JPH07215939A - 2−クロロ−5−アミノメチルピリジンの分離方法 - Google Patents
2−クロロ−5−アミノメチルピリジンの分離方法Info
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- JPH07215939A JPH07215939A JP1294594A JP1294594A JPH07215939A JP H07215939 A JPH07215939 A JP H07215939A JP 1294594 A JP1294594 A JP 1294594A JP 1294594 A JP1294594 A JP 1294594A JP H07215939 A JPH07215939 A JP H07215939A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 2−クロロ−5−アミノメチルピリジンを高
収率及び高純度で分離収得する方法を提供する。 【構成】 3−アミノメチルピリジン及び2‐クロロ−
5−アミノメチルピリジンを含有する有機液体を、該有
機液体に相溶性のエステル類及びエーテル類、並びに水
に難溶性のアルコールからなる群から選ばれた少なくと
も1種類の有機溶媒で希釈し、pH値を2〜5に維持さ
せた水性媒体に接触させて、3−アミノメチルピリジン
の実質的に全量を水性媒体に抽出させ、さらに水性媒体
層を分離後、残存する有機層に含まれる2−クロロ−5
−アミノメチルピリジンを分離取得する。 【効果】 本発明によれば、医薬、農薬の中間体として
有用な2−クロロ−5−アミノメチルピリジンを、高収
率及び高純度で工業的に有利に分離取得できる。
収率及び高純度で分離収得する方法を提供する。 【構成】 3−アミノメチルピリジン及び2‐クロロ−
5−アミノメチルピリジンを含有する有機液体を、該有
機液体に相溶性のエステル類及びエーテル類、並びに水
に難溶性のアルコールからなる群から選ばれた少なくと
も1種類の有機溶媒で希釈し、pH値を2〜5に維持さ
せた水性媒体に接触させて、3−アミノメチルピリジン
の実質的に全量を水性媒体に抽出させ、さらに水性媒体
層を分離後、残存する有機層に含まれる2−クロロ−5
−アミノメチルピリジンを分離取得する。 【効果】 本発明によれば、医薬、農薬の中間体として
有用な2−クロロ−5−アミノメチルピリジンを、高収
率及び高純度で工業的に有利に分離取得できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬、農薬の中間体とし
て有用な2−クロロ−5−アミノメチルピリジンの分離
方法に関するものである。
て有用な2−クロロ−5−アミノメチルピリジンの分離
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2−クロロ−5−アミノメチルピリジン
は、独国公開特許第3726993号明細書に記載され
ているように、2−クロロ−5−シアノピリジンをアン
モニア存在下に接触水素還元する反応により合成できる
ことが知られており、該独国公開特許においては、目的
生成物である2−クロロ−5−アミノメチルピリジンは
蒸留により分離取得されている。
は、独国公開特許第3726993号明細書に記載され
ているように、2−クロロ−5−シアノピリジンをアン
モニア存在下に接触水素還元する反応により合成できる
ことが知られており、該独国公開特許においては、目的
生成物である2−クロロ−5−アミノメチルピリジンは
蒸留により分離取得されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2−ク
ロロ−5−アミノメチルピリジンは熱安定性が低く、ま
たその合成過程によって脱クロル体である3−アミノメ
チルピリジンとの分離が難しいことなどから、通常の蒸
留による分離方法では高収率かつ高純度で単離すること
が困難であった。このため工業的に有利な分離方法の確
立が望まれていた。
ロロ−5−アミノメチルピリジンは熱安定性が低く、ま
たその合成過程によって脱クロル体である3−アミノメ
チルピリジンとの分離が難しいことなどから、通常の蒸
留による分離方法では高収率かつ高純度で単離すること
