JPH07230769A - ガス放電表示管 - Google Patents
ガス放電表示管Info
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- JPH07230769A JPH07230769A JP4305394A JP4305394A JPH07230769A JP H07230769 A JPH07230769 A JP H07230769A JP 4305394 A JP4305394 A JP 4305394A JP 4305394 A JP4305394 A JP 4305394A JP H07230769 A JPH07230769 A JP H07230769A
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- display tube
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 時間の経過に伴って紫外線放射ガスであるX
eが減少することがなく、したがって輝度の低下や発光
色の変化が生じることのないガス放電表示管を実現す
る。 【構成】 前面基板14の対向面に透明陽極24を形成する
と共に、背面基板12の対向面に、陰極引出パターン18
と、陰極保持層22と、MoBとBaAl2O4を混合した
エミッタ物質よりなる柱状陰極20を形成し、前面基板14
と背面基板12とを、所定の間隙を隔てて対向配置して各
電極間に放電セル30を形成し、両基板の周縁を封止して
気密容器16と成し、気密容器16内部に紫外線放射ガスと
してのXeを含む放電ガスと蛍光体32を封入して成る。
eが減少することがなく、したがって輝度の低下や発光
色の変化が生じることのないガス放電表示管を実現す
る。 【構成】 前面基板14の対向面に透明陽極24を形成する
と共に、背面基板12の対向面に、陰極引出パターン18
と、陰極保持層22と、MoBとBaAl2O4を混合した
エミッタ物質よりなる柱状陰極20を形成し、前面基板14
と背面基板12とを、所定の間隙を隔てて対向配置して各
電極間に放電セル30を形成し、両基板の周縁を封止して
気密容器16と成し、気密容器16内部に紫外線放射ガスと
してのXeを含む放電ガスと蛍光体32を封入して成る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガス放電表示管に係
り、特に、気密容器内に陰極と陽極を放電間隙を隔てて
対向配置すると共に、該気密容器内に紫外線放射ガスと
蛍光体を封入して成るガス放電表示管に関する。
り、特に、気密容器内に陰極と陽極を放電間隙を隔てて
対向配置すると共に、該気密容器内に紫外線放射ガスと
蛍光体を封入して成るガス放電表示管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガス放電表示管の一例として、図
15に示す偏平型ガス放電表示管70がある。このガス放
電表示管70は、一面に複数本の帯状陰極72を並設した平
板ガラス等の絶縁材からなる背面基板74と、一面に複数
本の帯状透明陽極76を並設した平板ガラス等の透明絶縁
材よりなる前面基板78とを、陰極72と透明陽極76とが所
定の間隙を隔てて交差するよう配置し、両基板周縁を封
着材によって封止して気密容器80となし、該気密容器80
の内部空間に紫外線放射用のXe(キセノン)ガスを含
む放電ガスを封入してなる。
15に示す偏平型ガス放電表示管70がある。このガス放
電表示管70は、一面に複数本の帯状陰極72を並設した平
板ガラス等の絶縁材からなる背面基板74と、一面に複数
本の帯状透明陽極76を並設した平板ガラス等の透明絶縁
材よりなる前面基板78とを、陰極72と透明陽極76とが所
定の間隙を隔てて交差するよう配置し、両基板周縁を封
着材によって封止して気密容器80となし、該気密容器80
の内部空間に紫外線放射用のXe(キセノン)ガスを含
む放電ガスを封入してなる。
【0003】上記内部空間は、前面基板78の対向面に格
子状に形成された前面側バリアリブ82を介して均等に区
切られ、陰極72と透明陽極76との交差部分毎に放電セル
84が形成される。また、前面側バリアリブ82の端面に
は、スペーサ86が所定の間隔をおいて形成されており、
その結果、前面側バリアリブ82と背面基板74の表面との
間には、スペーサ86の高さに相当する高さを備えた間隙
88が形成される。各放電セル84は、この間隙88を介して
連通される。また、上記背面基板74の表面や前面側バリ
アリブ82の側面には、所望の発光色に対応した蛍光体90
が塗布されている。上記陰極72は、図示は省略したが、
Ag・Pd(銀・パラジウム)ペースト等よりなる陰極
基体の表面に、エミッタ物質をプラズマ溶射法によって
被着させて成る。このエミッタ物質は、放電開始電圧を
低下させると共に、耐スパッタ性を向上させるために被
着されるものである。
子状に形成された前面側バリアリブ82を介して均等に区
切られ、陰極72と透明陽極76との交差部分毎に放電セル
84が形成される。また、前面側バリアリブ82の端面に
は、スペーサ86が所定の間隔をおいて形成されており、
その結果、前面側バリアリブ82と背面基板74の表面との
間には、スペーサ86の高さに相当する高さを備えた間隙
88が形成される。各放電セル84は、この間隙88を介して
連通される。また、上記背面基板74の表面や前面側バリ
アリブ82の側面には、所望の発光色に対応した蛍光体90
が塗布されている。上記陰極72は、図示は省略したが、
Ag・Pd(銀・パラジウム)ペースト等よりなる陰極
基体の表面に、エミッタ物質をプラズマ溶射法によって
被着させて成る。このエミッタ物質は、放電開始電圧を
低下させると共に、耐スパッタ性を向上させるために被
着されるものである。
【0004】しかして、上記透明陽極76と陰極72間に選
択的に直流電圧を印加することにより、所望の放電セル
84において放電が生成され、該放電によって発生した紫
外線が蛍光体90を励起し、該蛍光体90の種類に応じた発
光色を備えた光が、透明陽極76及び前面基板78を透過し
て外部に放射される。この結果、表示面としての前面基
板78に、任意の文字や図形等が表示される。なお、間隙
88を介して、各放電セル84間のイオンの流通が確保され
る。
択的に直流電圧を印加することにより、所望の放電セル
84において放電が生成され、該放電によって発生した紫
