JPH07224038A - ピコリン酸誘導体 - Google Patents

ピコリン酸誘導体

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JPH07224038A
JPH07224038A JP1707094A JP1707094A JPH07224038A JP H07224038 A JPH07224038 A JP H07224038A JP 1707094 A JP1707094 A JP 1707094A JP 1707094 A JP1707094 A JP 1707094A JP H07224038 A JPH07224038 A JP H07224038A
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JP
Japan
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carbonyl
pyridinecarboxylic acid
compound
formula
general formula
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Application number
JP1707094A
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English (en)
Inventor
Michihiko Miyamoto
充彦 宮本
Kunio Okumura
邦雄 奥村
Yuichiro Kokubu
裕一郎 国分
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホスホリパーゼA2の酵素活性に対する新規
阻害物質を提供する。 【構成】 一般式(1)で表される化合物を有効成分と
して含有する医薬組成物。 【効果】 本発明の一般式(1)で表される化合物は高
いホスホリパーゼA2阻害活性を有するので、ホスホリ
パーゼA2によるエイコサノイドの過剰生成に伴う種々
の疾患の予防治療剤として有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピコリン酸誘導体、及び
その医薬品の利用に関するものである。さらに詳しく
は、ピコリン酸誘導体を有効成分として含有する炎症、
アレルギー、リュウマチ及び膵炎の治療剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】これまで炎症の治療薬として、ステロイ
ド系薬剤と、非ステロイド系薬剤とが知られている。前
者はプロスタグランジン、ロイコトリエン類の両方の生
合成経路を阻害することにより、強い抗炎症作用を示す
が、同時に副作用が現れることが多い。また後者は前者
に比較して、抗炎症作用が弱い。一方プロスタグランジ
ン、ロイコトリエンの一連の生体内反応の律速酵素とし
てホスホリパーゼA2(以下PLA2と略)が注目され
ている。このPLA2の阻害剤はプロスタグランジンと
ロイコトリエンの両方の生合成を抑えることができ、副
作用が少なく、かつ強力な抗炎症作用を有する薬剤であ
ると期待されている。さらには、PLA2を阻害するこ
とにより、リュウマチ、アレルギー、敗血症、虚血性血
管障害、膵炎、潰瘍等の治療にも有効であると考えられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来知られているPL
A2阻害物質には、p−ブロモフェナシルブロミド等種
々のものが知られているが、阻害活性が弱いなどの問題
を含んでいる。本発明はPLA2の酵素活性に対する強
力な新規阻害物質を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、下
記一般式(1)[化4]
【0005】
【化4】 (式中、R1は水素原子または炭素数1から5の直鎖状
あるいは分枝状アルキル基を示し、X1は酸素原子また
は−N(R3)−を示し、X2は酸素原子または−N(R
4)−を示し、R2は炭素数6から20の直鎖状あるいは
分枝状アルキル基、シクロアルキル基、デヒドロアビエ
チル基またはシクロアルキル基置換低級アルキル基を示
し、R3は水素原子または低級アルキル基を示し、R4
水素原子または低級アルキル基を示すか、R2とR4が連
結してアルキレン鎖となることにより複素環構造を形成
してもよい)で表されることを特徴とするピコリン酸誘
導体またはその薬学的に許容される塩により達成され
る。
【0006】本発明と類似の構造をもつ2、6−ビス
(N−低級アルキルカルバモイル)ピリジン誘導体とし
ては、抗癌剤およびIgE抗体抑制作用に関する特開昭
58−105920号、特開昭58−159465号お
よび特開昭62−53966が知られているが、これら
の公報にはピリジン誘導体がPLA2阻害作用を持つ旨
の記載はない。本発明の一般式で示される化合物は新規
化合物であり、これらの公報で記載される薬理学的特性
からは全く推論できなかったものである。
【0007】本発明の一般式(1)において、シクロア
ルキル基とはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基等を示し、低級アルキル基とはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イ
ソプロピル基、t−ブチル基等を示し、R2とR4が連結
してアルキレン鎖となることにより形成される複素環構
造とはピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン
環等を示す。
【0008】上記一般式(1)で示される化合物の薬学
的に許容される塩における「薬学的に許容される」と
は、人体に投与された時において著しい副作用、または
毒性が出現しないことを、及びその薬理活性を消失させ
ないことを意味し、該塩は遊離塩基または遊離酸の中和
により製造することができる。薬学上許容される塩を構
成できる酸としては、塩酸、臭化水素酸、燐酸、メタン
スルホン酸、マロン酸、クエン酸等の有機または無機酸
を挙げることができ、塩基としては、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、アンモニア、トリエチルアミン等の
有機または無機塩基を挙げることができる。前記一般式
(1)の化合物は、例えば次の工程を含む方法に従い製
造することができる。下記一般式(2)[化5]
【0009】
【化5】 (式中、R1、X1およびR3は前記に同じであり、Yは
ハロゲン原子または下記一般式(3)との反応の際に脱
離基となりうる置換基を示す。)で表される化合物と、
下記一般式(3)[化6]
【0010】
【化6】R2−X2−H (3) (式中、X2およびR2は前記に同じである。)で表され
る化合物とを溶媒を用いずに混合するか、適当な溶媒や
