JPH0721594A - 光記録媒体用基板の製造方法 - Google Patents

光記録媒体用基板の製造方法

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JPH0721594A
JPH0721594A JP18337193A JP18337193A JPH0721594A JP H0721594 A JPH0721594 A JP H0721594A JP 18337193 A JP18337193 A JP 18337193A JP 18337193 A JP18337193 A JP 18337193A JP H0721594 A JPH0721594 A JP H0721594A
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resin
roller
stamper
substrate
molding
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JP18337193A
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English (en)
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Hitoshi Yoshino
斉 芳野
Hirofumi Kamitakahara
弘文 上高原
Hisanori Hayashi
久範 林
Takashi Kai
丘 甲斐
Osamu Shikame
修 鹿目
Toshiya Yuasa
俊哉 湯浅
Naoki Kushida
直樹 串田
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スタンパーのローラーへの固定が不要で、面
精度が良く、成形ローラーの温度を上げても溶融樹脂が
十分冷えるまで接触できるため貼り付きや離型ムラが発
生しない光記録媒体用基板の製造方法を提供する。 【構成】 レーザービームなどの光ビームの照射によっ
て、反射率、透過率などの光学特性を変化させて、情報
の記録・再生を行なう光記録媒体に用いられ、樹脂を溶
融させて押出し、ローラーを用いて成型を行なってプリ
フォーマット付き透明基板を連続的に形成する光記録媒
体用基板の製造方法において、可撓性の樹脂材料から成
り、凹凸パターンがその少なくとも一方の面に形成され
ていて、かつローラーの外周以上の長さを有する連続樹
脂スタンパー8を、押し出した溶融樹脂1と一緒に成形
ローラー2で加熱・冷却・加圧して溶融樹脂を成形する
光記録媒体用基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光記録媒体用基板の製造
方法に関し、詳しくは光学的に情報の記録・再生を行な
う光記録媒体の透明基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種情報の記録には磁気テープ、
磁気ディスク等の磁気材料、各種半導体メモリー等が主
として用いられてきた。この様な磁気メモリー、半導体
メモリーは情報の書き込みおよび読みだしを容易に行う
ことができるという利点はあるが、反面、情報の内容を
容易に改ざんされたり、また高密度記録ができないとい
う問題点があった。かかる問題点を解決するために、多
種多様の情報を効率良く取り扱う手段として、光記録媒
体による光学的情報記録方法が提案され、その為の光学
的情報記録担体、記録再生方法、記録再生装置等が提案
されている。
【0003】かかる情報記録担体としての光記録媒体
は、一般にレーザー光を用いて光記録媒体上の光記録層
の一部を揮散させるか、反射率の変化を生じさせるか、
あるいは変形を生じさせて、光学的な反射率や透過率の
差によって情報を記録し、あるいは再生を行なってい
る。
【0004】この場合、光記録層は情報の書き込み後、
