JPH0722447Y2 - 屋根付きプール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は幼稚園庭やビルの屋上等へ据置くプールに関
し、特に屋根を有するプールに関する。

（従来の技術） 従来より幼稚園庭やビルの屋上に据置くタイプのプール
を農業用のビニールハウスで囲んだものが知られてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） 従来例はビニールハウスを土地やビルの屋上へ定着させ
ねばならず、専門家による基礎工事を必要とし、設置作
業が困難であり、しかもビルの屋上へアンカーを打込む
場合にはビル自体を傷つけて階下へ漏水を引きおこす等
の不都合を生ぜしめ、また積雪により損壊するおそれが
あり、堅牢性に欠け、さらに冬期や寒冷地においてプー
ル内へ温水を入れた場合、冷めやすいという欠点があ
る。

（問題点を解決するための手段） この考案は上記の不都合を解消するもので、すなわちFR
P製のドーム２と、前記ドーム２内へ置かれる据置き型
の水槽部１と、床パネル３とから成り、前記水槽部１を
水平底板15と周壁10とにより断面コ字状に形成し、しか
も前記水槽部１の周壁10は前記水槽部１をドーム２に片
寄せることにより接触する第１接触周壁部10a′と、前
記第１接触周壁部10a′に対向し、かつ前記ドーム２に
接触しない第１非接触周壁部10a″と、前記対向する第
１接触周壁部10a′と第１非接触周壁部10a″を連結する
とともに前記ドーム２に接触しない第２非接触周壁部10
a、10aとを有し、また前記ドーム２を断面凸弧状に
形成し、しかも前記ドーム２の周壁2aは前記第１接触周
壁部10a′に接触する第２接触周壁部2a′と、前記第２
接触周壁部2a′に対向し、かつ前記水槽部１に接触しな
い第３非接触周壁部2a″と、前記対向する第２接触周壁
部2a′と第３非接触周壁部2a″を連結するとともに前記
水槽部１に接触しない第４非接触周壁部2a、2aとを
有し、さらに前記第１接触周壁部10a′と前記第２接触
周壁部2a′とを接続し、前記第１非接触周壁部10a″お
よび第２非接触周壁部10a、10aと前記第３非接触周
壁部2a″および第４非接触周壁部2a、2aとを前記第
１非接触周壁部10a″および第２非接触周壁部10a、10
a周辺の床パネル３を介して接続することを特徴とす
るものである。

（使用法・作用） この考案の屋根付きプールを幼稚園庭やビルの屋上へ置
き、水槽部１内へ温水若しくは冷水を入れれば、水槽部
１および床パネル３へ接続されたドーム２の安定性は、
水の重量により極めて大きくなり、水槽部１およびドー
ム２は確実に設置され、また使用者は床パネル３上の空
間を利用して歩行、休息等をすることができる。

（実施例） 半円状のセグメント3a、3aと矩形のセグメント3a′とを
接続してプラスチック製の床パネル３を形成し、床パネ
ル３の外縁つまり直線部の両端に半円部を有する外縁に
沿って上向鍔板30を一体形成し、上向鍔板30の内側に沿
って排水溝33を形成し、上向鍔板30へボルト遊挿孔31を
間隔をおいて複数個設け、セグメント3a、3aの内側とセ
グメント3a′の中間にナット43を同時成型により間隔を
おいて複数個埋設する。なお床パネル３は第３図の鎖線
で示すように扇形の複数のセグメントと複数の長方形の
セグメントを接続しても、複数個のセグメントに分け
ず、一体のものでもよく、また表面へ凹凸のような滑り
止め加工をするものでもよい。

断面コ字状で、かつ平面から見て四辺形の据置き型の水
槽部１および断面凸弧状で、かつ平面から見て長円形の
ドーム２をFRP（繊維強化プラスチック）をもって形成
し、水槽部１は四辺形の水平底板15の周縁に沿って逆Ｕ
字状に形成した中空の周壁10を一体的に立設し、周壁10
の一辺部つまり前記四辺形の水槽部１の一辺部であり、
しかもドーム２と接触する第１接触周壁部10a′の上縁
に沿って溝11を形成し、溝11を形成する第１接触周壁部
10a′の外壁10aへボルト遊挿孔16を間隔をおいて複数個
設け、第１接触周壁部10a′の外壁10a下端にナット41を
同時成型により間隔をおいて複数個埋設し、前記四辺形
の水槽部１の一辺部の対向辺部であり、しかもドーム２
と接触しない周壁10の第１非接触周壁部10a″と前記四
辺形の他の二辺である周壁10の非接触周壁部10a、10a
の外壁10bの下端に沿って外向鍔板14を一体的に形成
し、外向鍔板14へボルト遊挿孔16′を間隔をおいて複数
個設ける。なお図中、符号17は水平底板15の下面へ一体
的に形成した補強桁、18は周壁10の補強板であり、水槽
部１は第１・３図の鎖線で示すように複数個のセグメン
トを接続して成るものでもよく、FRP製以外の材質から
成るものでもよく、据置きタイプのものであればよい。

