JP2743080B2 - 不織ウェブの製造方法 - Google Patents

不織ウェブの製造方法

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JP2743080B2
JP2743080B2 JP64000826A JP82689A JP2743080B2 JP 2743080 B2 JP2743080 B2 JP 2743080B2 JP 64000826 A JP64000826 A JP 64000826A JP 82689 A JP82689 A JP 82689A JP 2743080 B2 JP2743080 B2 JP 2743080B2
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ピーター・ゲルハード・ブーニング
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アキュレト・プロダクツ・カンパニー
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維のメルトブロ
ー、より詳しく言えばメルトブローダイとその支持装
置、及び細い炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維を制御された
加熱ガス流を用いて細長化するのに適用することに関す
る。
炭素繊維とグラファイト繊維とは溶融炭質材料を細い
押出オリフィスから押出して製造し、細目糸すなわちフ
ィラメントに、紡糸されている。このフィラメントは更
に安定化するために、酸化雰囲気中の熱処理で不融性に
した後、不活性気中で更に熱処理することにより、カー
ボン繊維又はグラファイト繊維に転換される。
熱可塑性樹脂繊維も同様に、マット、ロービングなど
の形状にするには、熱可塑性樹脂の溶融材料を押出オリ
フィスから押出すとともに、押出物に空気を吹込んで作
る。従来、成形と供給空気の制御及び溶融熱可塑性樹脂
と空気の温度制御について多くの問題が生じている。
カーボン繊維又はグラファイト繊維の紡糸には、酸素
が濃厚な(空気)加熱ガスを用いて押出ダイからフィラ
メントを延伸して極小径(約2ミクロン)の繊維を作
る。酸素は溶融繊維に浸入し、繊維の冷却に従って閉じ
込められる。個々の繊維内部に酸素が存在すると繊維が
更に加工する過程で安定化するのに役立つ。溶融繊維の
先駆物質ピッチは適当なタンクから供給された後、適当
なポンプを用いてダイから加圧供給される。溶融ピッチ
はメルトブローダイ内部の横方向に隔置された多数の縦
穴として形成されたダイ開口部から空気流に押出され
る。圧縮空気が傾斜溝を経て押出ピッチ材料に吹付けら
れると複数個の細いピッチ繊維が形成される。ダイ先端
は三角形断面を有し、下方にかつ内向きに更に反対方向
に形成された傾斜側面を持ち、細長化空気流路を形成す
る両側のエアプレートすなわちエアリップにより画成さ
れる三角形開口部に嵌合される。溶融ピッチはダイ開口
部を通過し、その出口から放出時に、該ガス開口部の直
下で交差するように形成された傾斜溝から放出される高
束の加熱ガス流と接触する。空気流は溶融ピッチ繊維を
細長化し、それをダイ先端の開口部の直径よりも格段に
小径に延伸する。
ダイ先端内部の多数の押出開口部に対してピッチ温度
をダイの全長にわたって均一に保持するには種々の問題
点が従来生じている。空気流を繊維の細長化の目的で利
用するとピッチの均一なセット温度の繊維ばかりでな
く、ピッチを多数のオリフィスから加圧押出するのに重
大な悪影響を及ぼす場合がある。多数のオリフィスはダ
イヘッド内部の細穴で形成されかつダイ先端ノーズの先
端に開放している。空気流が存在するとメルトブローダ
イの先端にピッチが蓄積し、細長化用の空気流を妨げる
傾向がある。
繊維又はフィラメント延伸工程を容易にするためにメ
ルトブローダイの種々な改善努力が図られており、米国
特許第3,825,380号は三角形断面を持つ特殊ノーズを含
みかつ極細繊維のメルトブローに特に適したダイを開示
している。このダイはオリフィスがダイの頂点端で開放
する、ダイ先端ノーズの三角形の二辺の接点の端縁上の
デッドエアスペースを排除するように設計されている。
米国特許第4,285,655号はコートハンガダイに関する
もので、マニホールドの入口半径は溶融樹脂の流れ特性
を考慮して選択することにより、溶融体に対して低い入
口速度を与え、該入口から隔離した複数個の押出オリフ
ィスに圧送されるような公式を用いている。
米国特許第4,295,809号は三角形断面を有するダイ先
端ノーズに対してエアリップを移動することで、該ノー
ズの両側上のエア溝を経て吹出される加熱ガス流を制御
する装置を提供する。ダイ先端の傾斜面の接点に対する
エアリップの下面のセットバックの調整、及びエアリッ
プとダイ先端間の空隙(空気流を通過させ、溶融体を押
出す小径穴の下流交点に導くための空隙)の調整を、適
当なスペースを介して行う。
これらの特許技術はメルトブローダイの操作と、メル
トブローよる一様なフィラメントをダイの閉塞を生じる
ことなく製造するものであるが、特に軟化温度が比較的
高い溶融材料に関する問題点が未解決である。
従って、本発明の主な目的は軟化温度が高い炭化繊維
を紡糸した後、それを均質かつ低コストでカーボン繊維
又はグラファイト繊維に変換する工程用に特に適合した
メルトブローダイを提供することにある。このダイでは
細長化に用いられる空気流の制御性が優れていること、
空気流が存在しても溶融ピッチ材が押出時の適当温度を
保持するのに悪影響を受けないこと、空気流がダイ本体
から熱絶縁されていること、ダイの熱安定性と制御に優
れているという特徴を有し、さらにこのダイは構成部品
の分解と組立が容易でかつ特定部品の取外しを、ダイ組
立体を分解しないで行うことができるという特徴を有す
る。
また熱可塑性樹脂の不織ウェブを、操作員の所望によ
り一様性又は不均等を制御して形成する方法を提供する
