JPH0722093U - ポンプ - Google Patents
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- JPH0722093U JPH0722093U JP5128093U JP5128093U JPH0722093U JP H0722093 U JPH0722093 U JP H0722093U JP 5128093 U JP5128093 U JP 5128093U JP 5128093 U JP5128093 U JP 5128093U JP H0722093 U JPH0722093 U JP H0722093U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ファンの寸法精度を高くすることなく、ポンプ
ハウジングに対して複数設けられたポンプ室に対応して
設けたファンの円筒部同志の軸心のずれに基づく円筒部
と支持軸との局部的な衝突を抑えることができ、以て低
コストで高性能のポンプを提供する。 【構成】ポンプハウジング7内に区画部15を形成して
それぞれ独立した複数のポンプ室17,18を形成す
る。その区画部15には支持軸19を挿通するととも
に、支持軸19は各ポンプ室17,18に対応してファ
ン20,21に形成された円筒部20a,21bを回転
可能に支持する。そして、区画部15には連結パイプ2
2を支持軸19に対し比較的大きなクリアランスをもっ
て挿入する。また、この連結パイプ22の両端係合爪を
左右両ポンプ室17,18のファン20,21の円筒部
20a,21aに形成した係合爪に対し僅かなクリアラ
ンスをもって係合させた。
ハウジングに対して複数設けられたポンプ室に対応して
設けたファンの円筒部同志の軸心のずれに基づく円筒部
と支持軸との局部的な衝突を抑えることができ、以て低
コストで高性能のポンプを提供する。 【構成】ポンプハウジング7内に区画部15を形成して
それぞれ独立した複数のポンプ室17,18を形成す
る。その区画部15には支持軸19を挿通するととも
に、支持軸19は各ポンプ室17,18に対応してファ
ン20,21に形成された円筒部20a,21bを回転
可能に支持する。そして、区画部15には連結パイプ2
2を支持軸19に対し比較的大きなクリアランスをもっ
て挿入する。また、この連結パイプ22の両端係合爪を
左右両ポンプ室17,18のファン20,21の円筒部
20a,21aに形成した係合爪に対し僅かなクリアラ
ンスをもって係合させた。
Description
【0001】
この考案はポンプに関するものである。
【0002】
従来、ウォータポンプにおいて2つのポンプ室を有するタイプのものが実用化 されている。このウォータポンプは、例えば車両の運転席と助手席とをそれぞれ 独立して暖房を行うウォータポンプとして利用されている。このときの配管構造 を図12に示す。
【0003】 すなわち、通常はエンジンを冷却した冷却水の一部が分岐して切換バルブ58 a,58b及び供給管59a,59bを介してそれぞれのポンプ室53a,53 bに供給され、両ポンプ室53a,53bから運転席及び助手席に設けられた熱 交換装置60a,60bにそれぞれ供給される。又、その冷却水は熱交換装置6 0a,60bから回収管61a,61b及び切換バルブ62a,62bを介して 再びエンジン側へ戻されるようになっている。
【0004】 又、前記切換バルブ58a,62a間、切換バルブ58b,62b間にはそれ ぞれ接続管63a,63bが設けられている。そして、切換バルブ58a,62 aを連動して切換えることにより、供給管59aと回収管61aとが接続管63 aによって連通される。又、切換バルブ58b,62bを連動して切換えること により、供給管59bと回収管61bとが接続管63bによって連通される。従 って、各切換バルブ58a,62a,58b,62bの切換えによって冷却水が 供給管59a,59b、接続管63a,63b、回収管61a,61bにより構 成される閉ループによって循環するようになっている。
【0005】 又、一方の切換バルブ58a,62aを連動させることにより、供給管59a と回収管61aとを接続管63aによって接続すると、冷却水は接続管63aに よって供給管59aと回収管61aとの間を循環し、熱交換装置60aには低温 となる冷却水が常に供給されることになる。従って、助手席側は運転席側に比べ て暖房の温度を低くすることができる。
