JPH07224348A - 高密度オーステナイト系ステンレス鋼焼結体及びその製造方法 - Google Patents

高密度オーステナイト系ステンレス鋼焼結体及びその製造方法

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JPH07224348A
JPH07224348A JP6017464A JP1746494A JPH07224348A JP H07224348 A JPH07224348 A JP H07224348A JP 6017464 A JP6017464 A JP 6017464A JP 1746494 A JP1746494 A JP 1746494A JP H07224348 A JPH07224348 A JP H07224348A
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JP
Japan
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powder
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stainless steel
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JP6017464A
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Toshio Maetani
谷 敏 夫 前
Junichi Ota
田 純 一 太
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属粉末射出成形法による高密度オーステナイ
ト系ステンレス鋼焼結体及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】平均粒径30μm以下の、Cr≧17%、C≦
1%のアトマイズFe−Cr合金粉末;金属Ni粉末、
Fe−Cr粉末及び酸化Ni粉末の群から選択された1
種以上の粉末;金属Mo粉末,Fe−Mo粉末、MoO
3 粉末及びMo 2 C粉末の群から選択された1種以上の
粉末;鉄系粉末、窒化鉄粉末及び酸化鉄粉末の群から選
択された1種以上の粉末の混合物をバインダーと混合し
て射出成形し、成形体を脱バインダー処理し、C/Oモ
ル比を0.5〜1.0として、0.1torr以下で焼結
後、非酸化性雰囲気中で焼結して得られる焼結体の密度
比95%以上、炭素量0.15%以下、酸素量0.5%
以下の高密度オーステナイト系ステンレス鋼焼結体及び
その製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属粉末射出成形法に
よるオーステナイト系ステンレス鋼焼結体およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼は耐食
性、耐酸化性に優れており、広く工業分野で用いられて
いる。焼結体は、溶製材に比ベて材料の歩留りがよく、
機械加工費等が安いといった点で優れており、特に射出
成形法等で微粉末を原料とすると高密度の焼結体が得ら
れるため、溶製材に近い耐食性が得られる点で注目され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、オーステナイト
系ステンレス鋼焼結体を製造する場合、プレアロイ粉末
を原料粉末として用い、焼結体を得ている。しかしなが
らプレアロイ粉末を用いた場合、焼結体の組成はその粉
末の組成によって規定されるため、合金設計の自由度が
限定されてしまうという問題があった。プレアロイ粉末
を用いた場合においても、これに他の金属粉末を混合す
ることにより、原料粉末の組成を変えることも可能であ
るが、均一に合金化しないといった問題点が残る。
【0004】一方、オーステナイト系ステンレス鋼組成
に含まれるFe(鉄)、Cr(クロム)、Ni(ニッケ
ル)およびMo(モリブデン)といった元素を含む粉末
を出発原料とすれば、合金設計の自由度が大きくなると
いう利点がある。このような試みは、「材料とプロセ
ス、Vol.5(1992年)1808頁」においてな
されており、Fe粉、Ni‐58Cr粉、Mo粉の組み
合わせ、あるいはFe粉、Ni粉、Cr粉、Mo粉の組
み合わせでSUS316ステンレス鋼組成の焼結体をプ
レス成形法および射出成形法により作製したことが報告
されている。しかし、いずれにおいても均一に合金化し
た高密度の焼結体は得られておらず、密度比で92.9
%未満(7.42g/cm3 )である。また、SUS316
ステンレス鋼粉のプレアロイ粉を用いても、密度比は9
5.2%(7.61g/cm3 )程度である。ここで密度比
とは、得られた焼結体の密度を真密度(SUS316ス
テンレス鋼では7.99g/cm3 )で割った値のことであ
る。
【0005】本発明は以上の実状を鑑みて為されたもの
であり、混粉法により均一に合金化した密度比95%以
上の高密度のオーステナイト系ステンレス鋼焼結体及び
その製造方法に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本研究者らは、混粉法に
よるオーステナイト系ステンレス鋼焼結体の高密度化に
ついて研究を重ねた結果、混粉法により均一に合金化し
た高密度のオーステナイト系ステンレス鋼焼結体を得る
ためには、Cr源が重要な役割を果していることを突き
とめた。そして、このような高密度のオーステナイト系
ステンレス鋼焼結体を得るためには、Cr源にアトマイ
ズフェロクロム合金粉末を用いることが不可欠であるこ
とを明らかにした。
【0007】すなわち、第一の発明は、いずれの粉末も
平均粒径が30μm以下であって、Cr≧17%、C≦
1%のアトマイズフェロクロム合金粉末と;金属ニッケ
ル粉末、フェロニッケル粉末及び酸化ニッケル粉末を含
む群から選択された1種以上と;金属モリブデン粉末、
フェロモリブデン粉末、三酸化モリブデン粉末及び炭化
モリブデン粉末を含む群から選択された1種以上と;鉄
系粉末、窒化鉄粉末及び酸化鉄粉末を含む群から選択さ
れた1種以上との混合物をバインダーと混合して射出成
形し、成形体に脱バインダー処理を施し、C/Oモル比
を0.5〜1.0として、0.1torr以下の減圧下での
焼結後、非酸化性雰囲気中で焼結することを特徴とする
高密度オーステナイト系ステンレス鋼焼結体の製造方法
である。
【0008】また、第二の発明は、いずれの粉末も平均
粒径が30μm以下であって、Cr≧17%、C≦1%
のアトマイズフェロクロム合金粉末と;金属ニッケル粉
末、フェロニッケル粉末及び酸化ニッケル粉末を含む群
から選択された1種以上と;金属モリブデン粉末、フェ
ロモリブデン粉末、三酸化モリブデン粉末及び炭化モリ
ブデン粉末を含む群から選択された1種以上と;鉄系粉
末、窒化鉄粉末及び酸化鉄粉末を含む群から選択された
1種以上との混合物をバインダーと混合して射出成形
し、成形体に脱バインダー処理を施し、C/Oモル比を
0.5〜1.0として、0.1torr以下の減圧下での焼
結後、非酸化性雰囲気中で焼結して得られる、焼結体密
度比が95%以上、焼結体中の炭素量が0.15%以
下、酸素量が0.5%以下であることを特徴とする高密
度オーステナイト系ステンレス鋼焼結体である。
【0009】
【作用】ここで、Fe、Cr、Ni、Mo源となる各粉
末の平均粒径は、30μm以下でなければならない。さ
らに好ましい平均粒径範囲は0.1μmから20μmで
ある。平均粒径をこの範囲としたのは、平均粒径が30
μmを越えると焼結性が悪くなり、高密度の焼結体を得
ることができないためである。また、平均粒径が0.1
μm未満であると、工業的な製造が困難となり、粉末コ
ストが高くなるからである。
【0010】Cr源には、Cr≧17%、C≦1%のア
トマイズフェロクロム粉末を用いる。電解クロム粉末な
どのクロム系粉末では粉末表面の酸化物が焼結を妨げ、
焼結密度が上がらないためである。また、Cr含有量を
17wt%以上としたのは、Cr含有量が17wt%未
満では他の粉末と混合して得られる焼結体のCr含有量
が低くなり、目標の組成が得られないためである。ま
た、Cr含有量は50wt%以下であることが好まし
い。特に好ましいCr含有量の範囲は、20〜30wt
%である。一方、C含有量を1%以下としたのは、C含
有量が1%を越えると粉末中での鉄あるいはクロムの炭
化物の割合が高くなって焼結を遅らせ、焼結密度が上が
らなくなるためである。したがってC含有量の高いフェ
ロクロム粉砕粉は適さない。好ましいC含有量は、0.
