JPH07227432A - 放射線治療機の回転バランス調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 Ｃアーム方式による３次元照射を行う放射線
治療機において、Ｃアーム部は放射線を発生させる照射
部本体と、この照射部本体の重量を水平回転軸廻りに平
衡させるバランスウエイトと、を備え、Ｃアーム部のア
イソセンターを中心にした回転移動時、バランスウエイ
トを照射部本体の移動方向と逆方向に移動させて上下バ
ランスを取る駆動手段を具備したものである。 【効果】 容量の小さい駆動装置で対称の移動ができ、
又対称の移動であるためカウンターウエイトと治療台の
支持部との干渉が避けられるため安全でコストが安くコ
ンパクトな装置が得られる効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はＣアーム方式による３
次元照射治療を行なう、放射線治療機（ライナック）の
水平回転軸の回転バランス調整機構に関する物である。

【０００２】

【従来の技術】図８は従来のＣアーム方式による３次元
照射治療の構成図である。図において、１は照射部本
体、２は照射部本体１より発生する放射線を規定範囲に
絞るＸ線コリメータ、３はＸ線コリメータ２で絞られた
放射線をナロービームとして取り出すＸ線アプリケー
タ、４は本治療で患者６を支持移動させる治療台、５は
患者６が直接横たわる治療台ベッド、７は患者６の頭部
が移動しない様に保持する頭部固定具、８はＸ線アプリ
ケータ３を通過した放射線を遮蔽する対向板兼照射部本
体１の重量を水平回転軸廻りにバランスを行う、Ｘ線シ
ャヘイ対向板兼バランスウエイト、９は水平回転軸受、
１０はＣアームを支持するＣアーム支持部、１１はＣア
ームを保持回転させるＣアーム回転軸受、１３はＣアー
ム回転フレーム、１５は水平回転部を保持する水平回転
支持部、２０は本装置を設置する床面、２８は９で回転
する水平回転軸である。

【０００３】図９は図８にて示される、従来のＣアーム
構成図の駆動方法を示す概念図であり、１は照射部本
体、８はＸ線遮蔽対向板兼バランスウエイト、１０はＣ
アーム支持部、１３はＣアーム回転フレーム、２３はＣ
アーム部に取付た駆動用ギヤー、２５はＣアーム部を駆
動する駆動モータ、２６はＣアーム部を駆動する駆動ピ
ニオンである。

【０００４】次に動作について説明する。図８、９にお
いて、照射部本体１とＣアーム回転フレーム１３とＸ線
遮蔽対向板兼バランスウエイト８は一体であり、駆動モ
ータ２５の出力は駆動ピニオン２６から駆動用ギヤー２
３に伝達され、照射部本体１、Ｘ線遮蔽対向板兼バラン
スウエイト８、Ｃアーム回転フレーム１３とも同一の動
きを行う。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のＣアーム方式の
バランスウエイトは以上の様に構成されているので、照
射部本体１とＸ線遮蔽対向板兼バランスウエイト８は同
一方向の移動を行なうため、治療台４の支柱部との干渉
をさけるためアイソセンターから遠ざける必要があり、
又照射部本体１、Ｘ線遮蔽対向板兼バランスウエイト
８、Ｃアーム回転フレーム１３が一体の為重力方向への
落下は全重量となる為、駆動ギヤー２３、駆動モータ２
５、駆動ピニオン２６は容量の大きなものでなければな
らないという問題点があった。

【０００６】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、駆動部のモータ、ギヤ、ピニオ
ンの容量を小さくできる機構を持ち、なおかつ治療台の
支柱部との干渉をさける回転バランス調整機構を提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の放射線治療機
の回転バランス調整機構は、Ｃアーム方式による３次元
照射を行う放射線治療機において、前記Ｃアーム部は放
射線を発生させる照射部本体と、この照射部本体の重量
を水平回転軸廻りに平衡させるバランスウエイトと、を
備え、前記Ｃアーム部のアイソセンターを中心にした回
転移動時、前記バランスウエイトを前記照射部本体の移
動方向と逆方向に移動させて上下バランスを取る駆動手
段を具備したものである。

【０００８】請求項２の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項１記載のものにおいて、移動側のＣア
ーム部にガイドレールを、固定側のＣアーム支持部に支
持軸受を設けたものである。

【０００９】請求項３の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項１記載のものにおいて、照射部本体と
バランスウエイトは分離されると共に、固定側のＣアー
ム支持部にガイドレールを、移動側に支持軸受を設けた
ものである。

