JPH07223974A - 多塩素化芳香族化合物の処理方法 - Google Patents
多塩素化芳香族化合物の処理方法Info
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- JPH07223974A JPH07223974A JP1730394A JP1730394A JPH07223974A JP H07223974 A JPH07223974 A JP H07223974A JP 1730394 A JP1730394 A JP 1730394A JP 1730394 A JP1730394 A JP 1730394A JP H07223974 A JPH07223974 A JP H07223974A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 環境汚染物質である多塩素化芳香族化合
物、例えば、多塩素化ビフェニルで汚染された炭化水素
油、特に変圧器等の絶縁油に適用され、公害防止上の有
用な脱塩素化技術を提供する。また、完全クローズドな
処理サイクルを提供する。 【構成】 多塩素化芳香族化合物または多塩素化芳香
族化合物を含む炭化水素油より多塩素化芳香族化合物を
除去して無害化するに際して、アルカリ金属水酸化物を
反応剤として用い、ポリエチレングリコールジアルキル
エーテルの存在下で加熱撹拌する反応により、多塩素化
芳香族化合物の塩素を取り除くことを特徴とする多塩素
化芳香族化合物の処理方法並びに、得られた反応後の系
より、冷却によりアルカリ金属水酸化物を固形物として
回収し、水を加えることにより炭化水素油を分離し、分
離後の水を含むポリエチレングリコールジアルキルエー
テル層からポリエチレングリコールジアルキルエーテル
を回収することから成り、回収物を再使用する。
物、例えば、多塩素化ビフェニルで汚染された炭化水素
油、特に変圧器等の絶縁油に適用され、公害防止上の有
用な脱塩素化技術を提供する。また、完全クローズドな
処理サイクルを提供する。 【構成】 多塩素化芳香族化合物または多塩素化芳香
族化合物を含む炭化水素油より多塩素化芳香族化合物を
除去して無害化するに際して、アルカリ金属水酸化物を
反応剤として用い、ポリエチレングリコールジアルキル
エーテルの存在下で加熱撹拌する反応により、多塩素化
芳香族化合物の塩素を取り除くことを特徴とする多塩素
化芳香族化合物の処理方法並びに、得られた反応後の系
より、冷却によりアルカリ金属水酸化物を固形物として
回収し、水を加えることにより炭化水素油を分離し、分
離後の水を含むポリエチレングリコールジアルキルエー
テル層からポリエチレングリコールジアルキルエーテル
を回収することから成り、回収物を再使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環境汚染物質である多
塩素化芳香族化合物の脱塩素化技術に関し、例えば、多
塩素化ビフェニルで汚染された炭化水素油、特に変圧器
等に使用され多塩素化ビフェニルで汚染された絶縁油中
に含まれる多塩素化ビフェニルの処理方法に関するもの
である。
塩素化芳香族化合物の脱塩素化技術に関し、例えば、多
塩素化ビフェニルで汚染された炭化水素油、特に変圧器
等に使用され多塩素化ビフェニルで汚染された絶縁油中
に含まれる多塩素化ビフェニルの処理方法に関するもの
である。
【0002】本発明は、絶縁油中に含まれる多塩素化ビ
フェニルの塩素を無機塩素として取り除き有機塩素分が
ない反応物とすることにより、再利用可能な無害物とし
ての炭化水素油を得ること、反応物が一般廃棄物として
の処分が可能であること、さらには完全クローズドシス
テムで処理が行なえることなど公害防止上極めて有用な
多塩素化芳香族化合物の処理方法に関する。
フェニルの塩素を無機塩素として取り除き有機塩素分が
ない反応物とすることにより、再利用可能な無害物とし
ての炭化水素油を得ること、反応物が一般廃棄物として
の処分が可能であること、さらには完全クローズドシス
テムで処理が行なえることなど公害防止上極めて有用な
多塩素化芳香族化合物の処理方法に関する。
【0003】
【従来の技術】多塩素化ビフェニル等の多塩素化芳香族
化合物は環境汚染物質として知られており、これら多塩
素化芳香族化合物で汚染されたものは現状では回収し保
管されている。
化合物は環境汚染物質として知られており、これら多塩
素化芳香族化合物で汚染されたものは現状では回収し保
管されている。
【0004】多塩素化ビフェニル等を分解する方法に
は、高温焼却等が知られているが高温を発生させる特別
の設備および付帯設備を必要とするうえに、分解が完全
におこなわれないというおそれがある。また炭化水素油
に含まれる多塩素化ビフェニル等の多塩素化芳香族化合
物の除去方法の一つに、アルカリ金属水酸化物およびポ
リエチレングリコールを反応体として用いる方法が知ら
れている(例えば、特開昭49−126651、特開昭
60−114278 以下、公知の方法という。)。
は、高温焼却等が知られているが高温を発生させる特別
の設備および付帯設備を必要とするうえに、分解が完全
におこなわれないというおそれがある。また炭化水素油
に含まれる多塩素化ビフェニル等の多塩素化芳香族化合
物の除去方法の一つに、アルカリ金属水酸化物およびポ
リエチレングリコールを反応体として用いる方法が知ら
れている(例えば、特開昭49−126651、特開昭
60−114278 以下、公知の方法という。)。
【0005】しかしながら、これら公知の方法において
は炭化水素油とポリエチレングリコールとは反応後も二
層に分離すること、そして多塩素化ビフェニルの反応生
成物がポリエチレングリコール層に移行することから、
結果として炭化水素油層から多塩素化ビフェニルが除か
れるが、多塩素化ビフェニルの塩素が完全に取り除かれ
ることなく反応生成物は有機塩素化合物としてポリエチ
レングリコール層に残存することが知られている。
は炭化水素油とポリエチレングリコールとは反応後も二
層に分離すること、そして多塩素化ビフェニルの反応生
成物がポリエチレングリコール層に移行することから、
結果として炭化水素油層から多塩素化ビフェニルが除か
れるが、多塩素化ビフェニルの塩素が完全に取り除かれ
ることなく反応生成物は有機塩素化合物としてポリエチ
レングリコール層に残存することが知られている。
【0006】本発明者等も、公知の方法により、ジエチ
レングリコール50mlと水酸化カリウム16gを窒素
雰囲気下で120℃1時間加熱した後、カネクロールK
C−300、400、500、600(商品名)の各等
量混合物の5mgを含む絶縁油50ml(100pp
m)を加え240℃10時間の条件で反応を行ない、下
記処理の後有機塩素分の確認を行った。
レングリコール50mlと水酸化カリウム16gを窒素
雰囲気下で120℃1時間加熱した後、カネクロールK
C−300、400、500、600(商品名)の各等
量混合物の5mgを含む絶縁油50ml(100pp
m)を加え240℃10時間の条件で反応を行ない、下
記処理の後有機塩素分の確認を行った。
【0007】反応後上層の油層と下層のジエチレングリ
コール層を分離した後、ジエチレングリコール層全量を
希硫酸水で中和後ジエチルエーテル100mlで2回抽
出し、各回各々の抽出液を硝酸銀水溶液洗浄、無水硫酸
ナトリウムで水分除去し、ジエチルエーテルを蒸留して
それぞれ濃縮物を得た。各回の濃縮物重量は1回目1.
