JPH07225469A - 露光用マスクおよびその製造方法 - Google Patents

露光用マスクおよびその製造方法

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JPH07225469A
JPH07225469A JP1920594A JP1920594A JPH07225469A JP H07225469 A JPH07225469 A JP H07225469A JP 1920594 A JP1920594 A JP 1920594A JP 1920594 A JP1920594 A JP 1920594A JP H07225469 A JPH07225469 A JP H07225469A
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film
exposure mask
laminated
manufacturing
exposure
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JP1920594A
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Inventor
Yoshihiro Hisa
義浩 久
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1オングストローム単位の精度で周期を制御
した高性能な回折格子を安価に得ることができる露光用
(マスター)マスクおよびその製造方法を得ることを目
的とする。 【構成】 Au蒸着膜21,及びNi蒸着膜22を交互
に積層して形成された所定周期の積層膜10をその層方
向と垂直な方向の平面で、所定の厚みで切り出した積層
板の、その切断面の一方のNi蒸着膜22を、所定の深
さまで選択エッチングして積層膜10の周期に合わせた
所定周期の凹凸構造を有した露光用マスターマスク5を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は露光用マスクおよびそ
の製造方法に関し、特に、半導体レーザの縦モード制御
に用いる回折格子の形成に使用される露光用マスターマ
スク,および露光用マスクの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図11は、例えば1989年春季第36
回応用物理学関係連合講演会予稿集に記載された従来の
回折格子の製造方法を示す側面図であり、図において、
101はガラス板、102はアルミニウム(Al)薄
膜、100は該両者からなるマスターマスク、103は
表面に所定の繰り返しピッチ(以下、周期という)の回
折格子溝が形成されている紫外線(以下U.V.とも称
す)硬化樹脂、104は石英ガラス、105はU.V.
硬化樹脂103の回折格子溝の凸部の一方の斜面に形成
されたCr膜、109はU.V.硬化樹脂103,石英
ガラス104,及びCr膜105からなる露光用マス
ク、108は該露光用マスク109に入射されるレーザ
光、106はウエハ、107はフォトレジスト、110
は加工装置である。
【0003】また、図14は該露光用マスク109を用
いてウエハ106に露光を行った場合の、ウエハ106
表面での露光パターンを、ウエハ106の表面側から見
た状態を示す概略図であり、図において107はウエハ
106上に形成されたレジスト、110は該レジスト1
07上に形成される露光光による干渉ジマの明部のパタ
ーンである。
【0004】次に製造方法を図11について説明する。
まず、ガラス板101上にAl薄膜102を形成し(図
11(a))、該Al薄膜102に加工装置110により回
折格子溝を形成し露光用マスターマスク100を作る
(図11(b))。次に図11(c)に示すように、このマスタ
ーマスク100上の回折格子パターンを、U.V.硬化
樹脂103を用いて石英ガラス104上に転写してマス
ターマスク100のレプリカを作る。更に、このレプリ
カ表面の回折格子の凸部の一方の斜面にCr105を蒸
着して露光用マスク109を形成する(図11(d))。そ
の後、図11(e) に示すように光源であるレーザ光10
8を露光用マスク109に対してブラッグ角から入射さ
せると、露光用マスク109下で1次回折光と透過光が
干渉し、図14に示すような明暗パターンが生じ、ウェ
ハ106上のレジスト107が露光される。このパター
ニングされたレジスト107を利用してウエハ106を
エッチングすることにより回折格子を形成することがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の回折格子は以上
のように作製されており、露光用マスターマスク100
に回折格子溝を形成する際には、上述したように機械加
工でAl薄膜102に回折格子溝を形成していた。しか
し、0.1nm単位のピッチ精度の回折格子を得るため
には、マスターマスクに0.1nm単位のピッチ送り精
度の回折格子溝を形成することが必要となり、通常の機
械加工でこのような回折格子溝を形成することは非常に
困難であるという問題があった。
【0006】また、機械加工において0.1nm精度の
送り機構は技術的には可能であるが、高精度な装置を揃
える必要があるため、装置の価格が高くなり、回折格子
も非常に高価なものになるという問題があった。また、
マスターマスクを形成した後、これより露光用マスクを
形成するため、工程が多く、複雑化し、製造コストが高
くなるという問題があった。
【0007】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたものであり、1オングストローム単位の精度
で周期を制御した高性能な回折格子を容易に,かつ安価
に得ることのできる露光用マスターマスクおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0008】また、1オングストローム単位の精度で周
期を制御した高性能な回折格子を容易に,かつ安価に得
ることのできる露光用マスターマスクおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0009】さらに、1オングストローム単位の精度で
周期を制御した高性能な回折格子を容易に,かつ安価に
得ることのできるX線露光用マスクおよびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る露光用マ
スクの製造方法は、複数種類の膜を、所定の厚さ,順序
で繰り返し積層して縦方向積層膜を形成し、これをその
層方向に垂直な方向に対して所定の角度の平面で切断し
て所定厚さの横方向積層板を形成した後、この横方向積
層板の切断面が主表面となるよう加工するようにしたも
のである。
【0011】また、この発明に係る露光用マスクの製造
方法は、上記複数種類の膜を所定のエッチャントに対す
るエッチングレートが相異なるものとし、かつ上記横方
向積層板の切断面に上記エッチャントによるエッチング
処理を施して、その表面形状が上記ストライプ状の露光
パターンに対応した凹凸形状となるよう加工するように
したものである。
【0012】また、この発明に係る露光用マスクの製造
方法は、所定のエッチャントに対するエッチングレート
が異なる複数種類膜を光透過性膜とし、かつ上記凹凸形
状の各凹部内側面の一部に光反射膜を、上記露光光の自
己干渉が生じるように形成するようにしたものである。
【0013】また、この発明に係る露光用マスクの製造
方法は、光透過性材料からなる膜と光不透過性材料から
なる膜とを、各々所定の厚さとなるよう複数回交互に積
層して縦方向積層膜を形成するようにしたものである。
【0014】また、この発明に係る露光用マスクの製造
方法は、X線吸収材からなる膜とX線透過材からなる膜
とを、各々所定の厚さとなるよう複数回交互に積層して
