JPH07223103A - 液圧チャック - Google Patents

液圧チャック

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JPH07223103A
JPH07223103A JP1356294A JP1356294A JPH07223103A JP H07223103 A JPH07223103 A JP H07223103A JP 1356294 A JP1356294 A JP 1356294A JP 1356294 A JP1356294 A JP 1356294A JP H07223103 A JPH07223103 A JP H07223103A
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thin
outer cylinder
tightening
contact portion
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Yoshinori Miyawaki
義則 宮脇
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Kuroda Precision Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、工作機械の主軸に装着され種々の
工具や工作物等を把持す把持している工具等に対して薄
状筒体の締付力をアップし、安全性を高くすることを目
的とする。 【構成】 外筒の内側に配置され工具を内周面で把持す
る薄肉内筒部と、外筒の内周面と薄肉内筒部の外周面の
間に形成されるとともに封入された作動流体で該薄肉内
筒部の外周面に締付力を与える液圧室と、液圧室内に回
動自在に収容配置された複数の締付片とを備え、前記締
付片は、外筒の内周面に当接した外側当接部と、薄肉内
筒部の外周面に当接した内側当接部とを有し、締付片の
重心は、該締付片において外側当接部とチャック本体の
軸心を結ぶ線よりも内側当接部の反対側に位置してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械の主軸に装着
され種々の工具や工作物等を把持する液圧チャックに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、工作機械の主軸には、種々の工
具や工作物等を把持するためにチャックが装着される。
例えば、チャックはドリル,エンドミル,リール等の回
転工具を把持するために使用されたり、旋盤等の工作機
械で加工される工作物の円筒部の内周面を把持するため
に使われている。
【0003】かかるチャックの機構の一例として、例え
ば、実公昭61−969号公報に示す如き液体チャック
が知られている。一般に、この種の液体チャックは、粘
性の高いグリースまたは非圧縮系のオイル等の作動流体
で満たされた液圧室を構成し、液圧室の一部を構成する
プランジャの押圧により作動流体に圧力を与え、それに
よって薄状筒体に圧力を加えて該薄状筒体を弾性変形さ
せるもので、工具または工作物の円筒部を把持すること
を可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の液圧
チャックにおいては、弾性変形させて工具または工作物
の円筒部を把持する薄状筒体は、剛性が不足しており、
高速精密エンドミルの加工を行なうフライス盤や高速旋
盤等の、高速で回転する工作機械では、該液圧チャック
を高速で回転すると、液圧室内に封入されているオイル
が、その遠心力で径外方へ振れるように作用し、そのた
め、オイルにより工具または工作物の円筒部に対する薄
状筒体の締付力が低下し、把持している工具等が該液圧
チャックから外れて飛ぶ虞もあり、危険性があるという
問題がある。
【0005】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、特に、高速回転下におい
て把持している工具等に対して薄状筒体の締付力をアッ
プし、安全性を高くできる液圧チャックを提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
基端側が工作機械の主軸に装着されるチャック本体と、
チャック本体の先端側に形成された外筒と、外筒の内側
に配置され工具を内周面で把持する薄肉内筒部と、外筒