【0006】 逆に、他方の切換バルブ58b,62bによってエンジンを冷却した冷却水を 供給管59bを介して熱交換装置60bに供給し、この冷却水を回収管61bを 介して再びエンジン側に戻せば、運転席側は助手席側に比べ暖房の温度を高くす ることができる。
【0007】 ところで、上記従来のウォータポンプ53は、ポンプハウジングに形成された 区画部によって2つのポンプ室53a,53bに区画形成される構造を採用して いる。又、ポンプハウジングには区画部を挿通するように支持軸が設けられてい る。そして、前記支持軸には各ポンプ室53a,53bに対応するように図13 に示すファン55a,55bの円筒部56a,56bが回転可能に支持されると ともに、前記両ファン55a,55bは互いに一体回転するように係合されてい る。
【0008】 すなわち、図13及び図14に示すように、ファン55a,55bの円筒部5 6a,56b対向端には、それぞれ一対の係合爪57a,57bが形成されてお り、両係合爪57a,57b同志が互い係合することにより一体回転するように なっている。
【0009】
ところが、前記ファン55a,55bの円筒部56a,56b同志の結合は、 その係合爪57a,57bを中心にした両ファン55a,55b双方の寸法精度 に誤差がある場合には、以下のような不都合が生じる。
【0010】 すなわち、両ファン55a,55b双方の寸法精度に誤差がある場合には、両 ファン55a,55bの円筒部56a,56b同志の軸心にずれが生じ、各円筒 部56a,56bの内周壁が局部的に支持軸に衝突する。その結果、各ファン5 5a,55bの回転に基づき振動及び騒音が発生する原因となるとともに、無理 な力が局部的にかかって各部の異常摩耗が発生する原因となる。また、両円筒部 56a,56bの軸心のずれがひどい場合には、係合爪57a,57bによるフ ァン55a,55bの結合部の破損に繋がることも考えられる。
【0011】 従って、上記のような問題を生じないためには、各ファン55a,55b及び それらの結合部位の精度を非常に高める必要があるが、高い精度をもったファン 55a,55bを製造することはコスト高に繋がるという問題がある。
【0012】 しかも、上記従来のように2つのポンプ室53a,53bを有するウォータポ ンプ53においては、上述したように、一方のポンプ室53aに接続管63aに よって循環する冷却水が供給され、他方のポンプ室53bにはエンジン側からの 冷却水が直接供給される場合がある。この場合、他方のポンプ室53bに供給さ れる冷却水の圧力は一方のポンプ室53aに供給される冷却水の圧力より高くな るため、一方のポンプ室53a内における流体の圧力と、他方のポンプ室53b 内における冷却水の圧力とのバランスが崩れることになる。
【0013】 その結果、他方のポンプ室53bに供給される冷却水の一部がポンプ室53a ,53bをそれぞれ区画形成する区画部を介して一方のポンプ室53aに流れて しまい、所望の独立した冷却効果を得られないという問題もある。
【0014】 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであって、第1の目的は、ファンの寸 法精度を高くすることなく、ポンプハウジングに対して複数設けられたポンプ室 に対応して設けたファンの円筒部同志の軸心のずれに基づく円筒部と支持軸との 局部的な衝突を抑えることができ、以て低コストで高性能のポンプを提供するこ とにある。
【0015】 又、本考案の第2の目的は、前記第1の目的を達成し、かつポンプハウジング に対して複数設けられたポンプ室に互いに流体が移動しないようにすることがで きるポンプを提供することにある。
【0016】 更に、本考案の第3の目的は、前記第1及び第2の目的を達成し、かつポンプ ハウジング内へファン等の各部品を組付ける作業を効率的にしかも確実に行なう ことができるポンプを提供することにある。
【0017】
上記目的を達成するため、請求項1の考案では、ポンプハウジング内に区画部 を形成してそれぞれ独立した複数のポンプ室を形成し、前記区画部に対して支持 軸を挿通するとともに、この支持軸には各ポンプ室に対応してファンに形成され た円筒部を回転可能に支持し、該円筒部の回転により各ファンを回転させて各ポ ンプ室内に流体を吸入するとともに各ポンプ室から流体を吐出させるポンプにお いて、前記区画部には支持軸に遊挿される筒状の連結パイプを配設するとともに 、この連結パイプの両端を前記区画部に隣接する両ポンプ室のファンの円筒部の 端部にそれぞれ連結したことをその要旨とする。
