JPH07226783A - サンプリング位相同期装置 - Google Patents
サンプリング位相同期装置Info
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- JPH07226783A JPH07226783A JP1877894A JP1877894A JPH07226783A JP H07226783 A JPH07226783 A JP H07226783A JP 1877894 A JP1877894 A JP 1877894A JP 1877894 A JP1877894 A JP 1877894A JP H07226783 A JPH07226783 A JP H07226783A
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- JP
- Japan
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- signal power
- time
- normalization
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- Prior art date
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- Granted
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Landscapes
- Dc Digital Transmission (AREA)
- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
- Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)
- Mobile Radio Communication Systems (AREA)
- Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
- Time-Division Multiplex Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明のヴィタビ等化器用サンプリング位相
同期装置は、移動体通信特有のマルチパスフェージング
伝送路環境下において、ヴィタビ等化器で復調される復
調符号の信頼性が最良になるようなサンプリングタイミ
ングを提供する。 【構成】 受信機14において、受信信号13は、直交
変換部15で直交変換され、複素ベースバンド信号16
となる。複素ベースバンド信号は、オーバーサンプリン
グ部17で離散信号系列18になる。その離散信号系列
18は伝送路インパルス応答推定部114に入力されて
伝送路インパルス応答115が推定される。推定伝送路
インパルス応答115により、正規化不要信号電力11
7が算出され、正規化不要信号電力117と併せて平均
正規化不要信号電力121が算出される。これより平均
正規化不要信号電力を算出し、最適サンプリング基準信
号123を決定して、オーバーサンプリングされた複素
ベースバンド離散受信信号系列110が間引かれてヴィ
タビ等化器126に入力されるように構成する。
同期装置は、移動体通信特有のマルチパスフェージング
伝送路環境下において、ヴィタビ等化器で復調される復
調符号の信頼性が最良になるようなサンプリングタイミ
ングを提供する。 【構成】 受信機14において、受信信号13は、直交
変換部15で直交変換され、複素ベースバンド信号16
となる。複素ベースバンド信号は、オーバーサンプリン
グ部17で離散信号系列18になる。その離散信号系列
18は伝送路インパルス応答推定部114に入力されて
伝送路インパルス応答115が推定される。推定伝送路
インパルス応答115により、正規化不要信号電力11
7が算出され、正規化不要信号電力117と併せて平均
正規化不要信号電力121が算出される。これより平均
正規化不要信号電力を算出し、最適サンプリング基準信
号123を決定して、オーバーサンプリングされた複素
ベースバンド離散受信信号系列110が間引かれてヴィ
タビ等化器126に入力されるように構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル通信方式の
受信機において、受信信号が伝送路から受けた歪みを補
償する等化器として利用されるヴィタビ等化器へ供給さ
れる受信信号波形のサンプリング位相同期に関してお
り、特にヴィタビ等化器の低符号誤り率化の実現を目指
したものである。
受信機において、受信信号が伝送路から受けた歪みを補
償する等化器として利用されるヴィタビ等化器へ供給さ
れる受信信号波形のサンプリング位相同期に関してお
り、特にヴィタビ等化器の低符号誤り率化の実現を目指
したものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル移動通信機器の開発が
急速に行われているが、陸上移動通信を行う上では、移
動体を取り巻く物理的な環境により生じる伝搬遅延を伴
った多重波伝搬干渉と移動体の高速移動によって受信信
号は、複雑で著しい歪みを受ける。移動体端末では、更
に雑音が重畳されたこの受信信号から何等かの信号処理
手段を用いて、雑音を含む歪み成分を補償する必要があ
る。ディジタル移動通信における波形等化技術は、これ
らの歪みを補償するための技術であり、主に2種類があ
る。1つは、判定帰還型等化器であり、もう1つがヴィ
タビ等化器(適応型最尤系列推定器)である。前者は、
演算量やハード規模等から評価しての実現し易さから多
く検討され、実用に供されてきた。また、後者は、波形
等化技術の中では最強であり、近年のLSI微細加工技
術の目ざましい発達やディジタル信号処理に適した高速
ディジタル信号処理プロセッサ(DSP)の登場により
実用化が可能となってきた。
急速に行われているが、陸上移動通信を行う上では、移
動体を取り巻く物理的な環境により生じる伝搬遅延を伴
った多重波伝搬干渉と移動体の高速移動によって受信信
号は、複雑で著しい歪みを受ける。移動体端末では、更
に雑音が重畳されたこの受信信号から何等かの信号処理
手段を用いて、雑音を含む歪み成分を補償する必要があ
る。ディジタル移動通信における波形等化技術は、これ
らの歪みを補償するための技術であり、主に2種類があ
る。1つは、判定帰還型等化器であり、もう1つがヴィ
タビ等化器(適応型最尤系列推定器)である。前者は、
演算量やハード規模等から評価しての実現し易さから多
く検討され、実用に供されてきた。また、後者は、波形
等化技術の中では最強であり、近年のLSI微細加工技
術の目ざましい発達やディジタル信号処理に適した高速
ディジタル信号処理プロセッサ(DSP)の登場により
実用化が可能となってきた。
【0003】ヴィタビ等化器は、受信信号系列が与えら
れたとき、その系列に最も合致する送信信号系列を、送
信されると考えうる全ての送信信号系列の中からヴィタ
ビアルゴリズムを用いて1つだけ選び出すものである。
また、ヴィタビ等化器では、伝送路インパルス応答が何
等かの手段により既知であることが前提として動作す
る。ゆえに、ヴィタビ等化器には、伝送路インパルス応
答推定部が必携となる。
れたとき、その系列に最も合致する送信信号系列を、送
信されると考えうる全ての送信信号系列の中からヴィタ
ビアルゴリズムを用いて1つだけ選び出すものである。
また、ヴィタビ等化器では、伝送路インパルス応答が何
等かの手段により既知であることが前提として動作す
る。ゆえに、ヴィタビ等化器には、伝送路インパルス応
答推定部が必携となる。
【0004】一般に受信機は、伝送路インパルス応答が
既知でないために、送信機と位相同期しておらず、受信
信号波形は、受信機内でオーバーサンプリング処理さ
れ、その後の位相同期処理を行い情報符号を復調する。
受信機内での情報符号の復調に判定帰還型等化器を利用
している場合、オーバーサンプリング信号をそのまま用
いる分数間隔タップを持つ判定帰還型等化器が有効あ
り、多く使用されている。この判定帰還型分数間隔等化
器は、タップ間隔がシンボル伝送周期Tの1/Nである
ために、サンプリング定理を満たす。したがって、受信
機が受信信号の位相同期に鈍感になるので、特別なサン
プリング位相同期装置の存在は不要である。また、判定
帰還型分数間隔等化器では、等化処理が行われるトラン
スバーサルフィルタの出力が、所望の値に近似するよう
に適応アルゴリズム処理系が動作すれば良く、そのトラ
ンスバーサルフィルタのタップ係数自体がサンプリング
位相ずれや等化時刻ずれなどを適応的に補正してくれ
る。
既知でないために、送信機と位相同期しておらず、受信
信号波形は、受信機内でオーバーサンプリング処理さ
れ、その後の位相同期処理を行い情報符号を復調する。
受信機内での情報符号の復調に判定帰還型等化器を利用
している場合、オーバーサンプリング信号をそのまま用
いる分数間隔タップを持つ判定帰還型等化器が有効あ
り、多く使用されている。この判定帰還型分数間隔等化
器は、タップ間隔がシンボル伝送周期Tの1/Nである
ために、サンプリング定理を満たす。したがって、受信
機が受信信号の位相同期に鈍感になるので、特別なサン
プリング位相同期装置の存在は不要である。また、判定
帰還型分数間隔等化器では、等化処理が行われるトラン
スバーサルフィルタの出力が、所望の値に近似するよう
に適応アルゴリズム処理系が動作すれば良く、そのトラ
ンスバーサルフィルタのタップ係数自体がサンプリング
位相ずれや等化時刻ずれなどを適応的に補正してくれ
る。
【0005】ヴィタビ等化器では、伝送路インパルス応
答を正確に模擬することが低符号誤り率実現の大前提と
なる。ヴィタビ等化器で伝送路インパルス応答を模擬す
るトランスバーサルフィルタのタップ間隔は、一般にT
間隔とされ、伝送路で生じる遅延分散がTの整数倍であ
る場合のみに正確に伝送路応答が模擬でき、最良の符号
誤り率性能が実現できる。反面、遅延分散の量がTの整
数倍でない場合、受信信号には、複雑な符号間干渉が生
じる。そして、その受信信号を正確に記述するには、そ
の受信信号を構成する送信信号アルファベット数に等し
い長さのタップ数のトランスバーサルフィルタが必要に
なる。そしてその長さは、一般的にベースバンド部で施
される帯域制限用フィルタのインパルス応答長で決定さ
れる。また、伝送路インパルス応答を模擬するトランス
バーサルフィルタのタップ間隔をT/Nにした分数間隔
型トランスバーサルフィルタを採用すれば、サンプリン
グ位相同期に鈍感になると期待されるが、タップ長が絶
対的にN倍に増大する。いずれにしてもタップ長の増大
は、ヴィタビ等化器にとって演算量の増加や、等価雑音
の増大に直接的につながり、結果的に等化性能を劣化さ
せることになる。
答を正確に模擬することが低符号誤り率実現の大前提と
なる。ヴィタビ等化器で伝送路インパルス応答を模擬す
