル”(LUTs) に対する更に特別の
引用に相対するものとして時々用いられる。引用がルッ
クアップ・テーブルに加えられる時は、常に“変換表示
データ”の更に一般的な概念に対する引用が意図されて
いることとなる。

【０００４】本発明の１つの特色によれば、LUTのセッ
トの各LUT（ここで各LUTは入力データに適用されるＮ対
Ｍ次元変換を表している）は、画像処理装置またはシス
テムに搭載されている、または、そこにアクセスできる
蓄積手段に、圧縮された形態で蓄積される。次に、各蓄
積された圧縮LUT(compressed LUT)は、本発明の１つの
実施例によれば、画像処理装置またはシステムによって
処理される画像データに、選択的に組み込まれる（追加
される）。

【０００５】本発明の更なる特色によれば、組み込まれ
た圧縮変換表示データ（上述の圧縮変換表示LUTの中の
１つのような）を含む画像データは、(a) 圧縮LUTを画
像データから分離し(detach)、(b) 分離されたLUTを圧
縮解除し(decompress)（画像データを処理するために用
いられる変換処理手段に圧縮解除された形態で使用でき
ない場合）、(c) 画像データを圧縮解除し（圧縮形態で
画像処理装置またはシステムに送られている場合）、お
よび、 (d)圧縮解除されたLUTによって表示された変換
を、上述の変換処理手段を用いて、画像データの圧縮を
解除されたバージョンに適用する、ように動作する方法
および機器を用いて処理されることができる。上述した
プロセスの結果として、変換処理手段は、画像データに
既に組み込まれている圧縮LUTによって表示される変換
に従って変換された画像データを、出力として使用する
ことができる。

【０００６】

【従来の技術】周知の方法および機器としては、画像プ
ロセッサを用いて、画像の或るデータ表示を、画像処理
装置とシステムの内部の画像の別の表示に変換するもの
がある。画像プロセッサによって入力画像データに適用
される変換の１つの種類が、ＮとＭが２以上あるいは１
に等しい整数であるとして、“Ｎ対Ｍ次元の”変換とし
てここで引用されている。

【０００７】ＮとＭが共に１に等しい時に、変換は“１
次元”と呼ばれる。１次元変換の例として、単色画像の
単純な色調の再マッピング(remapping) がある。そうで
ない場合には、変換は“多次元”として従来の技術に引
用されている。多次元変換の例として、カラー画像を１
つのカラー表示から或る他の表示に変更するマッピング
(mapping) がある。

【０００８】例示だけのために供される多次元変換の特
別な例として、赤色、緑色、青色(RGB)の３色空間表示
(space representation)の画像データから、同じ画像デ
ータのシアン、マゼンタ、黄色、黒色(CMYK)の４色空間
へのマッピングがある。この変換の場合、Ｎは３に、Ｍ
は４に等しくなる。多次元変換の他の例としては、それ
らが適用される特定の装置環境の表示とともに、入力ス
キャナから赤色、緑色、青色(RGB)の応答信号を受け取
り、そのデータをCIE三刺激値(XYZ)に変更する変換と、
CIELAB画像データを出力プリンタへのシアン、マゼン
タ、黄色、黒色(CMYK)のドライブ信号に変更する変換と
がある。

【０００９】上述のＮ対Ｍ次元の変換がルックアップ・
テーブル(LUTs) を用いて実現されることは、当業者に
周知のことである。例えば、画像プロセッサは、選択さ
れたLUTの内容に上述の方法（例えば、画像処理装置ま
たはシステムに対する画像データ入力をLUTのインデッ
クスとして用いる）でアクセスし、LUTに蓄積されてい
る値を出力して効果的に所望のデータ変換を実行するこ
とができる。

【００１０】多くの画像処理装置とシステムは、データ
圧縮技術を用いてメモリへの要求を低減し、プロセスの
スループットを増大することも知られている。しかし、
このような装置とシステムに用いられているデータ圧縮
技術は、一般的に、所望のデータ変換プロセスを実行す
るために用いられるLUTでなく、処理される実際のデー
タ（例えば、入力画像データそのもの）に対してだけ適
用される。

【００１１】他の周知の画像処理装置とシステムの場
合、データ圧縮技術は、本質的に画像処理と関係のない
目的のために用いられてきた。１例として、日本国特許
第61-090575 号の Yamashita によって教示されている
ビデオ信号プロセッサがあり、そこでは、データ圧縮は
LUT変更プロセスを実行するために用いられている。199
2年12月31日に提出され、本発明と同じ譲受人に譲渡さ
れた“Ｎ対Ｍ次元の変換の蓄積されている圧縮ルックア
ップ・テーブル(LUT)表示を用いて画像データを処理す
るための方法と機器”という名称の同時係属米国特許出
願の場合、方法と機器は、画像処理のために蓄積されて
いる圧縮されたＮ対Ｍ次元の変換表示LUTを用いるよう
に説明されている。

【００１２】ここに引用によって組み入れられるこの同
時係属出願は、変換プロセッサがアクセスできるメモリ
に蓄積されている与えられた圧縮LUTによって表示され
る変換を選択的に圧縮解除し、そして、処理される画像
データに適用することによって、（例えば）装置較正機
能、異なる装置によって認識される画像データ空間間の
変換などを実行するための蓄積された圧縮LUTの活用を
教示している。

【００１３】上述の組み入れられた特許出願に述べられ
ている教示を除いて、Ｎ対Ｍ次元変換のLUT表示を使用
する全ての周知の画像処理装置とシステムは、LUTを非
圧縮形態で蓄積している。その結果、蓄積されることが
できるLUTの数は、画像処理装置またはシステムが依存
するメモリの制約条件に左右されることになる。組み入
れられた特許出願は、この問題を解決し、なおかつ、他
の特徴によって、広範囲にわたる“後段の(follow-on)
”デバイス（異なるタイプの出力プリンタ、ディスプ
レイ装置などのような）が、その変換を実行する画像処
理装置またはシステムによって、サポートされることを
可能にする。

