JPH0722251A - 積層形モールドコイル及びその製造方法 - Google Patents

積層形モールドコイル及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0722251A
JPH0722251A JP15859693A JP15859693A JPH0722251A JP H0722251 A JPH0722251 A JP H0722251A JP 15859693 A JP15859693 A JP 15859693A JP 15859693 A JP15859693 A JP 15859693A JP H0722251 A JPH0722251 A JP H0722251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
resin
laminated
coils
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15859693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3290510B2 (ja
Inventor
Kiyoharu Inao
清春 稲生
Hisanaga Takano
久永 高野
Eiji Sumiya
英司 角谷
Akihiro Demura
彰浩 出村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Yokogawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd, Yokogawa Electric Corp filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP15859693A priority Critical patent/JP3290510B2/ja
Priority to US08/261,738 priority patent/US5652561A/en
Priority to DE4422827A priority patent/DE4422827C2/de
Publication of JPH0722251A publication Critical patent/JPH0722251A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3290510B2 publication Critical patent/JP3290510B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Insulating Of Coils (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】モールドに際しての型枠を不要とし、簡単な工
程で品質の揃った積層モールドコイルを実現する。 【構成】絶縁基板10の両面にプリント配線技術により
コイルを形成した少なくとも1枚以上のコイル基板を備
え、そのコイル基板の両表面側に、樹脂材20を硬化さ
せてシート状にした樹脂シート11を積層配置すると共
に、最とも外側となる表面に被覆絶縁層12を配置し、
各層間およびコイル相互間を前記樹脂シート11を構成
していた樹脂により充填させて一体化構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機器、民生機器等
の各種電気製品に広く利用可能の積層形モールドコイル
及びその製造方法に関し、更に詳しくは、モールドする
コイルをプリント配線技術により絶縁基板上に形成する
ようにした積層形モールドコイルであって、簡単な構成
で大量生産する場合に適する積層形モールドコイルおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コイルや、幾つかのコイルを結合して構
成される各種電源トランスは、産業機器、民生機器を問
わずあらゆる分野で広く使用されている。トランスを構
成する場合、その基本性能として信号絶縁性能や信頼性
が重視され、そのために、従来より、コイルをプリント
配線技術により構成する構造やその製造方法が提案され
ている(例えば、特開昭58−155711号公報,特
開昭60−245208号公報等)。
【0003】図11は、従来のこの種のモールドコイル
の一例を示す構成概念図である。この図において、1は
1次コイル,2は2次コイルで、これらはいずれも円筒
状に巻線され、円周方向に同心に配置されている。ここ
で、各コイル1,2をプリント配線技術により構成する
場合もある。3は各コイル相互間および外周を覆う樹脂
で形成される絶縁層部であり、4はトランスとして構成
する場合に、コアを配置する貫通孔である。
【0004】図12は、この様な構成のモールドコイル
の製造方法を説明するための概念図である。はじめに、
各コイル1,2が収容可能の所定の大きさの型枠5を用
