JPH07216624A - メルトブロー用ダイ - Google Patents

メルトブロー用ダイ

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Publication number
JPH07216624A
JPH07216624A JP6012568A JP1256894A JPH07216624A JP H07216624 A JPH07216624 A JP H07216624A JP 6012568 A JP6012568 A JP 6012568A JP 1256894 A JP1256894 A JP 1256894A JP H07216624 A JPH07216624 A JP H07216624A
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JP
Japan
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die
tip
die block
lip
capillary
Prior art date
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Pending
Application number
JP6012568A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Masumoto
一弘 舛本
Minoru Hisada
稔 久田
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP6012568A priority Critical patent/JPH07216624A/ja
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 リップ先端とキャピラリー先端の間隔であ
るセットバックと、クリアランスを個別に独立して調整
することができるメルトブロー用ダイを提供する。 【構 成】 ダイブロック31にキャピラリー32を横
向きに並べて片持ばり状に支持すると共に、ダイブロッ
ク31に連結され、ダイブロック31との間にガス室3
3を形成するリップ34を第1のリップ34aと第2の
リップ34bより構成する。第1のリップ34aに横溝
35を形成して該溝35を通し、ダイブロック31に捩
込まれるボルト36により第1のリップ34aを前後方
向に横溝35の範囲内で調整できるようにし、第2のリ
ップ34bは縦溝37を有し、該溝37を通して第1の
リップ34aに捩込まれるボルト38により上下方向に
位置調整できるようにされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メルトブロー不織布の
製造装置において、ノズルにキャピラリーを用いたメル
トブロー用ダイに関する。
【0002】
【従来技術】図1は、メルトブロー不織布の製造装置に
ついて示すもので、熱可塑性樹脂を押出機1で溶融混練
してメルトブロー用ダイ2のノズル3より押出し、その
直後、オリフィス4より吹出す高速ガスで延伸して極細
繊維化し、回転する捕集装置5に吹付けてウエブ6を形
成するようになっており、ノズルにキャピラリーを用い
たものも知られる。特公昭58−44470号、特開昭
63−105104号等に見られるものがそうで、断面
が三角形をなすダイ先端部内にキャピラリーを横方向に
並設して各キャピラリーをハンダ付けし、かつダイ先端
部の上下に適当なクリアランスを存してガスプレートを
設けたもの、横方向に並設したキャピラリーの各一側を
ダイブロックに固定して片持ちばり状に支持し、その上
下に設けられるガスプレートの先端をキャピラリーの自
由端部に適当なクリアランスを存して対峙させたものが
示され、また後者の特開昭63−105104号にはダ
イブロックに固定されて片持ばり状に支持されるキャピ
ラリーの自由端部をリップで挟着したものが示されてお
り、ガスプレートとダイ先端部又はキャピラリー自由端
部との間、或いはリップ部とキャピラリー自由端部との