るトランスバーサルフィルタのタップ間隔は、一般にT
間隔とされ、伝送路で生じる遅延分散がTの整数倍であ
る場合のみに正確に伝送路応答が模擬でき、最良の符号
誤り率性能が実現できる。反面、遅延分散の量がTの整
数倍でない場合、受信信号には、複雑な符号間干渉が生
じる。そして、その受信信号を正確に記述するには、そ
の受信信号を構成する送信信号アルファベット数に等し
い長さのタップ数のトランスバーサルフィルタが必要に
なる。そしてその長さは、一般的にベースバンド部で施
される帯域制限用フィルタのインパルス応答長で決定さ
れる。また、伝送路インパルス応答を模擬するトランス
バーサルフィルタのタップ間隔をT/Nにした分数間隔
型トランスバーサルフィルタを採用すれば、サンプリン
グ位相同期に鈍感になると期待されるが、タップ長が絶
対的にN倍に増大する。いずれにしてもタップ長の増大
は、ヴィタビ等化器にとって演算量の増加や、等価雑音
の増大に直接的につながり、結果的に等化性能を劣化さ
せることになる。
【0006】以上のように、受信機にヴィタビ等化器を
用いる場合は、伝送路インパルス応答を模擬するトラン
スバーサルフィルタのタップ長を増加することが実用的
でなく、最低限必要なT間隔のタップ数で構成されるこ
とが望ましい。例えば、伝送路での遅延分散量がTまで
ならばタップ長は2である。しかしながら、タップ間隔
がTである場合、サンプリング定理を満たさなくなるの
で、ヴィタビ等化器は、受信信号に位相同期しなければ
ならない条件が生じる。ところが、そもそも伝送路での
遅延分散が送信シンボル伝送周期Tの整数倍でなけれ
ば、最適サンプリング位相同期時刻は明確化できず、た
だ復調した結果の符号誤り率が最小である位相が最適サ
ンプリング位相同期条件としか言えなくなる。しかし一
般的には、この符号誤り率を最小にするサンプリング位
相などは、受信機で符号誤り率が測定出来ないので実質
把握できない。そこで、遅延分散が存在する伝送路を経
てきた信号へ位相同期する通常の手段としては、最も強
く受信された到来波に同期する策を何等か講じる。例え
ば、TDMAスロット内に含まれる既知符号系列との相
関演算を行うなどして、相関値のピーク値が出現する時
刻を最適サンプリング位相時刻とするものである。しか
し、この手法では、スロットの先頭部分のみを最適なサ
ンプリング位相状態にしているだけで、高速変動伝送路
でのスロット内での位相変動に対応していないなどの欠
点が存在する。
用いる場合は、伝送路インパルス応答を模擬するトラン
スバーサルフィルタのタップ長を増加することが実用的
でなく、最低限必要なT間隔のタップ数で構成されるこ
とが望ましい。例えば、伝送路での遅延分散量がTまで
ならばタップ長は2である。しかしながら、タップ間隔
がTである場合、サンプリング定理を満たさなくなるの
で、ヴィタビ等化器は、受信信号に位相同期しなければ
ならない条件が生じる。ところが、そもそも伝送路での
遅延分散が送信シンボル伝送周期Tの整数倍でなけれ
ば、最適サンプリング位相同期時刻は明確化できず、た
だ復調した結果の符号誤り率が最小である位相が最適サ
ンプリング位相同期条件としか言えなくなる。しかし一
般的には、この符号誤り率を最小にするサンプリング位
相などは、受信機で符号誤り率が測定出来ないので実質
把握できない。そこで、遅延分散が存在する伝送路を経
てきた信号へ位相同期する通常の手段としては、最も強
く受信された到来波に同期する策を何等か講じる。例え
ば、TDMAスロット内に含まれる既知符号系列との相
関演算を行うなどして、相関値のピーク値が出現する時
刻を最適サンプリング位相時刻とするものである。しか
し、この手法では、スロットの先頭部分のみを最適なサ
ンプリング位相状態にしているだけで、高速変動伝送路
でのスロット内での位相変動に対応していないなどの欠
点が存在する。
【0007】また、2台のタップ間隔Tのトランスバー
サルフィルタを並列に配置し、一方に入力する信号系列
ともう一方に入力する信号系列の位相をT/2だけずら
した構成にすることで、サンプリング位相同期に鈍感に
する手法を採用している例もみられる。しかし、この手
法では、並列する2台のトランスバーサルフィルタの出
力の合成法を最適にする手法が煩雑であり、見方によっ
ては台の分数間隔型トランスバーサルフィルタと等価な
構成となるので、実質的にタップ長の延長による劣化と
同じ影響が現れ、結果的にサンプリング位相同期に鈍感
ではあるものの、低符号誤り率の実現には寄与しない。
さらに、いかなる伝送路状態においても実質的に符号間
干渉のある信号を取り扱うので、適応アルゴリズムが収
束する時間が長くなったり、余分な符号が存在すること
による等価的な雑音が生じて、安定動作が行いにくくな
ってしまう。
サルフィルタを並列に配置し、一方に入力する信号系列
ともう一方に入力する信号系列の位相をT/2だけずら
した構成にすることで、サンプリング位相同期に鈍感に
する手法を採用している例もみられる。しかし、この手
法では、並列する2台のトランスバーサルフィルタの出
力の合成法を最適にする手法が煩雑であり、見方によっ
ては台の分数間隔型トランスバーサルフィルタと等価な
構成となるので、実質的にタップ長の延長による劣化と
同じ影響が現れ、結果的にサンプリング位相同期に鈍感
ではあるものの、低符号誤り率の実現には寄与しない。
さらに、いかなる伝送路状態においても実質的に符号間
干渉のある信号を取り扱うので、適応アルゴリズムが収
束する時間が長くなったり、余分な符号が存在すること
による等価的な雑音が生じて、安定動作が行いにくくな
ってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、伝送
路の遅延分散が送信シンボル伝送周期Tの整数倍でない
場合には、最適サンプリング位相時刻などは存在せず、
符号誤り率を最低にできるサンプリング位相時刻を最適
サンプリング位相時刻とする他ないが、数シンボルを単
位にしたスロットで送受信を行うTDMA方式の通信で
は、一般にスロット内に含まれる既知符号系列の長さ
は、スロット全体の長さに比較すると、1割にも満たな
い系列長であり、ある程度の信頼性を有する符号誤り率
を得るためには、非常に長い時間を要することになる。
また、移動体伝送路で発生する符号誤りは、付加される
雑音で決定されるランダムな誤りではなく、マルチパス
フェージングによるバースト誤りがほとんどである。然
るに、既知信号系列が全く誤らないスロットも存在すれ
ば、壊滅的に符号誤りが発生するスロットも存在する。
このことも加味すれば、さらに多くのスロットの既知符
号系列を用いて符号誤りを算出しなければならなくな
り、現実的とは言えない。さらに、符号誤り率という評
価関数は、ビット単位の正誤の判断しかできず、サンプ
リング単位での細かな制御が不可能である。
路の遅延分散が送信シンボル伝送周期Tの整数倍でない
場合には、最適サンプリング位相時刻などは存在せず、
符号誤り率を最低にできるサンプリング位相時刻を最適
サンプリング位相時刻とする他ないが、数シンボルを単
位にしたスロットで送受信を行うTDMA方式の通信で
は、一般にスロット内に含まれる既知符号系列の長さ
は、スロット全体の長さに比較すると、1割にも満たな
い系列長であり、ある程度の信頼性を有する符号誤り率
を得るためには、非常に長い時間を要することになる。
また、移動体伝送路で発生する符号誤りは、付加される
雑音で決定されるランダムな誤りではなく、マルチパス
フェージングによるバースト誤りがほとんどである。然
るに、既知信号系列が全く誤らないスロットも存在すれ
ば、壊滅的に符号誤りが発生するスロットも存在する。
このことも加味すれば、さらに多くのスロットの既知符
号系列を用いて符号誤りを算出しなければならなくな
り、現実的とは言えない。さらに、符号誤り率という評
価関数は、ビット単位の正誤の判断しかできず、サンプ
リング単位での細かな制御が不可能である。
【0009】前述したTDMAスロット内に含まれる既
知符号系列との相関演算をして、相関値のピーク値が出
現する時刻を最適サンプリング位相時刻とする手段は、
例えば伝送路が遅延分散Tで2波モデルの場合、相関値
のピーク値は、送信機を基準にした時刻で眺めると、時
刻t0 と時刻t0 +Tに出現する。しかし、受信機側で
は、送信機の基準時刻など計り知れないから、時刻t0
と時刻t0 +Tとを区別できず、たんに相関値のピーク
値が出現した時刻をサンプリング開始時刻とするしかな
い。判定帰還型等化器ならば、伝送路の遅延分散よりも
長めにトランスバーサルフィルタを用意すれば、この手
法で決定されるサンプリング位相であっても問題が生じ
ない。その理由は既に述べた。しかしながら、ヴィタビ
等化器の場合、伝送路応答を正確に模擬しなければなら
ない。すなわち、受信機は、送信機の基準時刻に同期し
ている必要がある。そこで、ヴィタビ等化器に上述のよ
うな時刻t0 と時刻t0 +Tが区別できないサンプリン
グ位相同期装置を用いた場合を考える。もしも、t0 に
同期すると、第1タップを時刻t0 に相当する基準タッ
プとして伝送路インパルス応答を推定する。この場合
は、第2タップがt0+T時刻に相当するので、正しく
伝送路インパルス応答が推定可能となり、ヴィタビ等化
器は正常な動作を行う。逆に時刻t0 +Tに同期した
場合は、第1タップを時刻t0 +Tに相当する基準タッ
プとして伝送路インパルス応答を推定するので、第2タ
ップは無意味になり、更に時刻t0 に相当するタップが
存在しなくなる。したがって、伝送路環境が変動して、
最も強く受信される到来波が、遅延到来波(時刻t0 +
Tに受信)から直接到来波(時刻t0 に受信)に変更し
た時点で(これを、非最小位相モードから最小位相モー
ドへ移行するという)、第1タップが次第に減少してい
き、遅延到来波が受信されなくなった時点で、推定伝送
路インパルス応答は、何の情報も持たなくなる。この現
象が生じると、推定された伝送路インパルス応答は、ラ
ンダム雑音と等価な性質になるので、推定受信信号は、
ランダムになる。そしてこのランダムな信号を用いて伝
送路インパルス応答を適応的に逐次更新するので、バー
スト誤りが発生し、符号誤り率の劣化に大きくつなが
る。
知符号系列との相関演算をして、相関値のピーク値が出
現する時刻を最適サンプリング位相時刻とする手段は、
例えば伝送路が遅延分散Tで2波モデルの場合、相関値
のピーク値は、送信機を基準にした時刻で眺めると、時
刻t0 と時刻t0 +Tに出現する。しかし、受信機側で
は、送信機の基準時刻など計り知れないから、時刻t0
と時刻t0 +Tとを区別できず、たんに相関値のピーク
値が出現した時刻をサンプリング開始時刻とするしかな
い。判定帰還型等化器ならば、伝送路の遅延分散よりも
長めにトランスバーサルフィルタを用意すれば、この手
法で決定されるサンプリング位相であっても問題が生じ
ない。その理由は既に述べた。しかしながら、ヴィタビ
等化器の場合、伝送路応答を正確に模擬しなければなら
