JPH07223910A - 農薬用効力増強剤及び農薬組成物 - Google Patents

農薬用効力増強剤及び農薬組成物

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JPH07223910A
JPH07223910A JP6017455A JP1745594A JPH07223910A JP H07223910 A JPH07223910 A JP H07223910A JP 6017455 A JP6017455 A JP 6017455A JP 1745594 A JP1745594 A JP 1745594A JP H07223910 A JPH07223910 A JP H07223910A
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恵子 長谷部
Tadayuki Suzuki
忠幸 鈴木
Yuichi Hioki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作物に対して薬害がなく安全に使用でき、し
かも各農薬に対して優れた効力増強作用を有する農薬用
効力増強剤及び農薬組成物を提供する。 【構成】 特定のアルカノールアミド又は特定の脂肪酸
アミドポリオキシアルキレン酢酸もしくはその塩を有効
成分とする農薬用効力増強剤、並びにこれらの農薬用効
力増強剤と農薬原体を特定範囲の重量比で含有してなる
農薬組成物。具体的な化合物としては、例えば以下のも
のがある。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な農薬用効力増強
剤、農薬用効力増強剤組成物及びこれを含有してなる農
薬組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】殺虫剤、殺菌剤、除草剤、
殺ダニ剤、植物成長調節剤をはじめとする農薬は、乳
剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル剤等の剤型にて使
用されている。その際、農薬原体の効果を十分引き出す
ために、製剤物性上様々な工夫がなされているが、製剤
上の工夫により農薬の効果を更に増強させることは困難
な現状である。また新規な農薬の開発は、一層困難であ
るため、既存の農薬の活性を一層増強させることは、産
業上大いに意味のあることである。
【0003】これまでに、農薬の活性を増強させる効果
を有するものとして、四級アンモニウム塩類、ベタイン
類及びアミンオキサイド類等の種々の含窒素化合物から
なる界面活性剤が知られている(特開昭63−145205
号)。中でも、四級化された、或いは更にポリオキシエ
チレン化された長鎖アミンが特に有効であることも知ら
れている。しかし、農薬の活性増強効果のある上記化合
物の薬効増強効果は未だ満足のいくものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、農薬原体
と組合せることにより、農薬の効力が増強する農薬用効
力増強剤を見出すべく、更に鋭意検討を積み重ねた結
果、特定のエステル化脂肪酸アルカノールアミド又は特
定の脂肪酸アミドポリオキシアルキレン酢酸もしくはそ
の塩が特に種々の農薬に対して効力増強作用があること
を見い出し、本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、一般式(I) で表される化合
物を有効成分とする農薬用効力増強剤を提供するもので
ある。
【0006】
【化5】
【0007】〔式中、 R1:炭素数5〜29の直鎖もしくは分岐アルキル基又はア
ルケニル基 R2, R3:同一又は異なって、水素もしくはメチル基又は
水素とメチル基の混合 n:平均で1〜30の数 m:平均で0〜30の数
【0008】
【化6】
【0009】R6:炭素数1〜29の直鎖もしくは分岐アル
キル基又はアルケニル基を表す。〕また、本発明は、一
般式(II)で表される化合物を有効成分とする農薬用効力
増強剤を提供するものである。
【0010】
【化7】
【0011】〔式中、 R7:炭素数5〜29の直鎖もしくは分岐アルキル基又はア
ルケニル基 R8:水素もしくはメチル基又は水素とメチル基の混合 p:平均で1〜30の正数 X :水素、Na、K 、NH4 又は有機アンモニウムカチオン を表す。〕。
【0012】本発明に係わる一般式(I) の化合物は、例
えば次の如くして得られる。先ず脂肪酸とモノエタノー
ルアミンから脂肪酸モノエタノールアミドを得て、次い
でアルキレンオキシドを常法により付加することによ
り、脂肪酸モノエタノールアミドのアルキレンオキシド
付加物が得られる。さらに得られた脂肪酸モノアルカノ
ールアミドのアルキレンオキシド付加物に脂肪酸を加
え、エステル化することにより目的とする脂肪酸モノエ
タノールアミド型のエステル化化合物が得られる。
【0013】上記の方法と同様にして、モノエタノール
アミンのかわりにジエタノールアミンを用いることによ
り、脂肪酸ジエタノールアミド及びそのアルキレンオキ
シド付加物を経て、末端がエステル化された脂肪酸ジエ
タノールアミド型の目的物が得られる。また上記エタノ
ールアミン類のかわりにイソプロパノールアミンを用い
ることによっても、一般式(I) の化合物が得られる。
【0014】また、一般式(II)で表される脂肪酸アミド
ポリオキシアルキレン酢酸型の化合物は、例えば脂肪酸
とモノエタノールアミンより脂肪酸モノエタノールアミ
ドを得、さらにこの化合物にアルキレンオキシドを付加
した後、アルカリ存在下、モノクロル酢酸ナトリウム塩
と反応させ、塩酸を加え、脱塩することにより得られ
る。更に塩型にする場合は例えば水酸化ナトリウム等の
アルカリにて中和し得られる。
【0015】勿論本発明に係わる一般式(I) 及び(II)の
化合物の製造方法はこれらに限定されるものではない。
【0016】なお、本発明に係る一般式(I) の化合物と
しては、nが平均で1〜20の数、mが平均で0〜20の数
のものが好ましく、さらに好ましくはnが平均で1〜10
の数、mが平均で0〜10の数のものである。特に本発明
ではm,nがこの範囲にあり、且つm+nが平均で1≦