意し、これに各コイル1,2を円周方向に同心となるよ
うに配置する。続いて、各コイル1,2の間やその周囲
にエポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂を注入充填し、加熱
硬化させた後に、型枠5を外し(離型)、その後、2次
硬化、徐冷工程を経て完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この様な構成および製
造方法により完成する従来のモールドコイルは、以下の
ような構造面および製造方法において問題点があった。 (a)型枠5を各大きさに応じて用意する必要がある上
に、樹脂を浸透させるのに時間がかかる等大量生産に向
かない。 (b)樹脂を確実に浸透させるためには、コイル相互間
や外周に適当な空隙が必要で、コイル寸法を小さくでき
ない。
【0006】本発明は、これらの問題点に鑑みてなされ
たもので、小形化が可能でかつ高性能であって、低コス
トで製造できる大量生産に適した積層モールドコイルを
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この様な目的を達成する
本発明の積層形モールドコイルは、絶縁基板の両面にプ
リント配線技術によりコイルを形成した少なくとも1枚
以上のコイル基板を備え、当該コイル基板の両表面側
に、樹脂材を硬化させてシート状に構成した樹脂シート
を積層配置すると共に、最とも外側となる表面に被覆絶
縁層を配置し、各層間およびコイル相互間を前記樹脂シ
ートを構成している樹脂により充填させて一体化構造と
したものである。
【0008】また、本発明の積層形モールドコイルの製
造方法は、絶縁基板の両表面にプリント配線技術により
コイルを形成する工程と、前記工程により得られた少な
くとも1枚以上のコイル基板の両表面側に樹脂材を硬化
させてシート状に構成した樹脂シートを積層配置する工
程と、前記積層配置した最とも外側となる表面に被覆絶
縁層となるカバーシートを配置しこれらを加熱・加圧し
て各層間およびコイル相互間を前記樹脂シートを構成し
ていた樹脂により充填させて一体化構造とする工程とか
らなる。
【0009】
【作用】コイル基板上には、あらかじめ決められた形状
のコイルパターンやこのコイルパターンに接続されるリ
ード線パターン等がプリント配線技術により形成されて
おり、これらの各パターン(導体)の厚みは薄くするこ
とが可能であり、また、コイルパターンの相互間も狭く
することが可能である。
【0010】樹脂シートは、加熱・加圧することによ
り、シートを構成している樹脂材が、コイルパターンの
相互間、コイルパターンと被覆絶縁層間等に容易に浸透
し、やがて樹脂材が硬化して各コイル基板やカバーシー
ト等が一体化構造となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に
説明する。図1は、本発明に係わる積層モールドコイル
の構成断面図である。図において、10は絶縁基板で、
例えば樹脂材で構成されるものの他に絶縁フイルム等を
用いてもよい。この絶縁基板10の両表面には、エッチ
ング、蒸着、無電解メッキ等のプリント配線技術により
コイル1,2が形成されてコイル基板を構成する。な
お、この例では、一つのコイル基板を用いた例を示す
が、コイルの種類や必要な巻数を確保するような場合に
は、2枚以上のコイル基板が用いられる。
【0012】11はコイル基板の両表面側に設置された
樹脂シートである。この樹脂シートとしては、例えばガ
ラス繊維で構成されたクロスあるいはシートに、あらか
じめ例えばエポキシや無機材料等のフィラーを含む樹脂
材を含浸して半硬化させて構成されるもの(プリプレグ
シートと呼ばれるものを含む)や、前述したような樹脂
材をシート状としてそれを乾燥処理あるいは半硬化処理
して構成されるものを用いることができる。そして、こ
れらの樹脂シートは、これを加熱すると共に加圧する
と、シートを構成していた(あるいはクロスに含浸して
いた)樹脂材が溶融し、流出するという性質を有してい
る。
【0013】12は絶縁基板10と樹脂シート11との
積層板の最も外側となる両表面側に配置される被覆絶縁
層(カバーシート)である。コイル基板や各層間および
コイル相互間には、樹脂シート11から流出した樹脂材
20が充填されて一体化構造となっている。図2は、図
1に示す構成の積層モールドコイルの製造方法を各工程
に従って示す説明図で、各図の符号(a)〜(c)は以
下で説明する各工程(手順)と対応している。
【0014】工程(a) はじめに、絶縁基板10の両表面にプリント配線技術に
よりコイル1,2をそれぞれ形成する。また、必要に応
じて、各コイルからのリード線や端子となるパターン等
も併せて形成する。絶縁基板10の両表面に形成される
コイル1,2は、一方の表面に形成するコイルが例えば
1次側、他方の表面に形成するコイルが2次側となるよ
うに、互いに絶縁を確保する必要のあるコイル同士が基
