JPH07220897A - マイクロ波ガスプラズマ放電方法、装置及びプラズマ放電部 - Google Patents

マイクロ波ガスプラズマ放電方法、装置及びプラズマ放電部

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JPH07220897A
JPH07220897A JP6026058A JP2605894A JPH07220897A JP H07220897 A JPH07220897 A JP H07220897A JP 6026058 A JP6026058 A JP 6026058A JP 2605894 A JP2605894 A JP 2605894A JP H07220897 A JPH07220897 A JP H07220897A
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JP
Japan
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waveguide
microwave
plasma discharge
section
plasma
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Application number
JP6026058A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Takamatsu
利行 高松
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MATORITSUKUSU KK
MATRIX CORP
Original Assignee
MATORITSUKUSU KK
MATRIX CORP
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Publication date
Application filed by MATORITSUKUSU KK, MATRIX CORP filed Critical MATORITSUKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高効率に高密度のプラズマを生成させ、放電
印可を容易に行わせ、マイクロ波電源および同調整合器
ユニットへの反射波負荷を減少させ、更に低価格で製作
可能にする。 【構成】 断面円形の導波管1の端部の内部にプラズマ
放電部20を設置し、プラズマ放電部は、導波管の軸線
上にほぼ同心となり、導波管端部側に広くなった底面を
持ち、マイクロ波発振部側に狭くなって頂上が尖状また
は半球状となった円錐状中空部材を持ち、部材の高さ
は、導波管内を伝わるマイクロ波の波長のほぼ1/3以
上に定められており、放電部を真空状態にして原料ガス
を供給し、導波管内にマイクロ波を発振する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波ガスプラズ
マ放電方法、装置およびプラズマ放電部に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波放電の放電部構造としては、
チューブアプリケータ方式,円筒導波管方式および表面
波導入方式が代表的に使用されている。
【0003】チューブアプリケータ方式は図1のよう
に、マイクロ波の矩形導波管P1の長辺(H面)の中心
位置で、短辺(E面)に平行に穴があり、この部分を石
英ガラス製のプラズマ発生管P2が貫通している。そし
て、プラズマ発生管の中心位置にプラズマが発生するよ
うにショートプランジャP3の位置が調整される。
【0004】円筒導波管方式では図2のように、マイク
ロ波は矩形導波管P4,円形導波管P5を通って放電室
P6に導入される。そして、円形導波管の回りにマグネ
ットコイルP7が配置され、磁場の作用とマイクロ波と
の共鳴現象を利用する。
【0005】表面波導入方式は図3のように、矩形導波
管P8の終端部に誘電体板P9が設けられ、この誘電体
に吸収されたパワーがセラミック板P10を介して放電
室P11に作用する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チュー
ブアプリケータ方式は、プラズマ放電後、プラズマお
よびチューブ自体が同軸ケーブル構造となるためプラズ
マが拡散しやすく、高密度プラズマを生成しにくい。
