JPH0722876Y2 - 電磁誘導型調理器用磁界発生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、電磁誘導型調理器に用いられる磁界発生装置
に関する。

［従来の技術］ 従来、この種の磁界発生装置には、第４図（ａ）及び
（ｂ）に示すように渦巻状の１つのワークコイル101が
用いられている。また、このようなワークコイルを渦巻
きの軸心に沿った方向で２層に重ねたものが用いられる
こともある。

電磁誘導型調理器を作るには、第５図に示すように、ワ
ークコイル101上にトッププレート102を配置する。そし
てトッププレート102上に被加熱物（鍋等）103を載せて
この被加熱物103の加熱を行う。被加熱物103はその底面
の寸法がワークコイル101の寸法とほぼ同じのとき、最
も効率良く加熱することができる。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、従来の磁界発生装置では、電磁調理器の
上に載せられた被加熱物の形状に関係なく加熱が行なわ
れ、安全性に問題がある。

本考案は、不適合被加熱物を検出することのできる磁界
発生装置を提供することを課題とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、電磁誘導型調理器に用いられる磁界発生装置
において、同一平面上に隣接して配され、単一の電流供
給手段から電流供給を受ける複数の渦巻状コイル素子
と、該複数の渦巻状コイル素子のそれぞれに流れる電流
を検出して検出信号を出力する検出器と、該検出器の検
出信号を受け、前記複数の渦巻状コイル素子に流れる電
流の最大値と最小値との差が所定値よりも大きくなった
ときに、前記複数の渦巻状コイル素子に流れる電流を制
限するよう前記電流供給手段を制御する制御装置とを含
むことを特徴とする。

［作用］ 複数の渦巻状コイル素子の上に被加熱物を載せると、上
に被加熱物が載っている渦巻状コイルと載っていない渦
巻状コイルとでは流れる電流の大きさが異なる。各渦巻
状コイル素子に流れる電流をそれぞれ検出し、その差が
予め定められた値より大きい時は被加熱物が、不適合で
あると判断し複数の渦巻状コイルに流れる電流を低下、
あるいは停止させる。

［実施例］ 以下に図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の一実施例の磁界発生装置の要部を示
す。この磁界発生装置は、７個の渦巻状コイル素子C1〜
C7（以下、コイル素子という）を含んでいる。第１図
（ａ）から明らかなように１つのコイル素子C1を中心と
し、これを取り囲むように残りのコイル素子C2〜C7が配
置されている。

この磁界発生装置を電磁調理器として用いる場合は、従
来と同じく、これらコイル素子C1〜C7の上面にトッププ
レート102を配置する。このトッププレート102の上に被
加熱物103を載せて加熱を行う。

第２図に本実施例の回路図を示す。磁界発生装置１は、
コイル素子C1〜C7の他に、共振用コンデンサ２、電流検
出器CT1〜CT7、及び、制御装置３を含む。

コイル素子C1〜C7には、それぞれ共振用コンデンサ２が
直列に接続されており、その間には電流検出器CT1〜CT7
が配置されている。電流検出器CT1〜CT7は制御装置３に
接続されており、また、制御装置３はインバータ４に接
続されている。

共振用コンデンサ２の接続されたコイル素子C1〜C7は、
並列接続され、インバータ４に接続されている。

次に第２図及び第３図を参照して動作を説明する。

第３図に示すように、底の円い鍋を電磁調理器に乗せた
場合、トッププレート102に接触するのは鍋の中央部だ
けである。この場合、コイル素子C1〜C7に流れる電流が
変化しコイル素子C1と他のコイル素子C2〜C7に流れる電
流の大きさに差が生じる。具体的にはコイル素子C1の電
流が増加する。これらの各コイル素子C1〜C7に流れる電
流は、それぞれ電流検出器CT1〜CT7によって検出されて
おり、その検出信号は制御装置３に送られる。制御装置
３はコイル素子C1〜C7に流れる電流の差を求め、この場
合、コイル素子C1に流れる電流が最大、その他のコイル
素子C2〜C7に流れる電流が最小となるので、これらの差
を求めその差が予め定められた標準値よりも大きい時
は、被加熱物が電磁調理器に適合しないものと判断す
る。そして制御装置３はインバータ４に制御信号を出し
て、コイル素子に流れる電流を低下させる（例えば1/10
程度にする）、又は、停止させる。

また、ナイフ、フォーク等の小物が置かれている時も同
様にして不適合であると判断して渦巻状コイル素子に流
れる電流を低下させる、又は停止させることができる。

なお、渦巻状コイル素子の数は７個に限られるものでは
なく、いくつであってもよい。また、その形状は上記実
施例に限られず、六角形、四角形でも良く、それと共に
配置も形状も長方形等であっても良い。

また、上記実施例では、直列共振型の磁界発生装置につ
いて述べたが、並列共振型の磁界発生装置であってもよ
い。

［考案の効果］ 本考案によれば、同一平面上に配された複数の渦巻状コ
イル素子と、該複数の渦巻状コイル素子のそれぞれに流
れる電流を検出して検出信号を出力する検出器と、該検
出器の検出信号に応じて前記渦巻状コイル素子に流れる
電流を制御する制御装置とを備えたことで、不適合の被
加熱物の検出ができ、安全性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る磁界発生装置の要部を
示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図、第２図は第１
図の磁界発生装置の配線を示す回路図、第３図は第１図
の磁界発生装置の動作を説明するための図、第４図は従
来のワークコイルを示し、（ａ）は正面図、（ｂ）は側
面図、第５図は第４図のワークコイルを用いた電磁調理
器の側面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 千葉 長司 宮城県仙台市太子堂21番１号 株式会社ト ーキン内 (72)考案者 渡辺 貞 宮城県仙台市中山７丁目８番22号 (72)考案者 野崎 崗哉 宮城県仙台市中山８丁目33番２号 (72)考案者 渡邉 壽夫 宮城県仙台市中山７丁目１番48―301号 (56)参考文献 実開 昭57−192690（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電磁誘導型調理器に用いられる磁界発生装
   置において、同一平面上に隣接して配され、単一の電流
   供給手段から電流の供給を受ける複数の渦巻状コイル素
   子と、該複数の渦巻状コイル素子のそれぞれに流れる電
   流を検出して検出信号を出力する検出器と、該検出器の
   検出信号を受け、前記複数の渦巻状コイル素子に流れる
   電流の最大値と最小値との差が所定値よりも大きくなっ
   たときに、前記複数の渦巻状コイル素子に流れる電流を
   制限するよう前記電流供給手段を制御する制御装置とを
   含むことを特徴とする電磁誘導型調理器用磁界発生装
   置。