JPH0722855A - フィードフォーワード増幅器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィードフォーワード増幅器に関し、主増幅
器の歪特性の劣化，歪検出ループの誤動作により歪成分
が増加した時、小さい規模の回路の追加で、アラームを
出力するフィードフォーワード増幅器の提供を目的とす
る。 【構成】 歪除去ループの補助増幅器１の出力側を構成
するトランジスタのコレクタ電流を検出し電圧に変換し
て出力する電圧検出手段２と、電圧検出手段２にて検出
した電圧を入力し、補助増幅器１に入力する歪成分が正
常な時の電圧検出手段２の出力電圧を参照電圧とした該
参照電圧と比較し、該参照電圧以上の時はアラームを出
力する比較器３を設けた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、出力歪をシビャーに抑
える必要のある移動無線基地局等の装置に使用し、出力
歪が多くなるとアラームを出力するフィードフォーワー
ド増幅器の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来例のフィードフォーワード増
幅器のブロック図、図４は図３の各部の信号レベルを示
す図である。

【０００３】図３において、入力した主信号は、カップ
ラ５にて経路２１と経路２２に分配され、経路２１の信
号は主増幅器６にて所定の電力迄増幅され、カップラ７
にて経路２３と経路２４とに分配される。

【０００４】経路２４の信号と経路２２の信号はベクト
ル調整器９にて逆位相等振幅に調整され、カップラ８に
て合成される。カップラ８では、逆位相等振幅にて合成
される為に経路２５には、主増幅器６で発生した歪み成
分が出力される。このことにより経路２１，経路２４，
経路２２で囲まれるループは歪検出ループと呼ばれる。

【０００５】経路２３の、主増幅器６で増幅された主信
号成分と、主増幅器６で発生した歪成分の内の歪成分
は、経路２５よりの歪成分と逆位相等振幅になるように
ベクトル調整器１０及び補助増幅器１にて調整されカッ
プラ１１にて合成される。

【０００６】カップラ１１では歪成分同士が逆位相等振
幅で合成される為、歪成分が打ち消され、出力には歪成
分が打ち消された主信号のみが出力される。このことに
より経路２３，経路２５，経路２４で囲まれたループは
歪除去ループと呼ばれる。

【０００７】歪成分の１例を数値にて説明すると、主増
幅器６の出力の主信号と歪成分との比Ｄ／Ｕが例えば２
０ｄＢで図４（Ｂ）に示す如くであったとすると、補助
増幅器１への入力信号は、図４（Ｄ）に示す如く、図４
（Ｂ）に示す信号の内の主信号よりレベルが２０ｄＢ低
い歪成分が入力し、又図４（Ｂ）に示す信号は経路２３
に入力し、歪除去ループにて歪成分が打ち消されるので
カップラ１１の出力は、図４（Ａ）に示す如くＤ／Ｕが
例えば６０ｄＢとなる。

【０００８】主増幅器６の歪特性の劣化，歪検出ループ
の誤動作により、図４（Ｃ）に示す如く歪成分が例えば
１０ｄＢ増加し、Ｄ／Ｕ＝１０ｄＢとなると、他の信号
帯域に不要波が発生し悪影響を与えるので、出力歪をシ
ビャーに抑える必要のある移動無線基地局等の装置の場
合はアラームをあげ出力を切断する等の処置が必要とな
る。

【０００９】この為には、カップラ１１の出力側にカッ
プラを設け、出力信号の一部を取り出し、フイルタにて
歪成分を取り出し、ダイオード検波器で検波し、歪成分
の増加を検出する方法が考えられるが、カップラ１１の
出力では、先に説明せる如く、正常な場合はＤ／Ｕ＝６
０ｄＢで、歪が１０ｄＢ増加したとしてもＤ／Ｕ＝５０
ｄＢで、かなり狭帯域のフイルタを使用しても、レベル
の高い主信号を検波してしまい、歪みの増加を検出する
ことが難しい。

【００１０】そこで、従来は、図３に示す如く、補助増
幅器１の入力側にカップラ１２を設け、歪成分の一部を
取り出し、取り出した歪成分を増幅器１３にて増幅し、
ダイオード検波器１４にて検波し、比較器１５に入力す
る。

【００１１】比較器１５には、図４（Ｄ）に示す如き補
助増幅器１に入力する歪成分が正常な時の、ダイオード
検波器１４の出力電圧より僅か高い電圧を参照電圧Ｖｒ
ｅｆとして入力するようにしているので、これと比較
し、この電圧より高い場合はアラームを出力するように
なっているので、歪みが図４（Ｅ）に示す如く１０ｄＢ
増加すると比較器１５よりアラームを出力する。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カップ
ラ１２，増幅器１３，ダイオード検波器１４，比較器１
５が必要になり、大きい規模の回路を追加しなければな
らない問題点がある。