チューブ内にマイクロ波波形ピークが1点しかないの
で、印可条件が難しく、最終短絡面を半固定にて随時変
化させる必要がある。電源からのパワー消費領域が負
荷部で小さく、パワーロスが大きく、かつ、電源側への
反射波負荷が大きい。プラズマ放電開始時と放電後の
インピーダンス変化が大きく同調整合器ユニット(チュ
ーナー)での同調が難しい。総合的に放電効率が低
い。
【0007】円筒導波管方式は、磁場を与えないと、
高密度プラズマ生成は困難である。比較的大電力を必
要とする。終点短絡面が明確でなく、整合器の感度を
高めるのが難しい。高価な構造である。
【0008】表面波導入方式は、アプリケータ部分の
マイクロ波導入口寸法に高い寸法精度が要求される。
終点短絡面が不定であるため、ある程度の熱ロスが発生
する。高価な構造である。
【0009】本発明は上記課題を解決し、高効率に高密
度のプラズマを生成させ、放電印可を容易に行わせ、マ
イクロ波電源および同調整合器ユニットへの反射波負荷
を減少させ、更に低価格で製作可能なマイクロ波ガスプ
ラズマ放電方法,装置及びプラズマ放電部を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の構成は次のとおりとする。即ち、第1構成
の方法は、断面円形の導波管の端部の内部にプラズマ放
電部を設置し、該プラズマ放電部は、前記導波管の軸線
上にほぼ同心となり、導波管端部側に広くなった底面を
持ち、マイクロ波発振部側に狭くなって頂上が尖状また
は半球状となった円錐状中空部材を持ち、該部材の高さ
は、前記導波管内を伝わるマイクロ波の波長のほぼ1/
3以上に定められており、前記放電部を真空状態にして
原料ガスを供給し、前記導波管内にマイクロ波を発振す
ることである。
【0011】第2構成のプラズマ放電部は、断面円形の
導波管の内側に設置されるものであり、導波管端部側に
広くなった底面を持ち、マイクロ波電源側に狭くなって
頂上が尖状または半球状となった円錐状中空部材を持
ち、該部材の高さは、前記導波管内を伝わるマイクロ波
の波長のほぼ1/3以上に定められたことである。
【0012】第3構成は第2構成に加え、前記中空部材
の底面は底板で閉鎖され、かつ、該底板をプラズマ導出
筒が貫通していることである。
【0013】第4構成は第3構成に加え、前記中空部材
の基端部内側に邪魔板が設けられ、該邪魔板と前記底板
との間で前記基端部に原料ガス導入管が接続されたこと
である。
【0014】第5構成は第3または第4構成に加え、前
記円錐状中空部材の内側にはほぼ相似形の内円錐状部材
が設けられ、該内円錐状部材の頂上は前記プラズマ導出
筒が貫通固定され、前記両部材間の基端は環状底板で閉
鎖されていることである。
【0015】第6構成の装置は、放電部保持ブロック
と、該放電部保持ブロックに接続された断面円形の導波
管と、該導波管の端部の内部に設置されたプラズマ放電
部とを含み、該プラズマ放電部は、前記導波管の軸線上
にほぼ同心となり、導波管端部側に広くなった底面を持
ち、マイクロ波発振部側に狭くなって頂上が尖状または
半球状となった円錐状中空部材を持ち、該部材の高さ
は、前記導波管内を伝わるマイクロ波の波長のほぼ1/
3以上に定められていることである。第7構成の装置
は、処理室のチャンバブロックの内側に被処理物台が設
けられ、前記チャンバブロックの上側に放電部保持ブロ
ックが設置され、該放電部保持ブロックの上側に設置さ
れた断面円形の導波管と、該導波管の端部の内部に設置
されたプラズマ放電部とを含み、該プラズマ放電部は、
前記導波管の軸線上にほぼ同心となり、導波管端部側に
広くなった底面を持ち、マイクロ波発振部側に狭くなっ
て頂上が尖状または半球状となった円錐状中空部材を持
ち、該部材の高さは、前記導波管内を伝わるマイクロ波
の波長のほぼ1/3以上に定められていることである。
【0016】第8構成は第6又は7構成に加え、前記放
電部保持ブロックは、前記導波管の端部に接続され、該
導波管の内部に露出する部分は、導波管の断面とほぼ同
じ形状寸法の凹部が設けられ、該凹部に前記放電部の下
部が収容されたことである。第9構成は第8構成に加
え、前記放電部保持ブロックは、前記プラズマ放電部の
プラズマ導出筒を貫通させる中心孔を持ち、該中心孔の
上側周囲には前記放電部の支持フランジが嵌まる凹部が
設けられた第1部材と、該第1部材の上に同心に設置さ
れ、前記プラズマ導出筒を貫通させる中心孔を持ち、該
中心孔の上側周囲に同心で、前記導波管の断面に等しい