1g、2回目0.6gであり、各濃縮物を燃焼−電量滴
定法により有機塩素分の分析を行ったところ、それぞれ
濃縮物に対する塩素量が、1回目31ppm、2回目2
3ppmの結果を得た。
コール層を分離した後、ジエチレングリコール層全量を
希硫酸水で中和後ジエチルエーテル100mlで2回抽
出し、各回各々の抽出液を硝酸銀水溶液洗浄、無水硫酸
ナトリウムで水分除去し、ジエチルエーテルを蒸留して
それぞれ濃縮物を得た。各回の濃縮物重量は1回目1.
1g、2回目0.6gであり、各濃縮物を燃焼−電量滴
定法により有機塩素分の分析を行ったところ、それぞれ
濃縮物に対する塩素量が、1回目31ppm、2回目2
3ppmの結果を得た。
【0008】なお、上層の処理油からは有機塩素分は検
出されなかった。
出されなかった。
【0009】これらの結果より、公知の方法において
は、多塩素化ビフェニルの反応生成物には塩素が残った
有機塩素化合物としてポリエチレングリコール層に存在
することを確認しており、反応後のポリエチレングリコ
ール層をそのまま廃棄処分とするには問題が残ることが
判った。
は、多塩素化ビフェニルの反応生成物には塩素が残った
有機塩素化合物としてポリエチレングリコール層に存在
することを確認しており、反応後のポリエチレングリコ
ール層をそのまま廃棄処分とするには問題が残ることが
判った。
【0010】以上のように、公知の方法は、多塩素化ビ
フェニルの脱塩素化が完全に行なわれないため、多塩素
化ビフェニルの反応生成物が有機塩素化合物としてポリ
エチレングリコール層に残存すること且つその処分等に
は難点が多く、公害防止の観点からは不充分なものであ
る。
フェニルの脱塩素化が完全に行なわれないため、多塩素
化ビフェニルの反応生成物が有機塩素化合物としてポリ
エチレングリコール層に残存すること且つその処分等に
は難点が多く、公害防止の観点からは不充分なものであ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、環境汚染物質である多塩素化芳香族化合物の安全か
つ効果的な脱塩素化技術を提供することである。例え
ば、多塩素化ビフェニルで汚染された炭化水素油、特に
変圧器等の絶縁油に含まれる多塩素化ビフェニルを除去
することに加えて、多塩素化ビフェニルの塩素を無機塩
素として取り除くことにより反応後の系全体に有機塩素
分を含まなくするということを目的とする多塩素化ビフ
ェニルの脱塩素化技術である。
は、環境汚染物質である多塩素化芳香族化合物の安全か
つ効果的な脱塩素化技術を提供することである。例え
ば、多塩素化ビフェニルで汚染された炭化水素油、特に
変圧器等の絶縁油に含まれる多塩素化ビフェニルを除去
することに加えて、多塩素化ビフェニルの塩素を無機塩
素として取り除くことにより反応後の系全体に有機塩素
分を含まなくするということを目的とする多塩素化ビフ
ェニルの脱塩素化技術である。
【0012】本発明の第二の目的は、多塩素化芳香族化
合物の脱塩素化処理に用いられたアルカリ金属水酸化物
を固形物として回収し、同じく同処理に用いられたポリ
エチレングリコールジアルキルエーテルを回収して、回
収したアルカリ金属水酸化物およびポリエチレングリコ
ールジアルキルエーテルを再び多塩素化芳香族化合物の
脱塩素化処理に使用するという完全クローズドな処理サ
イクルを提供することである。
合物の脱塩素化処理に用いられたアルカリ金属水酸化物
を固形物として回収し、同じく同処理に用いられたポリ
エチレングリコールジアルキルエーテルを回収して、回
収したアルカリ金属水酸化物およびポリエチレングリコ
ールジアルキルエーテルを再び多塩素化芳香族化合物の
脱塩素化処理に使用するという完全クローズドな処理サ
イクルを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、多塩素化芳香族化合物の塩素
を除去するに際して、アルカリ金属水酸化物を反応剤と
して用い、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル
を溶剤として用いることによって上記課題が解決される
ことを見出し本発明に至った。また、該手段を採用する
と、処理サイクルを完全にクローズド化することが可能
であることもあわせて見出し本願の第二の発明に至っ
た。
ついて鋭意検討した結果、多塩素化芳香族化合物の塩素
を除去するに際して、アルカリ金属水酸化物を反応剤と
して用い、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル
を溶剤として用いることによって上記課題が解決される
ことを見出し本発明に至った。また、該手段を採用する
と、処理サイクルを完全にクローズド化することが可能
であることもあわせて見出し本願の第二の発明に至っ
た。
【0014】即ち、本願の第一の発明は、多塩素化芳香
族化合物または多塩素化芳香族化合物を含む炭化水素油
より多塩素化芳香族化合物の塩素を除去するに際して、
アルカリ金属水酸化物を反応剤として用い、一般式 R1O-[CH2-CH2-O-]nR2 [ここでnは1以上30未満、R1、R2は炭素数1以上
5未満のアルキル基]で示されるポリエチレングリコー
ルジアルキルエーテルの単独またはそれらの混合物の溶
剤の存在下で加熱撹拌する反応により、多塩素化芳香族
化合物の塩素を取り除くことにより反応物に有機塩素分
を含まないことを特徴とする多塩素化芳香族化合物の処
理方法である。
族化合物または多塩素化芳香族化合物を含む炭化水素油
より多塩素化芳香族化合物の塩素を除去するに際して、
アルカリ金属水酸化物を反応剤として用い、一般式 R1O-[CH2-CH2-O-]nR2 [ここでnは1以上30未満、R1、R2は炭素数1以上
5未満のアルキル基]で示されるポリエチレングリコー
ルジアルキルエーテルの単独またはそれらの混合物の溶
剤の存在下で加熱撹拌する反応により、多塩素化芳香族
化合物の塩素を取り除くことにより反応物に有機塩素分
を含まないことを特徴とする多塩素化芳香族化合物の処
理方法である。
【0015】また、本願の第二の発明は、前述の反応後
の系から、冷却によりアルカリ金属水酸化物を固形物と
して回収し、アルカリ金属水酸化物を除いた反応液に水
を加えることにより炭化水素油を分離するとともに、分
離後の水を含むポリエチレングリコールジアルキルエー
テル層から水を除去することによりポリエチレングリコ
ールジアルキルエーテルを回収することから成り、回収
したアルカリ金属水酸化物およびポリエチレングリコー
ルジアルキルエーテルを再使用することを特徴とする多
塩素化芳香族化合物の処理方法である。
の系から、冷却によりアルカリ金属水酸化物を固形物と
して回収し、アルカリ金属水酸化物を除いた反応液に水
を加えることにより炭化水素油を分離するとともに、分
離後の水を含むポリエチレングリコールジアルキルエー
テル層から水を除去することによりポリエチレングリコ
ールジアルキルエーテルを回収することから成り、回収
したアルカリ金属水酸化物およびポリエチレングリコー
ルジアルキルエーテルを再使用することを特徴とする多
塩素化芳香族化合物の処理方法である。
【0016】本発明の処理の対象となる多塩素化芳香族
化合物とは、多塩素化ビフェニル(PCB)、ジクロロ
ジフェニルトリクロロエタン(DDT)、ダイオキシン
などである。この中で、多塩素化ビフェニルが好適に処
理される。
化合物とは、多塩素化ビフェニル(PCB)、ジクロロ
ジフェニルトリクロロエタン(DDT)、ダイオキシン
などである。この中で、多塩素化ビフェニルが好適に処
理される。
【0017】多塩素化芳香族化合物は、単独でそれ自体
が本発明の対象となるほかに、これを含む混合物の処理
にも本発明の方法は用いられる。特に、本発明の方法
は、多塩素化ビフェニルを含む炭化水素油、例えば多塩
素化ビフェニルを含む絶縁油に適用される。炭化水素油
中の多塩素化ビフェニルの濃度は、特に限定されるもの
でなく極微量が含まれたものから多塩素化ビフェニル単
独まで適用できる。
が本発明の対象となるほかに、これを含む混合物の処理
にも本発明の方法は用いられる。特に、本発明の方法
は、多塩素化ビフェニルを含む炭化水素油、例えば多塩
素化ビフェニルを含む絶縁油に適用される。炭化水素油
中の多塩素化ビフェニルの濃度は、特に限定されるもの
でなく極微量が含まれたものから多塩素化ビフェニル単
独まで適用できる。
【0018】本発明に用いるアルカリ金属水酸化物とし
ては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等を挙げることができるが、この中で水酸化カリウ
ムが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量について
は、多塩素化芳香族化合物に対し10倍モル以上が望ま
しい。
ては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等を挙げることができるが、この中で水酸化カリウ
ムが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量について
は、多塩素化芳香族化合物に対し10倍モル以上が望ま
しい。
【0019】本発明の方法における溶剤としては、一般
式 R1O-[CH2-CH2-O-]nR2 [ここでnは1以上30未満、R1、R2は炭素数1以上
5未満のアルキル基]で示されるポリエチレングリコー
ルジアルキルエーテルの単独又はこれらの混合物を用い
ることができる。
式 R1O-[CH2-CH2-O-]nR2 [ここでnは1以上30未満、R1、R2は炭素数1以上
5未満のアルキル基]で示されるポリエチレングリコー
ルジアルキルエーテルの単独又はこれらの混合物を用い
ることができる。
【0020】代表的な溶剤として、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチル
エーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ポリ
エチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレング
リコールジエチルエーテル等を挙げることができる。こ
のうち、比較的入手し易く安価な点で好ましい溶剤とし
ては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル
等のジメチルエーテル類を挙げることができる。
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチル
エーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ポリ
エチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレング
リコールジエチルエーテル等を挙げることができる。こ
のうち、比較的入手し易く安価な点で好ましい溶剤とし
ては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル
等のジメチルエーテル類を挙げることができる。
【0021】溶剤の使用量については特に限定されない
が、多塩素化芳香族化合物を含む炭化水素油または多塩
素化芳香族化合物単独に対し好ましくは0.1〜9(容
量比)で用いることができる。
が、多塩素化芳香族化合物を含む炭化水素油または多塩
素化芳香族化合物単独に対し好ましくは0.1〜9(容
量比)で用いることができる。
【0022】反応温度は、通常は100℃以上で行わ
れ、熱劣化物の発生などの理由から300℃以下が望ま
しい。
れ、熱劣化物の発生などの理由から300℃以下が望ま
しい。
【0023】反応時間は、反応温度の上昇により短縮す
ることができるが、通常160℃以上の反応温度におい