長円形のドーム２の周壁2aのうち一方の直線部であり、
かつ水槽部１と接触する第２接触周壁部2a′において水
槽部１の溝11に対応する位置およびその下端へボルト遊
挿孔21、21′を間隔をおいて複数個設け、長円形のドー
ム２の周壁2aのうち他方の直線部であり、かつ水槽部１
と接触しない第３非接触周壁部2a″および両端の半円部
であり、かつ水槽部１と接触しない第４非接触周壁部2a
、2a下端へナット45を同時成型により間隔をおいて
複数個埋設し、ドーム２の左右へ出入口23を開口し、各
出入口23の上下に沿って溝状レール24、25を設け、溝状
レール24、25へ開閉扉26を摺動自在に嵌挿する。なお符
号27は透明な窓ガラスであり、窓ガラスは開閉式の窓枠
に嵌めても、嵌め殺しでも、或いは開閉および嵌め殺し
の両方であってもよく、ドーム２は一体的なものに限ら
ず、第１図鎖線で示すように複数個のセグメントを接続
するものでもよい。

そして床パネル３、水槽部１およびドーム２を幼稚園庭
やビルの屋上等へ置き、しかも第３図示のように水槽部
１をドーム２に片寄せて接触させ、さらに第２図示のよ
うに水槽部１の水平底板15の一部を床パネル３へ載せ、
前述のように水槽部１をドーム２に片寄せることにより
ドーム２と接触しない水槽部１の第１非接触周壁部10
a″、第２非接触周壁部10a、10aの外向鍔板14に設
けた各ボルト遊挿孔16′へ第５図示のように各ボルト42
を挿通するとともにボルト42を第１非接触周壁部10
a″、第２非接触周壁部10a、10aの周辺の床パネル
３へ埋設した各ナット43へ螺着する。また前述のように
水槽部１をドーム２に片寄せることにより互いに接触す
る水槽部１の第１接触周壁部10a′とドーム２の第２接
触周壁部2a′の各ボルト遊挿孔16、21、21′へ第４図示
のようにボルト40、40を挿通するとともに各ナット41、
41へ螺着し、蓋板19で溝11を閉蓋し、さらに水槽部１を
ドーム２に片寄せることにより水槽部１と接触しないド
ーム２の第３非接触周壁部2a″、第４非接触周壁部2a
、2aに床パネル３の上向鍔板30を添接し、第５図示
のようにボルト遊挿孔31へボルト44を挿通するとともに
ナット45へ螺着する。

なお、第６〜９図示のものはこの考案の変形例であり、
断面コ字状で、かつ平面から見て四辺形の水槽部１の周
壁10の一辺部である第１接触周壁部10a′の上縁に沿っ
て外向きの段部12を形成し、段部12の外側縁より内側へ
接合板13を突設し、接合板13へボルト遊挿孔16を間隔を
おいて複数個設け、断面凸弧状で、かつ平面から見て長
円形のドーム２の周壁2aのうち一方の直線部である第２
接触周壁部2a′の下方へ凹部20を形成し、凹部20の水平
端部20aを段部12へ載置して凹部20で第１接触周壁部10
a′の外壁10aを囲み、各ボルト遊挿孔21、16へボルト40
を挿通するとともにナット41で螺着し、蓋板19′で閉蓋
し、また第６図示のように段部12を有する第１接触周壁
部10a′と対向する第１非接触周壁部10a″の外壁10bを
途中で外方へ曲げて外向鍔板14を形成し、補強桁17の一
端を第１非接触周壁部10a″より外方へ延出するととも
に上方へ曲げ、前記補強桁17の上向端17′へナット43′
を同時成型により複数個埋設し、一方、床パネル３のう
ち水槽部１の第１非接触周壁部10a″の近傍であるとこ
ろの矩形のセグメント3a′の内側へステップ32を一体的
に形成し、ステップ32へナット43を同時成型により複数
個埋設し、外向鍔板14とステップ32の一端および上向端
17′とステップ32の他端とをそれぞれボルト42、42′、
ナット43、43′により接続するものであり、他の構成部
分については先に示した実施例と同じであり、同一部分
については同一符号を付してその説明については省略す
る。

前記実施例および変形例の水槽部１へ温水、冷水等の水
５を収容すると、水５の重量が直接ドーム２にかかり、
ドーム２は極めて安定良く立設される。

（考案の効果） この考案は、上述のとおり構成されているので、次に記
載する効果を奏する。

請求項１の屋根付きプールにおいては、据置き型で、か
つ断面コ字状の水槽部と断面凸弧状のドームの第１・第
２接触周壁部が直接、接続しているとともに水槽部とド
ームの第１・２・３・４非接触周壁部が床パネルを介し
て接続しているので、水槽部へ入れた水の重量がドーム
へ直接かかり、基礎工事をしなくても簡単な作業で極め
て安定良く設置することができ、ビルの屋上を傷つけて
漏水を起こすような不都合もなく、ドームの第３・４非
接触周壁部と水槽部の第１・２非接触周壁部との間は床
パネルによる広い空間が形成され、使用者は歩行、休息
等ができ、実用的であり、また断面凸弧状のFRP製のド
ームを有するから非常に堅牢であるとともに雪は滑り落
ちて積雪しにくく、損壊するおそれがなく、しかも冬期
や寒冷地で温水を使用した場合に冷めにくいものであ
る。

請求項２、３、４、５の屋根付きプールにおいては、構
造が簡単であり、容易かつ迅速に組立てることができ、
しかも安価に提供することができる。

請求項６の屋根付きプールにおいては、ステップを有す
るので、年少児でも容易かつ安全に水槽部内へ出入りす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示すもので、第１図は一部を切
欠いた正面図、第２図は一部を切欠いた側面図、第３図
は一部を切欠いた平面図、第４図は水槽部とドームの接
続部分を示す拡大断面図、第５図は水槽部、床パネルと
ドームの接続部分を示す拡大断面図、第６図は他の変形
例の一部を切欠いた側面図、第７図は同上水槽部とドー
ムの接続部分を示す拡大断面図、第８図は同上平面図、
第９図は同上正面図である。 １…水槽部、２…ドーム 2a…周壁、2a′…第２接触周壁部 2a″…第３非接触周壁部、2a…第４非接触周壁部 ３…床パネル、10…周壁 10a…外壁、10a′…第１接触周壁部 10a″…第１非接触周壁部、10a…第２非接触周壁部 11…溝、12…段部 13…接合板、14…外向鍔板 20…凹部、20a…水平端部 30…上向鍔板、32…ステップ 40、42、44…ボルト 41、43、45…ナット

