JPH07221338A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池の製造方法

Info

Publication number
JPH07221338A
JPH07221338A JP6306839A JP30683994A JPH07221338A JP H07221338 A JPH07221338 A JP H07221338A JP 6306839 A JP6306839 A JP 6306839A JP 30683994 A JP30683994 A JP 30683994A JP H07221338 A JPH07221338 A JP H07221338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
paste
compound semiconductor
solar cell
glass substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6306839A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Niimoto
哲也 新本
Nobuo Nakayama
信男 中山
Kuniyoshi Omura
邦嘉 尾村
Mikio Murozono
幹夫 室園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP6306839A priority Critical patent/JPH07221338A/ja
Publication of JPH07221338A publication Critical patent/JPH07221338A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/543Solar cells from Group II-VI materials
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【目的】 緻密で均一な厚さの層を形成して、太陽電池
の特性を向上させるとともに均質化させ、コスト低減に
資する。 【構成】 原料粉末と増粘剤とを練合して得られたペー
ストをガラス基板1上に塗布した状態で振動を与えた後
乾燥,焼成して、CdS焼結層2,CdFe焼結層3,
炭素電極層4を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布・焼成方式による化
合物半導体からなる太陽電池の製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の温暖化,酸性雨,オゾン層
の破壊などの環境問題からクリーンなエネルギー源の1
つとして、太陽電池への期待が高まっている。太陽電池
を普及させるのは、その光電変換効率の向上と、コスト
低減とが鍵となっている。
【0003】そのために、結晶質および非晶質シリコン
太陽電池とともに、GaAs,InPなどのIII−V
族,CdS/Cu2S,CdS/CdTeなどのII−VI
族およびCuInS2,CuInSe2などのI−III−V
I2族の化合物半導体からなる太陽電池が、各国で研究開
発されている。これら化合物半導体太陽電池のなかで、
材料費が比較的安く、変換効率が10%前後で、長期間
にわたり性能劣化が少なく、かつ、全成膜工程が、スク
リーン印刷等で塗布したのち、乾燥してから焼結または
焼付けによる焼成を繰り返す塗布・焼成方式によって作
製できるn−CdS/p−CdTeの組み合せのII−VI
族化合物半導体太陽電池が現在工業的規模で実用化され
ている。この太陽電池は、量産に適しており、1枚のガ
ラス基板上に、別途結線工程を行うことなく、高電圧の
太陽電池を高密度に形成できるとともに、大面積化も容
易であるという特徴を有している。
【0004】図1にII−VI族化合物半導体太陽電池の代
表的構成の模式断面図を示す。図1において、光透過率
および電気的絶縁性が高いガラス基板1の片面に、n型
化合物半導体の硫化カドミウム(CdS)焼結層2,p
型化合物半導体のテルル化カドミウム(CdTe)焼結
層3,集電用炭素電極層4,およびAg・In電極から
なる正極端子5が塗布・焼成方式を繰り返すことによっ
て、順次、またAg・In電極からなる負極端子6が塗
布焼成方式によりCdS焼結層2の上にそれぞれ積層状
に形成される。
【0005】図面では省略したが、通常、前記正負両極
端子のAg・In電極上にリード専をハンダ着けし易く
するための銅ペーストを塗布,乾燥,焼付けた後、これ
らの部分を残して前記太陽電池素子を保護するためのエ
ポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を主成分とする塗料
