JPH07223173A - 破砕具及び破砕方法 - Google Patents

破砕具及び破砕方法

Info

Publication number
JPH07223173A
JPH07223173A JP1430094A JP1430094A JPH07223173A JP H07223173 A JPH07223173 A JP H07223173A JP 1430094 A JP1430094 A JP 1430094A JP 1430094 A JP1430094 A JP 1430094A JP H07223173 A JPH07223173 A JP H07223173A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chisel
crushing
crushed
crushing tool
tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1430094A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuzo Kageto
卓三 影戸
Masahiro Itamura
雅弘 板村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MATSUDA ASTEC KK
Original Assignee
MATSUDA ASTEC KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MATSUDA ASTEC KK filed Critical MATSUDA ASTEC KK
Priority to JP1430094A priority Critical patent/JPH07223173A/ja
Publication of JPH07223173A publication Critical patent/JPH07223173A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Percussive Tools And Related Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被破砕物をその表面が所定の形状を呈するよ
うにして、騒音を低減しつつ低コストで破砕することが
できる手段を提供する。 【構成】 簡素な構造の破砕具21を油圧ブレーカのチ
ゼル6の先端部に取り付け、油圧ブレーカを運転してチ
ゼル6をチゼル軸線方向に往復移動させるだけで、スパ
イキーハンマ等の破砕装置を用いることなく、コンクリ
ート構造物等の被破砕物を、その表面が所定の形状を呈
するように平面状に破砕することができ、破砕作業のコ
ストが低減される。また、油圧ブレーカは排気音を発生
させないので、破砕作業時の騒音が低減される。さら
に、破砕具による被破砕物の破砕時には、破砕具が各ビ
ットと被破砕物との間の抵抗等に応じてチゼル軸線まわ
りに回転するので、被破砕物がまんべんなく破砕され、
被破砕物の破砕面に凹凸がほとんど生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート、モルタ
ル等でつくられた構造物等を破砕する破砕具及び破砕方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンクリート、モルタル等でつ
くられた構造物等(以下、コンクリート構造物等という)
の被破砕物を破砕する場面ではブレーカが用いられる
が、かかるブレーカは、普通、油圧又は空気圧によって
往復移動(振動)させられる1本のチゼルで被破砕物に強
い衝撃力を加え、該被破砕物を破砕するようにしてい
る。しかしながら、このようにチゼルで被破砕物を破砕
するようにしたブレーカは、コンクリート構造物等の被
破砕物を全面的に破砕するといった場面では有効である
が、被破砕物をその表面が所定の形状を呈するように局
所的かつ平面状に破砕する(削り取る)といった場面、例
えばコンクリート構造物等の表面に所定の幅及び所定の
深さの溝部を形成するといった場面では用いることがで
きない。けだし、かかるブレーカでは、チゼルから被破
砕物に加えられる衝撃力が強すぎるので、破砕してはな
らない部分まで破砕してしまうことが多いからである。
【0003】そこで、コンクリート構造物等の被破砕物
をその表面が所定の形状を呈するように局所的に破砕す
るといった場面では、普通、このような破砕作業のみを