【００１４】しかし、その組み入れられた出願は、蓄積
されている圧縮LUTを画像データに選択的に組み込むた
め、および／または、例えば、装置較正、画像データ空
間変換などのように、画像処理のために、そこに組み込
まれている圧縮された変換表示データを用いて、画像デ
ータ（圧縮または非圧縮であるかどうかにかかわらず）
を活用することを可能にするための方法と機器を、記述
してはいない。

【００１５】例えば、組み込まれた“変換”を含む画像
データ・ファイルは作成されてパッケージとして別の画
像処理装置またはシステムに送られることができるの
で、蓄積されている圧縮LUTを画像データに選択的に組
み込む方法と機器を提供することが可能となることが望
まれている。他の装置またはシステムは、ファイル中の
画像データに適用されるように、変換を分離し、かつ、
再構築することを可能にする必要があると思われる。従
って、変換表示データを圧縮するために用いられるプロ
セスだけが、目標とする装置またはシステムによって、
知られる必要があり、変換に関する更なる情報は本質的
に知られ、あるいは、蓄積される必要はないと思われ
る。

【００１６】蓄積されている圧縮LUTを画像データに選
択的に組み込む機能が与えられると、圧縮変換表示デー
タがそこに組み込まれている画像データを上述のような
画像処理のために活用することを可能とする方法と機器
を提供できることが明らかに望まれていると思われる。
上述の組み入れられた特許出願（そこに引用されている
従来の技術を含めて）と前述のYamashitaの特許に加え
て、他に最近発行された特許は、変換表示LUTおよび／
またはデータ圧縮技術を画像処理のために使用するイメ
ージングシステムの関連する技術の状態を例示してい
る。

【００１７】これらは、Juday 他の米国特許第5,067,01
9号、Music 他の米国特許第4,914,508号、Tsai 他の米
国特許第4,797,729号、Walowit 他の米国特許第4,941,0
38号、Kawamura の日本国特許第63-164574号、Murakami
の日本国特許第2-237269号、Yamashita の日本国特許
第1-51889号、Otaの日本国特許第1-161993号、Watanabe
の日本国特許第2-262785号を含んでいる。

【００１８】Juday 他の米国特許第5,067,019 号は、リ
アルタイム・ビデオ画像を画素(pixel) のマトリクスの
形態で受けて、そして、複数のマッピング機能の中から
選択可能な１つに従って、画素の出力マトリクスを作成
するために、このような画像を再マッピングするマシン
に関している。入力画像を或る調整システムから別のシ
ステムに再マッピングするために、１つのセットのルッ
クアップ・テーブルが、特定の変換を実行するために必
要なデータに対して用いられている。しかし、ルックア
ップ・テーブルは圧縮形態で蓄積されておず、それらは
圧縮形態で画像データにも組み込まれていない。

【００１９】Music 他の米国特許第4,914,508 号は、カ
ラー・ビデオ・データを統計的にエンコードする方法と
システムに関している。このシステムの場合、ピクチャ
ー・フレームのカラー成分は、エンコードされ、圧縮さ
れて、ルックアップ・テーブルに蓄積されている。LUT
そのものは圧縮されず、そのLUTは、圧縮されて、表示
された変換が適用される画像処理システムに使用できる
Ｎ対Ｍ次元変換表示データから構成されてもいない。更
に、Music 他によって説明されているLUTは、圧縮形態
で画像データに組み込まれていない。

【００２０】Tsai 他の米国特許第4,797,729 号は、デ
ジタル化されたカラー画像信号をリアルタイムでブロッ
クトランケーション(block truncation)コードを用いて
圧縮するシステムと方法を説明している。しかし、やは
り、データ信号だけが圧縮されており、変換表示LUTで
ない。更に、いずれかの目的のために画像データに組み
込まれている圧縮変換表示LUTの教示はない。

【００２１】中間カラー空間を用いて、入力RGBカラー
・データを出力CMYカラー・データに変更するカラー画
像データを処理する方法を説明する Walowit の米国特
許第4,941,038号、LUTを用いてエンコードされたカラー
画像データをデコードするデコード・システムに関する
Kawamura の日本国特許第63-164574号、カラー・ピク
チャーを蓄積するための高効率圧縮記録表示システムに
関する Murakami の日本国特許第2-237269号、データ圧
縮技術を用いるビデオ信号プロセッサを説明するYamash
ita の日本国特許第1-51889号、カラー・情報のための
コーディング・システムに関する Ota の日本国特許第1
-161993号、そして、Watanabe の日本国特許第2-262785
号、これらは全て、画像データを処理するために、デ
ータ圧縮技術および／またはルックアップ・テーブルの
活用を必要としている。

【００２２】やはり、しかし、上述の特許は何れも、圧
縮されたＮ対Ｍ次元の変換表示LUT（または他に圧縮さ
れた変換表示データ構造）を画像データに任意の目的の
ために組み込むことを教示しておらず、なおかつ、そこ
に組み込まれている圧縮された変換表示データ構造を含
む画像データ・ファイルのいずれかのタイプの活用につ
いて殆ど教示していない。

【００２３】組み入れられた特許出願に述べられている
ように、単色画像の単純な色調の再マッピングとカラー
画像を１つのカラー表示から或る他の表示に変更する
（上述したように）ことを実行するために用いられるほ
かに、Ｎ対Ｍ次元の変換を表示するLUTは、カラー較正
入力と出力装置のために、且つ、カラー指向であるかど
うかにかかわらず、画像データを或る表示から別の表示
に一般的に変更するために用いられることができる。

【００２４】背景だけのために、更に広く用いられてい
る機能的なカラー変換の一部が、 R.W.G. Hunt著“Meas
uring Colour”（John Wiley and Sons 発行、197-198
頁）によって、なおかつ、F.W. Billmeyer, Jr and M.
Saltzman著“Priciple of Color Technology”（John W
iley and Sons 発行、 81-110 頁）によって、説明され
ていることに注目されるべきである。