が困難であった。このため工業的に有利な分離方法の確
立が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは医薬、農薬
の有用な中間体である2−クロロ−5−アミノメチルピ
リジンを高収率かつ高純度で単離する方法について鋭意
検討した結果、本発明に到達したものである。即ち、本
発明の要旨は、2−クロロ−5−アミノメチルピリジン
及び3−アミノメチルピリジンを含有する有機液体を、
該有機液体と相溶性のあるエステル類及びエーテル類、
並びに水と難溶性のアルコール類からなる群から選ばれ
る少なくとも1種類の有機溶媒で希釈し、次いで得られ
る希釈液をpHを2〜5に維持させた水性媒体と接触さ
せて、3−アミノメチルピリジンの実質的全量を該水性
媒体中に抽出させ、さらに水性媒体層を分離後、残存す
る有機層中に含まれる2−クロロ−5−アミノメチルピ
リジンを分離することを特徴とする2−クロロ−5−ア
ミノメチルピリジンの分離方法に存する。
の有用な中間体である2−クロロ−5−アミノメチルピ
リジンを高収率かつ高純度で単離する方法について鋭意
検討した結果、本発明に到達したものである。即ち、本
発明の要旨は、2−クロロ−5−アミノメチルピリジン
及び3−アミノメチルピリジンを含有する有機液体を、
該有機液体と相溶性のあるエステル類及びエーテル類、
並びに水と難溶性のアルコール類からなる群から選ばれ
る少なくとも1種類の有機溶媒で希釈し、次いで得られ
る希釈液をpHを2〜5に維持させた水性媒体と接触さ
せて、3−アミノメチルピリジンの実質的全量を該水性
媒体中に抽出させ、さらに水性媒体層を分離後、残存す
る有機層中に含まれる2−クロロ−5−アミノメチルピ
リジンを分離することを特徴とする2−クロロ−5−ア
ミノメチルピリジンの分離方法に存する。
【0005】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
使用される2−クロロ−5−アミノメチルピリジン及び
3−アミノメチルピリジンを含有する有機液体として
は、特にその由来について制限はないが、2−クロロ−
5−シアノピリジンを還元反応させて得られる反応生成
液、例えばラネーニッケル、Pt/C、Pd/C、Rh
/C、Rh/Al2O3等の水素化触媒及び溶媒存在下水
素還元反応を行い、該反応生成液、即ち2−クロロ−5
−アミノメチルピリジン及び3−アミノメチルピリジン
のほかにビス(2−クロロ−5−ピリジルメチル)アミ
ン、2−クロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジンメ
チレンアミノ)メチル]ピリジン及び2−クロロ−5−
ホルミルピリジンを含有する反応生成液から触媒を分離
して得られるものが挙げれる。
使用される2−クロロ−5−アミノメチルピリジン及び
3−アミノメチルピリジンを含有する有機液体として
は、特にその由来について制限はないが、2−クロロ−
5−シアノピリジンを還元反応させて得られる反応生成
液、例えばラネーニッケル、Pt/C、Pd/C、Rh
/C、Rh/Al2O3等の水素化触媒及び溶媒存在下水
素還元反応を行い、該反応生成液、即ち2−クロロ−5
−アミノメチルピリジン及び3−アミノメチルピリジン
のほかにビス(2−クロロ−5−ピリジルメチル)アミ
ン、2−クロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジンメ
チレンアミノ)メチル]ピリジン及び2−クロロ−5−
ホルミルピリジンを含有する反応生成液から触媒を分離
して得られるものが挙げれる。
【0006】この有機液体の組成は、通常2−クロロ−
5−アミノメチルピリジン40〜70wt%、3−アミ
ノメチルピリジン5〜20wt%、ビス(2−クロロ−
5−ピリジルメチル)アミン5〜10wt%、2−クロ
ロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミ
ノ)メチル]ピリジン5〜40wt%、2−クロロ−5
−ホルミルピリジン1〜10wt%、その他反応溶媒等
3〜10wt%程度である。この時、有機液体の組成
は、後述する特定のpH範囲における水性媒体層への3