行うために特別に製作された破砕装置、例えばスパイキ
ーハンマが用いられる。なお、手作業によれば、スパイ
キーハンマ等を用いなくても被破砕物をその表面が所定
の形状を呈するように破砕することが可能であるが、か
かる手作業には多大な労力を要するので、破砕作業のコ
ストを大幅に上昇させることになる。
【0004】図3に、コンクリート構造物等の被破砕物
をその表面が所定の形状を呈するように破砕することが
できる従来のスパイキーハンマの一例を示す。図3に示
すように、従来のスパイキーハンマ100においては、
略円筒形のハンマケース101の軸心部にチューブ10
2が同軸に配置され、ハンマケース101の内周面とチ
ューブ102の外周面との間の空間部にピストンライナ
103が嵌入されている。そして、ハンマケース101
内において、ピストンライナ103の後方に画成された
後室104と、ピストンライナ103の前方に画成され
た前室105とに交互に圧縮空気を供給して、ピストン
ライナ103を前後に往復移動(振動)させるようになっ
ている。ここで、ピストンライナ103のすぐ前方に
は、フロントヘッド106によって前後方向に移動可能
に保持され、前端部に夫々ビット107が取り付けられ
た複数のチゼルロッド108が配置され、基本的にはピ
ストンライナ103の往復移動に伴って各チゼルロッド
108が前後方向に往復移動し、このチゼルロッド10
8の往復移動によりビット107でコンクリート構造物
等の表面を破砕するようになっている。ただし、チゼル
ロッド108は、前進するときにはピストンライナ10
3の押圧力によって前進させられるが、後退するときに
は圧力室109内の空気圧によって後退させられる。な
お、後室104、前室105又は圧力室109へは、圧
縮空気供給通路110を通して圧縮空気が供給される。
【0005】かかる従来のスパイキーハンマ100では
複数のビット107(例えば、5個)が設けられ、さらに
各ビット107の先端に複数の突起部118(例えば、
6個)が設けられているので、多数の突起部118で被
破砕物の表面を面状に破砕する(削り取る)ことができ、
該スパイキーハンマ100の先端を被破砕物の表面に沿
って所望の経路で移動させることにより、被破砕物をそ
の表面が上記移動経路に対応する形状を呈するように破
砕することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
図3に示すような従来のスパイキーハンマ100はその
構造が非常に複雑であり、したがってその価格が高くな
り、破砕作業のコストが高くつくといった問題がある。
図3から明らかなとおり、例えばハンマケース101は
シリンダ111、シリンダブッシング112、バックヘ
ッド113、インレットコネクタ114等の多数の部材
で構成され、またフロントヘッド106はフロントヘッ
ド本体115、チゼルブッシュ116、ゴムカバー11
7等の多数の部材で構成されるなど、スパイキーハンマ
100は非常に多くの部材で構成されているからであ
る。
【0007】また、例えば図3に示すような従来のスパ
イキーハンマ100では、被破砕物に硬質部分と軟質部
分とが混在する場合、あるいはビット107の横方向へ
の移動時にこじりが生じた場合には破砕面(削り取り面)
に凹凸が生じるので、被破砕物の破砕面の平面度(加工
精度)を高めるためには手作業で凸部を削り取らなけれ
ばならないといった問題がある。さらに、かかる従来の
スパイキーハンマ100は、空気圧で駆動される関係上
その排気騒音が非常に大きくなり、したがって環境対策
上破砕作業が昼間に制限され昼夜兼行で破砕作業を行う
ことができない。このため、破砕作業がなかなかはかど
らない場合があるといった問題がある。
【0008】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、コンクリート構造物等の被
破砕物を、その表面が凹凸のない所定の形状を呈するよ
うにして、騒音を低減しつつ容易にかつ低コストで破砕
することができる有効な手段を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、被破砕物に対して往復移動すること
により、ビットで被破砕物に衝撃力を加えて該被破砕物
を破砕する破砕具であって、破砕具本体と、該破砕具本
体の先端部に取り付けられる複数のビットと、破砕具本
体を油圧ブレーカのチゼルに取り付ける取り付け手段と
が設けられていることを特徴とする破砕具を提供する。