を、全面に塗布,乾燥後焼付けたパッシベーション層を
設けている。
【0006】太陽光をはじめ光は前述した太陽電池素子
を形成したガラス基板1の反対面から入射して光電変換
によって発電する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】化合物半導体であるC
dS焼結層2およびCdTe焼結層3の焼結温度が比較
的高いことと、ガラス基板1に直接形成されるn型化合
物半導体のCdS焼結層2内にNa等のI価のアルカリ
金属が拡散すれば、面抵抗が高くなり、太陽電池の特性
が低下するので、ガラス基板1としては軟化点が高く、
アルカリ金属含有率が極めて低い耐熱ガラスの1種であ
るバリウム・ホウケイ酸ガラスが採用されている。
【0008】このような塗布・焼成方式によって化合物
半導体からなる太陽電池を製造するに当って、n型化合
物半導体のCdS焼結層2,p型化合物半導体のCdT
e焼結層3,電極層5,6等の各層が緻密でピンホール
がなく、均一な厚さで、かつ、表面が平滑になるように
積層状に形成させることが肝要である。化合物半導体焼
結層のうち、特にガラス基板1上に直接形成されるn型
化合物半導体のCdS焼結層2において、上記した緻密
で、均一な厚さで、表面を平滑化することにより、ガラ
ス基板1とCdTe焼結層2との間の密着性が増大し、
光透過率が向上し、面抵抗が低下することにより光電流
が増大し、ひいては太陽電池素子の特性が向上する。
【0009】そのために、従来は、化合物半導体または
化合物半導体を形成する元素および電導剤等の各種原料
粉末と増粉剤とを練合して得られた塗料状ペーストを減
圧下に置いてペースト中の気泡を抜いたり、ペーストを
塗布したのち、増粘剤の乾燥温度より低い、数10℃の
温度下でガラス基板を垂平状態に保持させて、塗膜中の
増粘剤の粘度を低下させることにより原料粉末をなるべ
く均等に沈降させて高密度化する等の方法がとられてい
た。
【0010】しかしながら、塗布前のペーストから脱泡
しても、スクリーン印刷等の塗布工程において、ガラス
基板との間に空気を抱き込み、塗布ムラやピンホールが
発生する場合があった。また、塗布後の熱処理だけでは
塗布したペーストの原料粉末が必ずしも均等に沈降せ
ず、脱泡も不十分で、各層の表面には凹凸が生じ、平滑
度が不充分で、均一な厚さとはいい難いという問題があ
った。
【0011】また、塗布・焼成後の各層のピンホールは
面抵抗の増大または電導度の低下の原因になる。特に、
p型化合物半導体のCdTe焼結層3にピンホールが生
成した場合、その上に形成される炭素電極層4の炭素粒
子がそのピンポールに侵入してCdTe焼結層3の下の
CdS焼結層2まで達して、内部短絡または電流洩れの
原因になり、太陽電池素子の特性を致命的に低下させる
場合があるという問題点があった。
【0012】本発明は、塗布・焼成方式による化合物半
導体太陽電池を簡単な方法でn型およびp型の化合物半
導体層,電極層等の各層が緻密でピンホールがなく、均
一な厚さで、かつ表面を平滑にすることにより、太陽電
池素子の特性を向上させるとともに均質化させて、太陽
電池のコスト低減に資する製造方法を提供することを目
的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の太陽電池の製造方法においては、ガラ
ス基板上にn型化合物半導体層,p型化合物半導体層,
電極層等を順次積層状に形成するに当って、各層を形成
するおのおのの原料粉末と増粘剤とを練合して得られた
ペーストを塗布する過程および塗布後の少なくともいず
れかの状態で、ガラス基板に振動を与えたのち、塗布し
たペーストを乾燥固化させ、次いで焼結または焼付けに
より焼成するものである。
【0014】また、ガラス基板には、超音波発振器から
発生する超音波パルス振動により振動を与えることが好
ましい。
【0015】また、ペーストは、スクリーン印刷法,描
画印刷法,凸版印刷法,凹版印刷法,およびスプレー印
刷法からなるグループから選ばれた少なくと1つの方法
で塗布することができる。
【0016】また、n型化合物半導体層およびp型化合
物半導体層は、第II族および第VI族の元素またはこれら
の化合物により形成すると効果的であり、中でもn型化
合物半導体層はCds、p型化合物半導体層はCdTe
またはCuInSeにより形成することが好ましい。
【0017】さらに、太陽電池素子の正極および負極の
端子を除く全面に、樹脂製のパッシベーション層を形成
することもできる。
【0018】
【作用】本発明は、塗布・焼成方式の太陽電池を製造す
るに当って、各層を形成するペーストを塗布する過程お
よび塗布後の少なくとも一方の状態でガラス基板に振動
を与えることにより、塗膜からピンホールの原因になる
脱泡、ペースト中の原料粉末の沈降を均一化するととも