−アミノメチルピリジンの抽出効率を考慮すると、2−
クロロ−5−アミノメチルピリジン50〜80wt%、
3−アミノメチルピリジン5〜20wt%、更にビス
(2−クロロ−5−ピリジルメチル)アミン及び2−ク
ロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミ
ノ)メチル]ピリジン各々5〜30wt%、並びにその
他の成分については5〜20wt%程度であることが好
ましい。
5−アミノメチルピリジン40〜70wt%、3−アミ
ノメチルピリジン5〜20wt%、ビス(2−クロロ−
5−ピリジルメチル)アミン5〜10wt%、2−クロ
ロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミ
ノ)メチル]ピリジン5〜40wt%、2−クロロ−5
−ホルミルピリジン1〜10wt%、その他反応溶媒等
3〜10wt%程度である。この時、有機液体の組成
は、後述する特定のpH範囲における水性媒体層への3
−アミノメチルピリジンの抽出効率を考慮すると、2−
クロロ−5−アミノメチルピリジン50〜80wt%、
3−アミノメチルピリジン5〜20wt%、更にビス
(2−クロロ−5−ピリジルメチル)アミン及び2−ク
ロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミ
ノ)メチル]ピリジン各々5〜30wt%、並びにその
他の成分については5〜20wt%程度であることが好
ましい。
【0007】その他の成分としては、通常2−クロロ−
5−シアノピリジンの還元反応で用いられた反応溶媒等
が含まれる。反応溶媒が、有機液体の希釈に用いられる
有機溶媒におけるのと同種のものであれば適宜希釈して
抽出処理に供すれば良い。また、同種のものが用いられ
ていない場合であっても、通常メタノール、エタノール
あるいはテトラハイドロフラン等であれば、上記の含有
率、中でも5〜20wt%の範囲で、特に問題なく後述
のごとく希釈して抽出処理に供することができる。
5−シアノピリジンの還元反応で用いられた反応溶媒等
が含まれる。反応溶媒が、有機液体の希釈に用いられる
有機溶媒におけるのと同種のものであれば適宜希釈して
抽出処理に供すれば良い。また、同種のものが用いられ
ていない場合であっても、通常メタノール、エタノール
あるいはテトラハイドロフラン等であれば、上記の含有
率、中でも5〜20wt%の範囲で、特に問題なく後述
のごとく希釈して抽出処理に供することができる。
【0008】有機液体の希釈に用いる有機溶媒は、上記
有機液体と相溶性の酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテ
ル類、及び水に難溶性のブタノール、ヘプタノール等の
アルコール類が挙げられる。これらの中でも、酢酸エチ
ル等のエステル類、ブタノール等のアルコール類が2−
クロロ−5−アミノメチルピリジンの塩を効率的に抽出
できる点で好ましい。
有機液体と相溶性の酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテ
ル類、及び水に難溶性のブタノール、ヘプタノール等の
アルコール類が挙げられる。これらの中でも、酢酸エチ
ル等のエステル類、ブタノール等のアルコール類が2−
クロロ−5−アミノメチルピリジンの塩を効率的に抽出
できる点で好ましい。
【0009】また、希釈に使用される有機溶媒の量は、
通常有機液体に対して2〜20倍重量である。更にビス
(2−クロロ−5−ピリジルメチル)アミン、2−クロ
ロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミ
ノ)メチル]ピリジン及び2−クロロ−5−ホルミルピ
リジンを含有する場合は各々0.01〜5wt%、0.
01〜5wt%、及び0.01〜1wt%程度まで希釈
するのが好ましい。
通常有機液体に対して2〜20倍重量である。更にビス
(2−クロロ−5−ピリジルメチル)アミン、2−クロ
ロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミ
ノ)メチル]ピリジン及び2−クロロ−5−ホルミルピ
リジンを含有する場合は各々0.01〜5wt%、0.