ては60分までの反応時間でよい。
ることができるが、通常160℃以上の反応温度におい
ては60分までの反応時間でよい。
【0024】本発明の反応においては窒素ガス等の不活
性ガスの雰囲気で行うことは、炭化水素油の酸素による
劣化防止や安全上の点から望ましいことである。
性ガスの雰囲気で行うことは、炭化水素油の酸素による
劣化防止や安全上の点から望ましいことである。
【0025】反応における操作方法としては、ポリエチ
レングリコールジアルキルエーテルにアルカリ金属水酸
化物を所定温度で撹拌溶解させた後多塩素化ビフェニル
を含む炭化水素油を混合する方法、および最初からポリ
エチレングリコールジアルキルエーテル、アルカリ金属
水酸化物、多塩素化ビフェニルを含む炭化水素油を混合
する方法で行うことができる。
レングリコールジアルキルエーテルにアルカリ金属水酸
化物を所定温度で撹拌溶解させた後多塩素化ビフェニル
を含む炭化水素油を混合する方法、および最初からポリ
エチレングリコールジアルキルエーテル、アルカリ金属
水酸化物、多塩素化ビフェニルを含む炭化水素油を混合
する方法で行うことができる。
【0026】反応は所定温度で撹拌下で所定時間反応を
行なう回分式が一般的であるが、アルカリ金属水酸化物
を溶解させたポリエチレングリコールジアルキルエーテ
ルと多塩素化ビフェニルを含む炭化水素油をそれぞれあ
らかじめ所定反応温度に加温しておき、両者を連続的に
混合する連続反応を行うことも可能である。
行なう回分式が一般的であるが、アルカリ金属水酸化物
を溶解させたポリエチレングリコールジアルキルエーテ
ルと多塩素化ビフェニルを含む炭化水素油をそれぞれあ
らかじめ所定反応温度に加温しておき、両者を連続的に
混合する連続反応を行うことも可能である。
【0027】本発明の方法においては、炭化水素油に含
まれる多塩素化ビフェニルの塩素は無機塩素として取り
除かれ反応後には有機塩素化合物が含まれない反応物と
して得られる。反応後には有機塩素化合物が含まれない
反応物として得られる本発明のこの驚くべき本発明の効
果は、公知の方法からは到底予期しえないものである。
まれる多塩素化ビフェニルの塩素は無機塩素として取り
除かれ反応後には有機塩素化合物が含まれない反応物と
して得られる。反応後には有機塩素化合物が含まれない
反応物として得られる本発明のこの驚くべき本発明の効
果は、公知の方法からは到底予期しえないものである。
【0028】本発明の方法では末端にエーテル結合(−
OR基)を持つポリエチレングリコールジアルキルエー
テルを溶剤として用いるものであり、公知の方法におけ
る末端に水酸基(−OH基)を持つポリエチレングリコ
ールを反応体として用いるものとは構造並びに化学特性
が明らかに異なる。
OR基)を持つポリエチレングリコールジアルキルエー
テルを溶剤として用いるものであり、公知の方法におけ
る末端に水酸基(−OH基)を持つポリエチレングリコ
ールを反応体として用いるものとは構造並びに化学特性
が明らかに異なる。
【0029】反応後には有機塩素化合物が含まれない反
応物として得られるという本発明の効果の理由は明確で
はないが、本発明の方法において溶剤として用いるポリ
エチレングリコールジアルキルエーテルは、公知の方法
でのポリエチレングリコールと比べて炭化水素油との相
溶性が非常に良いことから反応剤のアルカリ金属水酸化
物の炭化水油中への分散あるいは溶解を助けるものとし
て働き、炭化水素油中の塩素化ビフェニルの塩素やおよ
びその脱塩素化途中の中間反応生成物の塩素との反応を
促進するものと考えられる。
応物として得られるという本発明の効果の理由は明確で
はないが、本発明の方法において溶剤として用いるポリ
エチレングリコールジアルキルエーテルは、公知の方法
でのポリエチレングリコールと比べて炭化水素油との相
溶性が非常に良いことから反応剤のアルカリ金属水酸化
物の炭化水油中への分散あるいは溶解を助けるものとし
て働き、炭化水素油中の塩素化ビフェニルの塩素やおよ
びその脱塩素化途中の中間反応生成物の塩素との反応を
促進するものと考えられる。
【0030】なお、公知の方法での反応生成物中に知ら
れているポリエチレングリコール基を有するビフェニル
は本発明では見出せず、主として塩素基が水酸基に変換
したビフェニルであり、一部水酸基もない多環状の芳香
族化合物も生成されることがガスクロマトグラフ質量分
析計による分析により判明している。このことは本発明
の方法における作用機構が公知の方法と異なることを示
している。
れているポリエチレングリコール基を有するビフェニル
は本発明では見出せず、主として塩素基が水酸基に変換
したビフェニルであり、一部水酸基もない多環状の芳香
族化合物も生成されることがガスクロマトグラフ質量分
析計による分析により判明している。このことは本発明
の方法における作用機構が公知の方法と異なることを示
している。
【0031】また、本発明の方法においては、多塩素化
ビフェニルの除去された炭化水素油の再活用並びに処理
法の安全かつ経済的な運用を目的に、本発明の方法で得
られた反応物から炭化水素油の分離と、並びに反応剤の
アルカリ金属水酸化物および溶剤のポリエチレングリコ
ールジアルキルエーテルは回収して再使用を行うもので
ある。
ビフェニルの除去された炭化水素油の再活用並びに処理
法の安全かつ経済的な運用を目的に、本発明の方法で得
られた反応物から炭化水素油の分離と、並びに反応剤の
アルカリ金属水酸化物および溶剤のポリエチレングリコ
ールジアルキルエーテルは回収して再使用を行うもので
ある。
【0032】本発明における前述の目的を達成する方法
は、限定されるものではないが、次の基本操作を行う。
基本操作のフロー図を図1に示す。
は、限定されるものではないが、次の基本操作を行う。
基本操作のフロー図を図1に示す。
【0033】アルカリ金属水酸化物の大部分は、本願の
第一の発明の方法における反応物を冷却により固形物と
して分離し回収することができる。(C層) 炭化水素油は、反応物からアルカリ金属水酸化物を分離