分散剤中に溶解または懸濁した状態で反応させることに
より、前記一般式(1)の化合物を得ることができる。
一般式(2)において、ハロゲン原子としてはフッ素
原、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることがで
き、脱離基となりうる置換基としてはp−ニトロフェノ
キシ基またはスクシンイミドキシ基等の活性エステルを
形成するフェノキシ基またはイミドキシ基およびヒドラ
ジノ基を挙げることができる。
【0011】この反応は−30℃から、当該反応混合物
の還流温度以下の温度で行われ、例えば好ましくは−5
〜150℃、更に好ましくは0〜30℃の範囲から選ば
れる。また反応液中に塩基を共存させることにより反応
をより好ましく進行させることができる。この反応に用
いる適当な溶媒または分散剤としては、この反応に対し
て不活性な溶媒や分散剤ならば制限なく利用でき、例え
ばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、ジオキサン、ベンゼン、ジメ
チルスルホキシド等を利用できる。またこの反応を促進
させる効果のある塩基としては、例えばトリエチルアミ
ン、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化
ナトリウム等を挙げることができる。
【0012】以下に本発明の化合物の具体例を例示す
る。 (1)6−[[(n−ヘキシル)アミノ]カルボニル]
−2−ピリジンカルボン酸 (2)6−[[(n−オクチル)アミノ]カルボニル]
−2−ピリジンカルボン酸 (3)6−[[(n−デシル)アミノ]カルボニル]−
2−ピリジンカルボン酸(4)6−[[(n−ドデシ
ル)アミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (5)6−[[(n−トリデシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 (6)6−[[(n−ヘキサデシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 (7)6−[[(n−オクタデシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 (8)6−[[(1−メチルヘキシル)アミノ]カルボ
ニル]−2−ピリジンカルボン酸 (9)6−[[(11−メチルドデシル)アミノ]カル
ボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (10)6−[[(3、7、11、15−テトラメチル
ヘキサデシル)アミノ]カルボニル]−2−ピリジンカ
ルボン酸 (11)6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 メチルエステル (12)6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 エチルエステル (13)6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 プロピルエステル (14)6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 ブチルエステル (15)6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 ペンチルエステル (16)6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 t−ブチルエステル (17)6−[[(n−ヘキサデシル)アミノ]カルボ
ニル]−2−ピリジンカルボン酸 メチルエステル (18)6−[[(n−ヘキサデシル)アミノ]カルボ
ニル]−2−ピリジンカルボン酸 エチルエステル
【0013】(19)6−[[(n−ヘキシル)オキ
シ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (20)6−[[(n−オクチル)オキシ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 (21)6−[[(n−デシル)オキシ]カルボニル]
−2−ピリジンカルボン酸 (22)6−[[(n−ドデシル)オキシ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 (23)6−[[(n−トリデシル)オキシ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 (24)6−[[(n−ヘキサデシル)オキシ]カルボ
ニル]−2−ピリジンカルボン酸 (25)6−[[(n−オクタデシル)オキシ]カルボ
ニル]−2−ピリジンカルボン酸 (26)6−[[(1−メチルヘキシル)オキシ]カル
ボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (27)6−[[(11−メチルドデシル)オキシ]カ
ルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (28)6−[[(9、11−ジメチルドデシル)オキ
シ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (29)6−[[(n−ドデシル)オキシ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 メチルエステル (30)6−[[(n−ドデシル)オキシ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 エチルエステル (31)6−[[(n−ドデシル)オキシ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 プロピルエステル (32)6−[[(n−ドデシル)オキシ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 ブチルエステル (33)6−[[(n−ドデシル)オキシ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 ペンチルエステル (34)6−[[(n−ドデシル)オキシ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 t−ブチルエステル
【0014】(35)6−[(デヒドロアビエチルアミ
ノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (36)6−[(デヒドロアビエチルアミノ)カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 メチルエステル (37)6−[(1−ピロリジニル)カルボニル]−2