【００１３】本発明は、主増幅器の歪特性の劣化，歪検
出ループの誤動作により歪成分が増加した時、小さい規
模の回路の追加で、アラームを出力するフィードフォー
ワード増幅器の提供を目的としている。

【００１４】

【課題を解決するための手段】図１は本発明の原理ブロ
ック図である。図１に示す如く、歪検出ループと歪除去
ループを持つフィードフォーワード増幅器において、該
歪除去ループの補助増幅器１の出力側を構成するトラン
ジスタのコレクタ電流を検出し電圧に変換して出力する
電圧検出手段２と、該電圧検出手段２にて検出した電圧
を入力し、該補助増幅器１に入力する歪成分が正常な時
の該電圧検出手段２の出力電圧を参照電圧とした該参照
電圧と比較し、該参照電圧以上の時はアラームを出力す
る比較器３を設けた構成とする。

【００１５】

【作用】補助増幅器１の出力側を構成するトランジスタ
の、入力レベル対コレクタ電流特性は、入力レベルが高
くなるとコレクタ電流は増加するので、本発明ではこの
点を利用しており、主増幅器の歪特性の劣化，歪検出ル
ープの誤動作により歪成分が増加し、補助増幅器１に入
力する歪成分が正常な場合より増加すると、補助増幅器
１の出力側を構成するトランジスタのコレクタ電流は、
歪成分が正常な場合より増加し、比較器３に入力する電
圧検出手段２の出力電圧も、参照電圧より高くなり、比
較器３はアラームを出力する。

【００１６】即ち、電圧検出手段２と比較器３よりなる
小さい規模の回路の追加で、歪成分が増加した時アラー
ムを出力するようにすることが出来る。

【００１７】

【実施例】図２は本発明の実施例のフィードフォーワー
ド増幅器のブロック図である。図２で図３の従来例と異
なる点は、図３のカップラ１２，増幅器１３，ダイオー
ド検波器１４，比較器１５を除き、補助増幅器１の出力
側を構成するトランジスタＴｒのコレクタに電圧を与え
る回路に、電圧降下が無視出来る程度の抵抗Ｒを挿入
し、抵抗Ｒの両端の電圧を比較器３に入力し、参照電圧
Ｖｒｅｆと比較しアラームを出力するようにした点であ
るので、この異なる点を中心に以下説明する。

【００１８】ここで参照電圧Ｖｒｅｆの値はフィードフ
ォーワード増幅器が正常な場合の、図４（Ｄ）に示す如
き歪成分が補助増幅器１に入力した時の抵抗Ｒの両端の
電圧より僅か高い電圧としてある。

【００１９】補助増幅器１の出力側を構成するトランジ
スタＴｒの、入力レベル対コレクタ電流特性は図２
（Ａ）に示す如く、入力レベルが増加するとコレクタ電
流も増加する。

【００２０】従って、主増幅器の歪特性の劣化，歪検出
ループの誤動作により歪成分が図４（Ｃ）に示す如く例
えば１０ｄＢ増加し、補助増幅器１に入力する歪成分も
図４（Ｅ）に示す如く１０ｄＢ増加すると、抵抗Ｒの両
端の電圧は参照電圧Ｖｒｅｆより増加するので、比較器
３はアラームを出力する。

【００２１】尚トランジスタＴｒの代わりに、ＦＥＴを
使用した場合はコレクタ電流はドレイン電流となるも、
回路の変更はない。

【００２２】

【発明の効果】以上詳細に説明せる如く本発明によれ
ば、主増幅器の歪特性の劣化，歪検出ループの誤動作に
より歪成分が増加した時、アラームを出力するようにす
るのに、小さな規模の回路の追加で行うことが出来る効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本発明の原理ブロック図、

【図２】は本発明の実施例のフィードフォーワード増幅
器のブロック図、

【図３】は従来例のフィードフォーワード増幅器のブロ
ック図、

【図４】は図３の各部の信号レベルを示す図である。

【符号の説明】

１は補助増幅器、２は電圧検出手段、３，１５は比較
器、５，７，８，１１，１２はカップラ、６は主増幅
器、９，１０はベクトル調整器、１３は増幅器、１４は
ダイオード検波器、２１〜２５は経路、Ｔｒはトランジ
スタ、Ｒは抵抗を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 歪検出ループと歪除去ループを持つフィ
   ードフォーワード増幅器において、 該歪除去ループの補助増幅器（１）の出力側を構成する
   トランジスタのコレクタ電流を検出し電圧に変換して出
   力する電圧検出手段（２）と、 該電圧検出手段（２）にて検出した電圧を入力し、該補
   助増幅器（１）に入力する歪成分が正常な時の該電圧検
   出手段（２）の出力電圧を参照電圧とした該参照電圧と
   比較し、該参照電圧以上の時はアラームを出力する比較
   器（３）を設けたことを特徴とするフィードフォーワー
   ド増幅器。