現像処理などの必要がなく、「書いた後に直読する」こ
とのできる、いわゆるDRAW(ダイレクト リード
アフター ライト;direct read afte
r write)媒体であり、高密度記録が可能であ
り、また追加書き込みも可能であることから、情報の記
録・保存媒体として有効である。
【0005】図2は、従来の光記録媒体(光ディスク、
光カード、光テープなど)の模式的断面図であり、図2
(a)はディスク状の光記録媒体、図2(b)はカード
状の光記録媒体を示す。図2において、21は透明基
板、22はトラック溝部、23は光記録層、24はスペ
ーサー、25は接着剤層、26は保護基板である。同図
2において、情報の記録・再生は透明基板21およびト
ラック溝部22を通して光学的に書き込みと読み出しを
行なう。この際、トラック溝部22の微細な凹凸を利用
してレーザー光の位相差によりトラッキングを行うこと
ができる様に構成されている。
【0006】上記の様な、従来のビデオディスク、オー
ディオディスクなどでは、熱可塑性樹脂であるポリ塩化
ビニル(PVC)やポリカーボネート樹脂(PC)を、
あらかじめ情報が記録されている型を用いてプレス成型
法や射出成型法で樹脂基板を製造している。その他に、
成型ローラーで加熱押圧して情報またはプリフォーマッ
トパターンを樹脂シートに転写する方法(特開昭56−
86721号公報)、紫外線・電子線硬化樹脂を用いて
成型ローラーのプリフォーマットパターンを樹脂シート
に転写する方法(特開昭56−84921号公報、特開
昭56−84922号公報、特開昭56−87203号
公報、特開昭56−106829号公報、特開昭56−
126132号公報、特開昭57−50304号公報、
WO88/03311号公報)も用いられている。
【0007】これらの方法は連続製造方法なので効率良
く樹脂基板を製造することができる。その連続成型する
ときの成形ローラーの製造方法としては、ローラーにパ
ターンを直接形成する方法と、枚葉のパターンを形成し
たスタンパー(コマ)を作製して、接着剤などを用いて
ローラーに接着などの方法で固定する方法(特公昭50
−11518号公報)および磁力や吸着、機械的な方法
で枚葉のスタンパーをローラーに固定する方法(実公昭
53−15825号公報、実開昭50−9568号公
報、実開昭57−164839号公報)が用いられてい
る。また樹脂に型のパターンを転写して樹脂型を製造す
る方法も知られている。(特公昭49−117248号
公報、特公昭54−9603号公報、特公昭57−50
343号公報、WO88/03311号公報)しかしな
がら、上記した様な従来のビデオディスク、オーディオ
ディスクなどの方法と異なって、光ディスク、光カー
ド、光テープなどの光記録媒体では、オーディオディス
クなどよりも、はるかに高密度の記録・再生を行なうた
めに、従来の方法よりもはるかに高い微細なパターン精
度と表面精度が要求される。そのために樹脂基板の成形
装置にも良いパターン精度と表面精度が要求されてい
る。
【0008】特に、成形するローラーの表面精度が悪い
か不均一であると、押し出した樹脂が、成形時に十分加
圧された状態にならないために、微細なパターンが精度
良く転写されなかったり、成形ムラで基板の厚さが不均
一になったり、用いる樹脂によっては透明性や複屈折な
どの光学特性が低下する問題点がある。
【0009】一方、ローラーにパターンを直接形成する
方法では、ローラーの表面は精度良く加工することは出
来るが、円筒状のローラー表面に精度良くパターンを描
画または転写するのは困難であるという問題点がある。
また、成形の際に樹脂の付着や焼き付きなどでローラー
表面が汚れると、その都度ローラーを洗浄しなければな
らないため、操作性が著しく悪くなってしまうという問
題点も生じている。
【0010】また、枚葉のスタンパーを作製して、ロー
ラーに接着などの方法で固定する方法では、一枚ごとに
スタンパーを作成することができるため、フォトリソ関
