JPH0723105U - 鉄骨建築のバルコニーの床下地構造及びその束 - Google Patents

鉄骨建築のバルコニーの床下地構造及びその束

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JPH0723105U
JPH0723105U JP5459193U JP5459193U JPH0723105U JP H0723105 U JPH0723105 U JP H0723105U JP 5459193 U JP5459193 U JP 5459193U JP 5459193 U JP5459193 U JP 5459193U JP H0723105 U JPH0723105 U JP H0723105U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水勾配を作るためのセメントモルタル塗り等
の湿式工法を必要そする構造とせず、乾式工法を採用す
る構造とすることにより工事期間の短縮と労力の軽減を
図ることのできる鉄骨建築のバルコニーの床下地構造を
提供しようとするものである。 【構成】 I形鋼等で構成される鉄骨製屋根梁Fの上面
に所定間隔を設けて取り付けられた高さの異なる複数個
の束2と、これらの束2に床板Gを受けるアングル材3
を取り付けることにより水勾配を形成する構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、鉄骨構造建築のバルコニーの床下地構造に係り、特に、水勾配を 形成する鉄骨建築のバルコニーの床下地構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄骨建築のバルコニーの床に水勾配を作るために、或いは、ALC板等 で構成する床板を一体化させるためにセメントモルタル等を塗る左官工事を行う 所謂湿式工法を必要とするのが一般的である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のような湿式工法を要する構造では、セメントモルタル塗 り等の左官工事に、多くの工数と熟練を必要とし、しかも、セメントモルタル等 の左官材料を乾燥させるための時間もかかるため、工事期間を長引かせ、しかも 、品質の安定を確保することが困難であるという問題があった。
【0004】 この考案は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ は、乾式工法を採用した構造とすることにより工事期間の短縮と労力の軽減を図 ることのできる鉄骨建築のバルコニーの床下地構造を提供しようとするものであ る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この考案に係る鉄骨建築のバルコニーの床下地構 造は、水平に架設された鋼製屋根梁の上に組み立てられて水勾配を備える鉄骨建 築のバルコニーの床下地構造において、一辺が長手方向に所定間隔を設けて複数 箇所に締結孔が形成され、他辺が床板を載置するアングル材と、前記締結孔と重 合させて締結部材により前記アングル材に締結するための通孔を形成した束部と 、該束部を垂直に連設するとともに前記鋼製屋根梁に形成されている螺子孔に重 合させて締結部材により鋼製屋根梁に取り付けるための透孔を形成した取付基部 とを有する束と、で構成され、前記アングル材に形成された複数箇所の締結孔に 前記取付基部から通孔までの高さ位置の異なる複数個の前記束を取り付けるとと もに、該束と前記鋼製屋根梁を取り付けることにより、前記アングル材の他辺が 水勾配を形成することとした。
【0006】
【作用】
この考案に係る鉄骨建築のバルコニーの床下地構造によると、I形鋼等で構成 される鋼製屋根梁に所定間隔を設けて束を複数個配置し、鋼製屋根梁に形成され た螺子孔と束の取付基部に形成された透孔とを重合させて締結部材により取り付 ける。この時、取り付けられた複数個の束に形成されている通孔を結ぶ線が水勾 配となるように配置し、また、束はアングル材の一辺長手方向に形成されている 締結孔の数だけ鋼製屋根梁に取り付ける。
【0007】 鋼製屋根梁に取り付けられた束に形成された通孔とアングル材の締結孔とを重 合させて締結部材により締結することで、アングル材の他辺が水勾配を備える面 となる。
