JPH072123B2 - バックル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ベルトを連結し又は分
離するバックルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のバックルとしては、種々のものが
使用されている。特開昭５４−３１３３８号公報に開示
されたものは、雌部材としての偏平な筒状ボデイの中央
の上下にスロットを形成している。雌部材と雄部材を固
定するときは、雄部材の弾性アームを筒状ボデイに挿入
し、弾性アームの先端を前記スロットに係合させてい
る。また、雌部材と雄部材を分離するときは、スロット
内に指を挿入して弾性アームの先端を強く押して変位さ
せ、スロットに対する係合を解除している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の構成において
は、重量の大なる運搬具例えばキャデイバッグ等のベル
トに使用した場合には、雌部材と雄部材は互いに分離す
る方向に大きな荷重で引っ張られ、その力により弾性ア
ームの先端が変位して係合がはずれ、ベルトの結合が離
れるという虞がある。この問題を解決するには、ボデイ
及び弾性アームを大型にし、弾性アームの弾発力を大に
することが考えられるが、このような構成にすると、操
作性が悪くなるという新たな問題が発生する。

【０００４】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、小形で且つ操作性が良好であり、しか
も結合力の大なバックルを提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１のバックルは、
筺体と、この筺体に装着される装着部材からなるバック
ルであって、前記筺体を、断面矩形筒状をなし一端部に
挿入部を有する本体と、この本体の他端部に一体に取付
けられたベルト取付部と、前記本体の両側面部に形成さ
れた係止スロット及び該係止スロットを除く１以上の係
止部とから構成するとともに、前記装着部材を、ベルト
取付部と、このベルト取付部から突設された支持体と、
この支持体の先端から外方に湾曲しかつベルト取付部側
に向けて延設され前記筺体の挿入部から本体内に挿入さ
れる弾性脚と、この弾性脚に設けられ前記筺体の係止ス
ロットに係止する係止段部及び前記係止部に係止する１
以上の係止突片とから構成したところに特徴を有する。

【０００６】請求項２のバックルは、前記装着部材は、
筺体に装着されたときに前記本体の一部又は全部を覆う
袴部を有し、該袴部に係止突片が係止される係止部が形
成されているところに特徴を有する。請求項３のバック
ルは、前記筺体は、一端部に挿入部を有し他端部に係止
部を有する筒状の本体と、この本体の他端部に一体に取
付けられたベルト取付部と、前記本体の両側面部に形成
された１以上の係止部を設けているところに特徴を有す
る。請求項４のバックルは、前記筺体は、両側面部に装
着された装着部材を分離する際、該装着部材の弾性脚を
押圧するための弾性片が設けられているところに特徴を
有する。

【０００７】

【作用】請求項１のバックルは、筺体の本体の挿入部か
ら装着部材の弾性脚を挿入すると、弾性脚が本体の内壁
部に接して弾性脚が弾性変形しながら進入し、係止段部
が筺体の係止スロットに係止するとともに係止突片が係
止部に係止して、筺体と装着部材が複数箇所で結合され
る。また、装着部材は、弾性脚の先端部の複数個の係止
突片が筺体の複数個の係止部に係止するので、結合力が
増加する。請求項２のバックルは、装着部材が筺体に装
着されたときに、袴部が本体の端部を覆い、係止突片が
係止部に係止されるので、装着部材が筺体から分離され
ることがない。請求項３のバックルによれば、装着部材
の係止段部が筺体の端部に係止部に係止するので、筺体
の弾性片の押圧操作が容易になる。請求項４のバックル
は、装着部材が筺体に装着されたとき、筺体の弾性片が
係止段部の外方を覆う。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例につきを図１及
び図３参照して説明する。バックル１は、筺体２と、装
着部材３とから構成されている。筺体２は、断面矩形筒
状をなし一端部に挿入部４ａを有する筺体本体４と、こ
の筺体本体４の他端部に一体に取付れられたベルト取付
部５と、前記筺体本体４の両側面部に形成された係止ス
ロット６及び挿入部４ａ近傍に形成された２個の孔又は
凹状の係止部７とから構成されている。装着部材３は、
一端部に形成されたベルト取付部８と、このベルト取付
部８の側面中央から突設された支持体９と、この支持体
９の先端から両側に湾曲しベルト取付部８側に向けて延
設した一対の弾性脚１０と、この弾性脚１０の中間部に
設けられた係止段部１１及び弾性脚１０の先端に設けら
れた２個の係止突片１２とから構成されている。また、
装着部材３には、ベルト取付部８の両端部に袴部１３が
突設されており、この袴部１３に形成された２個の係止
部１４に２個の係止突片１２が嵌合している。