縦方向積層膜を形成するようにしたものである。
【0015】また、この発明に係る露光用マスクの製造
方法は、上記縦方向積層膜を構成する各膜を、蒸着によ
り形成するようにしたものである。
【0016】また、この発明に係る露光用マスクの製造
方法は、上記縦方向積層膜から切り出した複数の横方向
積層板を、各々の切断面が面一となるようかつその長手
方向の側面が相接してその長手方向に平行に並ぶよう配
置するようにしたものである。
【0017】また、この発明に係る露光用マスクの製造
方法は、上記面一となった切断面にエッチング処理を施
すようにしたものである。
【0018】また、この発明に係る露光用マスクの製造
方法は、上記縦方向積層膜を、光透過性材料からなる膜
と光不透過性材料からなる膜とを各層が同一厚さになる
よう交互に積層して形成するようにしたものである。
【0019】また、この発明に係る露光用マスクの製造
方法は、上記縦方向積層膜を、上記光透過性材料からな
る膜と、該膜に比べてその厚さが薄い光不透過性材料か
らなる膜とを交互に積層して形成するようにしたもので
ある。
【0020】また、この発明に係る露光用マスクは、複
数種類の膜が積層された積層体の断面を主表面とするよ
うにしたものである。
【0021】
【作用】この発明においては、複数種類の膜を、所定の
厚さ,順序で繰り返し積層して縦方向積層膜を形成し、
これをその層方向と垂直な方向の平面で切断して所定厚
さの横方向積層板を形成した後、この横方向積層板の切
断面を主表面とするするようにしたから、表面の回折格
子溝の周期を精度よく制御した露光用マスクを容易に,
かつ安価に製造できる製造方法が得られる。
【0022】また、この発明においては、上記複数種類
の膜を所定のエッチャントに対するエッチングレートが
相異なるものとし、かつ上記横方向積層板の切断面に上
記エッチャントによるエッチング処理を施して、その表
面形状が上記ストライプ状の露光パターンに対応した凹
凸形状となるよう加工するようにしたから、表面の回折
格子溝の周期を精度よく制御した凹凸形状を有する露光
用マスクを容易に,かつ安価に製造できる製造方法が得
られる。
【0023】また、この発明においては、所定のエッチ
ャントに対するエッチングレートが異なる複数種類の光
透過性膜を、所定の厚さ,順序で繰り返し積層して縦方
向積層膜を形成し、これを上述と同様の方法で横方向積
層膜を形成してその切断面の表面が凹凸形状となるよう
に加工し、さらに上記凹凸形状の各凹部内側面の一部に
光反射膜を、その表面に対して所定の角度で露光光が入
射すると、該露光光の自己干渉が発生してストライプ状
の露光パターンが形成されるように形成したから、その
切断面に精度よく周期を制御した凹凸形状を形成するこ
とができ、露光用マスターマスクを設けることなく、精
度のよいストライプ状露光パターンを得ることのできる
露光用マスクを、容易に,かつ安価に製造できる製造方
法が得られる。
【0024】また、この発明においては、上記縦方向積
層膜を、上記光透過性材料からなる膜と、光不透過性材
料からなる膜とを各々所定の厚さとなるよう複数回交互
に積層して形成するようにしたから、その後上述と同様
の方法により層方向と垂直な方向の平面で切断すること
により、その表面に対して所定の角度で入射する露光光
の自己干渉により、精度のよいより細かいピッチのスト
ライプ状露光パターンを得ることのできる露光用マスク
を容易に,かつ安価に製造できる製造方法が得られる。
【0025】また、この発明においては、X線吸収材か
らなる膜とX線透過材からなる膜とを、各々所定の厚さ
となるよう複数回交互に積層して縦方向積層膜を形成す
るようにしたから、その後上述と同様の方法で、この縦
方向積層膜をその層方向と垂直な方向の平面で切断する
ことにより、その表面に垂直に入射するX線により、精
度良くストライプ状X線露光パターンを形成することの
できるX線露光用マスクを、容易に,かつ安価に製造で
きる製造方法が得られる。
【0026】また、この発明においては、上記縦方向積
層膜を蒸着により形成するようにしたから、上記縦方向
積層膜の各層の膜厚を高精度にコントロールすることが
でき、高精度に周期を制御した凹凸形状を有する露光用
マスクを容易に、かつ安価に製造できる製造方法が得ら
れる。
【0027】また、この発明においては、上記縦方向積
層膜を切り出して形成した複数の横方向積層板を、それ
ぞれの切断面が面一となるようかつその長手方向の側面
が相接してその長手方向に平行に並ぶよう配置をするよ
うにしたから、大面積の露光用マスクとなるべき大面積
の積層板を容易に製造できる製造方法が得られる。
【0028】また、この発明においては、上記縦方向積
層膜を切り出して形成した複数の横方向積層板を、それ
ぞれの切断面が面一となるようかつその長手方向の側面
が相接してその長手方向に平行に並ぶよう配置し、その
面一となった切断面に上記エッチング処理を行うように
したから、大面積の露光用マスクを容易に,かつ安価に
製造できる製造方法が得られる。
【0029】また、この発明においては、上記縦方向積
層膜を、光透過性材料からなる膜と光不透過性材料から
なる膜とを各層が同一厚さになるよう交互に積層して形
成したから、その後上述のようにその層方向に垂直な平
面で切断することにより、その表面に対して垂直に入射
する露光光により、高精度なストライプ状の露光パター
ンを得ることのできる露光用マスクを、容易に,かつ安
価に製造できる製造方法が得られる。
【0030】また、この発明においては、上記縦方向積
層膜を、上記光透過性材料からなる膜と、該膜に比べて
その厚さが薄い光不透過性材料からなる膜とを交互に積
層して形成したから、その後上述のようにその層方向に
対して所定の角度をなす平面で切断することにより、そ
の表面に対して所定の角度で入射する露光光の自己干渉
により、精度のよいより細かいピッチのストライプ状露
光パターンを得ることのできる露光用マスクを容易に,
かつ安価に製造できる製造方法が得られる。
【0031】また、この発明においては、複数種類の膜
が積層された積層体の断面を主表面とするようにしたか
ら、ある膜を挟む他の膜同士の間隔によって1オングス
トローム単位の精度で表面の回折格子溝の周期を制御し
た露光用マスクを容易に,かつ安価に得ることができ
る。
【0032】
【実施例】
実施例1.図1は本発明の第1の実施例による露光用マ
スターマスクの製造方法を示す工程図であり、図におい
て、5は本実施例によるマスターマスク、19はガラス
基板20を保持するためのホルダ、10はガラス基板2
0上に交互に積層されたAu蒸着膜21とNi蒸着膜2
2とからなる所定の繰り返しピッチ(以下、周期ともい
う)の積層膜であり、全体の膜厚が約300μmとなる
ように積層されている。50は積層膜10を切り出すた
めのカッターブレードである。
【0033】また、図12は本発明の第1の実施例の製
造方法において使用した蒸着装置の構造を示す概略図で
ある。図において、図1と同一符号は同一部分を示して
おり、17は蒸着装置、18は真空排気によって真空状
態が保たれている真空槽、1及び2は金属蒸発源の入っ
たるつぼで、ヒータ3によりそれぞれが所定の温度にコ
ントロールされている。このるつぼ1にはNiが、ま
た、るつぼ2にはAuが充填されている。11及び12
はシャッタで、その開閉によりるつぼ1,2からの材料
蒸発のON,OFFが行われる。13はるつぼ2より蒸
発したAuである。
【0034】次に製造方法について説明する。まず、蒸
着装置17内のるつぼ1にNiを充填し、るつぼ2にA
uを充填する。るつぼ1,2から蒸発するそれぞれの金
属の蒸発レートはるつぼ自身の温度により決まり、この
るつぼの温度を厳密にコントロールすることにより、N
i及びAuの蒸発量の高精度な制御が可能となる。実際
には、るつぼに熱電対(図示せず)を接触させて、るつ
