JPH0722095B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JPH0722095B2 JP2022410A JP2241090A JPH0722095B2 JP H0722095 B2 JPH0722095 B2 JP H0722095B2 JP 2022410 A JP2022410 A JP 2022410A JP 2241090 A JP2241090 A JP 2241090A JP H0722095 B2 JPH0722095 B2 JP H0722095B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、固体電解質に導電性高分子層を用いた固体
電解コンデンサの製造方法に関する。
従来の技術 近年、電気機器等の回路のディジタル化に伴い、回路に
使われるコンデンサには、高周波域でのインピーダンス
が低く、小型かつ大容量であることが強く要求されるよ
うになった。
従来、高周波コンデンサとして、プラスチックフィルム
コンデンサがある。しかし、前2者のプラスチックフィ
ルムコンデンサやマイカコンデンサは、大容量・小型化
の要望から生まれたものであるが、価格が非常に高く、
温度特性が悪い。
上記コンデンサの他に、さらに、アルミニウム乾式電解
コンデンサやアルミニウム固体電解コンデンサまたはタ
ンタル固体電解コンデンサがある。
アルミニウム乾式電解コンデンサでは、エッチングを施
した陽、陰極アルミニウム箔を紙のセパレータを介して
巻き取り、液状の電解質を含浸させるようにしている。
しかし、アルミニウム乾式電解コンデンサには、電解質
の液漏れ、蒸発等に伴う特性劣化という大きな問題があ
る。この点を改善すべく、電解質を固体化したのが、後
2者のアルミニウムやタンタル固体電解コンデンサであ
る。
アルミニウム固体電解コンデンサやタンタル固体電解コ
ンデンサでは、陽極酸化あるいは陽極化成により表面に
誘電体皮膜を設けたアルミニウム箔やタンタル箔などの
陽極箔(金属箔)を硝酸マンガン液に浸漬し、350℃前
後の高温炉中にて熱分解し、二酸化マンガン層(マンガ
ン酸化物層)からなる固体電解質を形成する。これらの
コンデンサは、固体電解質であるため、高温域での電解
質流失や低温域での電解質凝固に伴う特性劣化の問題が
なく、液状電解質を用いたコンデンサに比べ良好な周波
数特性、温度特性を有し、しかも、誘電体となる酸化皮
膜の厚みを極く薄くできることから、大容量化に適す
る。
固体電解コンデンサとしては、上記以我に、二酸化マン
ガン層の代わりに、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタ
ン(TCNQ)塩などの有機半導体を固体電解質を使うもの
(特開昭58−17609号公報)、さらには、ピロール、フ
ランなどの重合性モノマーを電解重合させ形成した導電
性高分子層を固体電解質に使うもの(特開昭60−244017
号公報)がある。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、二酸化マンガン層を固体電解質とするコ
ンデンサでは、製造工程中の複数回の熱分解処理で誘電
体皮膜の損傷が起こる、二酸化マンガン層の比抵抗が高
くて高周波での損失が十分に小さいとは言えないといっ
た問題がある。
TCNQ塩などの有機半導体を固体電解質とするコンデンサ
では、有機半導体を塗布する際に比抵抗上昇が起こる、
陽極金属箔との接着性が弱い、といった問題があり、十
分な特性を有するとは言えない。
一方、電解重合導電性高分子層(電解重合導電性高分子
膜)を固体電解質とするコンデンサでは、高分子層を電
解重合反応により形成するが、この場合、電解重合反応
がモノマーの電解酸化という反応過程をとる関係上、金
属箔表面の誘電体皮膜の損傷を伴わずに導電性高分子層
を形成することが極めて困難である。誘電体皮膜を形成
する前に電解重合導電性高分子層を形成し、その後、化
成反応により誘電体皮膜を形成することはできるが、今
度は、導電性高分子層の変質や導電性高分子層と金属箔
との間の接着性の劣化があるため、実用性が薄い。
しかし、金属箔上に先に誘電体皮膜を形成するとともに
導電性高分子層皮膜にマンガン酸化物層を積層しておい
て、陽極用電極を外部から前記マンガン酸化物層に接触
させて重合性モノマーを電解重合しマンガン酸化物層に
導電性高分子層を積層するならば、同高分子層とマンガ