ことが望ましい。
第1図を参照すると、エアマニホールドフレーム及び
メルトブローダイとの組立体(10)は、二つの主な構成
部品、すなわちエアマニホールドフレーム(12)と、軟
化温度が高い炭質材料の細いフィラメントをピッチ紡糸
した後、カーボン又はグラファイトに変換させるための
メルトブローダイ(14)とを含む。
メルトブローダイ(14)は、その両側にエアマニホー
ルド(16)を固着しており、かつフレーム(12)の中央
に、対向するフレーム部材(19)と一体に形成された取
付ブロック(18)を介してフレーム(12)に固着されて
いる。ダイ(14)はその両端を、フレーム(12)と一体
になるように、取付ブロック(18)にボルト又はねじ締
めされている。
メルトブローダイ(14)は、第1図に示すように、機
械加工した金属製ダイ本体(20)で形成され、ダイ本体
(20)は両側を互に当接させた2個の鏡像割型(22)を
含む。割型(22)の外側には長方形で、平行六面体の空
気室(24)がボルト又はねじ締めしてある。ダイ本体
(20)は、溶融ピッチダイ(14)の先端内部の互に密接
し整合された多数の極小押出穴から押出するためのもの
で、押出物はダイ(14)先端から放出される際に空気な
どの不活性ガス流を衝突させることで細長化される。フ
ィラメントを形成する押出物は、ダイ(14)先端内部の
小径押出穴から、ダイ(14)の両側から空気流を押出物
に対して吹付けることで延伸される。
空気などの不活性圧縮ガスはガス源からエアマニホー
ルド(16)の内部に、矢印(28)で示すように、円筒状
の各エアマニホールド(16)の一端に設けたホース又は
パイプ継手(30)を介して供給される。エアマニホール
ド(16)の両端はエンドキャップ(32)で閉塞してあ
る。エアマニホールド(16)内部の圧縮空気は管(26)
の一端(26a)を経て空気室(24)の両端に給送され
る。管(26)は剛性中空金属管の各端部を接合する波形
管中央部(26b)を含み、該中央部(26b)は、温度変化
に伴う軸方向の伸縮に拘らず流体漏れを防止する継手で
ある。管(26)の反対側の端部(26c)は空気室(24)
の両端部に装着されていて、その内部に開放している。
空気室(24)の長さはダイ本体(20)の長さと同一であ
る。
対向する取付フランジ(34)はダイ本体(20)の両端
部を取付ブロック(18)に対して、ねじ(35)により固
着している。ブロック(18)は、エアマニホールドフレ
ーム(12)と一体に形成されていて、ダイ(14)を使用
時に適所に保持するほか、ダイの保守又は代替のための
取外しを容易にしている。また管継手(26b)は容易に
取外せるのでマニホールドの保守又は代替時に空気室
(24)をエアマニホールド(16)から容易に取外し可能
である。
ダイ本体(20)の割型(22)は、後述するように、一
連の縦方向に隔置された縦穴又は垂直穴(38)を有し、
これらの縦穴(38)には溶融ピッチの流れを保持し、炭
質フィラメントがダイ先端の押出穴から確実に押出され
るようにするカートリッジヒータ(132)が配置されて
いる。更に、第1図に示すように、大直径の円形円筒状
垂直ピッチ流入口(42)が、割型(22)の嵌合する側壁
で画成されるダイ本体(20)の中心線(44)上に形成さ
れている。流入口(42)は、第2図又は第4図が良く示
すように、ピッチ供給管路(図示略)から加圧溶融ピッ
チを受承する。
第2図及び3図について説明すると、本図はメルトブ
ローダイ(14)とその主な構成部品を示している。メル
トブローダイ(14)は割型(22)を含むダイ本体(20)
と割型(22)の外側面(48)にそれぞれ装着された空気
室(24)に加えて、割型(22)に装着されかつダイ本体
(20)の中心線(44)上に延びるダイ先端(50)と、一
対のエア偏向板組立体(52)と、一対のエアプレート
(58)とを含む。エア偏向板組立体(52)は二つの切削
した基本金属ブロック、すなわち雄エア偏向ブロック
(54)と、雌エア偏向ブロック(56)とを含む。
ダイ割型(22)は概ね長方形で平行に配管したもの
で、各割型(22)は外側面(48)の反対の位置に鉛直内
側面(60)と、上面(62)と、底面(64)とを有する。
両側面(48)、(60)は上面(62)と底面(64)と直角
にある。底面(64)の内方には、幅狭溝の底壁(68)
と、横方向対向溝の垂直側壁(70)、(72)と、段付水
平壁(74)とを画成する大きなL字形溝(66)が形成さ
れている。一方、水平壁(74)は肩部(80)を画成する
ために切欠き部(78)において切欠かれている。従っ
て、割型(22)の底部には横方向に隔置された垂直な突
起(76)、(79)がダイヘッドの全長に沿って割型(2
2)の内外両側にそれぞれ延出している。各L字溝(6
6)の内部には雄雌両エア偏向ブロック(54)、(56)
及びダイ先端(50)の両側にエアプレート(58)とが装
着されている。
第4図を参照すると、ダイ割型(22)が、ねじ穴(8
4)にねじ付端部を挿入した多数の連結ボルト又はねじ
(82)を介して相手割型(22)の対向側面(60)(第2
図参照)に当接されている。連結ボルト(82)はコート
ハンガキャビティ(86)の左右両側及び外側に配設して
ある。コートハンガキャビティ(86)は、垂直ピッチ流
入口(42)を有するコートハンガ型鏡像の溝(即ち、マ
ニホールド)(92)と、該溝の下部に位置する流路(9
6)とから形成されている。
ミクロン単位の微小径のカーボン繊維又はグラファイ
ト繊維原料としてのピッチは高軟化点ピッチであるの
で、最初にピッチを約204℃乃至462℃(400゜F乃至800
゜F)の温度に加熱溶融した後、垂直流入口(42)から
コートハンガキャビティ(86)に分配させ、次いでダイ
先端(50)内部においてダイ先端の延伸方向(横方向)
に隔置した数十個又は数百個の小さな垂直押出オリフィ
スすなわち孔(90)、(第4図)から押出してフィラメ