【0018】 又、請求項2の考案では、請求項1記載のポンプにおいて、連結パイプの外周 に区画部の厚みに対応した一対の取付溝を形成するとともに、該取付溝にそれぞ れシール部材を配設たことをその要旨とする。
【0019】 更に、請求項3の考案では、請求項1記載のポンプにおいて、連結パイプの外 周に第1取付溝を形成するとともに、該第1取付溝には前記区画部の一側面に当 接される第1シール部材を配設し、その第1シール部材が配設されたポンプ室と 対向するポンプ室におけるファンの円筒部の外周に第2取付溝を形成するととも に、該第2取付溝には前記区画部の他側面に当接される第2シール部材を配設し たことをその要旨とする。
【0020】
【作用】 請求項1の考案では、円筒部を回転させることにより各ポンプ室に配設された ファンが連結パイプとともに一体回転する。ここで、各ファン,連結パイプ及び ポンプハウジングの各部の寸法誤差が多少ある場合には、各ファンが支持軸の長 手方向に対して平行にならない場合が生じる。このとき、連結パイプは支持軸に 対し遊挿されているため、各ファンの軸心のずれが連結パイプにて効果的に吸収 される。そのため、たとえ各ファン,連結パイプ及びポンプハウジングの各部の 寸法誤差が多少あったとしても、各ファンの円筒部の内周壁が局部的に支持軸に 衝突することが防止され、各ファンの回転に基づく振動,騒音及び各部の異常摩 耗が効果的に防止される。
【0021】 又、請求項2の考案では、流体の圧力の変化により隣接するポンプ室同志の圧 力差が生じた場合に、シール部材がポンプハウジングの区画部の側面に当接して 区画部をシールする。そのため、各ポンプ室内における流体の圧力のバランスが 崩れても区画部を介して他のポンプ室への流体の移動が防止される。
【0022】 更に、請求項3の考案では、ポンプハウジング内に各ファン及び連結パイプを 組付けるにあたり、先ず連結パイプを区画部に配設した後に第1シール部材が配 設されたポンプ室に対応するファンを支持軸に連結し、その後他方のファンを連 結パイプに連結させることにより、容易に組付けられる。
【0023】
(第1実施例) 以下、本考案を車両用ヒータのウォータポンプに具体化した第1実施例を図1 〜図7に基づいて説明する。
【0024】 図1に示すように、モータハウジング1の左側には図示しないモータケースが 取付固定され、該モータケースには図示しない電動モータが内蔵されている。こ の電動モータの出力軸2はモータハウジング1内へ突出され、モータハウジング 1の支持片1aに配設されたボールベアリング3によって回転可能に支持されて いる。
【0025】 前記出力軸2の先端(図1において右側)にはブラケット4がボルト5によっ て締付固定され、このブラケット4には回転誘導マグネット6が固着されている 。そして、前記出力軸2の回転に基づき回転誘導マグネット6が一体回転するよ うになっている。
【0026】 前記モータハウジング1の右側にはポンプハウジング7が仕切板8を介してボ ルト9によって取付固定されている。又、モータハウジング1と仕切板8との間 、及びポンプハウジング7と仕切板8との間には、それぞれOリング10,11 がそれぞれ配設されて気密が保持されるようになっている。更に、前記ポンプハ ウジング7の右側にはOリング12を介してエンドプレート13が取付ボルト1 4によって締付固定されている。
【0027】 前記ポンプハウジング7内の略中央には区画部15が膨出形成され、該区画部 15には挿通孔16が形成されている。従って、前記区画部15によってポンプ ハウジング7内には左右一対のポンプ室17,18が区画形成されている。前記 各ポンプ室17,18には吸入ポート17a,18a及び吐出ポート17b,1 8bがそれぞれ形成されている。
【0028】 前記区画部15の挿通孔16には支持軸19が挿通されている。この支持軸1 9の両端は前記仕切板8の支持凹部8aとエンドプレート13の支持凹部13a とにそれぞれ挿入固定されている。前記両ポンプ室17,18内における支持軸 19にはファン20,21の円筒部20a,21aがそれぞれ支持軸19に対し て回転可能に挿通されている。