係の装置を用いて、パターン精度を良く作製することは
可能である。得られた枚葉のスタンパーは接着剤または
機械的な固定方法を用いて、一本の表面ローラーに複数
枚のスタンパーを固定することが多く行なわれている。
このような方法ではスタンパーの端で段差を生じてロー
ラーの表面精度が悪くなるという問題点がある。また、
ローラーの表面精度を十分に良くできる固定方法がない
という問題点がある。成形によってスタンパ表面に汚れ
が生じるが、洗浄する度にスタンパをローラーから取り
外して、再度取り付けなければならないという問題点も
ある。
【0011】その他には、成形ローラーの温度を高くす
ると成形された樹脂シートの歪みが小さくなり、凹凸パ
ターンの転写率も良くなるが、樹脂が十分に冷めない時
にローラーから離れるためにローラーに貼り付いてしま
って、剥離ムラができるという問題点も生じている。
【0012】また、熱膨張率が金属スタンパーと樹脂で
は異なるため、樹脂の熱収縮の補正をスタンパーに対し
て行わなければならない。溶融樹脂は成形中に延伸され
るために押し出し方向に垂直方向と水平方向で補正率が
異なるため、補正が困難であるという問題点も生じてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決する目的でなされたものであり、スタンパーのロー
ラーへの固定が不要で、かつ面精度が良く、成形ローラ
ーの温度を上げても溶融樹脂が十分冷えるまで接触でき
るため貼り付きや離型ムラが発生しない光記録媒体用基
板の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、レーザ
ービームなどの光ビームの照射によって、反射率、透過
率などの光学特性を変化させて、情報の記録・再生を行
なう光記録媒体に用いられ、樹脂を溶融させて押出し、
ローラーを用いて成型を行なってプリフォーマット付き
透明基板を連続的に形成する光記録媒体用基板の製造方
法において、可撓性の樹脂材料から成り、凹凸パターン
がその少なくとも一方の面に形成されていて、かつロー
ラーの外周以上の長さを有する連続樹脂スタンパーを、
押し出した溶融樹脂と一緒に成形ローラーで加熱・冷却
・加圧して溶融樹脂を成形することを特徴とする光記録
媒体用基板の製造方法である。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。図1は本
発明の光記録媒体用樹脂基板の製造方法の一実施態様を
示す断面図である。同図1において、本発明の光記録媒
体用樹脂基板の製造方法では、ホッパー6から投入され
た樹脂は、ルーダー5で加熱融解されて溶融樹脂1にな
る。その後にTダイ4から押し出される。押し出された
溶融樹脂は、テンションローラー9と成形ローラー2と
の間に張られた連続樹脂スタンパー8の巻き付けられた
成形ローラー2の上で冷却・加圧されて樹脂シート10
になる。この時に溶融樹脂1は、連続樹脂スタンパー8
の上に接したまま、成形ローラー2と加圧ローラー3で
加圧と冷却されて連続樹脂スタンパー8上の凹凸パター
ンが転写される。凹凸パターンを転写された樹脂シート
10は引き取りローラー7によって引き取られて、次の
工程に送られる。
【0016】本発明の光記録媒体用基板の製造方法を用
いることによって、凹凸パターンが形成されている可撓
性の樹脂材料からなる連続樹脂スタンパーを、成形ロー
ラーとテンションローラーの間で張力をかけて張ること
で、スタンパーのローラーへの固定が不要で、成形面の
面精度を良くすることもできる。
【0017】また、連続樹脂スタンパーを用いることで
成形ローラーの温度を上げても十分に温度が下がるまで
スタンパーと接触させることができるため、離型ムラや
貼り付きが発生することがなく良い転写性で歪みが少な
い成形を行なうことができる。従来の製造工程が多く、
高価な金属スタンパーの代わりに安価な連続樹脂スタン
パーを用いて一定枚数成形に使用した後、新しいスタン
パと交換することによって、ローラーの洗浄が不要にな