【０００９】つぎに、装着部材３を筺体２に装着する手
順について説明する。筺体本体４の挿入部４ａから装着
部材３の一対の弾性脚１０を挿入すると、弾性脚１０が
筺体本体４の内壁部に接して弾性脚１０が弾性変形しな
がら進入する。装着部材３が所定の位置まで進入する
と、一対の弾性脚１０が弾性復元して、係止段部１１が
筺体２の係止スロット６に係止するとともに２個の係止
突片１２が係止部７に係止する。係止突片１２は、係止
部７を貫通して外方へ突出し、袴部１３の２個の係止部
１４に嵌合して停止する。これにより、装着部材３は、
係止段部１１及び２個の係止突片１２を介して筺体２に
結合され、筺体２の端部は、弾性脚１０と袴部１３によ
り挟まれ、係止突片１２でかんぬき状に係止されてい
る。

【００１０】装着部材３を筺体２から分離する場合は、
両方の弾性脚１０を同時に指で内側に押し弾性変形させ
ると、係止突片１２が袴部１３の係止部１４及び係止部
７から抜け出し、さらに、係止段部１１と係止スロット
６の係止が解除され、弾性脚１０が、その弾発力により
係止スロット６近傍の傾斜板に沿って分離方向に付勢さ
れ、装着部材３が筺体２から勢いよく分離される。

【００１１】上記実施例によれば、つぎの効果を奏す
る。 １装着部材３は、筺体２に対して複数箇所即ち係止段部
１１及び係止突片１２を介して筺体２に結合されている
ので、装着部材３と筺体２との結合力を増加させること
ができる。 ２，筺体２の端部は、弾性脚１０と袴部１３により挟ま
れ係止突片１２でかんぬき状に係止されているので、装
着部材３及び筺体２を相互に分離する方向に引っ張られ
ても係止突片１２の剪断力がこの引張力に耐えるので、
結合力が著しく増加できる。 ３，装着部材３及び筺体２の結合力は、係止段部１１と
係止スロット６の係止及び係止突片１２の剪断力により
分担するので、弾性脚１０の弾発力をさほど大にする必
要がないので、操作性が向上する。 ４，装着部材３及び筺体２の結合力が増大できるので、
小形のバックルでも重量のかかる運搬具のベルトに適用
できる。 ５，筺体２及び弾性脚１０を小形化しても、強大な結合
力が得られるので、全体の小形化を図り得て、小資源化
及び低コストを達成し得る。

【００１２】図４は、本発明の第２の実施例を示すもの
で、第１の実施例との相違は、筺体本体４に径大部４ｂ
を形成し、この径大部４ｂから係止スロット６を覆うよ
うに弾性片１５を突設させたものである。この実施例に
よれば、装着部材３が筺体２に装着されたとき、弾性片
１５が係止段部１１の外方を覆い、先端の突部１６が係
止段部１１の外周面に接触するもので、弾性片１５を押
圧すれば、弾性脚１０を弾性変形させることができる。
この実施例によれば、第１の実施例の効果に加え、外観
意匠を向上させることができ、また、弾性片１５を介し
て弾性脚１０を操作するので、弾性片１５と弾性脚１０
との間の滑りがよくなり、装着部材３の抜脱が円滑に行
うことができるという効果を奏するものである。