【0008】 このようにして水勾配を備えるアングル材の上に、例えば、床板を構成するA LC板等を載置固定した後、これらのALC板を、その上に合板等を敷設し防水 層等を介して釘等で連結固定し、仕上げ材を載置するだけでバルコニーの床を構 成することができるので、水勾配を形成するため、或いは、床板を構成するAL C板等を一体化するための左官工事が不要となっている施工が容易になり、施工 時間が短縮される。
【0009】
【実施例】
この考案に係る鉄骨建築のバルコニーの床下地構造1の実施例について、図面 を参照して説明する。
【0010】 この考案が適用されるバルコニーの概略構造を説明すると、図4に示すように 、I形鋼等で構成される鋼製梁A,A’に鋼製柱BとバルコニーフレームCが固 定され、この鋼製柱Bに建築物の本体外壁パネルDが取り付けられ、バルコニー フレームCにはバルコニー手摺Eが取り付けられており、鋼製梁AとA’との間 に懸架された鋼製屋根梁FにALC板等で構成される床板Gが敷設され、且つ、 排水のための横樋Hが配設されている。
【0011】 前記鋼製屋根梁Fの上面には、図1に示すように、所定間隔を設けて取り付け られた高さの異なる4個の束2と、これらの束2に取り付けられたアングル材3 で構成されているが、束2の数は4個に限定されるものではなく、アングル材3 の長さによって束2の数が決定される。
【0012】 このアングル材3の上に、図1に一点鎖線で示すように、ALC板等で構成さ れる床板Gが載置され、この床板Gは、アングル材3に溶接等により固着した取 付部材4で連結固定され、さらにその上に合板I等を敷設して釘打ち等により連 結固定されるようになっている。
【0013】 前記束2は、図2に示すように、鋼製屋根梁Fに固定するための透孔6が2箇 所形成された取付基部7と、この取付基部7に略垂直に連設され、且つ、アング ル材3を固定するための通孔8を形成した束部9と、取付基部7と束部9との連 設箇所に形成されて束部9を補強するための補強部10とからなる。
【0014】 そして、これら複数個の束2は、高さ寸法L1と、通孔8の中心位置の高さ寸 法L2とを異にするものが複数個用意されており、この寸法L2は、束2を複数 個所定間隔を設けて鋼製屋根梁Fに一直線上に寸法L2の小さいものから順に配 置した時に通孔8の中心を結ぶ線と水平線とのなす角が、0.5 乃至1.0 度程度の 水勾配となるように設定されている。
【0015】 例えば、(L1,L2)=(78.5,58.5),(83.5,63.5),(88.5,68.5),(93.5,73 .5) というようにしてそれぞれの寸法L1,L2が5mmづつ大きくなるように設 定した場合には、これらの束2を順に500mm の間隔を設けて一直線上に配置する と、通孔孔の中心を結ぶ線と水平線とのなす角が、約0.6 度程度の水勾配となる 。
【0016】 また、通孔8の中心から束部9の天端までの寸法L3は、ほぼ一定であって、 束2をアングル材3に締結した時に、図1に示すように、束部9の天端がアング ル材3からはみ出さないように設定されている。
【0017】 更に、補強部10の高さ寸法L4は、図1及び図2に示すように、束部9の高 さ寸法L1に対応させておくことが望ましい。即ち、束部9の高さ寸法L1が大 きい場合は、その補強部10の高さ寸法L4を大きくしておき、また、この実施 例において補強部10は、束部9の両側に設けられているが壁際等、取付場所の 制約により片方だけに設けている場合もある。
【0018】 尚、水平に架設されている鋼製屋根梁Fは、主にI形鋼や溝形鋼であって、そ のウェブプレートF’には予め図示しない複数個の螺子孔が形成されており、こ の螺子孔の位置に取付基部7の通孔8を重合させて、ボルトとナット或いはリベ ット等の締結部材11で締結するうよになっている。
【0019】 前記アングル材3は、図3に示すように、一辺3aの長手方向に沿って複数個 の締結孔12を一定間隔を設けて形成した二等辺又は不等辺の山形鋼であって、 この締結孔12は、図1に示すように、鋼製屋根梁Fに一定間隔を設けて固定さ れた束2の通孔8に重なる位置に形成されおり、この締結孔12の直径は束部9 に形成されている通孔8の直径と同径に設定されている。