円形凹部が設けられた第2部材と、該第2部材の上に同
心に設置され、前記導波管の断面に等しい円形孔を持
ち、かつ、ガス導入路を持つ第3部材とを含むことであ
る。
【0017】
【作用】放電部の高さは、マイクロ波のほぼ1/3波長
以上の高さがあるので、放電開始時において、波の位相
ずれがあっても、マイクロ波電圧ピークが放電部に現れ
易い。従って、初期放電が容易となる。
【0018】また、放電後は、最終短絡面が放電部保持
ブロックの接続面およびプラズマ自体となり、全ての位
相の波を吸収できる。
【0019】また、導波管内面とそれに対し傾斜した放
電部中空部材の傾斜外面との間で、進行してきたマイク
ロ波は反射する毎にその波長を短縮されるので、電圧ピ
ークの数が増加し、放電部への電力吸収量が増加する。
さらに、導波管内面と放電部傾斜外面との通路端部では
鋭角状となり、理論上では全ての波は収束し、反射波は
ない。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施態様を図面に示す一実施
例にもとづき説明する。図4において、マイクロ波発振
部2が矩形導波管系1Aのアイソレータ3,自動整合器
(オートチューナー)4および終端の円形導波管1を経
て、本発明のプラズマ放電部20とエッチング処理部1
0に接続される。
【0021】図5,6,7で、本装置の大要は、接地ベ
ース板11の上にチャンバブロック13が固定され、該
チャンバブロックの内側に基板Aを置く被処理物台17
が設けられ、前記チャンバブロックの上側に放電部保持
ブロック30が設置され、該放電部保持ブロックの上側
に断面円形の導波管1が設置され、該導波管の端部の内
部にプラズマ放電部20が設置される。
【0022】該プラズマ放電部20は石英からなり、前
記導波管1の軸線上にほぼ同心となり、基板A側(導波
管端部側)に広い底面を持ち、マイクロ波発振側に狭く
なった円錐状の中空部材21を持ち、該部材の高さH
は、前記導波管内を伝わるマイクロ波の波長のほぼ1/
2に定められている。そして、底面の直径Dは導波管1
の直径とほぼ同じとされる。前記中空部材21は円錐台
状の中間部21aの上側に半球状の頂上部21b、下側
に円筒状の基端部21cが固着されてなり、全体として
円錐状を呈する。
【0023】前記中空部材21の底面は円形底板22で
閉鎖され、かつ、該底板の中心をプラズマ導出筒23が
気密に貫通し、上部は中空部材21の内側中央部に突入
し、下部は底板から突出している。この導出筒の下部に
は円形支持フランジ24が同心に固定される。中間部と
基端部との境界部の内側に同心に、円環邪魔板25がプ
ラズマ導出筒23に対し、間隙を残して固着される。そ
して、邪魔板25と底板22との間で、基端部21cの
直径方向に対向する位置にガス導入管26が接続され
る。
【0024】前記放電部保持ブロック30は、前記導波
管1の端部に接続され、該導波管の内部に露出する部分
は、導波管の断面とほぼ同じ形状寸法の円形凹部30A
が設けられ、該凹部に前記中空部材21の下部が収容さ
れる。
【0025】しかして、前記放電部保持ブロック30は
下から上へ順にアルミ製円板である第1,第2,第3部
材31,32,33からなり、エッチング処理部10の
天井壁を兼ねる。第1部材31は、前記プラズマ放電部
の導出筒23を貫通させる中心孔31aを持ち、該中心
孔の上側周囲に同心に円凹部31bが設けられる。そし
て、この円凹部にシールリング31を介して前記支持フ
ランジ24が収容され、後述のように第1,第2部材3
1,32で挟持され、ボルトで固定される。このように
して、放電部20の荷重はここで支持される。
【0026】該第1部材31の上に第2部材32が同心
に設置され、前記導出筒23を貫通させる中心孔32a
を持ち、該中心孔の上側周囲に同心で、前記導波管の断
面に等しい円形凹部32bが設けられる。そして、この
円形凹部内に僅かな間隙を残して中空部材21の下端部
が位置する。これにより、高温にさらされる中空部材へ
外力が働かず破損が防止できる。この第2部材32は直
径部で2分割されている。
【0027】該第2部材32の上に第3部材33が同心
に設置され、前記導波管の断面に等しい円形孔33aを
持ち、この孔を僅かな間隙を残して中空部材21が貫通
する。第3部材33の下面には、前記ガス導入管26を
通すためのガス導入溝33bが直径方向に長く設けられ
る。
【0028】前記エッチング処理部10は次のように構
成される。板からなる接地ベース板11の上に絶縁リン
グ12を介してチャンバブロック13が固定される。チ
ャンバブロック13は円筒状の下ブロック13aとそれ
より小径な円筒状の上ブロック13bからなる。これら
上下ブロックの境界部に多孔邪魔板14が水平に展延し
て設置され、活性種の流れを均一にする。チャンバブロ
ック13内でベース板11の上に絶縁チャックリング1
5を介して被処理物台17が設けられ、これに基板(被
処理物)Aが固定される。11aは真空排気口,16は
その上側を覆う真空排気邪魔リングである。
【0029】以上において、作動状態を説明する。今、
マイクロ波と放電部20の関係を図5で説明する。放電
部21の高さは、マイクロ波のほぼ1/2波長の高さが
あるので、放電開始時において、波の位相ずれがあって
も、マイクロ波電圧ピークが放電部に必ず現れる。従っ
て、初期放電が容易となる。
【0030】また、放電後は、最終短絡面が放電部保持
ブロック30の上部およびプラズマ自体となり、全ての
位相の波を吸収できる。
【0031】また、導波管1内面とそれに対し傾斜した
放電部中空部材21の傾斜外面との間で、進行してきた
マイクロ波は反射する毎にその波長を短縮されるので、
電圧ピークの数が増加し、放電部への電力吸収量が増加
する。さらに、導波管内面と放電部傾斜外面との通路端
部では鋭角状となり、理論上では全ての波は収束し、反
射波はない。つまり、波のエネルギーは放電部に吸収さ
れる。しかし、加工や組立上で僅かな隙間を設ける場合
には、幾らかの反射波は生ずる。この時でも反射波の電
圧ピーク数は増加しており、放電部に当たる回数が増加
して、エネルギーの吸収効率が上がる。なお、波のエネ
ルギーは円形断面の中央部に集中するので、中空部材2
1の基端部と導波管との間に僅かの間隙があっても、反
射波は僅かである。
【0032】このようにして、放電によってトーチ状の
プラズマが放電部全体にできるため、このプラズマ自体
がアンテナ効果を助長し、これと放電部表面の表面波吸
収によって、一層効率よくマイクロ波パワーを系全体か
ら吸収し、パワーのプラズマへの解離変換効率が高くな
る。これにより、放電開始時および放電後のインピーダ
ンス変化にもかかわらず、電源側および整合器4側への
反射波負荷は抑制され、かつ、高密度のプラズマ発生が
容易となる。
【0033】放電部への原料ガスは中空部材21の下部
側面より導入され、邪魔板25により拡散されて導出筒
23の外周を上昇し、その内側を下降する。つまり、マ
イクロ波の強電界がある導波管の中心部近傍を上下に流
れる(2回流れる)ため、プラズマ化のためのチャンネ
ル(行程)が長くなり、ガスプラズマへの解離部分は非
常に面積的に大きなものとなって、プラズマの解離効率
が高くなる。そして、解離プラズマが中心部の導出筒2
3内およびそれと円錐中空部材21に囲まれる部分の双
方に同心円上に発生する。このため流入ガス量に対して
のガスプラズマ化の効率が大きくなる。
【0034】このように本発明では、円形標準導波管を
アプリケータの一部として使用し、電界密度の最も高い
導波管センター部に誘電体のプラズマ放電部20をトー
チ状に設置したような状態となる。
【0035】その他の前記実施例の作用効果は次の通り
である。中空部材21が円錐形状のため、マイクロ波に
対して無反射終端のような形状となるため反射波が起こ
りにくくなる。
【0036】原料ガスがプラズマ解離後は、プラズマ自
体は導体として振る舞うため、円錐形状の中空部材21
内に、円錐状の導体(金属)が封入されたような状態と
なり、中空部材先端部分にマイクロ波電界が集中するこ
ととなる。これにより、高強度の電界によってさらにプ
ラズマ化の効率が上がる。
【0037】中空部材21が円形のため、真空容器とし
て強度が高く、厚みを薄くできる。邪魔板25により、
導入された原料ガスが均等に中空部材内へ導入され、円
周方向に対して偏りのないプラズマ生成が行われる。こ
れは、異常放電の防止にもなる。
【0038】放電部保持ブロック30の凹部30Aの内
面を円形標準導波管内面と同型状、ほぼ同寸法とするこ
とによって、導波管と放電部との接続部での電界の乱れ
をなくす。これによって、凹部30Aがいわば導波管の
内部と同様になり、この凹部の底面が最終短絡面とな
る。このため、マイクロ波反射の損失を最少にし、マイ
クロ波導入効率を高くできる。
【0039】保持ブロック30におけるプラズマ導出筒
23の貫通孔は、マイクロ波が漏洩しないように1/4
波長以上の長さを持ち、かつ、直径は1/4波長以内で
形成されていて、一種のチョーク構造であり、このため
装置の安全が確保される。
【0040】保持ブロック30において、第1部材31
の凹所31bに真空シールオーリング31cと支持フラ
ンジ24を介して放電部20が置かれ、次いで、2分割
された第2部材32がその上に置かれてビス止めされ、
これにより放電部は固定される。次いで、第3部材33
が孔33aに放電部20を貫通させて置かれ、これら3
部材31,32,33がボルトで一体固定される。従っ
て、このシール部分は第2部材32よって放電部からの
マイクロ波および中空部材内ガスプラズマ領域からの光
および熱の直接輻射が遮蔽されるため、シール材31c
等に熱負荷がかからず、良好なシール性が長期にわたり
保たれる。
【0041】ここで、具体的寸法と容量などの例を示
す。円形導波管1の内側寸法は直径54.6mmであ
り、放電部底面直径D=54mm,高さH=103.5
mm,導出筒直径14mmである。マイクロ波発振器は
発振周波数2.45GHZ,出力1,000W,入力単
相50/60HZ,AC200V,1.5A以下。アイ
ソレータはサンドロード負荷を持ち、冷却ファンで冷却
される。マイクロ波自動整合器は 周波数2,450±
30MHZ,3短針検出,電動3スタブ整合方式,入力
DC24V。
【0042】本実施でのプラズマ発生条件のテスト例は
次のとおりである。 使用真空度条件:0.1Torr−10Torr ガス導入流量(N2,O2及びその混合ガス) 50cc/min−3000cc/min 投入マイクロ波進行波電力 50W−1000W 反射波電力量は、手動プリセットチュナーまたは自動チ
ューナーに関わらず、前記プラズマ発生全条件範囲で1
0W以内。また前記条件で安定放電開始可能である。使
用真空排気系では、真空ポンプは排気量1000リット
ル/minのロータリーポンプ,真空計はマノメータ真
空計,圧力コントロールは自動バタフライバルブ角コン
トロール方式である。
【0043】放電部温度(放電部近傍の導波管表面温度
測定)は次のとおりであった。チャンバを水冷却せず、
放電部導波管内の空冷のみで25回連続処理した。即
ち、マイクロ波1000Wを導入し、処理時間2min
/サイクルのもとで、放電サイクル間のマイクロ波のオ
フ時間は約80秒である。この時間は大気開放並びに真
空引き及びウェハ搬送時間に相当する。その後の導波管
表面温度は約50度。従来のものでは、1回2分程度の
放電で、放電部近傍の金属類は必ず水冷にしなければ危
険なほど熱くなる。
【0044】ここで、前記中空部材の高さHは、マイク
ロ波の波長の1/2(波の位相180度)以上であれ
ば、必ず1個以上波の山が放電部に達して効率がよい。
しかし、約1/3(位相120度)以上あれば実用性が
ある。また、高さがあまり高くなると強度と制作上の問
題が生じる。即ち、中空部材の高さは、約1/2波長〜
約1波長が最適であり、好ましくは約1/3波長〜約2
波長或いは約1/3波長〜約3波長程度である。
【0045】図8は、中空部材の第2実施例40を示
す。外円錐状中空部材41の内側にはほぼ相似形の内円
錐状部材47が設けられ、該内錐状部材の頂上は前記プ
ラズマ導出筒43が貫通固定され、前記両部材間の基端
は環状底板42で閉鎖されている。他の部分は第1実施
例20と同様であるから部分番号を40代で示す。
【0046】内錐状部材47とプラズマ導出筒23との
間の円錐状の空間40Aが保持ブロックのガス導入溝3
0Aを通じて大気圧に保たれ、この部分の誘電率が低く
なり、電気が逃げにくくなる。また、プラズマが外錐状
中空部材41と内錐状部材47間の挟いチャンネルの領
域で発生し、プラズマ密度を高められる。
【0047】原料ガスの種類は、通常半導体ドライブロ
セスにて使用されるガスは全て可能である。例えば、O
2,N2,He,H2,Ar,H2O蒸気、Cl2,CC
4,BCl等の塩素ガス、NF3,CF4,C26,C
HF3,SF6等のフッ素ガスと前記等ガスの混合ガスで
ある。
【0048】放電部20構造材料に関し、前記実施例で
は石英を使用しているが、他の誘導絶縁体も使用でき
る。例えば、特にセラミック類は全て(アルミナ等,又
はカーボン系素材)、耐熱プラスチックである。
【0049】本実施例では、放電部20が放電開始後で
は全ての波を吸収する負荷となり、反射波が殆どでない
ため、チューナー4を無くすることが可能となる。しか
し、放電開始時ではまだ放電部が導体化しておらず、電
力供給と放電開始に時間ずれがあった場合、この時間で
の導入パワーは反射波となる。このため、チューナー
(手動・自動に関わらず)4を除外した場合はアイソレ
ータ3を設置し、電源側への帰還反射波のみを電源側へ
送らず吸収させ熱変換させる必要がある。
【0050】このように、放電部の吸収効率が高けれ
ば、マイクロ波電源──アイソレータ──放電部の系ま
たはマイクロ波電源──自動・手動チューナー──放電
部の系が可能である。
【0051】しかしながら、放電部での初期放電時のイ
ンピーダンスはガスの種類などによって異なるため、本
実施例の場合には、装置使用条件が固定化できない(使
用用途が限定できない)ため、自動チューナー4を設置
し使い易くした。従って、実際の生産ラインにて、一定
条件のみで使用する場合は簡便な手動チューナー(1ス
タブ)にて使用できる。チューナーの設置により、アイ
ソレータが不要となるが、装置の安全性および信頼性を
上げるため設置している。
【0052】本発明の応用分野は全てのプラズマ処理を
行う分野で、エッチング,アッシング,洗浄,CVD,
改質処理,半導体表面処理,光ソース等である。
【0053】本発明は前記した実施例や実施態様に限定
されず、特許請求の精神および範囲を逸脱せずに種々の
変形を含む。
【0054】
【発明の効果】第1,第2構成により、放電印可が容易
で高効率にプラズマを生成できる。第3構成により、第
2構成の効果に加え、ガスの流路が長くなり、プラズマ
解離効率が高くなる。また、錐状部材の頂上にマイクロ
波電界が集中し、プラズマ化の効率が上がる。第4構成
により、第3構成に加え、原料ガスが均等に中空部材内
へ導入され、プラズマ生成が容易となる。第5構成によ
り、第3構成に加え、内外の錐状部材間が狭くなり、プ
ラズマ密度が高められる。第6構成により、放電印可が
容易で高効率にプラズマを生成できる。第7構成により
第1,第2構成の効果に加え、プラズマ処理が効率よく
できる。第8構成は第6又は7構成の効果に加え、導波
管と放電部との接続部での電界の乱れが殆どなく、反射
波の損失を最少にできる。第9構成は第8構成の効果に
加え、放電部が外力を受けずに支持され、かつ、シール
部が光および熱の直接輻射を遮蔽され、良好なシール性
が長期に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のチューブアプリケータ方式の概略断面図
である。
【図2】従来の円筒導波管方式の概略断面図である。
【図3】従来の表面波導入方式の概略断面図である、
【図4】本発明の一実施例を含む全体装置の概略正面図
である。
【図5】本発明の一実施例の鉛直断面図である。
【図6】本発明の一実施例のプラズマ放電部の平面図で
ある。
【図7】本発明の一実施例のプラズマ本発明の鉛直断面
図である。
【図8】プラズマ放電部の第2実施例の鉛直断面図であ
る。
【符号の説明】
A…被処理物 1…導波管 10…エッチング処理部 11…接地ベース板 11a…真空排気口 12…絶縁リング 13…チャンバブロック 13a…下ブロック 13b…上ブロック 14…邪魔板 15…絶縁チャックリング 16…真空排気邪魔リング 17…被処理物台 20…プラズマ放電部 21…中空部材 21a…中間部 21b…先端部 21c…基端部 22…底板 23…導出筒 24…支持フランジ 25…邪魔板 26…ガス導入管 30…放電部保持ブロック 31…第1部材 31a…中心孔 31b凹部 32…第2部材 32a…中心孔 32b…凹部 33…第3部材 33a…孔 33b…ガス管溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/3065

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面円形の導波管の端部の内部にプラズ
    マ放電部を設置し、 該プラズマ放電部は、前記導波管の軸線上にほぼ同心と
    なり、導波管端部側に広くなった底面を持ち、マイクロ
    波発振部側に狭くなって頂上が尖状または半球状となっ
    た円錐状中空部材を持ち、該部材の高さは、前記導波管
    内を伝わるマイクロ波の波長のほぼ1/3以上に定めら
    れており、前記放電部を真空状態にして原料ガスを供給
    し、前記導波管内にマイクロ波を発振することを特徴と
    するマイクロ波ガスプラズマ放電方法。
  2. 【請求項2】 断面円形の導波管の内側に設置されるも
    のであり、導波管端部側に広くなった底面を持ち、マイ