【００２５】本質的に本発明の一部を構成するものでは
ないが、画像処理のために現在用いられている幾つかの
データ圧縮技術と共に、変換表示LUTを生成する方法が
完全にするために簡単にここで説明される。多次元カラ
ー較正テーブルを作成する方法は、 H. J. Trussell 著
“Application of Set Theoretic Method To Color Sys
tem ”（Color Research and Applicationション、Vol.
16, No.1, 1991年2月発行、第 31-41 頁）、および、W.
F.Schreiber（米国特許第4,500,919号）と P. C. Pugs
ley（米国特許第4,307,249号）との教示から例示されて
いるように、当業者に周知のことである。

【００２６】これらの引用によれば、ルックアップ・テ
ーブルは、周知のデバイス・カラーによりカラー・パッ
チ(color patches) から測定された視覚上のカラー応答
(visual color response) を用いて、作成されることが
できる。そこで、与えられたデバイスの出力においてカ
ラー応答を再現するために、デバイス・カラーに対して
視覚上のカラー応答をマッピングすることが、ルックア
ップ・テーブルを用いて、実現される。

【００２７】多種多様な画像処理アプリケーションをサ
ポートするために従来の技術においては周知である基本
的なデータ圧縮技術に関して、このような技術は、定量
化とエンコードの前にデータ変換から成る結合プロセス
として、（背景だけのために一般的な条件で）最も効果
的に説明されると思われる。データ変換は、新しくて更
にコンパクトなデータ表示とするためにデータを前処理
する。

【００２８】前処理されたデータは、例えば、J. R. Su
llivan の米国特許第 4,885,636号により、また、 T.
J. Lynch 著“Data Compression Techniques and Appli
cations”(Van Nostrand Reinhold 発行) により教示さ
れているように量子化され、そして、例えば、無損失エ
ンコード技術(lossless encoding techniques)（D. A.
Huffman 著“A Method for the Construction of Minim
um Redundancy Codes”(the Proceedings of the IRE,
Vol.40, 1098-01101 頁) およびLempel著“AUniversal
Algorithm for Sequential Data Compression ”(IEEE
TransactionOn Information Theory, Vol.IT-23(3), 33
7-343頁) に教示されているように）、演算コーディン
グ(arithmetic coding) （the IBM Journal of Researc
h andDebelopment, Vol.32(6),715-840の記事“Q-Coder
”により教示されているように）、および、他の所望
のエンコード・アルゴリズムを用いてエンコードされる
ことができる。

【００２９】上述のように、組み入れられた特許出願に
述べられている教示を除いて、画像処理機能に応用され
ている既知のデータ圧縮技術は、入力画像データを圧縮
または非圧縮形態で処理する際に使用するために蓄積さ
れている変換表示LUTでなく、基本的に画像データを圧
縮するためにのみ用いられてきた。差動型(differetia
l) パルス・コード変調(DPCM)と離散(discrete)コサイ
ン変換(DCT)のような、周知の圧縮方式は、ルックアッ
プ・テーブルにより記述されたＮ対Ｍ次元の空間を広げ
るために容易に拡張されることができる。１例として、
カラー変換テーブルの相互関連し、かつ、滑らかに変動
する特性のために、予測できて、かつ、補間できる技術
は、このようなルックアップ・テーブル・データをコン
パクトな表示に変換する上で、効果的である。しかし、
本発明の精神または範囲を逸脱せずに、代替技術がコン
パクトなLUTを構築するために用いられることが可能で
ある。

【００３０】変換表示LUTを圧縮するために用いられる
特殊な技術は、変換データの特性に依存して、例えば、
階層的か、無損失か、あるいは、損失のある(lossy) 圧
縮技術を含んでいる。階層的な方式は、 LUT の多重分
解的な再構成(multi-resolution reconstruction) を可
能にすると思われる。無損失の技術は、いかなる数字的
な損失も導くことなく、較正データを圧縮するために用
いられる。しかし、変換データが、色差の視覚上の精度
に関して、本来ノイズ性(noisy) であるか、あるいは、
過剰に特定化される(over specified)ような、或る数字
的な損失が許容される状況があると思われる。これらの
状況においては、損失のある圧縮方法が、圧縮比を増大
できる長所を備えているので、使用するにはに最適であ
ると思われる。

【００３１】

【発明が解決しようとする課題】技術の状態と上述した
他の理由を考慮して、画像処理装置またはシステムに使
用できるメモリに蓄積された画像データに、圧縮変換表
示データ（圧縮された変換表示LUTのような）を選択的
に組み込むことができる方法と機器（画像処理装置とシ
ステム）を提供することが望まれていると思われる。

【００３２】蓄積された圧縮変換表示データを画像デー
タに組み込む方法および機器が提供されると、組み込み
プロセスの産物、すなわち圧縮変換表示データが組み込
まれている画像データを、利用することを可能とする方
法と機器を提供することが明らかに望まれていると思わ
れる。特に、例えば、装置の較正および／または画像デ
ータ変換機能のような画像処理のために、圧縮変換表示
データが組み込まれている画像データを利用可能である
ことを可能とする方法と機器を提供することが望まれて
いると思われる。

【００３３】特に更に、上述の組み込みと利用機能の両
方を実行することができる方法と機器を提供することが
望まれていると思われる。なお更に、与えられた画像処
理装置またはシステムに存在しない圧縮変換表示データ
構造の使用をサポートする方法と機器を提供することも
望まれていると思われる。目標とする装置が送られてき
た画像データが組み込まれている圧縮変換表示データを
含んでいることを認識できる限り、その目標とする装置
が（所望の変換を適用することを可能とするために）実
行するために必要があると思われることは、画像データ
と共に送られる変換表示データを分離し、圧縮解除し、
そして、それにより特定化された変換を適用することで
ある。