の内周面と薄肉内筒部の外周面の間に形成されるととも
に封入された作動流体で該薄肉内筒部の外周面に締付力
を与える液圧室と、液圧室内に回動自在に収容配置され
た複数の締付片とを備え、前記締付片は、外筒の内周面
に当接した外側当接部と、薄肉内筒部の外周面に当接し
た内側当接部とを有し、締付片の重心は、該締付片にお
いて外側当接部とチャック本体の軸心を結ぶ線よりも内
側当接部の反対側に位置していることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、基端側が工作機械
の主軸に装着されるチャック本体と、チャック本体の先
端側に形成された外筒と、外筒の内側に配置され工具を
内周面で把持する薄肉内筒部と、外筒の内周面と薄肉内
筒部の外周面の間に形成されるとともに封入された作動
流体で該薄肉内筒部の外周面に締付力を与える液圧室
と、液圧室内に回動自在に収容配置された複数の締付片
とを備え、前記締付片は、外筒の内周面に当接自在の外
側当接部と、薄肉内筒部の外周面に当接自在の内側当接
部とを有し、締付片の重心は、該締付片において外側当
接部とチャック本体の軸心を結ぶ線よりも内側当接部の
反対側に位置していることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、工作物の円筒部の
孔部を外周面で把持する薄肉外筒と、薄肉外筒の内側に
配置されて環状溝を有する軸部と、薄肉外筒の内周面と
軸部の環状溝の間に形成されて封入された作動流体で該
外筒の内周面に締付力を与える液圧室と、液圧室内に回
動自在に収容配置された複数の締付片とを備え、締付片
は、薄肉外筒の内周面に当接した外側当接部と、軸部の
環状溝に当接した内側当接部とを有し、締付片の重心
は、該締付片において外側当接部とチャック本体の軸心
を結ぶ線よりも内側当接部の反対側に位置していること
を特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、工作物の円筒部の
孔部を外周面で把持する薄肉外筒と、薄肉外筒の内側に
配置されて環状溝を有する軸部と、薄肉外筒の内周面と
軸部の環状溝の間に形成されて封入された作動流体で該
外筒の内周面に締付力を与える液圧室と、液圧室内に回
動自在に収容配置された複数の締付片とを備え、締付片
は、薄肉外筒の内周面に当接自在の外側当接部と、軸部
の環状溝に当接自在の内側当接部とを有し、締付片の重
心は、該締付片において外側当接部とチャック本体の軸
心を結ぶ線よりも内側当接部の反対側に位置しているこ
とを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明においては、工作機械の主
軸に液圧チャックのチャック本体の基端側が装着されて
いる。この液圧チャックの液圧室に封入された作動流体
で薄肉内筒部の外周面に締付力が与えられている。この
作動流体による締付力及び後述の締付片による締付力に
より薄肉内筒部の内周面を介して工具が把持されてい
る。
【0011】締付片による締付力を説明するに、工作機
械の主軸の回転時には、遠心力を受ける締付片の重心
は、その外側当接部を支点として径外方に向けて回動す
る。同時に、締付片の内側当接部が外側当接部を支点と
して径内方に回動する。従って、締付片の内側当接部が
内筒の外周面を押圧する。この押圧力で径内方に弾性変
形した薄肉内筒部は工具に対して締付力を増加させる。
【0012】なお、締付片の外側当接部が当接した状態
の外筒の内周面は、弾性変形する薄肉内筒部とは違って
遠心力によっても変形が防止されている。請求項2記載
の発明においては、請求項1記載の発明と同様の作用が
生じるが、次の点で相違する。即ち、請求項1記載の締
付片では、主軸の無回転時に外側当接部は外筒の内周面
に当接した状態になっており、同時に、内側当接部は薄
肉内筒部の外周面に当接した状態となっているのに対し
て、請求項2記載の締付片は、主軸の無回転時にも回動
可能に構成しているので、工作機械の主軸の回転時に、
遠心力で径外方に回動する。従って、主軸の回転時に外
側当接部は外筒の内周面に当接するとともに、内側当接
部は薄肉内筒部の外周面に当接するようになる。
【0013】請求項3記載の発明においては、工作物の
円筒部を把持した液圧チャックは旋盤等の工作機械の主
軸に装着される。この時、液圧チャックの液圧室に封入