ぼの温度をモニタしながらヒータ3に加える電力量を調
整する。このるつぼの温度制御には、例えばPIDコン
トロール(proportional integral and differential c
ontrol) を用いる。また、るつぼ1,2からの金属の板
ガラス20上への蒸着レートは、水晶振動子等により1
オングストロームの精度で測定可能である。
【0035】図13において、図1と同一符号は、同一
または相当する部分を示しており、15は可動式の水晶
振動子、16は可動式のシャッタであり、図13(a) は
水晶振動子15による蒸着レート測定時の状態を示し、
図13(b) は蒸着レートを測定していない状態を示して
いる。例えば、蒸着レートを正確に測定するためには、
図13に示すように、モニタ用の水晶振動子15を可動
式として、蒸着レート測定時にガラス基板20を支持す
るためのホルダ19の中央部に持ってくるようにすれば
よい。なお、この場合、水晶振動子15とガラス基板2
0の間に可動式シャッタ16を設けて、水晶振動子15
による蒸着レート測定時には、シャッタ16によりガラ
ス基板20表面を覆い、基板20に蒸着が行われないよ
うにして、水晶振動子15のかげになる部分に蒸着膜厚
の不均一が発生しないようにする必要がある。
【0036】次に、蒸着装置17内を真空状態にした
後、るつぼ1,2からの金属の蒸着レートを正確に測定
した後、シャッタ11,12を交互にON,OFFする
ことにより、Ni,Auの積層膜を、交互にガラス基板
20の表面に形成していく(図1(a))。このとき、Ni
とAuの膜厚は、金属の蒸着レートとシャッタ11,1
2の開時間により決まるため、Ni積層膜22及びAu
積層膜21がそれぞれ所定の厚さとなるようにシャッタ
開時間を調整する。ここで、通常、光通信用の半導体レ
ーザの場合は共振器の長さが300μm程度必要となる
ので、この場合、Au積層膜21とNi積層膜22を合
わせた厚みが300μm以上となるまで積層を繰り返
す。このようにして、周期精度を1オングストローム単
位で制御したNi蒸着膜22とAu蒸着膜21の積層膜
10を得る。なお、蒸発開始初期は、蒸着レートが厳密
にコントロールされているが、蒸着が進むにつれてるつ
ぼ内の蒸発源の量が少なくなって、蒸着レートが変化し
てしまう。したがって、蒸着レートを定期的にモニタし
ながら蒸着を続けるのが好ましい。
【0037】次に、図1(b) に示すようにカッターブレ
ード50でこの積層膜10をガラス板20とともに、そ
の層方向と垂直な方向の平面で切断する。更にこの切断
した積層膜10から、フッ酸への浸漬等によりガラス板
20を除去し、一方の切断面を研磨し、その後に、図1
(c) のように、該研磨を行った切断面側のNi蒸着膜2
2の表面をHCl等で所定の深さまで選択的にエッチン
グすることにより、該切断面の表面部分に、Ni蒸着膜
22の露出部分を凹部とし、Au蒸着膜21の露出部分
を凸部とした回折格子溝を備えたマスターマスク5を得
ることができる。
【0038】本実施例のマスターマスク5を使用して、
従来のマスターマスクのように、レプリカを形成し、こ
れにCr蒸着膜を形成することにより、露光マスクを形
成することができ、さらにこの露光マスクを使用してウ
エハ上のレジストを露光し、さらにウエハをエッチング
することにより回折格子を得ることができる。
【0039】本実施例においてはマスターマスク5の回
折格子溝の周期精度はNi蒸着膜22,及びAu蒸着膜
21の膜厚によって決定されるが、これは、蒸着レート
とシャッタ11,12の開時間によってオングストロー
ム単位で高精度にコントロールすることができる。した
がって、オングストローム単位で周期を高精度にコント
ロールした露光用マスターマスクを形成することがで
き、これから露光用マスクを形成することによって、こ
の露光用マスクを用いて周期をオングストローム単位で
高精度にコントロールした回折格子を形成することがで
きる。
【0040】また、従来の1オングストローム単位の精
度を有する機械刻線装置等は高価であったが、本実施例
ではこのような機械刻線装置を使用することなくマスタ
ーマスク5を形成することができ、高精度な回折格子を
容易に、かつ安価に形成することができる効果が得られ
る。
【0041】このように本実施例によれば、Ni蒸着膜
22及びAu蒸着膜21を交互に積層し、これをその層
方向と垂直な方向の平面に沿って切断したあと、その一
方の切断表面のNi蒸着膜22表面を選択的にエッチン
グして露光用マスターマスク5を形成するようにしたか
ら、表面の回折格子溝の周期を1オングストローム単位
で高精度にコントロールした露光用マスターマスクを容
易にかつ安価に製造することができる製造方法が得られ
る。
【0042】また、この製造方法によれば、表面の回折
格子溝の周期を1オングストローム単位で高精度にコン
トロールした露光用マスターマスクを容易にかつ安価に
製造することができ、この露光用マスターマスクを用い
て形成した露光用マスクにより表面の回折格子溝の周期
を1オングストローム単位で高精度にコントロールした
回折格子を容易にかつ安価に得ることができる。
【0043】なお、本実施例においては、Ni蒸着膜2
2とAu蒸着膜21とにより構成される積層膜10を使
用したが、本発明ではその他のエッチングレートの異な
る複数の金属膜により構成される積層膜を使用しても良
く、この場合も上記実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
【0044】また、本実施例においては、ブレード50
によりガラス板20と共に切り出した積層膜10をフッ
酸に浸漬することにより、ガラス板20を除去するよう
にしたが、あらかじめガラス基板20表面にフォトレジ
スト材料等の有機膜を形成しておき、この表面に蒸着に
より上記と同様の積層膜10を形成し、これをブレード
50により切り出した後、有機溶剤で上記有機膜のみを
溶かしてガラス板20を外すようにしてもよく、上記実
施例と同様の効果を奏する。
【0045】更に、ガラス板20の表面をポリテトラフ
ルオロエチレン、いわゆるテフロン(商標名)により加
工しておくか、あるいはガラス板20のかわりにテフロ
ンからなる基板を使用することにより、金属からなる積
層膜10を剥がしやすくして、積層膜10を切り出した
後、ガラス基板20,あるいはテフロン基板を、軽く力
を加えて剥がすようにしてもよく、同様の効果を奏す
る。
【0046】実施例2.次に本発明の第2の実施例につ
いて説明する。本発明の第2の実施例は上記実施例1に
おいて示した露光用マスターマスク5を形成するための
積層板を複数互いに接続し、これを用いて大面積の露光
用マスターマスクを形成するようにしたものである。
【0047】図2は本発明の第2の実施例による露光用
マスターマスクの製造方法の主要工程を模式的に示す斜
視図(図2(a))、露光用マスターマスクの構造を模式的
に示す斜視図(図2(b)),及び図2(b) の主要部におけ
る拡大図(図2(c))である。
【0048】図において、図1と同一符号は同一又は相
当する部分を示しており、5aは上記実施例1において
使用したAu蒸着膜21およびNi蒸着膜22からなる
膜厚が300μm以上の積層膜10を、その積層方向と
垂直な方向の平面で切断した後、ガラス板20を除去し
て形成された積層板、45は積層板5aをはり付けるた
めの金属板、53は複数の積層板5aを互いに接着する
ための、また積層板5aを金属板45に接着するための
半田である。
【0049】次に本第2の実施例による露光用マスター
マスクの製造方法について説明する。まず、上記実施例
1において積層膜10をその積層方向と垂直な方向の平
面で切り出した後、ガラス板20をフッ酸等により除去
した積層板5aを複数用意する。次に、これらを図2
(a) に示すように金属板45上にその切断面の一方を半
田53により接着しながら配列していく。このとき、該