外線が蛍光体90を励起し、該蛍光体90の種類に応じた発
光色を備えた光が、透明陽極76及び前面基板78を透過し
て外部に放射される。この結果、表示面としての前面基
板78に、任意の文字や図形等が表示される。なお、間隙
88を介して、各放電セル84間のイオンの流通が確保され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記エミッタ物質とし
ては、希土類元素の硼化物に属するLaB6(六硼化ラ
ンタン)が、放電特性や耐スパッタ性等の観点から優れ
ており、上記従来例においても、LaB6を主体として
含む物質が採用されている。
ては、希土類元素の硼化物に属するLaB6(六硼化ラ
ンタン)が、放電特性や耐スパッタ性等の観点から優れ
ており、上記従来例においても、LaB6を主体として
含む物質が採用されている。
【0006】ところが、上記構成のガス放電表示管にあ
っては、時間の経過に伴い、その輝度が低下したり、場
合によっては発光色が変化するといった問題が生じる。
発明者達は、この原因を究明するため種々検討を重ねた
結果、紫外線放射ガスであるXeが、エミッタ物質を構
成するLaB6に次第に吸着されてしまう事実を、XM
A(X線マイクロアナライザ)を用いて実証した。すな
わち、Xeの量が減少し、紫外線の発生量が低下するた
め、蛍光体からの発光量自体が減少し、表示管の輝度低
下が生じるのである。なお、発光色が変化する場合があ
るのは、Xeの減少に伴って蛍光体発光が減少した分、
封入ガス中の他の成分(例えばArやNe等)の影響力
が強まるためである。
っては、時間の経過に伴い、その輝度が低下したり、場
合によっては発光色が変化するといった問題が生じる。
発明者達は、この原因を究明するため種々検討を重ねた
結果、紫外線放射ガスであるXeが、エミッタ物質を構
成するLaB6に次第に吸着されてしまう事実を、XM
A(X線マイクロアナライザ)を用いて実証した。すな
わち、Xeの量が減少し、紫外線の発生量が低下するた
め、蛍光体からの発光量自体が減少し、表示管の輝度低
下が生じるのである。なお、発光色が変化する場合があ
るのは、Xeの減少に伴って蛍光体発光が減少した分、
封入ガス中の他の成分(例えばArやNe等)の影響力
が強まるためである。
【0007】この発明は、上記従来例の欠点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、時間の経
過に伴ってXeが減少することがなく、したがって輝度
の低下や発光色の変化が生じることのないガス放電表示
管を実現することにある。
されたものであり、その目的とするところは、時間の経
過に伴ってXeが減少することがなく、したがって輝度
の低下や発光色の変化が生じることのないガス放電表示
管を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、発明者達は、LaB6と同等の優れたエミッタ特性
を備えると共に、紫外線放射ガスであるXeを吸着する
ことのない物質を求めて実験を重ねた結果、MoB(硼
化モリブデン)が上記条件に合致することを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明
に係るガス放電表示管は、陽極と、少なくとも表面にエ
ミッタ物質が露出した陰極とを、放電間隙を隔てて対向
配置し、これを少なくともXe(キセノン)を含有した
放電ガスと蛍光体と共に気密容器内に封入して成るガス
放電表示管において、上記エミッタ物質を、MoB(硼
化モリブデン)を含む物質によって構成したことを特徴
とする。
め、発明者達は、LaB6と同等の優れたエミッタ特性
を備えると共に、紫外線放射ガスであるXeを吸着する
ことのない物質を求めて実験を重ねた結果、MoB(硼
化モリブデン)が上記条件に合致することを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明
に係るガス放電表示管は、陽極と、少なくとも表面にエ
ミッタ物質が露出した陰極とを、放電間隙を隔てて対向
配置し、これを少なくともXe(キセノン)を含有した
放電ガスと蛍光体と共に気密容器内に封入して成るガス
放電表示管において、上記エミッタ物質を、MoB(硼
化モリブデン)を含む物質によって構成したことを特徴
とする。
【0009】上記気密容器を、一面に複数の透明陽極を
形成した透明絶縁材よりなる前面基板と、一面に複数の
陰極を形成した絶縁材よりなる背面基板とを、各基板の
電極同士が所定の間隙を隔てて対向するよう配置し、両
基板の周縁を封止して形成し、該気密容器内に少なくと
もXe(キセノン)を含有した放電ガスと蛍光体を封入
すると共に、上記陰極の少なくとも表面にMoB(硼化
モリブデン)を含むエミッタ物質が露出するよう構成し
てもよい。
形成した透明絶縁材よりなる前面基板と、一面に複数の
陰極を形成した絶縁材よりなる背面基板とを、各基板の
電極同士が所定の間隙を隔てて対向するよう配置し、両
基板の周縁を封止して形成し、該気密容器内に少なくと
もXe(キセノン)を含有した放電ガスと蛍光体を封入
すると共に、上記陰極の少なくとも表面にMoB(硼化
モリブデン)を含むエミッタ物質が露出するよう構成し
てもよい。
【0010】上記背面基板の対向面に、陰極引出パター
ンと、該陰極引出パターンの表面を被覆する陰極保持層
と、上記陰極引出パターンの表面に立設され、基端部が
上記陰極保持層内に埋没すると共に、先端部が該陰極保
持層外に突出してなる柱状陰極を形成し、該柱状陰極の
少なくとも先端部表面にMoB(硼化モリブデン)を含
むエミッタ物質が露出するよう構成してもよい。また、
上記陰極保持層の表面に、複数の孔部を備えた背面側バ
リアリブを形成し、該孔部内に上記柱状陰極の先端部が
配置されると共に、該孔部の孔径が上記陰極保持層側か
ら前面基板側に向けて漸次拡大するよう構成してもよ
い。さらに、上記柱状陰極全体を、MoB(硼化モリブ
デン)を含むエミッタ物質によって構成してもよい。
ンと、該陰極引出パターンの表面を被覆する陰極保持層
と、上記陰極引出パターンの表面に立設され、基端部が
上記陰極保持層内に埋没すると共に、先端部が該陰極保
持層外に突出してなる柱状陰極を形成し、該柱状陰極の
少なくとも先端部表面にMoB(硼化モリブデン)を含
むエミッタ物質が露出するよう構成してもよい。また、
上記陰極保持層の表面に、複数の孔部を備えた背面側バ
リアリブを形成し、該孔部内に上記柱状陰極の先端部が