【0029】 図2,図3に示すように、前記両ファン20,21の円筒部20a,21aの 対向端部にはそれぞれ一対の係合爪20b,21bが突出形成されている。前記 両円筒部20a,21a間には連結パイプ22が介在され、この連結パイプ22 は前記支持軸19に挿通支持されている。この連結パイプ22の両端にはそれぞ れ一対の係合爪22aが突出形成され、前記円筒部20a,21aの係合爪20 b,21bと係合された状態となっている。従って、前記左右一対のファン20 ,21及び連結パイプ22は互いに一体回転可能な状態で支持軸19に挿通支持 されている。
【0030】 前記連結パイプ22の外周には一対の取付溝22bが形成されており、両取付 溝22b間に形成される突条の幅は前記区画部15の左右方向の厚みと略同一と なっている。そして、これら両取付溝22bにはゴム板をリング状に形成したシ ール部材としてのシールリング23がそれぞれ配設されている。このシールリン グ23の厚みは前記取付溝22bの溝幅よりも薄く形成され、前記シールリング 23が支持軸19の軸心方向に摺動可能となっている。そしてシールリング23 の摺動によって、該シールリング23の側面が前記区画部15の側面と接離する ようになっている。
【0031】 本実施例では、図2,図3および図6に示すように、前記支持軸19の直径は 3.91〜3.96mmに形成されている。前記ファン20,21の円筒部20 a,21aの長さは24.6mm、その内径は4mm、その係合爪20b,21 bの長さは4mmに形成されている。前記連結パイプ22の長さは24.1mm 、その内径は4.2mm、その係合爪22aの長さは4mm、その取付溝22b の溝幅は2mmに形成されている。又、係合爪22aと円筒部20a,21aの 係合爪20b,21bとの係合状態においてラジアル方向に約1°、スラスト方 向に夫々1.5mmのクリアランスが形成されている。
【0032】 従って、支持軸19に対する前記ファン20,21の円筒部20a,21aの クリアランスは0.04〜0.09mmであり、支持軸19に対する連結パイプ 22のクリアランスは2.04〜2.09mmである。すなわち、連結パイプ2 2は円筒部20a,21aに比べ軸心に直交する方向への自由度が高くなってい る。
【0033】 左側のファン20の左端には切欠凹部24が形成され、この切欠凹部24には モータハウジング1側の電磁誘導マグネット6に対向する回転誘導マグネット2 5が固着されている。従って、前記回転誘導マグネット6が回転すると、その磁 力により仕切板8を介して回転誘導マグネット25が回転するようになっている 。又、前記回転誘導マグネット25の回転により一対のファン20,21及び連 結パイプ22が支持軸19に対して一体回転するようになっている。そのため、 前記ポンプ室17,18の吸入ポート17a,18aから冷却水が吸入されると ともに、この冷却水は吐出ポート17b,18bから吐出されるようになってい る。
【0034】 次に、上記のように構成されたウォータポンプの作用について説明する。 電動モータの励磁コイルに励磁電流を流すと出力軸2が回転し、この出力軸2 の回転に伴い回転誘導マグネット6が回転するため、該回転誘導マグネット6の 磁力により仕切板8を介して回転誘導マグネット25が回転する。
【0035】 前記回転誘導マグネット25の回転により一対のファン20,21及び連結パ イプ22が支持軸19に対して一体的に回転する。ここで、各ファン20,21 、連結パイプ22及びポンプハウジング7の各部の寸法精度が高い場合には、図 3に示すように、一対のファン20,21及び連結パイプ22がその長手方向に 直線状になった状態で支持軸19に対して一体的に回転する。従って、このファ ン20,21の回転により吸入ポート17a,18aからポンプ室17,18に 冷却水が吸入され、この冷却水は吐出ポート17b,18bから吐出される。
【0036】 また、各ファン20,21、連結パイプ22及びポンプハウジング7の各部の 寸法誤差が多少生じている場合には、図4に示すように、各ファン20,21が 支持軸19の長手方向に対して平行にならない場合が生じる。
【0037】 そこで、本実施例では、支持軸19に対する前記ファン20,21の円筒部2 0a,21aのクリアランスが0.04〜0.09mm、支持軸19に対する連 結パイプ22のクリアランスは2.04〜2.09mmであるため、連結パイプ 22は円筒部20a,21aに比べ軸心に直交する方向への自由度が高くなって いる。また、係合爪22aと円筒部20a,21aの係合爪20b,21bとの 係合状態においてラジアル方向に約1°、スラスト方向に夫々1.5mmのクリ アランスがある。
