JPH07217167A - 床材保持具およびそれを用いた床材の施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘着剤で固定されていた入歯をはずすような
要領で、床材を剥がすことが可能であるが粘着時に床材
がズレることのない新規な床材保持具およびそれを用い
た床材の施工能率の向上させた施工方法の提供。 【構成】 可撓性基材に粘着剤を担持させた床材保持具
であって、床材保持具から床材を剥がしたときおよび下
地から床材保持具を剥がしたとき、前記粘着剤が実質的
に床材や下地に残留することなく可撓性基材側に残留す
る性質を有するものであることを特徴とする床材保持具
およびそれを用いた床材の施工方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、新規な着想に基づく床材保持具
とそれを用いた床材の施工方法に関する。

【０００２】

【従来技術】従来、タイルやカーペットタイルを施工す
るにあたっては、コンクリートなどの下地上に、接着剤
を用いてタイルやカーペットタイルを強固に接着してい
た。したがって、タイルが傷んだとき、あるいは改装す
るさいには、タイルを剥がすのに大きなエネルギーと手
間が必要であり、剥がしたタイルには接着剤や下地の破
片が固着しており、タイル資源のリサイクルにとっての
大きな障害となる。また、コンクリートなどの下地もタ
イルを剥がすさいの作業により、一部が破損し、下地自
体の修復工事が必要となってしまう。しかしながら、た
とえば二重床に用いられる床仕上材などのように、用途
によっては床材はそれほど強固に下地に接着している必
要はなく、床材が使用中にズレない程度に粘着していれ
ばよいのである。

【０００３】また、床材施工時間のうちで、接着剤塗布
作業の占める割合はかなりのものであり、作業時間を長
くする大きな要因になっていた。加えて、接着剤塗布作
業は、新しい床材を汚染し、床材を無駄にする場合があ
った。そのうえ、溶剤型接着剤の場合は、溶剤の揮発に
よる作業環境の悪化の問題があった。

【０００４】

【目的】そこで、本発明の目的は、粘着剤で固定されて
いた入歯をはずすような要領で、床材を剥がすことが可
能であるが粘着時に床材がズレることのない新規な床材
保持具を提供する点にある。

【０００５】本発明の他の目的は、前記新規な床材保持
具を用いて床材を施工することにより、床材の施工能率
を格段に向上させる点にある。

【０００６】

【構成】本発明の第一は、可撓性基材に粘着剤を担持さ
せた床材保持具であって、床材保持具から床材を剥がし
たときおよび下地から床材保持具を剥がしたとき、前記
粘着剤が実質的に床材や下地に残留することなく可撓性
基材側に残留する性質を有するものであることを特徴と
する床材保持具に関する。

【０００７】本発明の第二は、下地上に、請求項１、２
または３記載の床材保持具を粘着させ、その上に床材を
粘着させることを特徴とする床材の施工方法に関する。

【０００８】前記可撓性基材は、不織布、マットおよび
フィルムよりなる群から選ばれたものであることがで
き、これらは天然繊維、合成繊維、ガラス繊維などの無
機繊維よりなるものであることができる。ネットや織布
は、糸が交叉する個所と交叉しない個所があり、そのた
め凹凸が大きく、表面床材に影響を及ぼすので好ましく
ない。

【０００９】前記可撓性基材に担持されている粘着剤
は、可撓性基材両面の全面に、ストライプ状にあるいは
点々状に設けることができ、そのためには塗布あるいは
含浸などの方法を使用することができる。ストライプ状
に塗布する場合、そのストライプの巾は２０〜５０ｍ
ｍ、ストライプの間隔は２０〜１００ｍｍ程度、点の大
きさは径５〜２０ｍｍ、間隔１０〜５０ｍｍ程度が一応
の目安であるが、これに制限されるものではない。

【００１０】前記床材としては、無機質タイル、木製タ
イル、合成樹脂製タイル、カーペットタイルあるいは合
成樹脂シート、リノリュウムシートなどであることがで
きる。

【００１１】前記粘着剤としては、ゴム系、アクリル
系、アクリルウレタン系、ビニル系、シリコーン系のも
のが用いられるが、下地、可撓性基材、床材の組合わせ
により、剥離したとき粘着剤が下地や床材側に実質的に
残存しないが、床材がズレない程度の粘着力を有するも
のを選択する必要がある。これは、三者の組合わせによ
り変ってくるので、一概に決めることはできない。

【００１２】前記粘着剤は、可撓性基材の表裏両面に存
在する必要があるが、表裏の両粘着剤は同一のものでも
よいが、表裏別々の粘着剤であることができる。とく
に、表裏別々の粘着剤が相互に接着しないものであれ
ば、離型シートを挿入せず、床材保持具をロール状に巻
きとって、貯蔵、輸送できるので、好都合である。

【００１３】

【効果】

（イ） 床材の施工にあたり、いちいち下地に接着剤を
塗布する必要がなく、本発明の床材保持具を下地上に敷
きつめ、その上に床材を並べるだけでよいから、床材の
施工作業が極めて簡単であるため作業能率が著しく向上
する。 （ロ） 床材の適用にあたり、いちいち接着剤を下地に
塗布する必要がないため、作業者が接着剤で汚れるおそ
れがなく、また溶剤の揮発による環境汚染のおそれもな
い。 （ハ） 床材施工時に接着剤を使用しないので、接着剤
により床材を汚染することがない。 （ニ） 床材に粘着剤が粘着していないので、床材のリ
サイクルにとって極めて好都合である。 （ホ） 床材が傷んだりして、床材を貼りかえるとき、
粘着剤で固定した入歯をはずすような要領で床材を剥が
すことができるので、剥離作業が極めて簡単である。 （ヘ） 床材を剥がしても下地を全く傷めることがな
い。 （ト） このような点から、本発明により施工された床
材は部分補修あるいは床下配線の変更にともなう改装作
業が極めて簡単になる。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性基材に粘着剤を担持させた床材保
   持具であって、床材保持具から床材を剥がしたときおよ
   び下地から床材保持具を剥がしたとき、前記粘着剤が実
   質的に床材や下地に残留することなく可撓性基材側に残
   留する性質を有するものであることを特徴とする床材保
   持具。
2. 【請求項２】 可撓性基材が、不織布、マットおよびフ
   ィルムよりなる群から選ばれたものである請求項１記載
   の床材保持具。
3. 【請求項３】 可撓性基材に担持されている粘着剤が可
   撓性基材両面の全面に、ストライプ状にあるいは点々状
   に存在している請求項１または２記載の床材保持具。
4. 【請求項４】 下地上に、請求項１、２または３記載の
   床材保持具を粘着させ、その上に床材を粘着させること
   を特徴とする床材の施工方法。
5. 【請求項５】 床材がタイルまたはカーペットタイルで
   ある請求項４記載の床材の施工方法。