間のクリアランスにより形成されるオリフィスよりガス
をキャピラリーより押出された溶融状態の熱可塑性樹脂
に所定の角度で吹付け、極細繊維状に延伸させるように
なっている。
【0003】ノズルにキャピラリーを用いた上述する従
来のメルトブロー用ダイのうち、前者の特公昭58−4
4470号に示されるものは、キャピラリーとガスプレ
ートのクリアランスを幅方向に均一に形成することが困
難であるばかりでなく、クリアランスの調整に多大な時
間と労力を要する。また、キャピラリーの径Dと長さL
の比L/Dが大きくなった場合にはことに、キャピラリ
ー先端が自由端になっているため、ガスの吹出しによ
り、キャピラリー先端が振動し、クリアランスの均一化
を保つことが困難である。これに対し、後者の特開昭6
3−105104号に示されるものは、リップでキャピ
ラリー先端を横一列に均一に矯正して固定し、所定のリ
ップクリアランスが得られる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの実験によ
れば、キャピラリー先端をリップ先端より後退させて引
込めたメルトブロー用ダイには、次のような利点がある
ことも判明した。すなわち本発明者らは、図2に示すメ
ルトブロー用ダイ11を用いて、これを図1に示す押出
機1に取付け、キャピラリー12先端と、リップ13先
端の間隔であるセットバックを図2に示す一側と+側に
種々変えてウエブを形成したところ、以下の表1に示す
ように、セットバックを−側にしてキャピラリー先端を
リップ先端より後退させて引込める程、繊維径が小さく
なること、繊維径のばらつきが少なく、繊維径分布が狭
くなること、ダイより押出された樹脂流が千切れて玉状
となるショットが少なくなること、ウエブに筋やむらが
なくなること、ウエブがソフトで軟らかく、風合いのよ
いものが得られること等、好結果が得られることを見出
した。
【0005】
【表1】
【0006】以上のように、後者のメルトブロー用ダイ
には種々の利点があるが、なお改良すべき余地もある。
キャピラリー先端をリップ先端より引込めることによっ
て、キャピラリー先端の周縁、とりわけリップ先端に溶
融樹脂が付着し易く、付着した樹脂が高温に晒されて炭
化し、スケールとなってガスの流れに乱れを生じさせる
ようになり、形成されたウエブに筋やむらを生じ易くな
ることで、またキャピラリー先端とリップ先端との間の
クリアランスが狭く、極細繊維を求めるために延伸に必
要とするガス量を確保するのが困難であることである。
【0007】本発明の第1の目的は、上述する後者のメ
ルトブロー用ダイが有する利点を損なうことなく、キャ
ピラリー先端とリップ先端との間に十分なクリアランス
が設けられるように構成したメルトブロー用ダイを提供
しようとするものである。キャピラリー先端とリップ先
端との間のクリアランスは、狭過ぎると、効果がなく、
溶融樹脂がリップ先端とキャピラリー先端との間やリッ
プ先端に付着してスケールを生成し、ガスの流れに乱れ
を生じ易く、また逆に広過ぎると、多量のガスを必要と
し、延伸に作用するエア効率が低下する。こうした問題
は、上述するメルトブロー用ダイに限らず、特公昭58
−44470号に示されるようなメルトブロー用ダイに
おいて、ガスプレート先端を突出させてキャピラリー先
端をガスプレート先端と面一面上若しくはこれより引込
めてセットバックを−側にした場合においても同様に生
ずる。
【0008】キャピラリー先端とリップ先端或いはガス
プレート(以下、リップという)先端とのクリアランス
によって形成されるオリフィスは、ガスの吹出量が適正
となるようにすることが望まれるが、ガスの適正な吹出
量は使用される樹脂の粘度など成形条件によって異な
る。本発明の第2の目的は、キャピラリー先端とリップ
先端とのクリアランスを成形条件に応じて調整できるよ
うなメルトブロー用ダイを提供しようとするものであ
る。
【0009】キャピラリー先端は上述するように、リッ
プ先端より引込めてセットバックを一にすることが望ま
しいが、セットバックの最適値は使用される樹脂の粘度
など成形条件よって異なる。本発明の第3の目的は、成
形条件によってセットバックを調整できるようなメルト