m+n<25の範囲にある数である化合物を使用するのが
好ましい。また、R1は炭素数7〜21の直鎖もしくは分岐
アルキル基又はアルケニル基が好ましく、原料脂肪酸と
してヤシ油系脂肪酸、パーム油系脂肪酸、牛脂系脂肪
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸を用いたものがさらに好ましく用い
られる。更に、アルキレンオキシドとしてはR2,R3が水
素であるエチレンオキシドが好ましいが、R2,R3が水素
とメチル基の混合であるエチレンオキシドとプロピレン
オキシドの混合付加物も好ましく用いられる。また、R6
は炭素数1〜21の直鎖もしくは分岐アルキル基又はアル
ケニル基が好ましい。
【0017】また、本発明に係る一般式(II)の化合物と
しては、pが平均で1〜20の正数、さらに好ましくはn
が平均で1〜10の正数の化合物が好ましい。また、R7
一般式(I) 中のR1と同様のものが好ましい。一般式(II)
において、X は水素、Na、K、NH4 又は有機アンモニウ
ムカチオンであるが、有機アンモニウムカチオンとして
は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピ
ルアミン等の1級、2級、3級アミン塩が挙げられる。
【0018】本発明の上記一般式(I) 又は(II)の化合物
からなる農薬用効力増強剤は、農薬原体と併用した場合
において薬害がなく、農薬原体の効力を2〜3倍アップ
させる事が出来る。
【0019】脂肪酸アルカノールアミドは、公知物質で
シャンプー等の泡の安定化剤として用いられている。農
薬の分野では、特開昭58−128301号に水に難溶〜不溶性
の農薬活性成分と、多価アルコール型非イオン性界面活
性剤、増粘剤等とからなる水性懸濁農薬が開示されてい
るが、これは当該水性懸濁農薬の安定化を目的としたも
のである。また特開平4−41406 号ではピレスロイド系
殺虫剤、特開平2−142708号ではピレスロイド系化合物
および/または有機リン系化合物の安定化剤として脂肪
酸アルカノールアミドを使用する例がある。更に、特公
昭63−41884 号では、アルカノールアミドが体外寄生虫
の殺虫及び/又は殺卵に有効であると記載されている
が、対象は“しらみ”のみである。すなわち、エステル
化脂肪酸アルカノールアミドや脂肪酸アミドポリオキシ
アルキレン酢酸もしくはその塩が農薬の効力を増強する
という効果を有することは今まで全く知られておらず、
本発明により初めて見出されたものである。
【0020】本発明に係わる一般式(I) 又は(II)で表さ
れる化合物を有効成分とする農薬用効力増強剤が農薬の
構造の種類に関係なく顕著な効力増強作用を呈するかに
ついての機作は必ずしも明らかではないが、その1つと
して本発明の効力増強剤が農薬に対する可溶化力が非常
に強いため農薬を微粒子化し植物体内あるいは虫体、菌
体への浸透を促すことが考えられる。
【0021】本発明に係わる一般式(I) 又は(II)で表さ
れる化合物の少なくとも一種に、更にこれら以外の界面
活性剤を併用することにより、一般式(I) 又は(II)で表
される化合物の農薬の効力増強効果を維持したまま、一
般式(I) 又は(II)で表される化合物の使用量の低減化を
計ることができる。界面活性剤としては、非イオン界面
活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び
両性界面活性剤、或いはそれらの混合物を用いることが
できる。
【0022】非イオン界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ールエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアル
キレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキ
ルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルソルビトー
ルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンエステ
ル、ポリオキシアルキレンアルキルグリセロールエステ
ル、ポリオキシアルキレンブロック共重合体、ポリオキ
シアルキレンブロック共重合体アルキルグリセロールエ
ステル、ポリオキシアルキレンアルキルスルホンアミ
ド、ポリオキシアルキレンロジンエステル、ポリオキシ
プロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノー
ルなど、及びこれらのうちの2種以上の混合物などが挙
げられる。
【0023】陽イオン界面活性剤の例としては、アルキ
ルアミンエチレンオキサイド付加物、アルキルアミンプ
ロピレンオキサイド付加物、例えばタローアミンエチレ
ンオキサイド付加物、オレイルアミンエチレンオキサイ
ド付加物、ソイアミンエチレンオキサイド付加物、ココ
アミンエチレンオキサイド付加物、合成アルキルアミン
エチレンオキサイド付加物、オクチルアミンエチレンオ
キサイド付加物など及びそれらの混合物がある。
【0024】陰イオン界面活性剤のうち、典型的なもの
は、水溶液或いは固体状態で入手され得るが、その例と
しては、モノ−及びジ−アルキルナフタレンスルホン酸
ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸ナトリウ
ム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコ
ハク酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアル
キルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルア
リールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンスチリル
フェニルエーテル硫酸塩、モノ−及びジ−アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホネートのホルムアルデヒド縮
合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、オレ