る。さらに、溶融樹脂と樹脂スタンパーの熱膨張率がほ
とんど同じため、熱収縮の補正が不要になる。
【0018】本発明における連続樹脂スタンパーを製造
する方法は、一般的に樹脂型の製法に用いられている方
法であれば、いづれの方法でも用いることができる。例
えば、記録すべき情報に対応した凹凸パターンが形成さ
れた原盤を用いて、成形温度で溶融しない可撓性の樹脂
材料から成る樹脂材料の上に紫外線または電子線などの
放射線で硬化する樹脂や、熱、圧力などで反応して重合
して硬化する樹脂を用いて凹凸パターンを転写する方
法、熱可塑性を有する樹脂を用いて凹凸パターンを転写
する方法、または熱成型性を有する紫外線または電子線
などの放射線で硬化する樹脂を用いる方法の中から自由
に選択して用いることができる。
【0019】一枚の連続樹脂スタンパーには凹凸パター
ンの形成を複数回行なって多数の凹凸パターンを形成す
ることが望ましい。枚葉でスタンパーを形成してから端
部を繋げて連続樹脂スタンパーを形成することも可能で
あり、また繋ぎ目のない連続樹脂スタンパーを最初から
形成しても良い。スタンパの端部を繋ぐ方法としては接
着、熱融着、溶接などの方法を用いることができる。
【0020】連続樹脂スタンパーの厚さはローラーに良
く密着して、成形中に伸びたり、変形したりしない厚さ
であれば、いづれの厚さでも用いることができる。好ま
しい厚さの範囲は10μm〜10mmである。厚さムラ
が大きいと成形ムラが生じたり、ポリカーボネートなど
の光学異方性を持つ樹脂を成形したりするときに複屈折
を生じたりする。そのため、スタンパー面内の厚さムラ
は100μm以下、より好ましくは10μm以下であ
る。
【0021】凹凸パターンが形成された連続樹脂スタン
パーの凹凸パターン面表面に必要に応じてニッケル、ク
ロムなどの金属または金属化合物、金属の合金類、ガラ
ス、セラミクスなどからなる硬化膜・保護膜を形成する
ことも可能である。また連続樹脂スタンパーの凹凸パタ
ーン面の反対面に凹凸パターン面のように保護層を形成
しても良く、裏打ち材を貼り合わせることも可能であ
る。
【0022】成形ローラーは、硬度が高く、熱伝導率の
良いものであれば、どのような材料でも用いることがで
きるが、例えば、鉄、クロム鋼などの金属、金属合金、
金属化合物などを用いることができる。ローラー表面の
加工処理としては脱錆、脱脂、水分を除去して研磨す
る。表面精度は成型する光記録媒体の面精度と、ほぼ同
じかまたはそれよりも良い面精度が必要である。また、
必要に応じて表面に窒化チタンなどの硬化膜、シリコン
などの保護層を形成することもできるし、クロムメッキ
などのメッキを施すことも可能である。
【0023】成形ローラー2とテンションローラー9の
間に連続樹脂スタンパー8を張力をかけて張る。連続樹
脂スタンパーにシワや弛みができない範囲であればいづ
れの張力でも用いることができる。好ましい張力は0.
01〜10kg/cmである。連続樹脂スタンパーの幅
方向に張力ムラがないことが必要である。張力ムラの発
生を避けるために、テンションローラー9の太さを端と
中央で異なる太さにしても良い。
【0024】樹脂シート10の製造に用いる樹脂は、熱
可塑性を持つ樹脂であればいづれの樹脂でも用いること
ができる。たとえば、ポリカーボネート樹脂、ポリメチ
ルメタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン
樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂などの光透過性の良い高分子材料
またはそれらのコーポリマーを、必要に応じて単独でま
たは混合させて用いることができる。これらの樹脂中に
離型材、粘度調節材、酸化防止材、ワックスなどの各種
添加物を必要に応じて適量添加しても良い。
【0025】樹脂の溶融温度は50〜500℃の範囲
で、用いる樹脂によって自由に選択できる。好ましい範