ントにする工程で、この融解温度を保持する必要があ
る。
延伸すべきフィラメントの数量、したがって押出オリ
フィス(90)の個数を最大にすると、コートハンガ型ダ
イ(20)はピッチの滞留時間が極めて長くなり、溶融ピ
ッチの熱による劣化が促進され、また溶融ピッチを小直
径の押出オリフィス(90)から高圧で押出す際にその高
圧に対して耐圧とするために大質量のダイ割型(22)が
必要となることから温度制御が難かしくなり、一様なフ
ィラメントの押出が困難となるという不利益を有する。
コートハンガ型ダイ(20)はこの方法を容易にする。溶
融ピッチは流入口(42)を経て分岐コートハンガ型マニ
ホールド(92)に偏向された後、マニホールド部(92
a)は垂直マニホールド端部(92b)に向けてテーパが付
けてあるので、ピッチの滞留時間分布は押出オリフィス
(90)を有するダイ本体(20)の全長にわたって比較的
均等になる。
流入口(42)は、第2図に示すように、マニホールド
(92)と合流し、またマニホールド(92)は下方にテー
パをつけたコートハンガキャビティ(86)に供給し、ま
たピッチがコートハンガキャビティ(86)の下方部分に
下降するに従って、横方向の側壁(94)が次第に狭くな
る。溶融ピッチがコートハンガキャビティ(86)を経
て、該キャビティ(86)のコンバージェント側壁(94)
の間を下方に強制されると、ピッチは該キャビティ(8
6)の流路(96)に到達する。この流路(96)におい
て、側壁(94)は(94a)の部分で末広がりにしてある
(第2図)。コートハンガキャビティ(86)の傾斜側壁
(94a)は一対のダイ割型(22)の突起(79)内部の末
広がりキャビティ部分(86a)を画成している。
メルトブローダイ(14)は、一連の切削された金属製
ブロックからなり、これらのブロックは、ダイ型割(2
2)とダイ先端(50)を含むダイ組立体(14)の全長に
わたり延伸する。金属製ブロックはステンレス鋼製にす
ることができる。
ダイ先端(50)はダイ型割(22)の中央突起(79)の
全幅と均等な横方向幅を有するほか、上面(102)と、
それと直角な側面(104)と底面(106)とを有する長方
形断面の基底部分(100)を含有している。基底部分(1
00)の中心にはそれと一体に下方に突出する三角形ノー
ズ(108)が設けられている。複数個の押出オリフィス
(90)がダイ先端(50)の中心に孔あけされていて、三
角形ノーズ(108)の先端に開放している。長方形断面
の溝(112)がダイ先端(50)の上面(102)に、コート
ハンガキャビティ(86)の両端部を越えて延伸し、また
一列に並んだ押出オリフィス(90)を幾分越えて伸びる
ように切削してある。長方形溝(112)内部には、該溝
(112)を充填するようにスクリーンパック(114)が装
着されている。このスクリーンパック(114)は150メッ
シュのステンレス鋼製スクリーンなどの標準フィルタ式
媒体であって、ダイ先端(50)内部の小直径押出オリフ
ィス(90)に流れる溶融体の粘度を低減するように溶融
ピッチ材料を剪断する働きがある。スクリーンパック
(114)はコートハンガキャビティ(86)の三角形断面
の流路(96)の最大幅部分(86a)に面していて、溶融
ピッチがスクリーンパック(114)を通過し、次に、押
出オリフィス(90)に流れ込むのを容易にするように取
付けてある。
ダイ先端(50)の基底部分(100)の上面(102)はそ
の両側に段を形成する溝(116)を含み、基底部分(10
0)の段付部分がダイ割型(22)の突起(79)と嵌合す
るようにしてある。
本発明の重要な一特徴は、ダイ(14)の構成部品が保
守と修理の便のために互に離脱可能に取付けてあるほ
か、高軟化温度のメソ相炭素ピッチのフィラメントを加
圧で溶融紡糸できるメルトブローダイを提供することに
ある。ダイ先端(50)をダイ割型(22)の接触面(44)
に沿って、該割型(22)の下端に段付取付けすることは
多数の深座ぐりねじ(120)、(第3図)を用いて行
う。ダイ割型(22)の内方突起(79)の切欠き部(78)
には、一連の縦方向に隔置された整合ねじ穴(122)が
設けてある。またダイ先端(50)の基底部分(100)に
は一列の押出オリフィス(90)と反対側に一連の長手方
向に隔置した孔(124)が穿設されていて、該孔(124)
は深座ぐり部分(126)を有し、取付ねじ(120)の頭部
(120a)を受容するようにしてある。従って頭部(120
a)はダイ先端(50)の底面(106)内部に嵌入されてい
る。
押出ピッチ材料が押出オリフィス(90)から放出され
る際に該ピッチを細長化させるための空気などの加圧不
活性ガスは、溶融材を押出するダイ割型(22)を均等な
高温に持続する必要性を補う傾向がある。本発明による
ダイ割型(22)はかなり幅広であるので、従来用いられ
るメルトブローダイに比べて質量が大きい。また、従
来、カロッド型の電気カートリッジヒーターをダイ本体
(20)に装着し、ピッチを融解温度又はそれ以上に維持
することで、ピッチがコートハンガキャビティ(86)か
ら加圧放出され、ダイ先端(50)内部の押出オリフィス
(90)に均等分配されるようにする。ダイ割型(22)の
横方向の厚さを増大させることによって、カートリッジ
ヒーターを、ピッチ流入口(42)及びコートハンガキャ
ビティ(86)−これらはダイ本体(20)の中心線(44)
上にある−から大きく隔てることができる。従ってダイ
割型はピッチ材料が所望の融解温度を保持して押出オリ
フィス(90)へ圧送されることを保証する大型ヒートシ
ンクとして働く。
本発明の別の特徴は、ダイ割型(22)が縦方向に隔置
したカートリッジヒーター装入用の一連の縦穴又は垂直
穴(38)、(第2図及び第5図)を穿設し、該垂直孔
(38)はロード式カートリッジヒーター(132)を受容
するためのものである。ヒーターは電源(示されていな
い)からリード線(134)を通して電気エネルギーを供
給される(第2図)。垂直穴(38)はダイ割型(22)の