された作動流体で薄肉外筒の内周面に締付力が与えられ
る。この作動流体による締付力及び後述の締付片による
締付力により薄肉外筒の外周面を介して工作物の円筒部
が把持されている。
【0014】締付片による締付力を説明するに、旋盤等
の工作機械の主軸の回転時には、遠心力を受ける締付片
の重心は、軸部の環状溝に当接した状態の内側当接部を
支点として径外方に向けて回動する。これにより、締付
片の外側当接部が薄肉外筒の内周面を押圧し、この押圧
力で、薄肉外筒が径外方に弾性変形する。薄肉外筒部に
より工具の把握力が増す。
【0015】なお、締付片の内側当接部が当接した状態
の軸部の外周面は変形が防止されている。請求項4記載
の発明においては、請求項3記載の発明と同様の作用が
生じるが、次の点で相違する。即ち、請求項3記載の締
付片では、主軸の無回転時に外側当接部は薄肉外筒の内
周面に当接した状態になっており、同時に、内側当接部
は軸部の環状溝に当接した状態となっているのに対し
て、請求項4記載の締付片は、主軸の無回転時にも回動
可能に構成しているので、工作機械の主軸の回転時に、
遠心力で径外方に回動する。従って、主軸の回転時に外
側当接部は薄肉外筒の内周面に当接するとともに、内側
当接部は軸部の環状溝に当接するようになる。
【0016】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。図1ないし図4は請求項1記載の発明の実施例
に係わる液圧チャックを示す。
【0017】図1,図2において、符号1はチャック本
体で、このチャック本体1の基端側に形成されたテーパ
部1Aは高速精密エンドミル等の加工を行なうフライス
盤(図示せず)の主軸2に装着されている。
【0018】チャック本体1の先端側に外筒3が形成さ
れている。外筒3は、その肉厚寸法は大きく、充分な強
度を持っており、後述する締付片10の外側当接部11
による押圧力で変形しない程度となっている。外筒3に
は環状フランジ4が形成され、この環状フランジ4には
螺子孔4Aが穿設され、この螺子孔4Aの先端に連続し
てオイル通路5が形成されている。オイル通路5は、ク
ランク状に折れ曲がっっており、その先端5Aは、後述
する液圧室9に開口している。螺子孔4Aにはプラグ4
Bが螺子込まれている。このプラグ4Bでオイル通路5
に摺動自在に収容したピストン13を押圧し、液圧室9
内のオイルに圧力を与える。
【0019】外筒3の内周面3Aに内筒6の外周面が嵌
着されている。内筒6の中央部には外筒3の内側に位置
する薄肉内筒部7が形成され、薄肉内筒部7の内周面7
Bで工具8を締め付けて把持するようになっている。
【0020】内筒6の端部には環状鍔部6Aが形成さ
れ、この環状鍔部6Aに螺子6Bが螺子込まれて内筒6
と外筒3の固定を確実にしている。外筒3の内周面3A
と薄肉内筒部7の外周面7Aの間に液圧室9が形成され
ている。液圧室9には作動流体として非圧縮性のオイル
が封入され、このオイルは液圧室9内のオイルの圧力を
高め、薄肉内筒部7の外周面7Aに締付力を与えるよう
になっている。
【0021】そして、液圧室9内に回動自在に複数(本
実施例では12個)の駒からなる締付片10が収容配置
されている。図3に示すように、締付片10は、外筒3
の内周面3Aに当接した外側当接部11と、薄肉内筒部
7の外周面7Aに当接した内側当接部12とを有した駒
に構成されている。
【0022】締付片10は、底部10Aと、底部10A
から若干量上がった逃部10Bと、第1縁部10Cと、
第1縁部10Cに連続する第1傾斜部10Dと、第1傾
斜部10Dと所定の角度をなす第2傾斜部10Eと、第
2縁部10Fとから構成されている。第1傾斜部10D
と第2傾斜部10Eの稜線が前記外側当接部11とな
り、第2縁部10Fと底部10Aの稜線が前記内側当接
部12となっている。
【0023】締付片10の重心14の位置は、外側当接
部11とチャック本体1の軸心1Bを結ぶ線L1よりも
内側当接部12の反対側に位置している。しかして、本
実施例においては、工作機械の主軸2に液圧チャックの
チャック本体1のテーパ部1Aが装着されている。この
液圧チャックの液圧室9に封入されたオイルで薄肉内筒
部7の外周面7Aに締付力が与えられ、このオイルによ
る締付力及び後述の締付片10による締付力により薄肉
内筒部7の内周面7Bを介して工具8が把持されてい
る。
【0024】そして、締付片10による締付力を説明す
