JPH07230555A - ミップマップ画像生成装置および生成方法 - Google Patents

ミップマップ画像生成装置および生成方法

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JPH07230555A
JPH07230555A JP31465294A JP31465294A JPH07230555A JP H07230555 A JPH07230555 A JP H07230555A JP 31465294 A JP31465294 A JP 31465294A JP 31465294 A JP31465294 A JP 31465294A JP H07230555 A JPH07230555 A JP H07230555A
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JP
Japan
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image
image data
spatial frequency
spatial
mipmap
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Application number
JP31465294A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Wakayama
順彦 若山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP31465294A priority Critical patent/JPH07230555A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原テクスチャ画像を記憶するのに必要とされ
る記憶媒体の容量が小さく、生成されたミップマップ画
像に、折り返しノイズが生じないミップマップ画像生成
装置および生成方法を提供すること。 【構成】 本発明のミップマップ画像生成装置によれ
ば、記憶媒体に記憶された原テクスチャ画像は、離散コ
サイン変換部において空間変換されて、空間周波数画像
データになる。ポリゴン計算部は、ポリゴンの大きさを
計算し、貼り付けるべきテクスチャの解像度比を計算す
る。空間低域濾過器は、テクスチャの解像度比に対応し
たカットオフ周波数において、空間周波数画像データを
低域濾過する。濾過された空間周波数画像データは、逆
空間変換された後、所定の大きさのミップマップ画像に
縮小される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像生成装置および画
像生成方法に関し、特に、3次元コンピュータグラフィ
ックスにおける表示物体表面のテクスチャ画像(ミップ
マップ画像)の生成装置および生成方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータグラフィックス技術
において、よりリアリティをだすために、ディスプレイ
で表示される物体の表面にテクスチャ(模様)を付ける
テクスチャマッピング技術の研究が盛んに行われてい
る。以下、図面を参照しながら、従来のテクスチャマッ
ピング画像生成装置の一例を説明する。
【0003】3次元コンピュータグラフィックスにおい
ては、「ワールド座標」とよばれる3次元座標系によっ
て定義された立体を、2次元座標系である「ディスプレ
イ座標」上に座標変換することが必要となる。「ディス
プレイ座標」は、ディスプレイのもつ縦、横それぞれの
画素数を最大値とする、整数値の組によって表現するこ
とができる。例えば、ディスプレイが縦640個、横4
80個の画素をもつとすると、ディスプレイ座標(x,
y)は、xとして1から640までの整数値、yとして
1から480までの整数値をとりうる。
【0004】3次元空間において、立体を表現するとき
の最小の単位は、「ポリゴン」とよばれる多面体であ
る。ワールド座標における、ポリゴンと視点(view poi
nt)との距離を、単に「ポリゴンの距離」とよぶ。ポリ
ゴンの距離と視角(view angle)とから、ディスプレイ
上でポリゴンが実際に表示される大きさが決まる。この
ディスプレイ上でのポリゴンの大きさを、単に「ポリゴ
ンの大きさ」とよぶ。例えば、ポリゴンの距離が小さい
か、または視角が小さければ、ポリゴンの大きさは他の
場合に比べて大きくなる。逆にポリゴンの距離が大きい
か、または視角が大きければ、ポリゴンの大きさは他の
場合に比べて小さくなる。
【0005】ポリゴンを表示する際には、グラフィック
スをよりリアリスティックにするために、ポリゴン表面
にテクスチャを付けるテクスチャマッピングが必要とな
る。自然な表示のためには、ポリゴンの大小に応じて、
テクスチャのパターンの粗密も変化することが必要であ
る。ディスプレイ上のテクスチャのパターンの粗密を
「テクスチャの大きさ」とよぶことにする。テクスチャ
の大きさは、ポリゴンの大きさに比例することが必要で
ある。このため、ポリゴンの大きさに対応した多種類の
テクスチャの大きさを有するテクスチャパターンを予め
生成しておき、必要に応じてそれをポリゴンにマッピン
グする技術、すなわちミップマップ(multum in parv
o、many things in a small place)テクスチャマッピ
ング手法が、従来から用いられている。
【0006】図12を参照して、従来のテクスチャマッ
ピング画像生成装置の構成を説明する。テクスチャサイ
ズ計算装置90は、ポリゴンの大きさに対応したテクスチ
ャパターンの適切な大きさを計算する。ミップマップ画
像生成装置91は、テクスチャの大きさが異なる多種類の
ミップマップを生成する。ミップマップ画像記憶装置92
は、ミップマップ画像生成装置91で生成されたミップマ
ップ画像を記憶する。ミップマップ画像記憶装置92は、
