JPH0722050U - 内燃機関のブローバイガス影響量推定装置 - Google Patents
内燃機関のブローバイガス影響量推定装置Info
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- JPH0722050U JPH0722050U JP5252493U JP5252493U JPH0722050U JP H0722050 U JPH0722050 U JP H0722050U JP 5252493 U JP5252493 U JP 5252493U JP 5252493 U JP5252493 U JP 5252493U JP H0722050 U JPH0722050 U JP H0722050U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】燃料噴射弁等の故障診断許否の精度を高める。
【構成】ブローバイガスの空燃比への影響が大きい運転
状態であって、始動後経過時間が所定範囲内であるとき
(S21→S22→S23) 、ブローバイガスの影響量KBL
BLを、別ルーチンで求めた空燃比フィードバック補正
量の微分値が0近傍であるときの空燃比フィードバック
補正量に基づいて設定された影響量のピーク値BLPK
と、運転領域補正係数KD と、始動後経過時間Kt とを
乗じて推定し (S23) 、それが所定値BLON以上のと
きは燃料噴射弁等の故障診断を禁止するフラグを1にセ
ットし (S25) 、所定値BLON未満のときは同フラグ
を0にリセットして故障診断を許容する (S26) 。
状態であって、始動後経過時間が所定範囲内であるとき
(S21→S22→S23) 、ブローバイガスの影響量KBL
BLを、別ルーチンで求めた空燃比フィードバック補正
量の微分値が0近傍であるときの空燃比フィードバック
補正量に基づいて設定された影響量のピーク値BLPK
と、運転領域補正係数KD と、始動後経過時間Kt とを
乗じて推定し (S23) 、それが所定値BLON以上のと
きは燃料噴射弁等の故障診断を禁止するフラグを1にセ
ットし (S25) 、所定値BLON未満のときは同フラグ
を0にリセットして故障診断を許容する (S26) 。
Description
【0001】
本考案は、燃焼室から漏出するブローバイガスを吸気通路に還元するブローバ イガス還元装置を備えた内燃機関で空燃比を制御する装置において、空燃比制御 系の部品の故障診断や空燃比制御精度を良好に維持するためブローバイガスの発 生の影響を推定する技術に関する。
【0002】
従来から、空燃比フィードバック制御機能をもつ電子制御燃料噴射装置を有す る内燃機関においては、特開昭60−90944号公報等に示されているような 空燃比学習制御装置が採用されている。 これは、機関に吸入される空気量に関与するパラメータ、例えば機関吸入空気 流量及び機関回転速度から算出される基本燃料噴射量と、空燃比センサからの信 号に基づいて積分制御などにより設定される空燃比フィードバック補正係数とか ら、燃料噴射量を演算し、空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するものに おいて、空燃比フィードバック制御中の空燃比フィードバック補正係数の平均値 の基準値からの偏差を予め定めた機関運転状態のエリア別に学習して学習補正係 数を定め、燃料噴射量の演算にあたって、基本燃料噴射量を学習補正係数により 補正して、空燃比フィードバック補正係数なしで得られるベース空燃比を目標空 燃比にできる限り一致させるようにしたものである。
【0003】 これによれば、過渡運転時における空燃比フィードバック制御の追従遅れをな くすことができ、空燃比フィードバック制御停止時においても所望の空燃比を正 確に得ることができる。 また、この学習補正係数を用いて燃料供給系 (空燃比制御系) の自己診断を行 うこともできる。例えば燃料噴射弁の詰まりを生じて実際の燃料噴射量が不足す る場合、空燃比を一定に保持すべく空燃比フィードバック補正係数が増大側に設 定されるが、この場合に、空燃比フィードバック補正係数を基準値付近に保持す るように学習補正係数が増大側に更新されるから、この学習補正係数の値から燃 料供給系の異常を診断するのである。
【0004】 一方、内燃機関においては、一般にシリンダとピストンとの隙間からクランク 室に吹き抜けるブローバイガスを流量制御弁を介して吸気通路に導くブローバイ ガス通路が設けられ、機関運転状態に応じて流量制御弁を開いてブローバイガス を吸気通路に還元して燃焼室に戻すことにより、ブローバイガスの外気への排出 を防止することが行われている(実開平1−111119号公報等参照)。
【0005】