るに、図4に示すように、主軸2の無回転時には、当該
液圧チャックの締付片10は実線Xで示す位置にある
が、主軸2の回転時には、遠心力Eで、締付片10が径
外方に変位して2点鎖線Yで示した状態になっている。
遠心力Eを受ける締付片10の重心14の位置は、その
外側当接部11を支点として径外方に向けて回動する。
同時に、締付片10の内側当接部12が外側当接部11
を支点として径内方に回動する。従って、締付片10の
内側当接部12が薄肉内筒部7の外周面7Aを押圧し、
この押圧力Fで薄肉内筒部7が径内方に弾性変形する。
この弾性変形した薄肉内筒部7で工具8に対する締付力
が増す。
【0025】なお、締付片10の外側当接部11が当接
した状態の外筒3の内周面3Aは遠心力Eによっても変
形が防止されている。以上の如き構成によれば、工作機
械の主軸2の回転時には、遠心力Eにより生じた押圧力
Fで、締付片10の外側当接部11が薄肉内筒部7の外
周面7Aを押圧するので、薄肉内筒部7が径内方に弾性
変形し、工具8に対して液体による締付力に加えて締付
片10による締付力を与えることができる。
【0026】従って、高速回転する工作機械の主軸2
に、当該液圧チャックを装着して用いる場合、薄肉内筒
部7はオイルの圧力による締付力が低下しても、この締
付力に、締付片10による機械的な締付力を加え、全体
としての締付力を増加させることができる。
【0027】この結果、特に、高速回転下で、把持して
いる工具8に対して締付力をアップし、締付力の低下に
よる工具8のスリップを防止し、安全性を高くできるこ
とができる。
【0028】また、薄肉内筒部7の剛性不足によりいわ
ゆる「ビビリ現象」と称されている微振動を防止でき
る。高速回転下での工具8の把持を確実にできる。な
お、本実施例においては、締付片の例として図3に示す
形状の駒を例に挙げており、締付片の数は12個となっ
ているが、かかる個数に限定されないことは勿論であ
る。少なくとも2個あれば良い。締付片の数に従ってそ
の形状も相違することになる。
【0029】また、本実施例においては、締付片10の
外側当接部11は第1傾斜部10Dと第2傾斜部10E
の稜線で形成され、且つ、締付片10の内側当接部12
は、第2縁部10Fと底部10Aの稜線で形成されてい
るが、外側当接部及び内側当接部の形状はかかる形状に
限定されることなく、外側当接部を支点とした「てこ」
の原理で遠心力Eを内側当接部に伝達できるようにすれ
ば良く、外側当接部,内側当接部を例えば突起部で構成
することもできる。
【0030】さらに、本実施例においては、液圧室9内
で締付片10は位置決めされていないが、例えば、図3
の締付片10の両端面にそれぞれシャフト16,16を
設け、チャック本体1の形成した溝状の受部にそれぞれ
支持させることにより締付片10の位置決めをし、締付
片10の回動を確実にすることもできる。
【0031】そして、本実施例の締付片10において
は、外側当接部11は外筒3の内周面3Aに当接した状
態になっており、同時に、内側当接部12は薄肉内筒部
7の外周面7Aに当接した状態となっているが、締付片
を、主軸2の無回転時にも回動可能に構成し、主軸2の
回転時に外側当接部を外筒3の内周面3Aに当接させる
とともに、内側当接部を薄肉内筒部7の外周面7Aに当
接させるようにすることもできる。
【0032】そして、また、本実施例においては、作動
流体として非圧縮系のオイルを用いているが、これに限
定されることなく、例えば、グリース等の粘性流体を用
いることもできる。
【0033】そして、さらに、図3に示すように、例え
ば、締付片10の第1縁部10C付近に、軸線方向に沿
った比重の重い鉛棒15からなる錘を充填または埋め込
むこともできる。これにより締付片10に対して遠心力
Eを受け易くすることができる。
【0034】図5ないし図7は請求項2記載の発明の実
施例に係わる液圧チャックを示す。この液圧チャック
は、工作物の円筒部の孔部を把持するもので、マンドレ
ルに適用した例を説明する。
【0035】図において、符号21はチャック本体で、
このチャック本体21の基端側に形成されたシャンク部
21Aは、旋盤等の工作機械(図示せず)の主軸22に
装着されている。
【0036】チャック本体21の先端側に断面円形の軸
部23が形成され、軸部23の外側に薄肉外筒24が配
置されている。軸部23の中央部には環状溝25が形成
され、薄肉外筒24の外周面24Aで工作物の円筒部2