【0020】 上記のような構成を有するアングル材3と束2とからなるバルコニー床の下地 構造1は、図1乃至図3に示すように、まず、水平に架設された鋼製屋根梁Fに 形成された螺子孔と、束部9の透孔6とを重合させてボルトとナット或いはリベ ット等の締結部材11により締結することにより鋼製屋根梁Fに束2を複数個固 定する。この時、束2は、その高さが一方向に高くなるように所定間隔を置いて 配置して固定される。そして、鋼製屋根梁Fに固定された束2に形成された通孔 8とアングル材3の一辺に形成された締結孔12とを重合させ、ボルトとナット 或いはリベット等の締結部材13によりアングル材3を束2に締結する。
【0021】 このとき、束2に形成されている通孔8とアングル材3に形成されている締結 孔12とは同径であるので、束2とアングル材3とを締結するボルトをこれらの 孔8,12に丁度嵌まり込む径を有するボルトを使用することにより、荷重の偏 重等によるアングル材3のぐらつきが防止できるが、通孔8,締結孔12を螺刻 しておいて、ボルトで螺合するようにしておけば、アングル材3のぐらつきを完 全に防ぐことができる。
【0022】 また、アングル材3の一辺が束2に固定されているので、このアングル材3の 他辺3bで構成される面は、ボルト等が突出することなく、水勾配を備える平ら な面を形成することができる。
【0023】 このようにして構成されるこの考案に係るバルコニーの床下地構造1によれば 、建築現場への出荷前に、工場の加工段階において予め定められた寸法で鋼製屋 根梁Fに螺子孔を形成し、束2を加工し、アングル材3に締結孔12を形成して おくことで、鋼製屋根梁Fに束2とアングル材3をボルト,ナット等の締結部材 11,13で取り付けるだけで水勾配を備える床下地構造が形成されるので、セ メントモルタル塗装等の左官工事が不要な乾式工法による施工が可能となり、ま た施工が容易であるので工事期間が大幅に短縮されるとともに品質も向上し、し かも、セメントモルタル等の材料費を削減するこができる。
【0024】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案に係る鉄骨建築のバルコニー床の下地構造によ れば、セメントモルタル塗装等の左官工事を一切必要とせず、乾式工法を採用し た簡単な施工で済むので工数及び材料費を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る鉄骨建築のバルコニーの床下地
構造の1実施例を示す側面図。
【図2】束の1実施例を示す斜視図。
【図3】アングル材の1実施例を示す一部省略斜視図。
【図4】バルコニーの概略一部省略断面図。
【符号の説明】
1 鉄骨建築のバルコニーの床下地構造 2 束 3 アングル材 6 透孔 7 取付基部 8 通孔 9 束部 11 締結部材 12 締結孔 13 締結部材 F 鋼製屋根梁 G 床板

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平に架設された鋼製屋根梁の上に組み
    立てられて水勾配を備える鉄骨建築のバルコニーの床下
    地構造において、 一辺が長手方向に所定間隔を設けて複数箇所に締結孔が
    形成され、他辺が床板を載置するアングル材と、 前記締結孔と重合させて締結部材により前記アングル材
    に締結するための通孔を形成した束部と、該束部を垂直
    に連設するとともに前記鋼製屋根梁に形成されている螺
    子孔に重合させて締結部材により鋼製屋根梁に取り付け
    るための透孔を形成した取付基部とを有する束と、 で構成され、 前記アングル材に形成された複数箇所の締結孔に前記取
    付基部から通孔までの高さ位置の異なる複数個の前記束
    を取り付けるとともに、該束と前記鋼製屋根梁を取り付
    けることにより、前記アングル材の他辺が水勾配を形成
    することを特徴とする鉄骨建築のバルコニーの床下地構
    造。
  2. 【請求項2】 床板を載置するアングル材を締結部材に
    より締結するための通孔を形成した束部と、該束部を垂
    直に連設するとともに鋼製屋根梁に形成されている螺子
    孔に重合させて締結部材により鋼製屋根梁に取り付ける
    ための透孔を形成した取付基部とを有することを特徴と
    する束。
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