テクスチャサイズ計算装置90によって得られたテクスチ
ャの大きさに関する情報を受け取り、テクスチャの大き
さに対応する記憶されたミップマップ画像を出力する。
【0007】図13を参照して、ミップマップ画像を説
明する。原テクスチャ画像95は、縦8画素、横8画素で
構成されており、ミップマップ画像96は、縦4画素、横
4画素で構成されている。ここで「解像度」とは、ある
テクスチャを構成する縦横の画素の個数の組をいうこと
にする。したがって画素の個数が多いほど、「解像度が
高い」といえる。ミップマップ画像96は、原テクスチャ
画像95に比べると、縦方向、横方向ともに1/2の解像
度をもっている。原テクスチャ画像の解像度に対するミ
ップマップ画像の解像度の比を「解像度比」とよぶこと
にする。原テクスチャ画像95およびミップマップ画像96
の解像度比は、縦方向、横方向ともに1/2である。
【0008】再び図12を参照して、従来のテクスチャ
画像生成装置の動作を説明する。図13に示される原テ
クスチャ画像95は、いったんミップマップ画像記憶装置
92に記憶される。次にミップマップ画像生成装置91は、
原テクスチャ画像95を、ミップマップ画像記憶装置92か
ら受け取る。ミップマップ画像生成装置91は、原テクス
チャ画像95から、多種類の解像度をもつミップマップ画
像を生成し、ミップマップ画像記憶装置92に出力する。
ミップマップ画像記憶装置92は、生成されたミップマッ
プ画像を記憶する。例えば図12に示されるように、縦8
画素、横8画素の原テクスチャ画像から、縦4画素、横
4画素のミップマップ画像を生成するには、原テクスチ
ャ画像を縦2画素、横2画素のブロックに分割し、分割
されたブロックのうちの1画素のデータを、ミップマッ
プ画像の1画素として出力すればよい。
【0009】ミップマップ解像度計算装置90は、表示さ
れるポリゴンの大きさに対応したミップマップ画像の解
像度を計算する。さらにミップマップ解像度計算装置
は、このミップマップ画像の解像度の、原テクスチャ画
像の解像度に対する比、すなわち上述の解像度比を求
め、この解像度比の情報をミップマップ画像記憶装置92
に与える。例えば図12の場合は、解像度比が1/2であ
るという情報が、ミップマップ画像記憶装置92に与えら
れる。
【0010】ミップマップ画像記憶装置92は、あらかじ
め記憶されたミップマップ画像の中から、例えば解像度
比が1/2に対応するミップマップ画像を選択的に出力
する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術においては、次に示す問題があった。すなわ
ち、あらかじめ生成された多種類の解像度をもつミップ
マップ画像を記憶するために、ミップマップ画像記憶装
置として、大容量のデータ記憶装置が必要となるという
問題点があった。しかもテクスチャのパターン自体の種
類が多い場合には、さらに大きい記憶容量が要求され
る。
【0012】また、一般にミップマップを貼り付ける面
の法線は、視線の方向と一致しない。したがって、ミッ
プマップの縦横の長さの比が、原画像の縦横の長さの比
と一致しないことがある。これは、ミップマップ画像と
して縦長または横長のテクスチャパターンを用意しなけ
ればならないことを意味する。したがって、この理由に
によっても、必要とされるデータ記憶容量は増大する。
【0013】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、原テクスチ
ャ画像だけを記憶しておき、必要な解像度のテクスチャ
をリアルタイムで生成することができ、かつ縦横比率も
任意のテクスチャを作成することのできるミップマップ
画像生成装置およびミップマップ画像生成方法を提供す
ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によるミップマッ
プ画像生成装置は、テクスチャの原画像を受け取り、該
テクスチャを貼り付けるポリゴンの大きさにしたがって
原画像を縮小することによりミップマップ画像を生成す
る装置であって、原画像を受け取り、該原画像を分割す
ることによって画像ブロックを生成する画像分割手段
と、空間領域におけるそれぞれの該画像ブロックを、空
間周波数領域における空間周波数画像データブロックに
変換する空間変換手段と、該空間周波数画像データブロ
ックを蓄積する画像蓄積手段と、ディスプレイに表示さ
れるポリゴンの大きさを計算し、該ポリゴンの大きさに
対応する解像度を計算するミップマップ解像度計算手段
と、該ミップマップ解像度計算手段によって得られた該
解像度に対応した所定の周波数より高い周波数成分を、
該空間周波数画像データブロックから除去することによ
り、濾過された空間周波数画像データブロックを生成す
る低域濾過手段と、該濾過された空間周波数画像データ
ブロックを受け取り、空間領域における濾過された画像
ブロックに変換する逆空間変換手段と、を備えており、
そのことにより上記目的が達成される。
【0015】ある実施例においては、前記空間変換手段
は、離散コサイン変換によって、それぞれの前記画像ブ
ロックを前記空間周波数画像データブロックに変換し、
前記逆空間変換手段は、逆離散コサイン変換によって、
濾過された空間周波数画像データブロックを濾過された
画像ブロックに変換する。
【0016】ある実施例においては、前記画像分割手段
は、前記テクスチャ画像を、縦・横の画素数がともに2
のベキ乗である画像ブロックに分割する。
【0017】本発明によるミップマップ画像生成装置
は、ポリゴンにマッピングするためのテクスチャ画像を
受け取り、該画像を分割することによって画像ブロック
を生成する画像分割手段と、空間領域におけるそれぞれ
の該画像ブロックを、空間周波数領域における空間周波
数画像データブロックに変換する空間変換手段と、該空
間周波数画像データブロックを可逆圧縮し、圧縮された
空間周波数画像データブロックを生成するデータ圧縮手