複数の積層板5aを、そのそれぞれの切断面(図示上
面)が面一となるように、かつその長手方向の側面が相
接してこれらがその長手方向に平行に並ぶように配置
し、かつ、積層板5a同士も相互に半田53により接着
していく。その後、上記実施例1と同様に、上記複数の
積層板5aを同時に選択エッチングして、図2(b),図2
(c) に示す露光用マスターマスクを得る。
【0050】一般に回折格子形成プロセスにおいては、
一枚のウエハに一度に複数の回折格子を形成し、これを
切り出して回折格子を大量生産することが多く、このた
めには複数の回折格子の凹凸数に相当する凹凸部を備え
た露光用マスターマスクを形成することが必要となる。
上記実施例1のように、露光用マスターマスクを、積層
膜を切り出した一枚の積層板で構成する場合、凹凸部の
数を増やすためには、積層膜の積層数を増やして積層膜
を厚みの厚いものとする必要があり、このような厚い積
層膜を形成するためには、蒸着時間を長くしなければな
らず、作製効率が悪くなる。
【0051】しかるに、図2に示す本実施例2のよう
に、同一の積層膜から形成した一つの回折格子を形成す
るのに充分な積層数を備えた積層板5aをその積層方向
に複数並べて接着して、大面積の露光用マスターマスク
を形成し、これを使用して露光用マスクを形成し、この
露光用マスクを利用してウエハに回折格子を形成し、こ
れを切り出すことにより、一度に複数の回折格子を得る
ことができる。ここで、この露光用マスターマスクによ
り形成した露光用マスクを使用してウエハに回折格子を
形成した後、個々の回折格子を切り出す際には、ウエハ
上の該回折格子の凹凸部のうち、上記積層板5aの半田
部53に対応する部分は、周期的な凹凸構造が乱される
ので、ウエハ上の凹凸部のこの部分に対応する部分を含
まないように、ウエハから個々の回折格子を切り出すよ
うにする。
【0052】このように本第2の実施例によれば、1つ
の積層膜10を切り出して形成した複数の積層板5aを
それぞれの切断面が面一となるように、かつその長手方
向の側面が相接してその長手方向に平行に並ぶよう配置
し、その面一となった切断面を選択エッチングするよう
にしたから、1オングストローム単位で表面の回折格子
溝の周期を高精度に制御した大面積の露光用マスターマ
スクを容易にかつ安価に形成することができ、露光用マ
スターマスク形成時の作業効率を向上させることができ
る製造方法が得られる。
【0053】また、この製造方法によれば、1オングス
トローム単位で表面の回折格子溝の周期を高精度に制御
した大面積の露光用マスターマスクを容易にかつ安価に
得ることができる。
【0054】実施例3.上記第1の実施例ではNi,A
u等の金属膜からなる積層膜10を用いてマスターマス
クを形成し、これより露光用マスクを形成するようにし
たが、本第3の実施例は、誘電体膜であるSiNx 膜2
3,及びSiO2 膜24を用いて、すなわち、光を透過
する性質を備えたSiNx 膜23,及びSiO2 膜24
を用いて積層膜10aを形成し、この積層膜10aよ
り、露光用マスクそのものを形成するようにしたもので
ある。
【0055】図3は本発明の第3の実施例による露光用
マスクの構造を示す断面図であり、図において、図1と
同一符号は同一又は相当する部分を示しており、23は
SiNx 膜、24はSiO2 膜、25はCr蒸着膜、1
0aはSiNx 膜23,及びSiO2 膜24により構成
される積層膜である。
【0056】本実施例3においては、図1に示した上記
第1の実施例と同じようにSiNx膜23とSiO2 膜
24を交互にそれぞれが所定の厚さとなるようガラス板
20上に蒸着して積層膜10aを形成し、これをその層
方向と垂直な方向の平面で切断した後、ガラス板20を
除去する。このガラス板20の除去は、あらかじめガラ
ス板20表面に有機膜(図示せず)を形成しておき、積
層膜10aを切り出した後に、有機溶剤によりこの有機
膜を除去してガラス板20を取り外すようにする。その
後、両方の切断面を鏡面研磨した後、バッファードフッ
酸等により一方の切断面を所定の深さまでエッチングす
ると、SiO2 膜24の方がSiNx 膜23よりエッチ
ングレートが速いので、SiO2 膜24とSiNx 膜2
3の積層ピッチに比例した周期の凹凸の回折格子溝が形
成される。さらに、この表面の凹凸の凹部の内側面の一
部にCr等の蒸着膜25を形成して、所定周期の回折格
子溝を備えた露光用マスクを形成する。
【0057】本実施例3の露光用マスクは、積層膜10
aが光を透過するものであり、その表面に入射するブラ
ッグ角の光に対してこれをそのまま自己干渉マスクとし
て用いる。
【0058】このように本実施例3によれば、SiO2
膜24とSiNx 膜23とを交互に積層した積層膜10
aを、その層方向に垂直な方向に沿って切断し、その切
断表面の一方のSiO2 膜24を選択的にエッチングし
た後、この表面の凹凸形状の凹部内側面の一部にCr等
の蒸着膜25を形成して、回折格子溝を備えた露光用マ
スクを形成するようにしたから、表面の回折格子溝の周
期を高精度にコントロールした露光用マスクを、露光用
マスターマスクを形成することなく容易にかつ安価に得
ることができる製造方法が得られる。
【0059】また、この製造方法により表面の回折格子
溝の周期を高精度にコントロールした露光用マスクを容
易にかつ安価に得ることができ、該露光用マスクを用い
てその表面に対してブラッグ角となるよう入射する光に
より高精度なストライプ状露光パターンを得ることがで
き、これにより周期を高精度にコントロールした回折格
子を容易にかつ安価に得ることができる。
【0060】なお、本実施例3においては、SiO2 膜
24とSiNx 膜23からなる積層膜10aを使用する
ようにしたが、本発明はその他の、エッチング速度が異
なる複数の誘電体膜からなる積層膜を用いるようにして
も良く、上記実施例と同様の効果を奏する。
【0061】実施例4.次に本発明の第4の実施例につ
いて説明する。本第4の実施例は上記実施例3において
示した露光用マスクを形成するための積層板を、複数互
いに接続し、これを用いて大面積の露光用マスクを形成
するようにしたものである。
【0062】図4は本第4の実施例による露光用マスク
の製造方法の主要工程を模式的に示す斜視図(図4
(a))、露光用マスクの構造を模式的に示す斜視図(図4
(b)),及び図4(b) の主要部における拡大図(図4(c))
である。
【0063】図において、図3と同一符号は同一又は相
当する部分を示しており、5bは上記実施例3において
使用したSiNx膜23およびSiO2 膜24からなる
膜厚が300μm以上の積層膜10aを、その層方向と
垂直な方向の平面で切断した後、ガラス板20を除去し
て形成された積層板、43は積層板51をはり付けるた
めのガラス板、52は複数の積層板5bを互いに接着す
るための、また積層板5bをガラス板43に接着するた
めの接着剤である。
【0064】次に製造方法について説明する。まず、上
記実施例3において1つの積層膜10aをその層方向に
垂直な方向の平面で切断した後にガラス板20を除去し
た積層板5bを複数用意する。次に、これらを図4(a)
に示すようにガラス板43上にその切断面の一方を接着
材52により接着しながら配列していく。このとき、該
複数の積層板5bを、そのそれぞれの切断面(図示上
面)が面一となるように、かつその長手方向の側面が相
接してこれらがその長手方向に平行に並ぶように配置
し、かつ、積層板51同士も相互に接着材52により接
着していく。さらに、積層板5bのガラス板43と接着
されていない切断面を研磨した後、ガラス板43を積層
板5bが配置されていない面から研磨してこれを除去
し、さらに積層板5bのガラス板43と接着されていた
切断面を研磨する。その後、上記実施例3と同様に複数
の積層板5bの切断面の一方を選択エッチングした後、