【0010】第2の発明は、第1の発明にかかる破砕具
において、取り付け手段が、破砕具本体を、チゼルの軸
線まわりに回転できるようにして、かつチゼルの軸線方
向に移動できるようにして、チゼルに取り付けるように
なっていることを特徴とする破砕具を提供する。
【0011】第3の発明は、第2の発明にかかる破砕具
において、チゼルの先端部近傍に、該チゼルの他の部分
よりも径が小さい細軸部が形成されていて、取り付け手
段が、破砕具本体に形成されチゼルを挿入することがで
きる、チゼルよりやや大径の穴部と、破砕具本体に固定
され、かつチゼルが上記穴部に挿入された状態において
細軸部と対応する位置で上記穴部内に突出し、破砕具本
体の軸線方向の移動可能範囲を細軸部に対応する範囲内
に規制する突出部材とで構成されていることを特徴とす
る破砕具を提供する。
【0012】第4の発明は、先端部に複数のビットを備
えた破砕具を油圧ブレーカのチゼルに取り付け、油圧で
チゼルをその軸線方向に往復移動させることによって破
砕具を被破砕物に対して往復移動させ、ビットで被破砕
物に衝撃力を与えて被破砕物を破砕することを特徴とす
る破砕方法を提供する。
【0013】第5の発明は、第4の発明にかかる破砕方
法において、破砕具を、チゼルの軸線まわりに回転でき
るようにして、かつチゼルの軸線方向に移動できるよう
にして、油圧ブレーカのチゼルに取り付けることを特徴
とする破砕方法を提供する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1に示すように、油圧ブレーカ1は、基本的には従来
より広く用いられている普通の油圧ブレーカであって、
実質的にキャタピラ式(無限軌道式)の走行部2と、各種
駆動源(図示せず)あるいは各種操作機器等(図示せず)を
備えた本体部3と、第1,第2アーム4,5等を備えたア
ーム部Aとで構成されている。そして、油圧ブレーカ1
は、アーム部Aの先端に装着されたチゼル6を、コンク
リート、モルタル、石材等でつくられた建物、道路等の
各種構造物等(以下、これらをコンクリート構造物等と
いう)の被破砕物に当接させた状態で、その軸線方向に
往復移動させることによって被破砕物を破砕するように
なっている。なお、本体部3はキャタピラ2に対して、
地面と平行な平面内で右回り又は左回りにある程度(例
えば、180°)旋回できるようになっている。
【0015】アーム部Aには、前記の第1,第2アーム
4,5及びチゼル6のほか、チゼル6を保持するととも
にこれを往復移動させるチゼルブラケット7と、第1ア
ーム4を本体部3との連結部を軸として地面と直交する
平面内で回動させる第1油圧シリンダ8と、第2アーム
5を第1アーム4との連結部を軸として地面と直交する
平面内で回動させる第2油圧シリンダ9と、チゼルブラ
ケット7を第2アーム5との連結部を軸として地面と直
交する平面内で回動させる第3油圧シリンダ10とが設
けられている。そして、第1〜第3油圧シリンダ8〜1
0にかける油圧を調節して第1,第2アーム4,5及びチ
ゼルブラケット7を適切に回動させることにより、アー
ム部4を人間の腕とほぼ同様の動きで動作させることが
でき、これによってチゼル6を油圧ブレーカ1まわりの
所望の位置に配置することができるようになっている。
【0016】チゼルブラケット7は、一般に用いられて
いる普通のものであるので詳しくは図示していないが、
前室と後室とを備えていて、作動油供給通路11を通し
て前室と後室とに交互に高圧の作動油(油圧)が供給され
たときにはチゼル6をその軸線方向(以下、これをチゼ
ル軸線方向という)に往復移動(振動)させるようになっ
ている。この場合、チゼル6からコンクリート構造物等
の被破砕物に強い衝撃力が加えられ、被破砕物が破砕さ
れるようになっている。このように、チゼル6で直接的
に被破砕物を破砕する場合は、チゼル6から被破砕物に
非常に強い衝撃力が加えられるので、被破砕物が全面的
にかつ効果的に破砕される。つまり、この場合は、油圧
ブレーカ1は普通の油圧ブレーカとして機能する。な
お、前室と後室のうち、油圧供給通路11から作動油
(油圧)が供給されていない方の室の作動油は、作動油戻
り通路12を通してリリースされる。
【0017】本体部3内には、作動油供給通路11と作
動油戻り通路12とを介してチゼルブラケット7の前室
又は後室に作動油(油圧)を給排する油圧機構が設けら
れ、この油圧機構は実質的に、チゼルブラケット7から
作動油戻り通路12を介してリリースされる作動油を受
け入れるオイルタンク13と、作動油供給通路11を介