【0038】 そのため、たとえ各ファン20,21、連結パイプ22及びポンプハウジング 7の各部の寸法誤差が多少あったとしても、各ファン20,21の軸心のずれが 連結パイプ22にて吸収され、各ファン20,21の円筒部20a,21aの内 周壁の一部が局部的に支持軸19に衝突することが防止される。
【0039】 従って、円筒部20a,21a間に連結パイプ22を介在させたことによって 各ファン20,21の軸心のずれを吸収できるので、各ファン20,21、連結 パイプ22及びポンプハウジング7の各部の寸法誤差にかかわらず、各ファン2 0,21の回転に基づく振動,騒音及び各部の異常摩耗の発生を防ぐことができ る。その結果、ファン20,21等の寸法精度を高くする必要がないため、低コ ストでかつ高性能なウォーターポンプを提供することが可能となる。
【0040】 また、例えば左側のポンプ室17に吸入される冷却水の圧力が右側のポンプ室 18に吸入される冷却水の圧力より高くなると、ポンプ室17内の冷却水が区画 部15の挿通孔16を介してポンプ室18側へ流出(移動)しようとする。
【0041】 この時、ポンプ室17内における冷却水の圧力により、連結パイプ22の左側 の取付溝22bに嵌め込まれたシールリング23が右側に摺動し、該シールリン グ23の側面が区画部15の左側面に当接する。又、ポンプ室17内の冷却水の 圧力により、左側のシールリング23と区画部15とは密着した状態となる。
【0042】 この結果、圧力が上昇した冷却水は左側のポンプ室17から挿通孔16を介し て右側のポンプ室18に流出することが防止できる。 従って、例えば、温度差がある冷却水をそれぞれのポンプ室17,18で独立 して循環させる場合、温度変化のない安定した状態で各ポンプ室17,18から 吐出させることができる。この結果、助手席と運転席とをそれぞれ独立した状態 で効果的に暖房することができる。又、右側のポンプ室18の冷却水の圧力が左 側のポンプ室17の冷却水の圧力より高くなった場合についても同じように冷却 水の流出を防止することができる。
【0043】 また、本実施例においては、通常ポンプ室17,18内における冷却水の圧力 が同一でバランスが保持されているとき、シールリング23が区画部15の側面 に当接することがないため、シールリング23と区画部15側面との摩擦抵抗が 殆どなく、ファン17,18を円滑に回転させることができる。
【0044】 尚、上記実施例において、連結パイプ22にシールリング23を取付けるため の取付溝22bを図8に示すように変更してもよい。すなわち、前記連結パイプ 22の両端に小径部を形成し、ファン20,21が連結パイプ22に連結された とき、両者20,21,22により取付溝22bが構成されるようにする。この 構成によれば、シールリング23を小径部に挿通するだけでよいため、該シール リング23の取付作業を容易に行なうことができる。 (第2実施例) 次に、本考案を車両用ヒータのウォータポンプに具体化した第2実施例を図9 〜図11に基づいて説明する。尚、この第2実施例は、前記第1実施例とは右側 のファン21及び両ファン20,21と連結される連結パイプ22の構造が異な るのみであるため、その他の構成は第1実施例と同一番号を付してその詳細な説 明を省略する。
【0045】 図9及び図11に示すように、右側のファン21の円筒部21a左端の外周に は、シールリング23が挿入される小径部21cが形成されている。図10に示 すように、連結パイプ22の外周には前記第1実施例の一対の取付溝22bに代 えて中央に一つの取付溝22cが形成されている。
【0046】 本実施例では、前記ファン20,21の円筒部20a,21aの長さは33m mに形成されている。前記連結パイプ22の長さは15.8mm、その取付溝2 2cの溝幅は2mmに形成されている。又、ファン21の円筒部21aに形成さ れた小径部21cは6mmに形成されている。従って、右側のファン21の円筒 部21a左端の外周に形成された小径部21cの係合爪21bに連結パイプ22 の係合爪22aを係合させた状態では、その連結部位に溝幅2mmの取付溝26 が形成されるようになっている。尚、その他の寸法は前記第1実施例と同一であ る。