した残りの反応液(以下、反応液という。)に水を加え
ることによって上層の炭化水素油層と水を含む下層のポ
リエチレングリコールジアルキルエーテル層の二層が形
成され、上層を分離することにより得られる。(B層) 溶剤のポリエチレングリコールジアルキルエーテルは、
水を含むポリエチレングリコールジアルキルエーテル層
から水を除去することにより回収することができる。
(A層) 回収に際して、蒸留により水を留出して除き
残留分を回収しても良く、残留分の溶剤をさらに蒸留す
ることにより回収しても良い。
第一の発明の方法における反応物を冷却により固形物と
して分離し回収することができる。(C層) 炭化水素油は、反応物からアルカリ金属水酸化物を分離
した残りの反応液(以下、反応液という。)に水を加え
ることによって上層の炭化水素油層と水を含む下層のポ
リエチレングリコールジアルキルエーテル層の二層が形
成され、上層を分離することにより得られる。(B層) 溶剤のポリエチレングリコールジアルキルエーテルは、
水を含むポリエチレングリコールジアルキルエーテル層
から水を除去することにより回収することができる。
(A層) 回収に際して、蒸留により水を留出して除き
残留分を回収しても良く、残留分の溶剤をさらに蒸留す
ることにより回収しても良い。
【0034】本発明の方法においては、回収されたアル
カリ金属水酸化物並びにポリエチレングリコールジアル
キルエーテルは両者とも再度反応に使用することができ
る。一方、本発明の方法によって分離回収された炭化水
素油は、有害物が除去されたものであり、本来の用途へ
の再活用は充分可能である。
カリ金属水酸化物並びにポリエチレングリコールジアル
キルエーテルは両者とも再度反応に使用することができ
る。一方、本発明の方法によって分離回収された炭化水
素油は、有害物が除去されたものであり、本来の用途へ
の再活用は充分可能である。
【0035】なお、本発明の方法によって処理された炭
化水素油は多塩素化ビフェニルが除去されたものである
こと、また、本発明の方法によって処理された反応物は
有機塩素分を含まないものであることは、後述の分析用
前処理方法並びに分析法において説明する。
化水素油は多塩素化ビフェニルが除去されたものである
こと、また、本発明の方法によって処理された反応物は
有機塩素分を含まないものであることは、後述の分析用
前処理方法並びに分析法において説明する。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を実施例で説明するが、実施
例は本発明の範囲を限定するものではない。
例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0037】実施例1 撹拌装置、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた1
lのステンレス製セパラブル四つ口フラスコに、テトラ
エチレングリコールジメチルエーテル250ml、水酸
化カリウム50g、およびカネクロールKC−300、
400、500、600(商品名)の各等量混合物の2
5mgを含む絶縁油250mlを加え、反応温度200
℃にて30分間窒素バブリングしながら撹拌下で反応を
行った。
lのステンレス製セパラブル四つ口フラスコに、テトラ
エチレングリコールジメチルエーテル250ml、水酸
化カリウム50g、およびカネクロールKC−300、
400、500、600(商品名)の各等量混合物の2
5mgを含む絶縁油250mlを加え、反応温度200
℃にて30分間窒素バブリングしながら撹拌下で反応を
行った。
【0038】反応後常温に冷却した後析出した水酸化カ
リウム固形物層(以下C層という)を残し、反応液は傾
瀉して取り出した。
リウム固形物層(以下C層という)を残し、反応液は傾
瀉して取り出した。
【0039】取り出した反応液より0.1gを標量し、
これを有機塩素の分析に供した。燃焼−電量滴定法によ
り有機塩素の分析を行った結果、反応液の有機塩素は検
出されなかった。
これを有機塩素の分析に供した。燃焼−電量滴定法によ
り有機塩素の分析を行った結果、反応液の有機塩素は検
出されなかった。
【0040】本発明者は、有機塩素が検出されないこと
を高い精度で確認するため、反応液およびC層中より以
下の分離・抽出・濃縮操作を行ったうえで、有機塩素の
分析を行った。
を高い精度で確認するため、反応液およびC層中より以
下の分離・抽出・濃縮操作を行ったうえで、有機塩素の
分析を行った。
【0041】有機塩素分試料を採った残りの反応液全量
に、希硫酸水500mlを加え下層が酸性となるように
調整した後、上層の油層(以下B層という。)と水を含
む下層のテトラエチレングリコールジメチルエーテル層
(以下A層という。)を分離した。
に、希硫酸水500mlを加え下層が酸性となるように
調整した後、上層の油層(以下B層という。)と水を含
む下層のテトラエチレングリコールジメチルエーテル層
(以下A層という。)を分離した。
【0042】分離したA、B、Cの各層についてそれぞ
れ有機塩素の分析を行うため、以下の操作を行った。
れ有機塩素の分析を行うため、以下の操作を行った。
【0043】A層については、Aを水酸化カリウムにて
アルカリ性に調整した後、水を常圧にて留出し、次いで
テトラエチレングリコールジメチルエーテルを減圧蒸留
する。蒸留残に希硫酸水を加え酸性とした水層400m
lをジエチルエーテル100mlで3回抽出し、ジエチ
ルエーテル抽出液を合わせた後、無機塩素分の除去のた
め1/100N硝酸銀水溶液100mlにて洗浄を2回
行い、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後、ジエチ
ルエーテルを蒸留して残留物A(1.9g)を得た。こ
の残留物Aのうち0.1gを有機塩素の分析に供した。
アルカリ性に調整した後、水を常圧にて留出し、次いで