に焼成された各層の密着性を向上させ、太陽電池の特性
向上および均質化を達成し得るものである。
【0019】
【実施例】図1に示したn−CdS/p−CdTe型の
II−VI族化合物半導体太陽電池を例に、本発明による太
陽電池の製造方法の実施例について、図2,図3および
表1,表2を参照し以下詳細に説明する。
【0020】CdS微粉末に融剤としての塩化カドミウ
ム(CdCl2)と、増粘剤としてのプロピレングリコ
ール(PG)を添加して十分に練合して得られたペース
トをバリウム・ホウケイ酸ガラスからなるガラス基板1
上にスクリーン印刷法によって、約60μmの厚さの塗
布層を設ける。次いで、ガラス基板1の外周端面に超音
波発振器の圧電振動子を用いたホーンを接触させ、周波
数28kHzの超音波を5秒間伝えたところ、振動を加
える前のスクリーン印刷による塗布時に生じたスクリー
ンの網目の凹凸が削減すると同時に、ピンホールの原因
となる塗布されたペースト中の気泡が抜けるのが肉眼的
にも観察された。
【0021】その後、空気中で120℃で乾燥(PGを
蒸発させて除去)したのち、690℃でCdS焼結層2
を形成させた。この試料と同じCdSペーストを塗布
後、振動を加えずに直ちに本発明による実施例と同じ条
件で乾燥,焼結した従来例による試料との諸物性を測定
して(表1)に、また、両試料の断面の顕微鏡写真(×
500)を図2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】図2のCdS焼結層の断面の顕微鏡写真で
明らかなように、従来例の場合(図2(B)参照)、ガ
ラス基板上のCdS層は厚さが不均一で、孔およびピン
ホールが多く、ガラス基板との間は十分に密着しておら
ず、その表面には凹凸が認められ、平滑とはいい難いこ
とがわかる。これに対して本発明による実施例の場合
(図2(A)参照)、CdS焼結層は厚さが均一で、孔
隙が殆ど認められず緻密で、ガラス基板面にほぼ完璧に
密着していることがわかる。
【0024】その結果、(表1)に示されるように、本
発明によるCdS層は、従来例のCdS層に比較して、
光透過率が5%向上し、面抵抗が約15%低下した。こ
れらの結果から、従来例より本発明による実施例のCd
S層は、太陽電池の優れた窓材として光電流が向上する
ことが期待される。
【0025】次に、カドミウム(Cd)とテルル(T
e)との等mol比の混合微粉末に、CdCl2とPG
とを添加して十分に練合して得られたCd・Teペース
トをCdS焼結層2上にスクリーン印刷法により約30
μm厚に塗布し、空気中で乾燥してから620℃で焼結
してCdTe焼結層3を形成させる。CdTe焼結層3
をp型半導体化すると同時に集電用炭素電極層4をCd
Te焼結層3上に形成させるために、炭素粉末と樹脂の
有機溶媒溶液からなる増粘材とを練合して得られたカー
ボンペーストをスクリーン印刷法により塗布し、乾燥後
焼付けることによりn−CdS/p−CdTeヘテロ接
合を形成させる。炭素電極層4および8.5/20Cd
S焼結層2上に正極端子5および負極端子6を設けるた
めに、銀(Ag)とインジウム(In)との混合粉末と
樹脂の有機溶媒溶液からなる増粘材とを練合して得られ
たAg・Inペーストをスクリーン印刷法により塗布
し、乾燥後焼付けてAg・In電極を形成させる。Ag
・In電極からなる正極端子5,負極端子6の上にハン
ダ着け用の銅ペーストをスクリーン印刷,乾燥,焼付け
後、これらの部分を残して太陽電池素子を保護するため
のパッシベーション塗膜を同様にスクリーン印刷,乾
燥,焼付ければ太陽電池は完成する。なお、各工程の焼
結または焼付けは窒素雰囲気中で行った。
【0026】前述した塗布・焼成方式による化合物半導
体太陽電池の製造工程において、ガラス基板上に太陽電
池素子の主要部を構成するn型化合物半導体層,p型化
合物半導体層および電極層を順次積層状に形成するに当
って、各層を形成する各種原料粉末と増粘材とを練合し
て得られるペーストをスクリーン印刷法で塗布した後の
ガラス基板に与える振動の効果について次に述べる。
【0027】A:各層のペースト塗布後ガラス基板に振
動を与えることなく、直ちに乾燥し、焼結または焼付け
による焼成をくり返した従来例の試料。
【0028】B:CdSペースト塗布後だけガラス基板
に振動を与え、他の工程は従来と同様にペースト塗布後
に振動を与えなかった試料。
【0029】C:Cd・Teペースト塗布後だけガラス
板に振動を与え、他の工程は従来と同様にペースト塗布
後に振動を与えなかった試料。
【0030】D:カーボンペースト塗布後だけガラス基
板に振動を与え、他の工程は従来と同様にペースト塗布
後に振動を与えなかった試料。
【0031】E:CdSペースト,Cd・Teペースト
およびカーボンペーストを塗布後それぞれガラス基板に
振動を与えてから、乾燥後焼結または焼付けによる焼成