ン酸化物層とからなる固体電解質を備えた良好な電気的
特性の固体電解コンデンサが得られることを、出願人は
見出している。
この固体電解コンデンサは、周波数特性、温度特性、寿
命特性が優れている。しかしながら、耐電圧特性が十分
でなく、製造時間が長いという問題がある。耐電圧特性
が十分でないのは、電解重合導電性高分子膜自身の陽極
を化成する能力が低いからである。製造時間が長いの
は、導電性高分子膜形成に時間がかかるからである。
この発明は、上明事情に鑑み、固体電解質に電解重合導
電性高分子層を用いながら、十分な耐電圧特性を有する
固体電解コンデンサを迅速に製造することができる方法
を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段 前記課題を解決するため、請求項1〜4記載の固体電解
コンデンサの製造方法では、重合性モノマーと支持電解
質を含みpH1〜5に調整された電解液中での電解重合に
より、金属箔表面に誘電体皮膜が形成され同皮膜上にマ
ンガン酸化物層が形成されてなる基材の前記マンガン酸
化物層の上に固体電解質用の導電性高分子層を積層形成
するようにしている。
電解液をpH1〜5に調整するには、例えば、請求項2記
載の固体電解コンデンサの製造方法のように、硫酸、燐
酸、ほう酸、カルボン酸、硝酸、フェノールのうちの少
なくともひとつを適量含ませるようにする。
電解液に含まれる重合性モノマーとしては、例えば、請
求項3記載の固体電解コンデンサの製造方法のように、
ピロール、チオフェン、フランこれらの誘電体のうちの
少なくともひとつが挙げられる。
電解液に含まれる支持電解質としては、例えば、モノイ
ソプロピルナフタレンスルフォネート、ジイソプロピル
ナフタレンスルフォネート、トリイソプロピルナフタレ
ンスルフォネートの少なくともひとつが挙げられる。
金属箔の金属としては、例えば、請求項4記載の固体電
解コンデンサの製造方法のように、アルミニウム、タン
タルのうち少なくともひとつが挙げられる。
作用 この発明では、導電性高分子膜形成のための電解重合
を、pH1〜5の範囲に調整した電解液で行うため、迅速
に化成性を有する固体電解質用導電性高分子膜が形成で
きる。したがって、コンデンサが迅速に製造でき、しか
も、得られたコンデンサの耐電圧特性が向上することと
なる。
pH1を下回る電解液やpH5を上回る電解液では、迅速に化
成性を有する固体電解質用導電性高分子膜が形成できな
い。
pH1を下回る電解液の場合には誘電体皮膜が溶解してし
まうということがあるからである。pH5を上回る電解液
の場合には「化成性を付与するイオンが不足して無添加
のものとほとんどかわらなくなってしまう」からであ
る。
実 施 例 以下、この発明にかかる固体電解コンデンサの製造方法
の具体的実施例を説明する。
まず、アルミニウム、タンタル箔、チタン箔、ないし、
ここで挙げた金属の合金箔などの金属箔を用い、第1図
にみるように、陽極酸化あるいは陽極化成により金属箔
(弁作用金属)2表面に誘電体皮膜3を形成し、さらに
同皮膜3にマンガン酸化物層4を積層して基材を作り、
同基材を電解重合処理槽9の電解液8中に浸漬する。電
解液8は重合性モノマーと支持電解質を含みpH1〜5に
調整された液である。そして、マンガン酸化物層4の表
面に陽極用電極5の先端を接触させる。この陽極用電極
5は基体が金属製であるが、その先端は導電性高分子膜
16で覆われていて、マンガン酸化物層4に直接金属部分
を接触させずに導電性高分子膜6を接触させる。
一方、電解重合処理層9の底には、陰極7が配設されて
いて、陽極用電極5および陰極7間に電圧を印加し電解
重合反応を進行させ、第2図にみるように、固体電解質
用導電性高分子膜6を積層形成し、ついで、カーボンペ
ーストによるグラファイト層10、銀ペースト層11を積層
形成してから、陰極リード13を半田12で付ければ、固体
電解コンデンサの完成である。なお、1は陽極リードで
ある。
この発明にかかる固体電解コンデンサの製造方法は、勿
論、上記例示の化合物や処理工程を用いることに限らな
い。上記例示以外の代替え可能な化合物や処理工程を用
いるようにしてもよいことはいうまでもない。
さらに詳細に述べる。
実施例1 陽極リード付の縦8mm×横15mmのアルミニウムエッチド
箔(弁作用金属箔)を、3%アジピン酸アンモニウム水
溶液を用い、約70℃、40分間、印加電圧106Vの条件で陽
極酸化することにより前記エッチド箔表面に誘電体皮膜