テトラエチレングリコールジメチルエーテルを減圧蒸留
する。蒸留残に希硫酸水を加え酸性とした水層400m
lをジエチルエーテル100mlで3回抽出し、ジエチ
ルエーテル抽出液を合わせた後、無機塩素分の除去のた
め1/100N硝酸銀水溶液100mlにて洗浄を2回
行い、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後、ジエチ
ルエーテルを蒸留して残留物A(1.9g)を得た。こ
の残留物Aのうち0.1gを有機塩素の分析に供した。
【0044】B層については、その2.0gをとり、ジ
エチルエーテル300mlを加えた後1/100N硝酸
銀水溶液100mlにて洗浄を2回行い、無水硫酸ナト
リウムで水分を除去した後、ジエチルエーテルを蒸留し
て残留物B(2.0g)を得た。この残留物Bのうち
0.1gを有機塩素の分析に供した。
エチルエーテル300mlを加えた後1/100N硝酸
銀水溶液100mlにて洗浄を2回行い、無水硫酸ナト
リウムで水分を除去した後、ジエチルエーテルを蒸留し
て残留物B(2.0g)を得た。この残留物Bのうち
0.1gを有機塩素の分析に供した。
【0045】C層については、ヘキサン100mlにて
油分除去のための洗浄を行い、次いで硫酸水にて酸性と
した水層400mlをジエチルエーテル100mlで3
回抽出し、ジエチルエーテル抽出液を合わせた後、1/
100N硝酸銀水溶液100mlにて洗浄を2回行い、
無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後、ジエチルエー
テルを蒸留して残留物C(0.6g)を得た。この残留
物Cのうち0.1gを有機塩素の分析に供した。
油分除去のための洗浄を行い、次いで硫酸水にて酸性と
した水層400mlをジエチルエーテル100mlで3
回抽出し、ジエチルエーテル抽出液を合わせた後、1/
100N硝酸銀水溶液100mlにて洗浄を2回行い、
無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後、ジエチルエー
テルを蒸留して残留物C(0.6g)を得た。この残留
物Cのうち0.1gを有機塩素の分析に供した。
【0046】燃焼−電量滴定法により有機塩素の分析を
行った結果、残留物A、B、Cのいずれも有機塩素は検
出されなかった。
行った結果、残留物A、B、Cのいずれも有機塩素は検
出されなかった。
【0047】以上のように本発明の方法により、反応液
そのものから有機塩素は検出されなかったこと並びに更
に確認のため油層、溶剤層、水酸化カリウム層の3層に
分離し、抽出・濃縮したうえで有機塩素の分析を行った
結果、いずれの層にも有機塩素が検出されなかったこと
から、反応後の系全体には有機塩素分が含まれないこと
が明らかとなった。
そのものから有機塩素は検出されなかったこと並びに更
に確認のため油層、溶剤層、水酸化カリウム層の3層に
分離し、抽出・濃縮したうえで有機塩素の分析を行った
結果、いずれの層にも有機塩素が検出されなかったこと
から、反応後の系全体には有機塩素分が含まれないこと
が明らかとなった。
【0048】実施例2 実施例1と同一条件、同一操作で反応(反応1とい
う。)を行った。
う。)を行った。
【0049】得られた反応物を常温に冷却した後、析出
した水酸化カリウム固形物層は傾瀉して反応液と分離
し、固形物の水酸化カリウムは回収した。回収した水酸
化カリウムは一部反応液を含み重量は54gとして得
た。
した水酸化カリウム固形物層は傾瀉して反応液と分離
し、固形物の水酸化カリウムは回収した。回収した水酸
化カリウムは一部反応液を含み重量は54gとして得
た。
【0050】傾瀉して得られた反応液は希硫酸水500
mlを加え下層が酸性となるように調整した後、上層の
油層と水を含む下層のテトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル層を分離する。分離した水を含む下層のテト
ラエチレングリコールジメチルエーテル層は、水酸化カ
リウムにてアルカリ性に調整した後、水は常圧にて留出
し、次いでテトラエチレングリコールジメチルエーテル
を減圧蒸留することにより回収した。回収量は235m
lであった。
mlを加え下層が酸性となるように調整した後、上層の
油層と水を含む下層のテトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル層を分離する。分離した水を含む下層のテト
ラエチレングリコールジメチルエーテル層は、水酸化カ
リウムにてアルカリ性に調整した後、水は常圧にて留出
し、次いでテトラエチレングリコールジメチルエーテル
を減圧蒸留することにより回収した。回収量は235m
lであった。
【0051】実施例1において水酸化カリウム50gの
代わりに回収した水酸化カリウムを全量用い、テトラエ
チレングリコールジメチルエーテル250mlの代わり
に回収した235mlと新たにテトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル15mlを加えて250mlとして
用いる以外は、実施例1と同一条件、同一操作で反応
(反応2という。)を行った。
代わりに回収した水酸化カリウムを全量用い、テトラエ
チレングリコールジメチルエーテル250mlの代わり
に回収した235mlと新たにテトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル15mlを加えて250mlとして
用いる以外は、実施例1と同一条件、同一操作で反応
(反応2という。)を行った。
【0052】有機塩素の分析は、反応液そのもの並びに
実施例1と同一の操作によって得られた残留物A、B、
Cについて行った。
実施例1と同一の操作によって得られた残留物A、B、
Cについて行った。
【0053】得られた残留物Aは2.5g、残留物Bは
2.4g、残留物Cは0.8gであり、このうち各0.