を行った試料。
【0032】なお、振動は、ガラス基板の裏面(入射光
側)に超音波発振器のhoneを当て、周波数22kH
zのパルスを10秒間与えるように統一した。その他の
条件はすべて同じにした。
【0033】これらの試料を太陽電池として完成させ、
開放電圧(Voc),短絡電流(Isc),曲線率(F
F)および真性光電変換効率(EFF)を求めた。従来
例による試料Aの値を1.00とした場合の各試料のそ
れぞれの値を指数で示した結果を図3に示す。
【0034】図3の試料Bの値からCdSペースト塗布
後の振動の効果は、前述したように塗布したペースト層
からの脱泡や塗膜表面の平滑化やCdS焼結層とガラス
基板間の密着性の向上による光透過率の増大と面抵抗の
低下に伴いIscの向上と、接合部のピンホールの減少
によるVocとFFの向上に寄与したものと考えられ
る。
【0035】次に試料Cの値から、Cd・Teペースト
塗布後の振動の効果は、焼成後のCdTe焼結層を構成
するCdTe粒子の成長や配向性の増加等の膜質の向上
によるVoc,Isc,FFの向上に寄与したものと考
えられる。
【0036】さらに、試料Dの値から、カーボンペース
ト塗布後の振動の効果は、IscとFFの向上に寄与し
ている。これは、振動を与えることにより、炭素電極層
とCdTe層との接触抵抗が減少したためと考えられ
る。
【0037】終わりに試料Eの値から、CdS,Cd・
Teおよびカーボンの各ペーストを塗布後にそれぞれ振
動を与えることにより、相乗的な効果を奏し、試料Aに
対してEFFが約10%向上することが明らかになっ
た。各層を構成するペーストを塗布後、ガラス基板に超
音波発振器により短時間振動を与えるという簡単な手段
により、大幅な工程または製造設備の改善を伴うことな
く、太陽電池素子の特性を向上できることが理解され
る。
【0038】これまで、本発明による実施例における各
種ペーストの塗布工程をスクリーン印刷法によって説明
してきたが、この塗布工程はスクリーン印刷法だけに限
定されるものではない。すなわち、(a)ペーストを加
圧してノズルから押し出し、ガラス基板とノズル先端の
距離を調節して塗布厚さを設定し、ガラス基板上に所定
のパターンで塗布する描画印刷法、(b)所望のパター
ンに成型した凹凸を持つ版の凸部分または凹部分に材料
ペーストを粘着または染み込ませたものを基板に接触・
転写することにより基板上に所望のパターンをもった薄
膜を形成する凸版印刷法、または(c)凹版印刷法、
(d)塗布しない部分はマスクで覆い、ペーストをスプ
レーガンで噴射して塗布するスプレー印刷法などが適用
できる。
【0039】太陽電池素子の主要部を構成するn型化合
物半導体層,p型化合物半導体層,電極層を形成するに
当り、各層のペースト塗布後に超音波発振器による22
kHzのパルス振動を5秒間与えた本発明による実施例
と、振動を与えなかった従来例において、成膜総厚の最
大値と最小値の差を示す表面凹凸幅と、その後の工程を
経て完成させた太陽電池の完成品歩留りとを(表2)に
比較して示した。
【0040】
【表2】
【0041】(表2)に示されるように、各印刷法にお
いて、各層を形成するペーストを塗布した後に、超音波
振動を与えることにより、振動を与えなかった従来例に
比較して、表面凹凸幅が減少し、完成品歩留りが向上す
ることが理解できる。また、従来最も一般的に適用され
ていたスクリーン印刷法で塗布した場合に対し、描画,
凸版,凹版およびスプレーの各印刷法により塗布した場
合も同等の効果が得られることがわかる。さらに本発明
による実施例におけるこれまでの説明では、超音波振動
は、各種ペーストをスクリーン印刷法等で塗布した後に
ガラス基板の外周端面または裏面に与えたが、このガラ
ス基板に超音波振動を与えながら塗布工程を行っても同
等の効果が得られる。これらの超音波振動を与える時間
は5〜10秒間で十分な効果が得られるので、ガラス基
板に超音波振動を与えながらペーストを塗布し、その後
5秒間未満の短時間振動を与えれば十分で、工程時間は
実質的に長くならない。
【0042】なお、ガラス基板上に太陽電池素子の主要
部を構成するn型化合物半導体層,p型化合物半導体層
および電極層を形成するに当って、各層を形成するペー
ストの塗布過程および塗布後の少なくとも一方の状態で
ガラス基板に超音波振動を与えることの有効性について
述べたが、その後の端子部やパッシベーション層の形成
のため塗布時および塗布後の少なくとも一方の状態でガ
ラス基板に与える超音波振動は太陽電池の特性向上に顕
著な効果は示さなかった。また、超音波振動だけでな
く、高周波数の音波振動も有効であるが、低周波数で振
幅が大きく、かつ出力が高い例えば機械式または電磁式
バイブレータによる振動は、塗布されたペーストのパタ
ーンが滲んで変形してしまうので適用できない。
【0043】なお、塗布・焼成方式による太陽電池とし