してチゼルブラケット7に高圧の作動油を供給するオイ
ルポンプ14と、作動油を冷却するオイルクーラ15
と、これらの各機器を接続する油路16とで構成されて
いる。
【0018】そして、油路16の、オイルポンプ14と
作動油供給通路11とを接続する部分には、操作ペダル
17の踏み込み動作によってリンク機構18を介して動
作させられる操作バルブ19が介設されている。この操
作バルブ19は三方弁であって、操作ペダル17が踏み
込まれているときにはオイルポンプ14から吐出された
高圧の作動油を作動油供給通路11に流入させ、他方操
作ペダル17が踏み込まれていないときにはオイルポン
プ14から吐出された作動油をオイルタンク13に流入
させるようになっている。つまり、操作ペダル17が踏
み込まれているときには作動油供給通路11を介してチ
ゼルブラケット7に高圧の作動油が供給され、チゼル6
がその軸線方向に往復移動して被破砕物を破砕できる状
態となる。他方、操作ペダル17が踏み込まれていない
ときにはチゼルブラケット7には高圧の作動油は供給さ
れず、チゼル6は停止状態となる。
【0019】このように、油圧ブレーカ1は、チゼル6
で直接的に被破砕物を破砕する際には普通の油圧ブレー
カとして機能するが、矢印Sで示すように、チゼル6の
先端部に破砕具21が取り付けられたときには、コンク
リート構造物等の被破砕物を、その表面が所望の形状を
呈するように、平面状に破砕する(削り取る)ことができ
るようになっている。
【0020】図2(a)と図2(b)とに示すように、破砕具
21は基本的には、先端側が大径であり後端側が小径で
ある略円柱形の破砕具本体22と、該破砕具本体22の
先端部に取り付けられた複数(9個)のビット25と、破
砕具本体22をチゼル6に取り付けるための取り付け手
段とで構成されている。ここで、各ビット25は夫々、
破砕具本体22の大径部23の先端面に形成された複数
(9個)の取り付け穴24に取り付けられている。なお、
各ビット25は夫々、溶接、接着等により破砕具本体2
2(大径部23)に固定されている。
【0021】上記取り付け手段は実質的に、破砕具本体
22内に該破砕具本体22と同軸状にかつ破砕具本体後
端面に開口するように形成された、チゼル6を挿入する
ことができる、チゼル6(細軸部27以外の部分)よりや
や大径の円柱形穴部26と、破砕具本体22に固定さ
れ、かつチゼル6が上記穴部26に完全に挿入された状
態において、チゼル6の先端部付近に形成された細軸部
27と対応する位置で上記穴部内26に突出する複数
(4個)のセットボルト29とで構成されている。このよ
うに、穴部26の直径(内径)はチゼル6の直径(細軸部
27でない部分の直径)よりもやや大きくなっているの
で、破砕具21がチゼル6に取り付けられたときには、
破砕具本体22(破砕具21)はチゼル6に対して相対的
に、チゼル軸線まわりに回転ないしは回動できることに
なる。なお、従来の油圧ブレーカでは、通常、チゼルに
は細軸部は設けられていないので、この油圧ブレーカ1
のチゼル6が細軸部27を備えている点は従来の油圧ブ
レーカとは構成が異なることになる。
【0022】ここで、各セットボルト29は夫々、破砕
具本体22に形成されたねじ穴28に螺入することによ
って、破砕具本体22に固定されるようになっている。
なお、セットボルト29の頭部と破砕具本体22との間
にはワッシャ30がはさまれる。そして、破砕具21が
チゼル6に取り付けられたときには、セットボルト29
の先端部は、チゼル6の細軸部27が形成されていない
部分の外周面よりも軸心側に突出する。したがって、こ
の場合、破砕具本体22(破砕具21)はチゼル6に対し
て相対的に、チゼル軸線方向に一定の範囲内で相対的に
移動できることになる。ここで、破砕具本体22がチゼ
ル6に対して相対移動できる範囲ないしは距離は概ね、
細軸部27のチゼル軸線方向の長さから、セットボルト
29の先端部の直径を引いた長さとなる。つまり、セッ
トボルト29は、破砕具本体22(破砕具21)のチゼル
軸線方向の移動可能範囲を、細軸部27のチゼル軸線方
向の長さに対応する範囲内に規制する機能を有してい
る。なお、セットボルト29は、このように破砕具本体
22(破砕具21)のチゼル軸線方向の移動は上記範囲内
に規制するものの、破砕具本体22(破砕具21)のチゼ
ル軸線まわりの回転は何ら規制しないのはもちろんであ
る。
【0023】以下、破砕具21を油圧ブレーカ1のチゼ
ル6に取り付けた上で、コンクリート構造物等の被破砕