01〜5wt%、及び0.01〜1wt%程度まで希釈
するのが好ましい。
【0010】水性媒体としては、通常水が用いられる。
本発明においては、希釈液と水性媒体を該水性媒体のp
H値を2〜5、好ましくは3〜4に維持しながら接触さ
せ、3−アミノメチルピリジンの実質的全量(例えば9
0%以上程度)を該水性媒体中に抽出する。pH調整は
常法に従い塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸、あるいは酢酸、
酪酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸を用いればよ
く、中でも塩酸あるいは硫酸を用いるのが好ましい。p
Hを2〜5に維持しながら、前記希釈液と接触させるの
には、pHメーターあるいはpH試験紙にて水性媒体を
モニタリングしながら行えば良い。pH調整の具体的な
方法としては、抽出処理中のpHが2〜5に保たれる限
り特に制限はなく、例えば、希釈液あるいは抽出処理に
用いる水性媒体のいずれか、あるいは両方に酸を添加す
ることにより、予めpH調整をしておくこと、あるいは
モニタリングしながら調整を継続することにより行えば
よい。pH5を越えると2−クロロ−5−アミノメチル
ピリジンの水性媒体層へのロスが増大し、pH2未満で
は3−アミノメチルピリジンの分離能が低下し、その結
果2−クロロ−5−アミノメチルピリジンの純度が低下
するために好ましくない。なお、3−アミノメチルピリ
ジンの除去の度合についてはガスクロマトグラフィー、
液体クロマトグラフィー等によりトレースすることによ
り確認できる。従ってpH設定条件及び有機溶媒の種類
等の最適条件については、これらのデータに基づき選択
することができる。なお、希釈液中にビス(2−クロロ
−5−ピリジルメチル)アミン、2−クロロ−5−
[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミノ)メチ
ル]ピリジン及び2−クロロ−5−ホルミルピリジンを
含有する場合にはpH値が2〜3にすることが好まし
い。
本発明においては、希釈液と水性媒体を該水性媒体のp
H値を2〜5、好ましくは3〜4に維持しながら接触さ
せ、3−アミノメチルピリジンの実質的全量(例えば9
0%以上程度)を該水性媒体中に抽出する。pH調整は
常法に従い塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸、あるいは酢酸、
酪酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸を用いればよ
く、中でも塩酸あるいは硫酸を用いるのが好ましい。p
Hを2〜5に維持しながら、前記希釈液と接触させるの
には、pHメーターあるいはpH試験紙にて水性媒体を
モニタリングしながら行えば良い。pH調整の具体的な
方法としては、抽出処理中のpHが2〜5に保たれる限
り特に制限はなく、例えば、希釈液あるいは抽出処理に
用いる水性媒体のいずれか、あるいは両方に酸を添加す
ることにより、予めpH調整をしておくこと、あるいは
モニタリングしながら調整を継続することにより行えば
よい。pH5を越えると2−クロロ−5−アミノメチル
ピリジンの水性媒体層へのロスが増大し、pH2未満で
は3−アミノメチルピリジンの分離能が低下し、その結
果2−クロロ−5−アミノメチルピリジンの純度が低下
するために好ましくない。なお、3−アミノメチルピリ
ジンの除去の度合についてはガスクロマトグラフィー、
液体クロマトグラフィー等によりトレースすることによ
り確認できる。従ってpH設定条件及び有機溶媒の種類
等の最適条件については、これらのデータに基づき選択
することができる。なお、希釈液中にビス(2−クロロ
−5−ピリジルメチル)アミン、2−クロロ−5−
[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミノ)メチ
ル]ピリジン及び2−クロロ−5−ホルミルピリジンを
含有する場合にはpH値が2〜3にすることが好まし
い。
【0011】有機層及び水性媒体層は常法に従って層分
離する。層分離後の水性媒体層には若干量の2−クロロ
−5−アミノメチルピリジンが残留している場合もある
ことから、該水性媒体層の少なくとも一部を抽出処理に
供する水性媒体として循環再使用することもできる。有
機層には2−クロロ−5−アミノメチルピリジンが塩を
形成して含まれていることから、常法に従ってpH9〜
