JPH0722453U - 荷電粒子ビーム照射装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム照射装置

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JPH0722453U
JPH0722453U JP5238293U JP5238293U JPH0722453U JP H0722453 U JPH0722453 U JP H0722453U JP 5238293 U JP5238293 U JP 5238293U JP 5238293 U JP5238293 U JP 5238293U JP H0722453 U JPH0722453 U JP H0722453U
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irradiation
charged particle
chamber
particle beam
wafer
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JP5238293U
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English (en)
Inventor
将次 柿平
俊一 日朝
Original Assignee
住友重機械工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体ウェハに均一にイオンビームを量産照
射でき、しかもウェハに損傷を与えることなくウェハを
保持し作業者への被爆を少なくする。 【構成】 加速器で加速されたイオンビームは垂直方向
及び水平方向ビーム電磁石22及び23によって掃引ビ
ームとされ、管路21によって照射位置が規定された照
射チャンバに導かれる。プレートには複数のウェハ31
がそのエッジ部で保持され、複数のプレートが収納され
た収納ケースが複数ウェハハンドリング装置27内に配
置されている。ウェハハンドリング装置ではプレートを
照射チャンバに搬送して、各ウェハに掃引ビームを照射
させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は荷電粒子ビーム照射装置に関し、特に、半導体ウェハ等の基板に高速 イオンを照射するためのイオンビーム照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、サイクロトロン等の加速器で加速された高速軽イオン(例えば、水素 イオン、重水素イオン、又はヘリウムイオン)を半導体ウェハ又はチップに照射 する照射装置では、半導体ウェハ(以下単にサンプルと呼ぶ)上へのイオン照射 面積はサイクロトロンから得られるイオンビーム径で規定される。つまり、イオ ンビームで照射可能な範囲(照射面積)はイオン束の面積で規定されることにな り、このため、イオンビームで照射可能なサンプルは2乃至3cm角が限界であ る。
【0003】 従来、サンプルにイオンビームを照射する際には、1回のセットで1サンプル 処理(照射)する枚葉式であり、1照射に約6分かかっている。このため、1日 (稼働時間を8時間とする)当りの処理数は連続照射において約80サンプルと なる。従来、サンプルにイオンビームを照射する際には、図8に示す枚葉式サン プリングフランジ11を準備して、サンプルフランジ11にサンプル(半導体ウ ェハ)12を装置し、サンプル12上にエネルギー減衰用Alフォイル13を重 ねる。そして、サンプルフランジ11と固定リング14とをねじ止めすることに よってサンプル12をサンプルフランジ11と固定リング14とで挟持する。こ のようにして、サンプル12をサンプルフランジ11に装着した後、エネルギー 減衰用Alフォイル13を通してイオンビームをサンプル12に照射する。そし て、サンプル12をサンプルフランジ11にセットする際、Alフォイル13の 厚さを変えることによって、イオンビーム照射の際サンプル12へのイオン打ち 込み深さを変えることができる。
【0004】 上述のようなイオン照射に当っては、イオン照射の都度、照射済みサンプルと 未照射サンプルとを照射位置(照射ステーション)で取り替えるため、作業者( オペレータ)は照射室に入室する必要がある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、サンプルへのイオン照射においては、粒子入射量(被照射サンプル 面内1cm2 当りに打ち込むイオン数)をサンプルの全面内で均一にする必要が あり、従来のように所謂静止イオンビームでサンプルを照射した際には、サンプ ル面内で強度的にばらつきが生じ、均一にイオン照射できないという問題点があ る。
【0006】 さらに、サンプルフランジにサンプルをセットしてイオン照射を行う際、上述 のように、サンプルを直接Alフォイルとサンプルフランジとで挟み込んでいる ため、サンプルを傷付ける恐れがあるばかりでなく、Alフォイルの損傷が早く しかも使用量が多くなって不経済である。
【0007】 加えて、前述のようにサンプル取替えのため、作業者が照射室に入室すると、 照射ステーションに配置されたスリット等から発生する残留放射線によって作業 者が被爆することがある。
【0008】 本考案の目的はサンプルに均一にイオン照射することのできるイオン照射装置 を提供することにある。
【0009】 本考案の他の目的はサンプルを傷付けることがなくしかも経済的なイオン照射 装置を提供することにある。
【0010】 本考案のさらに他の目的は作業者への被爆がないイオン照射装置を提供するこ とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案によれば、加速器で加速された荷電粒子ビームを照射ビームとして基板 に照射する際に用いられる荷電粒子ビーム照射装置であって、前記荷電粒子ビー ムを掃引して掃引ビームを得る電磁石手段と、前記照射ビームの照射位置が規定 された照射チャンバと、該掃引ビームを前記照射ビームとして前記照射位置に導 く管路と、前記基板が複数配置され前記基板を前記照射チャンバ内に搬送する搬 送手段とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム照射装置が得られる。そして 、基板はを複数枚互いに独立してそのエッジ部でプレートに保持され、このプレ ートは互いに独立して複数枚収納ケースに収納される。また、管路にはフォイル チャンバ、スリットチャンバ、及び二次電子抑制用の電極が取り付けられている 。
【0012】
【作用】
本考案では、掃引ビームによってウェハを照射するようにしたから、広範囲に しかも均一にイオンビームを照射できる。プレートを用いてウェハをそのエッジ 部のみで保持するようにしたため、ウェハの機能部に損傷を与えることがほとん どなく、しかもウェハのセットが容易である。複数のサンプルプレートを収納ケ ースに収納してこれら収納ケースから自動的にウェハを照射チャンバに搬送する ようにしたため、一日当たりの処理数を増加することができるばかりでなく、作 業者の照射室への入室を最小限度に抑えることができる。管路に二次電子抑制用 電極を設けたから、ビーム電流を正確に測定することができる。
【0013】
【実施例】
以下本考案について実施例によって説明する。
【0014】 図1を参照して、図示のイオン照射装置は管路21を備えており、管路21の 一端はサイクロトロン(図示せず)の出口に接続され、この管路21によってイ オンビームが通過するビーム通路が規定される。さらに、このイオン照射装置は 垂直方向ビーム掃引電磁石22、水平方向ビーム掃引電磁石23、ビームシャッ ター24、ゲートバルブ25及び26、ウェハハンドリング装置27、及びター ボ分子ポンプ28乃至30を備えている。
【0015】 図示のように、管路21はゲートバルブ25及び26によって実質的に第1乃 至第3の管路21a乃至21cに3分割されおり、第1の管路21aにはビーム シャッター24が備えられている。第1の管路21aはターボ分子ポンプ28に よって排気され高真空状態に保たれ、同様にして、第2の管路21bはターボ分 子ポンプ29によって排気され高真空状態に保たれている。
【0016】 ウェハハンドリング装置27には後述するようにして半導体ウェハ(以下単に ウェハと呼ぶ)31が配置される。そして、ウェハハンドリング装置27内は後 述するようにしてターボ分子ポンプ30によって排気され、これによって、第3 の管路21cを含めてウェハハンドリング装置27は高真空状態に保たれる。
【0017】 サイクロトロンから出射したイオンビームは垂直方向ビーム掃引電磁石22及 び水平方向ビーム掃引電磁石23によってそれぞれ垂直方向及び水平方向に掃引 され掃引ビームとしてビームシャッター24、ゲートバルブ25及び26を通過 して管路21の他端に形成された照射口からウェハ31に照射される。
【0018】 ところで、ウェハ31はそのサイズが6インチ(直径150cm)程度であり 、ウェハ31へのイオンビーム照射に当っては、上述のようにサイクロトロンか ら出射されたイオンビームを垂直方向及び水平方向に掃引して掃引イオンビーム を得て、ウェハ31の全面にイオンビームを照射するようにしている。つまり、 サイクロトロンから得られる小径ビーム(静止ビーム)を掃引してウェハ31の 大きさに応じた面積に対して一様にイオンビームを照射するようにしている。
【0019】 ここで、図2を参照して、垂直方向ビーム掃引電磁石22の構成について説明 する。
【0020】 図示のように、電磁石22は枠状のヨーク22aを備えており、このヨーク2 2aの内壁面にはケイ素鋼板(0.5tケイ素鋼板)が積層されたコア22bが 取り付けられている。このコア22bには巻線(コイル)22cが施されており 、外部導体部22dを介して電源(図示せず)に接続される。さらに、ヨーク2 2aの下面には図示のようにフランジ部22eが取り付けられ、これによって、 電磁石22は、例えば、台(図示せず)等に固定される。そして、コア22bで 規定される空間内には図1に示す第1の管路21aが通される。
【0021】 水平方向ビーム掃引電磁石23についても垂直方向ビーム掃引電磁石22と同 様の構成要素を備えている。つまり、図3に示すように、電磁石23はヨーク2 3a、ケイ素鋼板が積層されたコア23b、コイル23c、外部導体部23d、 及びフランジ部23eを備えている。なお、水平方向ビーム掃引電磁石23は垂 直方向ビーム掃引電磁石22に対して90度回転させた関係にあり、コア23b で規定される空間内には第1の管路21aが通される。
【0022】 ここで、電磁石22及び23の仕様について説明する。
【0023】 受電電源には3相3線式交流200ボルトが用いられ、電圧変動は±10%で ある。また、電源周波数は50又は60Hzである。電源からの出力は電圧が± 40ボルト、電流が±60アンペアであり、出力波形はファンクションシンセサ イザによって三角波とされる。また、出力周波数は0乃至60Hz可変である。
【0024】 各電磁石22及び23はその磁極間隙が82mm、最大磁場強度が490ガウ ス、起磁力が3600アンペアターン、磁場均一度が±0.1%/60mm、最 大励磁電流60アンペアである。
【0025】 次に、図4を参照してウェハハンドリング装置について説明する。
【0026】 図4(a)に示すようにウェハハンドリング装置27は搬送チャンバ27aを 備えており、この搬送チャンバ27aには後述するようにして複数のウェハが配 置されている。搬送チャンバ27aには照射チャンバ27bが連通して連結され 、この照射チャンバ27bにはウェハへのイオン照射場所である照射位置が規定 されている。そして、搬送チャンバ27a内のウェハは後述するようにして搬送 機構27cによって照射チャンバ27bの照射位置に搬送される。
【0027】 図4(a)において、照射チャンバ27bには照射位置において前述した第3 の管路21cが連結されており、これによって、搬送チャンバ27bに送られた ウェハに掃引ビームが照射される。
【0028】 図4(a)及び(b)を参照して、搬送チャンバ27aはターボ分子ポンプ3 0が収納されたポンプ筐体30a上に載置されており、ターボ分子ポンプ(10 00リットル/秒、水冷式)30は排気ポンプ部(ロータリーポンプ:840リ ットル/分)32に接続されるとともに照射チャンバ27bに接続されている。 これによって、ターボ分子ポンプ30で搬送チャンバ27a、照射チャンバ27 b、及び第3の管路21c内が高真空状態に保たれる。
【0029】 ここで、図4(a)に加えて図4(c)を参照して、第3の管路21cにはス リットチャンバ33及びデグレーダチャンバ34が形成されており、スリットチ ャンバ33にはウェハサイズに応じたスリットが形成されたスリット部(例えば 、グラファイトスリット)33aが挿入される。また、グラファイトスリット3 3aの後段にはCu電極33bが配置され、このCu電極33bによってイオン ビームによる二次電子放出が抑制される。一方、デグレーダチャンバ34にはエ ネルギー減衰用のデクレーダフォイル(Alフォイル)34aが挿入される。そ して、ゲートバルブを通過した掃引ビームはデクレーダフォイル(Alフォイル )34a及びグラファイトスリット33aを通過して照射チャンバ27bに達し 、照射位置でウェハを照射することになる。
【0030】 なお、図4(a)及び(c)に示すように、搬送チャンバ27aには後述する ようにウェハを出し入れするための蓋部271が設けられており、この蓋部を密 閉状態とするため搬送チャンバ27aには一対のシリンダー部272及び273 が備えられている。
【0031】 次に搬送チャンバ27aから照射チャンバ27へのウェハの搬送について説明 する。
【0032】 まず、図5を参照して、ウェハ31は図示のサンプルプレート35に配置され る。このサンプルプレート35は板体35aを備えており、この板体35aには 所定の間隔をおいて図中下方向に延びる切り込み部35bが形成されている(図 4においては合計4個の切り込み部35bが形成されている)。この切り込み部 35bに対応して板体35aの下側にはウェハ固定ブロック35cが取り付けら れている。このウェハ固定ブロック35cはその内周面が円弧状のポケット部3 5dを備えており、このポケット部35dに沿ってウェハ31の外周面が配置さ れ、これによってウェハ31がウェハ固定ブロック35cに装置されることにな る。
【0033】 さらに、ウェハ31の外周面に当接する位置において、板体35aには各ウェ ハ固定ブロック35cに対応してそれぞれ一対のウェハ支持ピン35eが取り付 けられており、ウェハ31がウェハ固定ブロック35cに配置された際、ウェハ 支持ピン35eによってウェハ31が支えられることになる。
【0034】 各ウェハ固定ブロック35cに対応して板体35aにはウェハ固定アーム35 fがピン部材35gを軸として回転可能に取り付けられており、さらに、このウ ェハ固定アーム35fの先端部にはウェハ固定ピン35hが取り付けられている 。ウェハ31をウェハ固定ブロック35cに配置した際、ウェハ固定アーム35 fを実線矢印で示す方向に回転させて、ウェハ固定ピン35hをウェハ31の外 周面に当接させる。これによって、ウェハ31はウェハ固定ブロック35c、ウ ェハ支持ピン35e、及びウェハ固定ピン35hによって完全にサンプルプレー ト35にその両面(表面及び裏面)が浮いた状態で、つまり、エッジ部で保持さ れることになる。なお、板体35aの右端には逆L字形状の折り曲げ部35iが 形成されており、この折り曲げ部35iを用いて後述するようにしてサンプルプ レート35が搬送される。
【0035】 図6も参照して、図5に示したサンプルプレート35はウェハ31が装着され た後、図6に示すプレート収納ケース36内に収納される。このプレート収納ケ ース36は上板36a、測板36b、及び底板36cによって構成されている。 つまり、図6において、プレート収納ケース36は前面、左端面、及び右端面が 開口されていることになる。上板36aには一対の取手部36dが設けられてお り、この取手部36dによってプレート収納ケース36は運搬される。上板36 a及び底板36cにはその長手方向に沿って予め定められた間隔をおいて複数の 溝部36eが形成されており、この溝部36eに沿ってサンプリングプレート3 5はウェハ載置面を前面側に向けてプレート収納ケース36内に収納される。な お、図示の例では、プレート収納ケース36内には合計5枚のサンプリングプレ ート35が配置される。
【0036】 図7を参照して、上述のようにしてサンプルプレート35が収納されたプレー ト収納ケース36が複数搬送チャンバ27a内に収納される。この際、プレート 収納ケース36は前面開口をビーム通路側に向けて配置される。
【0037】 搬送チャンバ27a内にはプレート収納ケース36が載置されるための搬送台 37が備えられており、この搬送台37はビーム通路(ビーム中心軸)と平行に 延びる一対のレール部38上にビーム中心軸方向に移動可能に配置されている。 そして、搬送台37の側面にはラック37aがレール部方向に沿って取り付けら れている。搬送チャンバ36には複数のプレート収納ケース36が配置されるこ とになる。
【0038】 搬送機構27cは搬送台駆動用モータ39を備えており、この搬送台駆動用モ ータ39のモータ軸にはピニオン39aが取り付けられて、このピニオン39a はラック37aと噛み合っている。つまり、ラック37aとピニオン39aとに よってラック・ピニオン機構が形成される。
【0039】 搬送機構27cはさらに支持台部40を備えており、この支持台部40にはビ ーム中心軸と直交する方向(直交方向)に延びるボールネジ部41及びプレート 移動軸体42が取り付けられている。ボールネジ部41の先端(図中左端)には プーリ41aが取り付けられ、このプーリ41aはベルト41bを介してプーリ 43aに連結されている。そして、プーリ43aはプレート移動モータ43のモ ータ軸に取り付けられている。なお、プレート移動軸体42の先端部にはL字形 状の折り曲げ部42aが形成されており、上述したサンプルプレート35の折り 曲げ部35iと折り曲げ部42aとは後述するようにして着脱される。
【0040】 ウェハ31にイオンビームを照射する際には、まず、前述のように複数のプレ ート収納ケース36が搬送台37上に図示のように載置される。この状態(初期 状態)においては、最前端に位置するプレート収納ケース(第1のプレート収納 ケースと呼ぶ)36内の最前端にあるサンプルプレート(以下第1のサンプルプ レートと呼ぶ)35は照射チャンバ27bに対応しているものとし、また、初期 状態において、折り曲げ部42aは第1のサンプルプレート35の側面に対応し ている。
【0041】 この初期状態において、プレート移動モータ43を駆動してプーリ43a、ベ ルト41b、及びプーリ41aを介してボールネジ部41を回転(正回転)させ る。ボールルジ部41の回転によって支持台部40は実線矢印で示す方向に移動 する。この結果、支持台部40に取り付けられたプレート移動軸体42も同様に 実線矢印方向に移動する。プレート移動軸体42の移動によって、第1のサンプ ルプレート35は折り曲げ部42aによって押されて図中左方向に移動して、照 射チャンバ27b内に挿入(搬送)される。照射チャンバ27b内にはガイド部 44が形成されており、第1のサンプルプレート35はガイド部44に案内され て照射チャンバ27b内に搬送されることになる。
【0042】 前述のように、第1のサンプルプレート35上には合計4個のウェハ31が装 置されており(ここでは、左側から右側に向かって第1乃至第4のウェハと呼ぶ ことにする)、第1のウェハ31が照射チャンバ27bの照射位置に達すると、 プレート移動モータ43が停止されて第1のサンプルプレート35の移動も停止 する。そして、図1に示すビームシャッター24及び26が開かれて、第1のウ ェハ31が掃引ビームで照射されることになる。
【0043】 第1のウェハ31へのビーム照射が終了すると、再び、プレート移動モータ4 3が駆動(正回転)されて第1のサンプルプレート35が左方向に移動する。第 2のウェハ31が照射チャンバ27bの照射位置に達すると、プレート移動モー タ43が停止されて、第2のウェハ31が掃引ビームで照射されることになる。 以下同様にして、第3及び第4のウェハ31への掃引ビームの照射が行われる。
【0044】 第1のサンプルプレート35上の全てのウェハ31に対するビーム照射が終了 すると、プレート移動モータ43が逆回転駆動される。この結果、ボールネジ部 41の逆回転によってプレート移動軸体42は破線矢印で示す方向に移動するこ とになる。この際、折り曲げ部35iが折り曲げ部42aに引っ掛けられて第1 のサンプルプレート35は右方向に移動することになる。これによって、第1の サンプルプレート35は照射チャンバ27bから引き出され、再び、第1のサン プルプレート35は第1のプレート収納ケース36に収納される。
【0045】 第1のサンプルプレート35が第1のプレート収納ケース36に収納されると 、搬送台駆動用モータ39を駆動制御してラック・ピニオン機構によって搬送台 37をレール部38に沿って前進させる。そして、第1のサンプルプレート35 の次に位置するサンプルプレート(以下第2のサンプルプレートと呼ぶ)35が 照射チャンバ27bに対応すると、搬送台駆動用モータ39は停止する。その後 、第1のサンプルプレート35について説明した動作と同様にして、第2のサン プルプレート35上のウェハ31についてビーム照射が行われる。そして、第1 のプレート収納ケース36内の全てのサンプルプレート35上のウェハ31への ビーム照射が終了すると、同様にして、残りのプレート収納ケース36内に収納 されたサンプルプレート35上のウェハ31へのビーム照射が行われて、全てプ レート収納ケース36についてビーム照射が終了する。
【0046】 再び、図1を参照して、電磁石22の出力をAC60アンペア、周波数25. 0Hzの三角波とし、電磁石23の出力をAC60アンペア、周波数24.1H zの三角波として、ウェハ31にイオンビーム照射を行うと、電磁石22及び2 3から約6メートルの距離において300mm角の均一照射を行うことができる 。そして、出力電流は1アンペアピッチで60アンペアまで変化させることがで きるので(10アンペアの掃引幅は約25mm)容易に掃引幅を変えることがで きる。
【0047】 上述の掃引周波数及び出力波形は計算機シミュレーションによって求められた ものであり、サイクロトロンから得られるビーム形状を測定して、このビーム形 状に対する掃引周波数及び出力波形を仮定し、計算機シミュレーションで照射面 内における粒子入射量分布を計算することによって最良の掃引周波数及び出力波 形を決定した。この計算機シミュレーションの妥当性は「特願平5−85898 号明細書」に記載されたX線フィルムを用いたドーズ量均一性の測定によって実 際の照射において確認できた。
【0048】 ところで、ウェハにイオンビームを照射する際には、ウェハへの粒子入射量を モニターするため、イオンビームによる電流値を測定する必要がある。上述の実 施例では、サンプルプレート35にウェハ31をそのエッジ部で保持するように しているが、このようにウェハ31をエッジ部で保持するようにしてもウェハ両 面を金属接触させて保持した場合と同様に電流測定ができることが実験によって 確認できた。
【0049】 さらに、上述の実施例ではリング状のCu電極を設けているから、イオンビー ム照射によるウェハ表面からの二次電子放出にかかわらず二次電子のビーム電流 測定に対する影響を防ぎ、かつ、イオンビームに干渉することなく正確にビーム 電流を測定することができる。そして、Cu電極に数百ボルトの電圧を印加すれ ば、十分な二次電子抑制効果が得られた。
【0050】
【考案の効果】
以上説明したように本考案では掃引ビームによってウェハを照射するようにし たから、広範囲にしかも均一にイオンビームを照射できる。さらに、サンプルプ レートを用いてウェハをそのエッジ部のみで保持するようにしたため、ウェハに 損傷を与えることがほとんどなく、しかもウェハのセットが容易である。加えて 、複数のサンプルプレートを収納ケースに収納してこれら収納ケースから自動的 にウェハを照射チャンバに搬送するようにしたため、一日当たりの処理数を増加 することができるばかりでなく、作業者の照射室への入室を最小限度に抑えるこ とができ、その結果、被爆を低減させることができる。また、Cu電極を設けて いるため、二次電子を実質的に抑制するとこが可能となり、その結果、ビーム電 流を正確に測定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるイオンビーム照射装置の一実施例
を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す垂直方向ビーム掃引電磁石を示す図
であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】図1に示す水平方向ビーム掃引電磁石を示す図
であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図4】図1に示すウェハハンドリング装置及びその周
辺を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、
(c)は(b)のA−A線断面図である。
【図5】本考案で用いられるサンプルプレートの一実施
例を示す斜視図である。
【図6】本考案で用いられるプレート収納ケースの一実
施例を示す斜視図である。
【図7】図1に示すウェハハンドリング装置をその一部
分を破断して示す斜視図である。
【図8】従来のイオンビーム照射装置に用いられるサン
プルフランジを説明するための斜視図である。
【符号の説明】
21 管路 22 垂直方向ビーム掃引電磁石 23 水平方向ビーム掃引電磁石 24 ビームシャッター 25,26 ゲートバルブ 27 ウェハハンドリング装置 28,29,30 ターボ分子ポンプ 31 ウェハ

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速器で加速された荷電粒子ビームを照
    射ビームとして基板に照射する際に用いられる荷電粒子
    ビーム照射装置であって、前記荷電粒子ビームを掃引し
    て掃引ビームを得る電磁石手段と、前記照射ビームの照
    射位置が規定された照射チャンバと、該掃引ビームを前
    記照射ビームとして前記照射位置に導く管路と、前記基
    板が複数配置され前記基板を前記照射チャンバ内に搬送
    する搬送手段とを有することを特徴とする荷電粒子ビー
    ム照射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された前記電磁石手段は
    前記荷電粒子ビームを該ビーム軸に対して直交する第1
    の方向に掃引する第1の電磁石と、前記ビーム軸及び前
    記第1の方向に直交する第2の方向に掃引する第2の電
    磁石とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム照射装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載された荷電粒子ビ
    ーム照射装置において、前記基板を複数枚互いに独立し
    てそのエッジ部で保持するプレートを備えることを特徴
    とする荷電粒子ビーム照射装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された荷電粒子ビーム照
    射装置において、前記プレートを互いに独立して複数枚
    収納する収納ケースを備えることを特徴とする荷電粒子
    ビーム照射装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された荷電粒子ビーム照
    射装置において、前記搬送手段は、前記収納ケースが複
    数配置され前記照射チャンバに連結された室と、前記プ
    レートを前記室から前記照射チャンバに搬送する搬送機
    構とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム照射装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された荷電粒子ビーム照
    射装置において、前記照射チャンバは前記照射ビーム軸
    に直交する方向に延びており、前記室は前記照射ビーム
    軸に延び前記収納ケースは前記室内に前記照射チャンバ
    の延在方向に平行に収納され、前記収納ケースは前記ビ
    ーム軸に直交する面及び前記前記ビーム軸に平行な面が
    開口されており、前記搬送機構は、前記収納ケースを前
    記照射ビーム軸方向に移動させる第1の駆動機構と、前
    記プレートを前記照射チャンバの延在方向に移動させる
    第2の駆動機構とを有することを特徴とする荷電粒子ビ
    ーム照射装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載された
    荷電粒子ビーム照射装置において、前記管路にはスリッ
    トが配置されるスリットチャンバと、ビームエネルギー
    減衰用のフォイルが配置されるフォイルチャンバが形成
    されていることを特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載された荷電粒子ビーム照
    射装置において、前記管路には二次電子抑制用の電極が
    取り付けられていることを特徴とする荷電粒子ビーム照
    射装置。
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