JPH07228922A - 封着用合金材料及びその熱処理方法 - Google Patents

封着用合金材料及びその熱処理方法

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JPH07228922A
JPH07228922A JP6019188A JP1918894A JPH07228922A JP H07228922 A JPH07228922 A JP H07228922A JP 6019188 A JP6019188 A JP 6019188A JP 1918894 A JP1918894 A JP 1918894A JP H07228922 A JPH07228922 A JP H07228922A
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JP
Japan
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crystal grains
annealing
alloy
plate thickness
weight
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Withdrawn
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JP6019188A
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English (en)
Inventor
Shinpei Yu
晋平 勇
Toshihiko Takemoto
敏彦 武本
Osamu Yamamoto
修 山本
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予備酸化処理後の結晶粒粗大化を抑制し、長
期間にわたって高信頼性が維持されるシャドウマスク支
持用部品等の封着材料を得る。 【構成】 C:0.005〜0.08%,Si:0.0
5〜1.0%,Mn:0.10〜0.80%,S:0.
005〜0.015%,Cr:16〜25%,N:0.
005〜0.02%,Ti:0.15〜0.60%,A
l:0.01〜0.30%を含むFe合金を仕上げ温度
850℃以下で熱間圧延した後、900〜1050℃に
30分以内保持し冷却後に更に800〜900℃に1〜
25時間保持する二段階焼鈍を施す。 【効果】 予備酸化後に板厚方向に関して比較的多数の
結晶粒が存在し、要求されるシャドウマスク等に支持強
度及び気密性が満足される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラウン管のシャドウ
マスクを支持するサポートスタッド等の封着用合金及び
その熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス,セラミックス等との封着に使用
される合金としては、Fe−42Ni−6Cr合金,F
e−42〜50Ni合金,Fe−29Ni−17Co合
金,Fe−18Cr合金等が使用されている。なかで
も、Fe−18Cr合金は、ブラウン管に使用されてい
るガラスに近い熱膨張係数をもつことから、サポートス
タッド等のシャドウマスク支持部品として広く使用され
ている。サポートスタッドには、棒状材料を冷間鍛造及
び切削し、図1の断面形状をもつカップに加工したもの
が使用されてきた。しかし、このサポートスタッド10
は、多数の加工工程を必要とし、また重量が大きい欠点
がある。最近では、プレス加工技術の進展に伴って加工
工数の減少が可能となり、板厚0.8mm前後の薄鋼板
をプレス加工することによって図2に示す断面形状をも
つサポートスタッド20が一部で使用され始めている。
サポートスタッド20に使用される薄鋼板は、一般に溶
製,熱間圧延,焼鈍及び冷間圧延を経て仕上げ焼鈍が施
されている。薄鋼板をプレス加工によってカップ状に加
工した後、加熱温度1100〜1200℃,加熱時間1
0〜60分で湿潤水素ガス雰囲気中で予備酸化処理が施
される。予備酸化処理によって、ガラス封着に有効な酸
化皮膜が表面に形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サポートスタッドに要
求される特性としては、比較的重量の大きなシャドウマ
スクを支持するに十分な強度をもつことが要求される。
この点、棒状材料から冷間鍛造及び切削加工によって製
造されたサポートスタッド10(図1)は、肉厚があ
り、強度の信頼性が高い。他方、薄鋼板をプレス加工し
て製造したサポートスタッド20(図2)は、薄肉であ
る。このサポートスタッド20が予備酸化時の高温に曝
されると、大きな加工を受けた湾曲部21における再結
晶が平坦部22に比較して優先的に進行する。その結
果、湾曲部21の結晶粒が粗大化し、結晶粒の粗大化が
それほど進行しない平坦部22との間に強度差が発生す
る場合があり、湾曲部21に変形,亀裂等が発生し易く
なる。結晶粒が粗大化して板厚を貫通すると、板厚の表
裏が単一の結晶粒界で連絡され、ガスの粒界拡散に起因
したスローリークが発生し易くなる。その結果、サポー
トスタッドの気密性が低下し、ブラウン管の性能を著し
く害する。この点、必要な気密性を確保する上で、予備
酸化後の結晶粒が板厚に対し安定して3個以上の細粒で
あることが要望されている。
【0004】しかし、従来の製造方法では、予備酸化さ
れた状態で細粒組織を安定して得ることが困難であっ
た。また、強度,気密性等の問題は、サポートスタッド
に限らず、薄鋼板から製造される蛍光表示管用リードフ
レーム等の他の封着用部品についても同様である。本発
明は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、Ti,C,N及びSの含有量が規定されたFe−1
8Cr系合金を特定の仕上げ温度で熱間圧延し、熱間圧
延後に二段階焼鈍を施すことにより、仕上げ焼鈍後に結
晶粒径が揃った整粒組織を得、予備酸化後の結晶粒が板
厚に対して安定して3個以上の細粒であることを満足す
る信頼性に優れた封着用合金材料を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の封着用合金製造
方法は、その目的を達成するため、C:0.005〜
0.08重量%,Si:0.05〜1.0重量%,M
n:0.10〜0.80重量%,S:0.005〜0.