ない。すなわち、受信機は、送信機の基準時刻に同期し
ている必要がある。そこで、ヴィタビ等化器に上述のよ
うな時刻t0 と時刻t0 +Tが区別できないサンプリン
グ位相同期装置を用いた場合を考える。もしも、t0 に
同期すると、第1タップを時刻t0 に相当する基準タッ
プとして伝送路インパルス応答を推定する。この場合
は、第2タップがt0+T時刻に相当するので、正しく
伝送路インパルス応答が推定可能となり、ヴィタビ等化
器は正常な動作を行う。逆に時刻t0 +Tに同期した
場合は、第1タップを時刻t0 +Tに相当する基準タッ
プとして伝送路インパルス応答を推定するので、第2タ
ップは無意味になり、更に時刻t0 に相当するタップが
存在しなくなる。したがって、伝送路環境が変動して、
最も強く受信される到来波が、遅延到来波(時刻t0 +
Tに受信)から直接到来波(時刻t0 に受信)に変更し
た時点で(これを、非最小位相モードから最小位相モー
ドへ移行するという)、第1タップが次第に減少してい
き、遅延到来波が受信されなくなった時点で、推定伝送
路インパルス応答は、何の情報も持たなくなる。この現
象が生じると、推定された伝送路インパルス応答は、ラ
ンダム雑音と等価な性質になるので、推定受信信号は、
ランダムになる。そしてこのランダムな信号を用いて伝
送路インパルス応答を適応的に逐次更新するので、バー
スト誤りが発生し、符号誤り率の劣化に大きくつなが
る。
【0010】そこで、本発明では、ヴィタビ等化器の動
作性能を大きく左右するサンプリング位相同期に関し
て、短期間で送信機の基準時刻に、より確かに同期した
伝送路インパルス応答の推定を目的とし、従来の様な伝
送路変動に依存したサンプリング位相同期手段が持つ弊
害を解消し、さらには、伝送路インパルス応答を模擬す
るトランスバーサルフィルタの構成を最小規模にできる
上に符号誤り率特性の改善をも実現できるヴィタビ等化
器用サンプリング位相同期装置を提供するものである。
作性能を大きく左右するサンプリング位相同期に関し
て、短期間で送信機の基準時刻に、より確かに同期した
伝送路インパルス応答の推定を目的とし、従来の様な伝
送路変動に依存したサンプリング位相同期手段が持つ弊
害を解消し、さらには、伝送路インパルス応答を模擬す
るトランスバーサルフィルタの構成を最小規模にできる
上に符号誤り率特性の改善をも実現できるヴィタビ等化
器用サンプリング位相同期装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヴィタビ等化
器において、伝送路インパルス応答推定の際に必要とす
るトランスバーサルフィルタの構成をタップ間隔Tで最
小規模タップ長とした場合にも、如何なる遅延分散を有
する伝送路環境においてもサンプリング位相同期を符号
誤り率を最小にするという課題の実現のため、TDMA
通信方式のように定期的に送信されて来るスロット内に
付加されている同期確立用の既知符号系列が含まれる送
信信号が、受信機に入力され、直交変換されたベースバ
ンド受信信号(以後、受信信号とする)を送信シンボル
伝送周期Tの1/N(N>1)の周期でオーバーサンプ
リングするオーバーサンプリング手段と、前記オーバー
サンプリング手段でオーバーサンプリングされた前記受
信信号を記憶する受信信号記憶手段と、前記受信信号記
憶手段に格納されているオーバーサンプリングされた前
記受信信号のうち、前記既知符号系列の先頭部分に相当
するオーバーサンプリングされた受信時刻よりも過去の
サンプリング時刻から前記既知符号系列の先頭部分に相
当する受信信号を含んだ任意に設定した長さW−1(W
>2N)の区間内を1サンプル間隔でシフトしながらN
間隔ごとにKシンボル(K>0)分を読み出し、前記有
限長の既知符号系列を用いて、T間隔L(L>0)タッ
プ表現トランスバーサルフィルタで模擬される読み出し
開始サンプリング時刻に固有のW個の伝送路インパルス
応答を算出する伝送路インパルス応答算出手段と、前記
伝送路インパルス応答算出手段で算出された、読み出し
開始サンプリング時刻に固有の前記W個の各Lタップの
伝送路インパルス応答が有する電力と、Lタップのうち
のMタップ(0<M<L)が有する電力との比(これを
正規化不要信号電力と称する)を算出する正規化不要信
号電力算出手段と、前記正規化不要信号電力算出手段で
算出された読み出し開始サンプリング時刻に固有のW個
の正規化不要信号電力を記憶する正規化不要信号電力記
憶手段と、過去定期的に同じ手順で1スロット当たりW
個の正規化不要信号電力が算出され、前記正規化不要信
号電力記憶手段に記憶されている数スロット過去までの
複数の読み出し開始サンプリング時刻に固有の正規化不
要信号電力と、現時刻に算出した同じ読み出し開始サン
プリング時刻の正規化不要信号電力との間で、W個の読
み出し開始サンプリング時刻に固有の正規化不要信号電
力平均値を算出する正規化不要信号電力平均値算出手段
とを具備し、前記正規化不要信号電力平均値算出手段で
算出された前記読み出し開始時刻に固有のW個の正規化
不要信号電力平均値を評価関数として、最適サンプリン
グ位相同期時刻を決定し、決定した前記最適サンプリン
グ位相同期時刻を基準に、前記既知符号系列および情報
系列が含まれるスロット内の受信信号をN間隔毎にサン
プリングし、ヴィタビ等化器へ入力するような構成とし
た。
器において、伝送路インパルス応答推定の際に必要とす
るトランスバーサルフィルタの構成をタップ間隔Tで最
小規模タップ長とした場合にも、如何なる遅延分散を有
する伝送路環境においてもサンプリング位相同期を符号
誤り率を最小にするという課題の実現のため、TDMA
通信方式のように定期的に送信されて来るスロット内に
付加されている同期確立用の既知符号系列が含まれる送
信信号が、受信機に入力され、直交変換されたベースバ
ンド受信信号(以後、受信信号とする)を送信シンボル
伝送周期Tの1/N(N>1)の周期でオーバーサンプ
リングするオーバーサンプリング手段と、前記オーバー
サンプリング手段でオーバーサンプリングされた前記受
信信号を記憶する受信信号記憶手段と、前記受信信号記
憶手段に格納されているオーバーサンプリングされた前
記受信信号のうち、前記既知符号系列の先頭部分に相当
するオーバーサンプリングされた受信時刻よりも過去の
サンプリング時刻から前記既知符号系列の先頭部分に相
当する受信信号を含んだ任意に設定した長さW−1(W
>2N)の区間内を1サンプル間隔でシフトしながらN
間隔ごとにKシンボル(K>0)分を読み出し、前記有
限長の既知符号系列を用いて、T間隔L(L>0)タッ
プ表現トランスバーサルフィルタで模擬される読み出し
開始サンプリング時刻に固有のW個の伝送路インパルス
応答を算出する伝送路インパルス応答算出手段と、前記
伝送路インパルス応答算出手段で算出された、読み出し
開始サンプリング時刻に固有の前記W個の各Lタップの
伝送路インパルス応答が有する電力と、Lタップのうち
のMタップ(0<M<L)が有する電力との比(これを
正規化不要信号電力と称する)を算出する正規化不要信
号電力算出手段と、前記正規化不要信号電力算出手段で
算出された読み出し開始サンプリング時刻に固有のW個
の正規化不要信号電力を記憶する正規化不要信号電力記
憶手段と、過去定期的に同じ手順で1スロット当たりW
個の正規化不要信号電力が算出され、前記正規化不要信
号電力記憶手段に記憶されている数スロット過去までの
複数の読み出し開始サンプリング時刻に固有の正規化不
要信号電力と、現時刻に算出した同じ読み出し開始サン
プリング時刻の正規化不要信号電力との間で、W個の読
み出し開始サンプリング時刻に固有の正規化不要信号電
力平均値を算出する正規化不要信号電力平均値算出手段
とを具備し、前記正規化不要信号電力平均値算出手段で
算出された前記読み出し開始時刻に固有のW個の正規化
不要信号電力平均値を評価関数として、最適サンプリン
グ位相同期時刻を決定し、決定した前記最適サンプリン
グ位相同期時刻を基準に、前記既知符号系列および情報
系列が含まれるスロット内の受信信号をN間隔毎にサン
プリングし、ヴィタビ等化器へ入力するような構成とし
た。
【0012】例えば、評価関数の使用法として、任意に
設定した閾値を横切る時刻が3時刻以上存在する場合
は、前記W個の正規化不要信号電力平均値のうちで最小
値の前記正規化不要信号電力を与える読み出し開始時刻
を最適サンプリング位相同期時刻と決定し、また前記閾
値を横切る時刻が2時刻の場合は、その2時刻の中央時
刻を最適サンプリング位相同期時刻と決定するようなこ
とが挙げられる。
設定した閾値を横切る時刻が3時刻以上存在する場合
は、前記W個の正規化不要信号電力平均値のうちで最小
値の前記正規化不要信号電力を与える読み出し開始時刻
を最適サンプリング位相同期時刻と決定し、また前記閾
値を横切る時刻が2時刻の場合は、その2時刻の中央時
刻を最適サンプリング位相同期時刻と決定するようなこ
とが挙げられる。
【0013】
【作用】本発明によれば、伝送路インパルス応答自体を
既知符号系列を用いて算出した結果をもとにしたサンプ
リング位相同期手段とするので、伝送路インパルス応答
に同期することが可能となり、その結果、常に伝送路の
遅延分散に応じた最適な受信信号波形へのサンプリング
位相同期が実現されるので、符号誤り率を大いに改善で
きる。
既知符号系列を用いて算出した結果をもとにしたサンプ
リング位相同期手段とするので、伝送路インパルス応答
に同期することが可能となり、その結果、常に伝送路の
遅延分散に応じた最適な受信信号波形へのサンプリング
位相同期が実現されるので、符号誤り率を大いに改善で
きる。
【0014】また、マルチパス伝送路において、直接到
来する信号波と時間遅延を有して到来する遅延波とは、
一般的に無相関であるため、直接到来波と遅延到来波と
の位相関係は、ランダム位相となる。実際のところ、正
確なサンプリング位相同期とは、この直接到来波と遅延
到来波との位相差によって一意に決定されるものである
が、移動体伝送路などの高速変動伝送路では、この位相
差は、スロットの最初の部分と終わりの部分では大きく
異なることが常である。したがって、スロットの最初で
厳密なサンプリング位相を決定しても、それは、スロッ
ト全体にわたって最適とは言えなくなる。この点を考慮
して、本発明では、直接到来波と遅延到来波との位相関
係が如何なる状態にあっても平均的に最適なサンプリン
グ位相状態に設定できるように、過去の直接到来波と遅
延到来波との位相関係を加味した平均値を評価関数にし
た最適サンプリング位相同期手段を提供している。ま
た、この平均化における過去の情報も数スロット以上あ
れば、大いに改善できる可能性がある。その評価関数に
関して簡単に以下に説明を加える。
来する信号波と時間遅延を有して到来する遅延波とは、
一般的に無相関であるため、直接到来波と遅延到来波と
の位相関係は、ランダム位相となる。実際のところ、正
確なサンプリング位相同期とは、この直接到来波と遅延