物をその表面が所望の形状を呈するように破砕する(削
り取る)場合の手順(破砕方法)等を説明する。 (1)破砕具21の取り付け 破砕具21のチゼル6への取り付け(装着)は、チゼル6
が完全に穴部26内に挿入されるような、すなわちチゼ
ル6の先端部が穴部26の底まで達するような位置関係
で破砕具21を保持した上で、各ねじ穴28に夫々ワッ
シャ30を介してセットボルト29を螺入することによ
って行われる。このように、破砕具21がチゼル6に取
り付けられた状態においては、前記したとおり破砕具本
体22(破砕具21)がチゼル6に対して相対的に、チゼ
ル軸線まわりに回転ないしは回動することができるとと
もに、チゼル軸線方向に上記の範囲内で移動することが
できる。このため、後で説明するように破砕面(削り取
り面)には凹凸がほとんど生じなくなり、破砕面の平面
度(加工精度)が高められることになる。
【0024】(2)破砕作業 破砕作業は、第1〜第3油圧シリンダ8〜10にかけら
れる油圧を調節してアーム部Aを動かし、破砕具21の
先端をコンクリート構造物等の被破砕物の所定の面に当
接させた上で、操作ペダル17を踏み込むことによって
開始される。このとき、オイルポンプ14からチゼルブ
ラケット7に高圧の油圧が供給され、チゼル6がチゼル
軸線方向に往復移動する。そして、破砕具21は基本的
にはチゼル6の往復移動に追従してチゼル軸線方向に往
復移動し、これに伴って被破砕物の表面は複数(9個)の
ビット25によって破砕されることになる。この場合、
油圧ブレーカ1から被破砕物に加えられる衝撃力は複数
のビット25に分散されるので、各ビット25から被破
砕物に加えられる衝撃力はそれほど強くはない。したが
って、破砕は適度に緩やかに進行し、破砕すべきでない
部分まで誤って破砕してしまうなどといった不具合が生
じない。
【0025】また、図2(b)からわかるように、多数の
ビット25が近接して配置されているので、各ビット2
5によって破砕されて(削り取られて)生じる凹部ないし
はくぼみは互いにほぼつながり、したがって被破砕物
の、破砕具21の前端面と対向する部分はほぼ平面状に
削り取られることになる。なお、ここで「平面状に削り
取られる」とは、破砕面(削り取り面)がほぼ平面となる
ように削り取られるという意味である。つまり、ビット
25の数と同じ個数の単独の穴が形成されるのではな
く、すべての穴が互いにつながってその結果被破砕物が
平面状に削り取られるわけである。そして、破砕具21
をこのまま一定の位置に保持した場合は、被破砕物の、
破砕具21の前端面と対向する部分には、該前端面とほ
ぼ同一直径の略円形の凹部が形成され、この凹部の深さ
は破砕時間にほぼ比例して適度に緩やかに増加してゆく
ことになる。したがって、破砕時間を調節することによ
り、凹部を所望の深さにすることができることになる。
【0026】ここで、破砕具21を被破砕物に当接させ
つつ、被破砕物表面に沿って所望の方向に移動させれば
凹部を所望の方向に拡大させることができ、したがって
被破砕物を、その表面が所望の形状(深さを含む)を呈す
るように破砕する(削り取る)ことができることになる。
【0027】例えば、破砕具21を一定方向に移動させ
ることにより、該移動経路に対応する、所定の幅(ほ
ぼ、破砕具先端部の直径)及び深さ(移動速度に対応す
る)の直線状の溝部が形成される。この場合、破砕具2
1の移動速度を小さくすればするほど溝部の深さが深く
なるのはもちろんである。また、破砕具21を幅方向、
すなわち基本的な移動方向と直交する方向に適宜ずらせ
ながら上記方向に移動させることにより溝部の幅を任意
に広げることができる。なお、溝部の幅は破砕具21の
前端部の直径よりも小さくすることはできないが、先端
部の直径が小さい破砕具21を用いれば、十分に幅の狭
い溝部を形成することができる。
【0028】このように、破砕具21は、コンクリート
構造物等の被破砕物を、その表面が所望の形状(深さを
含む)を呈するように平面状に破砕することができる
が、さらに破砕具21は前記したとおりチゼル6に対し
て相対的にチゼル軸線まわりに回転ないしは回動するこ
とができ、かつチゼル軸線方向に所定の範囲内で移動す
ることができるので、破砕時には破砕具21が、各ビッ
ト25と被破砕物との間の抵抗等に応じてチゼル軸線ま
わりに回転ないしは回動し、したがって破砕位置が適宜
ずれて各ビット25が特定の位置に食いつくのが防止さ
れ、被破砕物がまんべんなく破砕される。したがって、
被破砕物の破砕面には凹凸がほとんど生じず、破砕面の