1gを有機塩素の分析に供した。
2.4g、残留物Cは0.8gであり、このうち各0.
1gを有機塩素の分析に供した。
【0054】燃焼−電量滴定法により有機塩素の分析を
行った結果、反応液そのもの並びに残留物A、B、Cの
いずれにも有機塩素は検出されなかった。
行った結果、反応液そのもの並びに残留物A、B、Cの
いずれにも有機塩素は検出されなかった。
【0055】なお、反応1および反応2より分離して得
られた各油層中の塩素化ビフェニル濃度の分析は以下の
前処理と分析方法により行った。
られた各油層中の塩素化ビフェニル濃度の分析は以下の
前処理と分析方法により行った。
【0056】油量20gを標量して採りこれにn−ヘキ
サン20mlを加え、ジメチルスルホキシド:n−ヘキ
サン(120ml:20ml)溶液で2回抽出し、ジメ
チルスルホキシド層を取り出す。このジメチルスルホキ
シド層に3N−HCl(300ml)を加えた後、n−
ヘキサン200mlで抽出する。このn−ヘキサン溶液
をグデルナダニッシュ濃縮器で10mlまで濃縮し、さ
らに発煙硫酸2mlで10回洗浄し、水洗を行なった
後、窒素気流中で3mlにまで濃縮し、分析に供した。
サン20mlを加え、ジメチルスルホキシド:n−ヘキ
サン(120ml:20ml)溶液で2回抽出し、ジメ
チルスルホキシド層を取り出す。このジメチルスルホキ
シド層に3N−HCl(300ml)を加えた後、n−
ヘキサン200mlで抽出する。このn−ヘキサン溶液
をグデルナダニッシュ濃縮器で10mlまで濃縮し、さ
らに発煙硫酸2mlで10回洗浄し、水洗を行なった
後、窒素気流中で3mlにまで濃縮し、分析に供した。
【0057】塩素化ビフェニルの分析はガスクロマトグ
ラフ質量分析計を用いた分析法(マスフラグメントグラ
フィー法)により行なった(分析試料 2μリット
ル)。
ラフ質量分析計を用いた分析法(マスフラグメントグラ
フィー法)により行なった(分析試料 2μリット
ル)。
【0058】分析結果は、反応1および反応2の油とも
に塩素化ビフェニルは検出されなかった。(検出下限
10ppb)以上のように、本発明の方法により回収さ
れた水酸化カリウムおよびテトラエチレングリコールジ
メチルエーテルを用いて反応を行った場合においても、
新規使用の場合と同様に、反応物には有機塩素分が含ま
れない結果が得られた。
に塩素化ビフェニルは検出されなかった。(検出下限
10ppb)以上のように、本発明の方法により回収さ
れた水酸化カリウムおよびテトラエチレングリコールジ
メチルエーテルを用いて反応を行った場合においても、
新規使用の場合と同様に、反応物には有機塩素分が含ま
れない結果が得られた。
【0059】実施例3 撹拌装置、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた1
lのステンレス製セパラブル四つ口フラスコに、テトラ
エチレングリコールジメチルエーテル200ml、水酸
化カリウム20g、多塩素化ビフェニルで汚染された絶
縁油300ml(塩素化ビフェニル濃度10ppm)を
加えて反応温度200℃にて30分間窒素バブリングし
ながら撹拌下で反応を行った。
lのステンレス製セパラブル四つ口フラスコに、テトラ
エチレングリコールジメチルエーテル200ml、水酸
化カリウム20g、多塩素化ビフェニルで汚染された絶
縁油300ml(塩素化ビフェニル濃度10ppm)を
加えて反応温度200℃にて30分間窒素バブリングし
ながら撹拌下で反応を行った。
【0060】反応後常温に冷却した後析出した水酸化カ
リウム固形物層(以下C層という)を残し、反応液は傾
瀉して取り出した。
リウム固形物層(以下C層という)を残し、反応液は傾
瀉して取り出した。
【0061】反応液は、希硫酸水400mlを加え下層
が酸性となるように調整した後、上層の油層(以下B層
という。)と下層の水を含むテトラエチレングリコール
ジメチルエーテル層(以下A層という)を分離した。
が酸性となるように調整した後、上層の油層(以下B層
という。)と下層の水を含むテトラエチレングリコール
ジメチルエーテル層(以下A層という)を分離した。
【0062】有機塩素の分析は、反応液そのもの並びに
実施例1と同一の操作によって得られた残留物A、B、
Cについて行った。
実施例1と同一の操作によって得られた残留物A、B、
Cについて行った。
【0063】得られた残留物Aは2.2g、残留物Bは
2.3g、残留物Cは0.5gであり、このうち各0.