配置されると共に、該孔部の孔径が上記陰極保持層側か
ら前面基板側に向けて漸次拡大するよう構成してもよ
い。さらに、上記柱状陰極全体を、MoB(硼化モリブ
デン)を含むエミッタ物質によって構成してもよい。
【0011】上記エミッタ物質として、例えば、MoB
(硼化モリブデン)にBaAl2O4(アルミン酸バリウ
ム)を混合した物質を用いるの望ましい。
(硼化モリブデン)にBaAl2O4(アルミン酸バリウ
ム)を混合した物質を用いるの望ましい。
【0012】
【作用】上記従来例において、XeがLaB6に吸着さ
れるのは、La原子(Laイオン)の半径とXe原子
(Xeイオン)の半径が比較的に近似しているため、放
電によって生じたXeイオンが高エネルギー状態でLa
B6に衝突し、Laイオンと置き換わって取り込まれて
しまうことが原因しているものと考えられる。これに対
し、本発明のエミッタ物質を構成するMoBのMo原子
(Moイオン)は、Xe原子(Xeイオン)よりも半径
が小さいため、紫外線放射ガスであるXeがエミッタ物
質に吸着されることがなくなり、ガス放電表示管の輝度
及び発光色は、極めて安定したものとなる。また、Mo
Bは、LaB6と同じ希土類元素の硼化物に属するた
め、MoBによってエミッタ物質を形成しても、表示管
としての特性(放電開始電圧や耐スパッタ性等)に遜色
はない。
れるのは、La原子(Laイオン)の半径とXe原子
(Xeイオン)の半径が比較的に近似しているため、放
電によって生じたXeイオンが高エネルギー状態でLa
B6に衝突し、Laイオンと置き換わって取り込まれて
しまうことが原因しているものと考えられる。これに対
し、本発明のエミッタ物質を構成するMoBのMo原子
(Moイオン)は、Xe原子(Xeイオン)よりも半径
が小さいため、紫外線放射ガスであるXeがエミッタ物
質に吸着されることがなくなり、ガス放電表示管の輝度
及び発光色は、極めて安定したものとなる。また、Mo
Bは、LaB6と同じ希土類元素の硼化物に属するた
め、MoBによってエミッタ物質を形成しても、表示管
としての特性(放電開始電圧や耐スパッタ性等)に遜色
はない。
【0013】本発明は、上記のように、透明陽極を形成
した前面基板と陰極を形成した背面基板とを対向配置す
ると共に、両基板周縁を封止することによって気密容器
を形成した、いわゆる偏平型のガス放電表示管にも適用
できる。この場合、陰極形状を上記のように柱状とする
と共に、該柱状陰極の先端部が陰極保持層外に突出する
よう構成することにより、放電に寄与する陰極の表面積
を拡大することができる。この結果、広い範囲において
放電が生成され、紫外線の発生量が増加して表示輝度の
向上が図れる。
した前面基板と陰極を形成した背面基板とを対向配置す
ると共に、両基板周縁を封止することによって気密容器
を形成した、いわゆる偏平型のガス放電表示管にも適用
できる。この場合、陰極形状を上記のように柱状とする
と共に、該柱状陰極の先端部が陰極保持層外に突出する
よう構成することにより、放電に寄与する陰極の表面積
を拡大することができる。この結果、広い範囲において
放電が生成され、紫外線の発生量が増加して表示輝度の
向上が図れる。
【0014】また、陰極保持層の表面に形成された背面
側バリアリブの孔部内に柱状陰極の先端部を配置すると
共に、該孔部の孔径が陰極保持層側から前面基板側に向
けて漸次拡大する、いわゆる漏斗状に形成することによ
り、放電により生じた光を前面基板側に効率的に反射・
集光させることができ、表示輝度のさらなる向上が達成
できる。
側バリアリブの孔部内に柱状陰極の先端部を配置すると
共に、該孔部の孔径が陰極保持層側から前面基板側に向
けて漸次拡大する、いわゆる漏斗状に形成することによ
り、放電により生じた光を前面基板側に効率的に反射・
集光させることができ、表示輝度のさらなる向上が達成
できる。
【0015】上記BaAl2O4は、仕事関数が小さく放
電開始電圧を低下させる働きが顕著であるが、それ自体
導電性に欠ける。そこで、導電性を有するMoBに、こ
のBaAl2O4を混ぜてエミッタ物質を構成することに
より、より優れたエミッタ特性を実現できる。
電開始電圧を低下させる働きが顕著であるが、それ自体
導電性に欠ける。そこで、導電性を有するMoBに、こ
のBaAl2O4を混ぜてエミッタ物質を構成することに
より、より優れたエミッタ特性を実現できる。
【0016】
【実施例】以下にこの発明に係るガス放電表示管の実施
例を、添付図面に基づいて説明する。図1は、偏平型の
ガス放電表示管を示す概略断面図である。この第1のガ
ス放電表示管10は、平板ガラス等の絶縁材よりなる背面
基板12と、同じく平板ガラス等の透明絶縁材よりなる前
面基板14を、所定の間隙を隔てて対向配置し、両基板周
縁を低融点ガラス等の図示しない封着材によって封止し
て気密容器16を形成し、該気密容器16の内部空間に放電
ガスを封入することを基本構成とする。この放電ガス
は、紫外線放射用のXeガスに、He,Ar,Neガス
等を混合したものよりなる。
例を、添付図面に基づいて説明する。図1は、偏平型の
ガス放電表示管を示す概略断面図である。この第1のガ
ス放電表示管10は、平板ガラス等の絶縁材よりなる背面
基板12と、同じく平板ガラス等の透明絶縁材よりなる前
面基板14を、所定の間隙を隔てて対向配置し、両基板周
縁を低融点ガラス等の図示しない封着材によって封止し
て気密容器16を形成し、該気密容器16の内部空間に放電
ガスを封入することを基本構成とする。この放電ガス
は、紫外線放射用のXeガスに、He,Ar,Neガス
等を混合したものよりなる。
【0017】上記背面基板12の対向面には、該背面基板
12の部分斜視図である図2に示すように、Ag・Pd系
ペースト等よりなる帯状の陰極引出パターン18が、複数
列並設されている。また、各陰極引出パターン18の上面
には、MoBとBaAl2O4を約2:1の比率で混合し
たエミッタ物質よりなる円筒形の柱状陰極20が、一定の
間隔をおいて複数本立設されている。この柱状陰極20
は、その基端部20aが、背面基板12の対向面及び陰極引
出パターン18上を覆う陰極保持層22内に埋没していると
共に、その先端部20bは、該陰極保持層22外に突出して
いる。この陰極保持層22は、ガラス等の絶縁材によって
構成されている。
12の部分斜視図である図2に示すように、Ag・Pd系
ペースト等よりなる帯状の陰極引出パターン18が、複数
列並設されている。また、各陰極引出パターン18の上面
には、MoBとBaAl2O4を約2:1の比率で混合し
たエミッタ物質よりなる円筒形の柱状陰極20が、一定の
間隔をおいて複数本立設されている。この柱状陰極20
は、その基端部20aが、背面基板12の対向面及び陰極引
出パターン18上を覆う陰極保持層22内に埋没していると
共に、その先端部20bは、該陰極保持層22外に突出して
いる。この陰極保持層22は、ガラス等の絶縁材によって
構成されている。
【0018】上記前面基板14の対向面には、該前面基板
14の部分斜視図である図3に示すように、NESA膜
(SnO2)やITO膜(In2O3・SnO2)等よりな
る帯状の透明陽極24が複数本並設されている。また、各
透明陽極24間を仕切る第1の隔壁26aと、各透明陽極24
を長さ方向に所定の間隔で区切る第2の隔壁26bを備え
た格子状の前面側バリアリブ26が形成されている。この
前面側バリアリブ26は、ガラス等の絶縁材によって構成
されている。さらに、前面側バリアリブ26の第1の隔壁
26aと第2の隔壁26bとの交点部分には、ガラス等の絶
縁材よりなるスペーサ28が形成されている。
14の部分斜視図である図3に示すように、NESA膜
(SnO2)やITO膜(In2O3・SnO2)等よりな
る帯状の透明陽極24が複数本並設されている。また、各
透明陽極24間を仕切る第1の隔壁26aと、各透明陽極24
を長さ方向に所定の間隔で区切る第2の隔壁26bを備え
た格子状の前面側バリアリブ26が形成されている。この
前面側バリアリブ26は、ガラス等の絶縁材によって構成
されている。さらに、前面側バリアリブ26の第1の隔壁
26aと第2の隔壁26bとの交点部分には、ガラス等の絶
縁材よりなるスペーサ28が形成されている。
【0019】図1に示すように、背面基板12と前面基板
14は、それぞれの対向面に形成された陰極引出パターン
18と透明陽極24が所定の間隙を隔てて交差し、かつ、前
面基板14の対向面に形成された前面側バリアリブ26の第
1の隔壁26a及び第2の隔壁26bによって柱状陰極20間
が区画されるよう配置されている。この際、前面側バリ
アリブ26に形成された各スペーサ28の端面は、背面基板
12の陰極保持層22の表面に当接される。また、各柱状陰
極の先端部20bは、所定の間隙を隔てて透明陽極24と対
向する。この結果、各柱状陰極20毎に、第1の隔壁26
a、第2の隔壁26b、前面基板14、陰極保持層22によっ
て囲繞された放電セル30が形成される。
14は、それぞれの対向面に形成された陰極引出パターン
18と透明陽極24が所定の間隙を隔てて交差し、かつ、前
面基板14の対向面に形成された前面側バリアリブ26の第
1の隔壁26a及び第2の隔壁26bによって柱状陰極20間
が区画されるよう配置されている。この際、前面側バリ
アリブ26に形成された各スペーサ28の端面は、背面基板
12の陰極保持層22の表面に当接される。また、各柱状陰
極の先端部20bは、所定の間隙を隔てて透明陽極24と対
向する。この結果、各柱状陰極20毎に、第1の隔壁26
a、第2の隔壁26b、前面基板14、陰極保持層22によっ
て囲繞された放電セル30が形成される。
【0020】各放電セル30における柱状陰極の先端部20
b近傍には、所望の発光色に対応した蛍光体32が被着さ
れる。該蛍光体32は、より正確には、陰極保持層22の表
面における柱状陰極の先端部20b周辺部分、スペーサ28
の側面部分、前面側バリアリブの第1の隔壁26a及び第
2の隔壁26bの下方部分(陰極保持層22の近傍部分)に
被着されている。なお、スペーサ28の側面部分、前面側
バリアリブの第1の隔壁26a及び第2の隔壁26bの下方
部分への蛍光体の被着は、図3の状態(前面基板14を下
にした状態)におけるスペーサ28、第1の隔壁26a及び
第2の隔壁26bに対して、それぞれの端面の横幅よりも
若干幅広いパターンで蛍光体塗料を印刷し、はみ出た蛍
光体塗料を自然に側面に垂れ下がらせることによって実
現される。
b近傍には、所望の発光色に対応した蛍光体32が被着さ
れる。該蛍光体32は、より正確には、陰極保持層22の表
面における柱状陰極の先端部20b周辺部分、スペーサ28
の側面部分、前面側バリアリブの第1の隔壁26a及び第
2の隔壁26bの下方部分(陰極保持層22の近傍部分)に
被着されている。なお、スペーサ28の側面部分、前面側
バリアリブの第1の隔壁26a及び第2の隔壁26bの下方
部分への蛍光体の被着は、図3の状態(前面基板14を下
にした状態)におけるスペーサ28、第1の隔壁26a及び
第2の隔壁26bに対して、それぞれの端面の横幅よりも
若干幅広いパターンで蛍光体塗料を印刷し、はみ出た蛍
光体塗料を自然に側面に垂れ下がらせることによって実
現される。
【0021】しかして、図示しない電源より、透明陽極
24及び柱状陰極20間に直流電圧を印加すると、放電セル
30内で放電が生成し、紫外線が発生する。この紫外線が
放電セル30内の蛍光体32を励起し、所定の発光色を有す
る光が透明陽極24及び前面基板14を透過して外部に放射
される。この電圧印加を、図示しない制御・駆動回路を
介して選択的に実行することにより、所望の放電セル30
において放電発光を生成させ、前面基板14上に任意の文
字や図形を表示することができる。
24及び柱状陰極20間に直流電圧を印加すると、放電セル
30内で放電が生成し、紫外線が発生する。この紫外線が
放電セル30内の蛍光体32を励起し、所定の発光色を有す
る光が透明陽極24及び前面基板14を透過して外部に放射
される。この電圧印加を、図示しない制御・駆動回路を
介して選択的に実行することにより、所望の放電セル30
において放電発光を生成させ、前面基板14上に任意の文
字や図形を表示することができる。
【0022】ところで、従来の偏平型ガス放電表示管の
場合、図15に示したように、陰極形状が偏平な帯状を
成しており、その厚さも比較的薄く形成されているた
め、放電セル内の限られた部分でしか放電が生成し得
ず、表示の輝度が不十分となる欠点があった。これに対
し、本実施例に係る表示管においては、柱状の陰極を用
いると共に、該柱状陰極の先端部20bが陰極保持層22外
に突出しているため、その頂面のみならず側周面も放電
に寄与することとなる。したがって、放電によって発生
した紫外線は、陰極保持層22表面に被着された蛍光体32
にも十分照射されるため、極めて高輝度な表示が可能と
なる。このように、陰極保持層22表面に被着した蛍光体
32を放電発光に有効に利用できるため、蛍光体32の被着
面積を広く確保することができる。
場合、図15に示したように、陰極形状が偏平な帯状を
成しており、その厚さも比較的薄く形成されているた
め、放電セル内の限られた部分でしか放電が生成し得
ず、表示の輝度が不十分となる欠点があった。これに対
し、本実施例に係る表示管においては、柱状の陰極を用
いると共に、該柱状陰極の先端部20bが陰極保持層22外
に突出しているため、その頂面のみならず側周面も放電
に寄与することとなる。したがって、放電によって発生
した紫外線は、陰極保持層22表面に被着された蛍光体32
にも十分照射されるため、極めて高輝度な表示が可能と
なる。このように、陰極保持層22表面に被着した蛍光体
32を放電発光に有効に利用できるため、蛍光体32の被着
面積を広く確保することができる。
【0023】図4に示すように、柱状陰極の基端部20a
は陰極保持層22に密着し、該陰極保持層22によって確実
に保持されている。したがって、単に陰極引出パターン
18の表面に柱状陰極20の底面を接続する場合に比べ、陰
極引出パターン18への接続強度は格段に高くなり、容易
に抜け難いものとなっている。このため、放電セル30の
細密化に対応して柱状陰極20を細く形成しても、十分な
接続強度を確保できる。また、陰極保持層22の表面にお
ける柱状陰極20の周辺部分は、図示の通り窪んでおり、
柱状陰極20との間に溝34が形成されている。したがっ
て、図5に示すように、陰極保持層22の表面に被着させ
た蛍光体32が該溝34内に流れ込む。この結果、柱状陰極
20の付根部分における蛍光体32の厚さを十分確保するこ
とができる。また、この溝34が蛍光体32の無秩序な流れ
を規制する役割も果たしている。
は陰極保持層22に密着し、該陰極保持層22によって確実
に保持されている。したがって、単に陰極引出パターン
18の表面に柱状陰極20の底面を接続する場合に比べ、陰
極引出パターン18への接続強度は格段に高くなり、容易
に抜け難いものとなっている。このため、放電セル30の
細密化に対応して柱状陰極20を細く形成しても、十分な
接続強度を確保できる。また、陰極保持層22の表面にお
ける柱状陰極20の周辺部分は、図示の通り窪んでおり、
柱状陰極20との間に溝34が形成されている。したがっ
て、図5に示すように、陰極保持層22の表面に被着させ
た蛍光体32が該溝34内に流れ込む。この結果、柱状陰極
20の付根部分における蛍光体32の厚さを十分確保するこ
とができる。また、この溝34が蛍光体32の無秩序な流れ
を規制する役割も果たしている。
【0024】上記のように、前面側バリアリブ26上に形
成されたスペーサ28の端面が陰極保持層22の表面に当接
しているため、第1の隔壁26a及び第2の隔壁26bの各
端面と陰極保持層22との間には、スペーサ28の高さに相
当する間隙35が形成される(図1)。したがって、この
間隙35を介して各放電セル30間でイオンの流通が確保さ
れる。なお、柱状陰極の先端部20bの突出高さに比し
て、この間隙35の高さが十分小さく、しかも上記放電に
よって発生するスパッタ物質のほとんどが前面基板14側
に飛散するため、該スパッタ物質が上記間隙35を通じて
隣接する放電セル30内に侵入し、柱状陰極20間の絶縁性
が阻害されるおそれはない。
成されたスペーサ28の端面が陰極保持層22の表面に当接
しているため、第1の隔壁26a及び第2の隔壁26bの各
端面と陰極保持層22との間には、スペーサ28の高さに相
当する間隙35が形成される(図1)。したがって、この
間隙35を介して各放電セル30間でイオンの流通が確保さ
れる。なお、柱状陰極の先端部20bの突出高さに比し
て、この間隙35の高さが十分小さく、しかも上記放電に
よって発生するスパッタ物質のほとんどが前面基板14側
に飛散するため、該スパッタ物質が上記間隙35を通じて
隣接する放電セル30内に侵入し、柱状陰極20間の絶縁性
が阻害されるおそれはない。
【0025】この第1のガス放電表示管10の表示色は、
蛍光体32の種類に大きく依存するが、放電ガスに混合さ
れたXe以外の成分の影響も受ける。したがって、蛍光
体32の選定、及び放電ガスの成分や混合比率を適宜調整
することにより、所望の表示色を実現できる。また、放
電によって白色光が得られるよう上記諸条件を設定する
と共に、前面基板14の表面あるいは内面にカラーフィル
タを接合することにより、必要な表示色を実現すること
もできる。
蛍光体32の種類に大きく依存するが、放電ガスに混合さ
れたXe以外の成分の影響も受ける。したがって、蛍光
体32の選定、及び放電ガスの成分や混合比率を適宜調整
することにより、所望の表示色を実現できる。また、放
電によって白色光が得られるよう上記諸条件を設定する
と共に、前面基板14の表面あるいは内面にカラーフィル
タを接合することにより、必要な表示色を実現すること
もできる。
【0026】つぎに、図6〜図9に基づいて、上記陰極
保持層22及び柱状陰極20の製造方法について説明する。
まず、背面基板12の一面に、Ag・Pd系ペーストを印
刷等することにより、帯状の陰極引出パターン18を被着
形成すると共に、ガラスペーストやセラミックペースト
等の絶縁材料を厚膜印刷等することにより、上記柱状陰
極20の外形に対応した型孔36を備えた陰極保持層の素地
38を予め形成しておく(図6)。これに、MoBとBa
Al2O4との混合物よりなるエミッタ物質40を、プラズ
マ溶射によって吹き付ける(図7)。この結果、上記型
孔36内にエミッタ物質40が充填される。なお、エミッタ
物質40を構成するBaAl2O4は、それ自体絶縁物であ
るが、このプラズマ溶射によってBaが物質内で遊離す
るため、ある程度の導電性が現れる。
保持層22及び柱状陰極20の製造方法について説明する。
まず、背面基板12の一面に、Ag・Pd系ペーストを印
刷等することにより、帯状の陰極引出パターン18を被着
形成すると共に、ガラスペーストやセラミックペースト
等の絶縁材料を厚膜印刷等することにより、上記柱状陰
極20の外形に対応した型孔36を備えた陰極保持層の素地
38を予め形成しておく(図6)。これに、MoBとBa
Al2O4との混合物よりなるエミッタ物質40を、プラズ
マ溶射によって吹き付ける(図7)。この結果、上記型
孔36内にエミッタ物質40が充填される。なお、エミッタ
物質40を構成するBaAl2O4は、それ自体絶縁物であ
るが、このプラズマ溶射によってBaが物質内で遊離す
るため、ある程度の導電性が現れる。
【0027】その後、陰極保持層の素地38の表面に堆積
したエミッタ物質40を研磨し、これを削除する(図
8)。この結果、上記型孔36に充填されたエミッタ物質
40のみが残されることとなる。最後に、陰極保持層の素
地38を所定の温度で焼成することにより、陰極保持層22
が形成される。この際、通常の焼成温度よりも高めに温
度設定することにより、陰極保持層の素地38が全体的に
収縮する。そして、この陰極保持層の素地38が収縮した
分だけ、上記型孔36内に充填されたエミッタ物質40が陰
極保持層22の表面から突出することとなり、結果的に柱
状陰極20が形成される(図9)。また、この焼成・収縮
の際に、上記陰極保持層22と柱状陰極20との間の隙間34
も形成される。この陰極保持層の素地38の収縮率は、絶
縁材料の材質や融点、焼成温度との兼ね合いで決まる。
したがって、これらの条件をを適宜選択することによ
り、柱状陰極20の突出度を調節できる。
したエミッタ物質40を研磨し、これを削除する(図
8)。この結果、上記型孔36に充填されたエミッタ物質
40のみが残されることとなる。最後に、陰極保持層の素
地38を所定の温度で焼成することにより、陰極保持層22
が形成される。この際、通常の焼成温度よりも高めに温
度設定することにより、陰極保持層の素地38が全体的に
収縮する。そして、この陰極保持層の素地38が収縮した
分だけ、上記型孔36内に充填されたエミッタ物質40が陰
極保持層22の表面から突出することとなり、結果的に柱
状陰極20が形成される(図9)。また、この焼成・収縮
の際に、上記陰極保持層22と柱状陰極20との間の隙間34
も形成される。この陰極保持層の素地38の収縮率は、絶
縁材料の材質や融点、焼成温度との兼ね合いで決まる。
したがって、これらの条件をを適宜選択することによ
り、柱状陰極20の突出度を調節できる。
【0028】なお、上記製造方法にあっては、柱状陰極
20の素となるエミッタ物質40を、プラズマ溶射によって
陰極保持層の素地38に吹き付ける例を示したが、これに
限られるものではなく、例えば印刷によって陰極保持層
の素地38の型孔36内にエミッタ物質40を充填してもよ
い。
20の素となるエミッタ物質40を、プラズマ溶射によって
陰極保持層の素地38に吹き付ける例を示したが、これに
限られるものではなく、例えば印刷によって陰極保持層
の素地38の型孔36内にエミッタ物質40を充填してもよ
い。
【0029】また、柱状陰極20の素材として、全面的に
エミッタ物質40を用いる代わりに、Niペースト等の通
常の導電材料を用いて円筒状の基体部分を形成し、その
先端部表面にエミッタ物質をコーティングするよう構成
してもよい。
エミッタ物質40を用いる代わりに、Niペースト等の通
常の導電材料を用いて円筒状の基体部分を形成し、その
先端部表面にエミッタ物質をコーティングするよう構成
してもよい。
【0030】さらに、上記製造方法にあっては、陰極保
持層の素地38を収縮させることによって、柱状陰極の先
端部20bを相対的に突出させるよう構成したが、これに
限られるものではなく、例えば必要な高さを備えた陰極
保持層22を予め完成しておき、その後に印刷やプラズマ
溶射等の手段を用いて柱状陰極20の材料を必要な高さに
形成し、もって柱状陰極の先端部20bが突出するよう構
成してもよい。
持層の素地38を収縮させることによって、柱状陰極の先
端部20bを相対的に突出させるよう構成したが、これに
限られるものではなく、例えば必要な高さを備えた陰極
保持層22を予め完成しておき、その後に印刷やプラズマ
溶射等の手段を用いて柱状陰極20の材料を必要な高さに
形成し、もって柱状陰極の先端部20bが突出するよう構
成してもよい。
【0031】つぎに、図10〜図13に基づいて、本発
明に係る他の実施例を説明する。この第2のガス放電表
示管50は、図10に示すように、陰極保持層22の表面
に、背面側バリアリブ52を形成した点に特徴を有する。
この背面側バリアリブ52は、ガラス等の絶縁材よりな
り、各柱状陰極20を取り囲む孔部54が複数形成されてい
る。この孔部54は、その下方(陰極保持層22側)から上
方(前面基板14側)に向けて孔径が漸次拡大するよう形
成された、いわゆる漏斗形状をなしており、この孔部54
内の略中央に柱状陰極の先端部20bが収容されている。
また、背面側バリアリブ52は、図11に示すように、陰
極保持層22の表面に密着した第1の層52aと、順次積層
された第2の層52b及び第3の層52cよりなる3層構造
を備えており、各層にはそれぞれ孔径の異なる貫通孔が
形成されている。そして、最も孔径の小さい第1の層の
貫通孔54a、次に孔径の小さい第2の層の貫通孔54b、
最も孔径の大きい第3の層の貫通孔54cが、それぞれ同
心円状に連続するよう位置決めされ、もって孔径が下方
から上方に向けて漸次拡大する上記孔部54が形成され
る。
明に係る他の実施例を説明する。この第2のガス放電表
示管50は、図10に示すように、陰極保持層22の表面
に、背面側バリアリブ52を形成した点に特徴を有する。
この背面側バリアリブ52は、ガラス等の絶縁材よりな
り、各柱状陰極20を取り囲む孔部54が複数形成されてい
る。この孔部54は、その下方(陰極保持層22側)から上
方(前面基板14側)に向けて孔径が漸次拡大するよう形
成された、いわゆる漏斗形状をなしており、この孔部54
内の略中央に柱状陰極の先端部20bが収容されている。
また、背面側バリアリブ52は、図11に示すように、陰
極保持層22の表面に密着した第1の層52aと、順次積層
された第2の層52b及び第3の層52cよりなる3層構造
を備えており、各層にはそれぞれ孔径の異なる貫通孔が
形成されている。そして、最も孔径の小さい第1の層の
貫通孔54a、次に孔径の小さい第2の層の貫通孔54b、
最も孔径の大きい第3の層の貫通孔54cが、それぞれ同
心円状に連続するよう位置決めされ、もって孔径が下方
から上方に向けて漸次拡大する上記孔部54が形成され
る。
【0032】この孔部54の内面には、図12に示すよう
に、AlやNi等の金属を蒸着させることにより、光反
射層56が形成されている。また、この光反射層56の表面
と、陰極保持層22の表面で背面側バリアリブ52に覆われ
ていない部分(柱状陰極20の付根部分)には、所望の発
光色に対応した蛍光体32が吹き付け塗装によって被着さ
れている。
に、AlやNi等の金属を蒸着させることにより、光反
射層56が形成されている。また、この光反射層56の表面
と、陰極保持層22の表面で背面側バリアリブ52に覆われ
ていない部分(柱状陰極20の付根部分)には、所望の発
光色に対応した蛍光体32が吹き付け塗装によって被着さ
れている。
【0033】図13は前面基板14を示す斜視図であり、
この前面基板14の対向面には、帯状の透明陽極24が複数
列並設されている。また、各透明陽極24間を仕切る第1
の隔壁26aと、各透明陽極24を長さ方向に所定の間隔で
区切る第2の隔壁26bを備えた格子状の前面側バリアリ
ブ26が形成されている。さらに、前面側バリアリブ26の
端面における第1の隔壁26aと第2の隔壁26bの交差部
分には、スペーサ28が形成されている。
この前面基板14の対向面には、帯状の透明陽極24が複数
列並設されている。また、各透明陽極24間を仕切る第1
の隔壁26aと、各透明陽極24を長さ方向に所定の間隔で
区切る第2の隔壁26bを備えた格子状の前面側バリアリ
ブ26が形成されている。さらに、前面側バリアリブ26の
端面における第1の隔壁26aと第2の隔壁26bの交差部
分には、スペーサ28が形成されている。
【0034】すなわち、この前面基板14の構成は、先に
図3において示した前面基板とほとんど同じであるが、
ただ前面側バリアリブ26の高さが低い点のみ異なってい
る。これは、各放電セル30を取り囲む役割のほとんど
を、本実施例においては背面側バリアリブ52が肩代わり
しているからである。
図3において示した前面基板とほとんど同じであるが、
ただ前面側バリアリブ26の高さが低い点のみ異なってい
る。これは、各放電セル30を取り囲む役割のほとんど
を、本実施例においては背面側バリアリブ52が肩代わり
しているからである。
【0035】なお、前面側バリアリブ26に形成された各
スペーサ28の端面は、背面側バリアリブ52の表面に当接
しているため、第1の隔壁26a及び第2の隔壁26bの各
端面と背面側バリアリブ52の表面との間には、スペーサ
28の高さに相当する間隙35が形成される。したがって、
この間隙35を介して各放電セル30間でイオンの流通が確
保される。
スペーサ28の端面は、背面側バリアリブ52の表面に当接
しているため、第1の隔壁26a及び第2の隔壁26bの各
端面と背面側バリアリブ52の表面との間には、スペーサ
28の高さに相当する間隙35が形成される。したがって、
この間隙35を介して各放電セル30間でイオンの流通が確
保される。
【0036】この第2のガス放電表示管50にあっては、
背面側バリアリブ52の孔部54が、下方から上方に向かっ
て孔径が漸次拡大する漏斗形状をなしており、放電によ
り生じた光はこの孔部54の内面で反射されて前面基板14
側に集光されるため、極めて高輝度な表示が可能とな
る。また、孔部54の内面に光反射層56を形成しているた
め、この反射・集光はより効果的に実現される。
背面側バリアリブ52の孔部54が、下方から上方に向かっ
て孔径が漸次拡大する漏斗形状をなしており、放電によ
り生じた光はこの孔部54の内面で反射されて前面基板14
側に集光されるため、極めて高輝度な表示が可能とな
る。また、孔部54の内面に光反射層56を形成しているた
め、この反射・集光はより効果的に実現される。
【0037】背面側バリアリブ52は、陰極保持層22の表
面に、ガラスペーストやセラミックペースト等の絶縁材
料を厚膜印刷し、これを焼成することによって形成され
る。或いは、薄板ガラスを積層して背面側バリアリブ52
を形成してもよい。また、背面側バリアリブ52の孔部54
の内面に光反射層56を被着形成する代わりに、背面側バ
リアリブ52自体を光反射性の物質で形成するよう構成し
てもよい。さらに、背面側バリアリブ52は必ずしも多層
構造とする必要はなく、単層構造としてもよい。
面に、ガラスペーストやセラミックペースト等の絶縁材
料を厚膜印刷し、これを焼成することによって形成され
る。或いは、薄板ガラスを積層して背面側バリアリブ52
を形成してもよい。また、背面側バリアリブ52の孔部54
の内面に光反射層56を被着形成する代わりに、背面側バ
リアリブ52自体を光反射性の物質で形成するよう構成し
てもよい。さらに、背面側バリアリブ52は必ずしも多層
構造とする必要はなく、単層構造としてもよい。
【0038】上記においては、偏平型のガス放電表示管
を例示したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。すなわち、一対の電極を所定の間隙を隔てて対向配
置し、少なくとも一方の電極表面にエミッタ物質が露出
すると共に、Xeを含む放電ガスと蛍光体を気密容器内
に封入した構造のガス放電表示管に広く応用できるもの
であり、その形状は特に問わないものである。例えば、
図14に示す第3のガス放電表示管60のように、円筒状
のガラス管の上下両端を融着させて気密容器61と成し、
該気密容器61内に一対の棒状放電電極62とXe含有ガス
を封入し、気密容器61の内壁に蛍光体32を塗布すると共
に、リード端子64を気密容器61外に導出させ、上記棒状
放電電極62の表面にMoBを含むエミッタ物質40を被着
させるよう構成してもよい。
を例示したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。すなわち、一対の電極を所定の間隙を隔てて対向配
置し、少なくとも一方の電極表面にエミッタ物質が露出
すると共に、Xeを含む放電ガスと蛍光体を気密容器内
に封入した構造のガス放電表示管に広く応用できるもの
であり、その形状は特に問わないものである。例えば、
図14に示す第3のガス放電表示管60のように、円筒状
のガラス管の上下両端を融着させて気密容器61と成し、
該気密容器61内に一対の棒状放電電極62とXe含有ガス
を封入し、気密容器61の内壁に蛍光体32を塗布すると共
に、リード端子64を気密容器61外に導出させ、上記棒状
放電電極62の表面にMoBを含むエミッタ物質40を被着
させるよう構成してもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明に係るガス放電表示管は、陰極側
のエミッタ物質をMoBを含む物質によって構成したた
め、紫外線放射用のXeがエミッタ物質に吸着されるこ
とがない。このため、紫外線放射量の減少による輝度の
低下や発光色の変化が生じることがなく、極めて安定し
た表示特性を実現できる。
のエミッタ物質をMoBを含む物質によって構成したた
め、紫外線放射用のXeがエミッタ物質に吸着されるこ
とがない。このため、紫外線放射量の減少による輝度の
低下や発光色の変化が生じることがなく、極めて安定し
た表示特性を実現できる。
【図1】本発明に係るガス放電表示管の一実施例を示す
概略断面図である。
概略断面図である。
【図2】同実施例に係る背面基板側の一部分を示す概略
斜視図である。
斜視図である。
【図3】同実施例に係る前面基板側の一部分を示す概略
斜視図である。
斜視図である。
【図4】同実施例に係る柱状陰極周辺を示す概略拡大断
面図である。
面図である。
【図5】同実施例に係る柱状陰極周辺を示す概略拡大断
面図である。
面図である。
【図6】同実施例に係る陰極保持層及び柱状陰極の製造
過程を示す概略断面図である。
過程を示す概略断面図である。
【図7】同実施例に係る陰極保持層及び柱状陰極の製造
過程を示す概略断面図である。
過程を示す概略断面図である。
【図8】同実施例に係る陰極保持層及び柱状陰極の製造
過程を示す概略断面図である。
過程を示す概略断面図である。
【図9】同実施例に係る陰極保持層及び柱状陰極の製造
過程を示す概略断面図である。
過程を示す概略断面図である。
【図10】本発明に係るガス放電表示管の他の実施例を
示す概略断面図である。
示す概略断面図である。
【図11】同実施例に係る背面基板側の一部分を示す概
略斜視図である。
略斜視図である。
【図12】同実施例に係る柱状陰極周辺を示す概略拡大
断面図である。
断面図である。
【図13】同実施例に係る前面基板側の一部分を示す概
略斜視図である。
略斜視図である。
【図14】本発明に係るガス放電表示管の他の実施例を
示す概略断面図である。
示す概略断面図である。
【図15】従来例を示す概略断面図である。
10 第1のガス放電表示管 12 背面基板 14 前面基板 16 気密容器 18 陰極引出パターン 20 柱状陰極 20a 柱状陰極の基端部 20b 柱状陰極の先端部 22 陰極保持層 24 透明陽極 32 蛍光体 40 エミッタ物質 50 第2のガス放電表示管 52 背面側バリアリブ 54 背面側バリアリブの孔部 60 第3のガス放電表示管 61 気密容器 62 棒状放電電極
Claims (6)
- 【請求項1】 陽極と、少なくとも表面にエミッタ物質
が露出した陰極とを、放電間隙を隔てて対向配置し、こ
れを少なくともXe(キセノン)を含有した放電ガスと
蛍光体と共に気密容器内に封入して成るガス放電表示管
において、上記エミッタ物質を、MoB(硼化モリブデ
ン)を含む物質によって構成したことを特徴とするガス
放電表示管。 - 【請求項2】 一面に複数の透明陽極を形成した透明絶
縁材よりなる前面基板と、一面に複数の陰極を形成した
絶縁材よりなる背面基板とを、各基板の電極同士が所定
の間隙を隔てて対向するよう配置し、両基板の周縁を封
止して気密容器と成し、該気密容器内に少なくともXe
(キセノン)を含有した放電ガスと蛍光体を封入すると
共に、上記陰極の少なくとも表面にMoB(硼化モリブ
デン)を含むエミッタ物質が露出するよう構成したこと
を特徴とする請求項1に記載のガス放電表示管。 - 【請求項3】 上記背面基板の対向面に、陰極引出パタ
ーンと、該陰極引出パターンの表面を被覆する陰極保持
層と、上記陰極引出パターンの表面に立設され、基端部
が上記陰極保持層内に埋没すると共に、先端部が該陰極
保持層外に突出してなる柱状陰極を形成し、該柱状陰極
の少なくとも先端部表面にMoB(硼化モリブデン)を
含むエミッタ物質が露出するよう構成したことを特徴と
する請求項2に記載のガス放電表示管。 - 【請求項4】 上記陰極保持層の表面に、複数の孔部を
備えた背面側バリアリブを形成し、該孔部内に上記柱状
陰極の先端部が配置されると共に、該孔部の孔径が上記
陰極保持層側から前面基板側に向けて漸次拡大するよう
構成したことを特徴とする請求項3に記載のガス放電表
示管。 - 【請求項5】 上記柱状陰極全体を、MoB(硼化モリ
ブデン)を含むエミッタ物質によって構成したことを特
徴とする請求項3または4に記載のガス放電表示管。 - 【請求項6】 上記エミッタ物質を、MoB(硼化モリ
ブデン)にBaAl 2O4(アルミン酸バリウム)を混合
した物質によって構成したことを特徴とする請求項1乃
至5の何れかに記載のガス放電表示管。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4305394A JP2681445B2 (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | ガス放電表示管 |
DE19944409832 DE4409832A1 (de) | 1993-04-02 | 1994-03-22 | Anzeigevorrichtung vom Gasentladungstyp und Verfahren zu ihrer Herstellung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4305394A JP2681445B2 (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | ガス放電表示管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07230769A true JPH07230769A (ja) | 1995-08-29 |
JP2681445B2 JP2681445B2 (ja) | 1997-11-26 |
Family
ID=12653147
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4305394A Expired - Lifetime JP2681445B2 (ja) | 1993-04-02 | 1994-02-17 | ガス放電表示管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2681445B2 (ja) |
-
1994
- 1994-02-17 JP JP4305394A patent/JP2681445B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2681445B2 (ja) | 1997-11-26 |
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