ところで、このようにブローバイガス還元装置を備える内燃機関において、冷 機時等はシリンダとピストンとの間のシール性が悪化していて、始動不良等が原 因で未燃燃料が漏出してオイルパン中のオイルに混入し、始動後にオイル温度が 上昇すると、オイルに混入した燃料が蒸発し、多量のブローバイガスが吸気通路 に還元される。
【0006】 このため、燃料噴射弁から噴射される燃料にブローバイガス中の燃料が加わる ために空燃比が濃くなり、空燃比を目標空燃比に保持すべく空燃比フィードバッ ク補正係数が大きく減少側に設定され、この空燃比フィードバック補正係数を基 準値付近に保持すべく学習補正係数が大きく減少側に更新されることになる (図 7参照) 。
【0007】 この場合、例えばある運転領域でブローバイガスの影響を受けているときに学 習補正係数が減少されたまま、他の運転領域に移行し、その後、ブローバイガス の影響が無くなってから当該領域に戻ると、前記ブローバイガスの影響により減 少補正された学習補正係数が使用されるため空燃比がリーン化されてしまい、排 気性状が悪化すると共に運転性が低下してしまう。あるいは、ブローバイガスの 影響がある間に、学習が行われて空燃比フィードバック補正係数が目標空燃比相 当の基準値近傍に保持されている状態から他の学習の進んでいない領域に移行し た場合、ブローバイガスの影響を受けて空燃比がリッチ化してしまいやはり排気 性状が悪化し、運転性も低下する。
【0008】 また、前記の学習補正係数により燃料供給系の自己診断を行うものおいては例 えば燃料供給系に燃料供給不足の故障を生じて、学習補正係数が増大しても、ブ ローバイガスの発生による減少によって相殺され、正常であると誤診断するおそ れがある。 また、上記のような空燃比の学習を行わないもの或いは始動後の所定期間は一 律に学習を停止するようにした場合でも、ブローバイガスの影響があるときには 単に空燃比フィードバック制御を行うだけでも過渡時にはブローバイガスの影響 による応答遅れが大きくなる。また、空燃比のフィードフォワード制御を行おう とすると、ブローバイガスの影響量を把握できないと、空燃比が大きくずれてし まう結果となる。
【0009】 本考案は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、内燃機関における ブローバイガスの空燃比に与える影響量を高精度に推定して、空燃比制御精度の 改善や空燃比制御系の異常の誤診断防止を図れるようにした内燃機関のブローバ イガス影響量推定装置を提供することを目的とする。
【0010】
このため、本考案は、図1に示すように、 燃焼室から漏出するブローバイガスを吸気通路に還元するブローバイガス還元 装置を備えると共に、 機関運転状態を検出する運転状態検出手段と、 機関に供給される混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、 前記運転状態検出手段により検出された機関運転状態に基づいて空燃比の基本 制御量を設定する基本制御量設定手段と、 前記空燃比検出手段により検出された空燃比に基づいて設定された空燃比フィ ードバック補正量を用いて前記基本制御量をフィードバック補正することにより 空燃比をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、 を備えた内燃機関において、 前記空燃比フィードバック補正量の微分値を演算する微分値演算手段と、 前記空燃比フィードバック補正量の微分値が0近傍となるときの空燃比フィー ドバック補正量の値に基づいて、ブローバイガスの空燃比に与える影響量のピー ク値を推定するピーク値推定手段と、 始動後の経過時間を計測する経過時間計測手段と、 前記影響量のピーク値と始動後経過時間を含む要素に基づいて、ピーク値推定 以後のブローバイガスの空燃比に与える影響量を推定する影響量推定手段と、 を含んで構成したことを特徴とする。
【0011】
始動後、所定時間の間は、オイル中に含まれる未燃燃料分がブローバイガスと して発生するため、空燃比フィードバック制御手段は、空燃比フィードバック補 正量を空燃比がリーン化する方向に設定する。例えば、通常の燃料供給量で空燃 比を制御する場合、燃料供給量を減少するように空燃比フィードバック補正量を 減少する方向に設定する。
【0012】 そして、前記ブローバイガスの影響が最も大きいところで、空燃比フィードバ ック補正量がピーク値 (燃料供給制御の場合極小値) となるから、該ピーク値と なる時期を、空燃比フィードバック補正量の微分値が0近傍となる時期として捉 えることができる。 そこで、前記微分値演算手段によって、空燃比フィードバック補正量の微分値 を演算し、該微分値が0近傍となるときにブローバイガスが空燃比に与える影響 が最大と判断し、そのときに空燃比フィードバック制御手段で設定される空燃比 フィードバック補正量に基づいて該影響量のピーク値を推定する。
【0013】 そして、それ以降は、経過時間計測手段によって計測される経過時間が増大す るにつれてブローバイガスの影響量が小さくなるため、例えば該影響量の変化を 予め実験等で調べてそのデータを影響量推定手段に与えておくことにより、前記 ピーク値と経過時間とを含む要素に基づいてブローバイガスの影響量を求めるこ とができる。
【0014】 これにより、影響量が充分小さくなった時点から、定常的な空燃比の学習を開 始したり、燃料噴射弁など空燃比制御系の故障診断を行わせることができ、ある いはブローバイガスの影響量に応じた基本制御量の補正を行ったりしてブローバ イガスの影響があるときの空燃比フィードバック制御の過渡時の応答遅れを小さ くしたり、空燃比のフィードフォワード制御を行うことも可能となる。
【0015】
以下に本考案の一実施例を説明する。 一実施例の構成を示す図2において、ブローバイガス還元装置として内燃機関 1のロッカカバー2の内部と、吸気通路3のスロットル弁4上流側とを連通する 新気通路5と、ロッカカバー2の内部とクランク室6とを連通する通路7、及び クランク室6と吸気通路3のスロットル弁4より下流側とを連通するブローバイ ガス通路8とが、夫々配設され、ブローバイガス通路8の途中に電磁駆動式の流 量制御弁 (PCV) 9が介装されている。
【0016】 ここで、前記流量制御弁9は機関の負荷,回転数等の運転条件に応じてブロー バイガスの発生量に応じた開度に制御される。通常は、負荷と回転数との積に比 例的な吸入空気流量の増量に応じてブローバイガスも増大するので、流量制御弁 9の開度もこれに応じて増大するようになっている。そして、流量制御弁9の開 弁時には、ピストン10とシリンダ11の隙間からクランク室6に吹き抜けたブロー バイガスは、図中矢印で示すように、クランク室6において通路7を介して導か れる新気と混合し、クランク室6からブローバイガス通路8を通り、流量制御弁 9を経て吸気通路に吸引され、燃焼室12に戻される。
【0017】 一方、前記吸気通路3に装着された燃料噴射弁13からの燃料噴射量を制御する ことにより、空燃比が制御される。即ち、吸気通路3上流側に装着されたエアフ ロメータ14で検出される吸入空気流量Qとカムシャフト等に装着されるクランク 角センサ15により検出される機関回転速度Nとにより基本噴射量TP (=K・Q /N;Kは定数) を設定する。
【0018】 前記基本噴射量TP に機関冷却水温度等による補正を施すと共に、所定の運転 条件では、機関の排気通路10に装着された空燃比検出手段としての空燃比センサ 16により排気中酸素濃度の検出を介して検出される空燃比に基づいて、コントロ ールユニット17が比例積分制御 (簡略には積分制御) 等で空燃比フィードバック 補正係数ALPHAを増減しつつ設定し、該空燃比フィードバック補正係数AL PHAによる補正を行って空燃比を目標空燃比 (理論空燃比) に近づける空燃比 フィードバック制御が行われる。
【0019】 かかるコントロールユニット17による空燃比フィードバック制御機能が空燃比 フィードバック制御手段に相当する。 また、後述するように所定の条件で負荷 (TP ) と回転数N等で区分される運 転領域毎に、前記空燃比フィードバック補正係数ALPHAの制御中心値 (平均 値) と基準値との偏差ΔALPHAを求め、該偏差ΔALPHAに基づいて例え ば次式により、空燃比フィードバック補正係数ALPHA (の制御中心値) を基 準値に保持するための学習値ALPHAL を演算し、前記運転領域毎に記憶して おく。
【0020】 ALPHAL =ALPHAL (前回値) +ΔALPHA/M ; Mは1 より大の定数 そして、前記基本噴射量TP を前記水温補正や空燃比フィードバック補正係数 ALPHAで補正した上に、更に前記学習値ALPHAL で補正することにより 、空燃比フィードバック補正係数ALPHAは、基準値に保持されるように学習 され、これにより、過渡運転時における空燃比の変動を抑制でき、応答性のよい 空燃比フィードバック制御を確保できる。
【0021】 更に、本考案に係る構成としてコントロールユニット17は、図3〜図5に示す ルーチンを実行することにより、ブローバイガスの空燃比 (従って空燃比学習値 ) に与える影響の有無を判定し、影響がある場合にはその影響量のピーク値を推 定し、更にそれ以降の空燃比学習値への影響量を随時推定して該影響量が充分小 さくなったところで燃料噴射弁など空燃比制御系の故障診断を許容する。
【0022】 図3はブローバイガスの空燃比に与える影響の有無を判定するルーチンである 。 ステップ1(図にはS1と記してある。以下同様)では、始動時の水温TW が 所定値BLTW以下であるか否かを判定する。所定値を超えるホットリスタート 時のような場合は、既にブローバイガスによる影響が無くなっていると判断して 、このフローを終了するが、水温TW が所定値BLTW以下と判定されたときは 、ブローバイガスの空燃比に影響を与えることが考えられるので、ステップ2へ 進み、ブローバイガスの影響有無の判定が終了しているか否かを判定する。
【0023】 そして、判定が終了していなければ、ステップ3へ進み、現在の運転領域がブ ローバイガスの影響の有無を判定すべき所定の運転領域にあるか否かを判定する 。 前記所定の運転領域にあるときには、ステップ4へ進み、定常状態であるか否 かを判定する。
【0024】 前記定常状態である場合はステップ5へ進み、ブローバイガスの影響の有無を 判断する期間にあるか否かを判定する (図7参照) 。これは、始動後の経過時間 STTMをタイマで計測し、該経過時間STTMが前記所定の判断期間内STT M1〜STTM2にあるか否かを判定することで行う。 前記判断期間にあると判定されたときには、ステップ6へ進み、空燃比フィー ドバック補正係数ALPHAの微分値を演算し、演算された微分値ΔALPHA が、所定値BLALP以上であるか否かを判定する。具体的には、単位時間前に 演算されたALPHAに対する今回のALPHAの変化量ΔALPHAを微分値 として演算する。尚、空燃比センサ20として、目標空燃比 (一般に理論空燃比) に対するリッチ,リーンのみを検出するものを使用し、空燃比フィードバック補 正係数ALPHAを増減して設定することにより空燃比フィードバック制御を行 うものでは空燃比フィードバック補正係数ALPHAと周期的に増減するため、 この値を平均化処理した値の微分値を求める。
【0025】 そして、微分値ΔALPHAが所定値BLALP以上であると判定された場合 には、ステップ7へ進み、ブローバイガスの空燃比への影響が大きいと判断して ブローバイ判定フラグを1にセットし、ΔALPHAが所定値BLALP未満と 判定された場合は、ステップ8へ進み、ブローバイガスの空燃比への影響が大き いと判断して前記ブローバイ判定フラグを0にセットする。
【0026】 次に、ブローバイガスの空燃比に与える影響量のピーク値を推定するルーチン を図4に基づいて説明する。 ステップ11では、前記ブローバイ判定フラグが1であるか否かを判定する。 ブローバイ判定フラグが1、つまり、ブローバイガスにより空燃比に与える影 響があると判定された場合にはステップ12へ進み、始動後経過時間STTMがブ ローバイガスの影響量ピーク値を推定する所定の推定期間内PST1〜PST2 にあるか否かを判定する。これは、予め実験等でブローバイガスの影響量がピー クとなる始動後からの経過期間を調べておいて、この期間内だけで推定の判断を 行うようにしたものであり、無駄な期間での判断を停止するものである。
【0027】 ステップ13では、運転状態が定常状態であるか否かを機関回転速度N,負荷 ( 例えば基本燃料噴射量TP ) が安定しているか否かで判定する。 ステップ14では、空燃比フィードバック補正係数ALPHAの微分値ΔALP HAが0近傍の値であるか否かを判別する。 ステップ14で、ΔALPHAが0近傍の値であると判定された場合にはステッ プ15へ進み、機関回転速度N, 基本燃料噴射量TP 等で定まる現在の運転領域に おけるピーク値推定演算用の領域補正係数KBLを、予めROMに記憶されたマ ップテーブルから検索等により求める。ここで、吸入空気流量Q (=K・N×T P ) が大きい領域ほど同一のブローバイガス発生量でも空燃比に与える影響が小 さくなる。そこで、前記領域補正係数KBLは、領域による格差の影響を無くし てピーク値の推定を行うべく、吸入空気流量Qの大きい領域ほど大きな値に設定 されている。
【0028】 ステップ16では、以上求めた値を用いてブローバイガスの空燃比に与える影響 量のピーク値BLPKを次式によって演算する。 BLPK=KBLRC−KBL×ALPHAm ここで、KBLRCは、現在の運転領域で始動直後に空燃比学習を行って得ら れた学習値である。具体的には、空燃比フィードバック制御時に空燃比フィード バック補正係数ALPHAを平均化処理した値の基準値 (例えば1) からの偏差 を求め、該偏差を無くす方向に基本制御値を修正する学習値を逐次修正更新して 得られるものである。その場合、始動直後はまだブローバイガスの空燃比に与え る影響が殆どないため、学習値は基本制御値を目標空燃比相当の値に一致する値 として求められる。また、ALPHAm は空燃比フィードバック補正係数ALP HAを平均化処理した値ALPHAm と理論空燃比に対応する基準値 (例えば1 ) との偏差であり、前記推定式のKBL×ALPHAm の項は、当該領域におい てブローバイガスの発生によりリッチ化される空燃比に対して、該リッチ分だけ 空燃比をリーン化して修正する値に設定されることとなる。つまり、この修正分 がブローバイガスが空燃比に与える影響量としてあらわれる。
【0029】 したがって、前記学習値KBLRCからKBL×ALPHAm を差し引くこと により、影響量のピーク値BLPKが求められる。 尚、前記始動直後の空燃比学習を特に行うことなく、前回運転時にブローバイ ガスの影響が無くなってから得られた学習値をそのまま検索して用いてもよく、 更に精度は劣るが簡易的には、部品の経時劣化等による空燃比のズレを無視して (ブローバイガスの影響に比較すれば充分小さい値である) 、基本制御値を目標 空燃比相当の値としたときの空燃比フィードバック補正係数ALPHAの基準値 (例えば1) を学習値の代わりに用いてもよい。
【0030】 次に、かかるピーク値発生後のブローバイガスによる影響量を推定し、それに よって燃料系の故障診断の許否を判定するルーチンを図5に基づいて説明する。 ステップ21では、前記図3に示したルーチンで設定されるブローバイガス判定 フラグFLGFLの値を判別する。 そして、FLGFLの値が0であるとき、つまりブローバイガスの空燃比に与 える影響が小さいと判定されているときは、このルーチンを終了するが、FLG FLの値が1であるとき、つまりブローバイガスの空燃比に与える影響が大きい と判定されているときは、ステップ22以降へ進んでブローバイガス影響量を推定 し、故障診断の許否を判別する。
【0031】 ステップ22では、始動後経過時間STTMが、該影響量の推定を行う所定の期 間STBL1〜STBL2の範囲内にあるか否かを判定する。ここで、開始時期 STBL1は前記ピーク値推定期間の終了時期に一致させてもよいが、ピーク値 に達した後、暫くの間は影響量の変化は小さいため、ピーク値と推定してもよく 、少し間をおいて設定してもよい。また、終了時期STBL2はブローバイガス 発生量が充分大きな条件でその影響が完全に無くなる時期を実験的に求めて設定 すればよい。、そのようにすれば、STBL2を超える期間で無駄な推定を行う ことを回避できる。
【0032】 上記の期間内にあると判定されたときはステップ23へ進み、ブローバイガスの 影響量KBLBLを次式により求める。 KBLBL=BLPK×KD ×Kt ここで、KD は運転領域補正係数で、前記ピーク値を推定する際に用いた運転 領域補正係数KBLはピーク値を推定した運転領域に影響されることなくピーク 値を普遍的な値として求めるため用いられたのに対し、このステップでは、該ピ ーク値を用いて当該運転領域における影響量を求めるため用いられるもので、簡 易的にはKD としてKBLの逆数を用いてもよい。
【0033】 また、Kt は時間補正係数で、図7に示されるように変化する空燃比補正係数 ALPHAを目標空燃比相当の基準値に修正するように始動後経過時間の関数と して設定すればよい。 ステップ24では、上記のようにして求められたブローバイガスの影響量KBL BLを所定値BLONと比較し、該所定値BLON以上であると判定されたとき は、ブローバイガスの空燃比に与える影響が残っており、空燃比学習値を行い燃 料噴射弁の詰まり等を空燃比学習値に基づいて診断すると誤診断を生じる可能性 があると判断してステップ25で故障診断を禁止すべく故障診断禁止フラグFLG FLを1にセットする。
【0034】 また、ステップ影響量KBLBLが所定値BLON未満と判定されたときは、 ブローバイガスの空燃比に与える影響が無くなり、前記故障診断を許容できると 判断してステップ26で故障診断禁止フラグFLGFLを0にリセットする。 このようにすれば、ブローバイガスの空燃比に与える影響量のピーク値を推定 し、該ピーク値に基づいてそれ以降の時間経過と共に変化する影響量を高精度に 推定することができるため、前記燃料系等の故障診断の許否の判定精度を高めら れる。
【0035】 また、同様にして通常の空燃比学習をブローバイガスの影響量が充分小さくな ったところから開始させるようにすることもでき、ブローバイガスに影響された 学習値を用いることによって空燃比が大きくずれることを防止できる。 更に、ブローバイガスの影響があるところで、前記のように経過時間に応じて 領域別に求めた影響量に基づいて基本制御量を補正することにより、ブローバイ ガスの影響があるところで空燃比フィードバック制御を行う場合に過渡時の応答 遅れを抑制でき、また、同様の補正を行って空燃比をフィードフォワード制御す ることなども可能となる。
【0036】
以上説明したように本考案によれば、ブローバイガスの空燃比に与える影響量 のピーク値を推定し、該ピーク値に基づいてそれ以降の時間経過と共に変化する 影響量を高精度に推定することができ、以て、空燃比制御系の故障診断の許否の 判定精度を高めたり、空燃比学習をブローバイガスの影響量が充分小さくなった ところから開始させたり、ブローバイガスの影響があるところで空燃比フィード バック制御を行う場合の過渡時の応答遅れを抑制でき、また、空燃比をフィード フォワード制御することなども可能となる。
【図1】 本考案の構成・機能を示すブロック図
【図2】 本考案の一実施例を示すシステム図
【図3】 同上実施例のブローバイガスの空燃比への影
響の有無を判定するルーチンを示すフローチャート。
響の有無を判定するルーチンを示すフローチャート。
【図4】 同じくブローバイガスの影響量のピーク値を
推定するルーチンを示すフローチャート。
推定するルーチンを示すフローチャート。
【図5】 同じくブローバイガスのピーク値発生以降の
影響量の推定するルーチンを示すフローチャート。
影響量の推定するルーチンを示すフローチャート。
【図6】 空燃比フィードバック補正係数の微分値の始
動後の変化状態を示すタイムチャート。
動後の変化状態を示すタイムチャート。
【図7】空燃比フィードバック補正係数の始動後の変化
状態を示すタイムチャート。
状態を示すタイムチャート。
1 内燃機関 5 新気通路 7 通路 8 ブローバイガス通路 9 流量制御弁 13 燃料噴射弁 14 エアフローメータ 15 クランク角センサ 16 空燃比センサ 17 コントロールユニット
Claims (1)
- 【請求項1】燃焼室から漏出するブローバイガスを吸気
通路に還元するブローバイガス還元装置を備えると共
に、 機関運転状態を検出する運転状態検出手段と、 機関に供給される混合気の空燃比を検出する空燃比検出
手段と、 前記運転状態検出手段により検出された機関運転状態に
基づいて空燃比の基本制御量を設定する基本制御量設定
手段と、 前記空燃比検出手段により検出された空燃比に基づいて
設定された空燃比フィードバック補正量を用いて前記基
本制御量をフィードバック補正することにより空燃比を
フィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段
と、 を備えた内燃機関において、 前記空燃比フィードバック補正量の微分値を演算する微
分値演算手段と、 前記空燃比フィードバック補正量の微分値が0近傍とな
るときの空燃比フィードバック補正量の値に基づいて、
ブローバイガスの空燃比に与える影響量のピーク値を推
定するピーク値推定手段と、 始動後の経過時間を計測する経過時間計測手段と、 前記影響量のピーク値と始動後経過時間を含む要素に基
づいて、ピーク値推定以後のブローバイガスの空燃比に
与える影響量を推定する影響量推定手段と、を含んで構
成したことを特徴とする内燃機関のブローバイガス影響
量推定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5252493U JPH0722050U (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 内燃機関のブローバイガス影響量推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5252493U JPH0722050U (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 内燃機関のブローバイガス影響量推定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0722050U true JPH0722050U (ja) | 1995-04-21 |
Family
ID=12917140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5252493U Pending JPH0722050U (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 内燃機関のブローバイガス影響量推定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0722050U (ja) |
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-
1993
- 1993-09-28 JP JP5252493U patent/JPH0722050U/ja active Pending
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