6の孔部を締め付けて把持するようになっている。軸部
23の外周面23Eに薄肉外筒24の内周面24Bが嵌
着されている。環状溝25と薄肉外筒24の内周面24
Bで囲まれた空間は液圧室27として形成されている。
液圧室27には作動流体として非圧縮性のオイルが封入
されている。
【0037】軸部23のシャンク部21Aの端面には螺
子孔23Aが穿設され、この螺子孔23Aの先端に連続
してオイル通路28が形成されている。オイル通路28
は、軸部23の軸線方向に沿っており、途中で曲がり、
その先端28Aは、液圧室27に開口している。螺子孔
23Aにはプラグ23Bが螺子込まれている。また、オ
イル通路28内には、プラグ23Bの先端に当接して剛
球29A及びピストン29Bが収容されている。プラグ
23Bを締め付けることにより、ピストン29Bを介し
てオイル通路28内のオイルに圧力が与えられる。これ
により、液圧室27内のオイルの圧力を高め、薄肉外筒
24の内周面24Bに締付力を与えるようになってい
る。
【0038】同様に、軸部23の先端側21Bの端面に
は螺子孔23Cが穿設され、この螺子孔23Cの先端に
連続してオイル通路30が形成されている。オイル通路
30は、軸線方向に沿っており、途中から直角に曲がり
その先端30Cは、液圧室27に開口している。螺子孔
23Cにはプラグ23Dが螺子込まれている。
【0039】また、オイル通路30内には、プラグ23
Dの先端に当接して剛球30A及びピストン30Bが収
容されている。プラグ23Bを締め付けることにより、
ピストン30B及び剛球30Aを介してオイル通路30
内のオイルに圧力が与えられる。これにより、液圧室2
7内のオイルの圧力を高め、薄肉外筒24の内周面24
Bに締付力を与えるようになっている。
【0040】そして、液圧室27内に回動自在に複数
(本実施例では12個)の駒からなる締付片31が収容
配置されている。図7に示すように、締付片31は、薄
肉外筒24の内周面24Bに当接した外側当接部32
と、軸部23の環状溝25に当接した内側当接部33と
を有した駒に構成されている。
【0041】締付片31は、底部31Aと、底部31A
から若干量上がった逃部31Bと、第1縁部31Cと、
第1縁部31Cに連続する第1傾斜部31Dと、第1傾
斜部31Dと所定の角度をなす第2傾斜部31Eと、第
2縁部31Fとから構成されている。第1傾斜部31D
と第2傾斜部31Eの稜線が前記外側当接部32とな
り、第2縁部31Fと底部31Aの稜線が前記内側当接
部33となっている。
【0042】締付片31の重心35の位置は、外側当接
部32とチャック本体21の軸心21Cを結ぶ線L2よ
りも内側当接部33の反対側に位置している。しかし
て、本実施例においては、旋盤等の工作機械の主軸22
に当該液圧チャックのチャック本体21のシャンク部2
1Aが装着される。この液圧チャックの液圧室9に封入
されたオイルで薄肉内筒部7の外周面7Aに締付力が与
えられ、このオイルによる締付力及び後述の締付片31
による締付力により薄肉外筒24の外周面24Aを介し
て工作物の円筒部26が把持されている。
【0043】締付片31による締付力を説明するに、締
付片31の内側当接部33が当接した状態の軸部23の
環状溝25は遠心力Eによっても変形が防止されてい
る。そこで、図6に示すように、旋盤等の工作機械の主
軸22の回転時には、遠心力Eを受ける締付片31の重
心35は、その内側当接部33を支点として径外方に向
けて回動する。同時に、締付片31の外側当接部32が
内側当接部33を支点として径外方に回動する。これに
より、締付片31の外側当接部32が薄肉外筒24の内
周面24Bを押圧し、この押圧力Fで、薄肉外筒24が
径外方に弾性変形し、薄肉外筒24で工作物の円筒部2
6の孔部に対する締付力が増す。
【0044】以上の如き構成によれば、旋盤等の工作機
械の主軸22の回転時には、遠心力Eで、締付片31の
外側当接部11が薄肉外筒24の内周面24Bを押圧す
るので、径外方に弾性変形した薄肉外筒24で工作物の
円筒部26の孔部に対する締付力を増すことができる。
【0045】従って、高速回転する旋盤等の工作機械の
主軸22に、当該液圧チャックを装着して用いる場合、
薄肉外筒24は液体の圧力による締付力が低下しても、
この締付力に、締付片31による機械的な締付力を加
え、全体としての締付力を増加させることができる。
【0046】この結果、特に、高速回転下で、把持して