14程度の塩基性にし、乾燥させて分離取得したり、あ
るいは単蒸留、薄膜蒸留等の蒸留により高純度の2−ク
ロロ−5−アミノメチルピリジンを得ることができる。
また、有機液体中にビス(2−クロロ−5−ピリジルメ
チル)アミン、2−クロロ−5−[(2−クロロ−5−
ピリジルメチレンアミノ)メチル]ピリジン及び2−ク
ロロ−5−ホルミルピリジンを含有する場合には、その
一部は上記した抽出処理によって水性媒体層に抽出され
るものの、大部分は有機層に残留することとなる。しか
し、2−クロロ−5−アミノメチルピリジンとビス(2
−クロロ−5−ピリジルメチル)アミン、2−クロロ−
5−[(2−クロロ−5−ピリジンメチレンアミノ)メ
チル]ピリジン及び2−クロロ−5−ホルミルピリジン
とは、蒸留に供することにより、容易に分離することが
できる。
離する。層分離後の水性媒体層には若干量の2−クロロ
−5−アミノメチルピリジンが残留している場合もある
ことから、該水性媒体層の少なくとも一部を抽出処理に
供する水性媒体として循環再使用することもできる。有
機層には2−クロロ−5−アミノメチルピリジンが塩を
形成して含まれていることから、常法に従ってpH9〜
14程度の塩基性にし、乾燥させて分離取得したり、あ
るいは単蒸留、薄膜蒸留等の蒸留により高純度の2−ク
ロロ−5−アミノメチルピリジンを得ることができる。
また、有機液体中にビス(2−クロロ−5−ピリジルメ
チル)アミン、2−クロロ−5−[(2−クロロ−5−
ピリジルメチレンアミノ)メチル]ピリジン及び2−ク
ロロ−5−ホルミルピリジンを含有する場合には、その
一部は上記した抽出処理によって水性媒体層に抽出され
るものの、大部分は有機層に残留することとなる。しか
し、2−クロロ−5−アミノメチルピリジンとビス(2
−クロロ−5−ピリジルメチル)アミン、2−クロロ−
5−[(2−クロロ−5−ピリジンメチレンアミノ)メ
チル]ピリジン及び2−クロロ−5−ホルミルピリジン
とは、蒸留に供することにより、容易に分離することが
できる。
【0012】3−アミノメチルピリジンは、2−クロロ
−5−アミノメチルピリジンの脱塩素体であり、前記し
たような2−クロロ−5−シアノピリジンのラネーニッ
ケル、Pt/C、Pd/C、Rh/C、Rh/Al2O3
等の水素化触媒及び溶媒存在下の水素還元反応において
しばしば副生する。このような脱塩素体は目的とする2
−クロロ−5−アミノメチルピリジンと沸点が近接して
おり、通常の蒸留分離法ではきわめて分離し難く、蒸留
法では2−クロロ−5−アミノメチルピリジンは蒸留歩
留70%、純度85%程度でしか分離取得できなかっ
た。これに対し、本発明における特定の条件下で抽出処
理を行い、蒸留処理を行うと、通常歩留まり80〜95
%、純度95〜98%の高収率、高純度で2−クロロ−
5−アミノメチルピリジンを単離することができる。
−5−アミノメチルピリジンの脱塩素体であり、前記し
たような2−クロロ−5−シアノピリジンのラネーニッ
ケル、Pt/C、Pd/C、Rh/C、Rh/Al2O3
等の水素化触媒及び溶媒存在下の水素還元反応において
しばしば副生する。このような脱塩素体は目的とする2
−クロロ−5−アミノメチルピリジンと沸点が近接して
おり、通常の蒸留分離法ではきわめて分離し難く、蒸留
法では2−クロロ−5−アミノメチルピリジンは蒸留歩
留70%、純度85%程度でしか分離取得できなかっ
た。これに対し、本発明における特定の条件下で抽出処
理を行い、蒸留処理を行うと、通常歩留まり80〜95
%、純度95〜98%の高収率、高純度で2−クロロ−
5−アミノメチルピリジンを単離することができる。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 2−クロロ−5−アミノメチルピリジン80wt%、3
−アミノメチルピリジン20wt%から成るピリジン誘
導体10gにn−ブタノール120ml及び水40ml
を加え、攪拌しながら濃塩酸を滴下し、水層をpH3に
調整した。この状態で十分攪拌した後、静置しn−ブタ
ノール層と水層を分離した。続いてこのn−ブタノール
層に25%NaOH水溶液を40ml加え十分に攪拌
し、静置後n−ブタノール層を分離取得した。分離取得
したn−ブタノール層からn−ブタノールを減圧下留去
し、6.5gの結晶を得た。ガスクロマトグラフィーを
用い定量したところ、2−クロロ−5−アミノメチルピ
リジン97.2wt%、3−アミノメチルピリジン2.