板を介して分離・配置される。そして、これらのコイル
パターンの形状は、同心渦巻き状等、有効に磁気結合す
るように、また、各コイルのサイズ等はそこを流れる電
流の密度等を考慮して選定される。
【0015】絶縁基板10の厚さd1も、基板両面に形
成するコイル相互間で必要とする絶縁度に応じて選定さ
れる。例えば、絶縁基板10として、樹脂基板を用いた
場合であって、基板両面に形成するコイル相互間で必要
とする耐電圧が、10KVとすると、基板厚さd1は、
0.2mm、耐電圧が2500Vとすれば、基板厚さd
1は、0.05mm程度のものが選定される。
【0016】工程(b) 前記工程(a)により得られたコイル基板の両表面側
に、樹脂シート11を積層配置する。ここで、2枚以上
のコイル基板を用いる場合には、各コイル基板の間に1
枚の樹脂シートが配置されることとなる。即ち、コイル
基板と樹脂シートとが交互に積層されることになる。
【0017】この場合、2枚のコイル基板において、互
いに対抗する面に設けられている各コイルの関係は、例
えば1次側同士(あるいは2次側同士)と言ったよう
に、高い絶縁を確保する必要のない種類のコイルが樹脂
シート11を介して配置されるように積層する。この様
な点を考慮して積層を繰り返すと、積層板の断面構造
は、積層方向に上下対象の構造となる。
【0018】工程(c) 前記(b)の工程により積層された積層板の最とも外側
となる表面に、被覆絶縁層となるカバーシート12(厚
さd2)を配置し、コイル基板,樹脂シート,カバーシ
ートからなる積層板を加熱・加圧して、各層間およびコ
イル相互間を樹脂シート11を構成していた樹脂により
充填させて一体化構造とする。積層板の加熱・加圧の作
業を、特に真空中で行うと、樹脂シート11から溶融・
流出する樹脂が、各層間およびコイル相互間に効果的に
充填され、内部に空洞などができることはない。なお、
絶縁基板10やカバーシート12は、いずれも完全に硬
化した絶縁材料で構成されているので、この一体化工程
での加熱・加圧作業に対して、その厚さが大幅に変動す
ることはない。
【0019】その後、樹脂シート11から溶融・流出し
た樹脂を硬化させて、完成する。なお、この様な工程を
経て製造された積層モールドコイルをトランスとして利
用する場合には、積層モールド板にコアを取り付けるた
めのコイル用貫通穴を設けるなどの処理や、リード線や
端子間を接続するような処理を行うこととなる。この様
な工程を経て製造される積層モールドコイルによれば、
絶縁基板の両表面側に形成される2つのコイル1と2の
間の距離は、絶縁基板10の厚さd1により、また、コ
イル1と積層板外側との距離およびコイル2と積層板外
側との距離は、カバーシート12の厚さd2によりそれ
ぞれ規制されることとなるので、各コイル間や外部との
絶縁距離を精度よく管理することができる。また、コイ
ルの形状を渦巻き状とする場合、コイル導体相互間の距
離は、プリント配線技術の加工精度に依存するもので、
精度よく維持することができる。
【0020】従って、安定な構造で、信頼性の高い積層
モールドコイルが実現できる。図3は、2枚のコイル基
板を用いると共に、コイル相互間をモールド構造体の内
部で電気的に接続するようにした積層モールドコイルを
製造する場合の製造方法を示す図である。 工程(a) 絶縁基板10の両表面に、プリント配線技術によりコイ
ル1,2、これらの各コイルの相互間接続用端子や外部
回路への引出し用接続端子(外部回路接続端子)31,
32,33,41,42等をそれぞれ形成する。各コイ
ル相互間接続端子は、各コイルパターンの形状や、1次
コイル,2次コイルとの関係、外部回路接続用端子の配
置位置等を考慮して決められている。ここでは、コイル
1は1次側コイル、コイル2は2次側コイルであると
し、いずれも同心渦巻き状のパターンとなっていて、2
次コイル2側は、その電流密度が1次コイル側1の電流
密度より大きいことを想定しており、その導体幅が1次
コイルの導体幅より大きくなっている。
【0021】工程(b) 前記工程(a)により得られた2枚のコイル基板10
A,10Bを樹脂シート11を介在させて積層配置す
る。ここで、2枚のコイル基板10A,10Bは、互い
に対抗する表面に設けられている各コイルの関係が、図
示するように、2次コイル2同士が樹脂シート11を介
して対抗配置する(従って、各1次コイルは、いずれも
外側表面に位置する)ように積層される。
【0022】工程(b1) 樹脂シート11を介して積層された2枚のコイル基板か
らなる積層板を加熱・加圧し、その後硬化させてこれら
を一体化構造とする。 工程(b2) 渦巻き状コイルパターンの内周側に設けられている接続
端子32相互間,接続端子33,41間を接続するため
のスルーホール51,52を形成すると共に、それらの
スルーホールの内側にメッキ等により導電層50を形成
する。スルーホールは、積層板の各層を貫通し両表面に
通じるように設けられ、その径や導電層の厚さは、接続
されるコイルに流れる電流の密度等を考慮して決定す