到来波との位相差によって一意に決定されるものである
が、移動体伝送路などの高速変動伝送路では、この位相
差は、スロットの最初の部分と終わりの部分では大きく
異なることが常である。したがって、スロットの最初で
厳密なサンプリング位相を決定しても、それは、スロッ
ト全体にわたって最適とは言えなくなる。この点を考慮
して、本発明では、直接到来波と遅延到来波との位相関
係が如何なる状態にあっても平均的に最適なサンプリン
グ位相状態に設定できるように、過去の直接到来波と遅
延到来波との位相関係を加味した平均値を評価関数にし
た最適サンプリング位相同期手段を提供している。ま
た、この平均化における過去の情報も数スロット以上あ
れば、大いに改善できる可能性がある。その評価関数に
関して簡単に以下に説明を加える。
【0015】時刻kでの送受信総合インパルス応答(送
信機の帯域制限フィルタ、伝送路インパルス応答、受信
機の帯域制限フィルタなどを含む)をhk(i)とする。i
は、時刻kにおける直接到来波に同した時刻をi=0と
表現した際のオーバーサンプリングしたサンプル順序を
示している。したがって、オーバーサンプリングがN倍
である場合には、時刻kでの理想受信信号rk(i)は、
信機の帯域制限フィルタ、伝送路インパルス応答、受信
機の帯域制限フィルタなどを含む)をhk(i)とする。i
は、時刻kにおける直接到来波に同した時刻をi=0と
表現した際のオーバーサンプリングしたサンプル順序を
示している。したがって、オーバーサンプリングがN倍
である場合には、時刻kでの理想受信信号rk(i)は、
【0016】
【数1】 と表現できる。ここで、もしも受信機で理想的な2タッ
プのトランスバーサルフィルタによって受信信号推定値
が推定できたとすれば、時刻kでの推定受信信号rk(i)
は、
プのトランスバーサルフィルタによって受信信号推定値
が推定できたとすれば、時刻kでの推定受信信号rk(i)
は、
【0017】
【数2】 となる。この時点で理想受信信号rk(i)と推定受信信号
rk(i)との誤差信号ek(i)は、
rk(i)との誤差信号ek(i)は、
【0018】
【数3】 となる。正確に伝送路インパルス応答が推定できていれ
ば、上述のek(i)は、最小となるはずである。また逆
に、このek(i)を最小にするようなサンプリング時刻i
や、このek(i)を最小にする伝送路インパルス応答を推
定すれば良い。
ば、上述のek(i)は、最小となるはずである。また逆
に、このek(i)を最小にするようなサンプリング時刻i
や、このek(i)を最小にする伝送路インパルス応答を推
定すれば良い。
【0019】さて、スロット内に付加される既知符号系
列を用いて伝送路インパルス応答を推定すれば、推定用
の適応アルゴリズムによる推定遅延こそあるものの、極
めて真値に近い伝送路インパルス応答が推定できるはず
である。すなわち、上述のek(i)を算出することは、容
易なこととなる。そこで、理想受信信号rk(i)と誤差信
号ek(i)の電力アンサンブル平均を求めてみる。それぞ
れRk(i)とUk(i)とする。
列を用いて伝送路インパルス応答を推定すれば、推定用
の適応アルゴリズムによる推定遅延こそあるものの、極
めて真値に近い伝送路インパルス応答が推定できるはず
である。すなわち、上述のek(i)を算出することは、容
易なこととなる。そこで、理想受信信号rk(i)と誤差信
号ek(i)の電力アンサンブル平均を求めてみる。それぞ
れRk(i)とUk(i)とする。
【0020】
【数4】 ここで、誤差信号ek(i)の電力アンサンブル平均は、少
ない方が望ましい。ここで評価関数として“正規化不要
信号電力ζk(i)”を次のように定義する。
ない方が望ましい。ここで評価関数として“正規化不要
信号電力ζk(i)”を次のように定義する。
【0021】
【数5】
【0022】結果的にこの評価関数が小さいほど、推定
した伝送路インパルス応答は真値に近いことになる。こ
の評価関数を眺めると、評価関数算出に必要なものは、
推定伝送路インパルス応答だけで良いことがわかる。す
なわち、ヴィタビ等化器で必要とする伝送路インパルス
応答を模擬するトランスバーサルフィルタ長よりも長い
タップ長のトランスバーサルフィルタ(上述の例では2
A+1)で伝送路インパルス応答を求めた上で、実際に
必要とするタップ数(上述の例では2タップ)の電力と
全体の電力との比を算出すれば良いことと等価となる。
した伝送路インパルス応答は真値に近いことになる。こ
の評価関数を眺めると、評価関数算出に必要なものは、
推定伝送路インパルス応答だけで良いことがわかる。す
なわち、ヴィタビ等化器で必要とする伝送路インパルス
応答を模擬するトランスバーサルフィルタ長よりも長い
タップ長のトランスバーサルフィルタ(上述の例では2
A+1)で伝送路インパルス応答を求めた上で、実際に
必要とするタップ数(上述の例では2タップ)の電力と
全体の電力との比を算出すれば良いことと等価となる。
【0023】また前述した通り、このζk(i)は、直接到
来波と遅延到来波との瞬間的な位相状態で決定されるの
で、このζk(i)を平均化することで安定したサンプリン
グ位相同期特性を得ようとするものである。
来波と遅延到来波との瞬間的な位相状態で決定されるの
で、このζk(i)を平均化することで安定したサンプリン
グ位相同期特性を得ようとするものである。
【0024】理想的なサンプリング時刻を列挙すると、
伝送路の遅延分散が0Tの場合はi=−8かi=0、同
遅延分散が0. 25Tの場合はi=−3、同遅延分散が
0.5Tの場合はi=−2、同遅延分散が0. 75Tの
場合はi=−1、同遅延分散が1. 0Tの場合はi=0
である。図6は、上述のζk(i)の平均値を図示したもの
で、図内の横軸がiを意味し、i=0が直接到来波が到
来した時刻で、スロットに付加される既知符号系列の先
頭符号が含まれるオーバーサンプリング時刻にも一致す
る。ここで、任意に設定した閾値を以てこの評価関数を
切り出した際に、閾値と交差する時刻の数を勘定して、
その個数で最適なサンプリング時刻を限定するのであ
る。その閾値を仮に0. 07と設定し、請求項に示す通
りに、交差時刻数が3時刻以上ならば平均ζk(i)の最小
値を、交差時刻数が2時刻以上ならばその2時刻の中点
時刻を、最適サンプリング時刻とした場合に求めた符号
誤り率と、従来のように直接到来波に同期した場合に算
出した符号誤り率とを比較した図を図7に掲載する。同
図内の曲線を説明すると、CIR(Channel ImpulseRes
ponse)estimated という曲線73、74は、ヴィタビ
等化器を構成する一要素である伝送路インパルス応答推
定部で適応アルゴリズム(LMSアルゴリズム)を用い
て推定した結果であり、CIRknown という曲線75、
76は、真値の伝送路インパルス応答が何等かの手段に
より得られたと仮定した場合をシミュレーションしたも
のである。図からも明らかな通り、サンプリング位相同
期をアクティブに本提案方式を用いた方(Optimized Sa
mpling Phase)が良好な符号誤り率が実現できている。
伝送路の遅延分散が0Tの場合はi=−8かi=0、同
遅延分散が0. 25Tの場合はi=−3、同遅延分散が
0.5Tの場合はi=−2、同遅延分散が0. 75Tの
場合はi=−1、同遅延分散が1. 0Tの場合はi=0
である。図6は、上述のζk(i)の平均値を図示したもの
で、図内の横軸がiを意味し、i=0が直接到来波が到
来した時刻で、スロットに付加される既知符号系列の先
頭符号が含まれるオーバーサンプリング時刻にも一致す
る。ここで、任意に設定した閾値を以てこの評価関数を
切り出した際に、閾値と交差する時刻の数を勘定して、
その個数で最適なサンプリング時刻を限定するのであ
る。その閾値を仮に0. 07と設定し、請求項に示す通
りに、交差時刻数が3時刻以上ならば平均ζk(i)の最小
値を、交差時刻数が2時刻以上ならばその2時刻の中点
時刻を、最適サンプリング時刻とした場合に求めた符号
誤り率と、従来のように直接到来波に同期した場合に算
出した符号誤り率とを比較した図を図7に掲載する。同
図内の曲線を説明すると、CIR(Channel ImpulseRes
ponse)estimated という曲線73、74は、ヴィタビ
等化器を構成する一要素である伝送路インパルス応答推
定部で適応アルゴリズム(LMSアルゴリズム)を用い
て推定した結果であり、CIRknown という曲線75、
76は、真値の伝送路インパルス応答が何等かの手段に
より得られたと仮定した場合をシミュレーションしたも
のである。図からも明らかな通り、サンプリング位相同
期をアクティブに本提案方式を用いた方(Optimized Sa
mpling Phase)が良好な符号誤り率が実現できている。
【0025】以上のように、伝送路インパルス応答自体
や送信機自体に同期できる、すなわち受信信号に同期で
きることに加えて、従来よりも符号誤り率が大きく改善
できるのである。
や送信機自体に同期できる、すなわち受信信号に同期で
きることに加えて、従来よりも符号誤り率が大きく改善
できるのである。
【0026】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示すヴィタビ等
化器用サンプリング位相同期装置を含んだ受信機構成を
表すブロック図である。同図内における送信機10で
は、ディジタル変調された送信信号波11が生成され、
伝送路12を経て何等かの歪みを受けた信号13が受信
信号として受信機14に入力される。受信信号13は、
直交変換部15にて同相成分(Iチャネル成分)及び直
交相成分(Qチャネル成分)の直交成分に変換され、複
素ベースバンド信号16となる。複素ベースバンド信号
は、伝送シンボル周期Tの1/N(N>1)の周期のオ
ーバーサンプリング周期のクロックによりオーバーサン
プリング部(A/D変換部)17で離散信号系列18に
変換される。オーバーサンプリングされ離散信号系列と
なった複素ベースバンド信号18は、図2に示すTDM
Aスロット20内の既知符号系列部分21に相当する部
分だけを蓄積する記憶部19に入力されて記憶される。
また、オーバーサンプリングされた複素ベースバンド信
号18は、遅延素子111に入力され、最適サンプリン
グ位相が決定されるまでの時間遅延されて、T時間間隔
で動作するサンプラー125に入力される。
化器用サンプリング位相同期装置を含んだ受信機構成を
表すブロック図である。同図内における送信機10で
は、ディジタル変調された送信信号波11が生成され、
伝送路12を経て何等かの歪みを受けた信号13が受信
信号として受信機14に入力される。受信信号13は、
直交変換部15にて同相成分(Iチャネル成分)及び直
交相成分(Qチャネル成分)の直交成分に変換され、複
素ベースバンド信号16となる。複素ベースバンド信号
は、伝送シンボル周期Tの1/N(N>1)の周期のオ
ーバーサンプリング周期のクロックによりオーバーサン