【0047】 上記のように構成された第2実施例のウォータポンプは、その組付作業が非常 に容易となる点で上記第1実施例よりも更に優れているため、その組付方法につ いて説明する。
【0048】 すなわち、まず最初に連結パイプ22の取付溝22cにシールリング23を組 付ける。その後、左側のファン20の円筒部20a及び連結パイプ22に支持軸 19を挿通した状態で、仕切板8及び左側のファン22とともに連結パイプ22 を左側のポンプ室17から挿入する。
【0049】 そして、右側のファン21の円筒部21aにおける小径部21cに対しシール リング23を挿入した状態で、このファン21を右側のポンプ室18から挿入す る。その後、エンドプレート13を前記支持軸19がその支持凹部13aに支持 されるようにポンプハウジング7の右側面に当接させ、取付ボルト14により締 付固定する。
【0050】 従って、第1実施例では、連結パイプ22の左側の取付溝22bにのみシール リング23を取付けた状態で区画部15の左側より挿通孔16へ連結パイプ22 を挿入した後、連結パイプ22の右側の取付溝22bにシールリング23を取付 ける必要があったが、この第2実施例によれば、このような面倒な組付作業を行 なう必要がなくなる。
【0051】 すなわち、第1実施例では、連結パイプ22の右側の取付溝22bにシールリ ング23を組付ける場所が区画部15付近であるため非常に狭く、しかもポンプ 室18の最奥部であったため、シールリング23の組付作業が難しい。又、当該 シールリング23が確実に取付溝22bに組付けられているか否かの確認作業も 難しい。
【0052】 これに対し、第2実施例では、右側のシールリング23はファン21の円筒部 21aにおける小径部21cに対し挿入すればよいため、右側のファン21を組 付ける前に予めシールリング23を組付けることができるとともに、小径部21 cに対しシールリング23が確実に組付けられているか否かの確認作業も予め行 なうことができる。
【0053】 従って、本第2実施例によれば、連結パイプ22に対し左側のシールリング2 3を組付けるための取付溝22cを形成するとともに、右側のファン21の円筒 部21aに右側のシールリング23を組付けるための小径部21cを形成したこ とにより、シールリング23の組付作業及び確認作業を容易に行なうことができ る。
【0054】 また、本第2実施例においても、上記第1実施例と同様、たとえ各ファン20 ,21、連結パイプ22及びポンプハウジング7の各部の寸法誤差が多少あった としても、各ファン20,21の軸心のずれが連結パイプ22にて吸収され、各 ファン20,21の円筒部20a,21aの内周壁の一部が局部的に支持軸19 に衝突することが防止される。
【0055】 従って、円筒部20a,21a間に連結パイプ22を介在させたことによって 各ファン20,21の軸心のずれを吸収できるので、各ファン20,21、連結 パイプ22及びポンプハウジング7の各部の寸法誤差にかかわらず、各ファン2 0,21の回転に基づく振動,騒音及び各部の異常摩耗の発生を防ぐことができ る。その結果、ファン20,21等の寸法精度を高くする必要がないため、低コ ストでかつ高性能なウォーターポンプを提供することが可能となる。
【0056】 更に、温度差がある冷却水をそれぞれのポンプ室17,18で独立して循環さ せる場合、シールリング23の作用によって温度変化のない安定した状態で各ポ ンプ室17,18から吐出させることができる。この結果、助手席と運転席とを それぞれ独立した状態で効果的に暖房することができる。更に又、通常ポンプ室 17,18内における冷却水の圧力が同一でバランスが保持されているとき、シ ールリング23が区画部15の側面に当接することがないため、シールリング2 3と区画部15側面との摩擦抵抗が殆どなく、ファン17,18を円滑に回転さ せることができる。
【0057】 尚、この考案は上記第1及び第2の両実施例に限定されるものではなく、例え ば以下の態様にて実施することも可能である。 (1)前記両実施例では、各円筒部20a,21a及び連結パイプ22に対し 、対向する一対の係合爪20b,21b,22aをそれぞれ形成したが、係合爪 20b,21b,22aは3つ以上であってもよい。尚、係合爪20b,21b ,22a同志の係合部位にかかる力の均衡をとる上で複数の係合爪20b,21 b,22aを等間隔に設けるのが好ましい。