フィニックスルホン酸塩、モノ及びジアルキルリン酸
塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルリン酸
塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジフェニルエーテル
リン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルフ
ェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸塩、脂肪酸
塩、直鎖及び分岐アルキルポリオキシアルキレンエーテ
ル酢酸又はその塩、アルケニルポリオキシアルキレンエ
ーテル酢酸又はその塩、ステアリン酸及びその塩、オレ
イン酸及びその塩、N−メチル脂肪酸タウリド(tauride
s)、これらのうちの2種以上の混合物など(ナトリウ
ム、カリウム、アンモニウム及びアミン塩を含む)があ
る。
【0025】また、適当な両性界面活性剤の例として
は、ラウリルジメチルアミンオキサイド、アルモックス
(Armox)C/12、アミンオキサイド、モナテリックス(Mon
aterics)、ミラノール(Miranols)、ベタイン、ロンザイ
ン(Lonzaines) 、他のアミンオキサイド、これらの混合
物などがある。
【0026】これらの界面活性剤のうち、一般式(I) の
化合物と併用するのは非イオン型界面活性剤又は陰イオ
ン界面活性剤、中でもポリオキシアルキレンアルキルグ
リセロールエステルが好ましく、一般式(II)の化合物と
併用するのは非イオン型界面活性剤又は陽イオン界面活
性剤が好ましい。
【0027】前記一般式(I) 又は(II)で表される化合物
と、それら以外の界面活性剤とを有効成分とする農薬用
効力増強剤において、一般式(I) 又は(II)で表される化
合物の総量と界面活性剤の好ましい併用割合は、〔一般
式(I) 又は(II)で表される化合物の総量〕/〔該化合物
以外の界面活性剤〕=1/10〜50/1(重量比)であ
り、更に好ましくは1/1〜10/1である。
【0028】また、本発明の農薬組成物は上記の如き農
薬用効力増強剤又は農薬用効力増強剤組成物と、農薬原
体からなるものである。ここで、農薬原体とは農薬の有
効成分をいう。本発明の農薬組成物において、農薬用効
力増強剤は、農薬用効力増強剤又は農薬用効力増強剤組
成物中の一般式(I) 又は(II)で表される化合物と農薬原
体の重量比が、〔一般式(I) 又は(II)で表される化合
物〕/〔農薬原体〕=0.03〜50、好ましくは0.04〜20、
さらに好ましくは 0.1〜10となるよう使用する事が必要
である。この割合が0.03未満では目的とする農薬の効力
増強効果を十分達成し得ない。一方、この割合を50超と
しても、それ以上の効果の上昇は望めない。
【0029】また、本発明の農薬組成物の製剤型は、乳
剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル製剤等いずれでも
よく、製剤型は問わない。従って、その製剤型に応じた
他の添加剤、例えば乳化剤、分散剤、担体等を含有する
ものであってもよい。本発明に係わる農薬用効力増強剤
の使用方法は、農薬用効力増強剤を含有する上記各種剤
型の農薬組成物を使用する方法と、農薬(本発明の効力
増強剤を含有しないもの)希釈使用時に別添の農薬用効
力増強剤を使用する方法があるが、どちらの方法にても
本発明の目的とする効力増強作用が得られる。
【0030】本発明の農薬組成物の製剤中に必要に応じ
てキレート剤、pH調節剤、無機塩類、増粘剤を加えても
よい。
【0031】本発明に使用し得るキレート剤としては、
アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族及び脂肪族
カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エー
テルポリカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレー
ト剤(例えばイミノジメチルホスホン酸(IDP)、ア
ルキルジホスホン酸(ADPA)等である)、又はジメ
チルグリオキシム(DG)等であり、これらは酸のまま
或いはナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩の形
のものであってもよい。本発明において、キレート剤
は、一般式(I) 又は(II)で表される化合物1モルに対し
て0.01〜30倍モル、好ましくは0.05〜20倍モル、更に好
ましくは0.1 〜15倍モル配合される。
【0032】アミノポリカルボン酸系キレート剤として
は、 a)RNX2型化合物 b)NX3 型化合物 c)R-NX-CH2CH2-NX-R型化合物 d)R-NX-CH2CH2-NX2 型化合物及び e)X2N-R'-NX2型及びこの型の化合物でX を4以上含む
化合物の全てが使用できる。上記式中X は -CH2COOH 又
は -CH2CH2COOHを表し、R は水素原子、アルキル基、水
酸基、ヒドロキシアルキル基又はこの種の公知のキレー
ト化合物を表す置換基を表し、R'はアルキレン基、シク
ロアルキレン基及びこの種の公知のキレート化合物を表
す基を表す。これらの代表例としては、エチレンジアミ
ンテトラ酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミンテ
トラ酢酸(CDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、
イミノジ酢酸(IDA)、 N-(2-ヒドロキシエチル) イ
ミノジ酢酸(HIMDA)、ジエチレントリアミンペン
タ酢酸(DTPA)、N-(2-ヒドロキシエチル) エチレ
ンジアミン三酢酸(EDTA−OH)及びグリコールエ
ーテルジアミンテトラ酢酸(GEDTA)並びにこれら
の塩等が挙げられる。
【0033】本発明に使用し得る芳香族及び脂肪族カル
ボン酸系キレート剤は、クエン酸、シュウ酸、グリコー
ル酸、ピルビン酸又はアントラニル酸及びこれらの塩等
である。また、本発明に使用し得るアミノ酸系キレート