015重量%,Cr:16〜25重量%,N:0.00
5〜0.02重量%,Ti:0.15〜0.60重量
%,Al:0.01〜0.30重量%を含むFe合金を
仕上げ温度850℃以下で熱間圧延し、900〜105
0℃に30分以内保持し、冷却後、更に800〜900
℃に1〜25時間保持することを特徴とする。
【0006】
【作用】プレス加工により製造したサポートスタッド等
の封着用合金が十分なシャドウマスク支持強度をもち且
つ優れた気密性を維持するためには、予備酸化処理時に
おける結晶粒の成長を抑制する必要があるとの前提で、
本発明者等は、予備酸化後の結晶粒の変化を種々の観点
から調査・研究した。結晶粒の粗大化を抑制する方法と
して、予備酸化処理の加熱温度を低くしたり、加熱時間
を短くすることが考えられる。しかし、低温或いは短時
間の予備酸化処理では、薄い酸化皮膜が形成され、封着
強度が低下する欠点を伴う。また、合金中のC及びNに
対する親和力が大きいTiを含有させることによって、
Tiの炭窒化物を形成することにより粗大化防止を図る
ことも知られている(昭和55年12月25日 日刊工
業新聞社発行「ステンレス鋼便覧」第360〜361頁
参照)。本発明者等もTi添加による効果を調査した
が、プレス加工によるサポートスタッドの結晶粒粗大化
の抑止について、予備酸化後の結晶粒が板厚に対し安定
して3個以上の細粒の要求が満足されず、Tiの炭窒化
物を析出させるのみでは不十分であることを確認した。
【0007】結晶粒の粗大化は、合金の成分設計及び熱
間圧延に続く焼鈍終了時の組織に大きな影響を受ける。
本発明者等は、熱間圧延に続く二段階焼鈍終了時の結晶
粒をランダム方位の微細再結晶集合組織にすることによ
り、仕上げ焼鈍後の結晶粒が整粒になり、予備酸化処理
後の結晶粒の粗大化防止に有効に働くことを実験的に確
認した。そして、実験結果からTi,C,Nに加えてS
の含有量をも特定したFe−Cr系合金の熱間圧延時の
仕上げ温度を850℃以下とし、更に熱延後の焼鈍を9
00〜1050℃に30分以内保持,冷却後,800〜
900℃に1〜25時間保持する二段階焼鈍とすると
き、予備酸化後の結晶粒の粗大化が有効に抑制されるこ
とを見い出した。適正な成分設計,熱間圧延における仕
上げ温度の規制及び特定条件下での二段階焼鈍により、
焼鈍終了時の結晶粒がランダム方位の微細再結晶集合組
織となり、予備酸化処理状態で板厚方向に関する結晶粒
の粗大化が抑制される。本発明者等は、この工程で結晶
粒の粗大化が抑制される機構を次のように推察した。
【0008】結晶成長過程では、結晶方位が比較的揃っ
ている部分で結晶粒が大きく成長する。大きく成長した
結晶粒は、その後の結晶成長過程で隣接する小さな結晶
粒を吸収し、一層大きな結晶粒となって粗大化する。こ
のような組織では、予備酸化後に板厚に対して3個以上
の結晶粒が存在する状態を安定して得ることができな
い。この点、ランダム方位の集合組織は、結晶粒の粗大
化を抑制する上で有効である。熱間圧延の仕上げ温度を
850℃以下の低温にするとき、加工硬化に起因した歪
みの蓄積量が増加する。歪みの蓄積は、熱間圧延後に行
われる一段目の焼鈍において微細な再結晶を促進させ、
よりランダム方位の集合組織を生成する。生成したラン
ダム方位の集合組織による影響は、その後の工程を経て
も依然として残存しており、仕上げ焼鈍後の組織にも及