平面度(加工精度)が高められる。
【0029】このように、本実施例によれば、例えば図
3に示すようなスパイキーハンマのような特別な破砕装
置を用いることなく、従来の油圧ブレーカ1のチゼル6
に非常に簡素な構造の破砕具21を取り付けるだけで、
被破砕物をその表面が所定の形状を呈するように、かつ
高い平面度で容易に破砕する(削り取る)ことができる。
したがって、破砕作業のコストが大幅に低減される。ま
た、油圧ブレーカ1は空気式のスパイキーハンマのよう
な排気音を発生させないので、破砕作業時の騒音が非常
に小さくなり、夜間における破砕作業も可能となり、破
砕作業の能率が良くなる。
【0030】なお、上記実施例は、本発明の実施態様を
例示的に示したものであって、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、例えば次のようなものも本発明
の技術範囲に含まれるのはもちろんである。すなわち、
先端側に大径部23が形成されていない破砕具21、あ
るいは略円柱形でない破砕具21も本発明の技術範囲に
含まれる。なお、先端側に大径部23を設けることによ
り多くのビット27を取り付けることができるので、本
実施例では大径部23を設けている。また、本実施例で
は、製作が容易であるので破砕具21を略円柱形として
いるが、破砕具21を角柱形としてもよい。
【0031】また、破砕具21をチゼル6に取り付ける
取り付け手段は、第1の発明では破砕具21をチゼル6
に対して固定的に取り付けるものもその技術範囲に含ま
れるのはもちろんである。また、第2の発明では取り付
け手段は、破砕具21をチゼル6に対して相対的に、チ
ゼル軸線まわりに回転させることができかつチゼル軸線
方向に移動させることができるものであればどのような
ものでもよく、穴部26及びセットボルト29に限定さ
れるものではないのはもちろんである。
【0032】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、簡素な構造
の破砕具を普通の油圧ブレーカのチゼルに取り付けるだ
けで、スパイキーハンマ等の特別の破砕装置を用いるこ
となく、コンクリート構造物等の被破砕物をその表面が
所望の形状を呈するように、容易に平面状に破砕するこ
とができるので、破砕作業のコストが低減される。ま
た、油圧ブレーカは排気音を発生させないので破砕作業
時の騒音が大幅に低減され、夜間における破砕作業も可
能となり、破砕作業の能率が高められる。
【0033】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、破砕具によ
る被破砕物の破砕時には、破砕具が各ビットと被破砕物
との間の抵抗等に応じてチゼル軸線まわりに回転し、し
たがって破砕位置が適宜ずれて各ビットが特定の位置に
食いつくのが防止されるので、被破砕物がまんべんなく
破砕される。したがって、被破砕物の破砕面には凹凸が
ほとんど生じず、破砕面の平面度(加工精度)が高められ
る。
【0034】第3の発明によれば、基本的には第2の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、取り付け手
段が、破砕具本体に形成され穴部と、破砕具本体に固定
される突出部材とで構成されるので、該取り付け手段の
構造が非常に簡素なものとなり、破砕作業のコストが一
層低減される。
【0035】第4の発明によれば、簡素な構造の破砕具
を普通の油圧ブレーカのチゼルに取り付けるだけで、ス
パイキーハンマ等の特別の破砕装置を用いることなく、
コンクリート構造物等の被破砕物をその表面が所望の形
状を呈するように、容易に平面状に破砕することができ
るので、破砕作業のコストが低減される。また、油圧ブ
レーカは排気音を発生させないので破砕作業時の騒音が
大幅に低減され、夜間における破砕作業も可能となり、
破砕作業の能率が高められる。
【0036】第5の発明によれば、基本的には第4の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、破砕具によ
る被破砕物の破砕時には、破砕具が各ビットと被破砕物
との間の抵抗等に応じてチゼル軸線まわりに回転し、し
たがって破砕位置が適宜ずれて各ビットが特定の位置に
食いつくのが防止されるので、被破砕物がまんべんなく
破砕される。したがって、被破砕物の破砕面には凹凸が
ほとんど生じず、破砕面の平面度(加工精度)が高められ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる破砕具を取り付けることがで