この選択エッチングにより形成された凹凸形状の各凹部
の内側斜面の一方にCr蒸着膜25を形成して、図4
(b),図4(c) に示す露光用マスクを得る。
【0065】一般に回折格子形成プロセスにおいては、
一枚のウエハに一度に複数の回折格子を形成し、これを
切り出して回折格子を大量生産することが多く、このた
めには複数の回折格子の凹凸数に相当する凹凸部を備え
た露光用マスクを形成することが必要となる。上記実施
例3のように、露光用マスクを、積層膜を切り出した一
枚の積層板で構成する場合、凹凸部の数を増やすために
は、積層膜の積層数を増やして積層膜を厚みの厚いもの
とする必要があり、このような厚みの厚い積層膜を形成
するためには、蒸着時間を長くしなければならず、作製
効率が悪くなる。
【0066】しかるに、図4に示す本実施例4のよう
に、同一の積層膜から形成した一つの回折格子を形成す
るのに充分な積層数を備えた積層板5bを複数並べて接
着して、大面積の露光用マスクを形成し、この露光用マ
スクを使用してウエハに回折格子を形成し、これを切り
出すことにより、一度に複数の回折格子を得ることがで
きる。ここで、この露光用マスクを使用してウエハに回
折格子を形成した後、個々の回折格子を切り出す際に
は、ウエハ上の該回折格子の凹凸部のうち、上記積層板
5bの接着剤部52に対応する部分は、周期的な凹凸構
造が乱されるので、ウエハ上の凹凸部のこの部分に対応
する部分を含まないように、ウエハから個々の回折格子
を切り出すようにする。その後は、本実施例に示した露
光用マスクを用いてウエハに回折格子を形成し、これを
切り出すことにより、一度に複数の回折格子を得ること
ができる。
【0067】このように本第4の実施例によれば、1つ
の積層膜10aを切り出して形成した複数の積層板5b
をそれぞれの切断面が面一となるように、かつその長手
方向の側面が相接してその長手方向に平行に並ぶよう配
置し、その面一となった切断面を選択エッチングした
後、この選択エッチングにより形成された凹凸形状の各
凹部の内側斜面の一方にCr蒸着膜25を形成するよう
にしたから、露光用マスクの露光可能な領域を容易にか
つ安価に拡張することができ、露光用マスク形成時の作
業効率を向上させることができる製造方法が得られる。
また、この製造方法によれば、大面積の露光用マスクを
作業効率よく容易にかつ安価に得られるという効果があ
る。
【0068】実施例5.図5は本発明の第5の実施例に
よる露光用マスクの製造方法の主要工程を示す側面図で
あり、図において、図1及び図3と同一符号は同一又は
相当する部分を示しており、33は本実施例の露光用マ
スクである。
【0069】また、図6は本実施例の露光用マスクを利
用してウエハ上のフォトレジストを露光している状態を
示す図であり、図において、図5と同一符号は同一又は
相当する部分を示しており、30はウエハ、31はウエ
ハ30上に設けられたフォトレジスト,35は露光用の
レーザ光である。
【0070】図5(b) に示す本第5の実施例の露光用マ
スク33は、図5(a) に示すように、膜厚が等しいAu
金属膜21と、SiO2 誘電体膜24とを交互に蒸着し
て上記実施例2と同様に積層膜を形成した後、該積層膜
をカッターブレード50により、その層方向と垂直な方
向の平面で切り出した後、両方の切断面を研磨すること
により形成される。
【0071】本第5の実施例の露光マスク33は、金属
膜21の光を透過しない性質を利用したものであり、積
層膜から切り出した積層板をそのまま露光用マスクとし
て用い、図6のように、露光用マスク33の切断面と垂
直な方向からレーザ光35を照射することで、フォトレ
ジスト31の金属膜21に対応した領域に暗部を、また
SiO2 膜24に対応した領域に明部を得ることで、ウ
エハ30上のフォトレジスト31のパターニングを行う
ものである。マスク幅はAu膜21の膜厚となるため、
1オングストロームから1μmの範囲まで制御可能であ
り、非常に高精度なマスクとして利用することが可能で
ある。例えば、ウエハ上に形成される回折格子のピッチ
を0.6μmとしたい場合、Au金属膜21と、SiO
2 誘電体膜24の厚さをそれぞれ0.3μmとすれば良
い。また、上記第3の実施例のように、露光用マスクを
得るために、積層膜を切断後にエッチングやCrの蒸着
等の工程を行う必要がないため、露光用マスク33を形
成する工程を簡略化することができる。
【0072】このように本実施例5においては、露光用
マスク33を、Au等の金属膜21とSiO2 等の誘電
体膜24からなる積層膜をその層方向と垂直な方向の平
面で切り出して形成するようにしたから、露光用マスタ
ーマスクを作製することなく、また、凹凸形成のための
エッチングや斜面へのCr等の金属膜の形成を行うこと
なく、表面に垂直に入射する光に対して高精度なストラ
イプ状露光パターンを得ることのできる露光用マスクを
容易にかつ安価に得ることができる製造方法が得られ
る。
【0073】またこの製造方法によれば、表面に垂直に
入射する光に対して高精度なストライプ状露光パターン
を得ることのできる露光用マスクを容易にかつ安価に得
られ、この露光用マスクを用いて、周期を高精度にコン
トロールした回折格子を容易に得ることができる。
【0074】なお、上記実施例5においても、上述のよ
うにして得られた露光用マスクをその各々の切断面が面
一となるようかつその長手方向の側面が相接してその長
手方向に並ぶよう配置することにより、大面積の露光用
マスクを形成するようにしてもよく、これにより露光用
マスクの露光可能な領域を容易にかつ安価に拡張するこ
とができ、露光用マスク形成時の作業効率を向上させる
ことができる製造方法が得られる。また、この製造方法
によれば、大面積の露光用マスクを作業効率よく容易に
かつ安価に得られるという効果がある。
【0075】実施例6.図7は本発明の第6の実施例の
製造方法により製造される露光用マスクの構造を示す側
面図であり、図において、図6と同一符号は同一又は相
当する部分を示しており、34は本実施例の露光用マス
ク、32は該露光用マスク34に照射されたレーザ光3
5によりフォトレジスト31上に生じる干渉ジマの明部
である。本第6の実施例の露光用マスクは上記第5の実
施例に示した露光用マスクにおいて、Au膜21の膜厚
をSiO2 膜24の膜厚(縦方向積層厚)に比べて十分
に薄くなるように形成したものである。
【0076】図7のように、Au膜21の膜厚をSiO
2 膜24の膜厚に比べて薄くした露光用マスク34にブ
ラッグ角から単色光を入射してやると、露光用マスク3
4下のフォトレジスト31中に光の自己干渉により干渉
ジマが生じ、レジスト31をこの干渉ジマのパターンで
露光することが可能となる。即ち、上記実施例5におい
て示した露光用マスク33において、Au膜21の膜厚
をSiO2 膜24の膜厚に比べて薄くすることにより、
自己干渉マスク34を得ることができる。
【0077】一般的に露光用マスクとしては、自己干渉
マスクの方が自己干渉によらないマスクよりも細かいピ
ッチの露光を行うことが可能であり、例えば、自己干渉
によらない露光用マスクでは0.5μm程度のピッチの
露光が限界であるのに対し、自己干渉マスクでは0.2
μmのピッチの露光も可能である。したがって、上記第
5の実施例に示した露光用マスクよりも細かいピッチの
露光を精度良く行うことが可能な露光用マスクを得るこ
とができる。
【0078】このように本実施例6によれば、露光用マ
スク34をSiO2 膜24と、このSiO2 膜24より
厚さが非常に薄いAu膜21とにより構成される積層膜
を、その層方向に垂直な方向の平面で切り出して形成す
るようにしたから、その表面に対してブラッグ角となる
よう入射する光による自己干渉により、より細かいピッ
チの露光を高精度に行うことができる露光用マスクを容
易にかつ安価に得ることができる製造方法が得られる。
【0079】また、この製造方法によれば、その表面に