ブロー用ダイを提供しようとするものである。
【0010】本発明の第4の目的は、キャピラリー先端
とリップ先端とのクリアランスと、セットバックをそれ
ぞれ個別に独立して調整できるようにしたメルトブロー
用ダイを提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段及び作用】第1の目的を達成するため
のメルトブロー用ダイは、ダイブロックと、ダイブロッ
クに片持ばり状に支持されるキャピラリーと、横向きに
並ぶキャピラリーを先端が突出するようにして上下より
挟着し固定すると共に、ダイブロックとの間に第1のガ
ス室を形成する矯正プレートと、先端がキャピラリー先
端より越えて前方に突出すると共に、キャピラリー先端
と適宜のクリアランスを存し、矯正プレートとの間に第
2のガス室を形成するリップよりなり、ガス室に供給し
たガスをリップ先端とキャピラリー先端との間のクリア
ランスより吹出させるようにしたことを特徴とするもの
である。
【0012】このメルトブロー用ダイによれば、矯正プ
レートの前方にリップを設けたことにより、キャピラリ
ー先端をリップ先端より後退させて引込め、かつ両者の
間に十分なクリアランスを形成し、ガスの流量を増加さ
せることができる。第2の目的を達成するためのメルト
ブロー用ダイは、上記ダイにおいて、リップを矯正プレ
ートに調整手段によって上下方向に位置調整可能に取付
けたことを特徴とする。
【0013】第2の目的を達成する別のメルトブロー用
ダイは、断面が三角形のダイ先端部を備えたダイブロッ
クと、ダイ先端部内に横向きに並設されるキャピラリー
と、ダイブロックに調整手段によって上下方向に位置調
整可能に取付けられ、ダイブロックとの間にガス室を形
成すると共に、ダイ先端部の上下に適当なクリアランス
を存し、かつ先端がキャピラリー先端を越えて前方に突
出するリップよりなることを特徴とするものであり、更
に別のダイは、ダイブロックとダイブロックに横向きに
並べて片持ばり状に支持されるキャピラリーと、ダイブ
ロックに調整手段によって上下方向に位置調整可能に取
付けられ、ダイブロックとの間にガス室を形成すると共
に、キャピラリー先端部の上下に適当なクリアランスを
存し、かつ先端がキャピラリー先端を越えて前方に突出
するリップよりなることを特徴とする。
【0014】上記各メルトブロー用ダイによれば、リッ
プの上下位置を調整することにより、キャピラリー先端
とリップ先端とのクリアランスが変化する。上記各メル
トブロー用ダイにおいては、リップが矯正プレート又は
ダイブロックに位置調整可能に取付けられるようにして
いるが、例えばリップ又は矯正プレートないしダイブロ
ックを適所で二分割し、リップ先端を有する側の一方を
他方に上下方向に位置調整可能に取付けられるようにし
てもよい。
【0015】上記メルトブロー用ダイにおいて用いられ
る調整手段としては、例えば図3に示すように一方に縦
溝14ないし縦孔を形成すると共に、他方にネジ孔15
を形成し、ボルト16ないし止ネジを縦溝14ないし縦
孔を通してネジ孔15に捩込み、縦溝ないし縦孔の範囲
内で一方又は他方の取付位置の調整が行えるようにした
もの、図4に示すように、一方の固定側又は固定部材1
7に上下動可能に支持され、リップ先端を有する上下動
する可動側20に段若しくは孔18を、固定側又は固定
部材に段若しくは孔18に係合する楔19を横向きに進
退可能に取付け、楔19を打込むことにより、リップ先
端を上下させるようにしたもの、或いは逆に楔を上下動
する側に進退可能に取付けると共に、固定側に楔が係合
する端面或いは段若しくは孔を形成したもの、図5に示
すように、一方の固定側にボルト21を捩込むと共に、
ボルト21の突出端を他方の可動側に回動可能に連結
し、ボルト21の捩込みにより他方を上下動させるよう
にしたもの、図6に示すように、回動可能に支持される
ネジ23にリップ先端側の可動側に固着のナット24を
螺着し、ネジ23の回動操作によりナット24を介して
リップ先端側の可動側を上下動させるようにしたもの等
を例示することができる。
【0016】第3の目的を達成するためのメルトブロー