1wt%以下である。
【0011】Fe源には、アトマイズ鉄粉、カルボニル
鉄粉、還元鉄粉、電解鉄粉、粉砕鉄粉などの鉄系粉末;
窒化鉄粉;およびFeO、Fe2 3 、Fe3 4 等の
酸化鉄粉末を用いることができ、また、これらを2種以
上組み合わせて用いてもよい。特に好ましいものは、カ
ルボニル鉄粉、アトマイズ鉄粉、窒化鉄粉等である。
【0012】Ni源には、カルボニルニッケル粉、還元
ニッケル粉、電解ニツケル粉及び粉砕ニッケル粉などの
金属ニッケル粉末;アトマイズフェロニツケル粉、フェ
ロニツケル粉砕粉などのフェロニッケル系粉末;および
NiO(酸化ニッケル)等の酸化ニッケル粉末を用いる
ことができ、またこれらを2種以上組み合わせて用いて
もよい。カルボニルニッケル粉、フェロニッケル系粉末
等の使用が特に好ましい。
【0013】Mo源には、還元モリブデン粉などの金属
モリブテン粉末;アトマイズフェロモリブデン粉、フェ
ロモリブデン粉砕粉などのフェロモリブテン粉末;三酸
化モリブデン粉末、炭化モリブデン粉末を用いることが
でき、またこれらを2種以上組み合わせて用いてもよ
い。還元モリブデン粉、フェロモリブテン粉末等が特に
好ましい。好ましいMoの添加量は、ステンレス鋼の組
成によって決定される。
【0014】さらに、脱脂体のC/Oモル比を調整する
ために、黒鉛粉末を添加してもよい。また、Fe2 3
等の酸化物粉末を添加してもよい。黒鉛粉末は10%以
下添加してもよい。黒鉛粉末の添加量をこの範囲内とし
たのは、この添加量が10%を超えると焼結時のCO反
応によって大量のガスが発生し、焼結を阻害するため高
密度の焼結体が得られなくなるためである。特に好まし
い添加量は、3%以下である。
【0015】目標の組成になるように上記の各粉末の配
合比を決めた後、混合を行う。ここで添加する有機バイ
ンダーは、金属粉末射出成形法に用いられているポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート等
の熱可塑性樹脂、パラフィンワックス、カルナバワック
ス、モンタンワックス等のワックス、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジエチルフタレート等の可
塑剤からなるものを使用することができる。混練は加圧
ニーダー、ヘンシェルミキサーなどを使用して行うこと
ができ、これらを2種以上組み合わせて混練してもよ
い。射出成形は、インラインスクリュー式射出成形機等
の一般的な熱可塑性プラスチック用射出成形機を用いて
行うことができる。
【0016】成形体の脱バインダー処理(脱脂処理)
は、酸化を防ぐために、非酸化性雰囲気中あるいは減圧
中で熱分解法により行うことが望ましい。非酸化性雰囲
気としては、不活性ガスを用いることが好ましい。窒素
ガス、アルゴンガス等が特に好ましい。減圧時の圧力
は、0.1torr以下であることが好ましく、1×10-2
〜1×10-4torrの以下であることが特に好ましい。減
圧時の圧力をこの範囲としたのは、0.1torr超である
と粉末の酸化が起こり、また、酸化防止は、1×10-4
torr以上、1×10-2torr以下で十分であり、1×10
-4torr未満の圧力にしても、脱脂時間の延長やコストの
上昇を招くだけだからである。
【0017】脱脂処理は、450℃〜700℃の範囲ま
で、5〜40時間で昇温することにより行う。500℃
まで、20時間で昇温することが特に好ましい。また、
前述のワックス及び可塑剤が蒸発するような温度域で、
成形体に、ふくれ、割れ等の欠陥が発生しないように保
持することもできる。この脱脂処理により、焼結体中の
バインダーが熱分解され、除去される。
【0018】脱脂後の成形体のC/Oモル比は、0.5
〜1.0の範囲内とする。C/Oモル比がこの範囲を外
れると、次の焼結時のCO反応によってC量、O量が共
に低減せず、焼結体中のC量あるいはO量が高くなって
しまうためである。脱脂後の成形体のC/Oモル比は、
0.8〜1.0であることが特に好ましい。
【0019】焼結は、0.1torr以下で、好ましくは1
×10-2〜1×10-4torrの減圧下で焼結した後、非酸
化性雰囲気中で焼結する。通常、減圧下での焼結温度は
1,000〜1,200℃、保持時問は0.5〜4時間
であり、非酸化性雰囲気中での焼結温度は1,250〜
1,375℃、保持時間は0.5〜4時間である。減圧
下における焼結温度をこの範囲としたのは、1,000
℃未満ではCO反応が十分進行せず、焼結体のC量、O
量が高くなり、1,200℃を越えるとCrが飛散して
焼結体表面にCr欠乏層が形成され、耐食性が低下する
ためである。
【0020】減圧下における焼結温度は、1,100〜
1,150℃が特に好ましい。保持時間は、1〜2時間
であることが特に好ましい。保持時間をこの範囲とした
のは、0.5時間未満では焼結が不十分で空孔が閉じな
いために、続いて行う非酸化性雰囲気中での焼結時に焼
結体中にガスが閉じ込められて密度が上がらず、また、
空孔が閉じるには、1時間以上2時間以下保持すれば十
分であり、4時間を越えて保持しても焼結時間延長やコ
ストの上昇を招くだけだからである。また、非酸化性雰
囲気中での焼結温度をこの範囲としたのは、1,250
℃未満では高密度が得られず、一方、1,375℃を越
えても密度は上昇するが、エネルギーコストが高くな
り、経済的に不利になるからである。非酸化性雰囲気中
での焼結温度は、1,300〜1,375℃が特に好ま
しい。保持時間は、1〜3時間であることが特に好まし
い。保持時間をこの範囲としたのは、0.5時間未満で
は焼結が不十分なため高密度の焼結体が得られず、また
4時間を越えて焼結しても特に焼結体の密度の向上はな
く、焼結時間の延長やコストの上昇を招くだけだからで
ある。以上のようにして、高密度オーステナイト系ステ
ンレス鋼焼結体を得る。
【0021】
【実施例】
(実施例1)表1−1及び表1−2に示したように粉末
を組み合わせ、SUS316ステンレス鋼組成となるよ
うに配合し、V型混合機によって30分間混合した。用
いた粉末は、表2に示すように比較例1を除いていずれ
も平均粒径30μm以下のものである。
【0022】これらを、熱可塑性樹脂、ワックス、可塑
剤からなる有機バインダーと共に加圧ニーダーにより混
練し、金属粉末射出成形用コンパウンドを作製した。成
形にはインラインスクリュー式の射出成形機を用い、5
0×10×5mmの試験片を成形した。成形体は、窒素ガ
ス中で500℃まで48時間で昇温することにより脱脂
を行った。次に1×10-3torrの減圧下で1,150℃
で1時間焼結した後、アルゴンガス雰囲気下で1,35
0℃で1時間保持することにより焼結を行った。こうし
て得られた焼結体の密度、焼結体中のC量、O量および
脱脂後のC/Oモル比を表1−1及び表1−2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】 表 2 ─────────────────────────────────── 原料粉末 平均粒径(μm) ─────────────────────────────────── カルボニルFe粉 12μm 水アトマイズ鉄粉 24μm 還元鉄粉 20μm 電解鉄粉 8μm 粉砕鉄粉 16μm 窒化鉄粉 10μm Fe2O3 粉 11μm Fe-30Cr アトマイズ粉 16μm,**35μm 電解クロム粉 12μm カルボニルNi粉 11μm 還元Ni粉 18μm 電解Ni粉 7μm 粉砕Ni粉 13μm Fe-36Ni アトマイズ粉 11μm Fe-50Ni 粉砕粉 13μm NiO粉 12μm Mo粉 14μm Fe-50Mo アトマイズ粉 13μm Fe-60Mo 粉 15μm MoO3粉 14μm Mo2C 12μm ───────────────────────────────────
【0026】表1−1及び表1−2に示すように、平均
粒径が30μmを越える粉末を用いた比較例1の鋼で
は、焼結体の密度が上がらなかった。また、電解クロム
粉を含む混合粉を用いた比較例2の鋼では、やはり焼結
体密度が上がらなかった。さらに、比較例4の鋼のよう
にFe−Cr粉を用いた場合でも、C含量が1%を越え
る比較例3の鋼では、焼結体密度が上がらなかった。こ
れに対し、C含有量が1%未満のFe−Cr粉を用いた
混合粉で製造した本発明例1〜21のオーステナイト鋼
では、いずれも95%以上の高い密度比が得られてお
り、焼結体中のC量、O量ともに低い値になっていた。
95%以上の密度比が得られた上記本発明例の焼結体を
王水でエッチングし、光学顕微鏡で組織を観察した結
果、均一なオーステナイト組織となっていることが確認
された。
【0027】(実施例2)カルボニルFe粉、Fe−3
0Crアトマイズ粉(C:0.02wt%)カルボニルN
i粉およびMoO3 粉を用いて、SUS316ステンレ
ス鋼組成となるように配合し、本発明例22〜25、比
較例6〜11とし、V型混合機によって30分間混合し
た。混合粉には脱脂後のC/Oモル比を調整するために
黒鉛粉末あるいはFe2 3 粉を添加した。用いた粉末
は比較例1の鋼に使用したFe−30Crアトマイズ粉
を除き、いずれも平均粒径30μm以下のものである。
これらの混合粉を実施例1と同様にして脱脂まで行い、
表3−1及び表3−2に示した減圧下で1,150℃で
1時間保持した後、アルゴンガス雰囲気で1,350℃
で1時間保持することにより焼結を行った。結果を表3
−1及び表3−2に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】脱脂後のC/Oモル比、焼結時の真空度、
焼結体の密度および焼結体中のC量及びO量を表3−1