−ピリジンカルボン酸 (38)6−[(1−ピペリジニル)カルボニル]−2
−ピリジンカルボン酸 (39)6−[(ヘキサメチレンイミノ)カルボニル]
−2−ピリジンカルボン酸 (40)6−[[[(シクロペンチル)メチル]アミ
ノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (41)6−[[[(シクロヘキシル)メチル]アミ
ノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (42)6−[[[(シクロヘプチル)メチル]アミ
ノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (43)6−[[[2−(シクロヘプチル)エチル]ア
ミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (44)6−[[[4−(シクロヘキシル)ブチル]ア
ミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (45)6−[[N−(n−ヘキシル)−N−(メチ
ル)アミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (46)6−[[N−(n−ドデシル)−N−(メチ
ル)アミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (47)6−[[N−(n−ドデシル)−N−(プロピ
ル)アミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 (48)6−[[N−(n−ヘキサデシル)−N−(メ
チル)アミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸
【0015】(49)6−[[(n−ドデシル)アミ
ノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸アミド (50)6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニ
ル]−N−メチル−2−ピリジンカルボン酸アミド (51)6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニ
ル]−N−プロピル−2−ピリジンカルボン酸アミド (52)6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニ
ル]−N,N−ジエチル−2−ピリジンカルボン酸アミ
ド (53)6−[[(n−デシル)アミノ]カルボニル]
−N−ペンチル−2−ピリジンカルボン酸アミド (54)6−[(デヒドロアビエチルアミノ)カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸アミド (55)6−[(デヒドロアビエチルアミノ)カルボニ
ル]−N−エチル−2−ピリジンカルボン酸アミド (56)6−[(1−ピペリジニル)カルボニル]−2
−ピリジンカルボン酸アミド (57)6−[[[(シクロヘキシル)メチル]アミ
ノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸アミド (58)6−[[[(シクロヘキシル)メチル]アミ
ノ]カルボニル]−N,N−ジメチル−2−ピリジンカ
ルボン酸アミド (59)6−[[(シクロペンチル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 (60)6−[[(シクロヘプチル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 (61)6−[[(シクロヘキシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 (62)6−[[(シクロヘキシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸 メチルエステル (63)6−[[(シクロヘキシル)アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸アミド。
【0016】本発明の一般式(1)で表される化合物は
PLA2阻害活性を有し、PLA2によるエイコサノイ
ドの過剰生成に伴う種々の疾患の予防治療剤、例えば炎
症、リュウマチ、アレルギー、敗血症、虚血性血管障
害、膵炎、潰瘍等の治療に有効である。本発明の医薬品
組成物は非経口、経口、経粘膜、経皮等の投与方法によ
って投与することができる。このため、本発明の医薬品
組成物は、錠剤、コート錠剤、糖衣錠、カプセル、溶
液、懸濁液または乳濁液等の形態として提供される。本
発明の前記一般式(1)の化合物及びその塩を抗炎症
剤、抗アレルギー剤、膵炎治療薬、敗血症治療剤等とし
て用いる場合、その投与量、剤形は、有効成分として用
いる本発明の化合物の物性、投与対象の症状により異な
るが、例えば成人1日あたり、10〜1000mg、好
ましくは10〜500mgを経口的に、錠剤、カプセル
剤等として、または非経口的に、例えば座剤、注射剤、
輸液用等張液、あるいは吸入剤、貼付剤として投与でき
る。製剤中における有効成分の含有量は特に制限はない
が、通常は1〜90%である。
【0017】
【実施例】
実施例1 6−[[(n−ドデシル)アミノ]カルボニル]−2−
ピリジンカルボン酸(化合物1)の製造 2、6−ピリジンカルボン酸モノメチルエステルカリウ
ム塩0.2gに塩化チオニル0.7mlを加え1時間加
熱還流した。過剰の塩化チオニルを留去した後、残渣を
クロロホルムに溶かしドデシルアミン0.2g、トリエ
チルアミン0.3mlを加え室温で10時間反応した。
水、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで
乾燥後溶媒を留去すると6−[[(n−ドデシル)アミ
ノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸 メチルエ
ステル0.3g(収率75%)を得た。6−[[(n−
ドデシル)アミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボ
ン酸 メチルエステル0.2gをメタノ−ル10mlに
溶かし、水酸化ナトリウム0.2gを加え1時間加熱還
流した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣を水に溶かし
クロロホルムで洗浄後塩酸で酸性にし、クロロホルムで
抽出した。溶媒を減圧濃縮することにより6−[[(n
−ドデシル)アミノ]カルボニル]−2−ピリジンカル
ボン酸(化合物1)0.2g(収率83%)を得た。 NMR(CDCl3)δppm;0.87(t,3H)1.