剤はグリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、
システイン、エチオニン、チロシン又はメチオニン及び
これらの塩及び誘導体等である。更に、本発明に使用し
得るエーテルポリカルボン酸系キレート剤としては、例
えば次式で表される化合物並びにその類似化合物及びそ
の塩(特にNa塩等)が挙げられる。
【0034】
【化8】
【0035】本発明に使用し得るpH調節剤としてはクエ
ン酸、リン酸(ピロリン酸)、グルコン酸等或いはこれ
らの塩である。
【0036】本発明に使用し得る無機塩類としては、無
機鉱物塩として例えば無機塩クレー、タルク、ベントナ
イト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ホワ
イトカーボン等が挙げられ、無機アンモニウム塩として
例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸ア
ンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニ
ウム、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。
【0037】また本発明に使用し得る増粘剤としては、
天然、半合成及び合成の水溶性増粘剤は何れも使用で
き、天然粘質物では、微生物由来のキサンタンガム、ザ
ンフロー、植物由来のペクチン、アラビアゴム、グアー
ゴムなどが、半合成粘質物では、セルロースまたはでん
ぷん誘導体のメチル化物、カルボキシアルキル化物、ヒ
ドロキシアルキル化物(メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどを
含む)、ソルビトールなどが、また合成粘質物では、ポ
リアクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリビニルピロリ
ドン、ペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物な
どが具体例として挙げられる。
【0038】次に本発明の農薬組成物に用いられる農薬
原体の例を挙げるが、これらに限定されるものではな
い。また、本発明に係わる農薬用効力増強剤は種々の作
物に対して薬害はなく安全に使用できるものである。
【0039】殺菌剤としては、ダイセン(亜鉛エチレン
ビスジチオカーバメート)、マンネブ(マンガンエチレ
ンビスジチオカーバメート)、チウラム(ビス(ジメチ
ルチオカルバモイル)ジスルファイド)、マンゼブ (亜
鉛イオン配位マンガニーズエチレンビスジチオカーバメ
ート) 、ビスダイセン (ビスジメチルジチオカルバモイ
ル亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、プロピネブ
(亜鉛プロピレンビスジチオカーバメート)、ベンズイ
ミダゾール系としてはベノミル (メチル−1−(ブチル
カルバモイル)−2−ベンズイミダゾールカーバメー
ト) 、チオファネートメチル(1,2 −ビス (3−メトキ
シカルボニル・2−チオウレイド)ベンゼン) 、他にビ
ンクロゾリン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチ
ル−5−ビニル−1,3 −オキサゾリジン−2,4 −ジオ
ン) 、イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル) −
N −イソプロピル−2,4 −ジオキソイミダゾリジン−1
−カルボキサミド)、プロシミドン(N−(3,5−ジクロロ
フェニル)−1,2 −ジメチルシクロプロパン−1,2 −ジ
カルボキシイミド) 、トリアジン(2,4−ジクロロ−6−
(2−クロロアニリノ) −1,3,5 −トリアジン)、トリ
フミゾール( (E)−4−クロロ−α,α,α−トリフル
オロ−N − (1−イミダゾール−1−イル−2−プロポ
キシエチリダン) −o−トルイジン) 、メタラキシル
(メチル−N − (2−メトキシアセチル)−N −(2,6−
キシリル)−D,L −アラニネート)、ビテルタノール
(オール−ラック−1−(ビフェニル−4−イロキシ)
−3,3 −ジメチル−1−(1H− 1,2,4−トリアゾール−
1−イル) −2−ブタン−2−オール)、ピリフェノッ
クス(2,4−ジクロロ−2−(3−ピリジル)アセトフェ
ノン−(EZ)−O −メチルオキシム)、フェナリモル(2,4
−ジクロロ−α−(ピリジン−5イル)ベンズヒドリル
=アルコール)、トリホリン(1,4-ビス- (2,2,2−トリ
クロロ−1−ホルムアミドエチル)ピペラジン)、イミ
ノクタジン酢酸塩(1,1−イミニオディ(オクタメチレ
ン)ジグアニジウムトリアセテート)、有機銅(Oxine-c
opper)、抗生物質系殺菌剤(ストレプトマイシン系、テ
トラサイクリン系、ポリオキシ系、ブラストサイジン
S、カスガマイシン系、バリダマイシン系)、トリアジ
メホン (1− (4−クロロフェノキシ)−3,3 −ジメチ
ル−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタ
ノン) 、イソプロチオラン (ジイソプロピル−1,3 −ジ
チオラン−2−イリデンマロネート)、ダコニール (テ
トラクロルイソフタロニトリル) 、パンソイル(5−エ
トキシ−3−トリクロルメチル−1,2,4 −チアジアゾー
ル) 、フサライド(4,5,6,7−テトラクロルフタロリド)
、キタジンP (O,O−ジイソプロピル−S −ベンジルチ
オホスフェート)、ヒノザン(O−エチル−S,S −ジフェ
ニルジチオホスフェート) 、プロベナゾール(3−アリロ
キシ−1,2 −ベンズイソチアゾール−1,1 −ジオキサイ
ド) 、キャプタン(N−トリクロロメチルチオ−テトラヒ
ドロフタルイミド)、ホセチル(アルミニウム=トリス
(エチル=ホスナート))等が挙げられる。
【0040】殺虫剤の場合、ピレスロイド系殺虫剤とし
ては、フェンバレレエート(α−シアノ−3−フェノキ
シベンジル−2− (4−クロロフェニル)−3−メチル
ブタノエート) 、バイスロイド (シアノ(4−フルオロ