プリング部(A/D変換部)17で離散信号系列18に
変換される。オーバーサンプリングされ離散信号系列と
なった複素ベースバンド信号18は、図2に示すTDM
Aスロット20内の既知符号系列部分21に相当する部
分だけを蓄積する記憶部19に入力されて記憶される。
また、オーバーサンプリングされた複素ベースバンド信
号18は、遅延素子111に入力され、最適サンプリン
グ位相が決定されるまでの時間遅延されて、T時間間隔
で動作するサンプラー125に入力される。
【0027】さて、図2のスロット20に示す既知符号
系列部分21に相当する複素ベースバンド受信信号18
を記憶している記憶部19からNサンプルずつKシンボ
ル(K>0)分のサンプルを読み出し、ただし、読み出
される信号もすべて既知符号系列21に相当する部分内
に相当する複素ベースバンド信号である。読み出された
複素ベースバンド信号112は、伝送路インパルス応答
推定部114に入力される。伝送路インパルス応答推定
部114では、予め既知符号系列21が送信された場合
に受信される理想的な受信信号系列を用いて伝送路イン
パルス応答115が推定される。そして、推定された伝
送路インパルス応答115は、伝送路インパルス応答1
15が持つ電力と、その中で不要なタップが有する電力
との比と定義される正規化不要信号電力117を正規化
不要信号電力算出部116で算出する。算出された正規
化不要信号電力117は、シフトレジスタもしくはメモ
リー等で構成されるような正規化不要信号電力記憶部1
18に入力されて記憶される。
系列部分21に相当する複素ベースバンド受信信号18
を記憶している記憶部19からNサンプルずつKシンボ
ル(K>0)分のサンプルを読み出し、ただし、読み出
される信号もすべて既知符号系列21に相当する部分内
に相当する複素ベースバンド信号である。読み出された
複素ベースバンド信号112は、伝送路インパルス応答
推定部114に入力される。伝送路インパルス応答推定
部114では、予め既知符号系列21が送信された場合
に受信される理想的な受信信号系列を用いて伝送路イン
パルス応答115が推定される。そして、推定された伝
送路インパルス応答115は、伝送路インパルス応答1
15が持つ電力と、その中で不要なタップが有する電力
との比と定義される正規化不要信号電力117を正規化
不要信号電力算出部116で算出する。算出された正規
化不要信号電力117は、シフトレジスタもしくはメモ
リー等で構成されるような正規化不要信号電力記憶部1
18に入力されて記憶される。
【0028】この正規化不要信号電力記憶部118に
は、定期的に受信される受信者に固有に割与えられたス
ロット20において、過去数スロット分の同じサンプリ
ング時刻に算出された正規化不要信号電力117が格納
されており、平均正規化不要信号電力算出部120にて
平均正規化不要信号電力121が算出されると、最も古
い正規化不要信号電力値が捨てられ、最新の正規化不要
信号電力117が記憶される仕組みになっている。現時
刻に算出された正規化不要信号電力117とある一定の
過去までに受信したスロットで算出された各過去の時刻
に固有の複数の正規化不要信号電力119とは、平均正
規化不要信号電力算出部120に入力され、その平均値
121が算出される。この装置では、前述したオーバー
サンプリングされた複素ベースバンド受信信号記憶部1
9から読み出され、平均正規化不要信号電力121算出
までを、オーバーサンプリングされたサンプル単位でシ
フトしつつ複素ベースバンド受信信号記憶部19から前
述と同様な処理を一定回数(W回)繰り返す。そして、
複素ベースバンド受信信号記憶部19から読み出された
時刻に固有のW個存在する平均正規化不要信号電力12
1は、最適サンプリング時刻決定部122に入力され、
最適サンプリング時刻決定アルゴリズムにしたがって、
最適サンプリング時刻が決定されて、Nサンプル間隔の
サンプリング信号123がサンプラー125に送られ、
サンプラー125にてNサンプル毎に間引きサンプリン
グされたオーバーサンプリングされた複素ベースバンド
信号124がヴィタビ等化器126に入力される。ヴィ
タビ等化器126の出力系列127は、その後の復号再
生処理部128にて、必要とされる形、例えば音声情
報、画像情報、データ情報に再生される。
は、定期的に受信される受信者に固有に割与えられたス
ロット20において、過去数スロット分の同じサンプリ
ング時刻に算出された正規化不要信号電力117が格納
されており、平均正規化不要信号電力算出部120にて
平均正規化不要信号電力121が算出されると、最も古
い正規化不要信号電力値が捨てられ、最新の正規化不要
信号電力117が記憶される仕組みになっている。現時
刻に算出された正規化不要信号電力117とある一定の
過去までに受信したスロットで算出された各過去の時刻
に固有の複数の正規化不要信号電力119とは、平均正
規化不要信号電力算出部120に入力され、その平均値
121が算出される。この装置では、前述したオーバー
サンプリングされた複素ベースバンド受信信号記憶部1
9から読み出され、平均正規化不要信号電力121算出
までを、オーバーサンプリングされたサンプル単位でシ
フトしつつ複素ベースバンド受信信号記憶部19から前
述と同様な処理を一定回数(W回)繰り返す。そして、
複素ベースバンド受信信号記憶部19から読み出された
時刻に固有のW個存在する平均正規化不要信号電力12
1は、最適サンプリング時刻決定部122に入力され、
最適サンプリング時刻決定アルゴリズムにしたがって、
最適サンプリング時刻が決定されて、Nサンプル間隔の
サンプリング信号123がサンプラー125に送られ、
サンプラー125にてNサンプル毎に間引きサンプリン
グされたオーバーサンプリングされた複素ベースバンド
信号124がヴィタビ等化器126に入力される。ヴィ
タビ等化器126の出力系列127は、その後の復号再
生処理部128にて、必要とされる形、例えば音声情
報、画像情報、データ情報に再生される。
【0029】図2は、TDMA通信方式で採用されるス
ロット構成の一例を示してあり、既知符号系列21及び
情報符号系列(未知符号系列)をひとまとめとしてスロ
ット20が構成される。このスロット20は、定期的に
送信され、受信者は自らに割与えられたスロットのみを
受信して、その送信情報を取り出すのである。本提案の
サンプリング位相同期方式は、このスロット20の中の
予め内容が把握できる既知符号系列21を用いて最適な
サンプリング位相同期を果たすものである。
ロット構成の一例を示してあり、既知符号系列21及び
情報符号系列(未知符号系列)をひとまとめとしてスロ
ット20が構成される。このスロット20は、定期的に
送信され、受信者は自らに割与えられたスロットのみを
受信して、その送信情報を取り出すのである。本提案の
サンプリング位相同期方式は、このスロット20の中の
予め内容が把握できる既知符号系列21を用いて最適な
サンプリング位相同期を果たすものである。
【0030】図3は、図1に示すオーバーサンプリング
された複素ベースバンド受信信号記憶部19からNサン
プル間隔で読み出される系列を模式的に表現した図であ
る。隣接する前スロット31と受信者に割り当てられた
スロットの既知符号系列区間32と受信者に割り当てら
れた情報符号系列区間33のうち、既知符号系列区間3
2内のシンボル系列34に相当する複素ベースバンド受
信信号のうち同相成分35、直交成分36をNサンプル
間隔でKシンボル分だけ間引きながら読み出す(サンプ
ルする)。読み出された複素ベースバンド受信信号系列
{ri }(同図内では−15≦i≦4)37、38、3
9、310、311、312、313は、それぞれ、読
み出された時刻(iに依存)に固有の系列となってお
り、これらの系列{ri }37、38、39、310、
311、312、313を用いて、読み出された時刻に
固有の伝送路インパルス応答を図1内の伝送路インパル
ス応答推定部114で算出される。
された複素ベースバンド受信信号記憶部19からNサン
プル間隔で読み出される系列を模式的に表現した図であ
る。隣接する前スロット31と受信者に割り当てられた
スロットの既知符号系列区間32と受信者に割り当てら
れた情報符号系列区間33のうち、既知符号系列区間3
2内のシンボル系列34に相当する複素ベースバンド受
信信号のうち同相成分35、直交成分36をNサンプル
間隔でKシンボル分だけ間引きながら読み出す(サンプ
ルする)。読み出された複素ベースバンド受信信号系列
{ri }(同図内では−15≦i≦4)37、38、3
9、310、311、312、313は、それぞれ、読
み出された時刻(iに依存)に固有の系列となってお
り、これらの系列{ri }37、38、39、310、
311、312、313を用いて、読み出された時刻に
固有の伝送路インパルス応答を図1内の伝送路インパル
ス応答推定部114で算出される。
【0031】図4は、図3におけるシフトされてNサン
プル間隔で読み出された複素ベースバンド受信信号から
読み出された時刻に固有の平均正規化不要信号電力を算
出するまでを模式的に表現したブロック図の一例であ
る。図3におけるNサンプル間隔で読み出された複素ベ
ースバンド受信信号系列{ri }37、38、39、3
10、311、312、313に相当するのが複素ベー
スバンド受信信号系列41である。これらの複素ベース
バンド受信信号系列41は各{ri }42に別れ、平均
正規化不要信号電力値算出部43に入力される。入力さ
れた各{ri }42は、伝送路インパルス応答推定部4
4へと導かれ、CIR(Channel ImpulseResponse)生
成行列45と複素行列乗算器46で乗算され、伝送路イ
ンパルス応答47が得られる。図4における伝送路イン
パルス応答推定部44は、LSアルゴリズムを基準に記
載されているため、このような構成となっているが、こ
の部分は、例えばRLSアルゴリズムやLMSアルゴリ
ズムのような逐次更新型の適応アルゴリズムに置き換え
ても、図2に示すスロット20内の既知符号系列区間2
1における伝送路インパルス応答47が得られれば、L
Sアルゴリズムによる実現に拘るものではない。しかし
ながら、LSアルゴリズムによる実現方法が、短時間の
演算処理で容易に伝送路インパルス応答が推定できるの
で実現に最適と言える。
プル間隔で読み出された複素ベースバンド受信信号から
読み出された時刻に固有の平均正規化不要信号電力を算
出するまでを模式的に表現したブロック図の一例であ
る。図3におけるNサンプル間隔で読み出された複素ベ
ースバンド受信信号系列{ri }37、38、39、3
10、311、312、313に相当するのが複素ベー
スバンド受信信号系列41である。これらの複素ベース
バンド受信信号系列41は各{ri }42に別れ、平均
正規化不要信号電力値算出部43に入力される。入力さ
れた各{ri }42は、伝送路インパルス応答推定部4