てn−CdS/p−CdTe型のII−VI族化合物半導体
を例に説明したが、塗布・焼成方式であれば、CdTe
焼結層の替りにCuInSe2を主成分とするI−III−
VI2族化合物半導体焼結層の形成にも適用できることを
付言する。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、ガラス基
板上にn型化合物半導体層,p型化合物半導体層,電極
層等を順次積層状に形成するに当って、各層を形成する
各種原料粉末と増粘材とを練合して得られるペーストを
塗布する過程および塗布後の少なくとも一方の状態でガ
ラス基板に振動を与えることにより、塗布されたペース
トが脱泡されるだけでなく、原料粉末が高密度化し、凹
凸がなくなって平滑化する。その後、乾燥固化して焼成
することにより、各層が均一な厚さで緻密で各層間の密
着性が向上することにより、太陽電池の特性が向上する
とともに均質化がはかれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例のn−CdS/p−CdT
e型II−VI族化合物半導体太陽電池の代表的模式断面図
【図2】ガラス基板上のCdS焼結層断面の粒子構造を
示す顕微鏡写真
【図3】各層のペースト塗布後の振動の効果を示す太陽
電池諸特性の比較図
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 硫化カドミウム焼結層 3 テルル化カドミウム焼結層 4 炭素電極層 5 正極端子 6 負極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01B 19/04 H C01G 11/02 (72)発明者 室園 幹夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上にn型化合物半導体層,p
    型化合物半導体層,電極層等を順次積層状に形成するに
    当って、各層を形成するおのおのの原料粉末と増粘剤と
    を練合して得られたペーストを塗布する過程および塗布
    後の少なくとも一方の状態で、前記ガラス基板に振動を
    与えた後、塗布したペーストを乾燥固化させ、次いで焼
    結または焼付けにより焼成する太陽電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 原料粉末と増粘剤とを練合して得られた
    ペーストを塗布する過程および塗布後の少なくともいず
    れかの状態でガラス基板に与える振動が、超音波発振器
    から発生する超音波パルス振動を適用した請求項1記載
    の太陽電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 原粉粉末と増粘剤とを練合して得られた
    ペーストを、スクリーン印刷法。描画印刷法,凸版印刷
    法,凹版印刷法およびスプレー印刷法からなるグループ
    から選ばれた少なくとも1つの方法で塗布した請求項1
    または2のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 n型化合物半導体層およびp型化合物半
    導体層は、第II族および第VI族の元素またはこれらの化
    合物により形成する請求項1,2または3のいずれかに
    記載の太陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 n型化合物半導体層がCdSからなり、
    p型化合物半導体層がCdTeまたはCuInSe2
    らなる請求項1,2または3のいずれかに記載の太陽電
    池の製造方法。
  6. 【請求項6】 ガラス基板上にn型化合物半導体層,p
    型化合物半導体層,電極層等を順次積層状に形成させた
    太陽電池素子の正極および負極の端子を除く全面に樹脂
    製のパッシベーション層を形成した請求項1,2,3,
    4または5のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
JP6306839A 1993-11-18 1994-11-15 太陽電池の製造方法 Pending JPH07221338A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6306839A JPH07221338A (ja) 1993-11-18 1994-11-15 太陽電池の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-314478 1993-11-18
JP31447893 1993-11-18