きる油圧ブレーカの斜視説明図である。
【図2】 (a)は破砕具の一部断面立面説明図であり、
(b)は(a)に示す破砕具の下面平面説明図である。
【図3】 従来のスパイキーハンマの先端部の縦断面説
明図である。
【符号の説明】
A…アーム部 1…油圧ブレーカ 2…走行部 3…本体部 6…チゼル 7…チゼルブラケット 21…破砕具 22…破砕具本体 25…ビット 26…穴部 27…細軸部 29…セットボルト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被破砕物に対して往復移動することによ
    り、ビットで被破砕物に衝撃力を加えて該被破砕物を破
    砕する破砕具であって、 破砕具本体と、該破砕具本体の先端部に取り付けられる
    複数のビットと、破砕具本体を油圧ブレーカのチゼルに
    取り付ける取り付け手段とが設けられていることを特徴
    とする破砕具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された破砕具において、 取り付け手段が、破砕具本体を、チゼルの軸線まわりに
    回転できるようにして、かつチゼルの軸線方向に移動で
    きるようにして、チゼルに取り付けるようになっている
    ことを特徴とする破砕具。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された破砕具において、 チゼルの先端部近傍に、該チゼルの他の部分よりも径が
    小さい細軸部が形成されていて、 取り付け手段が、破砕具本体に形成されチゼルを挿入す
    ることができる、チゼルよりやや大径の穴部と、 破砕具本体に固定され、かつチゼルが上記穴部に挿入さ
    れた状態において細軸部と対応する位置で上記穴部内に
    突出し、破砕具本体の軸線方向の移動可能範囲を細軸部
    に対応する範囲内に規制する突出部材とで構成されてい
    ることを特徴とする破砕具。
  4. 【請求項4】 先端部に複数のビットを備えた破砕具を
    油圧ブレーカのチゼルに取り付け、 油圧でチゼルをその軸線方向に往復移動させることによ
    って破砕具を被破砕物に対して往復移動させ、 ビットで被破砕物に衝撃力を与えて被破砕物を破砕する
    ことを特徴とする破砕方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された破砕方法におい
    て、 破砕具を、チゼルの軸線まわりに回転できるようにし
    て、かつチゼルの軸線方向に移動できるようにして、油
    圧ブレーカのチゼルに取り付けることを特徴とする破砕
    方法。
JP1430094A 1994-02-08 1994-02-08 破砕具及び破砕方法 Pending JPH07223173A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1430094A JPH07223173A (ja) 1994-02-08 1994-02-08 破砕具及び破砕方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1430094A JPH07223173A (ja) 1994-02-08 1994-02-08 破砕具及び破砕方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07223173A true JPH07223173A (ja) 1995-08-22

Family

ID=11857253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1430094A Pending JPH07223173A (ja) 1994-02-08 1994-02-08 破砕具及び破砕方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07223173A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100669066B1 (ko) * 1999-03-30 2007-01-15 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 산업폐기물 파쇄용 비트