−3−フェノキシフェニルメチル−3−(2,2−ジクロロ
エテニル)−2,2 −ジメチルシクロプロパンカルボキシ
レート) 、有機リン系殺虫剤としては、DDVP( ジメチル
2,2 −ジクロルビニルホスフェート)、スミチオン(ME
P) (O,O−ジメチル−O −(3−メチル−4−ニトロフェ
ニル) チオフォスフェート) 、マラソン(S−〔1,2,−ビ
ス (エトキシカルボニル)エチル〕ジメチルホスホロチ
オールチオネート)、ジメトエート(ジメチル S−(N−
メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート) 、エ
ルサン( S−〔α−(エトキシカルボニル)ベンジル〕
ジメチルホスホロチオールチオネート) 、バイジット
(O,O−ジメチル−O −(3−メチル−4−メチルチオフ
ェニルチオホスフェート))、カーバメート系殺虫剤と
しては、バッサ(O-sec- ブチルフェニルメチルカーバメ
ート)、MTMC(m−トリルメチルカーバメート)、メオパ
ール(3,4−ジメチルフェニル−N −メチルカーバメー
ト)、NAC(1−ナフチル−N −メチルカーバメート) 、
他にメソミル(S メチル−N 〔(メチルカルバモイル)
オキシ〕チオアセトイミド)、カルタップ(1,3−ビス
(カルバモイルチオ)−2−(N,N−ジメチルアミノ)プ
ロパンハイドロクロライド)等が挙げられる。
【0041】更に、天然物系殺虫剤としては、除虫菊由
来のピレトリン剤、ピペロニルブトキシド剤、マメ科の
かん木デリス由来のロテノン剤、ニコチン剤(3−(1
−メチル−2−ピルロリジニル)ピリジンサルフェー
ト)等が挙げられる。昆虫成長制御剤(IGR剤)とし
ては、ジフルベンズロン(1−(4クロロフェニル)−
3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素)、テフルベ
ンズロン(1−(3,5 −ジクロロ−2,4 −ジフルオロフ
ェニル)−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿
素)、クロルフルアズロン(1−〔3,5 −ジクロロ−4
−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジ
ルオキシ)フェニル〕−3−(2,6 −ジフルオロベンゾ
イル)尿素、ブプロフェジン(2−ターシャリーブチル
イミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6 −
テトラヒドロ−2H−1,3,5 −チアジアジン−4−オ
ン)、フェノキシカルブ(エチル−2−(4−フェノキ
シフェノキシ)エチルカルバマート)等が挙げられる。
【0042】これらの殺虫剤のうち、一般式(I) の化合
物と併用するには天然物系殺虫剤、特にIGR剤が好ま
しく、また一般式(II)の化合物と併用するにはピレスロ
イド系、有機リン系殺虫剤が好ましい。
【0043】また殺ダニ剤としては、スミイト(2−te
rt−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−
4−クロロピリダジン−3(2H)−オン)、アクリシ
ッド(2,4−ジニトロ−6−セカンダリ−ブチルフェニル
ジメチルアクリレエート)、クロルマイト(イソプロピ
ル−4,4 −ジクロルベンジレエート)、アカール(エチ
ル−4,4 −ジクロルベンジレエート)、ケルセン(1,1−
ビス(p−クロルフェニル)−2,2,2 −トリクロルエタノ
ール)、シトラゾン(エチル−O −ベンゾイル−3−ク
ロル−2,6 −ジメトキシベンゾハイドロキシメイト) 、
オマイト (2−(p−tert−ブチルフェノキシ)−シクロ
ヘキシル−2−プロピニルスルファイト)、オサダン
(ヘキサキス(β,β−ジメチルフェニルエチル)ジス
タンノキサン)、ヘキシチアゾクス(トランス−5−
(4−クロロフェニル)−N −シクロヘキシル−4−メ
チル−2−オキソチアゾリジン−3−カルボキサミ
ド)、アミトラスズ(3−メチル−1,5 −ビス(2,4−キ
シリル)−1,3,5 −トリアザペンタ−1,4 −ジエン)等
が挙げられる。
【0044】除草剤としては、酸アミド系除草剤とし
て、例えばスタム(3,4−ジクロルプロピオンアニリド、
DCPA)、アラクロール(2−クロロ−2',6' −ジエチル
−N −(メトキシメチル)アセトアニリド)等が挙げら
れる。尿素系除草剤として、例えば、DCMU(3−(3,4−
ジクロロフェニル)−1,1 −ジメチルウレア)、リニュ
ロン(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−
1−メチルウレア)等が挙げられる。ジピリジル系除草
剤としては、例えばパラコート(1,1'−ジメチル-4,4'-
ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7-ジヒド
ロジピリド[1,2-a:2',1'c]ピラジンディウムジブロマイ
ド)等が挙げられる。ダイアジン系除草剤としては、例
えばブロマシル(5−ブロモ -3-sec-ブチル−6−メチ
ルウラシル)等が挙げられる。S−トリアジン系除草剤
としては、例えばシマジン(2−クロロ-4,6- ビス(エ
チルアミノ)-1,3,5- トリアジン)、シメトリン(2,4-
ビス(エチルアミノ)−6−メチルチオ-1,3,5- トリア
ジン)等が挙げられる。ニトリル系除草剤としては、例
えばDBN (2,6-ジクロロベンゾニトリル)等が挙げられ
る。ジニトロアニリン系除草剤としては、例えばトリフ
ルラリン(α,α,α−トリフルオロ-2,6- ジニトロ-
N,N- ジプロピル−p−トルイジン)等が挙げられる。
カーバメート系除草剤としては、例えばベンチオカーブ
(サターン)(S−p−クロロベンジル-N,N- ジエチルチ
オカーバメート)、MCC (メチル-3,4- ジクロロカーバ
ニレート)等が挙げられる。ジフェニルエーテル系除草
剤としては、例えばNIP (2,4-ジクロロフェニル−p−
ニトロフェニルエーテル)等が挙げられる。安息香酸系
除草剤としては、例えばMDBA(ジメチルアミン-3,6- ジ
クロロ−o−アニセート)等が挙げられる。フェノキシ
