JPH0722061Y2 - ワイヤ−ハ−ネス用プロテクタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコネクタハウジング（以下単にハウジングとい
う）に挿着された複数個の端子から引き出された複数本
の電線を集束成形するためのワイヤーハーネス用プロテ
クタに関する。

（従来の技術） 従来、例えば機器用のコネクタａのハウジングa₁に対し
嵌脱自在のハウジングa₂に挿着された複数個の端子（図
示せず）から引き出された直後の、すなわちコネクタ結
線部における複数本の電線ｂは、第７図に示されるよう
にハウジングa₂に近接して配置される他部材ｃとの干渉
による撓みを防止して直線性を保持し、配索性の向上を
はかるため、丸棒ｄをハウジングa₂に形成される複数個
の端子収容室ｅの一室に挿入し、ハウジングa₂から外方
に突出した部分を中心軸として集束したのち、ビニルテ
ープ等ｆを用いて手作業によりテープ巻きを行なうこと
によりワイヤーハーネスｇを固定する手段がとられてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、かかる従来のハウジングa₂から引き出された複
数本の電線ｂの集束固定手段にあっては、電線ｂを丸棒
ｄを介してテープ巻きする作業が煩雑であり、又、テー
プ巻きに際して電線ｂにテープ巻きの方向性によってｘ
又はｘ′方向への捩りが生じ、その捩り程度が大きいと
きは端子加締部から電線ｂが外れたり、電線ｂが小径の
ときは断線を生じたりする場合があった。又、丸棒ｄは
端子収容室ｅ内に単に挿入されているのみで固定されて
いないからテープ巻きにより集束されたワイヤーハーネ
スｇに矢線イ方向の外力が作用した場合には個々の電線
ｂに応力が加わり、上記の事故を惹起するおそれがあっ
た。さらに、ハウジングa₂に形成される端子収容室ｅの
一室が丸棒ｄの挿入用に使用されるため、この部分だけ
コネクタａの極数が犠牲にされるという問題点があっ
た。

本考案は、かかるハウジングから引き出された電線の従
来の集束固定手段の問題点に着目してなされたもので、
ハウジングから引き出された電線束（ワイヤーハーネ
ス）を直線性を保持した状態で作業性よく、かつ引張り
等の応力を生じさせることなく集束できるとともに、コ
ネクタの極数を減少させることなく集束し得るワイヤー
ハーネス用プロテクタを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 以下に本考案を、実施例を示す添付の図面に基づいて詳
細に説明する。

第１図に本考案のワイヤーハーネス用プロテクタ（以下
単にプロテクタという）の斜視図、第２図に本考案のプ
ロテクタを用いてハウジングから引き出された電線を集
束成形した状態の斜視図を示した。

図において本考案のプロテクタＡは、先端部に突起部１
を対向して設けた一対の係止片２を前端部に延設すると
ともに、ハウジング３の端子収容室４に挿入可能のコ字
状断面形状を有する長方部材５の後部にコ字状の拡開断
面形状を有する電線収容部材６を連成してなる本体A
₁と、該本体A₁の長手方向の開放部７に必要に応じて覆
設されるカバーA₂とから構成される。

以上の構成において、本体A₁の前部に形成されるコ字状
の断面形状を有する長方部材５の寸法（幅ｌ、高さｍ）
は、ハウジング３の端子収容室４に長方部材５の前端部
が挿入可能の寸法、好ましくは端子収容室４の後端部に
ガタ付きを生ずることなく嵌合しうる寸法に形成され
る。

又、一対の係止片２は長方部材５の対向壁5aの端縁部5a
₁から長方部材５の前方長手方向に延設して形成され、
又、係止片２の先端部に対向して設けられる突起部１の
位置は、第３図及び第４図に示されるように長方部材５
の前部5bがハウジング３（一部を切り欠いて示してあ
る）の端子収容室４内に一部挿入されたとき、端子収容
室４に挿着された端子（図示の例では雌端子）Ｔの電線
導体加締部８を挾持する位置に設定され、又、突起部１
の幅ｎは電線導体加締部８の加締め長とほぼ等しい幅に
形成される。又、一対の突起部１の対向間隔ｐは端子Ｔ
の電線導体加締部８を両側から挾持しうる距離に形成さ
れる。又、一対の突起部１の対向する面1aは平坦面でも
よいが、第５図に示されるように、電線導体加締部８を
一層保持し易いように、凹溝1bを設けることが望まし
い。

次に、長方部材５の後部に連成される拡開断面形状を有
する電線収容部材６は、コ字状断面で形成される空胴断
面積が長方部材５に形成される空胴断面積に比し拡開さ
れた断面積を有するように幅又は高さ寸法（図示の例で
は幅寸法）が長方部材５の幅寸法ｌに比し大に形成され
る。

次に本体A₁の長手方向の開放部７に必要に応じて覆設さ
れるカバーA₂は、長方板状に形成され、幅方向の一方の
側縁において電線収容部材６の対向する一方の側壁6aの
側端縁にヒンジ９を介して連設され、又、幅方向の他方
の側縁にロック部10が設けられる。又、電線収容部材６
の対向する他方の側壁6bにロック部10がロックされるロ
ック部係止部11が形成される。

（作用） 以下に本考案のプロテクタＡの作用について説明する。

先ず、電線12を接続した１個の端子Ｔを、第３図及び第
４図に示すように導体加締部８においてプロテクタＡの
先端部に形成された一対の突起部１により挾持されると
ともに、電線12及び端子Ｔの電線絶縁被覆加締部13の一
部をプロテクタＡの長方部材５に形成される空胴内に収
納させる。

この場合、突起部１の対向する端面に凹溝1bが設けられ
ているときは、凹溝1bに導体加締部８の両側が係合して
突起部１による端子Ｔの挾持がより強固となる。

次いでハウジング３のプロテクタＡが挿入される端子収
容室（全端子収納室の中央上段位置が望ましい）を除
き、電線を接続した端子Ｔを常法により挿着したのち、
プロテクタＡに保持させた端子ＴをプロテクタＡと共に
端子収容室４内に挿入する。この場合、端子Ｔはプロテ
クタＡの突起部１を介して端子収容室４内に押し込ま
れ、第３図又は第６図に示されるように端子Ｔの電気接
触部14の後端部に端子収容室内に突設されたランス15が
係止されることにより、端子Ｔは端子収容室４内に固定
保持される。

この状態でプロテクタＡは、長方部材５の前端部が端子
収容室４内に嵌合挿着されるとともに、端子の導体加締
部８を挾持している突起部１が第３図に示すように端子
Ｔの絶縁被覆加締部13の前端縁に当接することにより端
子収容室４からの後方抜けが防止される。

次いでプロテクタＡが挿入されない他の端子収容室から
引き出されたすべての電線12をプロテクタＡに形成され
る空胴部内に集束したのち、カバーA₂を本体A₁の開放部
７にヒンジ９を介して覆設し、ロック部10をロック部係
止部11に係止させることにより本考案のプロテクタＡの
組付けは完了する。

（考案の効果） 本考案のプロテクタは以上詳細に説明した如くになるか
ら、ハウジングに挿着された端子から引き出された電線
を、従来のテープ巻き等を要することなく作業性よく、
直線性を保持した状態で集束成形することができ、かつ
電線には引張り、捩り等の応力が作用しないから、端子
外れ、断線等を生ずることも防止される。さらにコネク
タの極数が減らされることもないから、コネクタに形成
される端子収容室はすべて有効に活用できるなどの利点
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のプロテクタの斜視図、第２図は同上プ
ロテクタの組付け状態における斜視図、第３図は同上プ
ロテクタの組付け状態においてハウジングの一部を切欠
した要部斜視図、第４図は同上のプロテクタに端子を保
持させた状態の要部平面図、第５図は同上プロテクタの
他の実施例を示す要部斜視図、第６図は本考案のプロテ
クタの組付状態における要部縦断面図、第７図は従来に
おける電線集束固定手段の説明図を示す。 １……突起部、２……係止片、３……ハウジング、４…
…端子収容室、５……長方部材、６……電線収容部材、
７……開放部、A₁……プロテクタ本体、A₂……カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先端部に端子金具と係合する突起部を対向
   して設けた一対の係止片を前端部に延設するとともに、
   コネクタハウジングの端子収容室に挿入可能な長方部材
   の後部に拡開断面形状を有する電線収容部材を連成して
   なる本体を具備することを特徴とするワイヤーハーネス
   用プロテクタ。