JPH0722718U - 治療用ベッド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 腰部および脊髄に対して牽引処理を施す場合
に好適な効果を表すことができる。 【構成】 ベッドの両端に接続されている丸フック１に
スプリング２ａ、２ｂを接続し、スプリング２ａ、２ｂ
を介してスポンジパイプ３と腕止ベルト４によって、患
者の上部は、固定される。患者の背中および両足の位置
に対応したマット５は、固定され、患者の腰部に対応す
る位置に移動マット６を設ける。この移動マット６は、
戻しスプリングにより常に一定の位置に有り。患者の足
側を引っ張るような治療を施す場合、水平方向にスライ
ドする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、椎間板ヘルニア、脊髄神経狭窄症、筋肉緊張、腰椎捻挫等、特定 疾患の患者に対して治療を施す場合に使用する治療用ベッド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、椎間板ヘルニア等の特定疾患の患者に対して治療を施す場合、患者の腰 の靱帯を傷めることが考えられるため、分銅によって所定の値、例えば約15[kg] 程度の牽引力を与える治療を施すことによりこれらの疾病を治療していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、これらの疾病は完治することは少なく、殆どの患者がその後も 幾度となく治療を受けなければならない。よって、これらの疾病に対して施す治 療の期間はかなり長い期間を必要とする。

【０００４】 従って、この考案の目的は、椎間板ヘルニア、脊髄神経狭窄症、筋肉緊張、腰 椎捻挫等、特定疾患の患者に対して治療を施す場合に一回または数回使用するこ とにより良好な効果を示す治療用ベッド装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、腰部および脊髄の疾病を治療するために、腰部および脊髄に対し て牽引処理を施すようにした治療用ベッド装置において、患者上部を弾性的に固 定する弾性体を使用した固定手段と、複数に分割されたマットの中の少なくとも １つを水平方向にスライド可能とするためのマット移動手段とを具備することを 特徴とする治療用ベッド装置である。

【０００６】

【作用】

この考案によれば、患者腰部の靱帯を傷めることなく通常、治療に使用する牽 引力より大きな牽引力をかけることができ、より少ない回数の治療で腰部の疾病 が治癒する。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の一実施例に関して図面を参照して説明する。図１には、この 考案の治療用ベッド装置の斜視図が示される。図１において、１ａ、１ｂは、丸 フックであり、ベッドの上部側の両支柱に丸フック１ａ、１ｂが接続されている 。丸フック１ａ、１ｂとスプリング２ａ、２ｂの一端が係合され、スプリング２ ａの他端とスプリング２ｂの他端とは、ワイヤで連結されている。このワイヤを 被うようにスポンジパイプ３ａ、３ｂと腕止ベルト４とが設けられている。

【０００８】 スプリング２ａ、２ｂは、患者がベッド上に横たわり両足を牽引することによ り治療を施す場合、患者に対して過度な牽引力が加わらないように制御するため のものである。この実施例では、牽引力の設定値は60[kg]としている。

【０００９】 患者をベッドに固定するときに患者の両腋の下にスポンジパイプ３ａ、３ｂを 配置することにより、牽引時に患者に加わる衝撃が緩和される。腕止ベルト４は 、患者がベッド上に横たわり腕により患者の上部を固定するためのベルトである 。５は、患者の背中と両足の接触する部分に対応して固定されたマットを示す。

【００１０】 この実施例では、一例として、患者はベッド上に横たわりスポンジパイプ３、 腕止ベルト４等を使用し、患者の上部が固定される。上部を固定された患者は、 両足を治療者によって、極めて短時間に牽引される。このとき70[kg]で牽引され た場合、スプリング２の牽引力の設定値は60[kg]としているので、牽引力の設定 値より10[kg]多く牽引力が加わっている。このときスプリング２は、伸長し、患 者に対して60[kg]以上の牽引力が加わらないように設計されている。また、患者 に対して加わる牽引力が60[kg]以下の場合、スプリング２は伸長しない。

【００１１】 移動マット６は、患者の腰部の接触する部分に対応した位置に水平方向にスラ イド可能に配置される。上述のように両足を牽引されるとき、マットが固定され ていた場合、マットと腰部とで摩擦が発生し、それによって、充分な牽引力を円 滑に患者に対して与えることができない。このように、患者に対して正確な牽引 力が加わらないと、効果的な治療を施すことが困難になる。よって、移動マット ６がスライド可能とされている。また、移動マット６の内側には、図示しない戻 しスプリングが設けられ、これによって常に上部方向に移動マット６が偏倚され ている。

【００１２】 図２は、移動マット６のスライド機構を示す。図２において、１１ａ、１１ｂ は、スライドレールを示し、移動マット６の水平移動方向に対して平行に設置さ れている。この２本のスライドレール１１ａ、１１ｂに案内されてスライドする ベース１２が設けられている。ベース１２の上面に移動マット６が取り付けられ る。

【００１３】 なお、上述の60[kg]の牽引力は、かなり大きな値であるが、本来、人間が持ち 合わせている防御本能を気功によって高めることにより、通常、このような大き い牽引力を使用しても腰の靱帯を痛めずに治療できる。

【００１４】 図３Ａは、スライドレール１１ａ、ベース１２およびスライドパック１４の拡 大断面図を示す。スライドレール１１ａは、ベッドに取り付けられ、そのスライ ドレール１１ａ上をスライドパック１４が移動する。このスライドパック１４は 、ケース内に無端状に複数のボールベアリング１３が保持されたものである。こ のスライドパック１４は、取付け板１５を介してベース１２に固定される。スラ イドパック１４、従ってベース１２がスライドレール１１ａ上を移動する。また 、このスライドレール１１ａとスライドパック１４からなるスライド機構は、患 者の体重が掛かっていても滑らかな動作ができ、動作音が静かな利点がある。

【００１５】 図３Ｂは、スライドレール１１ａ、スライドパック１４の構成を示す。スライ ドパック１４に含まれる複数のボールベアリング１３は、無端状のハウジング内 に左右２列に配置されている。そのスライドパック１４の上に取付け板１５が設 けられ、上述のようにベース１２を介して移動マット６が取り付けられるように なる。スライドレール１１ｂ上に設けられるスライド機構も上述と同様のもので ある。

【００１６】 この実施例では、スライドレール１１ａ、１１ｂを水平方向に２本使用するこ とにより、そのスライドレール１１ａ、１１ｂ上にマットを設置し、移動マット ６の水平移動を可能としているが、スライドレール１１ａ、１１ｂの代わりに移 動方向と直交する方向に回転軸を有するころがり軸受けを使用することにより、 その回転軸上にマットを設置し、移動マット６の水平移動を可能とすることもで きる。

【００１７】

【考案の効果】

この考案によれば、人体腰部の靱帯を傷めることなく通常、治療に使用する牽 引力より大きな牽引力を使用し、より少ない回数の治療で治癒することができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の治療用ベッド装置の斜視図である。

【図２】移動マットの構成図である。

【図３】スライドレールの断面図である。

【符号の説明】

１ 丸フック ２ スプリング ３ スポンジパイプ ４ 腕止ベルト ５ マット ６ 移動マット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 腰部および脊髄の疾病を治療するため
   に、上記腰部および脊髄に対して牽引処理を施すように
   した治療用ベッド装置において、 患者上部を弾性的に固定する弾性体を使用した固定手段
   と、 複数に分割されたマットの中の少なくとも１つを水平方
   向にスライド可能とするためのマット移動手段とを具備
   することを特徴とする治療用ベッド装置。