対してブラッグ角となるよう入射する光による自己干渉
により、より細かいピッチの露光を高精度に行うことが
できる露光用マスクが容易にかつ安価に得られるという
効果がある。
【0080】実施例7.図8は本発明の第7の実施例の
製造方法により製造される露光用マスクの構造を示す断
面図であり、図において、図7と同一符号は同一又は相
当する部分を示しており、36は露光用マスク、80は
Au蒸着膜21,及びSiO2 膜24からなる積層膜で
ある。
【0081】本第7の実施例における露光用マスクは、
上記第6の実施例において、SiO2 膜24と、このS
iO2 膜24より厚さが非常に薄いAu膜21とにより
構成される積層膜を、その層方向と垂直な方向の平面で
切り出す代わりに、図8(a)に示すように、該積層膜8
0をその層方向と垂直な方向に対して任意の角度θをつ
けて切り出して、露光用マスク36を得るものである
(図8(b))。
【0082】本実施例7においては、例えば、積層膜8
0の切り出し角度θを45°に設定した場合、積層膜8
0の縦方向積層厚をd=300μmとすると、切り出し
た露光用マスク36の切断面の長さはL=d×√2=4
24μmとなり、積層膜80の膜厚より切断面の長さが
長い露光用マスク36を得ることができる。
【0083】また、この露光用マスク36のウェハ面に
対する金属膜21の傾斜角は90°−θで表され、これ
は露光用マスク36の切り出し角度θにより調整するこ
とができる。これによって、自己干渉マスクである本実
施例の露光用マスク36を形成する際には、積層膜形成
後において、切り出し角度θの調整により回折格子の周
期ピッチを微妙に調整することが容易に可能である。ま
た、この露光マスクを用いて露光する際の、ブラッグ角
で入射してくる光の所定の回折光強度も、この角度θの
調整によって得ることができる。
【0084】このように本実施例7によれば、積層膜8
0をその層方向と垂直な方向に対して所定の角度をなす
平面で切断するようにしたから、上記第6の実施例と同
様、容易に自己干渉マスクを得られるとともに、露光用
マスクを得るための積層膜を形成する時間を短縮でき、
さらに、積層膜形成後に露光マスクの周期ピッチの微調
整を容易にかつ安価に行うことができる製造方法が得ら
れる。
【0085】また、この製造方法によれば、容易に自己
干渉マスクを得られるとともに、露光用マスクとなるべ
き積層膜の形成を短時間で行なうことができ、露光用マ
スクを容易にかつ安価に得ることができる効果がある。
【0086】なお、上記第5ないし第7の実施例におい
ては、誘電体膜の材料としてSiO2 を、また、金属膜
の材料としてAuを使用するようにしたが、本発明はS
iO2 の代わりにその他の誘電体材料を、また、Auの
代わりにその他の金属材料を用いるようにしても良く、
上記各実施例と同様の効果を奏する。
【0087】実施例8.図9は本発明の第8の実施例の
製造方法により製造されるX線露光用マスクの構造を示
す断面図であり、図において図8と同一符号は同一又は
相当する部分を示しており、40はX線吸収体であるT
a膜、41はSiNx 膜、90は該Ta膜40,及びS
iNx膜41からなる露光用マスク、42は接着剤であ
る。
【0088】本実施例は、積層膜を上記第5の実施例と
同様の製造方法により、例えばX線吸収材料であるTa
膜40とX線透過材料であるSiNx 膜23とを交互に
積層した積層膜をその層方向と垂直な平面で切り出した
後、積層に使用したガラス板等を上記各実施例と同様の
方法により除去し、両方の切断面を研磨することにより
積層板を形成して、これをそのままX線露光用マスク9
0としたものである。
【0089】本実施例8による露光用マスク90は、S
iNx 膜23部分においてはX線を透過するが、Ta膜
40部分においてはX線を吸収してX線を透過させない
もので、これはX線露光に用いる。
【0090】このように本実施例8によれば、Ta膜4
0とSiNx 膜41からなる積層膜を形成し、これをそ
の厚さ方向と平行な面で切り出してマスク90を形成す
るようにしたから、X線露光に使用できる高精度なマス
クを容易にかつ安価に得ることができる製造方法が得ら
れる。
【0091】また、この製造方法によれば、X線露光に
使用できる高精度な露光マスクが容易に得られ、この露
光マスクを用いて周期精度に優れた回折格子を容易にか
つ安価に得ることができる。
【0092】なお、図9(b) は上記実施例において示し
たTa膜40とSiNx 膜23からなるマスク90を接
着剤42によってSiNx 膜41上にはりつけてX線露
光用マスクとしたものであり、上記実施例と同様の効果
を奏する。
【0093】また、図9(c) は図9(b) において示した
SiNx 膜よりなる支持板41上にTa膜40とSiN
x 膜23からなるマスク90をはり合わせたX線露光用
マスクの、SiNx 膜23部分のみをエッチングにより
選択的に除去したものであり、上記実施例と同様の効果
を奏する。
【0094】また、本実施例においては、X線吸収材料
としてTa40を、またX線透過材料としてSiNx 2
3を用いるようにしたが、本発明はTa40の代わりに
その他のX線吸収材料を、またSiNx 23の代わりに
その他のX線透過材料を用いるようにしても良く、上記
実施例と同様の効果を奏する。
【0095】実施例9.次に本第9の実施例について説
明する。本実施例9は上記実施例8において示した積層
膜,即ち露光用マスクを複数互いに接続して大面積の露
光用マスクを形成するようにしたものである。
【0096】図10は本第9の実施例によるX線露光用
マスクの製造方法の主要工程を模式的に示す斜視図(図
10(a))、X線露光用マスクの構造を模式的に示す斜視
図(図10(b)),及び図10(b) の主要部における拡大
図(図10(c))である。図において、図9と同一符号は
同一又は相当する部分を示しており、61は上記実施例
において示したSiNx膜23およびTa膜40からな
る積層膜を切り出した後、積層膜の形成に使用したガラ
ス等を除去して形成した積層板、63は該露光用マスク
61を複数並べてはり付けるためのSiNxからなる
板、62は上記複数の露光用マスク61を互いに接着す
るための,また露光用マスク61をSiNxからなる膜
63に接着するための接着剤である。
【0097】次に製造方法について説明する。まず、上
記実施例8と同様の製造方法により、一つの積層膜から
複数の積層板61を形成した後、これらを図10(a) に
示すようにSiNx膜63上にその切断面の一方を接着
材62により接着しながら配列していく。このとき、積
層板61のそれぞれの切断面が面一となるように、かつ
その長手方向の側面が相接してその長手方向に平行に並
ぶようにする。また、積層板61同士も相互に接着材6
2により接着していく。さらに、積層板61のSiNx
板63と接着されていない切断面を研磨した後、SiN
x板63を積層板61が配置されていない側の面から研
磨してこれを除去し、さらに積層板61のSiNx板6
3と接着されていた切断面を研磨して、図4(b),図4
(c) に示すX線露光用マスクを得る。
【0098】一般に回折格子形成プロセスにおいては、
一枚のウエハに一度に複数の回折格子を形成し、これを
切り出して回折格子を大量生産することが多く、このた
めには複数の回折格子の凹凸数に相当する凹凸部を備え
た露光用マスクを形成することが必要となる。上記実施
例8のように、X線露光用マスク90を、積層膜を切り
出した一枚の積層板で構成する場合、凹凸部の数を増や
すためには、積層膜の積層数を増やして積層膜を厚みの
厚いものとする必要があり、このような厚みの厚い積層
膜を形成するためには、蒸着時間を長くしなければなら
ず、作製効率が悪くなる。
【0099】しかるに、図10に示す本実施例9のよう
に、同一の積層膜から形成した一つの回折格子を形成す