んでいる。その結果、予備酸化時に結晶粒の粗大化を抑
制する現象が生じているものと推察される。
【0009】熱間圧延の仕上げ温度を850℃を超える
高温に設定すると、後続する一段目の焼鈍を施した後
で、バンド状の粗大組織が板厚中心部に発生する。バン
ド状粗大組織の影響は、その後の工程を経ても依然とし
て残存しており、予備酸化時に結晶粒の粗大化を抑制す
る作用を呈さない。これに対し、850℃以下の仕上げ
温度では、板厚中心部まで緻密な組織となり、予備酸化
時に結晶粒の粗大化が抑制される。結晶粒の成長に関
し、一次再結晶後における大部分の再結晶粒の大きさを
d、少数の再結晶粒の大きさをDとするとき、D>2d
では粒径の大きな少数の再結晶粒のみが大きく成長する
と一般にいわれている。すなわち、一次再結晶後におけ
る粒径の均一性は、その後の二次再結晶で粗大粒の形成
を支配する大きな要因であると考えられている。この
点、仕上げ温度850℃以下の熱間圧延に続いて二段階
焼鈍を施した合金材料は、予備酸化処理前に整粒組織を
もっており、予備酸化処理工程で高温に加熱されても、
一部の結晶粒が隣接する結晶粒を吸収して粗大化するこ
となく、均等な結晶成長が全体的に進行する。
【0010】二段目の焼鈍は、比較的長時間行われ、T
iC,TiS,TiN等の微細なTi系化合物をマトリ
ックス中に均一に多数分散析出させる。析出したTi系
化合物は、予備酸化処理時に結晶粒の成長を抑制するピ
ンニング作用を呈する。このように、熱間圧延の仕上げ
温度を850℃以下の低温にし、熱間圧延後に行われる
二段階焼鈍で一段目の加熱温度を900〜1050℃,
加熱時間を30分以内とし、二段目の加熱温度を800
〜900℃,加熱時間を1〜25時間と設定することに
より、その後に冷間圧延を経て仕上げ焼鈍を施した後の
結晶粒が整粒化され、プレス加工後の予備酸化処理時に
粗大粒の発生が抑制される。その結果、板厚に対し3個
以上の結晶粒が存在する状態が安定して得られる。
【0011】以下、本発明で使用する封着合金に含まれ
ている合金元素を説明する。 C:0.005〜0.08重量% Tiと結合してTiCとなり、結晶粒の粗大化を防止す
る上で有効な合金元素である。この作用は、0.005
重量%以上のC含有量で顕著になる。しかし、オーステ
ナイト相の析出防止及び良好な耐食性を維持するため、
0.08重量%以下に規制することが必要である。 Si:0.05〜1.0重量% 予備酸化処理時に内部酸化粒子を形成し、酸化皮膜の密
着強度を向上させる作用を呈する。この作用を確保する
ために、0.05重量%以上のSiが必要である。しか
し、1.0重量%を超える多量のSiは、酸化膜を薄く
し、酸化膜の密着強度を低下させることから好ましくな
い。
【0012】Mn:0.10〜0.80重量% 予備酸化時に生成される酸化膜をスピネル型にし、酸化
膜とガラスとの密着強度を向上させる上で有効な合金元
素である。Mn含有量が0.10重量%未満では、スピ
ネル型酸化物の形成が少ない。しかし、Mn含有量が
0.80重量%を超えると、予備酸化時に生成する酸化
膜が厚くなりすぎ、下地に対する密着性が低下する。 S:0.005〜0.015重量% TiSとなって結晶粒の粗大化を抑制する。S含有量が
0.005重量%未満ではTiSの生成量が少なく、結
晶粒粗大化に対する抑止作用が得られない。逆に、0.