用ダイは、ダイブロックと、ダイブロックに横向きに並
んで片持ばり状に支持されるキャピラリーと、ダイブロ
ックに調整手段によって前後方向に位置調整可能に取付
けられ、ダイブロックとの間にガス室を形成すると共
に、キャピラリー先端部を上下より挟着し、固定するリ
ップよりなることを特徴とする。
【0017】別のメルトブロー用ダイは、ダイブロック
と、ダイブロックに片持ばり状に支持されるキャピラリ
ーと、横向きに並ぶキャピラリーを先端が突出するよう
にして上下より挟着し固定すると共に、ダイブロックと
の間に第1のガス室を形成する矯正プレートと、矯正プ
レートに調整手段によって前後方向に位置調整可能に取
付けられ、矯正プレートとの間に第2のガス室を形成す
ると共に、キャピラリー先端と適宜のクリアランスを存
するリップよりなることを特徴とする。
【0018】更に別のメルトブロー用ダイは、断面が三
角形のダイ先端部を備えたダイブロックと、ダイ先端部
内に横向きに並設されるキャピラリーと、ダイブロック
に調整手段によって前後方向に位置調整可能に取付けら
れ、ダイブロックとの間にガス室を形成すると共に、ダ
イ先端部の上下に適当なクリアランスを存するリップよ
りなることを特徴とし、更に別のダイは、ダイブロック
と、ダイブロックに横向きに並べて片持ちばり状に支持
されるキャピラリーと、ダイブロックに調整手段によっ
て前後方向に位置調整可能に取付けられ、ダイブロック
との間にガス室を形成すると共に、キャピラリー先端部
の上下に適当なクリアランスを存するリップよりなるこ
とを特徴とする。
【0019】上記各メルトブロー用ダイによれば、リッ
プの前後位置を調整することによりセットバックが調整
される。上記各メルトブロー用ダイにおいても、リップ
が矯正プレート又はダイブロックに位置調整可能に取付
けられるようにしているが、前述したと同様、リップ又
は矯正プレートないしダイブロックを適所で二分割して
リップ先端側の一方を他方に前後方向に位置調整可能に
取付けられるようにしてもよいし、矯正プレートないし
ダイブロックをリップと共にキャピラリーに沿って前後
方向に動かして位置調整できるようにしてもよい。
【0020】上記各メルトブロー用ダイにおいて用いら
れる調整手段についても、図3ないし図6に示すような
調整手段と同様の手段を用いることができる。この場
合、縦溝ないし縦孔は、横溝ないし横孔に、楔は上下動
可能に、ボルトないしネジは縦向きに取付けられる。矯
正プレートないしダイブロックを動かすには、例えば工
具を用いて押し動かしたり、楔を押込み、或いはネジま
たはボルトを捩込んで押込むようにするとよい。
【0021】第4の目的を達成するためのメルトブロー
用ダイは、ダイブロックと、ダイブロックに片持ばり状
に支持されるキャピラリーと、横向きに並ぶキャピラリ
ーを先端が突出するようにして上下より挟着し固定する
と共に、ダイブロックとの間に第1のガス室を形成する
矯正プレートと、矯正プレートと一体若しくは固着さ
れ、矯正プレートとの間に第2のガス室を形成すると共
に、先端がキャピラリー先端に対峙するリップよりなる
メルトブロー用ダイにおいて、リップより矯正プレート
に至るまでの任意の箇所に上下方向に位置調整可能な第
1の調整手段と、前後方向に位置調整可能な第2の調手
段を設けたことを特徴とし、別のダイは、ダイブロック
と、ダイブロックに横向きに並べて片持ばり状に支持さ
れるキャピラリーと、ダイブロックと一体若しくは固着
され、ダイブロックとの間にカス室を形成すると共に、
先端がキャピラリー先端と対峙するリップよりなるメル
トブロー用ダイにおいて、リップよりダイブロックに至
るまでの任意の箇所に上下方向に位置調整可能な第1の
調整手段と、前後方向に位置調整可能な第2の調整手段
を設けたことを特徴とする。
【0022】更に別のダイは、上記第2の調整手段を設
ける代わりに、矯正プレート又はダイブロックが前後方
向に位置調整可能とされる。上記メルトブロー用ダイに
よれば、リップ先端とキャピラリー先端とのクリアラン
ス及びセットバックが個別に独立して調整できるように
なり、一方の調整により他方がこれに伴い変化するよう
なことはない。