8wt%であり、2−クロロ−5−アミノメチルピリジ
ンの歩留は80%であった。
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 2−クロロ−5−アミノメチルピリジン80wt%、3
−アミノメチルピリジン20wt%から成るピリジン誘
導体10gにn−ブタノール120ml及び水40ml
を加え、攪拌しながら濃塩酸を滴下し、水層をpH3に
調整した。この状態で十分攪拌した後、静置しn−ブタ
ノール層と水層を分離した。続いてこのn−ブタノール
層に25%NaOH水溶液を40ml加え十分に攪拌
し、静置後n−ブタノール層を分離取得した。分離取得
したn−ブタノール層からn−ブタノールを減圧下留去
し、6.5gの結晶を得た。ガスクロマトグラフィーを
用い定量したところ、2−クロロ−5−アミノメチルピ
リジン97.2wt%、3−アミノメチルピリジン2.
8wt%であり、2−クロロ−5−アミノメチルピリジ
ンの歩留は80%であった。
【0014】実施例2 2−クロロ−5−シアノピリジンをアンモニア存在下、
ラネーニッケルを用い還元反応を行い、続いて触媒を除
去し溶媒を留去して得られた粗2−クロロ−5−アミノ
メチルピリジン10g(2−クロロ−5−アミノメチル
ピリジン55wt%、3−アミノメチルピリジン10w
t%、2−クロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジル
メチレンアミノ)メチル]ピリジン10wt%、ビス
(2−クロロ−5−ピリジルメチル)アミン10wt
%、2−クロロ−5−ホルミルピリジン5wt%、その
他2−クロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチ
レンアミノ)メチル]ピリジンの脱塩素体及びビス(2
−クロロ−5−ピリジルメチル)アミンの脱塩素体を合
わせて10wt%)にn−ブタノール120ml及び水
40mlを加え、攪拌しながら濃塩酸を滴下し、水層を
pH3に調整した。この状態で十分攪拌した後、静置し
n−ブタノール層と水層を分離した。続いてこのn−ブ
タノール層に25%NaOH水溶液を40ml加え十分
に攪拌し、静置後n−ブタノール層を分離取得した。分
離取得したn−ブタノール層からn−ブタノールを減圧
下留去し、続いて単蒸留を行い4.4gの結晶を得た
(主留分95〜105℃/0.15〜0.2mmH
g)。ガスクロマトグラフィーを用い定量したところ、
2−クロロ−5−アミノメチルピリジン98.2wt
%、3−アミノメチルピリジン1.8wt%であり、2
−クロロ−5−アミノメチルピリジンの歩留は90%で
あった。
ラネーニッケルを用い還元反応を行い、続いて触媒を除
去し溶媒を留去して得られた粗2−クロロ−5−アミノ
メチルピリジン10g(2−クロロ−5−アミノメチル
ピリジン55wt%、3−アミノメチルピリジン10w
t%、2−クロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジル
メチレンアミノ)メチル]ピリジン10wt%、ビス
(2−クロロ−5−ピリジルメチル)アミン10wt
%、2−クロロ−5−ホルミルピリジン5wt%、その
他2−クロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチ
レンアミノ)メチル]ピリジンの脱塩素体及びビス(2
−クロロ−5−ピリジルメチル)アミンの脱塩素体を合
わせて10wt%)にn−ブタノール120ml及び水
40mlを加え、攪拌しながら濃塩酸を滴下し、水層を
pH3に調整した。この状態で十分攪拌した後、静置し
n−ブタノール層と水層を分離した。続いてこのn−ブ
タノール層に25%NaOH水溶液を40ml加え十分
に攪拌し、静置後n−ブタノール層を分離取得した。分
離取得したn−ブタノール層からn−ブタノールを減圧
下留去し、続いて単蒸留を行い4.4gの結晶を得た
(主留分95〜105℃/0.15〜0.2mmH
g)。ガスクロマトグラフィーを用い定量したところ、
2−クロロ−5−アミノメチルピリジン98.2wt
%、3−アミノメチルピリジン1.8wt%であり、2
−クロロ−5−アミノメチルピリジンの歩留は90%で
あった。
【0015】比較例1 2−クロロ−5−シアノピリジン898.7gをアルコ
ール溶媒中、アンモニアの存在下、ラネーニッケル触媒
を用い常温、常圧にて接触水素還元反応を行った後、触
媒、溶媒を留去して得られた反応濃縮液849.1g
(2−クロロ−5−アミノメチルピリジン388.4
g、3−アミノメチルピリジン 140.2g、2−ク
ロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミ
ノ)メチル]ピリジン150.7gを常法に従い減圧蒸
留単離操作を行い、以下の留分を得た。留出温度72〜
90℃、減圧度0.15〜0.2mmHg、留出量25
8g。この物を液体クロマトグラー及びガスクロマトグ
ラフィーを用い分析したところ、2−クロロ−5−アミ
ノメチルピリジンの純度80%、3−アミノメチルピリ
ジン含有率20%、2−クロロ−5−アミノメチルピリ
ジンの蒸留歩留は53%であった。
ール溶媒中、アンモニアの存在下、ラネーニッケル触媒
を用い常温、常圧にて接触水素還元反応を行った後、触
媒、溶媒を留去して得られた反応濃縮液849.1g
(2−クロロ−5−アミノメチルピリジン388.4
g、3−アミノメチルピリジン 140.2g、2−ク
ロロ−5−[(2−クロロ−5−ピリジルメチレンアミ
ノ)メチル]ピリジン150.7gを常法に従い減圧蒸
留単離操作を行い、以下の留分を得た。留出温度72〜
90℃、減圧度0.15〜0.2mmHg、留出量25
8g。この物を液体クロマトグラー及びガスクロマトグ
ラフィーを用い分析したところ、2−クロロ−5−アミ
ノメチルピリジンの純度80%、3−アミノメチルピリ
ジン含有率20%、2−クロロ−5−アミノメチルピリ
ジンの蒸留歩留は53%であった。
【0016】比較例2 実施例1においてpHを調整せずに、水とn−ブタノー
ルで攪拌処理し、続いて静置後、ブタノール層を分離取
得した。分離取得したn−ブタノール層からn−ブタノ
ールを減圧下留去し、8.4gの結晶を得た。ガスクロ
マトグラフィーを用い定量したところ、2−クロロ−5
−アミノメチルピリジン82.5wt%、3−アミノメ
チルピリジン7.5wt%であり、2−クロロ−5−ア
ミノメチルピリジンの歩留は86%であった。
ルで攪拌処理し、続いて静置後、ブタノール層を分離取
得した。分離取得したn−ブタノール層からn−ブタノ
ールを減圧下留去し、8.4gの結晶を得た。ガスクロ
マトグラフィーを用い定量したところ、2−クロロ−5
−アミノメチルピリジン82.5wt%、3−アミノメ
チルピリジン7.5wt%であり、2−クロロ−5−ア
ミノメチルピリジンの歩留は86%であった。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、医薬、農薬の中間体と
して有用な2−クロロ−5−アミノメチルピリジンを高
収率及び高純度で工業的に有利に分離取得できる。
して有用な2−クロロ−5−アミノメチルピリジンを高
収率及び高純度で工業的に有利に分離取得できる。
Claims (10)
- 【請求項1】 2−クロロ−5−アミノメチルピリジン
及び3−アミノメチルピリジンを含有する有機液体を、
該有機液体と相溶性のあるエステル類及びエーテル類、
並びに水と難溶性のアルコール類からなる群から選ばれ
る少なくとも1種類の有機溶媒で希釈し、次いで得られ
る希釈液をpHを2〜5に維持させた水性媒体と接触さ
せて、3−アミノメチルピリジンの実質的全量を該水性
媒体中に抽出させ、さらに水性媒体層を分離後、残存す
る有機層中に含まれる2−クロロ−5−アミノメチルピ
リジンを分離することを特徴とする2−クロロ−5−ア
ミノメチルピリジンの分離方法。 - 【請求項2】 該有機液体が更に、ビス(2−クロロ−
5−ピリジルメチル)アミン、2−クロロ−5−[(2
−クロロ−5−ピリジルメチレンアミノ)メチル]ピリ
ジン及び2−クロロ−5−ホルミルピリジンからなる群
から選ばれる少なくとも1種のピリジン系化合物を含有
することを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 2−クロロ−5−アミノメチルピリジン
が、2−クロロ−5−シアノピリジンの還元反応により
得られることを特徴とする請求項1または2に記載の方
法。 - 【請求項4】 エステル類が酢酸メチルまたは酢酸エチ
ルである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 エーテル類がジブチルエーテルである請
求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 アルコール類がブタノールまたはペンタ
ノールである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 残存する有機層をpH9〜14とした
後、蒸留により2−クロロ−5−アミノメチルピリジン
を留出させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
に記載の方法。 - 【請求項8】 蒸留が薄膜蒸留であることを特徴とする
請求項7に記載の方法。 - 【請求項9】 残存する有機層をpH9〜14とした
後、乾燥し2−クロロ−5−アミノメチルピリジンを分
離取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
記載の方法。 - 【請求項10】 3−アミノメチルピリジンを抽出させ
分離した水性媒体層の少なくとも一部を新たに3−アミ
ノメチルピリジンの抽出に用いる水性媒体として循環供
給することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載
の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1294594A JPH07215939A (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 2−クロロ−5−アミノメチルピリジンの分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1294594A JPH07215939A (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 2−クロロ−5−アミノメチルピリジンの分離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07215939A true JPH07215939A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=11819427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1294594A Pending JPH07215939A (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 2−クロロ−5−アミノメチルピリジンの分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07215939A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008032334A1 (en) * | 2006-09-12 | 2008-03-20 | Jubilant Organosys Limited | Eco-friendly process for recovery of pyridine and/or its derivatives |
-
1994
- 1994-02-04 JP JP1294594A patent/JPH07215939A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008032334A1 (en) * | 2006-09-12 | 2008-03-20 | Jubilant Organosys Limited | Eco-friendly process for recovery of pyridine and/or its derivatives |
GB2454136A (en) * | 2006-09-12 | 2009-04-29 | Jubilant Organosys Ltd | Eco-friendly process for recovery of pyridine and/or its derivatives |
JP2010503661A (ja) * | 2006-09-12 | 2010-02-04 | ジュビラント・オルガノシス・リミテッド | ピリジンおよび/またはその誘導体の環境に優しい回収方法 |
US8057643B2 (en) | 2006-09-12 | 2011-11-15 | Jubilant Organosys Limited | Eco-friendly process for recovery of pyridine and/or its derivatives |
GB2454136B (en) * | 2006-09-12 | 2011-11-30 | Jubilant Organosys Ltd | Eco-friendly process for recovery of pyridine and/or its derivatives |
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