段と、該圧縮された空間周波数画像データブロックを蓄
積するテクスチャ画像蓄積手段と、該テクスチャ画像蓄
積手段に蓄積された該圧縮された空間周波数画像データ
ブロックを伸長し、空間周波数画像データブロックを生
成するデータ伸長手段と、ディスプレイに表示される該
ポリゴンの大きさを計算し、該ポリゴンの該大きさに対
応するテクスチャ解像度を計算するミップマップ解像度
計算手段と、該ミップマップ解像度計算手段によって得
られた該テクスチャ解像度に対応した所定の周波数より
高い周波数成分を、該空間周波数画像データブロックか
ら除去することにより、濾過された空間周波数画像デー
タブロックを生成する低域濾過手段と、該濾過された空
間周波数画像データブロックを受け取り、空間領域にお
ける濾過された画像ブロックに変換する逆空間変換手段
と、を備えており、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0018】本発明によるミップマップ画像生成装置
は、2次元画像を表現する原画像データを受け取り、該
2次元画像とは異なる大きさの画像を表現する変換画像
データを出力するミップマップ画像生成装置であって、
空間領域における該原画像データを受け取り、空間周波
数領域における空間周波数画像データに変換して出力す
る空間変換手段と、空間周波数領域における該空間周波
数画像データを受け取り、所定の周波数より高い周波数
成分を除去して、濾過された空間周波数画像データを出
力する低域濾過手段と、空間周波数領域における該濾過
された空間周波数画像データを受け取り、空間領域にお
ける変換画像データを出力する逆空間変換手段と、を備
えており、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】本発明によるミップマップ画像生成方法
は、2次元画像を表現する原画像データを受け取り、該
2次元画像とは異なる大きさの画像を表現する変換画像
データを出力するミップマップ画像生成方法であって、
空間領域における該原画像データを受け取り、空間周波
数領域における空間周波数画像データに変換する空間変
換ステップと、空間周波数領域における該空間周波数画
像データを受け取り、所定の周波数より高い周波数成分
を除去して、濾過された空間周波数画像データを出力す
る低域濾過ステップと、空間周波数領域における該濾過
された空間周波数画像データを受け取り、空間領域にお
ける変換画像データに変換する逆空間変換ステップと、
を包含しており、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0020】ある実施例においては、前記空間変換ステ
ップと前記逆空間変換ステップとの間に、前記空間周波
数画像データを圧縮するデータ圧縮ステップと、該圧縮
された空間周波数画像データを記憶するデータ記憶ステ
ップと、該記憶された、圧縮空間周波数画像データを伸
長して空間周波数画像データを得るデータ伸長ステップ
と、を実行する。
【0021】
【作用】本発明のミップマップ画像生成装置およびミッ
プマップ画像生成方法によれば、記憶媒体に記憶された
空間領域における原テクスチャ画像は、空間変換され
て、空間周波数領域における空間周波数画像データにな
る。離散コサイン変換に代表される空間変換は、画像を
空間変換し、さらに逆空間変換することにより、もとの
画像を復元できる。
【0022】空間周波数画像データは、ポリゴンの大き
さに対応したカットオフ周波数を有する低域濾過器に入
力される。原テクスチャ画像を小さいポリゴンにマッピ
ングする場合は、大きいポリゴンにマッピングする場合
に比較して、原画像が必要とする周波数成分は、低くて
よい。原画像が必要以上に高い周波数成分をもつとき
は、折り返しノイズがミップマップ画像に発生する。
【0023】したがって空間周波数画像データは、空間
周波数領域において、必要とされる周波数成分以外の高
い周波数成分を除去するために濾過される。濾過された
空間周波数画像データは、逆空間変換によって空間領域
における画像に変換された後、所定の大きさのミップマ
ップ画像に縮小される。
【0024】本発明のミップマップ画像生成装置および
ミップマップ画像生成方法によれば、原画像を空間周波
数領域に空間変換したデータのかたちで保持し、必要な
解像度の画像を、空間周波数領域での低域濾過および空
間領域への逆変換により生成することができる。そのた
め多種類の解像度のミップマップ画像データを大量に持
つことなく、任意の縦横の解像度比を有するミップマッ
プ画像データを得ることができる。
【0025】また空間周波数領域への変換として、離散
コサイン変換を用い、逆変換として逆離散コサイン変換
を用いることにより、高速にミップマップ画像データを
得ることができる。
【0026】さらに原画像を画像ブロックに分割する際
に、縦・横の画素数を2のべき乗とすることにより、空
間周波数領域への変換に高速アルゴリズムを用いること
ができる。
【0027】空間変換された画像データを蓄積する前
に、画像データを可逆圧縮し、蓄積した画像データを取
り出した後に、画像データを伸長することにより、CP
Uが取り扱うデータのサイズが小さくなる。またデータ
バスで授受する画像データのサイズが小さくなる。また
画像データを蓄積するための記憶装置の記憶容量が、小
さくて済む。
【0028】
【実施例】以下に、本発明によるミップマップ画像生成
装置および方法を図面を参照しながら説明する。図面に
おいて、同一の番号は、同一の要素またはステップを示
す。
【0029】本発明によるミップマップ画像生成装置
は、図1に示されるように、データバス1、CPU(中
央処理装置)2、メインメモリ3、CD−ROMドライ
ブ4、離散コサイン変換部(以下、DCT部という)
5、ポリゴン計算部6、空間低域濾過器7、逆離散コサ
イン変換部(以下、IDCT部という)8、ポリゴンレ