囲は100〜400℃である。押し出して樹脂シート1
0を形成する速度も0.1〜1000m/分の間で自由
に選択できる。好ましい速度範囲は2〜50m/分であ
る。
【0026】溶融樹脂1に凹凸パターンを転写時の、成
形ローラー2と加圧ローラー3での押し圧は0.1kg
/cm2 以上が良く、好ましくは1〜10kg/cm2
の範囲が良い。
【0027】本発明の方法で製造された基板は、光記録
層または反射層、その他必要に応じて保護層などを設け
て光記録媒体を作成する。これらの方法または材料は一
般に光記録媒体に用いられているものを自由に選択して
用いることができる。また、本発明の連続樹脂スタンパ
ーは、例えば、光ディスク,光カード、光テープ,光コ
イン等のあらゆる光記録媒体用基板の製造に用いること
ができる。
【0028】
【作用】本発明の光記録媒体用基板の製造方法は、成形
ローラーとテンションローラーの間で張力をかけて張っ
た連続樹脂スタンパー用いて、溶融樹脂を成型すること
によって、微細なパターンが精度良く形成されて、かつ
平面性の良い樹脂基板を安価に、かつ生産性良く製造す
ることができる製造方法を提供するものである。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではな
い。
【0030】実施例1 肉厚5mm、内径1000mmφの鉄製の円筒の内側を
鏡面に研磨して、トラックピッチ12μm、溝幅2.8
μm、深さ3000Åの光カード標準パターンの溝が形
成された100×100mmのニッケル製原盤(厚さ3
00μm)48個(12×4列)をエポキシ系接着剤
(ノガワケミカル社製、ダイヤボンド2000S)で一
周に12個ずつ4列に、中心対称になるように接着して
固定した。原盤間の隙間にはシリコン系樹脂(東芝シリ
コン社製、TSE322)を用いて原盤の表面と段差が
できないように埋めた。離型性を良くするために円筒の
内側に離型剤をコートした。
【0031】この原盤付き円筒に離型剤をコートした芯
材を1mmの一定の隙間になるように挿入してから、熱
硬化性樹脂(東レ社製、ケミット)を流し込んだ。常温
で3時間真空脱泡してから、転写を良くするため70℃
まで温度を上げて30分加熱してから、さらに温度を上
げて180℃で一昼夜加熱して連続樹脂スタンパーを得
た。パターンの転写は深さで95%であり(テーラーホ
ブソン社製、タリステップ)、線幅およびトラックピッ
チの転写は100%であり(エリオニクス社製、表面形
状測定機)、パターン転写率は良好であった。スタンパ
ーの厚さムラは最大値で10μmであり十分小さかっ
た。(ミツトヨ社製、マイクロメータ)
【0032】図1に示す、表面に1μmの厚さにクロム
メッキして0.1Sの精度まで研磨した、ローラー径3
00mmφの鉄製ローラーを成形ローラーに、同じよう
に研磨したローラー径100mmφの鉄製ローラーをテ
ンションローラーに用いて、両ローラーをそれぞれ、ポ
リシングロール機(日立造船社製、GOMP40.2
H)に取り付けて前述の連続樹脂スタンパーを両ローラ
ーの間で張力が1Kg/cmなるように張った。連続樹
脂スタンパーに皺や弛みはなかった。その状態で成形ロ
ーラーの表面の凹凸を測定すると連続樹脂スタンパー一
周において最大値で20μmであり、十分に精度良くロ
ーラー上に固定されていた。(キーエンス社製、ギャッ
プ測定機)
【0033】ポリカーボネート(帝人化成社製、K−1
285)を、押し出し速度4.5m/分、ダイ温度は2
59℃、ローラー温度145℃の条件で、0.4mmの
厚さに押し出した。前述の連続樹脂スタンパーを、押し
出し速度と同じ速さで送って、溶融樹脂と成形ローラー
で連続樹脂スタンパーを挟むようにして、溶融樹脂を冷
却・成型しながら樹脂スタンパー上のパターンを溶融樹
脂に転写した。ローラー温度160℃まで上げても樹脂
の貼り付きや離型ムラは発生しなかった。連続樹脂スタ
ンパーの各パターンについて、1千ショット成形しても
樹脂汚れは付着しなかった。それから、テンションロー