【0023】上記各メルトブロー用ダイで用いられる第
1及び第2の調整手段としては、図3ないし図6に示す
ような調整手段と同様の手段を用いることができる。な
お、第1及び第2の調整手段は同じ種類の手段であって
も、異なった種類の手段であってもよい。
【0024】
【実施例】図7は、ダイブロック31にキャピラリー3
2を横向きに並べて片持ばり状に支持すると共に、ダイ
ブロック31に連結され、ダイブロック31との間にガ
ス室33を形成するリップ34を第1のリップ34aと
第2のリップ34bより構成し、第1のリップ34aに
横溝35を形成して該溝35を通し、ダイブロック31
に捩込まれるボルト36により第1のリップ34aを前
後方向に横溝35の範囲内で調整できるようにしてあ
る。また、第2のリップ34bは縦溝37を有し、該溝
37を通して第1のリップ34aに捩込まれるボルト3
8により上下方向に位置調整できるようにしてある。図
中、39はエア導入孔である。
【0025】本実施例によれば、第1のリップ34aの
取付位置を前後方向に動かすことにより、セットバック
が調整され、第2のリップ34bの取付け位置を上下方
向に動かすことによって、キャピラリー先端とのクリア
ランスが調整される。この場合、各調整は独立して個別
に行われ、セットバックとクリアランスの一方の調整に
より他方が変化することはない。
【0026】図8は、ダイブロック41の断面三角形の
ダイ先端部41a内にキャピラリー42を横向きに並設
し、ダイブロック41との間にガス室43を形成し、先
端がキャピラリー先端を越えて突出するリップ44がダ
イブロック41に、ダイブロックに形成の縦溝45を通
して、リップ44に捩込まれるボルト46により固定さ
れるようになっている。
【0027】本実施例によれば、縦溝45の範囲内でリ
ップ44が上下方向に位置調整され、リップ先端とキャ
ピラリー先端とのクリアランスが調整される。図9は、
ダイブロック51に嵌着のノズルプレート52にキャピ
ラリー53を片持ばり状に取付けて、その先端部を上下
より挟着するスライドバー54に矯正プレート55を凹
凸部の嵌合により上下動可能に取付け、フレーム56に
捩込んだボルト57の先端に固着したスライダー60を
矯正プレート55に形成した凹溝に摺動可能に嵌合し
て、ボルト57を回動操作することにより、矯正プレー
ト55及びこれと一体のリップ58が上下動するように
なっている。ダイブロック51と矯正プレート55の間
の切込み59には、楔61が差込まれ、楔61はフレー
ム56に捩込んだボルト62により押込まれ、矯正プレ
ート55及びリップ58をスライドバー54と共に前方
に押出すようになっている。図中、63はエア導入孔で
あり、64はキャピラリー53に樹脂の劣化物や異物が
混入するのを防止するために設けられるフィルターであ
る。メルトブロー成形は一般に、高温度、低粘度成形に
ならざるを得ないため、熱可塑性樹脂が劣化し易く、劣
化物や異物が混入すると、キャピラリーが目詰まりし、
糸切れが発生したり、繊維径が変化する。また長期間使
用では、ノズル内壁面に劣化物が堆積し、ノズル内径が
変化して安定的なウエブが形成されなくなる。フィルタ
ーは、こうした問題を解消するのに有効である。フィル
ターは粗過ぎると効果がなく、細か過ぎると、フィルタ
ーの交換が頻繁となるため、100〜300μm程度が
好ましい。また図中、65及び66は第1及び第2のガ
ス室であり、67はメンテナンス用の空隙で、これによ
り成形中、キャピラリーが詰まって樹脂を吐出しなくな
るようなことがあっても、細い針金等を差し込んで空隙
部まで突出するようにして扱くことにより(空隙がない
と、フィルターに支えて針金等をキャピラリー全域にわ
たって扱くことが困難となる)、キャピラリーを端まで
掃除することが容易となるため、キャピラリーを長時間
使用することが可能となる。このメンテナンス用空隙
は、キャピラリー内径より広く、深さは1mm程度が好ま
しい。
【0028】本実施例において、キャピラリーとのクリ
アランスの調整は、ボルト57を回動操作してリップ5
8を上下動させることによって行うが、持上げ時に楔6
1によって押出されないようにするために楔61は、ク