JP6306839A JPH07221338A (ja) 1993-11-18 1994-11-15 太陽電池の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07221338A true JPH07221338A (ja) 1995-08-18

Family

ID=26564886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6306839A Pending JPH07221338A (ja) 1993-11-18 1994-11-15 太陽電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07221338A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11330509A (ja) * 1998-05-07 1999-11-30 Honda Motor Co Ltd Cbd成膜装置
JP2002233807A (ja) * 2001-02-06 2002-08-20 Tokyo Electron Ltd 塗布方法及び塗布装置
JP2010179234A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Denki Kagaku Kogyo Kk 超音波脱泡方法
JP2011054971A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Korea Electronics Telecommun 太陽電池

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11330509A (ja) * 1998-05-07 1999-11-30 Honda Motor Co Ltd Cbd成膜装置
JP2002233807A (ja) * 2001-02-06 2002-08-20 Tokyo Electron Ltd 塗布方法及び塗布装置
JP4508436B2 (ja) * 2001-02-06 2010-07-21 東京エレクトロン株式会社 塗布方法及び塗布装置
JP2010179234A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Denki Kagaku Kogyo Kk 超音波脱泡方法
JP2011054971A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Korea Electronics Telecommun 太陽電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5538903A (en) Method of manufacturing solar cell
JP2744847B2 (ja) 改良された太陽電池及びその製造方法
EP0778624A2 (en) Photovoltaic device and method of manufacturing the same
KR100334595B1 (ko) 광기전력소자의제조방법
JP3681870B2 (ja) 化合物半導体膜の製造方法および太陽電池
JPH06196743A (ja) 太陽電池モジュール
KR101283053B1 (ko) 태양광 발전장치 및 이의 제조방법
JPS646534B2 (ja)
EP0481094A1 (en) Solar cell
US5411601A (en) Substrate for solar cell and solar cell employing the substrate
JPH07221338A (ja) 太陽電池の製造方法
JP4197863B2 (ja) 光起電力装置の製造方法
JPH10229208A (ja) 化合物半導体の製造方法
CA1085946A (en) Photovoltaic cell array
JPS61187377A (ja) 非晶質太陽電池の分割加工方法
JPS646535B2 (ja)
JPH0338069A (ja) 薄膜太陽電池
EP0962990A2 (en) Method of fabricating a solar cell
JPH0730134A (ja) 太陽電池の製造法
JPH0799331A (ja) 光電変換素子及びその形成方法
JP2004172550A (ja) 太陽電池およびその製造方法
Leidholm et al. Advances in CIS devices fabricated by a non-vacuum technique
JPH05347425A (ja) CdS/CdTe太陽電池の製造方法
JPH11135815A (ja) CdS/CdTe太陽電池の製造方法
JPS6159548B2 (ja)