【００３４】圧縮変換表示データを画像データに組み込
むことによって、基本的に変換の特性を知る必要なし
に、変換表示データを圧縮するために用いられるエンコ
ード方式だけを把握していれば、画像データを（組み込
まれている圧縮変換表示データを用いて）遠隔的に処理
できるという柔軟性が加えられる。上述の望まれている
方法と機器は、圧縮変換表示データが用いられる装置と
システムに於けるメモリ節約の可能性を提供するだけで
なく、最初の画像処理装置またはシステムによって、多
くのユーザに特定化された変換の中の１つが画像データ
に組み込まれて、他の画像処理装置またはシステムによ
って用いられることを可能にするという柔軟性をも与え
ることとなる。

【００３５】従って、例えば、入力装置（スキャナのよ
うな）は装置そのものの中に蓄積されている複数の圧縮
されたカラー較正テーブルを備えていて、各々は画像デ
ータが送られる複数の画像再現装置の１つに関連してい
る。これらのテーブルの１つは、本発明の教示によれ
ば、例えば、画像データが送られる特定の画像再現装置
へのユーザの知識に基づいて走査される画像に対して、
ユーザによって選択されて組み込まれる。そこで、画像
再現装置は、画像データに組み込まれている較正テーブ
ルを圧縮解除して、意図された装置較正機能を実行する
こととなる。

【００３６】

【課題を解決するための手段】従って、画像処理装置ま
たはシステムに使用できるメモリに蓄積されている圧縮
変換表示データ（圧縮変換表示LUTのような）を画像デ
ータに選択的に組み込むための方法と機器を提供するこ
とが、本発明の主な目的である。上述の組み込みプロセ
スの産物、すなわち、画像処理機能を実行するために、
圧縮変換表示データが組み込まれている画像データを、
使用すことを可能とする方法と機器を提供することが、
本発明の更なる主な目的である。

【００３７】特に、装置の較正および／または画像デー
タ変換機能を実行するために、上述の方法と機器を使用
する画像処理装置とシステムを提供することが、本発明
の目的である。更に、適用される特定の変換特性を認識
する必要なしに、画像処理装置とシステムが組み込まれ
ている圧縮変換表示データを含む画像データを処理する
ことを可能にする方法と機器を提供することが本発明の
目的である。この特徴は、“非依存性変換(transform i
ndependent) ”画像処理として以降時々引用され、画像
処理装置またはシステムが処理されるべき画像データに
組み込まれている圧縮変換表示データを最初に作成する
ために用いられる圧縮方式の知識を持つことだけを要求
している。

【００３８】本発明の別の目的は、上述した目的に引用
された上述の組み込みおよび活用機能を共に実行するこ
とを可能とする方法と機器を提供することである。更に
特に、本発明の目的は、与えられた画像処理装置または
システムに存在しない圧縮変換表示データ構造の使用を
サポートする方法と機器を提供することである。

【００３９】更に本発明の別の目的は、最初の画像処理
装置またはシステムによって、選択された圧縮変換表示
データ構造が画像データに組み込まれて、他の画像処理
装置またはシステムによって用いられることを可能にす
る方法と機器を供給することである。本発明の更に別の
目的は、蓄積されて圧縮され、および／または、組み込
まれて圧縮された変換表示データを画像処理のために活
用することによって、メモリ資源を節約して用いる画像
データを処理するための方法と機器を提供することであ
る。

【００４０】なお更に、本発明の目的は、既存の画像処
理装置とシステムに容易に一体化されて、圧縮されたＮ
対Ｍ次元変換が、蓄積され、画像データに選択的に組み
込まれて、そして、ここに示されている種々の代表的な
（且つ他の）用途のために、画像データを処理するため
に活用されることを可能にする方法と機器を提供するこ
とである。

【００４１】本発明の１つの特色によれば、LUTのセッ
トの各LUT（ここで各LUTは入力データに適用されるＮ対
Ｍ次元変換を表している）は、画像処理装置またはシス
テムに搭載されている、または、そこにアクセスできる
蓄積手段に、圧縮された形態で蓄積される。次に、各蓄
積された圧縮LUT(compressed LUT)は、本発明の１つの
実施例によれば、画像処理装置またはシステムによって
処理される画像データに、選択的に組み込まれる（追加
される）。

【００４２】本発明の更なる特色によれば、組み込まれ
た圧縮変換表示データ（上述の圧縮変換表示LUTの中の
１つのような）を含む画像データは、(a) 圧縮LUTを画
像データから分離し(detach)、(b) 分離されたLUTを圧
縮解除し(decompress)（画像データを処理するために用
いられる変換処理手段に圧縮解除された形態で使用でき
ない場合）、(c) 画像データを圧縮解除し（圧縮形態で
画像処理装置またはシステムに送られている場合）、お
よび、 (d) 圧縮解除されたLUTによって表示された変換
を、上述の変換処理手段を用いて、画像データの圧縮を
解除されたバージョンに適用する、ように動作する方法
と機器を用いて処理されることができる。

【００４３】上述したプロセスの結果として、変換処理
手段は、画像データに既に組み込まれている圧縮LUTに
よって表示される変換に従って変換された画像データ
を、出力として使用することができる。本発明により意
図される機器の特に好適な実施態様は、画像処理装置に
付随するメモリ手段に蓄積されている圧縮されたＮ対Ｍ
次元変換表示データを画像処理装置の画像データ入力に
組み込む画像処理装置であって、(a) 画像データを入力
する手段と、 (b) 圧縮されたＮ対Ｍ次元変換表示デー
タを画像データに組み込む手段を備えた画像処理装置で
ある。

【００４４】本発明の代替実施態様においては、画像処
理装置に関連するメモリ手段が圧縮されたＮ対Ｍ次元変
換表示データを蓄積するために用いられ、そして、基本
的に画像処理装置の部品として含まれると思われる。本
発明により意図される画像処理装置が、それに関連する
蓄積手段において、複数のＮ対Ｍ次元の圧縮変換表示デ
ータ構造を含んでいる時には、必ず、本装置は、与えら
れた圧縮変換表示データ構造が、前記の画像データへの
組み込みのための蓄積手段から（ユーザによって、ある
いは、自動的に）選択されることを可能にするための手
段をも備えている。