リアランス調整時に取り外しておくか、或いは作用範囲
外に退避させておくのが望ましい。セットバックを調整
するときには、ボルト62を回動操作して楔61を切込
み59内に押込む。すると、スライドバー54及びリッ
プ58と共に矯正プレート55が凹溝に嵌合するスライ
ダー60に案内されて前方に押出されるようになり、リ
ップ先端がキャピラリー先端とのクリアランスを変える
ことなく前方に移動する。
【0029】本実施例によれば、スライドバー54でキ
ャピラリー先端部を挟着しているので、加熱エアの吹出
しによりキャピラリー先端が振動することはなく、クリ
アランスの均一化を保つことができること、キャピラリ
ー先端とリップ先端とのクリアランスを成形条件に応じ
て調整し、極細繊維を求めるために、延伸に必要とする
空気量を十分に確保できること、セットバックを−にす
ることができると共に、空気量及びセットバックの−量
を成形条件に応じて調整できることなどの効果を有す
る。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され、次のよ
うな効果を奏する。請求項1記載のメルトブロー用ダイ
によれば、キャピラリーをリップで挟着して矯正し、均
一に揃えるようにしたタイプのダイにおいても、キャピ
ラリー先端をリップ先端より後退させて引込めると共
に、両者の間に均一なクリアランスを形成することがで
き、クリアランスの形成により溶融樹脂の付着によるス
ケールの形成が防止され、スケール形成によるウエブの
筋やむらを防止することができる。 請求項2及び3記
載のメルトブロー用ダイにおいては更に、キャピラリー
先端とリップ先端とのクリアランスを成形条件に応じて
調整することができ、ことに請求項2記載のダイにおい
ては、調整手段を利用してリップを矯正プレートに取り
付けることができる。
【0031】請求項4ないし6記載のメルトブロー用ダ
イにおいては、断面が三角形をなすダイ先端部内にキャ
ピラリーが並設されるタイプのものや、キャピラリーが
ダイブロックに片持ばり状に支持されるタイプのもおに
おいても、キャピラリー先端とリップ先端とのクリアラ
ンスを成形条件に応じて調整することができ、ことに請
求項4及び5記載のダイにおいては、調整手段を利用し
てリップをダイブロックに取付けることができる。
【0032】請求項7〜12記載のメルトブロー用ダイ
によれば、セットバックを成形条件に応じて調整するこ
とができ、ことに請求項7〜10記載のメルトブロー用
ダイにおいては、調整手段を利用してリップを矯正プレ
ート又はダイブロックに固定することができる。請求項
13及び14記載のメルトブロー用ダイによれば、リッ
プ先端とキャピラリー先端とのクリアランス及びセット
バックがそれぞれ単独で、独立して他に影響を与えるこ
となく調整することができる。
【0033】請求項15記載のメルトブロー用ダイによ
れば、請求項13及び14記載のメルトブロー用ダイに
おける第2の調整手段を省くことができる。請求項16
記載のメルトブロー用ダイによれば、フィルターにより
溶融樹脂中の劣化物や異物がキャピラリーに混入するの
を防ぐことができ、これによりキヤピラリーが目詰まり
して糸切れしたり、繊維径が変化するのを防ぐことがで
きる。請求項17記載のメルトブロー用ダイにおいて
は、成形中、キャピラリーが目詰まりしたようなときで
も、針金等を差込んで扱くことにより、掃除することが
容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メルトブロー不織布製造装置の斜視部。
【図2】 メルトブロー用ダイの断面図。
【図3】 調整手段の一例を示す断面図。
【図4】 調整手段の別の例を示す断面図。
【図5】 調整手段の更に別の例を示す断面図。
【図6】 調整手段の他の例を示す断面図。
【図7】 本発明に係るメルトブロー用ダイの断面図。
【図8】 別のメルトブロー用ダイの断面図。
【図9】 更に別のメルトブロー用ダイの断面図。
【符号の説明】
14・・・縦溝 16・・・止めネジ 18・・・孔 19、61・・・楔 21・・・ボルト 23・・・ネジ 24・・・ナット 31、41、51・