【００１３】図５は、本発明の第３の実施例を示すもの
で、第２の実施例との相違は、ベルト取付部５から係止
段部１１の外方を覆う弾性片１７を突設したものであ
る。

【００１４】図６は、本発明の第４の実施例を示すもの
で、第１の実施例との相違は、筺体本体４の他端部即ち
挿入部４ａの反対側の端部に係止部１８を形成したもの
である。この実施例によれば、第１の実施例の効果に加
え、装着部材３の係止段部１１が係合部１７に係止した
とき弾性脚１０が筺体本体４から突出するので、装着部
材３を筺体２から分離するとき弾性脚１０の操作が容易
に行うことができるという効果を奏する。

【００１５】

【発明の効果】請求項１のバックルは、筺体と、この筺
体に装着される装着部材からなるものであって、前記筺
体を、断面矩形筒状をなし一端部に挿入部を有する本体
と、この本体の他端部に一体に取付れられたベルト取付
部と、前記本体の両側面部に形成された係止スロット及
び１以上の係止部とから構成するとともに、前記装着部
材を、ベルト取付部と、このベルト取付部の側面中央か
ら突設された支持体と、この支持体の先端から両側にベ
ルト取付部側に向けて湾曲して延設され前記筺体の挿入
部から本体内に挿入される弾性脚と、この弾性脚に設け
られ前記筺体の係止スロットに係止する係止段部及び前
記係止部に係止する１以上の係止突片とから構成したの
で、小形で且つ操作性が良好であり、しかも結合力を大
きくすることができるという優れた効果を奏する。

【００１６】請求項２のバックルは、装着部材に袴部を
設け、係止突片を係止部に係止させたので、結合力を著
しく大きくすることができるという効果を奏する。請求
項３のバックルは、装着部材の係止段部が、筺体端部の
係止部に係止するので、装着部材を分離するときの操作
性を向上させ得るという効果を奏する。請求項４のバッ
クルは、筺体に装着部材の弾性脚を押圧する弾性片を設
けたので、外観をよくし、操作性を向上させることがで
きるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例の一部を破断して示す分解図であ
る。

【図２】装着経過を示す断面図である。

【図３】装着時における断面図である。

【図４】第２の実施例の装着時における断面図である。

【図５】第３の実施例の装着時における断面図である。

【図６】第４の実施例における筺体の斜視図である。

【符号の説明】

１ バックル ２ 筺体 ３ 装着部材 ４ 筺体本体 ４ａ挿入部 ５ ベルト取付部 ６ 係止スロット ７ 係止部 ８ ベルト取付部 ９ 支持体 １０ 弾性脚 １１ 係止段部 １２ 係止突片 １３ 袴部 １４ 係止部 １５ 弾性片 １７ 弾性片 １８ 係止部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筺体と、この筺体に装着される装着部材
   からなるバックルであって、 前記筺体を、断面矩形筒状をなし一端部に挿入部を有す
   る本体と、この本体の他端部に一体に取付けられたベル
   ト取付部と、前記本体の両側面部に形成された係止スロ
   ット及び該係止スロットを除く１以上の係止部とから構
   成するとともに、 前記装着部材を、ベルト取付部と、このベルト取付部か
   ら突設された支持体と、この支持体の先端から外方に湾
   曲しかつベルト取付部側に向けて延設され前記筺体の挿
   入部から本体内に挿入される弾性脚と、この弾性脚に設
   けられ前記筺体の係止スロットに係止する係止段部及び
   前記係止部に係止する１以上の係止突片とから構成した
   ことを特徴とするバックル。
2. 【請求項２】 前記装着部材は、筺体に装着されたとき
   に前記本体の一部又は全部を覆う袴部を有し、該袴部に
   係止突片が係止される係止部が形成されていることを特
   徴とする請求項１記載のバックル。
3. 【請求項３】 前記筺体は、一端部に挿入部を有し他端
   部に係止部を有する筒状の本体と、この本体の他端部に
   一体に取付けられたベルト取付部と、前記本体の両側面
   部に形成された１以上の係止部とを設けていることを特
   徴とする請求項１記載のバックル。
4. 【請求項４】前記筺体は、装着部材の弾性脚を押圧する
   ための弾性片が設けられていることを特徴とする請求項
   １，２又は３記載のバックル。