【0058】 (2)変形又は撓みによって区画部15に当接するシールリング23を取付溝 22b,22c,26に固定するように嵌め込み、このシールリング23の変形 又は撓みを利用して区画部15の側面をシールするように構成することも可能で ある。
【0059】 (3)前記両実施例においては、シールリング23をゴム板によって形成した が、区画部15に当接する部分を鏡研磨した金属製のリングや弾性、変形する樹 脂リングをシールリング23として使用することも可能である。
【0060】 (4)前記第2実施例においては、右側の円筒部21aに小径部21cを形成 し、この小径部21cと連結パイプ22の左側面とによって取付溝26を構成し たが、右側の円筒部21aに直接取付溝26を形成してもよい。
【0061】 (5)前記両実施例においては、ウォータポンプのファン20,21を電動モ ータによって回転させたが、ウォータポンプのファン20,21を電動モータ以 外の、例えばエンジンの駆動を利用して回転させるように構成することも可能で ある。
【0062】 (6)前記両実施例においては、ヒータ用のウォータポンプに具体化したが、 この他にリヒート用のウォータポンプ又はターボ車のインタークーラ用のウォー タポンプに使用することも可能である。
【0063】 (7)前記両実施例においては、ポンプハウジング7に一対のポンプ室17, 18を設けたが、3つ以上のポンプ室を形成したウォータポンプに具体化するこ とも可能である。
【0064】 (8)前記両実施例においては、ウォータポンプに具体化したが、この他に作 動油等、水以外の流体を吸入及び吐出するためのポンプに具体化することも可能 である。
【0065】
以上詳述したように、請求項1の考案によれば、ファンの寸法精度を高くする ことなく、ポンプハウジングに対して複数設けられたポンプ室に対応して設けた ファンの円筒部同志の軸心のずれに基づく円筒部と支持軸との局部的な衝突を抑 えることができ、以て低コストで高性能のポンプを得ることができるという優れ た効果を奏する。
【0066】 又、請求項2の考案によれば、請求項1の考案の効果に加え、ポンプハウジン グに対して複数設けられたポンプ室に互いに流体が移動しないようにすることが できるという優れた効果を奏する。
【0067】 更に、請求項3の考案によれば、請求項1,2の考案の効果に加え、、ポンプ ハウジング内へファン等の各部品を組付ける作業を効率的にしかも確実に行なう ことができるという優れた効果を奏する。
【図1】本考案の第1実施例に係るウォータポンプの断
面図である。
面図である。
【図2】同じく第1実施例に係るファン及び連結パイプ
の分解断面図である。
の分解断面図である。
【図3】同じく第1実施例に係る支持軸に挿通されたフ
ァン及び連結パイプの作用を示す要部断面図である。
ァン及び連結パイプの作用を示す要部断面図である。
【図4】同じく第1実施例に係る支持軸に挿通されたフ
ァン及び連結パイプの作用を示す要部断面図である。
ァン及び連結パイプの作用を示す要部断面図である。
【図5】同じく第1実施例に係るウォータポンプのポン
プ室を区画形成する区画部及び連結パイプを示す要部断
面図である。
プ室を区画形成する区画部及び連結パイプを示す要部断
面図である。
【図6】同じく第1実施例に係る連結パイプを示す平面
図である。
図である。
【図7】同じく第1実施例に係る連結パイプを示す斜視
図である。
図である。
【図8】第1実施例の別例に係るファン及び連結パイプ
の分解断面図である。
の分解断面図である。
【図9】本考案の第2実施例に係るウォータポンプの断
面図である。
面図である。
【図10】同じく第2実施例に係る連結パイプの平面図
である。
である。
【図11】同じく第2実施例に係るファン及び連結パイ
プの分解断面図である。
プの分解断面図である。
【図12】従来のウォータポンプを車両の暖房に使用し
たときの配管図である。
たときの配管図である。
【図13】同じく従来のファンを示す分解断面図であ
る。
る。
【図14】同じく従来のファンの係合爪を示す要部斜視
図である。
図である。
7…ポンプハウジング、15…区画部、17,18…ポ
ンプ室、19…支持軸、20,21…ファン、20a,
21a…円筒部、22…連結パイプ、22b…取付溝、
22c…第1取付溝としての取付溝、23…シール部