【００４５】本発明により意図される機器の別の特に好
適な実施態様は、組み込まれた圧縮変換表示データ（予
め選択された変換を示す）を含んでいる画像データに予
め選択された変換を適用するための画像処理装置であっ
て、(a) 圧縮変換表示データを画像データから分離する
手段と、(b) 圧縮変換表示データを圧縮解除する手段
と、(c) 圧縮解除された変換表示データによって表され
ている予め選択された変換を画像処理装置の画像データ
入力に適用する手段とを具備している画像処理装置であ
る。

【００４６】本発明の更なる別の実施態様は、画像デー
タが圧縮された形態で供される時に、必ず、画像データ
そのものを圧縮解除する手段を備えるように設計されて
いる。本発明は、また、ここで説明される機器の種々の
実施態様の機能を実行するために用いられる対応する方
法にも関している。

【００４７】例えば、本発明により意図される１つの方
法は、(a) 画像データを画像処理装置に入力するステッ
プと、(b) その画像処理装置に関連するメモリ手段に蓄
積されている圧縮されたＮ対Ｍ次元変換表示データを画
像データに組み込むステップとを含んでいる。圧縮変換
表示データを組み込まれた画像データを受け取る装置に
おいて実行されるように意図しつつ、本発明により意図
された方法の別の例は、(a) 圧縮変換表示データを画像
データから分離するステップと、(b) 圧縮変換表示デー
タを圧縮解除するステップと、(c) 圧縮解除された変換
表示データによって表される予め選択された変換を画像
処理装置の画像データ入力に適用するステップとを含ん
でいる。

【００４８】本発明は、例えば、上述の組み込みと活用
機能を共に実行することができて、なおかつ、上述の他
の目的をも実現する装置およびシステムをも包含してい
る。本発明の範囲に属する方法および機器に対する唯一
の限定事項は、特許請求の範囲に明記されている。本発
明の原理的な特色は圧縮形態で或るタイプの蓄積装置に
蓄積されているＮ対Ｍ次元変換表示データ構造（特に、
LUT）を活用する方法および機器を提供することにある
が、これらの構造を圧縮するために用いられる技術は、
与えられた圧縮データ構造を圧縮解除がその構造が最初
にいかに圧縮されたかに関する情報を要求する場合を除
いて（上述したように）、基本的に本発明の一部とはな
らない。

【００４９】上述のように、多くの異なる周知の圧縮技
術が、例えば、LUTを圧縮し、なおかつ、オフラインで
実行される本発明の目的のために仮定される階層的で、
無損失で、損失のある技術を含むために、用いられる。
本発明は、既存の画像処理装置とシステムに容易に一体
化されて、圧縮されたＮ対Ｍ次元変換が、蓄積され、画
像データに選択的に組み込まれ、かつ、幾つかは例を用
いて今まで述べられてきた種々の用途のために画像デー
タを処理するために用いられることを可能とする方法お
よび機器を提供することを特徴にしている。

【００５０】本発明は、広範囲の画像処理装置およびシ
ステムにおいて、“非依存性変換”画像処理（上述のよ
うな）を実行する機能をも特徴にしている。この特徴
は、“非存在(non-resident)”圧縮変換表示データ構造
が本発明により意図される画像処理装置およびシステム
によって用いられることを可能にする。本発明のこれら
の目的と他の目的、実施態様および特徴およびそれらを
得る方法は、当業者にとって明らかとなり、また、本発
明そのものは、添付図面と共に次に示す詳細な説明を参
照することによって、最も効果的に理解されると思われ
る。

【００５１】

【実施例】ここで、本発明の１つの特色から考えられる
代表的な画像処理装置100のコンポーネントを示す（プ
ロセス・フローチャートとしての役割もする装置ブロッ
ク図の形態で）図１を参照することとする。画像処理装
置100は、図１に図示されているように、画像データに
組み込むために描かれているＱ個の圧縮変換表示LUTの
任意の１つを選択するために用いられる。圧縮変換表示
LUTが組み込まれた画像データは、蓄積され、更に処理
されるか、または、図２に図示されている画像処理装置
200のような画像処理装置100に結合される後段の装置に
用いられる。

【００５２】図２に図示されている画像処理装置200
は、画像処理装置100と共に単一のシステムの一部とし
て機能するか、または、完全に独立した装置として機能
する。何れの場合でも、画像処理装置200は、図１を参
照して例示され且つ説明されるものを超えて、本発明の
幾つかの教示を実現するために用いられ、従って、後に
分離して詳細に説明される。

【００５３】図解だけのために、図１に図示されている
ブロック図は、一枚のボード(board) 上に蓄積されてい
る複数の圧縮LUT(compressed LUTs) を有するように、
画像処理装置100を示している。図１を参照して述べら
れている本発明の図示された実施例によれば、これらの
LUTは走査される画像に選択的に組み込まれている。圧
縮LUTは、オフラインで生成されると仮定されており、
そして、無損失(lossless)から損失のある(lossy) エン
コードにわたり、且つ、単一層(single layer)から階層
的な(hierarchical)エンコードにわたる範囲にある上述
のエンコード・アルゴリズムのうちのいずれかを用い
て、圧縮されている。

【００５４】図１に図示されている、画像処理装置100
は、画像150を捕獲するために用いられるスキャナ101の
後段に図示されている。スキャナ101は、例えば、Kodak
Professional DCS 200 ci ディジタルカメラ（純粋に
データ捕獲タイプの装置である）のような、市販のカメ
ラシステム、または、データ蓄積および／または処理機
能を含む他のタイプのデータ入力手段（ディジタイザ、
パーソナル・コンピュータを用いて実現される汎用ワー
クステーションなどのような）によって、実現される。

【００５５】本発明により意図される画像データ入力手
段と画像処理装置（またはシステム）は、図１に図示さ
れているような独立したユニットになる（スキャナ101
と画像処理装置100はリンク195によって結合された独立
したユニットとして図示されている）。しかし、図１に
おける装置100の一部として描かれている画像処理コン
ポーネントは、本発明が後述される方法で実行されるこ
とを可能にするために、十分なメモリおよび処理能力が
入力手段に存在するか、あるいは、それに関連している
限り、基本的に画像データ入力手段の一部として含まれ
る。