015重量%を超えるS含有量では、腐食の起点となる
硫化物系介在物が多量に生成し、耐食性を劣化させる。
【0013】Cr:16〜25重量% ブラウン管用のガラスに近似した熱膨張係数を付与する
ため、16〜25重量%の範囲にCr含有量が規定され
る。Cr含有量が16重量%未満では、熱膨張係数が大
きくなり、ガラスとの熱膨張差に起因する欠陥が生じ易
くなる。また、25重量%を超えるCr含有量では、加
工性が劣化する。 Ti:0.15〜0.60重量% TiC,TiS,TiN等の微細なTi系化合物を生成
する上で必要な合金元素である。Ti含有量が0.15
重量%未満では、必要とする微細なTi系化合物の生成
量が少なく、十分な結晶粒の粗大化抑止効果が得られな
い。逆に、0.60重量%を超える多量のTi含有量で
は、合金材料の表面性状が劣化する。
【0014】N:0.005〜0.02重量% TiNとなって結晶粒の粗大化を抑制する。N含有量が
0.005重量%未満では、TiNの生成量が少なく、
有効な結晶粒粗大化抑止効果が得られない。逆に、0.
02重量%を超える多量のNが含有されると、予備酸化
処理時に酸化ムラが生じ易くなり、均質な酸化皮膜が得
られ難くなる。 Al:0.01〜0.30重量% 内部酸化粒子の形成によりアンカーリング効果を増進さ
せる上で、必要な合金元素である。有効な内部酸化粒子
を形成させるために、0.01重量%以上のAlを含有
させる。しかし、0.30重量%を超える多量のAlを
含有させると、Alの優先酸化によって生じた酸化皮膜
がバリヤー層として働き、他の元素の酸化を抑制する。
その結果、生成する酸化膜が薄くなり、下地に対する密
着性が低下する。
【0015】合金元素及びその含有量が規定されたFe
合金は、特定条件下で熱間圧延及び二段階焼鈍が施され
る。 熱間圧延:仕上げ温度850℃以下 熱間圧延は、850℃以下、好ましくは780℃以下の
仕上げ温度で行われる。仕上げ温度が850℃を超える
高温では、後続する一段目の焼鈍でランダム方位の微細
再結晶集合組織が生成されず、板厚中心部にバンド状の
粗大組織が発生する。この組織による影響は、その後の
工程を経ても依然として残存し、仕上げ焼鈍後の組織に
も及ぶ。その結果、整粒組織が得られず、予備酸化時に
粗大粒が発生する原因となる。 一段目の焼鈍:900〜1050℃の加熱温度及び30
分以内の保持時間 一段目の加熱は、900〜1050℃,好ましくは10
00〜1040℃の温度範囲で行われる。十分に再結晶
させるため、900℃以上の加熱が必要である。しか
し、1050℃を超える加熱温度では、結晶粒が過度に
成長する。加熱時間は、結晶粒の成長を考慮して30分
以内に設定される。加熱時間が短すぎると十分な焼鈍効
果が得られず、長すぎると生産性が低下する。好ましく
は、0.1〜5分の範囲に加熱時間を設定する。
【0016】二段目の焼鈍:800〜900℃の加熱温
度及び1〜25時間の保持時間 二段目の焼鈍は、800〜900℃、好ましくは820
〜880℃の加熱温度で行われる。800℃未満又は9
00℃を超える加熱温度では、適正な微細Ti系化合物
が均質に分散析出した組織が得られない。加熱時間は、
析出状態を考慮して1〜25時間、好ましくは5〜15
時間の範囲で設定される。短すぎる加熱時間では、十分
な析出効果が得られない。逆に加熱時間が長すぎると、
析出したTi系化合物が肥大化し、予備酸化処理時に結
晶粒の成長を抑制するピンニング作用が発揮されない。
【0017】
【実施例】表1に示した4種類の合金を、真空誘導溶解
炉で溶製した。得られた合金を仕上げ温度750〜90
0℃で熱間圧延し、板厚5.5mmの熱延板を製造し
た。加熱温度850〜1070℃の一段目の焼鈍,冷
却,加熱温度750〜920℃の二段目の焼鈍からなる
二段階焼鈍を各熱延板に施した。焼鈍後の板材をディス
ケールし、圧延率70%の冷間圧延を施すことによって
板厚0.8mmの冷延板を得た。
【0018】
【表1】
【0019】各冷延板を1000℃で仕上げ焼鈍し、製
品素材とした。製品素材を図3に示す形状にプレス成形
した。本実施例では、小径部の寸法d1 を6mm,台形
部の寸法d2 を12mm、及び全高Hを10mmに設定
した。プレス加工後の各供試材に、湿潤雰囲気中で11
50℃に40分間加熱する予備酸化処理を施した。次い
で、図3に示した湾曲部を輪切りにして試験片を採取し
た。得られた試験片について、矢印Fで示す面を顕微鏡