を形成した。ついで、同皮膜の上に硝酸マンガン水溶液
を塗布し200℃、30分間の条件で熱分解処理し、マンガ
ン酸化物層を積層し基材を得た。
一方、ステンレス製電極基体の先端を、ピロール(0.5
M)、トリイソプロピルナフタレンスルフォネート(0.1
5M)のおよび水からなり、硫酸(H2SO4)でpH2に調整さ
れた電解液に漬け、2mAの電流を60秒間流し、導電性高
分子膜で電極基体先端を被覆した。
そして、上記電解液中で、マンガン酸化物層の表面に陽
極用電極の先端を接触させ、陽極−陰極間に2mAの定電
流を流し、導電性高分子膜を積層形成した。この導電性
高分子膜形成に要した時間は、20分だけであった。
ついで、水洗に続いてエタノールで洗浄してから乾燥し
た。乾燥後、カーボンペーストと銀ペーストを塗布する
とともに陰極リードを取出し、固体電解コンデンサを得
た。
得られた固体電解コンデンサ10個の各耐電圧を測定した
ところ、平均60.71Vであった。
比較のためpH調整せず、pH8の電解液を用い、30分かけ
て導電性高分子膜を形成するようにした他は、実施例1
と同様にして固体電解コンデンサを得た。得られたコン
デンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平均53.14Vと
実施例1のコンデンサと比べ非常に劣っていた。
また、33Vの印加電圧でエージング後、初期容量およ
び損失(120Hz)およびインピーダンス(1MHz)をそ
れぞれ測定した。結果は以下の通りである。
初期容量(120Hz) …2.37μF 損 失(120Hz) …1.4% インピーダンス(1MHz) …13mΩ 実施例2 電解液を、ピロール(0.5M)、トリイソプロピルナフタ
レンスルフォネート(0.15M)および水からなり、硫酸
(H2SO4)でpH1またはpH5に調整された電解液を用いた
他は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを得た。
pH1の場合は、導電性高分子膜の形成に24分かかり、得
られたコンデンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平
均59.9Vであった。
pH5の場合は、導電性高分子膜の形成に24分かかり、得
られたコンデンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平
均57.61Vであった。
比較のため、pH6またはpH8に調整された電解液を用いた
他は実施例2と同様にして固体電解コンデンサを得た。
pH6の場合は、導電性高分子膜の形成に27分かかり、得
られたコンデンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平
均54.22Vであった。
pH8の場合は、導電性高分子膜の形成に30分かかり、得
られたコンデンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平
均53.14Vであった。
上記の結果から、pH5を越えると、導電性高分子膜形成
に時間がかかり、耐電圧が顕著に劣化することがよく分
かる。
また、33Vの印加電圧でのエージング後、初期容量お
よび損失(120Hz)およびインピーダンス(1MHz)を
それぞれ測定した。結果は以下の通りである。
−pH1の場合− 初期容量(120Hz) …2.35μF 損 失(120Hz) …1.4% インピーダンス(1MHz) …11mΩ −pH5の場合− 初期容量(120Hz) …2.39μF 損 失(120Hz) …1.5% インピーダンス(1MHz) …12mΩ −pH6の場合− 初期容量(120Hz) …2.43μF 損 失(120Hz) …1.9% インピーダンス(1MHz) …14mΩ −pH8の場合− 初期容量(120Hz) …2.55μF 損 失(120Hz) …2.0% インピーダンス(1MHz) …16mΩ 実施例3 電解液を、ピロール(0.5M)、トリイソプロピルナフタ
レンスルフォネート(0.15M)および水からなり、硫酸
(H2SO4)でpH3.9調整された電解液を用いた他は実施例
1と同様にして固体電解コンデンサを得た。
導電性高分子膜の形成に24分かかり、得られたコンデン
サ10個の各耐電圧を測定したところ、平均57.61Vであっ
た。
比較のためpH調整せず、pH8の電解液を用い、30分かけ