るのに充分な積層数を備えた積層板61を複数並べて接
着して、大面積のX線露光用マスクを形成し、この露光
用マスクを使用してウエハに回折格子を形成し、これを
切り出すことにより、一度に複数の回折格子を得ること
ができる。ここで、この露光用マスク90を使用してウ
エハに回折格子を形成した後、個々の回折格子を切り出
す際には、ウエハ上の該回折格子の凹凸部のうち、上記
積層板90の接着剤部62に対応する部分は、周期的な
凹凸構造が乱されるので、ウエハ上の凹凸部のこの部分
に対応する部分を含まないように、ウエハから個々の回
折格子を切り出すようにする。
【0100】このように本実施例9によれば、一つの積
層膜から切り出した複数の積層板61をそれぞれの切断
面が面一となるように、かつその長手方向の側面が相接
してその長手方向に平行に並ぶよう接着するようにした
から、積層板の露光可能な領域を容易にかつ安価に拡張
することができ、X線露光用マスク形成時の作業効率を
向上させることができる製造方法が得られる。また、こ
の製造方法によれば、大面積のX線露光用マスクが容易
にかつ安価に得られる効果がある。
【0101】なお、上記実施例9においては、上記第8
の実施例において使用した積層板61を使用した場合に
ついて説明したが、本実施例9のこの積層板を配列して
X線露光用マスクを大面積化する構成は、上記第5ない
し第7の実施例において示した積層板,即ち露光用マス
クを使用した場合についても適用でき、上記実施例と同
様の効果を奏する。
【0102】また、上記各実施例においては積層膜を真
空蒸着法により形成するようにしたが、本発明は積層膜
の厚さを高精度にコントロールできるCVD法やスパッ
タ法を用いて積層膜を形成するようにしても良く、上記
各実施例と同様の効果を奏する。
【0103】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る露光用マ
スクの製造方法によれば、複数種類の膜を、所定の厚
さ,順序で繰り返し積層して縦方向積層膜を形成し、こ
れをその層方向と垂直な方向の平面で切断して所定厚さ
の横方向積層板を形成した後、この横方向積層板の切断
面を主表面とするようにしたから、1オングストローム
単位の精度で表面の回折格子溝の周期を精度よく制御し
た露光用マスクを容易に,かつ安価に得ることができ、
周期を高精度で制御した高性能な回折格子を容易に,か
つ安価に製造できる製造方法が得られる効果がある。
【0104】また、この発明によれば、縦方向積層膜を
形成する工程で積層する複数種類の膜を所定のエッチャ
ントに対するエッチングレートが異なるものとし、横方
向積層板の切断面に上記エッチャントによるエッチング
処理を施してその表面に凹凸形状を形成するようにした
から、1オングストローム単位の精度で表面の回折格子
溝の周期を精度よく制御した凹凸形状を有する露光用マ
スクを容易に,かつ安価に得ることができ、周期を高精
度で制御した高性能な回折格子を容易に,かつ安価に製
造できる製造方法が得られる効果がある。
【0105】また、この発明によれば、所定のエッチャ
ントに対するエッチングレートが異なる複数種類の光透
過性膜を、所定の厚さ,順序で繰り返し積層して縦方向
積層膜を形成し、これを上述と同様に横方向積層膜を形
成してその切断面の表面が凹凸形状となるように加工
し、さらに上記凹凸形状の各凹部内側面の一部に光反射
膜を、その表面に対して所定の角度で露光光が入射する
と、該露光光の自己干渉が発生してストライプ状の露光
パターンが形成されるように形成したから、その切断面
に精度よく周期を制御した凹凸形状を形成することがで
き、露光用マスターマスクを設けることなく、精度のよ
いストライプ状露光パターンが得られる露光用マスクを
容易に得ることができ、1オングストローム単位の精度
で周期を制御した高性能な回折格子を形成できる露光用
マスクを容易に、かつ安価に製造できる製造方法が得ら
れる効果がある。
【0106】また、この発明によれば、上記縦方向積層
膜を、上記光透過性材料からなる膜と、光不透過性材料
からなる膜とを各々所定の厚さとなるよう複数回交互に
積層して形成するようにしたから、その後上述と同様に
より層方向と垂直な方向の平面で切断することにより、
その表面に対して所定の角度で入射する露光光の自己干
渉により、精度のよいより細かいピッチのストライプ状
露光パターンを得ることができ、精度に優れたより細か
いピッチの回折格子を容易に形成できる露光用マスクを
容易に,かつ安価に製造できる製造方法が得られる効果
がある。
【0107】また、この発明によれば、X線吸収材から
なる膜とX線透過材からなる膜とを、各々所定の厚さと
なるよう複数回交互に積層して縦方向積層膜を形成する
ようにしたから、その後上述と同様に、この縦方向積層
膜をその層方向と垂直な方向の平面で切断することによ
り、その表面に垂直に入射するX線により、精度の良い
ストライプ状X線露光パターンを形成することができる
X線露光用マスクを容易に得ることができ、高精度の回
折格子を容易に得られる露光用マスクを容易に,かつ安
価に製造できる製造方法が得られる効果がある。
【0108】また、この発明によれば、上記縦方向積層
膜を蒸着により形成するようにしたから、上記縦方向積
層膜の各層の膜厚を高精度にコントロールすることがで
き、高精度に周期を制御した凹凸形状を有する露光用マ
スクを容易に得ることができ、周期をより高精度に制御
した高性能な回折格子を容易に形成できる露光用マスク
を容易に,かつ安価に製造できる製造方法が得られる効
果がある。
【0109】また、この発明によれば、上記縦方向積層
膜を切り出して形成した複数の横方向積層板を、それぞ
れの切断面が面一となるようかつその長手方向の側面が
相接してその長手方向に平行に並ぶよう配置をするよう
にしたから、大面積の露光用マスクとなるべき大面積の
積層板を容易に,かつ安価に製造することができ、露光
用マスク形成の作業効率を向上させることができる製造
方法が得られる効果がある。
【0110】また、この発明によれば、上記縦方向積層
膜を切り出して形成した複数の横方向積層板を、それぞ
れの切断面が面一となるようかつその長手方向の側面が
相接してその長手方向に平行に並ぶよう配置し、その面
一となった切断面に上記エッチング処理を行うようにし
たから、大面積の露光用マスクを容易に,かつ安価に製
造することができ、露光用マスク形成の作業効率を向上
させることができる製造方法が得られる効果がある。
【0111】また、この発明によれば、上記縦方向積層
膜を、光透過性材料からなる膜と光不透過性材料からな
る膜とを各層が同一厚さになるよう交互に積層して形成
したから、その後上述のようにその層方向に垂直な平面
で切断することにより、その表面に対して所定の角度で
入射する露光光により、高精度なストライプ状の露光パ
ターンを得ることができる露光用マスクを容易に,かつ
安価に製造できる製造方法が得られる効果がある。
【0112】また、この発明によれば、上記縦方向積層
膜を、上記光透過性材料からなる膜と、該膜に比べてそ
の厚さが薄い光不透過性材料からなる膜とを交互に積層
して形成したから、その後上述のようにその層方向に対
して所定の角度をなす平面で切断することにより、その
表面に対して所定の角度で入射する露光光の自己干渉に
より、精度のよいより細かいピッチのストライプ状露光
パターンを得ることのできる露光用マスクを容易に,か
つ安価に製造することができる製造方法が得られる効果
がある。
【0113】また、この発明に係る露光用マスクによれ
ば、複数種類の膜が積層された積層体の断面を主表面と
するようにしたから、ある膜を挟む他の膜同士の間隔に
よって1オングストローム単位で表面の回折格子溝の周
期を制御した露光用マスクを得ることができ、周期を精
度よく制御した凹凸形状を有する露光用マスクを容易
に,かつ安価に得ることができ、この露光用マスクを用