・・ダイブロック 32、42、53・・・キャピラリー 33、43、65、66・・・ガス室 34、44、5
8・・・リップ 35・・・横孔 36・・・ボルト 37・・・縦溝 38、46、57、
62・・・ボルト 45・・・縦溝 52・・・ノズルプ
レート 54・・・スライドバー 55・・・矯正プレ
ート 56・・・フレーム 60・・・スライダ
ー 64・・・フィルター 67・・・空隙

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイブロックと、ダイブロックに片持ば
    り状に支持されるキャピラリーと、横向きに並ぶキャピ
    ラリーを先端が突出するようにして上下より挟着し固定
    すると共に、ダイブロックとの間に第1のガス室を形成
    する矯正プレートと、先端がキャピラリー先端より越え
    て前方に突出すると共に、キャピラリー先端と適宜のク
    リアランスを存し、矯正プレートとの間に第2のガス室
    を形成するリップよりなり、ガス室に供給したガスをリ
    ップ先端とキャピラリー先端との間のクリアランスより
    吹出させるようにしたことを特徴とするメルトブロー用
    ダイ。
  2. 【請求項2】 リップを矯正プレートに調整手段によっ
    て上下方向に位置調整可能に取付けた請求項1記載のメ
    ルトブロー用ダイ。
  3. 【請求項3】 矯正プレート又はリップが分割され、リ
    ップ先端に連なる部分が他方に調整手段によって上下方
    向に位置調整可能に取付けられる請求項1記載のメルト
    ブロー用ダイ。
  4. 【請求項4】 断面が三角形のダイ先端部を備えたダイ
    ブロックと、ダイ先端部内に横向きに並設されるキャピ
    ラリーと、ダイブロックに調整手段によって上下方向に
    位置調整可能に取付けられ、ダイブロックとの間にガス
    室を形成すると共に、ダイ先端部の上下に適当なクリア
    ランスを存し、かつ先端がキャピラリー先端を越えて前
    方に突出するリップよりなることを特徴とするメルトブ
    ロー用ダイ。
  5. 【請求項5】 ダイブロックとダイブロックに横向きに
    並べて片持ばり状に支持されるキャピラリーと、ダイブ
    ロックに調整手段によって上下方向に位置調整可能に取
    付けられ、ダイブロックとの間にガス室を形成すると共
    に、キャピラリー先端部の上下に適当なクリアランスを
    存し、かつ先端がキャピラリー先端を越えて前方に突出
    するリップよりなることを特徴とするメルトブロー用ダ
    イ。
  6. 【請求項6】 ダイブロック又はリップが分割され、リ
    ップ先端に連なる部分が他方に調整手段によって上下方
    向に位置調整可能に取付けられる請求項4又は5記載の
    メルトブロー用ダイ。
  7. 【請求項7】 ダイブロックと、ダイブロックに横向き
    に並んで片持ばり状に支持されるキャピラリーと、ダイ
    ブロックに調整手段によって前後方向に位置調整可能に
    取付けられ、ダイブロックとの間にガス室を形成すると
    共に、キャピラリー先端部を上下より挟着し、固定する
    リップよりなることを特徴とするメルトブロー用ダイ。
  8. 【請求項8】 ダイブロックと、ダイブロックに片持ば
    り状に支持されるキャピラリーと、横向きに並ぶキャピ
    ラリーを先端が突出するようにして上下より挟着し固定
    すると共に、ダイブロックとの間に第1のガス室を形成
    する矯正プレートと、矯正プレートに調整手段によって
    前後方向に位置調整可能に取付けられ、矯正プレートと
    の間に第2のガス室を形成すると共に、キャピラリー先
    端と適宜のクリアランスを存するリップよりなることを
    特徴とするメルトブロー用ダイ。
  9. 【請求項9】 断面が三角形のダイ先端部を備えたダイ
    ブロックと、ダイ先端部内に横向きに並設されるキャピ
    ラリーと、ダイブロックに調整手段によって前後方向に