    クロ波電源側に狭くなって頂上が尖状または半球状とな
    った円錐状中空部材を持ち、該部材の高さは、前記導波
    管内を伝わるマイクロ波の波長のほぼ1/3以上に定め
    られていることを特徴とするマイクロ波ガスプラズマ放
    電部。
  3. 【請求項3】 前記中空部材の底面は底板で閉鎖され、
    かつ、該底板をプラズマ導出筒が貫通していることを特
    徴とする請求項2記載のマイクロ波ガスプラズマ放電
    部。
  4. 【請求項4】 前記中空部材の基端部内側に邪魔板が設
    けられ、該邪魔板と前記底板との間で前記基端部に原料
    ガス導入管が接続された請求項3記載のマイクロ波ガス
    プラズマ放電部。
  5. 【請求項5】 前記円錐状中空部材の内側にはほぼ相似
    形の内円錐状部材が設けられ、該内円錐状部材の頂上は
    前記プラズマ導出筒が貫通固定され、前記両部材間の基
    端は環状底板で閉鎖されている請求項3または4記載の
    マイクロ波ガスプラズマ放電部。
  6. 【請求項6】 放電部保持ブロックと、該放電部保持ブ
    ロックに接続された断面円形の導波管と、該導波管の端
    部の内部に設置されたプラズマ放電部とを含み、 該プラズマ放電部は、前記導波管の軸線上にほぼ同心と
    なり、導波管端部側に広くなった底面を持ち、マイクロ
    波発振部側に狭くなって頂上が尖状または半球状となっ
    た円錐状中空部材を持ち、該部材の高さは、前記導波管
    内を伝わるマイクロ波の波長のほぼ1/3以上に定めら
    れていることを特徴とするマイクロ波ガスプラズマ放電
    装置。
  7. 【請求項7】 処理室のチャンバブロックの内側に被処
    理物台が設けられ、前記チャンバブロックの上側に放電
    部保持ブロックが設置され、該放電部保持ブロックの上
    側に設置された断面円形の導波管と、該導波管の端部の
    内部に設置されたプラズマ放電部とを含み、 該プラズマ放電部は、前記導波管の軸線上にほぼ同心と
    なり、導波管端部側に広くなった底面を持ち、マイクロ
    波発振部側に狭くなって頂上が尖状または半球状となっ
    た円錐状中空部材を持ち、該部材の高さは、前記導波管
    内を伝わるマイクロ波の波長のほぼ1/3以上に定めら
    れていることを特徴とするマイクロ波ガスプラズマ放電
    装置。
  8. 【請求項8】 前記放電部保持ブロックは、前記導波管
    の端部に接続され、該導波管の内部に露出する部分は、
    導波管の断面とほぼ同じ形状寸法の凹部が設けられ、該
    凹部に前記放電部の下部が収容されたことを特徴とする
    請求項6または7記載のマイクロ波ガスプラズマ放電装
    置。
  9. 【請求項9】 前記放電部保持ブロックは、前記プラズ
    マ放電部のプラズマ導出筒を貫通させる中心孔を持ち、
    該中心孔の上側周囲には前記放電部の支持フランジが嵌
    まる凹部が設けられた第1部材と、 該第1部材の上に同心に設置され、前記プラズマ導出筒
    を貫通させる中心孔を持ち、該中心孔の上側周囲に同心
    で、前記導波管の断面に等しい円形凹部が設けられた第
    2部材と、 該第2部材の上に同心に設置され、前記導波管の断面に
    等しい円形孔を持ち、かつ、ガス導入路を持つ第3部材
    とを含むことを特徴とする請求項8記載のマイクロ波ガ
    スプラズマ放電装置。
JP6026058A 1994-01-27 1994-01-27 マイクロ波ガスプラズマ放電方法、装置及びプラズマ放電部 Pending JPH07220897A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000003566A1 (fr) * 1998-07-13 2000-01-20 Toshiyuki Takamatsu Appareil a decharge pour micro-ondes
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TWI645444B (zh) * 2013-10-22 2018-12-21 日商東京威力科創股份有限公司 Plasma processing device

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