ンダリング部9、およびディジタル/アナログコンバー
タ(以下、D/Aコンバータという)10を有する。以
下に各部の動作を述べる。
【0030】データバス1は、CPU2、メインメモリ
3、DCT部5、ポリゴン計算部6、および空間低域濾
過器7の各機能ブロック間においてデータを転送するた
めに設けられている。データバス1としては、高速処理
を可能にするために、32ビットバスが使用され得る
が、これに限られるものではない。
【0031】CPU2は、システム全体の管理を行い、
各機能ブロックを制御する。またCPU2は、データバ
ス1とメインメモリ3との間のデータのやりとりも制御
する。
【0032】メインメモリ3には、DCT部5から出力
された画像データが記憶される。メインメモリ3に記憶
された画像データは、CPU2の命令に基づいて、空間
低域濾過器7に出力される。メインメモリ3は、大容量
のRAM(random access memory)を複数個用いたもの
が通常用いられる。メインメモリ3は、このような半導
体装置に限られるものではなく、例えばハードディスク
ドライブおよび光磁気ディスクドライブなどの大容量記
憶装置を用いてもよい。
【0033】CD−ROMドライブ4は、テクスチャの
原画像のデータが記憶されたCD−ROM(不図示)か
ら、データを読み出すための装置である。テクスチャの
原画像としては、例えば縦256画素、横256画素で
構成される正方形の画像を用いることができる。カラー
画像のミップマップを生成するには、原画像のデータ
は、赤、緑、青の3色のデータを用意すればよい。テク
スチャ原画像のデータを記憶しておく媒体としては、C
D−ROMに限られるものではなく、大容量の半導体メ
モリ、ハードディスク、光磁気ディスクなども用いるこ
とができる。使用する媒体にしたがって、適切なデータ
読み出し装置を用いればよい。
【0034】DCT部5は、CD−ROMドライブ4に
よってCD−ROMから読み出されたテクスチャの画像
のデータを入力として受け取る。まず、テクスチャの画
像を複数の画像ブロックに分割する。図2は、縦M画
素、横N画素の画像41、および画像41を分割するこ
とによって得られる複数の縦n画素、横n画素の画像ブ
ロック42を示す。本実施例においては、n=8の場合
を想定しているが、nの値は、他の値、例えば16など
であってもよい。画像41が、画像ブロック42に分割
された後、各画像ブロックに離散コサイン変換を施す。
その結果、各画像ブロックは、空間周波数領域における
空間周波数画像データブロックに変換される。ここで
「画像ブロック」とは、原テクスチャ画像を例えば縦8
画素、横8画素の単位で分割したデータの1単位をさ
す。
【0035】画像ブロックの大きさは、離散コサイン変
換および逆離散コサイン変換の変換効率の点から、縦お
よび横いずれも8〜16画素の範囲から選ばれることが
好ましい。しかし画像ブロックの大きさは、これに限定
されない。離散コサイン変換装置および逆離散コサイン
変換装置の規模が大きければ(処理能力が高ければ)、
より大きなサイズの画像ブロックを取り扱うことも可能
である。また縦・横の画素数が2のべき乗個の場合に
は、空間変換および逆空間変換に種々の高速変換アルゴ
リズムが利用できるので、ミップマップ画像を高速に生
成することが可能となる。
【0036】DCT部5は、ハードウェア的に画像を処
理することによって実現できる。例えば、DCT部5
は、画像処理専用のDSP(digital signal processo
r)の機能ブロックの一部として実現できる。またカス
タムメイドのASIC(application specific integra
ted circuit)による布線論理によっても実現できる。
DCT部5の機能を、純粋にソフトウェアだけによって
実現することもできる。この場合は、例えばCPU2お
よびメインメモリ3に記憶された離散コサイン変換演算
用プログラムを用いることができる。
【0037】ポリゴン計算部6は、3次元座標であるワ
ールド座標上でのポリゴンの座標を、2次元座標である
ディスプレイ座標上での座標に変換する。ポリゴン計算
部6は、さらに、原テクスチャを、ディスプレイ上での
ポリゴンの大きさに対応するテクスチャの大きさに縮小
するための上述の「解像度比」を計算する。
【0038】図3(a)から図3(c)を用いて、ポリゴン計
算部6で行う演算を説明する。図3(a)は、ワールド座
標上でのポリゴンを構成する1四辺形を示し、図3(b)
は、ディスプレイ座標上に変換されたワールド座標上で
の1四辺形を示す。いまワールド座標上での1四辺形を
定義する4点の座標 (xw、yw、zw)=(xw0、yw0、zw0)、
(xw1、yw1、zw1)、(xw2、yw2、zw
2)、(xw3、yw3、zw3) が、座標変換された結果、ディスプレイ座標系での座標 (xd、yd)= (xd0、yd0)、(xd
1、yd1)、(xd2、yd2)、(xd3、yd
3) にそれぞれ変換されたとする。図3(c)は、原テクスチ
ャ画像が縦64画素、横64画素で構成されることを示
している。このときテクスチャ解像度比は、ディスプレ
イ座標での各辺の長さの、対応する原テクスチャ画像の
辺の長さに対する比である。原テクスチャ画像の (u,v)= (0、0)、(63、0)、
(0、63)、(63、63) が、それぞれ、ワールド座標での四辺形の頂点 (xw、yw、zw)=(xd0、yd0)、(xd
1、yd1)、(xd2、yd2)、(xd3、yd
3) に移されるように、マッピングをおこなうと仮定する。
するとx軸(横)方向およびy軸(縦)方向のテクスチ
ャ解像度比は、それぞれ次式で与えられる。
【0039】Tx={(xd0−xd1)2+(yd0
−yd1)20.5/64 Ty={(xd0−xd2)2+(yd0−yd2)2
0.5/64 このようにして得られたテクスチャ解像度比に基づき、
空間低域濾過器7は、データブロックに含まれる周波数
成分のうち、ある周波数より高い周波数成分を除去す
る。この周波数はカットオフ周波数とよばれる。例え
ば、テクスチャ解像度比Tx=Ty=0.5のときと、
Tx=Ty=0.1のときとを比較してみる。Tx=T
y=0.1のときは、Tx=Ty=0.5のときに比べ
てポリゴンの大きさは小さい。したがってTx=Ty=
0.1のときのほうがカットオフ周波数は低くなければ
ならない。ポリゴンが小さいにもかかわらず、原テクス
チャが高い周波数成分を有する場合、折り返し雑音(al
iasing noise)によって、画質が劣化するからである。
【0040】IDCT部8は、濾過された空間周波数画
像データブロックを受け取り、これに逆離散コサイン変
換を施し、空間領域における濾過された画像ブロックを
生成する。IDCT部8もDCT部5と同様に、ハード
ウェア的にも、ソフトウェア的にも実現することができ
る。
【0041】ポリゴンレンダリング部9は、IDCT部
8によって生成された濾過された画像ブロックを受け取
り、合成(merge)することによって、濾過された画像
を生成する。この濾過された画像は、CD−ROMドラ
イブ4から読み込まれた画像データと同じサイズであ
る。したがってポリゴンに貼り付けるテクスチャ画像を
生成するために、この濾過された画像を縮小し、ミップ
マップ画像を生成する。画像を縮小する代表的な手法
は、画素を「間引く」ことである。例えば、もとの画像
に対して縦、横それぞれ75%の大きさの画像を生成す
るには、4画素につき、1画素を間引けばよい。画像を
縮小する比率としては、前述したように、ポリゴン計算
部6によって求められた縦方向および横方向のテクスチ
ャ解像度比を用いる。このようにして縮小されたミップ
マップ画像をポリゴンに貼り付ける。ポリゴンに貼り付
けるテクスチャが、例えば縦8画素、横8画素のブロッ
ク単位で繰り返される場合には、必ずしも画像ブロック
を合成する必要はない。この場合は、画像ブロックごと
に縮小して、ポリゴンに貼り付ければよい。
【0042】ポリゴンレンダリング部9は、高速な処理
が要求されるため、しばしば専用のハードウェアによっ
て実現される。しかし、パイプライン処理が可能なよう
にプログラムされたマルチプロセッサシステムを用いる
ことによって、プログラム論理でポリゴンレンダリング
をおこなうことも可能である。
【0043】D/Aコンバータ10は、ポリゴンレンダ
リング部9によって得られた、ディジタル化された画像
データを受け取り、ディスプレイ表示のためのアナログ
信号を発生する。D/Aコンバータ10は、典型的に
は、画像処理専用の集積回路が用いられる。
【0044】本実施例においては、空間周波数変換とし
て離散コサイン変換を、逆空間周波数変換として逆離散
コサイン変換を用いた。離散コサイン変換および逆離散
コサイン変換は、種々の高速変換アルゴリズムを利用で
きるので、ミップマップ画像を高速に生成することがで
きる。しかし、空間周波数変換および逆空間周波数変換
の対であれば、他の変換方法を使うこともできる。例え
ば、離散フーリエ変換および逆離散フーリエ変換の対、
あるいは、ウェーブレット変換および逆ウェーブレット
変換の対を用いることができる。
【0045】本実施例では、離散コサイン変換部5にお
いて、離散コサイン変換された空間周波数画像データブ
ロックは、圧縮されずにメインメモリ3に記憶される。
しかし空間周波数画像データブロックをメインメモリ3
に記憶する前に、空間周波数画像データブロックを可逆
圧縮し、空間周波数データブロックを空間低域濾過器7
に与える前にデータ伸長することもできる。この圧縮、
伸長は、例えばCPU2によってソフトウェア的におこ
なうことができる。この場合、回路構成自体は、図1と
変わらない。ここで可逆圧縮とは、データ圧縮の際に、
画像情報が失われない圧縮をいう。データを圧縮すると
きに画像情報が失われると、データ伸長によって復元さ
れた画像の質は、劣化する。したがって本実施例におい
ては、画質の劣化がない、可逆な圧縮を用いるほうが好
ましい。
【0046】圧縮、伸長は、専用のDSP(digital si
gnal processor)などのハードウェアによって実現する
こともできる。この場合は、例えば図4に示されるよう
に、DCT部5とデータバス1との間にデータ圧縮部3
1を、データバス1と空間低域濾過器7との間にデータ
伸長部32を設ければよい。こうすれば、データバス1
で転送される空間周波数画像データブロックのデータサ
イズが小さくなる。その結果、データバス1の占有時間
が減り、ハードウェア資産の有効利用が可能になる。ま
たメインメモリにより多種類のテクスチャデータを蓄積
することができるとともに、データアクセス時間の短縮
によりミップマップ画像を高速に生成することができ
る。
【0047】図1および図5を参照して、本発明による
ミップマップ画像生成方法を説明する。
【0048】ステップ11において、ポリゴン計算部6
は、所定のポリゴンをレンダリングするというCPU2
の命令を受け取る。
【0049】ステップ12において、ポリゴン計算部6
は、ポリゴンの座標を3次元座標であるワールド座標か
ら、2次元座標であるディスプレイ座標に変換する。こ
の変換は、ワールド座標におけるポリゴンの各表面を規
定する点の座標、ワールド座標における視点の座標およ
び視角などのデータに基づいて計算される。
【0050】ステップ13において、前述した方法により
「ポリゴンの大きさ」が計算される。 ステップ14にお
いて、ポリゴンに貼り付けるテクスチャの原画像のデー
タが、記憶媒体から読み込まれて、DCT部5に入力さ
れる。例えば、テクスチャの原画像がCD−ROMに記
憶されている場合は、図1のCD−ROMドライブ4か
らデータが読み込まれる。記憶媒体としては、CD−R
OMに限られない。例えば、半導体メモリ、ハードディ
スクおよび光磁気ディスクなどでもよい。
【0051】ステップ15において、DCT部5は、入力