上面(62)から下方に延出し、ダイ割型(22)のほぼ全
垂直距離にわたって延在し、L字形溝(66)の底壁(6
8)の手前で終端している。垂直穴(38)は、深座ぐり
部(138)を有する小直径穴(136)を介して底壁(68)
に開放している。深座ぐり部(138)は取脱可能なねじ
込みプラグ(140)を受容する。ダイ割型(22)の底部
に設けたプラグ(140)は、カートリッジヒーター(13
2)が使用されて膨張し係留した場合にその除去を容易
にするために用いられる。従って、垂直穴(38)の切削
許容誤差を小さくでき、カートリッジヒーター(132)
とダイ本体(20)間の密着性と熱伝導が向上する。この
ような状態の下で、エア偏向ブロック(54)、(56)及
びエアプレート(58)を取外すと、1個又はそれ以上の
プラグ(140)が取外しできるので、穴(136)の直径よ
り小さいプランジャ(図示略)が挿入できる。プランジ
ャの端部でカートリッジヒーター(132)の底部を押す
と、ヒーター(132)は軸方向上部に押されて垂直穴(3
8)から離れるようになる。
本発明の主な特徴は、溶融ピッチが押出オリフィス
(90)から放出される際に押出フィラメントを細長化す
るための空気流の吹付を精密制御し、また流入口(42)
からの溶融ピッチがコートハンガキャビティ(86)を経
てダイ本体(20)の押出オリフィス(90)へ圧送される
際に該溶融ピッチの温度制御が悪影響を受けることなく
行われたことにある。加熱空気はダイ本体(20)の両側
に装着された一対の空気室(24)から供給される。これ
らの空気室(24)は切削鋼材その他の熱伝導性金属構成
部で形成される。空気室(24)は上方部分(142)と下
方部分(144)、(第2図)を備えており、上方部分(1
42)は逆U字形断面を有し、底壁又は上壁(146)と内
外両側壁(148)、(150)とを含む。U字形上方部分
(142)の開放端は修正長方形ブロックに形成した下方
部分(144)で閉塞されている。下方部分(144)は上面
(152)と、下面(154)及び内外両側壁(156)、(15
8)とを含む。上面(152)はその端縁(160)及び(16
2)に上方部分(146)の内外両側壁(148)、(150)の
外端部を受容するための溝を形成している。
空気室(24)の両端部は端壁(164)で閉塞してあ
り、第2図に示すように各端壁(164)は吸気口として
働き、かつ管(26)の一端(26c)に漏止的に接続され
て加圧空気をエアマニホールド(16)から給送するため
の丸穴(166)を有する。空気室(24)の上方、下方両
部分(142)、(144)はダイ割型(22)の外側に取付ね
じ(170)により取付けられており、取付ねじ(170)は
上下両部分(142)、(144)に設けたねじ穴(171)を
通り、ダイ割型(22)のねじ穴(168)に螺入されてい
る。
各空気室(24)の側壁(148)は本発明において重要
でありかつ空気流に対してダイ本体(20)から効果的に
熱絶縁する働きがある。側壁(148)はほぼその全長に
わたって浅い溝(176)が設けられ空気室(24)とダイ
本体(20)間のデッドエアスペース(178)を形成して
いる。このスペース(178)は不活性空気源(28)から
の空気流に伴うダイ本体(20)から空気室(24)への熱
損失を削減するためのものである。
空気室(24)の下方部分(144)はその上面(152)の
中央に比較的深いV字形溝(180)を形成し、また水平
方向に隔置された多数の空気分配穴(182)が下方部分
(144)の側壁(156)から内方にあけられていてV字形
溝(180)に開放している。多数の分配穴(182)は第5
図に示されている。また個数と寸法が同一の空気分配穴
(184)がダイ本体(22)の外側面(48)から内方に形
成されていてL字形溝(66)の底部付近と連通するよう
に整合されている(第2図参照)。空気分配穴(184)
はダイ割型(22)の外側の垂直突起(76)を貫通してい
る。
本発明は雄雌両エア偏向ブロック(56)、(54)を備
えた新規のエア偏向板組立体(52)をL字形溝(66)に
取着している。雄エア偏向ブロック(54)は逆L字形断
面を有し、基部(190)とそれに直角な脚部分(192)と
を含む、基部(190)の幅はL字溝(66)の底壁(68)
と横方向幅と同一であり、また脚部分(192)の鉛直高
さはL字形溝(66)の深さにほぼ等しい。雄雌両エア偏
向ブロック(56)、(54)はダイ本体(20)の長手方向
全長に及ぶ細長い形状で、かつステンレス鋼などの金属
製である。雄エア偏向ブロック(54)は、基部(190)
から直角に突出しかつ脚部分(192)から平行に隔へて
延びる帯状突起(194)を有している。帯状突起(194)
はダイ割型(22)内部の空気分配穴(184)を横断する
ように突設してある。更に空気室(24)の内側壁(14
8)において、雄エア偏向ブロック(54)の基部(190)
はほぼその全幅にわたってダイ割型(22)との間にデッ
ドスペース(198)を形成する浅い溝(196)を有し、該
デッドスペース(198)はダイ割型(22)に直接面する
基部(190)をダイ本体(20)から熱絶縁するためのも
のである。雄エア偏向ブロック(54)の脚部分(192)
は浅い溝(202)を有し、この溝(202)は、垂直側壁
(72)と、ダイ先端(50)の側面(104)とで雄エア偏
向ブロック(54)を熱絶縁するためのデッドエアスペー
ス(204)を画成する。
雌エア偏向ブロック(56)は概ね長方形断面を有し、
その幅はそれを担持するL字形溝(66)の基部(190)
の横方向幅より狭くしてある。雄エア偏向ブロック(5
6)は上面(206)と、底面(208)と、外側面(210)及
び内側面(212)とを備えている。上面(206)はほぼ長
方形の切欠き、すなわち溝(214)を備え、溝(214)は
該ブロック(56)の全長にわたって延伸する。帯状突起
(194)の端部は溝(214)の内部に延伸する。溝(21
4)の幅は帯状突起(194)の厚さよりもかなり広くして
ある。溝(214)を横方向幅と深さ及び帯状突起(194)
の高さ、すなわち雄エア偏向ブロック(54)の基部(19
0)からの突出度によって、雄雌両エア偏向ブロック(5
4)と(56)を適宜離間させ、第2図に矢印で示すよう
に空気流が流れるための曲りくねった流路を与える。雌
エア偏向ブロック(56)の内側面(212)は、雄エア偏
向ブロック(54)の脚部分(192)に直接対向するよう
にその鉛直高さの大部分にわたってくぼみ又は切欠き
(212a)を設けることにより、エア偏向板組立体(52)
の流路の下流部分が形成される。
雄雌エア偏向ブロック(54)、(56)の対向面によっ
て画成された空気路におけるブロック(54)、(56)の
角(かど)はいずれも空気流をスムーズにするように丸
みが付けられている。雄雌エア偏向ブロック(54)、
(56)の対向面の形状は、空気流が両ブロックの対向面
で形成される流路を通過する際に、該空気流の大幅な乱
流化を行うように構成されており、従って空気流の層流
化を防止し、ダイ本体(20)から空気流へ逃げる熱損失
をなくしてフィラメント形成に与える悪影響を防止す
る。
各エア偏向板組立体(52)において、雄エア偏向ブロ
ック(54)は固定式として固着されているが、雌エア偏
向ブロック(56)は異なっている。第3図を参照する
と、ダイ割型(22)内部のねじ穴(216)に取付ねじ(2
18)を螺入していて、また取付ねじ(218)の頭部(218
a)は取付ねじ(218)を通す縦方向に隔置されたねじ穴
(216)に対応する縦方向位置に設けられた、雄エア偏
向ブロック(54)の基部(190)内のテーパ穴(220)に
突出している。
雌エア偏向ブロック(56)は垂直方向に調整できるが
一連の止めねじ(224)(第2図)によりL字形溝(6
6)内部の所定の位置に固定、保持される。止めねじ(2
24)は各割型(22)の底部の該方突起(76)内に設けた
垂直方向に幅が広いだ円形の穴又はスロット(226)に
突出している。雌エア偏向ブロック(56)内部には、止
めねじ(224)を螺入させるためのねじ穴(228)が設け
てある。
雌エア偏向ブロック(56)の上下方向の移動は段階的
に調整され、この調整はダイ割型(22)内部でかつ外方
突起(76)内部に水平方向にあけた少なくとも2組の斜
め方向に離間した平滑内腔の合せ穴(230)を用いて行
う。また各雌エア偏向ブロック(56)は、ダイ割型(2
2)の合せ穴(230)と同一直径にあけた少なくとも2組
の水平方向に整合、隔置された合せ穴(232)を設け、
合せ穴(230)、(232)を整合したとき、合せピン(23
4)(第3図及び第5図)が合せ穴(232)に嵌入される
ようにしてある。
合せピン(234)は雌エア偏向ブロック(56)を階段
的に上げ下げするように働くが、この調整は雄雌エア偏
向ブロック(54)、(56)が画成する空気路の大きさを
修正することではなく、エアプレート(58)をダイ先端
(50)ノーズ(108)の頂部の上下に前進又は後退させ
る量を調整することにある。従って、エアプレート(5
8)は雌エア偏向ブロック(56)の底面(208)と面一に
取着されていて該ブロック(56)と共に上げ下げされ
る。また、エアプレート(58)はダイ先端(50)に対し
て水平方向の位置調整を行うことによって、ダイ先端
(50)内部の押出オリフィス(90)の開放端付近におけ
るエアプレート(58)とダイ先端ノーズ(108)の間の
エアギャップGを種々と変えることができる。エアプレ
ート(58)の全体寸法は、ダイ本体(20)の質量増加に
対応しかつ高軟化温度のメソ相ピッチの押出に要する約
315℃乃至343℃(600乃至650゜F)という高加工温度で
エアプレート(58)がその全長にわたる変形するのを防
ぐために、従来装置に比べて大型化してある。各エアプ
レート(58)は一般に、平行六面体又は長方形ブロック
形状を有し、上面(240)と、底面(242)と、外側面
(244)及び傾斜内側面(246)とを含む。内側面(24
6)の傾斜角はダイ先端(50)におけるノーズ(108)の
両側面(110)の傾斜角に相当し、該側面(110)と相補
関係にある。エアプレート(58)の鉛直高さは三角形断
面を有するダイ先端ノーズ(108)の鉛直高さより幾分
小さくすることによってエアプレート(58)の上面(24
0)をダイ先端基底部(100)の底面(106)から隔置
し、空気流路の一部が画成される。
また、エアプレート(58)の横方向幅はダイ割型外側
突起(76)とダイ先端ノーズ(108)の傾斜側面(110)
との距離よりも小さくしてある。エアプレート(58)
は、ねじ(260)をゆるめ、あるいは締めつけることに
より横方向に移動できる。この移動は各エアプレート
(58)における上面(240)内部の溝(250)で案内さ
れ、雌エア偏向ブロック(56)の底面(208)と対応す
るエアプレート(58)の溝(250)とが接触する。
エアプレート(58)の雌エア偏向ブロック(56)に対
する取付は第3図に示す方法で行われる。エアプレート
(58)内部には、エアプレート(58)の両端の間に渡っ
て一列に配設された複数の水平方向に幅が広がった長円
形穴又はスロット(252)に取付ねじ(254)を挿通させ
ている。取付ねじ(254)のねじ込み端部は、雌エア偏
向ブロック(56)内部の垂直ねじ穴(256)に螺入され
ていて、ねじ穴(256)はエアプレート(58)内部のね
じ穴(252)に対応するような個数と位置に配列してあ
る。取付ねじ(254)の頭部(254b)はねじ穴(252)の
側方でエアプレート(58)の底面(242)に係合する。
取付ねじ(254)を抜脱するときエアプレート(58)と
雌エア偏向ブロック(56)間に滑り接触が生じるので、
エアプレート(58)は雌エア偏向ブロック(56)上で横
方向に移動できるようになる。次に、取付ねじ(254)