いることによって1オングストローム単位の精度で周期
を制御した高性能な回折格子が容易に,かつ安価に得ら
れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による露光用マスター
マスクの製造方法を示す模式図である。
【図2】この発明の第2の実施例による露光用マスター
マスクの製造方法を示す模式図である。
【図3】この発明の第3の実施例による露光用マスクの
構造を示す断面図である。
【図4】この発明の第4の実施例の変形例による露光用
マスクの構造を示す断面図である。
【図5】この発明の第5の実施例による露光用マスクの
製造方法を示す断面図である。
【図6】この発明の第5の実施例による露光用マスクの
使用方法を示す断面図である。
【図7】この発明の第6の実施例による露光用マスクの
使用方法を示す断面図である。
【図8】この発明の第7の実施例による露光用マスクの
製造方法を示す断面図である。
【図9】この発明の第8の実施例による露光用マスクの
構造を示す断面図である。
【図10】この発明の第9の実施例による露光用マスク
の製造方法を示す斜視図である。
【図11】従来の露光用マスターマスク,及び露光用マ
スクの製造方法を示す断面図である。
【図12】本発明の第1の実施例による露光用マスター
マスクの製造工程において使用される蒸着装置の構造を
示す断面図である。
【図13】本発明の第1の実施例による露光用マスター
マスクの製造工程において使用される蒸着装置の主要部
の構造を示す側面図である。
【図14】従来の露光用マスクの露光パターンを示す平
面図である。
【符号の説明】
1,2 るつぼ 3 ヒータ 5,100 露光用マスターマスク 5a,5b 積層板 10,10a,80 積層膜 11,12 シャッタ 13 蒸発したAu 15 水晶振動子(可動式) 16 シャッタ(可動式) 17 蒸着装置 18 真空槽 19 ホルダ 20 ガラス基板 21 Au蒸着膜 22 Ni蒸着膜 23 SiNx 膜 24 SiO2 膜 25,105 Cr蒸着膜 30,106 ウェハ 31,107 フォトレジスト 32,110 干渉ジマの明部 33,34,36,109 露光用マスク 35,108 レーザ光 40 Ta(X線吸収体) 41 SiNx 膜 42 接着剤 43 ガラス板 45 金属板 50 カッターブレード 51,61 積層板 52,62 接着剤 53 半田 63 SiNxからなる板 90 X線露光用マスク 101 板ガラス 102 アルミニウム薄膜 103 U.V.硬化樹脂 104 石英ガラス 110 加工装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の膜を、所定の厚さ,順序で繰
    り返し積層して縦方向積層膜を形成する工程と、 該縦方向積層膜を、その層方向に垂直な方向に対して所
    定の角度の平面で切断して所定厚さの横方向積層板を形
    成し、該横方向積層板の切断面を主表面とする露光用マ
    スクを形成する工程とを含むことを特徴とする露光用マ
    スクの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の露光用マスクの製造方法
    において、 上記縦方向積層膜を形成する工程で積層する複数種類の
    膜は所定のエッチャントに対するエッチングレートが相
    異なるものであり、 上記露光用マスクを形成する工程は、上記横方向積層板
    の切断面に上記エッチャントによるエッチング処理を施
    して、上記横方向積層板の切断面を、その表面形状が上
    記ストライプ状の露光パターンに対応した凹凸形状とな
    るよう加工し露光用マスクを形成する工程とを含むこと
    を特徴とする露光用マスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の露光用マスクの製造方法
    において、 所定のエッチャントに対するエッチングレートが異なる
    複数種類膜が光透過性膜であり、 上記露光用マスクを形成する工程は、上記凹凸形状の各
    凹部内側面の一部に光反射膜を上記露光光の自己干渉が
    発生するよう形成する工程を含むことを特徴とする露光
    用マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の露光用マスクの製造方法
    において、 上記縦方向積層膜を形成する工程は、 光透過性材料からなる膜と光不透過性材料からなる膜と
    を、各々所定の厚さとなるよう複数回交互に積層するも
    のであることを特徴とする露光用マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の露光用マスクの製造方法
    において、 上記縦方向積層膜を形成する工程は、 X線吸収材からなる膜とX線透過材からなる膜とを、各
    々所定の厚さとなるよう複数回交互に積層するものであ
    ることを特徴とする露光用マスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれかに記載の露
    光用マスクの製造方法において、 上記縦方向積層膜を構成する各膜は、蒸着により形成す
    ることを特徴とする露光用マスクの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし5のいずれかに記載の露
    光用マスクの製造方法において、 上記露光用マスクの形成工程は、上記縦方向積層膜から
    切り出した複数の横方向積層板を、各々の切断面が面一
    となるようかつその長手方向の側面が相接してその長手
    方向に平行に並ぶよう配置し、大面積の露光用マスクを
    形成する工程を含むことを特徴とする露光用マスクの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の露光用マスクの製造方法
    において、 上記面一となった切断面にエッチング処理を施すことを
    特徴とする露光用マスクの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の露光用マスクの製造方法
    において、 上記縦方向積層膜の形成工程は、光透過性材料からなる
    膜と光不透過性材料からなる膜とを各層が同一厚さにな
    るよう交互に積層するものであることを特徴とすること
    を特徴とする露光用マスクの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項4記載の露光用マスクの製造方
    法において、 上記縦方向積層膜の形成工程は、光透過性材料からなる
    膜と、該膜に比べてその厚さが薄い光不透過性材料から
    なる膜とを交互に積層するものであることを特徴とする
    露光用マスクの製造方法。
  11. 【請求項11】 複数種類の膜が積層された積層体の断
    面を主表面とすることを特徴とする露光用マスク。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007078679A (ja) * 2005-08-16 2007-03-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 探針形状評価用標準試料

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JP2007078679A (ja) * 2005-08-16 2007-03-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 探針形状評価用標準試料

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