【００５６】図１は、本発明の好適な実施例の教示に従
って、蓄積手段102のボード装置100に蓄積されているＱ
個の圧縮変換表示LUTのセット（すなわち、少なくとも
１つの圧縮LUT）を示している。本発明は、１セットの
圧縮変換表示LUTが基本的に画像処理装置の内部に蓄積
される（図１に図示されているように）ことを要求して
はいない。要求されていることは、画像処理装置がこの
LUTのセットを蓄積するための手段にアクセスできるこ
とである。

【００５７】図１には（画像処理装置100の一部とし
て）、ユーザ変換選択手段103と、処理手段104（選択さ
れた圧縮LUTを実際に組み込むための）と、オプション
としての画像データ圧縮手段105が、入力画像データを
オンラインで圧縮するために描かれている。画像データ
をオンラインで圧縮するための周知の技術は、ソフトウ
ェアで、あるいは、ハードウェアとソフトウェアのコン
ビネーションで、当業者によって容易に実現されるJPEG
標準DCTアルゴリズムである。市販のチップがDCT機能を
実行するために用いられることが可能である。

【００５８】代表的な画像処理装置とスキャナのコンビ
ネーション（図１に図示されているコンビネーションの
ような）の場合、走査されるデータは、装置に特定なカ
ラー表示で表される。画像データはアプリケーションの
特性に基づいて圧縮され、または、非圧縮とされる。画
像データを圧縮するために用いられる圧縮方式は、変換
表示データ構造の圧縮に用いられるものと同じ場合もあ
り、また、同じでない場合もある。

【００５９】ユーザ変換選択手段103（例えば、ソフト
ウェア・スイッチを用いて容易に実現される）は、リン
ク190の上に図示されているように、処理手段104に送ら
れる画像データに組み込むために、ユーザ入力（また
は、自動化入力）が蓄積手段102に蓄積されているＱ個
の圧縮変換表示LUTの１つを選択するために活用される
ことを可能にするメカニズムを提供することを意図され
ている。また、図１の画像データは、オプションとし
て、画像データ圧縮手段105によって圧縮された後に、
（スキャナ101のような）入力手段を経由して処理手段1
04に供給されるように、図示されている。

【００６０】入力画像データ（圧縮されているか、また
は、非圧縮である）は、通常、処理手段104のような装
置にビット・シリアル形式で供給される。選択された圧
縮変換は、例えば、ビット・シリアル形式で画像データ
のビット・ストリームに（処理手段104によって）加え
られるか、または、入力画像データを含む画像データ・
ファイル中に配置される（すなわち、組み込まれる）。

【００６１】圧縮変換表示データ構造が組み込まれてい
る画像データ・ファイル（または、ビット・ストリー
ム）は、画像処理装置によって、例えば、リンク175に
出力される。上述したように、圧縮変換表示データ構造
が組み込まれている画像データは、リンク175に出力さ
れた後に、組み込み機能が実行される装置またはシステ
ムの特性に依存して、更に、処理、蓄積、および／また
は、転送される。

【００６２】ここで、本発明により意図される別の代表
的な画像処理装置のコンポーネントを装置ブロック図
（プロセス・フローチャートとしての役割もする）の形
態で、図示する図２を参照することとする。図２に図示
されている代表的な画像処理装置200は、圧縮変換表示
データ構造（圧縮LUT）が組み込まれている圧縮画像デ
ータを受け取るようにして図示されている。画像処理装
置200はまた、出力手段299をリンク295 を経由してドラ
イブするように、図示されている。出力手段299は、例
えば、Kodak XL7720 プリンタ（特定目的のCPUをボード
上に画像操作のために搭載しているデジタル加熱染料転
写装置thermal dye transferである）のような市販のプ
リンタ、または、データ蓄積および／または処理機能を
含むか、あるいは、含まない他のタイプのデータ出力手
段によって、実現される。実際に、リンク295の上に現
れる装置200の出力は、画像再現装置に送られるよりむ
しろ、単純に蓄積されるか、または、更なる処理段階に
進むこととなる。

【００６３】本発明により意図される画像データ出力手
段および画像処理装置（およびシステム）は、図２に図
示されているように、独立したユニットになる（出力手
段299と画像処理装置200はリンク295によって結合され
る独立したユニットとして図示されている）。しかし、
図２の装置200の一部として描かれている画像処理コン
ポーネントは、本発明がここで説明される方法で実行さ
れることを可能にするために、十分なメモリと処理能力
とが出力手段に存在するか、あるいは、それに関連して
いる限り、基本的に画像データ出力手段の一部として搭
載されることが可能である。

【００６４】画像処理装置200に搭載されるように図示
されている機能的なコンポーネントは、(a) 圧縮変換表
示データ構造（図２に描かれている例における圧縮LU
T）を装置200に送られる画像データ（それが組み込まれ
ている）から分離するための手段201と、(b) 分離され
たLUTを圧縮解除する手段202と、(c) 圧縮された画像デ
ータが装置200に送られる時に画像データを圧縮解除す
るためのオプションとしての手段203と、(d) 圧縮解除
されたLUTによって表される変換を画像データを圧縮解
除された（または、非圧縮の）バージョンに適用するた
めの手段204である。

【００６５】図２のコンポーネント 201-204 の構成
は、図１に図示されているタイプの画像処理装置によっ
て生成される複合画像ファイル（または、データ・スト
リーム）が分解されて、かつ、処理される様子を例示し
ている。コンポーネント 201-204 は、後で機能的に説
明され、なおかつ、マイクロプロセッサ・チップ、パー
ソナル・コンピュータシステム、マイクロプロセッサ・
ボードなどのような市販のデータ処理手段を用いて、個
々にまたはコンビネーションで実現される。このような
処理装置をドライブして、後述の機能を実施するソフト
ウェアは、装置の機能が理解されれば、当業者によって
容易に作成されると思われる。