を締め付ける。又、エアプレート(58)は垂直方向に昇
降させ、ダイ先端(50)のノーズ(108)の前後(下
側、上側)に突出させることができる。エアプレート
(58)の先端がダイ先端ノーズ(108)の平面の後方に
後退することを空気スロット端縁(245)−ここで各エ
アプレート(58)の傾斜内側面(246)と底面(242)と
が交わる−の「セットバック」と呼ぶ。
更に、ダイ先端ノーズ(108)の傾斜側面(110)とエ
アプレート(58)の傾斜内側面(246)間のエアギャッ
プGの調整は複数個のジャックねじ(260)により容易
に行われる。一連のジャックねじ(260)はメルトブロ
ーダイ(14)の全長に渡る。ジャックねじ群(260)は
各ダイ割型(22)の外側突起(76)内部に開口した垂直
方向に幅広の長円形の穴又はスロット(262)、(第2
図)に挿入されている。図示の実施態様では、スロット
(262)は雌エア偏向ブロック(56)の止めねじ(224)
を受容するスロット群(226)と直線状に並んでいる。
ジャックねじ群(260)は頭部(260a)と、ねじ込み端
部(260b)とを有していて、端部(260b)をスロット
(262)とねじ(260)に対応する縦方向に離隔した位置
において、エアプレート(58)のねじ穴(264)に螺入
している。また、各ジャックねじ(260)にはカラー(2
66)が設けてあり、ジャックねじ(260)をカラー(26
6)と頭部(260a)間で拘束できるようにしてある。ジ
ャックねじ群(260)を回転させると、エアプレート(5
8)がダイ先端ノーズ(108)に対して、横方向に遠近運
動するので、押出フィラメント状ピッチ材料の両側に対
してエアギャップGの寸法が変化する。ダイ割型(22)
内部の長円形スロット群(226)、(262)を設けること
によって、エアプレート(58)の上下調整ができるの
で、押出オリフィス(90)がダイ先端ノーズ(108)の
頂点に開放する箇所で、ダイ先端ノーズ(108)に対し
てエアプレート(58)のセットバックを変えることがで
きる。
以上、ピッチ材料すなわち炭質材料を用いた場合のダ
イ本体の利点について詳述したが、その説明全体がその
まま熱可塑性樹脂について適用できる。溶融プラスチッ
ク樹脂を用いる工程では流速と加工温度が異なることも
あるが、ダイの操作説明は熱可塑性樹脂に適用できる。
本発明の製造方法に適した熱可塑性材料はモノポリマ
ー、コポリマー及びターポリマーなどのポリオレフィン
を含む。適当な材料はポリメタクリル酸メチルとポリエ
チレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂を含む。
また、ポリヘキサメチレンアジパアミド、ポリオメガ−
カルプロアミド及びポリヘキサメチレンセバクアミドな
どのポリアミドも適している。また、ポリスチレンなど
のポリビニル類も適している。更にポリトリフルオロク
ロロエチレンなどのポリマーも使用できるが、好ましい
材料はポリオレフィン類であり、これにはホモポリマー
と、ポリプロピレン系とポリエチレン系のコポリマー及
びその他の高分子量ポリオレフィン類を含む。ポリエチ
レン類はLDPE、HDPE、LLDPE及び超低密度ポリエチレン
を含む。
以上の説明から、メルトブローダイとそれを支持する
エアマニホールドフレームの組立体が高軟化温度のメソ
相ピッチのメルトブローに特に適していることが明かで
あろう。従来、通常のメルトブローダイを用いて製造し
たマットは一般に品質不良で充填不良であり、また短時
間運転でダイの閉塞とダイに過剰圧力が発生した。ま
た、ピッチの軟化点が約260℃(約500゜F)を超えるに
従ってメソ相の傾向が増大し、それに伴ってダイ操作の
安定性と、繊維の同質性と品質が悪影響を受けることか
ら、トラブルが更に拡大する。高濃度のメソ相を含有す
る供給原料をメルトブローダに装入する際に、この供給
原料の高粘度とコークス傾向の増大のために、本発明に
より製作したメルトブローダイが必要になる。本発明の
メルトブローダイは制御制度が向上し、繊維直径の均等
性が高められるので、一定の平均直径を維持するための
空気流量が例えば約1,670/分(60CFM)から約2,265
/分(80CFM)へ大幅に増加し、空気温度は約320℃乃
至327℃(610゜F乃至620゜F)が許容できる。押出ダイ
先端における温度は約290℃乃至307℃(570゜F乃至585
゜F)の範囲にすることができる。約25.4mm(1イン
チ)当たり20個の穴を有するダイ先端であって、押出オ
リフィスの直径が約0.30mm(0.012インチ)でかつエア
プレートの両側に対してダイ先端を約0.28mm(0.011イ
ンチ)だけ前方にセットした場合に作業が大幅に向上し
た。支持フレームを設けたことによりダイのユニット取
外しが容易になり、またダイの両側に取着した空気室を
空気マニホールドから急速分離できる。本発明のダイ本
体は従来のダイ本体に比べて幅広にしたので、カートリ
ッジヒーターをコートハンガキャビティから外方へ移動
したほか、ダイ割型の金属質量が増大したので流入口
(42)からの溶融体がコートハンガキャビティと押出オ
リフィス(90)へ流れる際に、従来に比べて溶融体の加
熱が効果的かつ均等に行われる。更に、この結果とし
て、カートリッジヒーターの縦穴(38)がエア偏向板組
立体(52)のL字形溝(66)と直列になるようになる。
従って、縦穴(38)がダイ割型を貫通するように穴あけ
し、ダイ割型の下面上でL字形溝(66)の箇所に深座ぐ
り部を設け、そこにねじ込みプラグを螺入させることで
縦穴(38)を閉塞することができる。従って、必要によ
りエアプレートと雄雌両エア偏向ブロックを取外すだけ
で、カートリッジヒーターの縦穴(38)に挿入したプラ
グを回して抜き、ロッドを挿入してカートリッジヒータ
ーを強制除去することができる。従って、カートリッジ
ヒータの縦穴(38)は、該ヒーターがその中央部で膨張
する場合でも、カートリッジヒーターの直径とほぼ同一