【００１０】請求項４の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項３記載のものにおいて、バランスウエ
イトは円弧上に移動することを特徴とするものである。

【００１１】請求項５の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項３記載のものにおいて、バランスウエ
イトは垂直方向に移動することを特徴とするものであ
る。

【００１２】請求項６の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項２記載のものにおいて、駆動手段は、
照射部本体とバランスウエイトにそれぞれ独立に設けら
れ、非対称駆動を行うことを特徴とするものである。

【００１３】請求項７の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項３記載のものにおいて、駆動手段は、
照射部本体とバランスウエイトにそれぞれ独立に設けら
れ、非対称駆動を行うことを特徴とするものである。

【００１４】

【作用】請求項１の放射線治療機の回転バランス調整機
構は、容量の小さい駆動装置で対称の移動ができ、また
対称の移動であるためカウンターウエイトと治療台の支
柱部との干渉が避けられるため安全でコストが安くコン
パクトな装置が得られる。

【００１５】請求項２の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、駆動部を小形にできると共に、カウンターウ
エイトと治療台の支柱部との干渉が避けられる。

【００１６】請求項３の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、駆動部を小形にできると共に、カウンターウ
エイトと治療台の支柱部との干渉が避けられ、かつ照射
部本体とバランスウエイトを初めから分離できる。

【００１７】請求項４の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、駆動部を小形にできると共に、カウンターウ
エイトと治療台の支柱部との干渉が避けられ、かつ照射
部本体とバランスウエイトを初めから分離できる。

【００１８】請求項５の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、駆動部を小形にできると共に、カウンターウ
エイトと治療台の支柱部との干渉が避けられ、かつ患者
を治療するための医師及び技師の活動スペースが広く取
れる。

【００１９】請求項６の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、駆動部を小形にできると共に、カウンターウ
エイトと治療台の支柱部との干渉が避けられる。

【００２０】請求項７の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、駆動部を小形にできると共に、カウンターウ
エイトと治療台の支柱部との干渉が避けられる。

【００２１】

【実施例】

実施例１．以下、この発明の実施例１を図について説明
する。図１において、１は照射部本体、２は照射部本体
１より発生する放射線を規定範囲に絞るＸ線コリメー
タ、３はＸ線コリメータ２で絞られた放射線をナロービ
ームとして取り出すＸ線アプリケータ、４は本治療で患
者６を支持移動させる治療台、５は患者６が直接横たわ
る治療台ベッド、７は患者６の頭部が移動しない様に保
持する頭部固定具、８はＸ線アプリケータ３を通過した
放射線を遮蔽する対向板兼照射部本体１の重量を水平回
転廻りにバランスを行うＸ線遮蔽対向板兼バランスウエ
イト、９は水平回転軸受、１０はＣアームを支持するＣ
アーム支持部、１１はＣアームを保持回転させるＣアー
ム回転軸受、１３はＣアーム回転フレーム、１４はバラ
ンスウエイトを照射部本体１と逆な動きを支えるバラン
スウエイト回転フレーム、１５は水平回転部を保持する
水平回転支持部、２０は本装置を設置する床面、２８は
水平回転軸受９で回転する水平回転軸である。

【００２２】図４は図１に示される実施例１のＣアーム
構成図の駆動方法を示す概念図であり、１は照射部本
体、８はＸ線遮蔽対向板兼バランスウエイト、１０はＣ
アーム支持部、１３はＣアーム回転フレーム、１４はバ
ランスウエイト回転フレーム、２３はＣアーム部に取付
けた駆動用ギヤー、２４は照射部本体１とＸ線遮蔽対向
板兼バランスウエイト８の重力方向の力を相殺し、逆の
動きをさせるためのスプロケット（滑車）、２５は照射
部本体１を駆動する駆動モータ、２６は照射部本体１を
駆動する駆動ピニオン、２７は照射部本体１とＸ線遮蔽
対向板兼バランスウエイト８を連結するチェイン（ワイ
ヤ）である。

【００２３】次に動作について説明する。駆動モータ２
５の出力は駆動ピニオン２６を介して、駆動用ギヤー２
３に伝達される。駆動用ギヤー２３に伝達された駆動力
はＣアーム回転フレーム１３を駆動する、照射部本体１
はＣアーム回転フレーム１３と一体なのでこの駆動力に
よって照射部本体１も駆動される。照射部本体１が動け
ばＣアーム回転フレーム１３と照射部本体１に固定され
ているチェイン（ワイヤー）２７が移動し、スプロケッ
ト（滑車）２４を介してバランスウエイト回転フレーム
１４とＸ線遮蔽対向板兼バランスウエイト８に駆動力が
伝達される。ここでスプロケット２４、チェイン２７が
２ケ所に取付いているのは上方が照射部本体１でもＸ線
遮蔽対向板兼バランスウエイト８でも可能とするために
必ず一方が落下をふせぐ構造とするためである。

