JPH07231919A - 手指等の機能改善器及びその製造方法 - Google Patents

手指等の機能改善器及びその製造方法

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JPH07231919A
JPH07231919A JP6049937A JP4993794A JPH07231919A JP H07231919 A JPH07231919 A JP H07231919A JP 6049937 A JP6049937 A JP 6049937A JP 4993794 A JP4993794 A JP 4993794A JP H07231919 A JPH07231919 A JP H07231919A
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fingers
base cloth
bag
glove body
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JP6049937A
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Mitsuma Matsumura
光馬 松村
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Nitto Kohki Co Ltd
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Nitto Kohki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グローブ体の製造工程を簡素化すると共に製
品間の品質の均一化を図り、より実用価値の高い製品を
提供する。 【構成】 合成樹脂シートからなるグローブ体1の基布
2上に気嚢部を成形するための合成樹脂シートからなる
袋用部片23を所定の位置に配置し、成形型27を袋用
部片23に被せるように配設する。この状態で、成形室
28の空気を抜くと、袋用布片23が成形室28に吸引
されて成形室28と略同形状の気嚢部が立体成形され
る。次いで、高周波溶着機構26で溶着枠30を加熱す
ると、袋用布片23の縁部23aと基布2の接合部分は
高周波溶着される。これにより、グローブ体1の基布2
の表側に指間拡開用気嚢部と、基布2の裏側に関節伸展
用気嚢部を所定の位置に正確に設けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、指の拡開や手関節の伸
展背屈のための手指等の機能改善器及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】脳血管障害、脳外傷、脳性麻痺、脊髄損
傷等の中枢神経系の疾患及び障害並びに末梢神経障害、
関節、筋肉等の障害によって、前腕、腕関節、手、手指
に機能障害が生じた場合は、これらの疾患や障害の治療
と併せて運動機能を回復する訓練を行うことが必要であ
る。しかし、腕関節、手、手指の機能の回復は古来より
極めて困難であるとされているが、最近のリハビリテー
ション医学において多くの研究が行われることにより、
様々な機能改善器が提案されている。
【0003】出願人は、以前より様々な機能改善器を提
案しているが、その1つに、例えば図6乃至図8に示さ
れるような手指等の機能改善器がある。この機能改善器
は、グローブ体40をなす布製の基布41の表側に布製
の袋体42乃至45、指止め50乃至54及び手背止め
55をそれぞれ縫着し、基布41の裏側には布製の袋体
46乃至49を縫着し、さらに、基布41の側部に腕止
め56,57を縫製し、これら袋体42乃至49に圧縮
空気給排気用チューブ69に接続された軟質樹脂製の指
間拡開用気嚢60乃至63及び関節伸展用気嚢64乃至
67を収納したものである。
【0004】このように構成されたグローブ体40に手
の平を宛てがい、各手指を拡開させた状態で指止め50
乃至54に各手指を個別に固定して手背止め55で手背
を固定し、さらに、腕止め56,57でグローブ体40
を手腕に固定した後に、エアカプラ70を圧縮空気給排
気装置(図示せず)に接続することで、各気嚢60乃至
67に圧縮空気を供給し、所要時間経過後に排気を行う
ことを反復することで機能障害のある手関節の伸展背屈
運動と、手指の拡開運動を律動的、間歇的に行わせ、患
者の屈曲拘縮及び伸展障害を改善すると共に、自動運動
を誘発する要因を作り出すものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した手指等の機能
改善器は、今までにない高い治療効果を挙げることが可
能となり、医療界より高い評価を博し概ね満足すべき結
果が得られてはいるが、未だ以下の点において課題を残
している。つまり、上記の従来例では、グローブ体40
の基布41に設けた袋体42乃至45の中に収納した気
嚢60乃至63は、圧縮空気を供給させて膨張する際
に、厚み方向には膨らむが幅方向には縮む現象が起き
る。このため、各気嚢60乃至63は効果的な膨張収縮
が行われず、結局、手指の幅方向に拡開する作用が少な
く、高い治療効果を挙げることができないという課題を
有している。
【0006】また、上記したグローブ体40には気嚢6
0乃至67を収納するために布製の基布41の表側と裏
側に多数の袋体42乃至49が設けられているが、布製
の袋体が多数になると袋体自体の成形縫製に時間が掛か
り、また、各袋体42乃至49は分離独立しているので
基布41へ縫着するのに時間が掛かる等の課題を有する
他、縫製位置や縫製手順にばらつきを生じ易いという課
題を有している。
【0007】特に袋体47,48は大型で、しかも、手
の平全体から前腕の内腕面に渡って広い範囲で延在する
ように成形、配置され、さらに、袋体47,48の略手
首位置には伸展運動における背屈具合を決定するダーツ
を(図示せず)有しているので、縫製の均一化を図るの
が難しい。袋体47,48が均一でないと、これらに捩
じれ、変形或は大きさの差違を生じたり、また、ダーツ
部分においては袋体47,48の背屈角度や背屈位置に
差違を生じ、グローブ体40が本来の優れた性能を発揮
させることができず、高い治療効果を挙げることができ
ない。また、このように、作業時間や製品間のばらつき
が多いと大量生産を行うことが困難であるという課題を
有しており、さらに、袋体42乃至49と気嚢60乃至
67は、図7及び図8に示されるように、別部材の二重
構造であるため材料に無駄が多く、コスト高になるとい
う課題を有している。
【0008】本発明は上記の課題に鑑みて開発されたも
のであり、グローブ体の製造工程を簡素化すると共に製
品間の品質の均一化を図り、手指の拡開背屈性に優れ
た、より実用価値の高い製品を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、指間拡開用の気嚢部を基布の一側に設け、関節伸展
用の気嚢部を基布の他側に設けたグローブ体で、手指の
拡開や手関節の伸展背屈を行う手指等の機能改善器にお
いて、合成樹脂シートからなるグローブ体の基布に合成
樹脂シートからなる上記した気嚢部の外周囲を溶着した
ことを特徴とする構成を採用した。
【0010】また、上記の構成を得るために、指間拡開
用の気嚢部を基布表側に設け、関節伸展用の気嚢部を基
布裏側に設けたグローブ体に手の平を宛てがって、拇指
乃至小指の指を指止めで固定すると共に手腕を腕止めで
固定し、各気嚢部を圧縮空気の給排気により膨張収縮さ
せることで、手指の拡開や手関節の伸展背屈を行う手指
等の機能改善器において、高周波溶着機構に載置された
グローブ体をなす基布の所定位置に気嚢部をなす1乃至
複数個の袋用部片を配置し、これら袋用部片上に、吸気
機構に接続された適宜形状の成形室を有する成形型を配
設し、吸気機構で成形室内の空気を吸引することで袋用
部片を成形室と略同形状の気嚢部に立体成形すると共
に、成形型に設けた溶着枠で袋用部片と基布の接合部分
を高周波溶着することにより製造することを特徴とする
製造方法を採用した。この場合、グローブ体をなす基布
の適宜位置に配置された気嚢部をなす袋用部片に給排気
用チューブの端部を溶着または接着し、次いで、成形型
の溶着枠で袋用部片及び基布の接合部分を高周波溶着す
るか、または、グローブ体をなす基布の適宜位置に配置
された気嚢部をなす袋用部片の一端に給排気用チューブ
を配設し、袋用部片を気嚢部に立体成形すると共に、成
形型の溶着枠で袋用部片、給排気用チューブ及び基布の
それぞれの接合部分を高周波溶着するのが好ましい。
【0011】
【作用】本発明はこのように構成したので、グローブ体
に手の平を宛てがい各手指を指止めで固定すると共に手
腕を腕止めで固定し、各気嚢部に圧縮空気を供給して所
要時間経過後に排気を行うことを反復することで、手指
の拡開や手関節の伸展背屈を律動的、間歇的に行うこと
ができる。これにより、機能障害のある手関節の屈曲拘
縮及び伸展障害を改善することができ、自動運動を誘発
する要因を作り出すことができる。
【0012】また、本発明のグローブ体の製造方法にお
いて、グローブ体の基布は高周波溶着機構に載置され、
この基布には袋用部片を配置し、これら袋用部片上に成
形型が配設されているので、先ず、真空ポンプ等の吸気
機構によって成形型の成形室の空気が抜かれることで成
形室は減圧され、このとき、合成樹脂シートからなる、
即ち、気密性の素材からなる袋用部片の成形室に面する
側は大気圧より低くなり、他方、袋用部片の基布に面す
る側は給排気用チューブを介して大気圧のままであるの
で、袋用部片は成形型の成形室に吸い寄せられる恰好と
なり、成形室と略同形状の気嚢部が立体成形される。
【0013】次いで、高周波溶着機構よりグローブ体に
電磁波を照射すると、成形型の開口部の溶着枠に誘導電
流が発生して溶着枠が加熱される。前述したように、グ
ローブ体の基布と袋用部片(気嚢部)は合成樹脂シート
であり、給排気用チューブは合成樹脂素材であるので、
各部材の接合部分は成形型の溶着枠で加熱されることで
各部材の接合部分が溶融し、これらは一体的に溶着され
る。本発明の場合、上記したように気嚢部は立体成形さ
れているので、この気嚢部に空気を供給して膨張させる
とグローブ体の厚み方向に十分に膨らむと共に、幅方向
にも縮みを生じることなく十分膨らむことができる。こ
のように大量の空気容量を有する気嚢部をグローブ体の
正確な位置に設けることができるので、使用時において
手指の拡開と手関節の伸展背屈を十分に行うことがで
き、その機能を最大限に発揮することができる。
【0014】
【実施例】本発明における手指等の機能改善器及びその
製造方法の一実施例について、図面に従って詳述する。
本実施例の手指等の機能改善器は、図2乃至図4に示さ
れるように、グローブ体1の基布2の表側に指間拡開用
気嚢部4,5,6,7を溶着して設け、基布2の裏側に
関節伸展用気嚢部8,9,10,11を溶着して設けて
おり、各気嚢部4〜11には圧縮空気給排気装置(図示
せず)に接続される給排気用チューブ12が各々設けら
れる。
【0015】本実施例において、基布2、各気嚢部4〜
11及び各給排気用チューブ12には、例えばビニル樹
脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、合成ゴム等の気
密性を有する熱可塑性軟質樹脂等の合成樹脂材料が用い
られており、各給排気用チューブ12は各気嚢部4〜1
1に高周波溶着されると共に、各気嚢部4〜11は基布
2に高周波溶着されて構成されている。なお、各気嚢部
4〜11に用いられる合成樹脂シートは、後述する成形
加工が容易なように薄手のものを用いるのが好ましく、
図2または図5に示されるように、空気を供給すること
で三角形乃至四角形をした膨らみが得られるように裁断
しておく。また、基布2に用いられる合成樹脂シート
は、グローブ体1の形を整えるためにある程度の厚みが
あるものを用いるのが好ましい。
【0016】基布2に気嚢部4〜11を溶着してグロー
ブ体1を完成させた後に、図5に示されるように、拇指
乃至小指の5指を固定する指止め13,14,15,1
6,17、手背を固定する手背止め18,19及び手腕
を固定する腕止め20,21がそれぞれ設けられる。こ
の場合、指止め13〜17は、グローブ体1の使用者毎
に異なる指の太さに対応するためにゴムバンド等の伸縮
性の部材に止着用のベルベットファスナが設けられ、手
背止め18,19も同様にゴムバンド等の伸縮性の部材
が用いられると共に、止着用のベルベットファスナが端
部に設けられる。手背止め18は、その端部を基布2の
側部に止着し、もう一方の手背止め19はその端部を腕
止め20に止着する。
【0017】また、腕止め20,21は、使用者毎に異
なる腕の太さに対応するために図6に示したものと同様
の長尺状の帯部材が用いられ、止着用のベルベットファ
スナが設けられる。なお、上記した指止め13〜17、
手背止め18,19、及び腕止め20,21は、各気嚢
部4〜11と同様に高周波溶着で基布2に設けることが
できる。また、これらは接着剤や縫製で設けてもよい。
各気嚢部4〜11に接続された適宜長の給排気用チュー
ブ12は、例えば図6に示されるようなエアカプラで集
合され、圧縮空気給排気装置(図示せず)とワンタッチ
で接続可能となっている。
【0018】このように構成されるグローブ体1は、例
えば以下に示すような方法で製造される。図1に示され
るように、グローブ体1の基布2は高周波溶着機構26
に載置され、この基布2上に気嚢部4〜11を成形する
ための袋用部片23を所定の位置に配置した後に、成形
型27を袋用部片23に被せるように配設する。この成
形型27は袋用部片23の当接面に適宜形状の成形室2
8を有し、この成形室28は吸気機構である真空ポンプ
25に接続されているので、真空ポンプ25で成形室2