の直径にすることができる。この結果、カートリッジヒ
ーターが膨張してロックした場合でも、ダイ割型の一方
の端部から軸方向に強制除去することができる。カート
リッジヒーターとダイ割型の縦穴とが相互に密着してい
るので、コートハンガキャビティにおけるピッチ溶融体
の加熱は高い熱伝導効率条件下で、かつピッチ溶融温度
を精密制御して行われる。
本発明では空気室の側壁の溝にダイ割型の外面を正面
当接させることにより、浅い溝がダイ本体と共にデッド
エアスペースを形成し、空気室をダイ割型から熱絶縁し
ている。これらの浅い溝とそれに伴うデッドエアスペー
スとは、ダイ本体と空気室間の熱絶縁を向上するために
適当な熱絶縁在で充填することができる。この種の絶縁
材は耐熱性黒鉛化合物で形成できる。同様に、雄エア偏
向ブロック(54)の基部(190)と脚部分(192)内部の
浅い溝と、ダイ割型(22)内部のL字形溝(66)の底壁
(68)と側壁(72)とが画成したデッドエアスペース
(198)、(204)に対して絶縁体を充填することができ
る。このような構成にすれば雄雌両エア偏向ブロック
(54)、(56)で画成される曲り空気路を通過する空気
流に対してダイ割型から熱損失が最小限に抑えられる。
エアプレート(58)が三角形断面を持つダイ先端ノー
ズ(108)に対して横方向に遠近運動することにより、
押出オリフィス(90)が空気流に対して開放し、該空気
流がダイ出口の押出物の両側から吹付けられる、ダイ先
端ノーズ(108)の両側に存するエアギャップGを変え
ることができる。またエアプレート(58)はダイ先端ノ
ーズ(108)の前方又は後方に段階的に調整できるが、
エアプレート(58)の先端に押出物が蓄積し、空気流を
妨げるのを防ぐためにダイ先端ノーズ(108)の僅かに
後方にセットすることが好ましい。エアプレート(58)
を雌エア偏向ブロックに装着することにより、該ブロッ
クに対してエアプレート(58)を横方向に移動でき、ま
た、エアプレートの上下方向へのセットバックを段階調
整できるようになる。この種の調整はダイ割型(22)と
雌エア偏向ブロック(56)内部の平滑内腔内に選択的に
配置した適当な止めねじ、細長いスロット及び合せピン
を用いて簡単にかつ迅速に行われる。
雄雌エア偏向ブロック(54)、(56)の対向面は空気
流に乱流を付与するために曲りくねった流路を形成する
ような形状に形成し、その後空気流はダイ先端ノーズ
(108)の押出オリフィス(90)から放出された押出材
に対して複式エアギャップGを介して吹付けられるよう
にする。空気室からエアギャップGに至る空気流に生じ
る乱流については第2図中の空気流を示す矢印で最も良
く示されている。
本発明は好ましい実施様態について説明したが、本発
明の範囲と精神から逸脱することなく種々な形式と細部
変更が可能なことは明らかである。
本発明の製造方法と添付図面に従って、ポリプロピレ
ンなどの熱可塑性ポリマーを例えば押出機(図示略)で
処理した後、押出機からダイ(14)へ流入口(42)(第
1図、第2図及び第4図)を介して給送され、次いでコ
ートハンガキャビティ(86)に送られた後、炭質繊維の
加工について記述したメルトブロー工程に導かれる。
熱可塑性ポリマーはガス流の存在下で押出オリフィス
(90)の列から強制排出されるが、ポリマーは空気流の
作用で繊維に細長化された後、ドラム等の可動回収装置
(図示略)上に回収されて連続状マットを形成する。
メルトブローで製造された熱可塑性ポリマーの不織マ
ット又はその不織成形品は作業条件とその制御によって
特性と品質とが大幅に変化する。すなわち、製品の性質
と引張強さと引裂抵抗などの特性は空気流量、ポリマー
流量、空気温度及びポリマー温度によって大幅に影響を
受ける。これらの作業条件は押出繊維とエアナイフの断
面に直交する方向(長さ方向)に対して特に重要であ
る。従来、エアナイフの全長にわたって空気流の一様性
を制御できないために製造努力を断念した例がある。
本発明の製造方法に従って、熱可塑性材料の種類とウ
ェブの型式又は製品の所要特性によって広範囲な作業条
件を用いることができる。不織製品を作るために熱可塑
性材料を押出ダイから押出すための作業温度は任意であ
る。押出ダイ内部の熱可塑性材料の許容温度範囲、従っ
て該材料の周囲のダイヘッドの概略温度は約176℃乃至4
82℃(350゜F乃至900゜F)であり、好ましい温度範囲は
約204℃乃至399℃(400゜F乃至750゜F)である。ポリプ
ロピレンの場合の最も好ましい温度範囲は約204℃乃至3
43℃(400゜F乃至650゜F)である。
エアナイフにおける空気の作業温度は、使用適性を持
つ不織製品が製造される限り任意であるが、許容範囲は
約176℃乃至482℃(350゜F乃至900゜F)である。
熱可塑性樹脂と空気の流量は押出すべき熱可塑性材料
の種類と、押出ヘッドと巻取装置の距離と、使用温度に
よって大幅に変化する。ポリマーに対する空気比の許容
範囲は約20乃至500、ポリプロピレンの場合より一般的
に30乃至100である。代表的なポリマーの流量は各穴に
対し約0.3g乃至1.5g/分、好ましくは約0.5乃至1.0の範
囲内における。
本発明の好ましい製造方法において、ダイ本体の加熱
は7列のカートリッジヒーターにより行われ、各列のヒ
ーターは個別は独立して制御を受け、樹脂の種類とその
押出量によってダイの全長にわたる重量分布を変化させ
ることができる。
加熱帯は、ダイ組立体の端部から熱損失を排除するた
めに、樹脂供給部(コートハンガ部)から突設させるこ
ととしてもよい。
押出ダイの全長にわたって空気の流速を一様にするこ
とはウェブ重量の均一化のために必須である。空気室の
設計では空気流が好ましくは2個の大直径吸気口から複
数個の小直径穴へ均等に流れた後、空気流が押出ダイの
全長にわたり均等な速度で流れるようにする。所望によ
り、空気室(24)内の吸気管内部に設けたインサート
(図示省略)を調整してパイプ(26)の前記複数の穴に
おける流出速度を均一又は不均一にして分布させること
ができる。インサートはガスの均等分布と混合ためにベ
ル曲線断面を有し、管(26)の中間点におけるフロース
ペースが例えば管(26)の壁から約0.3mm(1/8インチ)
と極小になり、かつ管(26)の端部でほぼ完全フロース
ペースになるようにテーパが付けてある。ガスを好まし
くは管(26)の上部に設けたスリット等から流出させた
後、端壁(164)の上部かどで混合し、更に管(26)の
下方の底部分で混合し、ダイ本体(20)の空気路へ給送
される。
ダイ先端とエアナイフとを有効ダイ先端長さである約
101mm(4インチ)を十分超えて延伸させることによ
り、ウェブ端縁の品質に悪影響を及ぼす渦流を排除する
ことができる。
エアギャップの幅を個別にかつ精密にまた再現性のあ
る方法で調整しまたエアナイフに対してダイ先端をセッ
トバックさせるというダイ組立体の調整機能によって、
樹脂の種類に応じてエアギャップとセットバックの最適
値を選択することができる。この最適化の機能はウェブ
の品質又は生産経済性あるいはその双方を目標にするこ
ともできる。
溶融樹脂と空気路とを相互に熱絶縁させることによっ
て、押出ダイの運転時に樹脂温度と空気温度間の温度差
を相当に大きく、好ましくは約37.8℃(100゜F)の温度
差を設けることができるので、高品質ウェブが生産でき
るほか製造プロセスが最適化できる。この特徴はポリオ
レフィン、ポリアミド及びポリエステル類に対して特に
有用である。また、特定の性質をもつウェブの注文生産
も請負うことができる。
実施例 約558mm(20インチ)ダイ組立体と共に前述した装置
に加えて、ポリプロピレン樹脂(エクソン社#3145ハイ
メルトフロー)を用いて、寸法、形状及び品質の均一性
に優れた不織ウェブを製造した。試験は2回行い。第1
回試験の樹脂温度は300℃で空気温度は300℃、また第2
回試験の樹脂温度は285℃で空気温度は285℃であった。
空気容積は約11.328/分(400CFM)であった。試験時
間はそれぞれ2時間であった。各々の試験では繊維を押
出ダイから放出した直後に散水したのみ巻取を行った。
樹脂はコンエア(Con Air)型ホッパーに装入した
後、ニコラス・ゼニス社(Nicolas Zenith)製計量型ポ
ンプを備えたデービッド・スタンダード社(David Stan
dard)製約50.8mm(2 1/2インチ)の押出機を経て押出
ダイから溶融押出しを行った。押出ダイ内に対する空気
の送り込みにはインガソール・ランド社(Ingersoll Ra
nd)製圧縮機とアームストロング社(Armstrong)製エ
アヒーターを使用した。流量調整と作業の記録のために
マイクロプロセッサを用いた。各試験ごとに、幅が約50
8mm(20インチ)の4個のウェブ(10,20,30及び50g/
m2)を製造したのちドラム式巻取装置で回収した。マイ
クロプロセッサはエアナイフに沿って均等な空気流速分
布を維持するようにセットしたので、各ウェブは全幅に
わたって均等な寸法、繊維分布及び重量分布を有するも
のが得られた。これは押出ダイが連続運転において、エ
アナイフの全長にわたる空気流速のばらつきが10%未満
であり、更に空気温度と樹脂温度は実質的に変化しない
ように設定されているためである。ウェブの温度が低下
すると風合いが硬化した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の好ましい一実施態様のエアマニホール
ドフレームとメルトブローダイの組立体の平面図、第2
図は第1図の線2−2についてのメロトブローダイの縦
横断面図、第3図は第1図の線3−3についてのメロト
ブローダイの横縦断面図、第4図はメロトブローダイに
おけるタイ型割の垂直接触面を示す縦断面図、第5図は
メルトブローダイにおいて、ダイ型割とエア偏向板組立
体及びエアプレート間の接続箇所と調節装置とを示す部
分切欠側面図である。 10……エアマニホールドフレームとメルトブローダイの
組立体 12……エアマニホールド 14……メルトブローダイ 16……エアマニホールド 18……取付ブロック 19……フレーム部材 20……ダイ本体 22……ダイ割型 24……空気室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−48921(JP,A) 特開 昭51−78810(JP,A) 米国特許3970417(US,A) 米国特許4295809(US,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性ポリマー繊維の不織ウェブの製造
    方法であって、 (a)ダイ割型(22)を含むダイ(20)の三角形断面を
    有するダイヘッド(108)に設けた一列の押出オリフィ
    ス(90)を介して熱可塑性ポリマーを押出し、 (b)溶融ポリマーを薄く繊維として前記オリフィス
    (90)から平面内に押し出す際に、ガスを空気室(24)
    内に前記空気室の全長に渡って均等な速度で供給するた
    めガスをスリット(27)又は複数の孔を備える管(26)
    から前記空気室(24)内へ導き、さらに前記空気室(2
    4)から前記割型(22)内に設けた複数の流れ分配穴(1
    84)へ導き、さらに、前記複数の分配穴(184)からの
    ガスの流れを前記割型(22)内に設けられ長手方向に延
    伸する溝(66)内へ導き、前記長手方向に延伸する溝
    (66)にガスそらせ手段(54,56,194)を設けて前記分
    配穴(184)から来るガスの流れをかき混ぜ、ガスの速
    度を前記ダイ全長に渡って実質的に均一にして前記平面
    内に薄く押し出される溶融ポリマーの両面に当て、 (c)前記薄く押し出される繊維を前記平面内の受取り
    手段で受け取って、不織ウェブを製造する方法。
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