26−1.72(m,20H)3.50−3.52
(m,2H)7.65(br、1H)8.13(t,3
H)8.38(d,2H)8.50(d,2H)
【0018】実施例2 6−[[1−(シクロヘプチル)メチルアミノ]カルボ
ニル]−2−ピリジンカルボン酸(化合物2)の製造 トリフェニルホスフィン10.2gをTHF20mlに
溶かし、フタルイミド5.7g、シクロヘプチルメタノ
−ル5.4mlを加えた。この溶液中にジエチルアザジ
カルボキシレ−ト6.1mlのTHF溶液15mlを滴
下し、室温で1時間反応した。溶媒を留去し残渣にエ−
テルを加え、不溶物を濾去した。次に濾液を減圧濃縮し
た後エタノ−ル10mlに溶かし、ヒドラジン一水和物
と2時間加熱還流した。冷後濃塩酸を加え沈澱を濾去し
濾液を濃縮後エタノ−ル/水で洗浄した。得られた粗製
物を2,6−ピリジンジカルボン酸モノメチルエステル
カリウム塩0.4gと塩化チオニル1.2mlから調製
した酸クロリドのTHF溶液10mlおよびトリエチル
アミン0.4mlを加え、室温で2時間反応した。不溶
物を濾去した後濃縮残渣をシリカゲルクロマトにより精
製すると6−[[[(シクロヘプチル)メチル]アミ
ノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸メチルエス
テル0.16g(収率11%)を得た。得られた6−
[[[(シクロヘプチル)メチル]アミノ]カルボニ
ル]−2−ピリジンカルボン酸メチルエステル0.14
gと水酸化ナトリウム20mgをメタノ−ル10mlに
溶かし室温で1時間反応させた。溶媒を留去した後、濃
縮残渣を水に溶かしクロロホルムで洗浄した。水層を塩
酸で酸性にした後、クロロホルムで抽出し溶媒を留去す
ることにより6−[[[(シクロヘプチル)メチル]ア
ミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(化合物
2)0.12g(収率90%)を得た。 NMR(DMSO−d6)δppm;1.15−1.95
(m,3H)1.36−1.98(m,10H)1.3
1−1.67(m,2H)7.85−7.92(m,2
H)7.98−8.00(m,1H)9.43(m,1
H)
【0019】実施例3 6−[(デヒドロアビエチルアミノ)カルボニル]−2
−ピリジンカルボン酸(化合物3)の製造 2,6−ピリジンジカルボン酸モノメチルエステルカリ
ウム塩0.4gをトルエン15mlに加え、塩化チオニ
ル0.3ml、DMF1滴を加えて1時間加熱還流し
た。溶媒を減圧濃縮後、残渣をTHF10mlに溶か
し、デヒドロアビエチルアミン0.64g、トリエチル
アミン0.3mlのTHF溶液20mlに氷冷下滴下し
た。室温で3時間攪拌した後、溶媒を減圧濃縮し、濃縮
残渣を酢酸エチルに溶かし飽和食塩水で洗浄した。硫酸
ナトリウムで乾燥後溶媒の濃縮残渣をシリカゲルカラム
クロマト(クロロホルム)で精製すると6−[(デヒド
ロアビエチルアミノ)カルボニル]−2−ピリジンカル
ボン酸 メチルエステル0.8g(収率93%)を得
た。得られた6−[(デヒドロアビエチルアミノ)カル
ボニル]−2−ピリジンカルボン酸 メチルエステル
0.8gをメタノ−ル10mlに溶かし、水酸化カリウ
ムのメタノ−ル溶液(85%水酸化カリウム0.57g
をメタノ−ル50mlに溶かした溶液)10mlを加え
室温で2日間反応させた。溶媒を減圧濃縮し濃縮残渣を
シリカカラムクロマト(メタノ−ル:クロロホルム:酢
酸=5:50:1)で精製した。目的分画をトルエンと
ヘキサンから再結晶することにより6−[(デヒドロア
ビエチルアミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン
酸(化合物3)0.46g(収率62%)を得た。 NMR(DMSO−d6)δppm;0.90(s、3H)
1.12(d,9H)1.23〜1.39(m,3H)
1.52〜1.67(m,3H)1.95〜2.05
(m,1H)2.22〜2.25(m,1H)2.67
〜2.80(m,3H)3.10〜3.15(m,1
H)3.35〜3.55(m,2H)6.80(s,1
H)6.91(d,1H)7.10(d,1H)8.0
1(t,1H)8.10〜8.14(m,2H)8.1
6〜8.22(m,1H)
【0020】実施例4 6−[[(n−ヘキサデシル)オキシ]カルボニル]−