されたテクスチャの原画像を画像ブロックに分割する。
テクスチャの原画像は、縦M画素、横N画素で構成され
ている。典型的には、縦128画素、横128画素で構
成されるが、これに限定されない。カラー画像のミップ
マップを生成するには、テクスチャの原画像は、好まし
くは各々の画素について、R、G、B(赤、緑、青)の
データを有する。1画素のデータが、R、G、Bの各色
に8ビットずつ有するときは、各色が256階調で表現
され、結局、約1677万色の階調を表現できる。ステ
ップ15では、入力されたテクスチャの原画像を、複数の
縦n画素、横n画素の画像ブロックに分割している。本
実施例においては、n=8であるが、nの値は、他の
値、例えば16などであってもよい。画像ブロックの大
きさは、離散コサイン変換および逆離散コサイン変換の
変換効率の点から、縦および横いずれも8〜16画素の
範囲から選ばれることが好ましい。しかし画像ブロック
の大きさは、これに限定されない。離散コサイン変換装
置および逆離散コサイン変換装置の規模が大きければ
(処理能力が高ければ)、より大きなサイズの画像ブロ
ックを取り扱うことも可能である。また縦・横の画素数
が2のべき乗個の場合には、種々の高速変換アルゴリズ
ムを利用することによって、ミップマップ画像を高速に
生成することが可能となる。
【0052】ステップ16において、各画像ブロックは、
離散コサイン変換が施される。その結果、各画像ブロッ
クは、空間周波数領域における空間周波数画像データブ
ロックに変換される。図6において、画像ブロック51
は、原テクスチャ画像を例えば縦8画素、横8画素の単
位で分割したデータの1単位をさす。図6の画像ブロッ
クは、各画素に8ビットが割り当てられており、簡単の
ため単色の画像ブロックを想定している。したがって、
各画素の数値は画素の明るさを256階調で表現してい
る。図6の画像ブロックの横方向は、ディスプレイ上の
x軸方向に、縦方向は、ディスプレイのy軸方向にそれ
ぞれ一致している。
【0053】図7は、図6に示す画像ブロックに離散コ
サイン変換を施して得られた、空間周波数画像データブ
ロック52を示す。この空間周波数画像データブロック52
は、各画素は、符号も含めて10ビットの情報量を有す
る。行列の要素を表現するのと同様に、左上の要素を
(1、1)、右上の要素を(8、1)、左下の要素を
(1、8)、右下の要素を(8、8)で表現することに
する。図7は、左から右に行くにしたがい、x軸方向の
空間周波数fxが高くなり、上から下に行くにしたが
い、y軸方向の空間周波数fyが高くなる。ここで、図
6において市松模様(チェス盤の模様)が表現されると
きに、x軸およびy軸の空間周波数が最大であり、この
空間周波数をfsで表す。図7の(1、1)要素は、x
軸方向の空間周波数が0からfs/8、y軸方向の空間
周波数が0からfs/8である成分の平均値である。
(2、1)要素は、x軸方向の空間周波数がfs/8か
ら2fs/8、y軸方向の空間周波数が0からfs/8
である成分の平均値である。同様にして、(8、1)要
素は、x軸方向の空間周波数が7fs/8からfs、y
軸方向の空間周波数が0からfs/8である成分の平均
値である。(1、8)要素は、x軸方向の空間周波数が
0からfs/8、y軸方向の空間周波数が7fs/8か
らfsである成分の平均値である。
【0054】一般に2次元離散コサイン変換、および逆
離散コサイン変換は、以下の数1から数3によって、計
算される。
【0055】
【数1】
【0056】
【数2】
【0057】
【数3】
【0058】ここで、f(x、y)は、空間領域におけ
る2次元画像信号の大きさ、u、vは、それぞれx軸方
向およびy軸方向の空間周波数、Nは、画素数、F
(u、v)は、空間周波数領域における周波数成分の強
度をそれぞれ示し、N=8である。この離散コサイン変
換および逆離散コサイン変換は、種々の高速な計算手法
が提案されている。
【0059】ステップ17においては、ステップ13におい
て計算されたディスプレイ上でのポリゴンの大きさに基
づき、テクスチャの原画像をミップマップ画像に縮小す
るときの縮小率、すなわち前述のx軸方向およびy軸方
向の解像度比を計算する。
【0060】ステップ18においては、テクスチャの画像
から、不必要な高周波成分を除去することで、濾過され
た空間周波数画像データを生成する。具体的には、空間
周波数画像データブロックのうち、空間周波数が高い成
分の要素を0で置換する。図8は、縦方向の解像度比が
1/2、横方向の解像度比が3/8のときの、濾過され
た空間周波数画像データ53を示す。縦方向の解像度比が
1/2、すなわちテクスチャの大きさが縦方向には1/
2に縮小されるので、必要とされる空間周波数の最大値
(カットオフ周波数ともよばれる)は、fsの1/2で
ある。同様に横方向の必要とされる空間周波数は、3f
s/8である。したがって、空間周波数画像データ53の
(3、1)要素、(1、4)要素を通る楕円よりも高周
波成分側の領域の要素を「0」で置換することにより、
不必要な高周波成分が除去される。例えば、縦方向およ
び横方向の解像度比が、ともに1/2の場合は、(4、
1)要素および(1、4)要素を通る円の一部で囲まれ
る領域よりも高周波成分側の領域の要素を「0」で置き
換える。しかし、「0」で置き換える領域を囲む線は、
図9(a)に示す円の一部や、図9(b)に示す楕円の
一部には限られず、図9(c)に示す直線であってもよ
い。
【0061】空間周波数画像データブロックの一部を
「0」で置換する方法は、ソフトウェアによって実現で
きる。例えば、フィルタ関数として、図10(a)に示
すカットオフ周波数以下の空間周波数において係数1、
カットオフ周波数より高い空間周波数において係数0を
有するステップ状の関数を定義する。このフィルタ関数
と、各画素のデータとの積を、ソフトウェアによって求
めれば、カットオフ周波数より高い成分のデータを
「0」で置換したのと同じ結果が得られる。また図10
(b)に示すように、ステップ状の関数ではない、なだ
らかな「肩」をもつフィルタ関数であってもよい。
【0062】ステップ19においては、ステップ18で得ら
れた濾過された空間周波数画像データブロックに、逆離
散コサイン変換を施し、空間領域における濾過された画
像ブロックを生成する。図11は、濾過された画像ブロ
ック54を示す。
【0063】ステップ20においては、ステップ19で得ら
れた濾過された画像ブロックを合成することによって、
テクスチャの原画像と同じサイズの濾過された画像を生
成する。その後、濾過された画像をステップ17で得られ
た解像度比に応じて縮小し、ミップマップ画像を得る。
ステップ20では、さらにこのミップマップ画像をポリゴ
ンに貼り付ける。
【0064】ステップ21においては、ステップ20で得ら
れたディジタル化された画像を、ディスプレイが表示可
能なアナログの信号に変換する。
【0065】上述のステップ16とステップ18との間に、
データ圧縮ステップおよびデータ伸長ステップを有して
いてもよい。つまり、ステップ16で得られた空間周波数
画像データブロックを可逆圧縮し、ステップ18を実行す
るまでに圧縮されたデータを伸長することによって、も
との空間周波数画像データブロックを復元してもよい。
これにより、空間周波数画像データブロックのデータサ
イズが小さくなる。その結果、データを転送するために
用いられるデータバスの、画像データによる占有時間が
減り、ハードウェア資産の有効利用が可能になる。また
画像データを圧縮されたかたちで記憶することにより、
必要な記憶容量が少なくて済み、その結果、多種類のテ
クスチャデータを蓄積することができる。また画像デー
タのサイズが小さくなるので、処理装置においてデータ
アクセス時間が短縮され、ミップマップ画像を高速に生
成することができる。
【0066】本実施例においては、空間周波数変換とし
て離散コサイン変換を、逆空間周波数変換として逆離散
コサイン変換を用いた。その結果、種々の高速アルゴリ
ズムを利用することができ、ミップマップ画像を高速に
生成することができる。しかし、空間周波数変換および
逆空間周波数変換の対であれば、他の変換方法を使うこ
ともできる。例えば、離散フーリエ変換および逆離散フ
ーリエ変換の対、あるいは、ウェーブレット変換および
逆ウェーブレット変換の対を用いることができる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、原テクスチャ画像は、
空間変換されて、空間周波数画像データになる。空間周
波数画像データは、空間周波数領域において低域濾過さ
れる。濾過された空間周波数画像データは、逆空間変換
された後、所定の大きさのミップマップ画像に縮小され
る。また原画像だけを記憶媒体に記憶しておけばよく、
種々の大きさに変換されたミップマップ画像を記憶媒体
に記憶しておく必要がない。このことにより、少なくと
も次の効果が得られる。
【0068】(1)原テクスチャ画像を記憶するのに必要
とされる記憶媒体の容量が小さくて済む。
【0069】(2)生成されたミップマップ画像に、折り
返しノイズが生じないため、画質の劣化を防ぐことがで
きる。
【0070】(3)縦横の比が異なるミップマップ画像で
も、折り返しノイズが生じない。
【0071】また本発明によれば、原画像を空間周波数
領域に空間変換したデータのかたちで保持し、必要な解
像度の画像を、空間周波数領域での低域濾過および空間
領域への逆変換により生成することができる。そのため
多種類の解像度のミップマップ画像データを大量に持つ
ことなく、任意の縦横の解像度比を有するミップマップ
画像データを得ることができる。その結果、データを記
憶するのに必要とされる記憶媒体の記憶容量が小さくて
済む。
【0072】空間周波数領域への変換として、離散コサ
イン変換を用い、逆変換として逆離散コサイン変換を用
いることにより、種々の高速アルゴリズムや、専用ハー
ドウェアを用いることができ、高速にミップマップ画像
データを得ることができる。さらに原画像を画像ブロッ
クに分割する際に、縦・横の画素数を2のべき乗とする
ことにより、空間周波数領域への変換に高速アルゴリズ
ムを用いることができる。その結果、ミップマップ画像
の生成を高速におこなうことが可能となる。空間変換さ
れた画像データを蓄積する前に、画像データを可逆圧縮
し、蓄積した画像データを取り出した後に、画像データ
を伸長することにより、CPUが取り扱うデータのサイ
ズが小さくなり、その結果、処理の高速化が可能とな
る。またデータバスで授受する画像データのサイズが小
さくなり、その結果、画像データがバスを占有する時間
が短縮され、ミップマップ画像生成に要する時間が短縮
される。また画像データを蓄積するための記憶装置の記
憶容量が、小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるミップマップ画像生成装置を示す
図である。
【図2】テクスチャの原画像と、分割された複数の画像
ブロックとを示す図である。
【図3】(a)〜(c)は、ポリゴン計算部でおこなう
演算を説明する図である。
【図4】本発明の他の実施例によるミップマップ画像生
成装置を示す図である。
【図5】本発明によるミップマップ画像生成方法を示す
図である。
【図6】画像ブロックを示す図である。
【図7】空間周波数画像データブロックを示す図であ
る。
【図8】濾過された空間周波数画像データブロックを示
す図である。
【図9】(a)〜(c)は、画像データブロックを
「0」で置換する領域の範囲を示す図である。
【図10】(a)および(b)は、フィルタ関数を示す
図である。
【図11】濾過された画像ブロックを示す図である。
【図12】従来のテクスチャマッピング画像生成装置の
構成を示す図である。
【図13】テクスチャ原画像とミップマップ画像とを示
す図である。
【符号の説明】