る。ここで、接続端子32間を結ぶスルーホール51お
よびその内壁部の導電層50は、2枚のコイル基板に形
成した1次コイル同士を接続するためのものであり、接
続端子33,41間を結ぶスルーホール52およびその
内壁部の導電層50は、2枚のコイル基板に形成した2
次コイル同士を接続するためのものとなっている。
【0023】工程(c) 前記(b2)の工程により積層された積層板(スルーホ
ール51,52が形成された積層板)の外側となる各表
面上に、被覆絶縁層となるカバーシート12を樹脂シー
ト11を介して積層配置し、コイル基板,樹脂シート,
カバーシートからなる積層板を再び加熱・加圧し、その
後硬化させてこれらを一体化構造とする。
【0024】この工程を経ると、スルーホール51,5
2の内部にも、樹脂シート11から流出した樹脂が充填
され、導電層50の表面が被覆されることとなる。な
お、樹脂シート11として含浸樹脂の流動性を抑制した
ものを用いる場合、スルーホール51,52の内部には
樹脂が充填されず、空洞化したものとなるが、その様な
構造でもよい。
【0025】工程(c1) 次に、渦巻き状コイルパターンの外周側に設けられてい
る接続端子31相互間,接続端子42間を接続するため
のスルーホール53,54を形成すると共に、それらの
スルーホールの内側(内壁)にメッキ等により導電層5
0を形成する。ここで、接続端子31間を結ぶスルーホ
ール53および内壁部の導電層50は、2枚のコイル基
板に形成した1次コイル同士を接続すると共に、外部回
路接続用端子を設けることを予定している端子であり、
接続端子42間を結ぶスルーホール54および内壁部の
導電層50は、2枚のコイル基板に形成した2次コイル
同士を接続すると共に、外部回路接続用端子を設けるこ
とを予定している端子となっている。
【0026】工程(c2) スルーホール53,54に、外部回路との接続用端子
(ピン)61,62を接続する。この接続用端子の取り
付けは、例えば、スルーホールに接続端子としてのピン
を挿入(あるいは圧入)するなどにより行われる。ま
た、この積層モールドコイルをトランスに利用する場
合、コアを配置するための貫通穴7を形成する。
【0027】この様な製造方法によれば、積層板を構成
している複数のコイル基板に設けられている各コイル相
互間を接続するスルーホールの形成,スルーホール内壁
の導電層の形成の各工程を加えることにより、多数のコ
イル基板の積層一体構造が簡単にできる。図4は、図3
に示す製造方法において、外部回路への接続端子を形成
する場合の他の製造方法を示す図である。
【0028】前述した工程(a)〜工程(c1)迄は、
同じ工程を採る。この実施例では、工程(c1)の後、
図示するように積層板を、スルーホール53(54)が
半円形状なるように破線の様に切断する。すると、(c
2)に示すように、スルーホール53(54)内壁の導
電層50が積層板の外周面に露出し、その部分を略半円
筒形状の外部接続用端子として利用することが可能とな
る。なお、積層板の切断は、例えば積層板同士を分離す
るような作業と兼用して行うようにしてもよい。
【0029】この実施例によれば、図3におけるよう
に、特別に外部回路用接続用端子(ピン)61,62を
設ける工程が不要となり、更にコストの低減が実現でき
る。図5は、複数のコイル基板を用いると共に、コイル
相互間をモールド構造体の内部で電気的に接続するよう
にした積層モールドコイルを製造する場合の他の製造方
法を示す図である。
【0030】複数のコイル基板を積層し、それらを一体
化構造とするまでの工程(a)〜工程(b1)までは、
図3と同様であり、その説明を省略する。 工程(b2) 渦巻き状コイルパターンの内周側に設けられている接続
端子32相互間,接続端子33,41間を接続するため
のスルーホール51,52、およびコイルパターンの外
周側に設けられている接続端子31間同士,42間同士
を接続するためのスルーホール53,54の形成を行う
と共に、それらの各スルーホールの内側にメッキ等によ
り導電層50を形成する。
【0031】工程(c) 前記(b2)の工程により積層された積層板(スルーホ
ール51,52,53,54が形成された積層板)の外
側となる各表面に、樹脂シート11を介してカーバシー
ト12を積層配置する。ここで、この実施例では、上側
表面側のコイルの外周に設けたスルーホール53,54
(外部回路への接続端子を設けることを予定しているス
ルーホール)部分は、図示するように樹脂シート11、
カバーシート12が覆われないように避けている。これ
らを積層配置後、コイル基板,樹脂シート,カバーシー
トからなる積層板を再び加熱・加圧し、硬化させてこれ
らを一体化構造とする。この場合に樹脂シート11とし
ては、含浸する樹脂材の流動性を抑えたものを用いるこ
とにより、加熱・加圧により、樹脂がスルーホール5
3,54を覆うことがないようにしている。
【0032】工程(c1) 渦巻き状コイルパターンの外周側に設けられ、かつ表面