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】FRP製のドーム２と、前記ドーム２内へ置
   かれる据置き型の水槽部１と、床パネル３とから成り、
   前記水槽部１を水平底板15と周壁10とにより断面コ字状
   に形成し、しかも前記水槽部１の周壁10は前記水槽部１
   をドーム２に片寄せることにより接触する第１接触周壁
   部10a′と、前記第１接触周壁部10a′に対向し、かつ前
   記ドーム２に接触しない第１非接触周壁部10a″と、前
   記対向する第１接触周壁部10a′と第１非接触周壁部10
   a″を連結するとともに前記ドーム２に接触しない第２
   非接触周壁部10a、10aとを有し、また前記ドーム２
   を断面凸弧状に形成し、しかも前記ドーム２の周壁2aは
   前記第１接触周壁部10a′に接触する第２接触周壁部2
   a′と、前記第２接触周壁部2a′に対向し、かつ前記水
   槽部１に接触しない第３非接触周壁部2a″と、前記対向
   する第２接触周壁部2a′と第３非接触周壁部2a″を連結
   するとともに前記水槽部１に接触しない第４非接触周壁
   部2a、2aとを有し、さらに前記第１接触周壁部10
   a′と前記第２接触周壁部2a′とを接続し、前記第１非
   接触周壁部10a″および第２非接触周壁部10a、10a
   と前記第３非接触周壁部2a″および第４非接触周壁部2a
   、2aとを前記第１非接触周壁部10a″および第２非
   接触周壁部10a、10a周辺の床パネル３を介して接続
   することを特徴とする屋根付きプール。
2. 【請求項２】ドーム２の周壁2aの第２接触周壁部2a′と
   水槽部１の周壁10の第１接触周壁部10a′とをボルト4
   0、ナット41により接続し、水槽部１の周壁10の第１非
   接触周壁部10a″および第２非接触周壁部10a、10a
   と前記第１非接触周壁部10a″および第２非接触周壁部1
   0a、10aの周辺の床パネル３とをボルト42、ナット4
   3により接続し、ドーム２の周壁2aの第３非接触周壁部2
   a″および第４非接触周壁部2a、2aと床パネル３と
   をボルト44、ナット45により接続する請求項１記載の屋
   根付きプール。
3. 【請求項３】ドーム２が平面から見て長円形であり、水
   槽部１が平面から見て四辺形であり、ドーム２の第２接
   触周壁部2a′が前記長円形の一方の直線部であり、ドー
   ム２の第３非接触周壁部2a″が前記長円形の他方の直線
   部であり、ドーム２の第４非接触周壁部2a、2aが前
   記長円形の両端の半円部であり、水槽部１の第１接触周
   壁部10a′が前記四辺形の一辺部であり、水槽部１の第
   １非接触周壁部10a″が前記一辺部の対向辺部であり、
   水槽部１の第２非接触周壁部10a、10aが前記四辺形
   の他の二辺部であり、水槽部１の第１非接触周壁部10
   a″と第２非接触周壁部10a、10aの周辺の床パネル
   ３が前記長円形の他方の直線部と両端の半円部であるド
   ーム２の第３非接触周壁部2a″と第４非接触周壁部2a
   、2aに添接する外縁を有する請求項１または２記載
   の屋根付きプール。
4. 【請求項４】平面から見て四辺形の水槽部１の周壁10を
   中空に形成し、前記四辺形の一辺部である第１接触周壁
   部10a′の上縁に沿って溝11を形成し、溝11を形成する
   第１接触周壁部10a′の外壁10aと、平面から見て長円形
   のドーム２の周壁2aのうち一方の直線部である第２接触
   周壁部2a′下方とをボルト40、ナット41により接続し、
   水槽部１の第１接触周壁部10a′の下端とドーム２の第
   ２接触周壁部2a′下端とをボルト40、ナット41により接
   続し、前記四辺形の水槽部１の対向辺部と他の二辺部で
   ある第１非接触周壁部10a″と第２非接触周壁部10a、
   10aの下端に沿って外向鍔板14を形成し、外向鍔板14
   と床パネル３とをボルト42、ナット43により接続し、床
   パネル３の外縁へ上向鍔板30を形成し、ドーム２の第３
   非接触周壁部2a″および第４非接触周壁部2a、2aの
   下端と上向鍔板30とをボルト44、ナット45により接続す
   る請求項３記載の屋根付きプール。
5. 【請求項５】平面から見て四辺形の水槽部１の周壁10を
   中空に形成し、前記四辺形の一辺部である第１接触周壁
   部10a′の上縁に沿って外向きの段部12を形成し、段部1
   2の外側縁より内側へ接合板13を突設し、平面から見て
   長円形のドーム２の周壁2aのうち一方の直線部である第
   ２接触周壁部2a′下方へ凹部20を形成し、凹部20の水平
   端部20aを段部12へ載置し、水平端部20aと接合板13とを
   ボルト40、ナット41により接続し、前記四辺形の水槽部
   １の対向辺部と他の二辺部である第１非接触周壁部10
   a″と第２非接触周壁部10a、10aの下端に沿って外
   向鍔板14を形成し、外向鍔板14と床パネル３とをボルト
   42、ナット43により接続し、床パネル３の外縁へ上向鍔
   板30を形成し、ドーム２の第３非接触周壁部2a″および
   第４非接触周壁部2a、2aの下端と上向鍔板30とをボ
   ルト44、ナット45により接続する請求項３記載の屋根付
   きプール。
6. 【請求項６】床パネル３のうち水槽部１の第１非接触周
   壁部10a″の近傍へステップ32を形成し、ステップ32を
   介して床パネル３と水槽部１の第１非接触周壁部10a″
   とを接続する請求項１、２、３、４または５記載の屋根
   付きプール。