系除草剤としては、例えば 2,4-Dナトリウム塩(ソディ
ウム 2,4- ジクロロフェノキシアセテート)、マピカ
([(4-クロロ−o−トルイル)オキシ] アセト−o−ク
ロロアニリド)等が挙げられる。有機リン系除草剤とし
ては、例えばグリホセート(N-(ホスホノメチル)グリシ
ン又はその塩)、ビアラホス(ソディウム・ソルト・オ
ブ L−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=
ホスフィノイル〕ブチリル−L −アラニル−L −アラニ
ン)、グリホシネート(アンモニウム−DL−ホモアラニ
ン−4−イル(メチル)ホスフィネート)等が挙げられ
る。また脂肪族系除草剤としては、例えばTCA ナトリウ
ム塩(ソディウム・トリクロロアセテート)等が挙げら
れる。
【0045】これらの除草剤のうち、酸アミド系除草
剤、ダイアジン系除草剤、ニトリル系除草剤、ジニトロ
アニリン系除草剤、安息香酸系除草剤及び有機リン系除
草剤が好ましく、特に有機リン系除草剤、中でもビアラ
ホス(ソディウム・ソルト・オブ L−2−アミノ−4
−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチ
リル−L−アラニル−L−アラニン)、グリホシネート
(アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチ
ル)ホスフィネート)又はグリホセート(N−(ホスホ
ノメチル)グリシン又はその塩)が好ましい。
【0046】更に植物成長調節剤としては、MH(マレイ
ン酸ヒドラジット)、エスレル(2−クロルエチルホス
ホン酸)、UASTA 、ビアラホス等が挙げられる。
【0047】更に、本発明の農薬組成物には上記以外の
植物成長調節剤、肥料、防腐剤等の1種以上を混合して
用いることもできる。
【0048】本発明では、殺菌、殺虫、殺ダニ、除草又
は植物成長調節を目的として、本発明に係る農薬用効力
増強剤を含有し、該農薬用効力増強剤を農薬原体の0.03
〜50倍、好ましくは0.04〜20倍、更にさらに好ましくは
0.1〜10倍含有する農薬組成物を用いる。
【0049】本発明の農薬用効力増強剤を用いた農薬製
剤としては、 (a) 前記一般式(I) 又は(II)で表される化合物の1種以
上の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体とからなる
農薬製剤 (b) 前記一般式(I) 又は(II)で表される化合物の1種以
上と該化合物以外の界面活性剤の1種以上とからなる組
成物の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体とからな
る農薬製剤 (c) 前記一般式(I) 又は(II)で表される化合物の1種以
上の分包包装体と、該化合物以外の界面活性剤の1種以
上の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体とからなる
農薬製剤 (d) 前記一般式(I) 又は(II)で表される化合物の1種以
上とキレート剤とからなる組成物の分包包装体と、農薬
組成物の分包包装体とからなる農薬製剤 (e) 前記一般式(I) 又は(II)で表される化合物の1種以
上とキレート剤とからなる組成物の分包包装体と、前記
化合物以外の界面活性剤の1種以上の分包包装体と、農
薬組成物の分包包装体とからなる農薬製剤 (f) 前記一般式(I) 又は(II)で表される化合物の1種以
上と該化合物以外の界面活性剤の1種以上とキレート剤
とからなる組成物の分包包装体と、農薬組成物の分包包
装体とからなる農薬製剤 が挙げられる。尚、ここで、分包包装体となる農薬組成
物とは、農薬原体と任意成分とを任意の割合で含む、乳
剤、水和剤等の形態のものを意味し、本発明の農薬用効
力増強剤と農薬原体からなる農薬組成物とは別のもので
ある。各分包包装体中の形態は限定されず、用途、目的
に応じて調製される。
【0050】
【実施例】以下実施例にて本発明を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】実施例1 表1,2に示す化合物と、必要に応じて表3,4に示す
界面活性剤、キレート剤を用いて表3,4に示す種々の
農薬用効力増強剤組成物(以下、有効成分と略記する)
を調製した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【化9】
【0057】上記の有効成分をそれぞれ 0.2重量%の希
釈液となる様にイオン交換水に溶解させた。得られた
0.2重量%希釈液を用いて、市販の除草剤であるラウン
ドアップ液剤(グリホセートイソプロピルアミン塩とし
て有効分41重量%)、バンベル−D液剤(MDBAジメチル
アミン塩として有効分50.0重量%)、ハービエース水溶
剤(ビアラホスとして有効分20重量%)の各々について
300倍希釈を行い、1つの有効成分につき3種の農薬組
成物を得た。
【0058】温室試験のために水田より採土した肥沃土
と川砂と市販の培養土を7:2:1(重量比)で混合し
た土を入れた内径12cmのポットにメヒシバの種子を蒔き
発芽させる。ポット間の個体の均一性を高めるため、発
育が異常なポットは廃棄する。メヒシバの草丈が18cm程
度に成長したポットを試験に用いた。農薬組成物は、ス
プレーガン(岩田塗装機工業 (株) 製、RGタイプ)を用
い、10リットル/アールに相当する割合でポット中のメ
ヒシバ全体に均一にかかるように噴霧し、殺草効力を評
価した。
【0059】殺草効力の評価は、地上部生重量を散布処
理後10日目に量り、無処理区の地上部生重量を基準とし
た殺草百分率で示した(下記式参照)。
【0060】
【数1】
【0061】各農薬組成物の殺草率を表5〜6に示す。
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】実施例2 カンザワハダニメス成虫を、インゲンのリーフディスク
に1区30匹、3反復にてうえ付けた後、24Hr25℃にて培
養した。その後リーフディスク全体を試験溶液に5秒間
浸漬させ、試験溶液から取り出して25℃で48時間放置後
に観察し、殺ダニ率を無処理の場合を基準にして求めた
(下記式参照)。殺ダニ剤としてはニッソラン水和剤
(ヘキシチアゾクスとして有効分10重量%)、オサダン
水和剤25(酸化フェンブタスズとして有効分25重量%)
の各々について、2000倍希釈液を用い、農薬用効力増強
剤は実施例1で用いたものと同じものを使用した。農薬
用効力増強剤の有効成分の希釈液中の濃度が 0.1重量%
になるように調製した。また、効力増強剤を使用しない
場合についても同様に行なった。結果を表7〜8に示
す。
【0065】
【数2】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】実施例3 (1) ウンカの3齢幼虫を培養し、1区10頭、3連制に
て、ディッピング法にて、殺虫剤の効力検定を行った。
殺虫率は殺ダニ率と同様に求めた。市販の殺虫剤である
スミチオン乳剤(MEP として有効分50重量%)、アグロ
スリン水和剤(ジペルメトリンとして有効分6重量%)
の各々についての2000倍希釈液を用い、農薬用効力増強
剤は実施例1で用いたものをその希釈液中の濃度が0.1
重量%になるように使用した。
【0069】(2) また、インゲンのリーフディスク全体
に試験溶液を5秒間浸漬し、試験溶液から取り出し、風
乾後、あらかじめ培養しておいた、ウンカの3齢幼虫を
リーフディスクに10頭のせ、25℃で10日間培養し、肉眼
にてウンカの死亡数を調査して、殺虫剤の効力検定を行
った。尚、試験は3反復行い、殺虫率は殺ダニ率と同様
に求めた。殺虫剤としては、市販のデミリン水和剤(ジ
フルベンズロンとして有効分23.5%)の2000倍希釈液を
用い、農薬用効力増強剤は実施例1で用いたものをその
希釈液中の濃度が0.1 重量%になるように使用した。上
記の結果を表9〜10に示す。
【0070】
【表9】
【0071】
【表10】
【0072】実施例4 殺菌剤抵抗性菌であるキュウリ灰色カビ病菌(Botrytis
cinerea)の胞子懸濁液(107 個/ml)をキュウリの幼苗
(本葉3葉展開中)に1ポット当り10mlずつ散布し、25
℃、90%相対湿度下に1日間静置した。
【0073】その後市販の殺菌剤であるベンレート水和
剤(ベノミルとして有効分50重量%)を実施例1で用い
た有効成分の2500倍希釈溶液にて2000倍に希釈してから
1ポットあたり5mlずつ散布した。その後25℃、85%相
対湿度下に静置し、病斑数を数え、無処理区に対する防
除価を以下の計算式により算出した。結果を表11〜12に
示す。
【0074】
【数3】
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】実施例1〜4は本発明の農薬用効力増強剤
の効力を、一般の3級アミンまたは陽イオン性界面活性
剤を農薬用効力増強剤として用いた場合(比較品)と比
較した試験を示す。表5〜12から明らかなように、本発
明の農薬用効力増強剤は顕著に効果を発揮し、実用レベ
ルであったが、比較品では若干の農薬の効力増強は見ら
れるものの、実用レベルに至るまでの効果は無かった。
従って、本発明の農薬用効力増強剤は、一般の3級アミ
ンまたは陽イオン性界面活性剤に比べ、特異的に農薬の
効力を増強させることがわかる。
【0078】実施例5 除草剤としてラウンドアップ液剤(有効成分41重量%)
を用い、効力増強剤として、実施例1の有効成分13、有
効成分21、有効成分28を用い、これらを表13に示した量
に於いて使用して、実施例1と同様の試験を行った。結
果を表13に示す。なお、表13中「農薬原体」とは除草剤
の有効成分を意味する。
【0079】
【表13】
【0080】実施例6 殺虫剤としてスミチオン乳剤〔有効成分50重量%(MEP
として)〕を用い、効力増強剤として、実施例1の有効
成分13及び有効成分30を用い、これらを表14に示した量
に於いて使用して、実施例3の(1) と同様の試験を行っ
た。結果を表14に示す。なお、表14中「農薬原体」とは
殺虫剤の有効成分を意味する。
【0081】
【表14】

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) で表される化合物を有効成分
    とする農薬用効力増強剤。 【化1】 〔式中、 R1:炭素数5〜29の直鎖もしくは分岐アルキル基又はア
    ルケニル基 R2, R3:同一又は異なって、水素もしくはメチル基又は
    水素とメチル基の混合 m:平均で0〜30の数 n:平均で1〜30の数 【化2】 R6:炭素数1〜29の直鎖もしくは分岐アルキル基又はア
    ルケニル基を表す。〕
  2. 【請求項2】 一般式(I) で表される化合物のmが0、
    R4が 【化3】 且つR5が水素である請求項1記載の農薬用効力増強剤。
  3. 【請求項3】 一般式(I) で表される化合物のmが平均
    で1〜30の数、nが平均で1〜30の数である請求項1記
    載の農薬用効力増強剤。
  4. 【請求項4】 一般式(I) で表される化合物のR2, R3
    何れも水素である請求項1〜3の何れか1項記載の農薬
    用効力増強剤。
  5. 【請求項5】 一般式(I) で表される化合物のR2, R3
    水素とメチル基の混合である請求項1〜3の何れか1項
    記載の農薬用効力増強剤。
  6. 【請求項6】 一般式(I) で表される化合物のm+nが
    平均で1≦m+n<25の範囲にある数である請求項1〜
    5の何れか1項記載の農薬用効力増強剤。
  7. 【請求項7】 一般式(II)で表される化合物を有効成分
    とする農薬用効力増強剤。 【化4】 〔式中、 R7:炭素数5〜29の直鎖もしくは分岐アルキル基又はア
    ルケニル基 R8:水素もしくはメチル基又は水素とメチル基の混合 p:平均で1〜30の正数 X :水素、Na、K 、NH4 又は有機アンモニウムカチオン を表す。〕
  8. 【請求項8】 一般式(II)で表される化合物のR8が水素
    である請求項7記載の農薬用効力増強剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項記載の化合物
    の1種以上と、当該化合物1モルに対して0.01〜30倍モ
    ルのキレート剤とを含有してなる農薬用効力増強剤組成