JP2010024798A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Furukawa Rock Drill Co Ltd 縁切装置
JP2018503012A (ja) * 2014-12-19 2018-02-01 ドグ ユン,ヨン 掘削機を用いた掘削装置
CN108274646A (zh) * 2018-01-26 2018-07-13 陈烁 组凿
KR102053542B1 (ko) * 2018-07-31 2019-12-06 신동훈 방사능 오염 구조물 제염 장치

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100669066B1 (ko) * 1999-03-30 2007-01-15 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 산업폐기물 파쇄용 비트
JP2010024798A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Furukawa Rock Drill Co Ltd 縁切装置
JP2018503012A (ja) * 2014-12-19 2018-02-01 ドグ ユン,ヨン 掘削機を用いた掘削装置
CN108274646A (zh) * 2018-01-26 2018-07-13 陈烁 组凿
KR102053542B1 (ko) * 2018-07-31 2019-12-06 신동훈 방사능 오염 구조물 제염 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4625438A (en) Excavating bucket having power driven, individually controlled digging teeth
BR0205206A (pt) Ferramenta de acionamento de prendedor possuindo fonte de força pressurizada
KR20130126636A (ko) 반전가능한 하우징 및 교체가능한 마모 플레이트 배열이 구비된 파괴 해머
US20120152581A1 (en) Hammer side buffer
US4858701A (en) Fluid-powered impact device and tool therefor
JPH07223173A (ja) 破砕具及び破砕方法
US5974926A (en) Shear assembly for use with a punch press for cutting L sectioned steel strips
US5465797A (en) Pneumatic ground piercing tool with detachable head
CN105735400B (zh) 用于具有壳体和动力单元的破碎锤的耐磨板
AU641378B2 (en) Linear impact ripper apparatus
JPH02200993A (ja) ラム式ボーリング装置
JP3989018B2 (ja) 油圧粉砕ハンマー
EP1799405B1 (en) Percussion device
US4331362A (en) Portable cutting device for attachment to blades of earth moving machines
US3787970A (en) Bevelling tool
JPH0432229Y2 (ja)
JPH042781Y2 (ja)
US5184382A (en) Pneumatically driven descaling tool
CN107415057B (zh) 一种墙壁方形线盒开孔钻头
US4663868A (en) Scoop wheel having oscillating impact cutters
WO2018040459A1 (zh) 一种复合旋切的采掘机
US20180169849A1 (en) Shoed Hydraulic Hammer Piston
SU1516333A1 (ru) Гаечный ключ
US20170291290A1 (en) Hydraulic hammer assembly
JPH09217316A (ja) 表面切削土木作業用のカッタ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040406