1 データバス 2 CPU 3 メインメモリ 4 CD−ROMドライブ 5 離散コサイン変換部 6 ポリゴン計算部 7 空間低域濾過器 8 逆離散コサイン変換部 9 ポリゴンレンダリング部 10 ディジタル/アナログ変換器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テクスチャの原画像を受け取り、該テク
    スチャを貼り付けるポリゴンの大きさにしたがって原画
    像を縮小することによりミップマップ画像を生成する装
    置であって、 原画像を受け取り、該原画像を分割することによって画
    像ブロックを生成する画像分割手段と、 空間領域におけるそれぞれの該画像ブロックを、空間周
    波数領域における空間周波数画像データブロックに変換
    する空間変換手段と、 該空間周波数画像データブロックを蓄積する画像蓄積手
    段と、 ディスプレイに表示されるポリゴンの大きさを計算し、
    該ポリゴンの大きさに対応する解像度を計算するミップ
    マップ解像度計算手段と、 該ミップマップ解像度計算手段によって得られた該解像
    度に対応した所定の周波数より高い周波数成分を、該空
    間周波数画像データブロックから除去することにより、
    濾過された空間周波数画像データブロックを生成する低
    域濾過手段と、 該濾過された空間周波数画像データブロックを受け取
    り、空間領域における濾過された画像ブロックに変換す
    る逆空間変換手段と、を備えたミップマップ画像生成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記空間変換手段は、離散コサイン変換
    によって、それぞれの前記画像ブロックを前記空間周波
    数画像データブロックに変換し、 前記逆空間変換手段は、逆離散コサイン変換によって、
    濾過された空間周波数画像データブロックを濾過された
    画像ブロックに変換する、請求項1に記載のミップマッ
    プ画像生成装置。
  3. 【請求項3】 前記画像分割手段は、前記テクスチャ画
    像を、縦・横の画素数がともに2のベキ乗である画像ブ
    ロックに分割する、請求項1に記載のミップマップ画像
    生成装置。
  4. 【請求項4】 ポリゴンにマッピングするためのテクス
    チャ画像を受け取り、該画像を分割することによって画
    像ブロックを生成する画像分割手段と、 空間領域におけるそれぞれの該画像ブロックを、空間周
    波数領域における空間周波数画像データブロックに変換
    する空間変換手段と、 該空間周波数画像データブロックを可逆圧縮し、圧縮さ
    れた空間周波数画像データブロックを生成するデータ圧
    縮手段と、 該圧縮された空間周波数画像データブロックを蓄積する
    テクスチャ画像蓄積手段と、 該テクスチャ画像蓄積手段に蓄積された該圧縮された空
    間周波数画像データブロックを伸長し、空間周波数画像
    データブロックを生成するデータ伸長手段と、 ディスプレイに表示される該ポリゴンの大きさを計算
    し、該ポリゴンの該大きさに対応するテクスチャ解像度
    を計算するミップマップ解像度計算手段と、 該ミップマップ解像度計算手段によって得られた該テク
    スチャ解像度に対応した所定の周波数より高い周波数成
    分を、該空間周波数画像データブロックから除去するこ
    とにより、濾過された空間周波数画像データブロックを
    生成する低域濾過手段と、 該濾過された空間周波数画像データブロックを受け取
    り、空間領域における濾過された画像ブロックに変換す
    る逆空間変換手段と、を備えたミップマップ画像生成装
    置。
  5. 【請求項5】 2次元画像を表現する原画像データを受
    け取り、該2次元画像とは異なる大きさの画像を表現す
    る変換画像データを出力するミップマップ画像生成装置
    であって、 空間領域における該原画像データを受け取り、空間周波
    数領域における空間周波数画像データに変換して出力す
    る空間変換手段と、 空間周波数領域における該空間周波数画像データを受け
    取り、所定の周波数より高い周波数成分を除去して、濾
    過された空間周波数画像データを出力する低域濾過手段
    と、 空間周波数領域における該濾過された空間周波数画像デ
    ータを受け取り、空間領域における変換画像データを出
    力する逆空間変換手段と、を備えたミップマップ画像生
    成装置。
  6. 【請求項6】 2次元画像を表現する原画像データを受
    け取り、該2次元画像とは異なる大きさの画像を表現す
    る変換画像データを出力するミップマップ画像生成方法
    であって、 空間領域における該原画像データを受け取り、空間周波
    数領域における空間周波数画像データに変換する空間変
    換ステップと、 空間周波数領域における該空間周波数画像データを受け
    取り、所定の周波数より高い周波数成分を除去して、濾
    過された空間周波数画像データを出力する低域濾過ステ
    ップと、 空間周波数領域における該濾過された空間周波数画像デ
    ータを受け取り、空間領域における変換画像データに変
    換する逆空間変換ステップと、を包含している方法。
  7. 【請求項7】 前記空間変換ステップと前記逆空間変換
    ステップとの間に、 前記空間周波数画像データを圧縮するデータ圧縮ステッ
    プと、 該圧縮された空間周波数画像データを記憶するデータ記
    憶ステップと、 該記憶された、圧縮空間周波数画像データを伸長して空
    間周波数画像データを得るデータ伸長ステップと、を実
    行する請求項6に記載の方法。
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