8内の空気を吸引すると袋用布片23が成形室28に吸
引されて成形室28と略同形状の気嚢部4〜11が立体
成形される。さらに、成形室28の袋用部片23に面す
る開口部29の周縁には誘導加熱体である溶着枠30が
設けられているので、気嚢部4〜11となった袋用布片
23の外周囲23aと基布2の接合部分が高周波溶着さ
れる。
【0019】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例はこのように構成したので、図5に示されるように、
グローブ体1に手の平を宛てがい各手指を指止め13〜
17で固定し、手背止め18,19で手背を固定するこ
とで手の平をグローブ体1に完全に密着させ、腕止め2
0,21で手腕を固定した後に、各気嚢部4〜11に圧
縮空気を供給すると、各気嚢部4〜11がグローブ体1
の厚み方向に十分に膨張すると共に幅方向にも十分に膨
張する。これにより、指間拡開用気嚢部4〜7は、図2
または図5に示されるように、三角形乃至四角形をした
膨らみが得られることで各指の指間を十分に拡開し、関
節伸展用気嚢部8〜11は、図5に示されるように、手
関節の伸展を行うと共に、関節伸展用気嚢部9,10の
略手首位置に形成されたダーツ22によって背屈運動が
可能となる。
【0020】そして、所要時間経過後に排気を行うこと
を適宜回数反復することで、手指の拡開や手関節の伸展
背屈を律動的、間歇的に行うことができる。これによ
り、機能障害のある手関節の屈曲拘縮及び伸展障害を改
善することができ、自動運動を誘発する要因を作り出す
ことができる。この場合、各気嚢部4〜11は薄手の合
成樹脂シートを用いているので、圧縮空気を供給した際
に速やかに所定の形状に膨張する。しかし、各気嚢部4
〜11は後述するように立体成形されているので、グロ
ーブ体1の厚み方向及び幅方向に十分に膨張することが
でき縮みを生じることがないので、グローブ体1に変形
や歪みを生ずることがない。さらに、基布2は厚手の合
成樹脂シートを用いているので、各気嚢部4〜11が膨
張してもこれに伴って変形したり歪みを生ずることがな
く、また、ダーツ22による適切な背屈角度が得られ、
グローブ体1の本来の性能を十分に発揮することができ
る。
【0021】また、本実施例のグローブ体1の製造方法
において、先ず、各気嚢部4〜11を成形するための袋
用部片23に給排気用チューブ12の一端を溶着または
接着等の手段で設ける。次いで、高周波溶着機構に載置
されたグローブ体1の基布2の所定位置に給排気用チュ
ーブ12を設けた袋用部片23を配置し、真空ポンプ2
5によって成形型27の成形室28の空気を抜くことで
成形室28は減圧される。すると、袋用部片23の成形
室28に面する側は大気圧より低くなり、他方、袋用部
片23の基布2に面する側は給排気用チューブ12を介
して大気圧のままであるので、気密性を有する薄手の合
成樹脂シートからなる袋用部片23は成形型27の成形
室28に吸い寄せられる恰好となり、大量の空気容量を
有する所定の形状の気嚢部4〜11が立体成形される。
この場合、気嚢部4〜11の形状は成形型27に形成さ
れた成形室28と略同形状に成形される。
【0022】各気嚢部4〜11が立体成形されると、高
周波溶着機構26よりグローブ体1に電磁波が照射され
る。すると、成形型27の開口部29の周縁に設けられ
た溶着枠30に誘導電流が発生して溶着枠30が加熱さ
れ、図1、図3、図4の各図に示されるように、合成樹
脂シートからなるグローブ体1の基布2、袋用布片23
の外周囲23aと合成樹脂素材から成る給排気用チュー
ブ12の各接合部分が溶融し、各部材2,12,23の
接合部分は一体的且つ気密状に溶着される。これによ
り、各気嚢部4〜11をグローブ体1の基布2の所定位
置に正確に設けることができる。
【0023】ところで、単に合成樹脂シートを張り合わ
せただけの気嚢部4〜11を膨張させると、厚み方向に
膨らむと共に幅方向に縮みを生じる。このような幅方向
の縮み現象がグローブ体1に生じると、手指の拡開や関
節の伸展が十分に行えず、グローブ体1本来の機能を発
揮することができない。しかし、本実施例では立体成形
で、図2や図5に示すような、三角形乃至四角形をした
膨らみを持たせた気嚢部4〜11を基布2に高周波溶着
しているので、これら気嚢部4〜11はグローブ体1の
厚み方向及び幅方向に十分に膨らむことができ、これに
伴ってグローブ体1の幅方向に縮みを生じることがなく
大量の空気容量を有する気嚢部4〜11を形成すること
ができるので、気嚢部4〜11の膨張時においてグロー
ブ体1が変形することなく、その機能を最大限に発揮す
ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上の説明で明らかなとおり、本発明の
手指等の機能改善器及びその製造方法によれば、以下に
示すような優れた効果を有する。つまり、グローブ体の
基布に設けられる指間拡開用の気嚢部と関節伸展用の気
嚢部は、袋用部片を真空引きによって任意の形状に立体
成形することができ、立体成形された気嚢部は高周波溶
着によって基布に溶着されるので、この気嚢部は大量の
空気容量を得ることができ、これを膨張させた際は、幅
方向に縮みを生じることなく、厚み方向及び幅方向に十
分に膨らませることができる。これにより、指間拡開用
の気嚢部は手指を十分に拡開することができ、関節伸展
用の気嚢部は手関節を十分に伸展背屈することができる
ので、今まで以上に高い治療効果を挙げることが可能と
なった。
【0025】しかも、本発明によれば、気嚢部の形状を
均一にすることができると共に、正確な位置に取り付け
ることができる。また、従来例のように気嚢部を別部材
としていないので製造コストの低減に寄与することがで
きる。さらに、本発明の方法を用いれば、グローブ体の
製造に要する時間は大幅に短縮することができる。これ
により、製品間の品質の均一化を図ることができ、大量
生産に対応することで低価格にて実用価値の高い製品を
提供することができる。また、このように品質の整った
グローブ体は、所期の性能を十分に発揮することができ
るので、高い治療効果を挙げることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による手指等の機能改善器の製造方法の
一実施例を示す概略図である。
【図2】本実施例の方法で製造されたグローブ体の一例
を示す図である。
【図3】図2におけるA−A部断面図である。
【図4】図3におけるB−B部断面図である。
【図5】本実施例の手指等の機能改善器の使用状態を示
す図である。
【図6】手指等の機能改善器の従来例を示す図である。
【図7】図6におけるC−C部断面図である。
【図8】図7におけるD−D部断面図である。
【符号の説明】
1 グローブ体 2 基布 4〜11 気嚢部 12 給排気用チューブ 13〜17 指止め 20,21 腕止め 23 袋用部片 23a 外周囲 25 真空ポンプ 26 高周波溶着機構 27 成形型 28 成形室 29 開口部 30 溶着枠

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指間拡開用の気嚢部を基布の一側に設
    け、関節伸展用の気嚢部を基布の他側に設けたグローブ
    体で、手指の拡開や手関節の伸展背屈を行う手指等の機
    能改善器において、合成樹脂シートからなるグローブ体
    の基布に合成樹脂シートからなる上記した気嚢部の外周
    囲を溶着したことを特徴とする手指等の機能改善器。
  2. 【請求項2】 指間拡開用の気嚢部を基布表側に設け、
    関節伸展用の気嚢部を基布裏側に設けたグローブ体に手
    の平を宛てがって、拇指乃至小指の指を指止めで固定す
    ると共に手腕を腕止めで固定し、各気嚢部を圧縮空気の
    給排気により膨張収縮させることで、手指の拡開や手関
    節の伸展背屈を行う手指等の機能改善器において、高周
    波溶着機構に載置されたグローブ体をなす基布の所定位
    置に気嚢部をなす1乃至複数個の袋用部片を配置し、こ
    れら袋用部片上に、吸気機構に接続された適宜形状の成
    形室を有する成形型を配設し、吸気機構で成形室内の空
    気を吸引することで袋用部片を成形室と略同形状の気嚢
    部に立体成形すると共に、成形型に設けた溶着枠で袋用
    部片と基布の接合部分を高周波溶着することにより製造
    することを特徴とする手指等の機能改善器の製造方法。
  3. 【請求項3】 グローブ体をなす基布の適宜位置に配置
    された気嚢部をなす袋用部片に給排気用チューブの端部
    を溶着または接着し、次いで、成形型の溶着枠で袋用部
    片及び基布の接合部分を高周波溶着する請求項2記載の
    手指等の機能改善器の製造方法。
  4. 【請求項4】 グローブ体をなす基布の適宜位置に配置
    された気嚢部をなす袋用部片の一端に給排気用チューブ
    を配設し、袋用部片を気嚢部に立体成形すると共に、成
    形型の溶着枠で袋用部片、給排気用チューブ及び基布の
    それぞれの接合部分を高周波溶着する請求項2記載の手
    指等の機能改善器の製造方法。
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