【００６６】手段201は、本発明の好適な実施例によれ
ば、装置200の画像データ入力がそこに組み込まれてい
る圧縮変換表示データ構造を搭載している状況を認識す
るように作動する。これは、例えば、ヘッダ情報(heade
r information)を画像データ・ファイルに組み込むこと
によって、容易に達成される。ヘッダ情報の使用は、デ
ータ処理の分野において標準的な手法であり、そして、
例えば、圧縮データ構造の存在を示す１つまたは複数の
ビット、送られた構造のタイプ（例えば圧縮LUT）、画
像データ・ファイルに於ける構造のサイズと位置、変換
表示データ構造の圧縮に用いられる圧縮方式を示す圧縮
コードなどを含むように、用いられることが可能であ
る。

【００６７】手段201が圧縮変換表示データ構造が入力
画像データに組み込まれていないと判定すると、入力フ
ァイルは、図２の点線のリンク288と結合手段201および
装置289によって図示されている他の処理装置に、直接
供給されることも可能である。分離された後、圧縮LUT
（例えば図２に描かれている）は、通常の、または、他
の手段（上述の圧縮コードを使用するような）によっ
て、いかにLUTを圧縮解除するかを知る手段202によっ
て、圧縮解除される。上述したように、手段202が必要
とすることは、元の変換表示データ構造がいかに圧縮さ
れているかに関する情報である。

【００６８】圧縮画像データが画像処理装置200に供せ
られると仮定すると、手段203はオンラインで画像デー
タを圧縮解除する。オンラインで画像データを圧縮解除
する周知の技術は、ソフトウェアで、あるいは、ハード
ウェアとソフトウェアのコンビネーションで、当業者に
よって容易に実現されるJPEG標準DCTアルゴリズムであ
る。そこでやはり、市販のチップがDCT機能を実施する
ために用いられることが可能である。

【００６９】最終的に、圧縮解除される（または、非圧
縮の）形態の画像データは、本発明に従って、圧縮解除
された変換表示LUT（手段202によって生成される）を変
換処理手段204への画像データ入力に適用するために用
いられる変換処理手段204に、送られる。その結果は、
変換処理手段204に送られる画像データが、分離され、
かつ、圧縮解除された変換表示LUTにより特定されるよ
うに、或る表示から別の表示に変換される。

【００７０】上述したように、分離され、かつ、圧縮解
除された変換は、例えば、画像データを装置非依存性カ
ラー空間(device independent color space)から装置依
存性カラー空間(device dependent color space)（例え
ば、出力手段299によって認識されるカラー空間）に変
更するために、用いられ、また、他のタイプのユーザ設
定変換、較正機能などを実行するためにも、用いられ
る。図２に描かれている機器は、例えば、画像データを
装置依存性カラー空間、例えば、図１に描かれているス
キャナ101のRGBから、図２に描かれている出力手段299
のCMYのような別の装置依存性カラー空間に変換するた
めに用いられることができる。

【００７１】上述のように、画像データが画像処理装置
200によって変換されると、その出力は、変換が実行さ
れた装置またはシステムの特性に依存して、更に処理さ
れるか、蓄積されるか、および／または、転送されるこ
ととなる。例示だけのために、本発明の応用の範囲また
は設定を限定することを意図せずに、本発明の全ての特
色に於ける画像処理システムの市販品の例としては、 E
astman Kodak Companyの "Premier" System （"Premie
r" は Eastman Kodak Company の商標である）がある。
Preier System は、フィルム・リーダ（スキャナ）、
ディジタイザ、フィルム・ライタ（出力装置）およびデ
ータ処理手段を含む複数の画像処理装置を搭載する端末
間画像編集ワークステーション(end to end image edit
ing work station) である。

【００７２】Preier System の場合、データ処理手段
（Unix ベースのワークステーション）は、ここで説明
される処理機能の全て、すなわち、処理手段104（図１
を参照して説明された）と手段 201-204（図２を参照し
て説明された）の機能を実行することができる。このワ
ークステーションは、また、圧縮LUTのオンボード(on b
oard)蓄積（図１に描かれている）を収容し、なおか
つ、入力画像データを保持し且つ処理されるべき表示デ
ータを変換するための作業メモリを供給する十分なメモ
リも搭載している。上述のように、ここで教示されてい
る本発明を実現するために用いられる他のデータ処理手
段は、市販のマイクロプロセッサ・チップ、パーソナル
・コンピュータシステム、マイクロプロセッサ・ボード
などを含んでいる。

【００７３】本発明が直接または間接的な応用されるこ
とが可能な市販の装置とシステムの他の例としては、Ko
dak 社製PCD-870 PhotoCD プレーヤ、ディジタイザ、フ
ィルム・ライタなどのような PhotoCD プレーヤ、ま
た、一般的には画像処理のためのLUTとして蓄積されて
いる変換を活用する任意のタイプの画像処理装置または
システムがある。本発明は、メモリ要求に重大な影響を
与えることなく、複数のＮ対Ｍ次元変換がこのような装
置によって実現されることを可能にする。

【００７４】上述の代表的なシステムの場合、圧縮LUT
は、与えられた装置またはシステムに搭載されている
か、または、それに関連するメモリに蓄積されることが
できる。上述のように、組み込まれる、および／また
は、続いて圧縮解除されるLUTの選別は、例えば、当業
者にとって周知のソフトウェア・スイッチング技術を用
いて、ユーザ設定基準に基づいて、例えば、ユーザ選択
または自動的に選択されることが可能である。

【００７５】上述のように、圧縮LUTの圧縮の解除は、
ソフトウェアで行われ、そして、例えば、与えられた装
置のイメージング・プラットフォームの上に存在する処
理ユニットによるか、関連するPCによるか、また、上述
の変換処理手段（選択された変換を画像データに適用す
る前に）などによってさえも、実行されることが可能で
ある。やはり、圧縮解除を実行するソフトウェアは、選
択された圧縮LUTを生成するために用いられる圧縮技術
が既知であると仮定すると、当業者によって容易に生成
されることができる。