ラーの張力を緩めてから成形ローラー2を分割部11で
2つに分割して連続樹脂スタンパーを交換した。(図3
参照)交換して再び張力をかけて貼るのに要した時間は
10分間であり、樹脂の押し出しを止めずに行なうこと
ができた。
【0034】押し出し成形した基板を測定したところ、
複屈折の値はシングルパスで20nmであった(日本電
子光学社製、複屈折測定機、λ=830nm)。光透過
率は89%で十分に透明であり、樹脂の酸化による変色
はなかった(日立社製、U−3400、λ=830n
m)。連続樹脂スタンパーに形成されていたプリフォー
マットパターンの転写率は、深さで97〜98%であっ
た(テーラーホブソン社製、タリステップ)。線幅およ
びトラックピッチの転写は95〜96%で十分に良好で
あった。押し出し方向に垂直方向と水平方法で線幅とト
ラックピッチの転写に差がなかった(エリオニクス社
製、表面形状測定機)。
【0035】この基板を86×54mmに切断して、下
記構造式(I)で示される、光記録材料を溶剤塗布し
た。
【0036】
【化1】
【0037】0.25mmの厚さのポリカーボネート
(帝人化成社製、パンライト202)を保護基板・裏材
として50μmの厚さのホットメルト系接着剤(EVA
7500EXP80、ヒロダイン社製)を用いて接着し
てから、86×54mmのカードサイズに切断して、光
カードを完成させた。
【0038】記録・再生したところ、カードの送り速度
が記録時60mm/秒、再生時400mm/秒、書き込
み周波数7.65KHz、書き込みパワー3.5mW、
読み出しパワー0.2mWでバイトエラーレイトは1×
10-5、C/N比で48dBであった。
【0039】実施例2 実施例1と同じ光カードパターンが、12パターン形成
された5mm厚で340×300mmのフォトマスク
(HOYA)を、1mmφのクロムメッキ鋼のスペーサ
ーを介して、5mm厚のガラス板と平行に設置した。そ
の中にポリイミド樹脂(三井東圧社製、LARC−TP
I)を注ぎ、温度350℃、1kg/cm2 の圧力条件
で15時間加熱して硬化させて樹脂スタンパーを製作し
た。端部を接着して(三井東圧社製、LARC−TP
I)連続樹脂スタンパーを形成した。パターンの転写は
深さで98%であり、線幅およびトラックピッチの転写
は100%であり、パターン転写率は良好であった。ス
タンパーの厚さムラは最大値で10μmであり十分小さ
かった。
【0040】実施例1と同じ成形ローラー、テンション
ローラー、押し出し成形機を用いて、実施例1と同じよ
うに連続樹脂スタンパーを張った。連続樹脂スタンパー
に皺や弛みはなかった。実施例1と同じように成形ロー
ラーの表面の凹凸を測定すると、連続樹脂スタンパー一
周において最大値で20μmであり、十分に精度良くロ
ーラー上に固定されていた。
【0041】実施例1と同じ条件でポリカーボネート樹
脂を押し出して成形した。ローラー温度を160℃まで
上げても、樹脂の貼り付きや離型ムラは発生しなかっ
た。実施例1と同じようにスタンパーの交換を行なった
が所用時間は10分間で十分に短時間であった。実施例
1と同じように押し出し成形した基板を測定したとこ
ろ、複屈折の値はシングルパスで20nmであった。光
透過率は89%で十分に透明であり、樹脂の酸化による
変色はなかった。連続樹脂スタンパーに形成されていた
プリフォーマットパターンの転写率は、深さで97〜9
8%であった。線幅およびトラックピッチの転写は95
〜96%で十分に良好であり、押し出し方向に垂直方向
と水平方法で線幅およびトラックピッチの転写に差がな
かった。
【0042】実施例1と同じように記録層を形成して、
裏材の貼り合わせ、切断を行なって光カードを製作し
た。実施例1と同じ方法で記録・再生したところ、バイ
トエラーレイトは1×10-5、C/N比で48dBであ
った。
【0043】実施例3 実施例2と同じフォトマスクを用いて、同フォトマスク
上に紫外線硬化樹脂(旭化成工業社製、A.P.R.)