に露出しているスルーホール53,54に、外部回路接
続用端子(ピン)61,62を挿入するなどして接続す
る。この様な製造方法によれば、図3に示す製造方法に
比べて、スルーホールを形成する工程を1回で済ませる
ことができる利点がある。
【0033】図6ないし図8は、図5に示した製造方法
により完成した積層モールドコイルにおいて、外部回路
接続用端子の他の例を示す構成断面図である。図6の実
施例では、スルーホールへ挿入する接続端子ピン61
を、スルーホールの中心軸と直角となるようにL形状と
し、接続ピンが積層板の平面方向に導出される構成とし
たものである。
【0034】図7の実施例では、積層板の下側となって
いる表面側においても、スルーホール54部分が樹脂シ
ート11、カバーシート12により覆われないように構
成すると共に、接続端子ピン61を、スルーホール54
を両表面側から挟み込むようにしたクリップ構造とした
ものである。なお、接続ピンの導出方向は、図示するよ
うに、積層板の平面方向でもよいし、垂直方向でもよ
い。
【0035】図8の実施例では、図7の実施例におい
て、スルーホール54を半円筒形状になるようにカット
(分離)し(図4の場合と同様)、外部に露出した導電
層50部分に接触すると共に、スルーホール54を両表
面側から挟み込むようにクリップ構造の接続端子ピン6
1を取り付けるようにしたものである。図9は、本発明
の更に他の製造方法を示す図である。
【0036】この実施例は、図3で示す製造方法の組み
合わせである。この実施例では、多数のコイル基板10
A,10B,10Cを多数積層することを想定したもの
で、各多層板ごとにそれぞれスルーホールを所定個所に
形成しておき、これらの各多層板を更に樹脂シート11
を介して積層し、最も外側となる表面側にカバーシート
12を配置して、加熱・加圧して一体構造とするもので
ある。なお、カバーシート12の外側表面には、銅箔を
覆うようにしている。
【0037】図10は、本発明の更に他の製造方法を示
す図である。この実施例では、同じサイズの多数の積層
モールドコイルを一度に製造する場合に適している。 工程(a) 絶縁基板10の両表面に、多数のコイルが配列するよう
にしてプリント配線技術により1次側,2次側コイルを
それぞれ形成する。絶縁基板上に配列するコイルパター
ンは、図示するように多数のコイルが、基板表面の縦方
向,横方向に共に一列に並ぶように形成される。
【0038】工程(b) 工程(a)により作成された複数のコイル基板を、樹脂
シート11を介して積層すると共に、積層板の最も外側
となる両表面に被覆絶縁層となるカバーシート12(こ
こでは半透明のものを用いることを想定している)を樹
脂シート11を介して積層し、加熱・加圧・硬化させて
一体化構造とする。なお、コイル相互間の接続のための
スルーホールの作成等の工程は、前述した方法と同様に
この工程前において行われるものとする。
【0039】工程(c) 工程(b)で得られた一体化構造の積層板をコイルパタ
ーンを含む所定の単位に、破線に示すように分離する。
この際、図4で説明した、半円筒状の外部接続用端子を
作成するためのスルーホールを堺にして分離することも
可能である。なお、必要に応じてコアを設置するための
穴加工を分離前あるいは分離後に行う。この分離作業と
しては、例えばカッター等により切断する。
【0040】工程(d) 分離された単位積層モールドコイル毎に、外部回路接続
用の端子接続を行う。この様な工程により製造される積
層モールドコイルは、同一品質の積層モールドコイルを
多数同時に製造することができる。また、材料の利用率
が高い等の格別な効果がある。
【0041】なお、上記の各説明では、2枚以上のコイ
ル基板を積層する場合、関係有るコイル相互間の接続を
行うためのスルーホール内壁に導電層50を設けるよう
にしたものであるが、スルーホール内を半田あるいは導
電性樹脂等により充填するような構成としてもよい。こ
の様な構成は、スルーホール形成後に、積層板を半田リ
フローまたはディップすることや、印刷法で導電性樹脂
を圧入することで実現できる。
【0042】また、完成後の一つの積層モールドコイル
において、2以上のコイルが表面方向に配列していて、
それらが積層されるような構成でもよい。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、以下のような種々の効果が期待できる。 (a)平面形状の絶縁基板,樹脂シート,カバーシート
を積層し、それらを加熱・加圧して一体構造とするもの
であるから、モールドに際しての型枠が不要であり、簡
単な工程で品質の揃った積層モールドコイルが実現でき
る。 (b)コイルパターンは、絶縁基板上にプリント配線技
術により形成するもので、導体幅、導体相互間の距離、
その厚さなどは、既に確立しているプリント配線技術に
より精度よく管理することができる。 (c)積層板の加熱・加圧、スルーホールの形成等いず
れも簡易な工程の組み合わせにより完成するので、低コ
スト化が可能となる。