    位置調整可能に取付けられ、ダイブロックとの間にガス
    室を形成すると共に、ダイ先端部の上下に適当なクリア
    ランスを存するリップよりなることを特徴とするメルト
    ブロー用ダイ。
  10. 【請求項10】 ダイブロックと、ダイブロックに横向
    きに並べて片持ちばり状に支持されるキャピラリーと、
    ダイブロックに調整手段によって前後方向に位置調整可
    能に取付けられ、ダイブロックとの間にガス室を形成す
    ると共に、キャピラリー先端部の上下に適当なクリアラ
    ンスを存するリップよりなることを特徴とするするメル
    トブロ用ダイ。
  11. 【請求項11】 リップを矯正プレートないしダイブロ
    ックに位置調整可能に取付ける代わりに矯正プレートな
    いしダイブロック又はリップが分割され、リップ先端に
    連なる部分が他方に調整手段によって上下方向に位置調
    整可能に取付けられる請求項7ないし10のいづれかの
    請求項に記載のメルトブロー用ダイ。
  12. 【請求項12】 リップを矯正プレートないしダイブロ
    ックに位置調整可能に取付ける代わりに矯正プレートな
    いしダイブロックがキャピラリーに沿って前後方向に位
    置調整可能である請求項7ないし10のいづれかの請求
    項に記載のメルトブロー用ダイ。
  13. 【請求項13】 ダイブロックと、ダイブロックに片持
    ばり状に支持されるキャピラリーと、横向きに並ぶキャ
    ピラリーを先端が突出するようにして上下より挟着し固
    定すると共に、ダイブロックとの間に第1のガス室を形
    成する矯正プレートと、矯正プレートと一体若しくは固
    着され、矯正プレートとの間に第2のガス室を形成する
    と共に、先端がキャピラリー先端に対峙するリップより
    なるメルトブロー用ダイにおいて、リップより矯正プレ
    ートに至るまでの任意の箇所に上下方向に位置調整可能
    な第1の調整手段と、前後方向に位置調整可能な第2の
    調手段を設けたことを特徴とするメルトブロー用ダイ。
  14. 【請求項14】 ダイブロックと、ダイブロックに横向
    きに並べて片持ばり状に支持されるキャピラリーと、ダ
    イブロックと一体若しくは固着され、ダイブロックとの
    間にカス室を形成すると共に、先端がキャピラリー先端
    と対峙するリップよりなるメルトブロー用ダイにおい
    て、リップよりダイブロックに至るまでの任意の箇所に
    上下方向に位置調整可能な第1の調整手段と、前後方向
    に位置調整可能な第2の調整手段を設けたことを特徴と
    するメルトブロー用ダイ。
  15. 【請求項15】 第2の調整手段を設ける代わりに、矯
    正プレート又はダイブロックが前後方向に位置調整可能
    とされる請求項13又は14記載のメルトブロー用ダ
    イ。
  16. 【請求項16】 請求項1、4、5、7〜10、13及
    び14のいづれかの請求項に記載のメルトブロー用ダイ
    において、キャピラリーの入側に溶融樹脂中の劣化物や
    異物が混入するのを防ぐためのフィルターが設けられる
    ことを特徴とするメルトブロー用ダイ。
  17. 【請求項17】 キャピラリーとフィルターとの間にノ
    ズルメンテ用の空隙が設けられる請求項16記載のメル
    トブロー用ダイ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009529102A (ja) * 2006-03-08 2009-08-13 ゲルキング,リューダー 割繊細糸製造用スピニング装置
CN112391740A (zh) * 2020-09-30 2021-02-23 德玛克(长兴)自动化系统有限公司 一种高韧性熔喷无纺布制造设备
CN112411013A (zh) * 2020-09-30 2021-02-26 德玛克(长兴)自动化系统有限公司 一种高吸附性熔喷布生产加工系统

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