2−ピリジンカルボン酸(化合物4)の製造 実施例1においてドデシルアミンに代わり、n−ヘキサ
デカノールを用いる以外は同様に処理することにより6
−[[(n−ヘキサデシル)オキシ]カルボニル]−2
−ピリジンカルボン酸(化合物4)を得た。 融点 92−93℃ NMR(CDCl3);0.88(t,3H)1.26
−1.51(m,11H)1.80−1.84(m,2
H)4.41−4.44(m,2H)8.13(t,1
H)8.35(d,1H)8.41(d,1H) IR ν(KBr)max(cm-1);2917,174
0,1710,1576,1471,1262,115
7,1085,855,753
【0021】実施例5 6−[[(n−ヘキサデシル)アミノ]カルボニル]−
2−ピリジンカルボン酸メチルエステル(化合物5)の
製造 2、6−ピリジンジカルボン酸モノメチルエステルカリ
ウム塩0.2gに塩化チオニル0.7mlを加え1時間
加熱還流した。過剰の塩化チオニルを留去した後、残渣
をクロロホルムに溶かしヘキサデシルアミン0.25
g、トリエチルアミン0.3mlを加え室温で10時間
反応した。水、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで乾燥後溶媒を留去することにより6−
[[(n−ヘキサデシル)アミノ]カルボニル]−2−
ピリジンカルボン酸メチルエステル(化合物5)0.3
g(収率75%)を得た。 NMR(CDCl3)δppm;0.88(t,3H)1.
06−1.39(m,26H)1.64−1.68
(m,2H)3.47−3.49(m,2H)4.02
(s,3H)8.00(t、1H)8.10(br,1
H)8.21(d,1H)8.39(d,1H) IR ν(KBr)max(cm-1);3330、292
0、1720、1645、1530、1475、145
5、1320、1245、1130
【0022】実施例6 実施例1においてドデシルアミンに代わり、それぞれ対
応するアミンを用いる以外は同様に処理することにより
表−1に示す化合物6〜10を得た。これらの化合物の
物性値を表−1[表1]に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例7 実施例1の方法により得ることのできる6−[[(n−
ドデシル)アミノ]カルボニル]−2−ピリジンカルボ
ン酸(化合物1)を有効成分とする錠剤の製造 該ピコリン酸誘導体1g、乳酸123gおよびトウモロ
コシデンプン20gをよく混合し、これをヒドロキシプ
ロピルセルロース5gを水100mlに溶解した液で混
合造粒し、50℃で4時間乾燥した。これにステアリン
酸マグネシウム1gを加えてよく混合し、打錠機を用
い、1錠あたり150mgの重量で打錠し錠剤を得た。
【0025】実施例8 実施例2の方法により得ることのできる6−[[[(シ
クロヘプチル)メチル]アミノ]カルボニル]−2−ピ
リジンカルボン酸(化合物2)を有効成分とする注射剤
の製造 該ピコリン酸誘導体20mg、および塩化ナトリウム
0.85gをとり、これを適量の注射用蒸留水で溶解し
全量を100mlとし注射剤とした。
【0026】薬理学的試験例 本発明の化合物のI型PLA2に対する阻害作用はカツ
マタらの方法(Analytical Biochem
istry,154、676(1986)参照)に基づ
いて測定した。測定方法は以下の通りである。塩化カル
シウム2mMとウシ血清アルブミン10μg/mlを含
む0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に精製水
またはジメチルスルホキシドに溶解した本発明の化合
物、およびPLA2(ブタ膵臓由来)を添加し、37℃
で30分プレインキュベーションを行なった。その後、
1mM1−パルミトイル−2−「1−14C]アラキド
ニルホスファチジルコリン、25mMデオキシコレート
Na塩、80%エタノール溶液50μlを加え、37
℃で5分間インキュベートした。40μmolエチレン
ジアミン4酢酸を含む5%トリトンX−100を100
μl加え、0.1%酢酸/ヘキサンを5ml、硫酸ナト
リウムを約0.25g加え、3分間振とうした。3,0
00rpmで10分間遠心分離後、ヘキサン層の放射能
量を液体シンチレーションカウンターで測定した。
【0027】次にII型PLA2に対する阻害作用はデハ