て導電性高分子膜を形成するようにした他は、実施例3
と同様にして固体電解コンデンサを得た。得られたコン
デンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平均53.14Vで
あった。
また、33Vの印加電圧でのエージング後、初期容量お
よび損失(120Hz)およびインピーダンス(1MHz)を
それぞれ測定した。結果は以下の通りである。
初期容量(120Hz) …2.58μF 損 失(120Hz) …1.6% インピーダンス(1MHz) …12mΩ 実施例4 電解液を、ピロール(0.5M)、トリイソプロピルナフタ
レンスルフォネート(0.15M)および水からなり、硫酸
(H2SO4)でpH2.57に調整された電解液を用いた他は実
施例1と同様にして固体電解コンデンサを得た。
導電性高分子膜の形成に27分かかり、得られたコンデン
サ10個の各耐電圧を測定したところ、平均56.85Vであっ
た。
また、33Vの印加電圧でのエージング後、初期容量お
よび損失(120Hz)およびインピーダンス(1MHz)を
それぞれ測定した。結果は以下の通りである。
初期容量(120Hz) …2.35μF 損 失(120Hz) …1.4% インピーダンス(1MHz) …12mΩ 実施例5 エンボス加工後、10%リン酸水溶液を用いて約90℃、35
Vの条件で陽極化成して誘電体皮膜を形成した縦8mm×横
10mmのタンタル箔を用いた他は、実施例1と同様にし
て、固体電解コンデンサを得た。
導電性高分子膜の形成に17分かかり、得られたコンデン
サ10個の各耐電圧を測定したところ、平均20.6Vであっ
た。
比較のためpH調整せず、pH8の電解液を用い、23分かけ
て導電性高分子膜を形成するようにした他は、実施例5
と同様にして固体電解コンデンサを得た。得られたコン
デンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平均17.14Vで
あった。
また、13Vの印加電圧でのエージング後、初期容量お
よび損失(120Hz)およびインピーダンス(1MHz)を
それぞれ測定した。結果は以下の通りである。
初期容量(120Hz) …1.03μF 損 失(120Hz) …0.8% インピーダンス(1MHz) …95mΩ 実施例6 陽極リード付の縦8mm×横15mmのアルミニウムエッチド
箔を、3%アジピン酸アンモニウム水溶液を用い、約70
℃、40分間、印加電圧67Vの条件で陽極酸化することに
より前記エッチド箔表面に誘電体皮膜を形成した。つい
で、同皮膜の上に硝酸マンガン水溶液を塗布し200℃、3
0分間の条件で熱分解処理し、マンガン酸化物層を積層
し基材を得た。
一方、ステンレス製電極基体の先端を、ピロール(0.5
M)、トリイソプロピルナフタレンスルフォネート(0.1
5M)および水からなり、燐酸(H3PO4)でpH2に調整され
た電解液に漬け、2mAの電流を60秒間流し、導電性高分
子膜で電極基体先端を被覆した。
そして、上記電解液中で、マンガン酸化物層の表面に陽
極用電極の先端を接触させ、陽極−陰極間に2mAの定電
流を流し、導電性高分子膜を積層形成した。この導電性
高分子膜形成に要した時間は、24分だけであった。
以下、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを得
た。
得られた固体電解コンデンサ10個の各耐電圧を測定した
ところ、平均49.0Vであった。
比較のためpH調整せず、pH8の電解液を用い、30分かけ
て導電性高分子膜を形成するようにした他は、実施例6
と同様にして固体電解コンデンサを得た。得られたコン
デンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平均43.14Vと
実施例6のコンデンサと比べ非常に劣っていた。
また、20Vの印加電圧でのエージング後、初期容量お
よび損失(120Hz)およびインピーダンス(1MHz)を
それぞれ測定した。結果は以下の通りである。
初期容量(120Hz) …5.45μF 損 失(120Hz) …1.1% インピーダンス(1MHz) …15mΩ 実施例7 電解液として、ピロール(0.5M)、モノイソプロピルナ
フタレンスルフォネート(0.15M)および水からなり、
燐酸(H3PO4)でpH2に調整された電解液を用いた他は、
実施例6と同様にして固体電解コンデンサを得た。
導電性高分子膜形成に要した時間は、23分であり、得ら
れたコンデンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平均
47.3Vであった。
比較のためpH調整せず、pH8の電解液を用いた他は、実
施例7と同様にして固体電解コンデンサを得た。得られ
たコンデンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平均4
0.52Vと実施例7のコンデンサと比べ非常に劣ってい
た。
さらに、20Vの印加電圧でのエージング後、初期容量
および損失(120Hz)およびインピーダンス(1MHz)
をそれぞれ測定した。結果は以下の通りである。
初期容量(120Hz) …5.30μF 損 失(120Hz) …1.0% インピーダンス(1MHz) …16mΩ 実施例8 電解液として、ピロール(0.5M)、ジイソプロピルナフ
タレンスルフォネート(0.15M)および水からなり、燐
酸(H3PO4)でpH2に調整された電解液を用いた他は、実
施例6と同様にして固体電解コンデンサを得た。
導電性高分子膜形成に要した時間は、24分であり、得た
固体電解コンデンサ10個の各耐電圧を測定したところ、
平均48.2Vであった。
比較のためpH調整せず、pH8の電解液を用いた他は、実
施例8と同様にして固体電解コンデンサを得た。得られ
たコンデンサ10個の各耐電圧を測定したところ、平均4
1.4Vと実施例8のコンデンサと比べ非常に劣っていた。
また、20Vの印加電圧でのエージング後、初期容量お
よび損失(120Hz)およびインピーダンス(1MHz)を
それぞれ測定した。結果は以下の通りである。
初期容量(120Hz) …5.46μF 損 失(120Hz) …1.2% インピーダンス(1MHz) …15mΩ このようにして得られた実施例の固体電解コンデンサ
は、上記実施データにみるように、優れた電気特性を有
している。この他、容量経時変化、LC特性も良好であ
り、また、容量など各特性の温度変化も良好であること
を確認している。
発明の効果 以上に述べたように、請求項1〜4記載の固体電解コン
デンサの製造方法では、電解液がpH1〜5に調整されて
いるため、迅速に耐電圧特性に優れたコンデンサを得る
ことができ、しかも、得られたコンデンサは、マンガン
酸化物層に積層形成された固体電解質用導電性高分子膜
を備えるため、周波数特性、温度特性、寿命特性に優れ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明にかかる固体電解コンデンサの製造
方法の一例による固体電解質用導電性高分子層の形成の
様子をあらわす模式的説明図、第2図は、得られた固体
電解コンデンサをあらわす概略断面図である。 1……陽極リード、2……金属箔、3……誘電体皮膜、
4……マンガン酸化物層、5……陽極、6……導電性高
分子膜、7……陰極、8……電解液、10……グラファイ
ト層、11……銀ペースト層、13……陰極リード。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性モノマーと支持電解質を含みpH1〜
    5に調整された電解液中での電解重合により、金属箔表
    面に誘電体皮膜が形成され同皮膜上にマンガン酸化物層
    が形成されてなる基材の前記マンガン酸化物層の上に固
    体電解質用の導電性高分子層を積層形成するようにする
    固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】電解液のpH調整が、硫酸、燐酸、ほう酸、
    カルボン酸、硝酸、フェノールのうちの少なくとも一と
    つを適量含むことでなされる請求項1記載の固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】重合性モノマーが、ピロール、チオフェ
    ン、これらの誘電体のうちの少なくともひとつである請
    求項1または2記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】金属箔の金属が、アルミニウム、タンタル
    のうちの少なくともひとつである請求項1から3までの
    いずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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