【0044】この様な構成の積層モールドコイルは、コ
アと組み合わせてトランスに用いる外に、電磁波の送受
信用アンテナや、磁界検出用のコイル等各種分野に適用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる積層モールドコイルの構成断面
図である。
【図2】図1に示す構成の積層モールドコイルの製造方
法を各工程に従って示す説明図である。
【図3】2枚のコイル基板を用いると共に、コイル相互
間をモールド構造体の内部で電気的に接続するようにし
た積層モールドコイルを製造する場合の製造方法を示す
図である。
【図4】図3に示す製造方法において、外部回路への接
続端子を形成する場合の他の製造方法を示す図である。
【図5】複数のコイル基板を用いると共に、コイル相互
間をモールド構造体の内部で電気的に接続するようにし
た積層モールドコイルを製造する場合の他の製造方法を
示す図である。
【図6】図5に示した製造方法により完成した積層モー
ルドコイルにおいて、外部回路への接続端子構造の他の
例を示す構成断面図である。
【図7】図5に示した製造方法により完成した積層モー
ルドコイルにおいて、外部回路への接続端子構造の他の
例を示す構成断面図である。
【図8】図5に示した製造方法により完成した積層モー
ルドコイルにおいて、外部回路への接続端子構造の他の
例を示す構成断面図である。
【図9】本発明の更に他の製造方法を示す図である。
【図10】本発明の更に他の製造方法を示す図である。
【図11】従来のモールドコイルの一例を示す構成概念
図である。
【図12】図11に示す構成のモールドコイルの製造方
法を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1 1次コイル 2 2次コイル 10 絶縁基板 11 樹脂シート 12 被覆絶縁層(カバーシート) 20 樹脂材 31,32,33,41,42 接続端子 50 導電層 51,52,53,54 スルーホール 61,62 接続端子(ピン)
フロントページの続き (72)発明者 角谷 英司 岐阜県大垣市神田町2丁目1番地 イビデ ン株式会社内 (72)発明者 出村 彰浩 岐阜県大垣市神田町2丁目1番地 イビデ ン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板の両面にプリント配線技術により
    コイルを形成した少なくとも1枚以上のコイル基板を備
    え、当該コイル基板の両表面側に、樹脂材を硬化させて
    シート状に構成した樹脂シートを積層配置すると共に、
    最とも外側となる表面に被覆絶縁層を配置し、各層間お
    よびコイル相互間を前記樹脂シートを構成している樹脂
    により充填させて一体化構造とした積層形モールドコイ
    ル。
  2. 【請求項2】コイル基板あるいは複数枚のコイル基板の
    積層板にスルーホールを設けると共に当該スルーホール
    内壁にコイル基板上に形成したコイルパータン相互間を
    接続するための導電層を形成した請求項1の積層形モー
    ルドコイル。
  3. 【請求項3】コイル基板あるいは複数枚のコイル基板の
    積層板にスルーホールを設けると共に当該スルーホール
    の内壁にコイル基板上に形成したコイルパータン相互間
    を接続するための導電層を形成し、スルーホールに樹脂
    シートを構成している樹脂が充填されるようにした請求
    項1の積層形モールドコイル。
  4. 【請求項4】コイル基板と被覆絶縁層とをそれぞれ貫通
    するスルーホールを設けると共に、当該スルーホール内
    壁に前記コイル基板上に形成した接続端子パターンに繋
    がる導電層を設け、このスルーホールに外部接続用の端
    子を設けた請求項1の積層形モールドコイル。
  5. 【請求項5】コイル基板と被覆絶縁層とをそれぞれ貫通
    するスルーホールを、積層板の外周面に配置される略半
    円筒形状とすると共に、この半円形状部分に外部接続用
    端子を設けた請求項4の積層形モールドコイル。
  6. 【請求項6】絶縁基板の一方の表面に1次側コイルを他
    方の表面に2次側コイルをそれぞれ形成すると共に、絶
    縁基板の厚さを所定の厚さとし、1次側コイルと2次側
    コイルとの間の耐圧を絶縁基板により確保することを特
    徴とする請求項1の積層形モールドコイル。
  7. 【請求項7】絶縁基板の両表面にプリント配線技術によ
    りコイルを形成する工程と、 前記工程により得られた少なくとも1枚以上のコイル基
    板の両表面側に樹脂材を硬化させてシート状に構成した
    樹脂シートを積層配置する工程と、 前記積層配置した最とも外側となる表面に被覆絶縁層と
    なるカバーシートを配置しこれらを加熱・加圧して各層
    間およびコイル相互間を前記樹脂シートを構成していた
    樹脂により充填させて一体化構造とする工程とを経て製