観察し、板厚方向に関する結晶粒の個数をカウントし
た。調査結果を、熱間圧延条件及び一段目の焼鈍条件ご
と区分して示す。表2は、熱間圧延の仕上げ温度を85
0℃に設定し、900℃に15分加熱する一段目の焼鈍
を施したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個
数に与える影響を示したものである。表2から明らかな
ように、合金組成が本発明で規定した範囲を外れる供試
材1及び2では、何れの焼鈍条件によっても結晶粒が1
個又は2個に留まっている。他方、本発明で規定した範
囲にある合金組成を持つ供試材3及び4でも、焼鈍条件
が本発明を外れるとき、結晶粒の個数が3未満になって
いる。これに対し、合金成分及び焼鈍条件共に本発明で
規定した範囲にあるとき、板厚方向に関して3個以上の
結晶粒が存在する微細組織が安定して得られた。
【0020】
【表2】
【0021】表3は、熱間圧延の仕上げ温度を850℃
に設定し、950℃に15分加熱する一段目の焼鈍を施
したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個数に
与える影響を示したものである。この場合でも合金成分
及び焼鈍条件共に本発明で規定した範囲にあるとき、板
厚方向に関して3個以上の結晶粒が存在する微細組織が
安定して得られた。
【0022】
【表3】
【0023】表4は、熱間圧延の仕上げ温度を850℃
に設定し、1000℃に15分加熱する一段目の焼鈍を
施したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個数
に与える影響を示したものである。この場合でも合金成
分及び焼鈍条件共に本発明で規定した範囲にあるとき、
板厚方向に関して3個以上の結晶粒が存在する微細組織
が安定して得られた。
【0024】
【表4】
【0025】表5は、熱間圧延の仕上げ温度を850℃
に設定し、1030℃に15分加熱する一段目の焼鈍を
施したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個数
に与える影響を示したものである。この場合でも合金成
分及び焼鈍条件共に本発明で規定した範囲にあるとき、
板厚方向に関して3個以上の結晶粒が存在する微細組織
が安定して得られた。
【0026】
【表5】
【0027】表6は、熱間圧延の仕上げ温度を850℃
に設定し、1050℃に15分加熱する一段目の焼鈍を
施したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個数
に与える影響を示したものである。この場合でも合金成
分及び焼鈍条件共に本発明で規定した範囲にあるとき、
板厚方向に関して3個以上の結晶粒が存在する微細組織
が安定して得られた。
【0028】
【表6】
【0029】表7は、熱間圧延の仕上げ温度を750℃
に設定し、900℃に15分加熱する一段目の焼鈍を施
したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個数に
与える影響を示したものである。この場合でも合金成分
及び焼鈍条件共に本発明で規定した範囲にあるとき、板
厚方向に関して3個以上の結晶粒が存在する微細組織が
安定して得られた。
【0030】
【表7】
【0031】表8は、熱間圧延の仕上げ温度を750℃
に設定し、950℃に15分加熱する一段目の焼鈍を施
したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個数に
与える影響を示したものである。この場合でも合金成分
及び焼鈍条件共に本発明で規定した範囲にあるとき、板
厚方向に関して3個以上の結晶粒が存在する微細組織が
安定して得られた。
【0032】
【表8】
【0033】表9は、熱間圧延の仕上げ温度を750℃
に設定し、1000℃に15分加熱する一段目の焼鈍を
施したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個数
に与える影響を示したものである。この場合でも合金成
分及び焼鈍条件共に本発明で規定した範囲にあるとき、
板厚方向に関して3個以上の結晶粒が存在する微細組織
が安定して得られた。
【0034】
【表9】
【0035】表10は、熱間圧延の仕上げ温度を750
℃に設定し、1030℃に15分加熱する一段目の焼鈍
を施したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個
数に与える影響を示したものである。この場合でも合金
成分及び焼鈍条件共に本発明で規定した範囲にあると
き、板厚方向に関して3個以上の結晶粒が存在する微細
組織が安定して得られた。
【0036】
【表10】
【0037】表11は、熱間圧延の仕上げ温度を750
℃に設定し、1050℃に15分加熱する一段目の焼鈍
を施したものに付いて、二段目の焼鈍条件が結晶粒の個
数に与える影響を示したものである。この場合でも合金
成分及び焼鈍条件共に本発明で規定した範囲にあると
き、板厚方向に関して3個以上の結晶粒が存在する微細
組織が安定して得られた。
【0038】
【表11】
【0039】表12は、仕上げ温度及び/又は一段目の
焼鈍条件が本発明で規定した範囲を外れる条件下で熱間
圧延及び一段目の焼鈍を施したときの製造条件を示す。
供試材3及び4に製造条件Hで熱間圧延及び二段階焼鈍
を施したものでは、板厚方向に2個の結晶粒が存在した
が、他の製造条件A〜G,Iでは、何れも板厚方向に存
在する結晶粒が1個に留まっていた。このことから、同
じ供試材であっても、熱間圧延及び二段階焼鈍の条件が
本発明で規定する要件を満足しないとき、粗大な結晶粒
が出現することが判る。
【0040】
【表12】
【0041】表2〜12の対比から明らかなように、適
量のTi,C及びNを加え更にS含有量を規定した供試
材3及び4を仕上げ温度850℃以下で熱間圧延した
後、900〜1050℃に30分以内保持し、冷却後、
更に800〜900℃に1〜25時間保持する二段階焼
鈍を施したとき、湾曲部に粗大粒が出現することなく、
板厚方向に3個以上の結晶粒が存在した組織が安定して
得られた。なかでも、熱間圧延の仕上げ温度を780℃
以下,一段目の焼鈍温度を1000〜1040℃,二段
目の焼鈍温度を820〜880℃としたものでは、板厚
方向に5個以上の結晶粒が安定して存在していた。この
ように予備酸化処理された供試材を使用してガラス封着
したところ、強度及び気密性に優れた封着部が得られ
た。
【0042】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、Ti,C,N,S等の含有量が規定されたFe−C
r系合金を仕上げ温度850℃以下の熱間圧延し、90
0〜1050℃に30分以内保持し冷却後に更に800
〜900℃に1〜25時間保持する二段階焼鈍を施すこ
とにより、仕上げ焼鈍後の組織が整粒化された組織をも
つ封着合金用素材を得ている。この材料を予備酸化処理
すると、結晶粒が板厚方向に関して3個以上存在する微
細組織が安定して得られる。そのため、予備酸化された
封着合金は、シャドウマスク等を支持するために十分な
強度をもち、しかも気密性に優れた封着部を形成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 冷間鍛造及び切削加工によって棒状材料から
製造されたサポートスタッドの断面図
【図2】 プレス加工で帯鋼から製造されたサポートス
タッドの断面図
【図3】 本発明実施例で製造したサポートスタッドの
斜視図
【符号の説明】
1 :小径部の直径 d2 :大径部の直径 H:サポートスタッドの全高 F:結晶粒の観察面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.005〜0.08重量%,S
    i:0.05〜1.0重量%,Mn:0.10〜0.8
    0重量%,S:0.005〜0.015重量%,Cr:
    16〜25重量%,N:0.005〜0.02重量%,
    Ti:0.15〜0.60重量%,Al:0.01〜
    0.30重量%を含むFe合金を仕上げ温度850℃以
    下で熱間圧延し、900〜1050℃に30分以内保持
    し、冷却後、更に800〜900℃に1〜25時間保持
    することを特徴とする封着用合金の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR970043231A (ko) * 1995-12-18 1997-07-26 윤종용 고온 내식성이 향상된 흑화가열로의 메쉬 벨트용 철 베이스 합금 및 그 합금의 제조방법
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