1gを有機塩素の分析に供した。
2.3g、残留物Cは0.5gであり、このうち各0.
1gを有機塩素の分析に供した。
【0064】燃焼−電量滴定法により有機塩素の分析を
行った結果、反応液そのもの並びに残留物A、B、Cの
いずれにも有機塩素は検出されなかった。
行った結果、反応液そのもの並びに残留物A、B、Cの
いずれにも有機塩素は検出されなかった。
【0065】なお、油層中の塩素化ビフェニルの分析の
ための前処理は実施例2と同様に行った。
ための前処理は実施例2と同様に行った。
【0066】塩素化ビフェニルの分析はガスクロマトグ
ラフ質量分析計を用いた分析法(マスフラグメントグラ
フィー法)により行なった(分析試料 2μリット
ル)。
ラフ質量分析計を用いた分析法(マスフラグメントグラ
フィー法)により行なった(分析試料 2μリット
ル)。
【0067】分析の結果、塩素化ビフェニルは検出され
なかった。
なかった。
【0068】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明は、環境汚染物
質である多塩素化芳香族化合物を脱塩素化することに有
効であり、例えば多塩素化ビフェニルで汚染された炭化
水素油、特に変圧器等の絶縁油に含まれる多塩素化ビフ
ェニルの除去に適用され、処理された炭化水素油は再活
用が可能であるとともに、多塩素化ビフェニルの塩素は
無機塩素として取り除かれ有機塩素分を含まないことか
ら実質的に無害物としての処分を可能とする有用且つ実
用的技術である。
質である多塩素化芳香族化合物を脱塩素化することに有
効であり、例えば多塩素化ビフェニルで汚染された炭化
水素油、特に変圧器等の絶縁油に含まれる多塩素化ビフ
ェニルの除去に適用され、処理された炭化水素油は再活
用が可能であるとともに、多塩素化ビフェニルの塩素は
無機塩素として取り除かれ有機塩素分を含まないことか
ら実質的に無害物としての処分を可能とする有用且つ実
用的技術である。
【図1】本発明の各成分の分離方法を示すフロー図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105/04 9159−4H C10N 40:16 (72)発明者 大野 正之 大阪市港区福崎3丁目1番−176号 株式 会社関西テック総合技術センタ内
Claims (3)
- 【請求項1】 多塩素化芳香族化合物または多塩素化芳
香族化合物を含む炭化水素油より多塩素化芳香族化合物
を除去するに際して、アルカリ金属水酸化物を反応剤と
して用い、一般式 R1O-[CH2-CH2-O-]nR2 [ここでnは1以上30未満、R1、R2は炭素数1以上
5未満のアルキル基]で示されるポリエチレングリコー
ルジアルキルエーテルの単独またはそれらの混合物の溶
剤の存在下で加熱撹拌する反応により、多塩素化芳香族
化合物の塩素を取り除くことにより反応後の系に有機塩
素分を含まないことを特徴とする多塩素化芳香族化合物
の処理方法。 - 【請求項2】 請求項1において得られた反応後の系よ
り、冷却によりアルカリ金属水酸化物を固形物として回
収し、アルカリ金属水酸化物を除いた反応液に水を加え
ることにより炭化水素油を分離し、分離後の水を含むポ
リエチレングリコールジアルキルエーテル層から水を除
去することによりポリエチレングリコールジアルキルエ
ーテルを回収することから成り、回収したアルカリ金属
水酸化物およびポリエチレングリコールジアルキルエー
テルを再使用することを特徴とする多塩素化芳香族化合
物の処理方法。 - 【請求項3】 多塩素化芳香族化合物が多塩素化ビフェ
ニルである請求項1または2記載の多塩素化芳香族化合
物の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1730394A JPH0825913B2 (ja) | 1994-02-14 | 1994-02-14 | 多塩素化芳香族化合物の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1730394A JPH0825913B2 (ja) | 1994-02-14 | 1994-02-14 | 多塩素化芳香族化合物の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07223974A true JPH07223974A (ja) | 1995-08-22 |
JPH0825913B2 JPH0825913B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=11940246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1730394A Expired - Fee Related JPH0825913B2 (ja) | 1994-02-14 | 1994-02-14 | 多塩素化芳香族化合物の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0825913B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007000197A (ja) * | 2005-06-21 | 2007-01-11 | Neos Co Ltd | 難分解性有機ハロゲン化合物の処理方法 |
CN114441653A (zh) * | 2020-10-30 | 2022-05-06 | 谱尼测试集团深圳有限公司 | 一种测定四乙二醇二甲醚含量的气相色谱-质谱检测方法 |
CN116135955A (zh) * | 2022-12-27 | 2023-05-19 | 宁波中循环保科技有限公司 | 基于改性碱性氢氧化物脱除废润滑油中氯的方法 |
-
1994
- 1994-02-14 JP JP1730394A patent/JPH0825913B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007000197A (ja) * | 2005-06-21 | 2007-01-11 | Neos Co Ltd | 難分解性有機ハロゲン化合物の処理方法 |
CN114441653A (zh) * | 2020-10-30 | 2022-05-06 | 谱尼测试集团深圳有限公司 | 一种测定四乙二醇二甲醚含量的气相色谱-质谱检测方法 |
CN116135955A (zh) * | 2022-12-27 | 2023-05-19 | 宁波中循环保科技有限公司 | 基于改性碱性氢氧化物脱除废润滑油中氯的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0825913B2 (ja) | 1996-03-13 |
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