材,第1シール部材及び第2シール部材としてのシール
リング、21c,26…第2取付溝を構成する小径部,
取付溝。
ンプ室、19…支持軸、20,21…ファン、20a,
21a…円筒部、22…連結パイプ、22b…取付溝、
22c…第1取付溝としての取付溝、23…シール部
材,第1シール部材及び第2シール部材としてのシール
リング、21c,26…第2取付溝を構成する小径部,
取付溝。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポンプハウジング内に区画部を形成して
それぞれ独立した複数のポンプ室を形成し、前記区画部
に対して支持軸を挿通するとともに、この支持軸には各
ポンプ室に対応してファンに形成された円筒部を回転可
能に支持し、該円筒部の回転により各ファンを回転させ
て各ポンプ室内に流体を吸入するとともに各ポンプ室か
ら流体を吐出させるポンプにおいて、 前記区画部には支持軸に遊挿される筒状の連結パイプを
配設するとともに、この連結パイプの両端を前記区画部
に隣接する両ポンプ室のファンの円筒部の端部にそれぞ
れ連結したことを特徴とするポンプ。 - 【請求項2】 請求項1記載のポンプにおいて、連結パ
イプの外周に区画部の厚みに対応した一対の取付溝を形
成するとともに、該取付溝にそれぞれシール部材を配設
たことを特徴とするポンプ。 - 【請求項3】 請求項1記載のポンプにおいて、連結パ
イプの外周に第1取付溝を形成するとともに、該第1取
付溝には前記区画部の一側面に当接される第1シール部
材を配設し、その第1シール部材が配設されたポンプ室
と対向するポンプ室におけるファンの円筒部の外周に第
2取付溝を形成するとともに、該第2取付溝には前記区
画部の他側面に当接される第2シール部材を配設したこ
とを特徴とするポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5128093U JP2561854Y2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5128093U JP2561854Y2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | ポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0722093U true JPH0722093U (ja) | 1995-04-21 |
JP2561854Y2 JP2561854Y2 (ja) | 1998-02-04 |
Family
ID=12882534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5128093U Expired - Lifetime JP2561854Y2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2561854Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116163831A (zh) * | 2022-12-29 | 2023-05-26 | 盐城海纳汽车零部件有限公司 | 一种汽车发动机冷却水泵装置及其调节系统 |
-
1993
- 1993-09-21 JP JP5128093U patent/JP2561854Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116163831A (zh) * | 2022-12-29 | 2023-05-26 | 盐城海纳汽车零部件有限公司 | 一种汽车发动机冷却水泵装置及其调节系统 |
CN116163831B (zh) * | 2022-12-29 | 2023-10-03 | 盐城海纳汽车零部件有限公司 | 一种汽车发动机冷却水泵装置及其调节系统 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2561854Y2 (ja) | 1998-02-04 |
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Date | Code | Title | Description |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |