JPH0722220U

JPH0722220U - 横転式焼却装置

Info

Publication number: JPH0722220U
Application number: JP4631393U
Authority: JP
Inventors: 藤勝弘伊
Original assignee: 伊藤勝弘
Priority date: 1993-08-25
Filing date: 1993-08-25
Publication date: 1995-04-21

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案の目的とするところは、木材等を効率
良く焼却することのできる横転式焼却装置を提供するこ
とにある。【構成】そのために、基台の上方に搭載した駆動手段
で炉本体を横転させ、炉本体の一方の開口部から供給す
る可燃物を炉本体の回転により他方の開口部側に移動さ
せつつ燃焼する横転式焼却装置において、前記炉本体の
炉壁に内外に連通する透孔を適数個設けると共に、該透
孔を介して炉本体の外周に配置するエアー供給手段より
炉本体内に所定のエアーを供給するように構成し、また
炉本体の他方の開口部側に設けられる排煙手段と炉本体
との間に中央に発熱柱を配置した二次燃焼室を設け、該
二次燃焼室の側壁に二次燃焼バーナを配置して未燃焼ガ
スを燃焼させると共に、該二次燃焼に際し発熱柱を中心
とする旋風が生じるように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、特に、木材等を効率良く焼却することのできる横転式焼却装置に関するものである。

【０００２】

【背景の技術】

木材等の焼却は木材中の有機物が空気中の酸素と反応し、熱と光を伴って燃焼する現象である。従来、木材等の焼却装置として一般に知られているものには、冬季の暖房用のストーブが想起されるように、通常は、所謂縦型の炉本体を有し底部から制御空気が導入され、底部に部分燃焼を発生させ、その熱で隣接部分が加熱され、有機物の分解気化がはじまり、底部全体が火床になり、続いてその上部が分解気化されて流動化層となり、その上層部が伝熱層で、最上部は分解ガスとなり一定の時間経過と共に、上方へ徐々に燃焼して行く方式である。

【０００３】然るに、上記の縦型炉本体による木材等の燃焼は木材等が下方より上方に向かって徐々燃焼するものであるから、例えば生木のように水分を多量に含んだ木材とか、一度に多量の木材を連続的に、しかも迅速に焼却処理するような場合の燃焼は、底部から供給する制御空気の適切な供給を行わなければ効率の良い燃焼が非常に困難であり、かつ木材等の分解気化が緩慢なため上部での伝熱層が生じにくく極めて燃焼効率が悪い等の欠点が有った。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そのため、従来の焼却装置による木材等の焼却処理には、炉本体に木材を投入する前提に、例えば木材に含まれている水分を十分に乾燥させるとか、燃焼効率を高めるため木材中に燃焼助長材等を混入するとか、あるいはガスバーナの温度を必要以上に高温に設定する等種々の方法を採用しているのが現状であり、そのため乾燥装置の設備とか、燃焼助長材を特別に準備する必要があり、また、炉本体内部の温度を必要以上に高温に設定しなければならないため燃費が非常に高価と成ってしまう等の問題を有していた。

【０００５】また、従来の縦型炉本体の場合は、木材等を炉本体の上方から供給して落下させつつ下方に配置したガスバーナで燃焼するものであるため木材等の供給量と燃焼速度、制御空気の適切な供給等のコントロールが非常に困難であり、従って迅速な焼却を目的とすることは非常に困難で、かつ残留物が多く、そのための後処理が極めて煩雑である等種々の問題を有していた。

【０００６】

【課題を達成するための手段】

本考案は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、特に、木材等を効率良く焼却することのできる横転式焼却装置を提供することにあり、そのために基台の上方に搭載した駆動手段で炉本体を横転させ、炉本体の一方の開口部から供給する可燃物を炉本体の回転により他方の開口部側に移動させつつ燃焼する横転式焼却装置において、前記炉本体の炉壁に内外に連通する透孔を適数個設けると共に、該透孔を介して炉本体の外周に配置するエアー供給手段より炉本体内に所定のエアーを供給するように構成し、また炉本体の他方の開口部側に設けられる排煙手段と炉本体との間に中央に発熱柱を配置した二次燃焼室を設け、該二次燃焼室の側壁に二次燃焼バーナを配置して未燃焼ガスを燃焼させると共に、該二次燃焼に際し発熱柱を中心とする旋風が生じるように構成する。

【０００７】

【作用】

本考案は、上記のような構成を採用したので、木材供給手段より炉本体内部に供給される木材は、炉本体の横転動により攪拌されつつ、炉本体の後方より前方に移動しながらガスバーナの火炎を受けて燃焼されるのであるが、本考案では、特に、炉本体の炉壁に内外に連通する透孔を適数個設けると共に、該透孔を介して炉本体の外周に配置するエアー供給手段より炉本体内に所定のエアーを供給するものであるから、木材等の供給量に合わせてエアーを供給でき、従って迅速な燃焼が可能である。また、炉本体の他方の開口部側に設けられる排煙手段と炉本体との間に中央に発熱柱を配置した二次燃焼室を設けて未燃焼ガスを燃焼させると共に、燃焼に際し発熱柱を中心とする旋風が生じるようにしたので、より一層効率の良い燃焼ができ、残留物も少なく、カスバーナの燃焼温度も従来の焼却装置に比べて低く抑えることが可能であり、燃費も安価でありき極めて経済的である。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案に係る横転式焼却装置の一実施例について図１及び図２（ａ）、（ｂ）、（ｃ）を参照して説明する。図１は本考案に係る横転式焼却装置の全体構成を示す説明図であり、図２（ａ）、（ｂ）は本考案の要部説明図、（ｃ）はエアー供給手段の他の実施例を示す説明図である。

【０００９】図中、１は横転式焼却装置であり、該横転式焼却装置１は、本体ベース２の上方に横転駆動手段３を装備し、この上方に炉本体４を回転可能に搭載して構成されている。ところで、前記横転駆動手段３は、電動モータ（図では省略）の出力ギヤに前記炉本体４の外壁に設けた胴ギヤ４ａを噛合させて炉本体４を横転させるように構成されている。

【００１０】また、前記炉本体４の全体形状は、底部４ｂ（後方側部に位置する）に小開口４ｃを有し、かつ底部４ｂ側が小径で、大開口４ｄ（前方側部に位置する）側が大径であるテーパー状の略有底筒状に構成されている。前記大開口４ｄ側は、炉本体４内部に火炎口を臨ませたガスバーナ５と、排煙手段（集塵装置を含む）６と、下方に開閉自在な残滓物採出口７と送風手段（図では省略）を有した閉塞体８により密閉されるように構成されている。また、底部４ｂ側は、小開口４ｃより炉本体４内部に供給口を臨ませた木材供給手段９が設けられている。この木材供給手段９は木材等の収納容器１０の下方に装備したシリンダ９ａにより出没するピストンロット９ｂとで構成されている。

【００１１】また、炉本体４の炉壁には内外に連通する透孔１１ａ〜１１ｎが適数個設けられており、透孔１１ａ〜１１ｎを介して炉本体４の外周に配置するエアー供給手段（エアーコンプレッサーを中心として構成されている。）１２より炉本体４内に所定のエアーが供給されるように構成されている。ところで、前記炉本体４の炉壁に内外に連通するように設けられた透孔１１ａ〜１１ｎは、炉本体４の長手方向に沿って一定の間隔Ｌ₁を置き、かつ炉壁の周方向に沿って一定の間隔Ｌ₂で設けられている。また、前記エアー供給手段１２による炉壁に設けた各透孔１１ａ〜１１ｎへのエアーの供給は、炉本体４の炉壁に沿って設けたエアーダクト１２ａ〜１２ｎを介して炉本体４内に供給されるように構成され、各エアーダクト１２ａ〜１２ｎに対するエアーの供給は、図２（ａ）にその要部を開示した如く、各エアーダクト１２ａ〜１２ｎを周方向に連結するリングダクト連結子１３を介してできるように構成されている。

【００１２】また、前記排煙手段６と炉本体４との間には、二次燃焼室１４が設けられ、該二次燃焼室１４の中央には、垂直に立設して発熱柱１４ａが配置され、二次燃焼室１４の側壁に二次燃焼バーナ１５が配置され、この二次燃焼室１４を通過する未燃焼ガスを燃焼させると共に、該二次燃焼室１４を通過する未燃焼ガスが発熱柱１４ａを中心として旋風となるように構成されている。

【００１３】なお、前記の実施例では炉本体４の外周に配置するエアー供給手段１２による炉本体４内へのエアーの供給は、炉本体４の炉壁に沿って設けたエアーダクト１２ａ〜１２ｎを介して炉本体４内に供給されるように構成され、各エアーダクト１２ａ〜１２ｎに対するエアーの供給は、各エアーダクト１２ａ〜１２ｎを周方向に連結するリングダクト連結子１３を介して行うように説明したが、図２（ｃ）に示した如く、炉本体４の全外周を覆うように気密ドーム１６を配置し、気密ドーム１６に充満するエアーが炉壁に設けた各透孔１１ａ〜１１ｎを介して炉本体４内に供給されるように構成してもよい。また、前述した実施例では炉本体４の内部炉壁面の構造の詳細は説明しなかったが、図２（ｃ）に示した如く、炉本体４の長手方向に沿って一定の間隔で、螺旋状となる突起１７を形成して供給される木材等が炉本体４内で効率良く掻き上げられて燃焼できるように構成している。

【００１４】また、前記ガスバーナ５の火炎温度は排煙手段６の近傍と、炉本体４内に装備した両温度センサー（図では省略）で検出した信号を比例コントローラを介してガスバーナ５の制御弁を制御することにより、例えば炉本体４の内部略中央位置で略８００℃〜１，３００℃に維持できるように制御されるようになっている。以下、上記の構成に基づいて本考案に係る横転式焼却装置の作用を説明する。

【００１５】本考案は、底部４ｂ側に設けた小開口４ｃより横転駆動している炉本体４内部に木材供給手段９を介して投入される木材は、炉本体４の内壁面に沿って炉本体４の回転に伴い、かつ突起１７により繰り返して掻き上げられながら十分にほぐされつつ大開口４ｅ側に向かって送られる状態において、炉本体４の炉壁に内外に連通するように設けられた透孔１１ａ〜１１ｎを介してエアー供給手段１２により所定量のエアーが炉本体４の内部に供給されので、木材等の有機物に十分な酸素が供給される。従って、有機物の分解気化が迅速であり、伝熱状況も良好で迅速に焼却処理ができる。また、排煙手段６と炉本体４との間には、二次燃焼室１４が設けられ、該二次燃焼室１４の中央には、垂直に立設して発熱柱１４ａが配置され、二次燃焼室１４の側壁に二次燃焼バーナ１５が配置され、この二次燃焼室１４を通過する未燃焼ガスを燃焼させると共に、該二次燃焼室１４を通過する未燃焼ガスが発熱柱１４ａを中心として旋風となるように構成しているもで、炉本体４内部で十分に燃焼されなかった未燃焼ガスも二次燃焼室１４を通過する際に確実に燃焼されるから上記のエアーの供給に加えてより一層効率の良い焼却処理が可能である。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、以上詳細に説明した如く、基台の上方に搭載した駆動手段で炉本体を横転させ、炉本体の一方の開口部から供給する可燃物を炉本体の回転により他方の開口部側に移動させつつ燃焼する横転式焼却装置において、前記炉本体の炉壁に内外に連通する透孔を適数個設けると共に、該透孔を介して炉本体の外周に配置するエアー供給手段より炉本体内に所定のエアーを供給するように構成し、また炉本体の他方の開口部側に設けられる排煙手段と炉本体との間に中央に発熱柱を配置した二次燃焼室を設け、該二次燃焼室の側壁に二次燃焼バーナを配置して未燃焼ガスを燃焼させると共に、該二次燃焼に際し発熱柱を中心とする旋風が生じるように構成したので、木材供給手段より炉本体内部に供給される木材は、炉本体の横転動により攪拌されつつ、炉本体の後方より前方に移動しながらガスバーナの火炎を受けて燃焼されるのであるが、本考案では、特に、炉本体の炉壁に内外に連通する透孔を適数個設けると共に、該透孔を介して炉本体の外周に配置するエアー供給手段より炉本体内に所定のエアーを供給するものであるから、木材等の供給量に合わせてエアーを供給でき、従って迅速な燃焼が可能である。また、炉本体の他方の開口部側に設けられる排煙手段と炉本体との間に中央に発熱柱を配置した二次燃焼室を設けて未燃焼ガスを燃焼させると共に、燃焼に際し発熱柱を中心とする旋風が生じるようにしたので、より一層効率の良い燃焼ができ、残留物も少なく、カスバーナの燃焼温度も従来の焼却装置に比べて低く抑えることが可能であり、燃費も安価でありき極めて経済的である等種々の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る横転式焼却装置の要部を開示した
側面図