いる工作物の円筒部26等に対して締付力をアップし、
締付力の低下による工作物の円筒部26のスリップを防
止し、安全性を高くできることができる。
【0047】また、薄肉外筒24の剛性不足によりいわ
ゆる「ビビリ現象」と称されている微振動を防止でき
る。高速回転下での工作物の円筒部26等の把持を確実
にできる。
【0048】なお、本実施例においては、締付片の例と
して図7に示す形状の駒を例に挙げており、締付片の数
は12個となっているが、かかる個数に限定されないこ
とは勿論である。少なくとも2個あれば良い。締付片の
数に従ってその形状も相違することになる。
【0049】また、本実施例においては、締付片31の
外側当接部32は第1傾斜部31Dと第2傾斜部31E
の稜線で形成され、且つ、内側当接部33は、第2縁部
31Fと底部31Aの稜線で形成されているが、外側当
接部及び内側当接部の形状はかかる形状に限定されるこ
となく、内側当接部を支点としたてこの原理で遠心力E
を外側当接部に伝達できるようにすれば良く、外側当接
部,内側当接部を例えば、突起部で構成することもでき
る。
【0050】さらに、本実施例においては、液圧室9内
で締付片31は位置決めされていないが、例えば、図7
の締付片31の両端面にそれぞれシャフト34,34を
設け、軸部23の溝状の受部23F,23F(1か所の
み図示)にそれぞれ支持させることにより締付片31の
位置決めをし、締付片31の回動を確実にすることもで
きる。
【0051】そして、本実施例の締付片31において
は、外側当接部32は薄肉外筒24の内周面24Bに当
接した状態になっており、同時に、内側当接部33は軸
部23の環状溝25に当接した状態となっているが、締
付片を、主軸22の無回転時にも回動可能に構成し、主
軸22の回転時に外側当接部を薄肉外筒24の内周面2
4Bに当接させるとともに、内側当接部を軸部23の環
状溝25に当接させるようにすることもできる。
【0052】そして、また、本実施例においては、作動
流体として非圧縮系のオイルを用いているが、これに限
定されることなく、例えば、グリース等の粘性流体を用
いることもできる。
【0053】そして、さらに、図7に示すように、例え
ば、締付片31の第1縁部31C付近に、軸線方向に沿
った比重の重い鉛棒36からなる錘を充填または埋め込
むこともできる。これにより締付片31に対して遠心力
Eを受け易くすることができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、工作機械の主軸の回転時には、遠心力によ
り生じた押圧力で、締付片の外側当接部が薄肉内筒部の
外周面を押圧するので、薄肉内筒部が径内方に弾性変形
し、工具に対して液体による締付力に加えて締付片によ
る締付力を与えることができる。
【0055】従って、高速回転する工作機械の主軸に、
当該液圧チャックを装着して用いる場合、薄肉内筒部は
液体の圧力による締付力が低下しても、この締付力に、
締付片による機械的な締付力を加え、全体としての締付
力を増加させることができる。
【0056】この結果、特に、高速回転下で、把持して
いる工具に対して締付力をアップし、締付力の低下によ
る工具のスリップを防止し、安全性を高くできることが
できる。
【0057】また、薄肉内筒部の剛性不足によりいわゆ
る「ビビリ現象」と称されている微振動を防止できる。
高速回転下での工具の把持を確実にできる。また、請求
項2記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様の
効果を奏する。
【0058】また、請求項3記載の発明によれば、旋盤
等の工作機械の主軸の回転時には、遠心力で、締付片の
外側当接部が薄肉外筒の内周面を押圧するので、径外方
に弾性変形した薄肉外筒で工作物の円筒部の孔部に対す
る締付力を増すことができる。
【0059】従って、高速回転する旋盤等の工作機械の
主軸に、当該液圧チャックを装着して用いる場合、薄肉
外筒は液体の圧力による締付力が低下しても、この締付
力に、締付片による機械的な締付力を加え、全体として
の締付力を増加させることができる。
【0060】この結果、特に、高速回転下で、把持して
いる工作物の円筒部等に対して締付力をアップし、締付
力の低下による工作物の円筒部のスリップを防止し、安
全性を高くできることができる。
【0061】また、薄肉外筒の剛性不足によりいわゆる