ースらの方法(Biochemistry,13,11
46,(1974)に基づき、以下の方法で測定した。
塩化カルシウム10mMを含む0.1Mトリス−塩酸緩
衝液(pH7.5)に精製水またはジメチルスルホキシ
ドに溶解した本発明の化合物、およびPLA2(ヒト関
節炎液由来)を添加し、37℃で30分プレインキュベ
ーションを行なった。その後、トリチウム標識アラキド
ン酸でラベルした大腸菌菌体を加えて37℃で3分間イ
ンキュベーションを行った。希塩酸を添加し反応を停止
させ、ウシ血清アルブミンを加えた後、15,000r
pm、3分間遠心分離し、遠心上清の放射能量を液体シ
ンチレーションカウンターで測定した。これらの方法で
測定した本発明化合物のPLA2阻害活性のIC50値
を表−2[表2]に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明の一般式(1)で表される化合物
はPLA2阻害活性を有するので、PLA2によるエイ
コサノイドの過剰生成に伴う種々の疾患の予防治療剤、
例えば炎症、リュウマチ、アレルギー、敗血症、虚血性
血管障害、膵炎、潰瘍等の治療に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/44 AEL C07D 213/81

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)[化1] 【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1から5の直鎖状
    あるいは分枝状アルキル基を示し、X1は酸素原子また
    は−N(R3)−を示し、X2は酸素原子または−N(R
    4)−を示し、R2は炭素数6から20の直鎖状あるいは
    分枝状アルキル基、シクロアルキル基、デヒドロアビエ
    チル基またはシクロアルキル基置換低級アルキル基を示
    し、R3は水素原子または低級アルキル基を示し、R4
    水素原子または低級アルキル基を示すか、R2とR4が連
    結してアルキレン鎖となることにより複素環構造を形成
    してもよい)で表されることを特徴とするピコリン酸誘
    導体。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)において、X1が酸素
    原子である請求項1記載のピコリン酸誘導体。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)において、X1が酸素
    原子でありかつ、X2が−N(R4)−である請求項1記
    載のピコリン酸誘導体。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)において、R2が炭素
    数10から18の直鎖状あるいは分枝状アルキル基であ
    る請求項1記載のピコリン酸誘導体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のピ
    コリン酸誘導体の薬学的に許容される塩。
  6. 【請求項6】 薬学的に適する担体とともに請求項1〜
    5のいずれか1項に記載のピコリン酸誘導体またはその
    薬学的に許容される塩を活性成分として含有する薬学的
    組成物。
  7. 【請求項7】 炎症、アレルギー、リュウマチまたは膵
    炎の治療剤である請求項6記載の薬学的組成物。
  8. 【請求項8】 下記一般式(2)[化2] 【化2】 (式中、R1、X1およびR3は前記に同じであり、Yは
    ハロゲン原子または下記一般式(3)との反応の際に脱
    離基となりうる置換基を示す。)で表される化合物と、
    下記一般式(3)[化3] 【化3】R2−X2−H (3) (式中、X2およびR2は前記に同じである。)で表され
    る化合物とを反応させることを特徴とする、請求項1記
    載の化合物の製造法。
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WO2011148888A1 (ja) * 2010-05-27 2011-12-01 あすか製薬株式会社 複素環化合物及びh1受容体拮抗剤

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