及び表3−2に示した。脱脂体のC/O比が0.5〜
1.0の本発明例22〜25のオーステナイト鋼では、
焼結体中のC量及びO量は、それぞれ0.15wt%、
0.5wt%以下に抑えられており、密度比も95%以
上が得られた。比較例6及び7の鋼のように、脱脂体の
C/Oモル比が0.5より小さくなると焼結体中のO量
が高くなり、密度は低くなった。また、比較例8及び9
の鋼のように、脱脂体のC/Oモル比が1.0より大き
くなると焼結体中のC量が高くなり、密度は低くなっ
た。
【0031】焼結時の真空度が0.1torr以下の本発明
例22〜25のオーステナイト鋼では、密度比95%以
上の焼結体が得られているが、0.1torrを越えた比較
例10及び11の焼結体中のC量、O量が高くなり、密
度は低くなった。95%以上の密度比が得られた上記本
発明例の焼結体を王水でエッチングし、光学顕微鏡で組
織を観察した結果、均一なオーステナイト組織となって
いることが碓認された。
【0032】(実施例3)カルボニルFe粉、Fe−3
0Crアトマイズ粉(C:0.02wt%)、カルボニル
Ni粉およびMo粉を用いて、表4に示す組成に配合し
て本発明例26〜29とし、以下実施例1と同様にして
焼結を行った。焼結体の密度、C量、O量を表4に示
す。
【0033】
【0034】表4に示す本発明例26〜29のオーステ
ナイト鋼では、いずれの組成においても焼結体のC量、
O量はそれぞれ0.15wt%、0.5wt%以下に抑えら
れており、密度比も95%以上が得られた。
【0035】
【発明の効果】本発明は、混粉法により金属粉末射出成
形法を行って均一に合金化した密度比95%以上の高密
度のオーステナイト系ステンレス鋼焼結体を得ることが
できた。これによって、混粉法による材料自由度の向上
に寄与することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22F 3/10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末はいずれも平均粒径が30μm以下で
    あって、Cr≧17%、C≦1%のアトマイズフェロク
    ロム合金粉末と;金属ニッケル粉末、フェロニッケル粉
    末及び酸化ニッケル粉末を含む群から選択された1種以
    上と;金属モリブデン粉末,フェロモリブデン粉末、三
    酸化モリブデン粉末及び炭化モリブデン粉末を含む群か
    ら選択された1種以上と;鉄系粉末、窒化鉄粉末及び酸
    化鉄粉末を含む群から選択された1種以上との混合物を
    バインダーと混合して射出成形し、成形体に脱バインダ
    ー処理を施し、C/Oモル比を0.5〜1.0として、
    0.1torr以下の減圧下での焼結後、非酸化性雰囲気中
    で焼結することを特徴とする高密度オーステナイト系ス
    テンレス鋼焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】粉末はいずれも平均粒径が30μm以下で
    あって、Cr≧17%、C≦1%のアトマイズフェロク
    ロム合金粉末と;金属ニッケル粉末、フェロニッケル粉
    末及び酸化ニッケル粉末を含む群から選択された1種以
    上と;金属モリブデン粉末、フェロモリブデン粉末、三
    酸化モリブデン粉末及び炭化モリブデン粉末を含む群か
    ら選択された1種以上と;鉄系粉末、窒化鉄粉末及び酸
    化鉄粉末を含む群から選択された1種以上との混合物を
    バインダーと混合して射出成形し、成形体に脱バインダ
    ー処理を施し、C/Oモル比を0.5〜1.0として、
    0.1torr以下の減圧下での焼結後、非酸化性雰囲気中
    で焼結して得られる、焼結体密度比が95%以上、焼結
    体中の炭素量が0.15%以下、酸素量が0.5%以下
    であることを特徴とする高密度オーステナイト系ステン
    レス鋼焼結体。
JP6017464A 1994-02-14 1994-02-14 高密度オーステナイト系ステンレス鋼焼結体及びその製造方法 Withdrawn JPH07224348A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013145198A1 (ja) * 2012-03-28 2013-10-03 株式会社K・S・A 生体インプラントの製造方法及び生体インプラント

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WO2013145198A1 (ja) * 2012-03-28 2013-10-03 株式会社K・S・A 生体インプラントの製造方法及び生体インプラント

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