4へと導かれ、CIR(Channel ImpulseResponse)生
成行列45と複素行列乗算器46で乗算され、伝送路イ
ンパルス応答47が得られる。図4における伝送路イン
パルス応答推定部44は、LSアルゴリズムを基準に記
載されているため、このような構成となっているが、こ
の部分は、例えばRLSアルゴリズムやLMSアルゴリ
ズムのような逐次更新型の適応アルゴリズムに置き換え
ても、図2に示すスロット20内の既知符号系列区間2
1における伝送路インパルス応答47が得られれば、L
Sアルゴリズムによる実現に拘るものではない。しかし
ながら、LSアルゴリズムによる実現方法が、短時間の
演算処理で容易に伝送路インパルス応答が推定できるの
で実現に最適と言える。
【0032】伝送路インパルス応答推定部44で算出さ
れた伝送路インパルス応答47は、正規化不要信号電力
算出部48に入力され、正規化不要信号電力49が算出
される。算出された正規化不要信号電力49は、平均正
規化不要信号電力算出部410に入力され、シフトレジ
スタなどで構成された記憶部411に記憶されている過
去に受信したスロットで同様な手順で算出された正規化
不要信号電力値412との間で平均正規化不要信号電力
413が算出される。また、正規化不要信号電力49
は、シフトレジスタなどで構成された記憶部411に入
力され、最古の正規化不要信号電力が廃棄されて最新の
正規化不要信号電力49が記憶される。
れた伝送路インパルス応答47は、正規化不要信号電力
算出部48に入力され、正規化不要信号電力49が算出
される。算出された正規化不要信号電力49は、平均正
規化不要信号電力算出部410に入力され、シフトレジ
スタなどで構成された記憶部411に記憶されている過
去に受信したスロットで同様な手順で算出された正規化
不要信号電力値412との間で平均正規化不要信号電力
413が算出される。また、正規化不要信号電力49
は、シフトレジスタなどで構成された記憶部411に入
力され、最古の正規化不要信号電力が廃棄されて最新の
正規化不要信号電力49が記憶される。
【0033】図4では並列に記載されている複素ベース
バンド受信信号{ri }に固有の平均正規化不要信号電
力算出部43それぞれには、構成上の違いは存在せず、
入力される{ri }だけが異なるので、並列化して記載
してある。したがって、平均正規化不要信号電力算出部
43は、1つだけを用意し、それを時分割に利用して
{ri }42に固有の平均正規化不要信号電力値を算出
しても良い。ただし、その場合、記憶領域411だけ
は、{ri }に応じて個別に用意しなければならない。
平均正規化不要信号電力算出部43から出力された平均
正規化不要信号電力413は、iの関数であり、iの関
数で描かれた特性曲線414と閾値415との交差回数
を閾値交差回数調査部416で調査され、その回数がカ
ウントされる。カウントされた閾値交差回数情報417
は、サンプリング時刻決定部418に入力され、その情
報417によって最適サンプリング時刻iopt 419が
決定されて、図1に示すサンプラー125に供給され
る。ここで説明したサンプリング時刻決定アルゴリズム
は、次説明の図5の処理流れ図と共に本発明実現のため
の一例であり、請求項に記載した評価関数を具体的に利
用する一手段である。
バンド受信信号{ri }に固有の平均正規化不要信号電
力算出部43それぞれには、構成上の違いは存在せず、
入力される{ri }だけが異なるので、並列化して記載
してある。したがって、平均正規化不要信号電力算出部
43は、1つだけを用意し、それを時分割に利用して
{ri }42に固有の平均正規化不要信号電力値を算出
しても良い。ただし、その場合、記憶領域411だけ
は、{ri }に応じて個別に用意しなければならない。
平均正規化不要信号電力算出部43から出力された平均
正規化不要信号電力413は、iの関数であり、iの関
数で描かれた特性曲線414と閾値415との交差回数
を閾値交差回数調査部416で調査され、その回数がカ
ウントされる。カウントされた閾値交差回数情報417
は、サンプリング時刻決定部418に入力され、その情
報417によって最適サンプリング時刻iopt 419が
決定されて、図1に示すサンプラー125に供給され
る。ここで説明したサンプリング時刻決定アルゴリズム
は、次説明の図5の処理流れ図と共に本発明実現のため
の一例であり、請求項に記載した評価関数を具体的に利
用する一手段である。
【0034】図5は、図4のブロック図に示す動作手順
の流れ図を提示したもので、流れに沿って以下に説明を
加える。添え字iは読み出す順番を意味する。 (1)図1に示す複素ベースバンド受信信号記憶部19
から読み出された読み出し時刻に固有の複素ベースバン
ド受信信号系列{ri }を取得する。 (2){ri }を用いて伝送路インパルス応答推定値を
算出する。 (3)算出した伝送路インパルス応答推定値hi の電力
値Ri を算出する。 (4)算出した伝送路インパルス応答推定値hi のタッ
プのうちで不要タップの電力値Ui を算出する。 (5)正規化不要信号電力値Ui /Ri を算出する。こ
れをUi(k)/Ri(k)とする。そして、記憶する。 (6)過去に受信したスロットで(1)〜(5)までの
同様な手順で算出した複数の正規化不要信号電力値Ui
(j)/Ri(j)(j=k−1〜k−J+1)を記憶領域か
ら読み出す。 (7)正規化不要信号電力値の平均値を算出する。
の流れ図を提示したもので、流れに沿って以下に説明を
加える。添え字iは読み出す順番を意味する。 (1)図1に示す複素ベースバンド受信信号記憶部19
から読み出された読み出し時刻に固有の複素ベースバン
ド受信信号系列{ri }を取得する。 (2){ri }を用いて伝送路インパルス応答推定値を
算出する。 (3)算出した伝送路インパルス応答推定値hi の電力
値Ri を算出する。 (4)算出した伝送路インパルス応答推定値hi のタッ
プのうちで不要タップの電力値Ui を算出する。 (5)正規化不要信号電力値Ui /Ri を算出する。こ
れをUi(k)/Ri(k)とする。そして、記憶する。 (6)過去に受信したスロットで(1)〜(5)までの
同様な手順で算出した複数の正規化不要信号電力値Ui
(j)/Ri(j)(j=k−1〜k−J+1)を記憶領域か
ら読み出す。 (7)正規化不要信号電力値の平均値を算出する。
【0035】
【数6】 (8)(7)で算出した正規化不要信号電力の平均値を
メモリで一時的に記憶する。 (9)上述(1)〜(8)を指定読み出し区間内のサン
プルに関して行う。ちなみに特許請求項に準ずるなら
ば、(1)〜(8)をW回行う。 (10)W個存在する読み出し時刻に固有の平均正規化
不要信号電力値が閾値を交差する回数pを勘定する。 (11)pが2の場合は閾値交差時刻(それぞれをi1
、i2 とする)の中点を最適サンプリング基準時刻と
する。iopt =(i1 +i2 )/2。 (12)pが3以上ならば、W個存在する平均正規化不
要信号電力のうちで最小の正規化不要信号電力を与える
時刻を最適サンプリング基準時刻とする。
メモリで一時的に記憶する。 (9)上述(1)〜(8)を指定読み出し区間内のサン
プルに関して行う。ちなみに特許請求項に準ずるなら
ば、(1)〜(8)をW回行う。 (10)W個存在する読み出し時刻に固有の平均正規化
不要信号電力値が閾値を交差する回数pを勘定する。 (11)pが2の場合は閾値交差時刻(それぞれをi1
、i2 とする)の中点を最適サンプリング基準時刻と
する。iopt =(i1 +i2 )/2。 (12)pが3以上ならば、W個存在する平均正規化不
要信号電力のうちで最小の正規化不要信号電力を与える
時刻を最適サンプリング基準時刻とする。
【0036】
【数7】 (13)最適サンプリング基準時刻を図1に示すサンプ
ラー125に供給する。 (14)終了。
ラー125に供給する。 (14)終了。
【0037】ここでの実施例は、本発明を具体的に説明
するための一例であって、本実施例内に明示してある具
体的な数字自体には、何等特別な意味はなく、変数(例
えば、i、j,k,J,K,L,M,Nなど)を用いて
記述しているのは、一般的に本発明が成立していること
を意味するものである。大きく従来のサンプリング位相
同期方式及び装置もしくは、サンプリング位相同期に鈍
感なヴィタビ等化器と異なる点は、ヴィタビ等化器自体
を最小限度の規模に設計した上でも、伝送路に同期して
正しい伝送路インパルス応答の推定が行われることと、
それにより動作するヴィタビ等化器に最良の符号誤り率
性能を持たせることが出来る点である。また、本発明の
一実施例は、陸上移動体伝送路を介してのディジタル通
信に関してのみ記述してあるが、この提案装置は、陸上
ディジタル移動体通信に限らず、TDMA通信方式を採
用している衛星通信や固定網の有線通信に関しても適用
範囲であることを付け加えておく。
するための一例であって、本実施例内に明示してある具
体的な数字自体には、何等特別な意味はなく、変数(例
えば、i、j,k,J,K,L,M,Nなど)を用いて
記述しているのは、一般的に本発明が成立していること
を意味するものである。大きく従来のサンプリング位相
同期方式及び装置もしくは、サンプリング位相同期に鈍
感なヴィタビ等化器と異なる点は、ヴィタビ等化器自体
を最小限度の規模に設計した上でも、伝送路に同期して
正しい伝送路インパルス応答の推定が行われることと、
それにより動作するヴィタビ等化器に最良の符号誤り率
性能を持たせることが出来る点である。また、本発明の
一実施例は、陸上移動体伝送路を介してのディジタル通
信に関してのみ記述してあるが、この提案装置は、陸上
ディジタル移動体通信に限らず、TDMA通信方式を採
用している衛星通信や固定網の有線通信に関しても適用
範囲であることを付け加えておく。
【0038】以上詳細に説明した通り、ディジタル通信
方式の受信機において、受信信号が伝送路から受けた歪
みを補償する等化器としてヴィタビ等化器を利用した場
合に、ヴィタビ等化器を構成する一要素である伝送路イ
ンパルス応答推定部で推定される伝送路インパルス応答
を正確に模擬する必要性がある。これは、伝送路に同期
していることを意味するもので、従来のような相関値の
ピーク時刻を基準時刻とするサンプリング位相同期装置
では、伝送路に時間ずれをもって同期してしまう現象が
生じ、ヴィタビ等化器がこの時間ずれを吸収できずに動
作が壊滅的になってしまう。
方式の受信機において、受信信号が伝送路から受けた歪
みを補償する等化器としてヴィタビ等化器を利用した場
合に、ヴィタビ等化器を構成する一要素である伝送路イ
ンパルス応答推定部で推定される伝送路インパルス応答
を正確に模擬する必要性がある。これは、伝送路に同期
していることを意味するもので、従来のような相関値の
ピーク時刻を基準時刻とするサンプリング位相同期装置
では、伝送路に時間ずれをもって同期してしまう現象が
生じ、ヴィタビ等化器がこの時間ずれを吸収できずに動
作が壊滅的になってしまう。