    造する積層形モールドコイルの製造方法。
  8. 【請求項8】絶縁基板の両表面にプリント配線技術によ
    りコイルを形成する工程と、 前記工程により得られた少なくとも2枚以上のコイル基
    板の間に樹脂材を硬化させてシート状に構成した樹脂シ
    ートを積層配置する工程と、 前記工程により得られた積層板を加熱・加圧して各コイ
    ル基板間およびコイル相互間を前記樹脂シートを構成し
    ていた樹脂により充填させて一体化構造とする工程と、 2枚以上のコイル基板を貫通するスルーホールを形成す
    ると共に、当該スルーホール内壁にコイル基板上に形成
    されている接続端子パターン相互間を接続する導電層を
    形成する工程と、 前記スルーホールを形成した積層板の最とも外側となる
    表面に被覆絶縁層となるカバーシートを配置し、これら
    を再び加熱・加圧して各層間およびコイル相互間を前記
    樹脂シートを構成していた樹脂により充填させて一体化
    構造とする工程とを経て製造する積層形モールドコイル
    の製造方法。
  9. 【請求項9】絶縁基板の両表面にプリント配線技術によ
    りコイルを形成する工程と、 前記工程により得られた少なくとも2枚以上のコイル基
    板の間に樹脂材を硬化させてシート状に構成した樹脂シ
    ートを積層配置する工程と、 前記工程により得られた積層板を加熱・加圧して各コイ
    ル基板間およびコイル相互間を前記樹脂シートを構成し
    ていた樹脂により充填させて一体化構造とする工程と、 2枚以上のコイル基板を貫通するスルーホールを形成す
    ると共に、当該スルーホール内壁にコイル基板上に形成
    されている接続端子パターン相互間を接続する導電層を
    形成する工程と、 前記スルーホールを形成した積層板の最とも外側となる
    表面に被覆絶縁層となるカバーシートを、外部回路への
    接続端子を設けることを予定しているスルーホール部分
    を避けて配置し、これらを再び加熱・加圧して各層間お
    よびコイル相互間を前記樹脂シートを構成していた樹脂
    により充填させて一体化構造とする工程とを経て製造す
    る積層形モールドコイルの製造方法。
  10. 【請求項10】絶縁基板の両面にプリント配線技術によ
    り複数のコイルを形成する工程と、 前記工程により得られた少なくとも1枚以上のコイル基
    板の両表面側に樹脂材を硬化させてシート状に構成した
    樹脂シートを積層配置する工程と、 前記積層配置した最とも外側となる表面に被覆絶縁層と
    なるカバーシートを配置しこれらを加熱・加圧して各層
    間およびコイル相互間を前記樹脂シートを構成していた
    樹脂により充填させて一体化構造とする工程と、 この工程の後得られた積層板を前記コイルを含む所定の
    単位で分離する工程とを経て製造する積層形モールドコ
    イルの製造方法。
JP15859693A 1993-06-29 1993-06-29 積層形モールドコイル及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3290510B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15859693A JP3290510B2 (ja) 1993-06-29 1993-06-29 積層形モールドコイル及びその製造方法
US08/261,738 US5652561A (en) 1993-06-29 1994-06-17 Laminating type molded coil
DE4422827A DE4422827C2 (de) 1993-06-29 1994-06-29 Geschichtete vergossene elektrische Wicklung sowie Transformatoreinheit und Verfahren zu deren Herstellung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15859693A JP3290510B2 (ja) 1993-06-29 1993-06-29 積層形モールドコイル及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0722251A true JPH0722251A (ja) 1995-01-24
JP3290510B2 JP3290510B2 (ja) 2002-06-10

Family

ID=15675146

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15859693A Expired - Lifetime JP3290510B2 (ja) 1993-06-29 1993-06-29 積層形モールドコイル及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3290510B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11251142A (ja) * 1998-03-02 1999-09-17 Tdk Corp チップ型インピーダンス素子