をスクリーン印刷法を用いて10μmの厚さに塗布し
た。0.1mm厚さのポリイミド樹脂シート(デュボン
社製、カプトン)を樹脂を塗布したフォトマスク上に気
泡が入らないように重ね合わせた。5KWの紫外線ラン
プ(ウシオ電気社製)を用いて、ベースフィルム側から
80W/cm、距離10cmの条件で紫外線照射を行な
って紫外線硬化樹脂液を硬化させてパターンを転写して
樹脂スタンパーを製作した。実施例2と同じようにスタ
ンパー端部を接着して連続樹脂スタンパーを形成した。
パターンの転写は深さで98%であり、線幅およびトラ
ックピッチの転写は100%であり、パターン転写率は
良好であった。スタンパーの厚さムラは最大値で10μ
mであり十分小さかった。
【0044】実施例1と同じ成形ローラー、テンション
ローラー、押し出し成形機を用いて、実施例1と同じよ
うに連続樹脂スタンパーを張った。連続樹脂スタンパー
に皺や弛みはなかった。実施例1と同じように成形ロー
ラーの表面の凹凸を測定すると、連続樹脂スタンパー一
周において最大値で20μmであり、十分に精度良くロ
ーラー上に固定されていた。
【0045】実施例1と同じ条件でポリカーボネート樹
脂を押し出して成形した。ローラー温度を160℃まで
上げても、樹脂の貼り付きや離型ムラは発生しなかっ
た。実施例1と同じようにスタンパーの交換を行なった
が所用時間は10分間で十分に短時間であった。実施例
1と同じように押し出し成形した基板を測定したとこ
ろ、複屈折の値はシングルバスで20nmであった。光
透過率は89%で十分に透明であり、樹脂の酸化による
変色はなかった。連続樹脂スタンパーに形成されていた
プリフォーマットパターンの転写率は、深さで97〜9
8%であった。線幅およびトラックピッチの転写は95
〜96%で十分に良好であり、押し出し方向に垂直方向
と水平方法で線幅およびトラックピッチの転写に差がな
かった。実施例1と同じように記録層を形成して、裏材
の貼り合わせ、切断を行なって光カードを製作した。実
施例1と同じ方法で記録・再生したところ、バイトエラ
ーレイトは1×10-5、C/N比で48dBであった。
【0046】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明における連続
樹脂スタンパーを用いることによって以下の効果があ
る。 (1)スタンパーを成形ローラーとテンションローラー
の間で張力をかけて張るため、スタンパーのローラーへ
の固定が不要で、かつ面精度を良くすることができる。 (2)凹凸パターンの転写性を良くして、樹脂の歪みを
小さくするために、成形ローラーの温度を上げても、溶
融樹脂が十分冷えるまで接触できるため、貼り付きや離
型ムラが発生しない。 (3)溶融樹脂とスタンパーの熱膨張率がほぼ同じた
め、熱収縮率の補正が不要になる。 (4)スタンパに樹脂材料を用いることができるため、
成形で汚れたら簡単に交換することができ、ローラーの
洗浄が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体用基板の製造方法を示すの
概略断面図である。
【図2】従来の光記録媒体の断面図である。
【図3】本発明における連続樹脂スタンパーを交換する
方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 溶融樹脂 2 成形ローラー 3 加圧ローラー 4 Tダイ 5 ルーダー 6 ホッパー 7 引き取ローラー 8 連続樹脂スタンパー 9 テンションローラー 10 成形された樹脂シート 11 分割部 21 透明基板 22 トラック溝部 23 光記録層 24 スペーサー 25 接着剤層 26 保護基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐 丘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鹿目 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 湯浅 俊哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 串田 直樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザービームなどの光ビームの照射に
    よって、反射率、透過率などの光学特性を変化させて、
    情報の記録・再生を行なう光記録媒体に用いられ、樹脂
    を溶融させて押出し、ローラーを用いて成型を行なって
    プリフォーマット付き透明基板を連続的に形成する光記
    録媒体用基板の製造方法において、可撓性の樹脂材料か
    ら成り、凹凸パターンがその少なくとも一方の面に形成
    されていて、かつローラーの外周以上の長さを有する連
    続樹脂スタンパーを、押し出した溶融樹脂と一緒に成形
    ローラーで加熱・冷却・加圧して溶融樹脂を成形するこ
    とを特徴とする光記録媒体用基板の製造方法。
JP18337193A 1993-06-30 1993-06-30 光記録媒体用基板の製造方法 Pending JPH0721594A (ja)

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