【００２４】以上のように、この実施例１によれば、回
転バランス調整機構は照射部本体とバランスウエイトを
お互に逆方向に動かし、照射部本体重量とバランスウエ
イト重量をチェイン（滑車）機構にて重力方向に対して
相殺できる構造としたので、容量の小さい駆動装置で対
称の移動が出来又、対称の移動であるためカウンターウ
エイトと治療台の支柱部との干渉がさけられるため安全
でコストが安くコンパクトな装置が得られる効果があ
る。

【００２５】実施例２．なお上記実施例１では、Ｃアー
ム回転フレーム１３が移動側にあったが、実施例２は図
２に示すように固定側のＣアーム支持部１０を伸し、Ｃ
アーム回転フレーム１３をなくし、照射部本体１とバラ
ンスウエイト１７を初めから分離できるものである。

【００２６】図５は実施例２の駆動方法を示す概念図で
ある。図において、１は照射部本体、１０はＣアーム支
持部、１７はバランスウエイト、２３はＣアーム部に取
付けた駆動用ギヤー、２４は照射部本体１とバランスウ
エイト１７の重力方向の力を相殺し、逆の動きをさせる
ためのスプロケット、２５は照射部本体１を駆動する駆
動モータ、２６は照射部本体１を駆動する駆動ピニオ
ン、２７は照射部本体１とバランスウエイトを連結する
チェインである。

【００２７】実施例３．図３に示す実施例３では、図２
に示したバランスウエイト１７を円弧上に移動させるの
ではなく、垂直方向に移動させる様にしたものである。

【００２８】この実施例３の駆動概念図は、実施例２と
同じ図５である。

【００２９】この実施例３によれば、バランスウエイト
が円弧運動をしない分だけ患者を治療設定するための医
師及び技師の活動スペースが広く取れる利点がある。

【００３０】実施例４．上記図１〜３の駆動は概念図、
図４、５に示す様に自重方向の荷重を相殺する機構を示
したが、図６に示すように照射部本体１とバランスウエ
イト８にそれぞれ駆動装置を取付、単独に非対称駆動を
行なわせる事も可能である。

【００３１】実施例５．また図７に示すように移動側に
支持軸受、固定側にガイドレールを取付けて、単独に非
対称駆動を行なわせることもできる。

【００３２】

【発明の効果】請求項１の放射線治療機の回転バランス
調整機構は、Ｃアーム方式による３次元照射を行う放射
線治療機において、前記Ｃアーム部は放射線を発生させ
る照射部本体と、この照射部本体の重量を水平回転軸廻
りに平衡させるバランスウエイトと、を備え、前記Ｃア
ーム部のアイソセンターを中心にした回転移動時、前記
バランスウエイトを前記照射部本体の移動方向と逆方向
に移動させて上下バランスを取る駆動手段を具備した構
成にしたので、容量の小さい駆動装置で対称の移動がで
き、また対称の移動であるためカウンターウエイトと治
療台の支柱部との干渉が避けられるため安全でコストが
安くコンパクトな装置が得られる。

【００３３】請求項２の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項１記載のものにおいて、移動側のＣア
ーム部にガイドレールを、固定側のＣアーム支持部に支
持軸受を設けたので、駆動部を小形にできると共に、カ
ウンターウエイトと治療台の支柱部との干渉が避けられ
る。

【００３４】請求項３の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項１記載のものにおいて、照射部本体と
バランスウエイトは分離されると共に、固定側のＣアー
ム支持部にガイドレールを、移動側に支持軸受を設けた
構成にしたので、駆動部を小形にできると共に、カウン
ターウエイトと治療台の支柱部との干渉が避けられ、か
つ照射部本体とバランスウエイトを初めから分離でき
る。

【００３５】請求項４の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項３記載のものにおいて、バランスウエ
イトは円弧上に移動する構成にしたので、駆動部を小形
にできると共に、カウンターウエイトと治療台の支柱部
との干渉が避けられ、かつ照射部本体とバランスウエイ
トを初めから分離できる。