【００７６】結局、少なくともここで説明された市販の
装置の場合、画像データの実際の変換（図２の手段204
によって実行されて図示されている）は、選択されたLU
Tを圧縮解除バージョンと画像データそのものの両方に
アクセスできる任意のデータ・プロセッサによって実行
されることが可能である。上述のように詳細にわたって
説明されてきたものは、上述の目的の全てに適合する方
法と機器である。上述のように、当業者は、上述の説明
は例示と説明だけのために行われてきたことを認識しう
ると思われる。開示された正確な形態について、完全で
あるか、あるいは、本発明を制限することをは、意図さ
れておらず、なおかつ、当然の如く多くの修正と変更が
上述の教示から可能であると思われる。

【００７７】例えば、本発明は、ビデオ、3-D または静
止画像の処理に関連するか、または単色、多重スペクト
ルおよび／または多重帯域の画像データを処理するため
に関係するかどうかにかかわらず、一般的に画像信号処
理アプリケーションに応用される。更なる例として、本
発明は、図１に描かれている装置と類似の装置を用い
て、非圧縮変換表示データ構造（または、圧縮および非
圧縮データ構造の或るコンビネーション）を入力画像デ
ータに組み込むために実施される。更に、本発明は、図
２に描かれている装置と類似の装置を用いて、画像デー
タに組み込まれている任意の非圧縮データ構造を認識す
るために実施されるので、このような構造から表示され
る変換も画像データに適用されることができる。

【００７８】ここで述べられた実施態様と例は、本発明
の原理とその具体的な応用事例を最も効果的に説明する
ために述べられているので、当業者は、種々の実施態様
と意図されている特定の用途に適した種々の修正におい
て本発明を最も効果的に活用することができる。従っ
て、記載されている特許請求の範囲は、本発明の真の範
囲と精神に属する全てのこのような修正と変更を対象と
することを意図されている。

【００７９】

【発明の効果】本発明の画像処理装置によれば、圧縮変
換表示データを画像データに組み込むことによって、基
本的に変換の特性を知る必要なしに、変換表示データを
圧縮するために用いられるエンコード方式だけを把握し
ていれば、画像データを（組み込まれている圧縮変換表
示データを用いて）遠隔的に処理できるという柔軟性が
加えられる。

【００８０】本発明による方法と機器は、圧縮変換表示
データが用いられる装置とシステムに於けるメモリ節約
の可能性を提供するだけでなく、最初の画像処理装置ま
たはシステムによって、多くのユーザに特定化された変
換の中の１つが画像データに組み込まれて、他の画像処
理装置またはシステムによって用いられることを可能に
するという柔軟性をも与えることとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】装置ブロック図（プロセス・フロー・チャート
としての役割もする）の形態で、蓄積されている圧縮変
換表示データ構造（特に、圧縮されたLUT）を、画像処
理装置の画像データ入力に選択的に組み込む代表的な画
像処理装置のコンポーネントを示す。

【図２】装置ブロック図（プロセス・フロー・チャート
としての役割もする）の形態で、本発明により意図され
る別の代表的な画像処理装置のコンポーネントを示す。
図２に描かれている装置は、画像処理のために、本発明
の教示に従って、圧縮変換表示画像データ（画像データ
に組み込まれている）を分離し、かつ、分離された情報
を活用するために、用いられる。

【符号の説明】

100 、200 …画像処理装置 101 …スキャナ 102 …蓄積手段 103 …ユーザ変換選択手段 104 …(LUT組み込み用) 処理手段 105 …画像データ圧縮手段 150 …画像 175 、190 、195 、288 、295.…リンク 201 …LUT 分離手段 202 …LUT 圧縮解除手段 203 …画像圧縮解除手段 204 …変換処理手段 289 …他の画像処理装置 299 …出力装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０６Ｔ 5/00 Ｈ０３Ｍ 7/30 Ｚ 8522−5Ｊ Ｈ０４Ｎ 1/46 8420−5Ｌ Ｇ０６Ｆ 15/66 ３３０ Ａ 9191−5Ｌ 15/68 ３１０ Ａ 4226−5Ｃ Ｈ０４Ｎ 1/46 Ｚ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮された変換表示データ構造を画像処
   理装置への画像データ入力に選択的に組み込むための画
   像処理装置であり、該圧縮された変換表示データ構造は
   該画像処理装置に関連するメモリ手段に蓄積されている
   そのような構造のセットに所属している画像処理装置で
   あって、 (a) 上記画像データを上記画像処理装置に入力する手段
   と、 (b) 上記画像データに組み込むために、上記メモリ手段
   に蓄積されている上記圧縮された変換表示データ構造の
   うちの少なくとも１つを選択する手段と、 (c) 上記画像データに上記選択された圧縮された変換表
   示データ構造の各々を組み込む手段とを備えている画像
   処理装置。
2. 【請求項２】 画像処理装置に関連するメモリ手段に蓄
   積されている圧縮されたＮ対Ｍ次元変換表示データを、
   該画像処理装置の画像データ入力に組み込むための画像
   処理装置であって、 (a) 上記画像データを画像処理装置に入力する手段と、 (b) 上記メモリ手段に蓄積されている圧縮されたＮ対Ｍ
   次元変換表示データを上記画像データに組み込む手段と
   を備えている画像処理装置。
3. 【請求項３】 入力画像データに組み込まれている圧縮
   された変換表示データによって表される変換を適用する
   ことによって、該入力画像データを最初の表示から別の
   表示に変換するための画像処理装置であって、 (a) 上記圧縮された変換表示データを上記画像データか
   ら分離する手段と、 (b) 上記圧縮された変換表示データを圧縮解除する手段
   と、 (c) 上記圧縮解除された変換表示データによって表され
   る変換を、上記画像処理装置の上記画像データ入力に適
   用する手段とを備えている画像処理装置。