【0039】そして本発明によれば、この問題点を改善
するものであり、伝送路への同期が可能となる構成を持
っている。また、そもそも最適サンプリング時刻を定義
できないような伝送路に対してヴィタビ等化器を強固に
するために分数間隔伝送路インパルス応答推定手段を設
ける手法ことで、サンプリング位相同期手段を省くよう
な構成を持つヴィタビ等化器における、壊滅的な符号誤
り率の劣化を防ぐものの低符号誤り率の実現は果たせな
い、という問題点も解消するものである。以上のような
問題点は、TDMAスロット内の既知符号系列区間内の
複素ベースバンド受信信号を、送信シンボル伝送周期よ
りも細かな周期でオーバーサンプリングされたサンプル
単位にLSアルゴリズムのような演算で正確な伝送路イ
ンパルス応答が推定できる適応アルゴリズムを用いて算
出された推定伝送路インパルス応答における不要タップ
が有する電力を最小にすることで実現できる。これは本
来、真の伝送路インパルス応答と同じタップ数の伝送路
インパルス応答が受信機で推定できたとすれば、そのタ
ップ数よりも長めに用意したトランスバーサルフィルタ
で推定した伝送路インパルス応答において、不必要なタ
ップに電力が不必要となることは推察すれば、用意に理
解できることである。ヴィタビ等化器は、推定伝送路イ
ンパルス応答をもちいて推定受信信号を生成するので、
ヴィタビ等化器が必要とする長さの推定伝送路インパル
ス応答には、より大きな電力を持っている方が誤差が少
なくなることも容易に推察できる。また、高速で変動す
る伝送路などでは、スロットの先頭部分の伝送路状態と
スロットの後尾部分の伝送路状態が大きく異なることが
頻繁なので、伝送路が有する遅延分散量(マルチパス遅
延量)にのみ依存した最適サンプリング位相同期性能を
実現するために、平均化処理を施し、いかなる伝送路状
況においても安定した効果を得るものである。
するものであり、伝送路への同期が可能となる構成を持
っている。また、そもそも最適サンプリング時刻を定義
できないような伝送路に対してヴィタビ等化器を強固に
するために分数間隔伝送路インパルス応答推定手段を設
ける手法ことで、サンプリング位相同期手段を省くよう
な構成を持つヴィタビ等化器における、壊滅的な符号誤
り率の劣化を防ぐものの低符号誤り率の実現は果たせな
い、という問題点も解消するものである。以上のような
問題点は、TDMAスロット内の既知符号系列区間内の
複素ベースバンド受信信号を、送信シンボル伝送周期よ
りも細かな周期でオーバーサンプリングされたサンプル
単位にLSアルゴリズムのような演算で正確な伝送路イ
ンパルス応答が推定できる適応アルゴリズムを用いて算
出された推定伝送路インパルス応答における不要タップ
が有する電力を最小にすることで実現できる。これは本
来、真の伝送路インパルス応答と同じタップ数の伝送路
インパルス応答が受信機で推定できたとすれば、そのタ
ップ数よりも長めに用意したトランスバーサルフィルタ
で推定した伝送路インパルス応答において、不必要なタ
ップに電力が不必要となることは推察すれば、用意に理
解できることである。ヴィタビ等化器は、推定伝送路イ
ンパルス応答をもちいて推定受信信号を生成するので、
ヴィタビ等化器が必要とする長さの推定伝送路インパル
ス応答には、より大きな電力を持っている方が誤差が少
なくなることも容易に推察できる。また、高速で変動す
る伝送路などでは、スロットの先頭部分の伝送路状態と
スロットの後尾部分の伝送路状態が大きく異なることが
頻繁なので、伝送路が有する遅延分散量(マルチパス遅
延量)にのみ依存した最適サンプリング位相同期性能を
実現するために、平均化処理を施し、いかなる伝送路状
況においても安定した効果を得るものである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のサンプリ
ング位相同期装置は、移動体通信特有のマルチパスフェ
ージング伝送路環境下において、ヴィタビ等化器で復調
される復調符号の信頼性を最良とすることができる。
ング位相同期装置は、移動体通信特有のマルチパスフェ
ージング伝送路環境下において、ヴィタビ等化器で復調
される復調符号の信頼性を最良とすることができる。
【図1】 本発明の一実施例を示すヴィタビ等化器用サ
ンプリング位相同期装置を付加したヴィタビ等化器を有
する受信機のブロック図である。
ンプリング位相同期装置を付加したヴィタビ等化器を有
する受信機のブロック図である。
【図2】 TDMAスロットフォーマットの図と、スロ
ット内の既知符号系列及び情報系列の存在位置を示した
図である。
ット内の既知符号系列及び情報系列の存在位置を示した
図である。
【図3】 TDMAスロットにおける既知符号系列部分
に相当する複素ベースバンド信号波形をオーバーサンプ
リングする概念図である。
に相当する複素ベースバンド信号波形をオーバーサンプ
リングする概念図である。
【図4】 本発明の一実施例を示すヴィタビ等化器用サ
ンプリング位相同期手段のイメージを表現したブロック
図である。
ンプリング位相同期手段のイメージを表現したブロック
図である。
【図5】 本発明の一実施例を示すヴィタビ等化器用サ
ンプリング位相同期手段の手順を示したフローチャート
である。
ンプリング位相同期手段の手順を示したフローチャート
である。
【図6】 本発明に係る実際のマルチパスフェージング
伝送路環境下で算出した平均正規化不要信号電力ζk(i)
の特性曲線を示したグラフである。
伝送路環境下で算出した平均正規化不要信号電力ζk(i)
の特性曲線を示したグラフである。
【図7】 本発明に係る適応型のサンプリング位相同期
装置を使用して算出した符号誤り率特性曲線と、従来の
様なサンプリング位相同期手段でサンプリング位相同期
を固定して算出した符号誤り率特性曲線とを示したグラ
フである。
装置を使用して算出した符号誤り率特性曲線と、従来の
様なサンプリング位相同期手段でサンプリング位相同期
を固定して算出した符号誤り率特性曲線とを示したグラ
フである。
10:ディジタル変調方式の送信機、11:送信信号、
12:伝送路、13:歪んだ受信信号、14:受信機、
15:直交変換器、16:複素ベースバンド信号、1
7:オーバーサンプリング装置(AD変換部)、18:
複素ベースバンド離散信号系列、19:複素ベースバン
ド離散信号系列記憶部、110:18に同じ、111:
遅延素子、112:既知符号系列部分に相当する離散信
号系列、113:サンプリング位相同期決定部、11
4:伝送路インパルス応答推定部、115:推定伝送路
インパルス応答、116:正規化不要信号電力算出部、
117:正規化不要信号電力、118:正規化不要信号
電力記憶部、119:記憶されていた正規化不要信号電
力、120:平均正規化不要信号電力算出部、121:
平均正規化不要信号電力、122:最適サンプリング位
相時刻決定部、123:シンボル伝送周期T単位サンプ
リングタイミング信号、124:T間隔された複素ベー
スバンド受信信号離散系列、125:サンプラー、12
6:ヴィタビ等化器、127:ヴィタビ等化器出力符号
系列、128:復号再生処理部。20:TDMAスロッ
ト、21:既知符号系列及びその区間、22:情報符号
系列及びその区間。30:隣接前スロット、32:アサ
インスロット既知符号系列区間、33:アサインスロッ
ト情報符号系列区間、34:アサインスロット既知符号
系列、35:複素ベースバンド信号同相成分、36:複
素ベースバンド信号直交相成分、37、38、39、3
10、311、312、313:Tサンプルされた受信
信号系列{ri }。41:読み出し時刻に固有の受信信
号離散系列{ri }群、42:読み出し時刻に固有の受
信信号離散系列{ri }、43:平均正規化不要信号電
力算出部、44:伝送路インパルス応答推定部、45:
CIR(Channel Impulse Response)生成用行列格納領
域、46:複素行列乗算器、47:推定伝送路インパル
ス応答、48:正規化不要信号電力算出部、49:正規
化不要信号電力、410:平均正規化不要信号電力算出
部、411:シフトレジスタもしくはメモリで構成され
た正規化不要信号電力記憶部、412:過去の正規化不
要信号電力、413:平均正規化不要信号電力、41
4:平均正規化不要信号電力ζk(i)特性曲線、415:
閾値、416:閾値交差回数調査部、417:サンプリ
ング時刻決定部、418:最適サンプリングタイミング
基準信号。50:最適サンプリング位相同期手順開始、
51:読み出し時刻に固有の受信離散信号系列取得処
理、52:伝送路インパルス応答生成処理、53:伝送
路インパルス応答電力算出処理、54:不要タップ電力
算出処理、55:正規化不要信号電力生成処理、56:
過去の正規か不要信号電力読み出し処理、57:平均正
規化不要信号電力算出処理、58:メモリ書き込み処
理、59:閾値交差回数勘定処理、510:最適サンプ
リング時刻算出処理1、511:最適サンプリング時刻
算出処理2、512:最適サンプリング基準時刻決定処
理、513:終了。60:遅延量0. 0Tの平均正規化
不要信号電力特性曲線グラフ、61:遅延量0. 0Tの
正規化不要信号電力特性曲線、62:横軸i、63:縦
軸ζk(i)、64:遅延量0. 25Tの平均正規化不要信
号電力特性曲線グラフ、65:遅延量0. 25Tの正規
化不要信号電力特性曲線、66:横軸i、67:縦軸ζ
k(i)、68:遅延量0. 50Tの平均正規化不要信号電
力特性曲線グラフ、69:遅延量0. 50Tの正規化不
要信号電力特性曲線、610:横軸i、611:縦軸ζ
k(i)、612:遅延量0. 75Tの平均正規化不要信号
電力特性曲線グラフ、613:遅延量0. 75Tの正規
化不要信号電力特性曲線、614:横軸i、615:縦
軸ζk(i)、616:遅延量1. 00Tの平均正規化不要
信号電力特性曲線グラフ、617:遅延量1. 00Tの
正規化不要信号電力特性曲線、618:横軸i、61
9:縦軸ζk(i)。70:符号誤り率特性グラフ、71:
縦軸(符号誤り率)、72:横軸(マルチパス遅延
量)、73:推定伝送路インパルス応答における固定サ
ンプリング位相同期の符号誤り率特性曲線、74:推定
伝送路インパルス応答における適応サンプリング位相同
期の符号誤り率特性曲線、75:真値伝送路インパルス
応答における固定サンプリング位相同期の符号誤り率特
性曲線、76:真値伝送路インパルス応答における適応
サンプリング位相同期の符号誤り率特性曲線。
12:伝送路、13:歪んだ受信信号、14:受信機、
15:直交変換器、16:複素ベースバンド信号、1
7:オーバーサンプリング装置(AD変換部)、18:
複素ベースバンド離散信号系列、19:複素ベースバン
ド離散信号系列記憶部、110:18に同じ、111:
遅延素子、112:既知符号系列部分に相当する離散信
号系列、113:サンプリング位相同期決定部、11
4:伝送路インパルス応答推定部、115:推定伝送路
インパルス応答、116:正規化不要信号電力算出部、