US6749928B2 (en) 2001-02-22 2004-06-15 Tdk Corporation Electronic parts and method producing the same
JP2018157185A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル部品及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11251142A (ja) * 1998-03-02 1999-09-17 Tdk Corp チップ型インピーダンス素子
US6749928B2 (en) 2001-02-22 2004-06-15 Tdk Corporation Electronic parts and method producing the same
KR100631232B1 (ko) * 2001-02-22 2006-10-02 티디케이가부시기가이샤 전자 부품 및 이의 제조 방법
JP2018157185A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル部品及びその製造方法
US10586648B2 (en) 2017-03-16 2020-03-10 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Coil component and method for manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3290510B2 (ja) 2002-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5652561A (en) Laminating type molded coil
JP3057924B2 (ja) 両面プリント基板およびその製造方法
JP3601619B2 (ja) コモンモードチョークコイル
US7791445B2 (en) Low profile layered coil and cores for magnetic components
US5781091A (en) Electronic inductive device and method for manufacturing
KR960015427B1 (ko) 적층형 코일 및 그 제조 방법
US7279412B2 (en) Parallel multi-layer printed circuit board having improved interconnection and method for manufacturing the same
KR101255953B1 (ko) 적층형 공진 코일의 제조 방법
JP2016515305A (ja) ラミネートポリマーを使用するプレーナ磁気技術に関する装置および方法
JP3150022B2 (ja) 積層形プリントコイル及びその製造方法
CN108811323B (zh) 印刷电路板及其制造方法
JP2001516501A (ja) 低減された寸法と改善された温度特性とを有する平らな巻線構造と低縦断面磁気素子
JP3290510B2 (ja) 積層形モールドコイル及びその製造方法
JPH07142256A (ja) 積層形プリントコイル及びその製造方法
JP4363947B2 (ja) 多層配線回路基板およびその作製方法
JPH07135114A (ja) 積層形プリントコイル及びその製造方法
CN114390800A (zh) 一种埋磁线路板的制作方法以及电子元件
KR102054742B1 (ko) 입력측 1차코일과 출력측 2차코일 일체형 트랜스포머 코일 인쇄회로기판 제조방법
KR101097504B1 (ko) 다층 인쇄 회로 기판의 제조방법
JPH07142254A (ja) プリントコイル及びその製造方法
JPH0137844B2 (ja)
JPH04251905A (ja) トランスの製造方法
JP2626291B2 (ja) 配線板の製造法
JPS63110797A (ja) 多層回路板
JPS6192848A (ja) 金属ベ−スプリント配線板用積層板の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020308

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140322

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term