「ビビリ現象」と称されている微振動を防止できる。高
速回転下での工作物の円筒部等の把持を確実にできる。
また、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発
明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明に係わる液圧チャックの縦
断面図である。
【図2】図1のI−I断面で切断した断面図である。
【図3】図1の締付片の外観図である。
【図4】図1の締付片の作動状態説明図である。
【図5】請求項3記載の発明に係わる液圧チャックの縦
断面図である。
【図6】図5のII−II断面で切断した断面図である。
【図7】図5の締付片の外観図である。
【符号の説明】
1 チャック本体 1B 軸心 2 主軸 3 外筒 3A 内周面 7 薄肉内筒部 7A 外周面 7B 内周面 8 工具 9 液圧室 10 締付片 11 外側当接部 12 内側当接部 14 重心 21 チャック本体 21C 軸心 22 主軸 23 軸部 24 薄肉外筒 24A 外周面 24B 内周面 25 環状溝 26 円筒部 27 液圧室 31 締付片 32 外側当接部 33 内側当接部 L1 線 L2 線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端側が工作機械の主軸に装着されるチ
    ャック本体と、 チャック本体の先端側に形成された外筒と、 外筒の内側に配置され工具を内周面で把持する薄肉内筒
    部と、 外筒の内周面と薄肉内筒部の外周面の間に形成されると
    ともに封入された作動流体で該薄肉内筒部の外周面に締
    付力を与える液圧室と、 液圧室内に回動自在に収容配置された複数の締付片とを
    備え、 前記締付片は、外筒の内周面に当接した外側当接部と、
    薄肉内筒部の外周面に当接した内側当接部とを有し、締
    付片の重心は、該締付片において外側当接部とチャック
    本体の軸心を結ぶ線よりも内側当接部の反対側に位置し
    ていることを特徴とする液圧チャック。
  2. 【請求項2】 基端側が工作機械の主軸に装着されるチ
    ャック本体と、 チャック本体の先端側に形成された外筒と、 外筒の内側に配置され工具を内周面で把持する薄肉内筒
    部と、 外筒の内周面と薄肉内筒部の外周面の間に形成されると
    ともに封入された作動流体で該薄肉内筒部の外周面に締
    付力を与える液圧室と、 液圧室内に回動自在に収容配置された複数の締付片とを
    備え、 前記締付片は、外筒の内周面に当接自在の外側当接部
    と、薄肉内筒部の外周面に当接自在の内側当接部とを有
    し、締付片の重心は、該締付片において外側当接部とチ
    ャック本体の軸心を結ぶ線よりも内側当接部の反対側に
    位置していることを特徴とする液圧チャック。
  3. 【請求項3】 工作物の円筒部の孔部を外周面で把持す
    る薄肉外筒と、 薄肉外筒の内側に配置されて環状溝を有する軸部と、 薄肉外筒の内周面と軸部の環状溝の間に形成されて封入
    された作動流体で該薄肉外筒の内周面に締付力を与える
    液圧室と、 液圧室内に回動自在に収容配置された複数の締付片とを
    備え、 締付片は、薄肉外筒の内周面に当接した外側当接部と、
    軸部の環状溝に当接した内側当接部とを有し、締付片の
    重心は、該締付片において外側当接部とチャック本体の
    軸心を結ぶ線よりも内側当接部の反対側に位置している
    ことを特徴とする液圧チャック。
  4. 【請求項4】 工作物の円筒部の孔部を外周面で把持す
    る薄肉外筒と、 薄肉外筒の内側に配置されて環状溝を有する軸部と、 薄肉外筒の内周面と軸部の環状溝の間に形成されて封入
    された作動流体で該薄肉外筒の内周面に締付力を与える
    液圧室と、 液圧室内に回動自在に収容配置された複数の締付片とを
    備え、 締付片は、薄肉外筒の内周面に当接自在の外側当接部
    と、軸部の環状溝に当接自在の内側当接部とを有し、締
    付片の重心は、該締付片において外側当接部とチャック
    本体の軸心を結ぶ線よりも内側当接部の反対側に位置し
    ていることを特徴とする液圧チャック。
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