【００３６】請求項５の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項３記載のものにおいて、バランスウエ
イトは垂直方向に移動する構成にしたので、駆動部を小
形にできると共に、カウンターウエイトと治療台の支柱
部との干渉が避けられ、かつ患者を治療するための医師
及び技師の活動スペースが広く取れる。

【００３７】請求項６の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項２記載のものにおいて、駆動手段は、
照射部本体とバランスウエイトにそれぞれ独立に設けら
れ、非対称駆動を行う構成にしたので、駆動部を小形に
できると共に、カウンターウエイトと治療台の支柱部と
の干渉が避けられる。

【００３８】請求項７の放射線治療機の回転バランス調
整機構は、請求項３記載のものにおいて、駆動手段は、
照射部本体とバランスウエイトにそれぞれ独立に設けら
れ、非対称駆動を行う構成にしたので、駆動部を小形に
できると共に、カウンターウエイトと治療台の支柱部と
の干渉が避けられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による回転バランス調整機構の実施例
１によるＣアーム３次元照射の構成図である。

【図２】この発明による回転バランス調整機構の実施例
２によるＣアーム３次元照射の構成図である。

【図３】この発明による回転バランス調整機構の実施例
３によるＣアーム３次元照射の構成図である。

【図４】この発明による回転バランス調整機構の実施例
１の動作概念図である。

【図５】この発明による回転バランス調整機構の実施例
２、３の動作概念図である。

【図６】この発明による回転バランス調整機構の実施例
４の動作概念図である。

【図７】この発明による回転バランス調整機構の実施例
５の動作概念図である。

【図８】従来の回転バランス調整機構のＣアーム３次元
照射の構成図である。

【図９】従来の回転バランス調整機構の動作概念図であ
る。

【符号の説明】 １ 照射部本体 ２ Ｘ線コリメータ ３ Ｘ線アプリケータ ４ 治療台 ５ 治療台ベッド ６ 患者 ７ 頭部固定具 ８ Ｘ線遮蔽対向板兼バランスウエイト ９ 水平回転軸受 １０ Ｃアーム支持部 １１ Ｃアーム回転軸受 １２ バランスウエイト移動軸受 １３ Ｃアーム回転フレーム １４ バランスウエイト回転フレーム １５ 水平回転支持部 １６ Ｘ線遮蔽対向板 １７ カウンターウエイト １８ Ｃアーム支持リニアウエイ １９ リニアウエイナット ２０ 床面 ２１ リニアウエイナット ２２ カウンターウエイト支持リニアウエイ ２３ 駆動用ギア ２４ スプロケット（滑車） ２５ 駆動モータ ２６ 駆動ピニオン ２７ チェイン（ワイヤ） ２８ 水平回転軸

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｃアーム方式による３次元照射を行う放
   射線治療機において、前記Ｃアーム部は放射線を発生さ
   せる照射部本体と、この照射部本体の重量を水平回転軸
   廻りに平衡させるバランスウエイトと、を備え、前記Ｃ
   アーム部のアイソセンターを中心にした回転移動時、前
   記バランスウエイトを前記照射部本体の移動方向と逆方
   向に移動させて上下バランスを取る駆動手段を具備した
   放射線治療機の回転バランス調整機構。
2. 【請求項２】 移動側のＣアーム部にガイドレールを、
   固定側のＣアーム支持部に支持軸受を設けたことを特徴
   とする請求項１記載の放射線治療機の回転バランス調整
   機構。
3. 【請求項３】 照射部本体とバランスウエイトは分離さ
   れると共に、固定側のＣアーム支持部にガイドレール
   を、移動側に支持軸受を設けたことを特徴とする請求項
   １記載の放射線治療機の回転バランス調整機構。
4. 【請求項４】 バランスウエイトは円弧上に移動するこ
   とを特徴とする請求項３記載の放射線治療機の回転バラ
   ンス調整機構。
5. 【請求項５】 バランスウエイトは垂直方向に移動する
   ことを特徴とする請求項３記載の放射線治療機の回転バ
   ランス調整機構。
6. 【請求項６】 駆動手段は、照射部本体とバランスウエ
   イトにそれぞれ独立に設けられ、非対称駆動を行うこと
   を特徴とする請求項２記載の放射線治療機の回転バラン
   ス調整機構。
7. 【請求項７】 駆動手段は、照射部本体とバランスウエ
   イトにそれぞれ独立に設けられ、非対称駆動を行うこと
   を特徴とする請求項３記載の放射線治療機の回転バラン
   ス調整機構。