【図２】（ａ）は同上図のエアー供給手段の要部を開示
した説明図（ｂ）は同上図の二次燃焼室の要部を開示した説明図（ｃ）は同上図のエアー供給手段の他の実施例の要部を
開示した説明図

【符合の説明】

１横転式焼却装置２本体ベース３横転駆動手段４炉本体４ａ胴ギヤ４ｂ底部側４ｃ小開口４ｄ大開口５ガスバーナ６排煙手段７灰出手段８閉塞体９木材供給手段９ａシリンダ９ｂピストンロット１０収納容器１１透孔１２エアー供給手段１３リングダクト連結子１４二次燃焼室１４ａ発熱柱１５二次燃焼バーナー１６気密ドーム１７突起

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】基台の上方に搭載した駆動手段で炉本体
を横転させ、炉本体の一方の開口部から供給する可燃物
を炉本体の回転により他方の開口部側に移動させつつ燃
焼する横転式焼却装置において、前記炉本体の炉壁に内
外に連通する透孔を適数個設けると共に、該透孔を介し
て炉本体の外周に配置するエアー供給手段より炉本体内
に所定のエアーを供給するようにしたことを特徴とする
横転式焼却装置。
【請求項２】前記炉本体の炉壁に内外に連通するよう
に設ける透孔は、炉本体の長手方向に沿って一定の間隔
を置き、かつ炉壁の周方向に沿って一定の間隔で適数個
設けられていることを特徴とする請求項１記載の横転式
焼却装置。
【請求項３】前記炉本体の外周に配置するエアー供給
手段は、炉壁に設ける各透孔を連通すべく配置したエア
ーダクトを介して炉本体内に所定のエアーを供給するよ
うにしたことを特徴とする請求項１記載の横転式焼却装
置。
【請求項４】前記炉本体の外周に配置するエアー供給
手段は、炉本体と所定の間隔でもって炉本体の全外周を
覆うように配置した気密ドームで構成され、該気密ドー
ムに充満するエアーが適宜の透孔を介して炉本体内に供
給できるように構成したことを特徴とする請求項１記載
の横転式焼却装置。
【請求項５】基台の上方に搭載した駆動手段で炉本体
を横転させ、炉本体の一方の開口部から供給する可燃物
を炉本体の回転により他方の開口部側に移動させつつ燃
焼する横転式焼却装置において、前記炉本体の他方の開
口部側に設けられる排煙手段と炉本体との間に中央に発
熱柱を配置した二次燃焼室を設け、該二次燃焼室の側壁
に二次燃焼バーナを配置して未燃焼ガスを燃焼させると
共に、該二次燃焼に際し発熱柱を中心とする旋風が生じ
るように構成したことを特徴とする横転式焼却装置。