    物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6の何れか1項記載の化合
    物の1種以上と、該化合物以外の界面活性剤の1種以上
    とを含有する農薬用効力増強剤組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6の何れか1項記載の化合
    物の1種以上と、該化合物以外の界面活性剤の1種以上
    と、前記化合物1モルに対して0.01〜30倍モルのキレー
    ト剤とを含有してなる農薬用効力増強剤組成物。
  12. 【請求項12】 界面活性剤が非イオン界面活性剤又は
    陰イオン界面活性剤である請求項10又は11記載の農
    薬用効力増強剤組成物。
  13. 【請求項13】 請求項7又は8記載の化合物の1種以
    上と、該化合物以外の界面活性剤の1種以上とを含有し
    てなる農薬用効力増強剤組成物。
  14. 【請求項14】 請求項7又は8記載の化合物の1種以
    上と、該化合物以外の界面活性剤の1種以上と、前記化
    合物1モルに対して0.01〜30倍モルのキレート剤とを含
    有してなる農薬用効力増強剤組成物。
  15. 【請求項15】 界面活性剤が非イオン界面活性剤又は
    陽イオン界面活性剤である請求項13又は14記載の農
    薬用効力増強剤組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1〜8の何れか1項記載の化合
    物と、該化合物以外の界面活性剤との量比が、重量比で
    〔請求項1〜8の何れか1項記載の化合物〕/〔該化合
    物以外の界面活性剤〕=1/10〜50/1である請求項1
    0〜15の何れか1項記載の農薬用効力増強剤組成物。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16の何れか1項記載の農
    薬用効力増強剤又は農薬用効力増強剤組成物と農薬原体
    を含有してなり、当該農薬用効力増強剤又は農薬用効力
    増強剤組成物中の一般式(I) 又は(II)で表される化合物
    と農薬原体の重量比が、〔一般式(I) 又は(II)で表され
    る化合物〕/〔農薬原体〕=0.03〜50である農薬組成
    物。
  18. 【請求項18】 農薬原体が、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ
    剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択
    される請求項17記載の農薬組成物。
  19. 【請求項19】 農薬原体が除草剤の少なくとも1種以
    上を有効成分とする請求項16記載の農薬組成物。
  20. 【請求項20】 除草剤が有機リン系除草剤である請求
    項19記載の農薬組成物。
  21. 【請求項21】 有機リン系除草剤が、ビアラホス(ソ
    ディウム・ソルト・オブ L−2−アミノ−4−〔(ヒ
    ドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L
    −アラニル−L−アラニン)、グリホシネート(アンモ
    ニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホス
    フィネート)又はグリホセート(N−(ホスホノメチ
    ル)グリシン又はその塩)である請求項20記載の農薬
    組成物。
  22. 【請求項22】 請求項1〜8の何れか1項記載の化合
    物の1種以上の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体
    とからなる農薬製剤。
  23. 【請求項23】 請求項1〜8の何れか1項記載の化合
    物の1種以上と該化合物以外の界面活性剤1種の以上と
    からなる組成物の分包包装体と、農薬組成物の分包包装
    体とからなる農薬製剤。
  24. 【請求項24】 請求項1〜8の何れか1項記載の化合
    物の1種以上の分包包装体と、該化合物以外の界面活性
    剤の1種以上の分包包装体と、農薬組成物の分包包装体
    とからなる農薬製剤。
  25. 【請求項25】 請求項1〜8の何れか1項記載の化合
    物の1種以上とキレート剤とからなる組成物の分包包装
    体と、農薬組成物の分包包装体とからなる農薬製剤。
  26. 【請求項26】 請求項1〜8の何れか1項記載の化合
    物の1種以上とキレート剤とからなる組成物の分包包装
    体と、前記化合物以外の界面活性剤の1種以上の分包包
    装体と、農薬組成物の分包包装体とからなる農薬製剤。
  27. 【請求項27】 請求項1〜8の何れか1項記載の化合
    物の1種以上と該化合物以外の界面活性剤の1種以上と
    キレート剤とからなる組成物の分包包装体と、農薬組成
    物の分包包装体とからなる農薬製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09291003A (ja) * 1996-03-01 1997-11-11 Kao Corp 農薬用効力増強剤及び農薬組成物
JP2002504497A (ja) * 1998-02-27 2002-02-12 バックマン・ラボラトリーズ・インターナショナル・インコーポレーテッド ジエタノールアミドを使用する殺生物剤活性の増強
JP2004503474A (ja) * 2000-06-15 2004-02-05 アクゾ・ノーベル・ナムローゼ・フエンノートシャップ 改善された生分解性を有するアミン化合物の、農薬および肥料に対する補助剤としての使用
JP2013544869A (ja) * 2010-12-13 2013-12-19 アクゾ ノーベル ケミカルズ インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ 殺虫剤用のアジュバント

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