117:正規化不要信号電力、118:正規化不要信号
電力記憶部、119:記憶されていた正規化不要信号電
力、120:平均正規化不要信号電力算出部、121:
平均正規化不要信号電力、122:最適サンプリング位
相時刻決定部、123:シンボル伝送周期T単位サンプ
リングタイミング信号、124:T間隔された複素ベー
スバンド受信信号離散系列、125:サンプラー、12
6:ヴィタビ等化器、127:ヴィタビ等化器出力符号
系列、128:復号再生処理部。20:TDMAスロッ
ト、21:既知符号系列及びその区間、22:情報符号
系列及びその区間。30:隣接前スロット、32:アサ
インスロット既知符号系列区間、33:アサインスロッ
ト情報符号系列区間、34:アサインスロット既知符号
系列、35:複素ベースバンド信号同相成分、36:複
素ベースバンド信号直交相成分、37、38、39、3
10、311、312、313:Tサンプルされた受信
信号系列{ri }。41:読み出し時刻に固有の受信信
号離散系列{ri }群、42:読み出し時刻に固有の受
信信号離散系列{ri }、43:平均正規化不要信号電
力算出部、44:伝送路インパルス応答推定部、45:
CIR(Channel Impulse Response)生成用行列格納領
域、46:複素行列乗算器、47:推定伝送路インパル
ス応答、48:正規化不要信号電力算出部、49:正規
化不要信号電力、410:平均正規化不要信号電力算出
部、411:シフトレジスタもしくはメモリで構成され
た正規化不要信号電力記憶部、412:過去の正規化不
要信号電力、413:平均正規化不要信号電力、41
4:平均正規化不要信号電力ζk(i)特性曲線、415:
閾値、416:閾値交差回数調査部、417:サンプリ
ング時刻決定部、418:最適サンプリングタイミング
基準信号。50:最適サンプリング位相同期手順開始、
51:読み出し時刻に固有の受信離散信号系列取得処
理、52:伝送路インパルス応答生成処理、53:伝送
路インパルス応答電力算出処理、54:不要タップ電力
算出処理、55:正規化不要信号電力生成処理、56:
過去の正規か不要信号電力読み出し処理、57:平均正
規化不要信号電力算出処理、58:メモリ書き込み処
理、59:閾値交差回数勘定処理、510:最適サンプ
リング時刻算出処理1、511:最適サンプリング時刻
算出処理2、512:最適サンプリング基準時刻決定処
理、513:終了。60:遅延量0. 0Tの平均正規化
不要信号電力特性曲線グラフ、61:遅延量0. 0Tの
正規化不要信号電力特性曲線、62:横軸i、63:縦
軸ζk(i)、64:遅延量0. 25Tの平均正規化不要信
号電力特性曲線グラフ、65:遅延量0. 25Tの正規
化不要信号電力特性曲線、66:横軸i、67:縦軸ζ
k(i)、68:遅延量0. 50Tの平均正規化不要信号電
力特性曲線グラフ、69:遅延量0. 50Tの正規化不
要信号電力特性曲線、610:横軸i、611:縦軸ζ
k(i)、612:遅延量0. 75Tの平均正規化不要信号
電力特性曲線グラフ、613:遅延量0. 75Tの正規
化不要信号電力特性曲線、614:横軸i、615:縦
軸ζk(i)、616:遅延量1. 00Tの平均正規化不要
信号電力特性曲線グラフ、617:遅延量1. 00Tの
正規化不要信号電力特性曲線、618:横軸i、61
9:縦軸ζk(i)。70:符号誤り率特性グラフ、71:
縦軸(符号誤り率)、72:横軸(マルチパス遅延
量)、73:推定伝送路インパルス応答における固定サ
ンプリング位相同期の符号誤り率特性曲線、74:推定
伝送路インパルス応答における適応サンプリング位相同
期の符号誤り率特性曲線、75:真値伝送路インパルス
応答における固定サンプリング位相同期の符号誤り率特
性曲線、76:真値伝送路インパルス応答における適応
サンプリング位相同期の符号誤り率特性曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04L 25/08 B 9199−5K
Claims (1)
- 【請求項1】伝送路における所定のスロット内に定期的
に同期確立用の既知符号系列が含まれる通信方式におい
て、受信機に入力され、直交変換されたベースバンド受
信信号を送信シンボル伝送周期Tの1/N(N>1)の
周期でオーバーサンプリングするオーバーサンプリング
手段と、 前記オーバーサンプリング手段でサンプリングされた前
記受信信号を記憶する受信信号記憶手段と、 前記受信信号記憶手段に格納されているオーバーサンプ
リングされた前記受信信号のうち、前記既知符号系列の
先頭部分に相当するオーバーサンプリングされた受信時
刻よりも過去の時刻から前記既知符号系列の先頭部分に
相当する受信信号を含んだ任意に設定した長さW−1
(W>2N)の区間内を1サンプル間隔でシフトしなが
らN間隔ごとにKシンボル(K>0)分を読み出し、前
記有限長の既知符号系列を用いて、T間隔L(L>0)
タップ表現トランスバーサルフィルタで模擬される読み
出し開始サンプリング時刻に固有のW個の伝送路インパ
ルス応答を算出する伝送路インパルス応答算出手段と、 前記伝送路インパルス応答算出手段で算出された、読み
出し開始サンプリング時刻に固有の前記W個の各Lタッ
プの伝送路インパルス応答が有する電力と、Lタップの
うちのMタップ(0<M<L)が有する電力との比(こ
れを正規化不要信号電力と称する)をW個算出する正規
化不要信号電力算出手段と、 前記正規化不要信号電力算出手段で算出された読み出し
開始サンプリング時刻に固有のW個の正規化不要信号電
力を記憶する正規化不要信号電力記憶手段と、 過去定期的に同じ手順で1スロット当たりW個の正規化
不要信号電力が算出され、前記正規化不要信号電力記憶
手段に記憶されている数スロット過去までの複数の読み
出し開始サンプリング時刻に固有の正規化不要信号電力
と、現時刻に算出した同じサンプリング時刻に相当する
正規化不要信号電力との間で、W個の読み出し開始サン
プリング時刻に固有の正規化不要信号電力平均値を算出
する正規化不要信号電力平均値算出手段とを具備し、 前記正規化不要信号電力平均値算出手段で算出された前
記読み出し開始時刻に固有のW個の正規化不要信号電力
平均値を評価関数として、最適サンプリング位相同期時
刻を決定し、決定した前記最適サンプリング位相同期時
刻を基準に、前記既知符号系列および情報系列が含まれ
るスロット内の受信信号をN間隔毎にサンプリングし、
ヴィタビ等化器へ入力することを特長とするサンプリン
グ位相同期装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1877894A JP3444549B2 (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | サンプリング位相同期装置 |
US08/389,581 US5648991A (en) | 1994-02-16 | 1995-02-16 | Sampling phase synchronizing apparatus and bidirectional maximum likelihood sequence estimation scheme therefore |
CN95100414A CN1082292C (zh) | 1994-02-16 | 1995-02-16 | 采样相位同步装置及所用的双向最大似然序列估计方式 |
US08/806,409 US5835541A (en) | 1994-02-16 | 1997-02-26 | Sampling phase synchronizing apparatus and bidirectional maximum likelihood sequence estimation scheme therefore |
CN011377208A CN1218530C (zh) | 1994-02-16 | 2001-11-01 | 双向最大似然序列估计系统 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1877894A JP3444549B2 (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | サンプリング位相同期装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07226783A true JPH07226783A (ja) | 1995-08-22 |
JP3444549B2 JP3444549B2 (ja) | 2003-09-08 |
Family
ID=11981100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1877894A Expired - Fee Related JP3444549B2 (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | サンプリング位相同期装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3444549B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002374191A (ja) * | 2000-11-01 | 2002-12-26 | Ntt Docomo Inc | 適応等化装置及びその方法 |
US7835423B2 (en) | 2006-07-27 | 2010-11-16 | Sony Corporation | Receiving device to determine the sampling rate for a received signal using a plurality of sampling rates |
-
1994
- 1994-02-16 JP JP1877894A patent/JP3444549B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002374191A (ja) * | 2000-11-01 | 2002-12-26 | Ntt Docomo Inc | 適応等化装置及びその方法 |
US7835423B2 (en) | 2006-07-27 | 2010-11-16 | Sony Corporation | Receiving device to determine the sampling rate for a received signal using a plurality of sampling rates |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3444549B2 (ja) | 2003-09-08 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |