JPH07211465A - 放電灯始動装置 - Google Patents

放電灯始動装置

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JPH07211465A
JPH07211465A JP708194A JP708194A JPH07211465A JP H07211465 A JPH07211465 A JP H07211465A JP 708194 A JP708194 A JP 708194A JP 708194 A JP708194 A JP 708194A JP H07211465 A JPH07211465 A JP H07211465A
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JP
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discharge lamp
switch
starting
turned
capacitor
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JP708194A
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English (en)
Inventor
Masazumi Takakura
正澄 高倉
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 始動失敗後の再始動時にも充分な予熱時間を
確保し、また熱応動スイッチの接点が磨耗しにくくす
る。 【構成】 放電灯Fのフィラメントf1、f2の非電源
側の両端間に、遅延機能を有する常閉の熱応動スイッチ
SWと、オンすることによりフィラメントf1、f2に
予熱電流を流すサイリスタSCRとの直列回路を接続す
ると共に、放電灯Fの始動時に所定値以上の電圧が印加
されると、起動用コンデンサC1を介してサイリスタS
CRをオンさせる始動制御部1を備えてなる放電灯始動
装置において、熱応動スイッチSWの非放電灯側に、熱
応動スイッチSWが開路動作後再閉路した場合であっ
て、印加される電圧が所定値以上の時に、サイリスタS
CRを熱応動スイッチSWの再閉路動作から所定時間遅
れてオンさせる遅延制御手段3を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電灯を始動させる放
電灯始動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、放電灯である蛍光灯等のランプ
を始動させる従来の放電灯始動装置(第1の従来例)を
示すものであり、その放電灯始動装置は、交流電源AC
の両端に安定器Lを介して接続された放電灯Fのフィラ
メントf1、f2の非電源側の両端に接続されて使用さ
れるものである。つまり、放電灯Fのフィラメントf
1、f2の非電源側に両端に、バイメタルで構成された
遅延機能を有する常閉の熱応動スイッチSWと、半導体
スイッチであるサイリスタ(逆阻止型3端子サイリス
タ)SCRと、ダイオードD1の直列回路が接続され、
サイリスタSCRのゲートには、放電灯Fの両端電圧を
検出し、その電圧値が所定値以上の場合にはサイリスタ
SCRのゲートに電流を流してサイリスタSCRをオン
させる始動制御部1が接続されている。
【0003】この始動制御部1は、放電灯Fの両端電圧
を抵抗R1と抵抗R2で分圧し、その分圧電圧を、起動
用コンデンサC1と点灯検出用ツェナーダイオードDZ
1との並列回路を介してサイリスタSCRのゲートに印
加したものであり、サイリスタSCRのゲートとカソー
ド間には、バイアス抵抗R3が接続され、上述のダイオ
ードD1が、抵抗R1と抵抗R2の間にカソードを放電
灯F側として接続されて構成されている。
【0004】このように構成された放電灯始動装置は、
以下に示すような始動動作を行う。つまり、電源ACを
投入すると、まず抵抗R1と起動用コンデンサC1を介
してサイリスタSCRのゲートに電流が流れてサイリス
タSCRが導通状態となる。そしてそれにより、電源A
Cから、フィラメントf1→熱応動スイッチSW→サイ
リスタSCR→ダイオードD1→フィラメントf2→安
定器Lを介して、フィラメントf1、f2に予熱電流が
流れると同時に、起動用コンデンサC1に蓄積された電
荷も抵抗R1→熱応動スイッチSW→サイリスタSCR
→バイアス抵抗R3を通じて放電される。この動作を何
サイクルか繰り返している間、つまり、予熱電流が一定
時間流れることによって、バイメタルで構成された熱応
動スイッチSWが自己発熱により開路(オフ)し、安定
器Lの両端に発生するキック電圧が放電灯Fの両端に印
加されて放電灯Fが点灯する。
【0005】この時、熱応動スイッチSWが開路してい
る間も、起動用コンデンサC1には、抵抗R1を介して
電流は流れ続けて起動用コンデンサC1を充電し、一
方、起動用コンデンサC1は、熱応動スイッチSWを通
じて放電できないため飽和状態まで充電されることにな
り、また、抵抗R1と抵抗R2の直列回路の両端に印加
される電圧が、放電灯Fの点灯によりランプ電圧に低下
するため、サイリスタSCRのゲートには電流が流れな
くなると共に、サイリスタSCRには熱応動スイッチS
Wの開路により電流が流れないため、サイリスタSCR
はオフされて熱応動スイッチSWが冷却されて再閉路し
た場合であっても導通(オン)せず、放電灯Fは点灯状
態を維持する。
【0006】一方、放電灯Fが正常に点灯しなかった場
合、つまり、熱応動スイッチSWの1回目の開路により
放電灯Fが点灯に失敗した場合には、サイリスタSCR
がオフされているため抵抗R1と抵抗R2の直列回路の
両端には略電源電圧が発生し、これにより、点灯検出用
ツェナーダイオードDZ1を介してサイリスタSCRの
ゲートに電流を流し、サイリスタSCRをオンさせて、
再び上記始動動作を繰り返す。
【0007】図7は、従来の別の放電灯始動装置(第2
の従来例)を示すものであり、同図における放電灯始動
装置は、前記第1の従来例に示した放電灯始動装置の始
動制御部1の放電灯F側に、熱応動スイッチSWや半導
体スイッチであるサイリスタSCR及びダイオードD1
直列に、正特性サーミスタPTCを挿入したものであ
り、他は前記第1の従来例と同様に構成されている。
【0008】この正特性サーミスタPTCは、放電灯F
がいわゆるエミレス状態となったランプ寿命末期には、
フィラメントf1、f2に繰り返し流れる予熱電流によ
って発熱動作して高抵抗となり、予熱電流を制限してエ
ミレス時における回路の保護を図るものである。
【0009】図8は、従来のさらに別の放電灯始動装置
(第3の従来例)を示すもので、前記第1の従来例と異
なる点は、熱応動スイッチSWとサイリスタSCRの間
に正特性サーミスタPTCを接続した点と、正特性サー
ミスタPTCが発熱動作して高抵抗となった時に、その
状態を検知してサイリスタSCRへのゲート電流を遮断
し、サイリスタSCRをオンさせないようにする予熱遮
断手段2を設けた点であり、他は前記第1の従来例と同
様に構成されている。
【0010】予熱遮断手段2は、起動用コンデンサC1
の放電灯F側である非サイリスタ側とサイリスタSCR
のカソードに接続されたダイオードD1のカソード側と
の間に接続されたスイッチング素子であるトランジスタ
Q1と、そのトランジスタQ1のゲートに抵抗R6を介
して接続されたエミレス検知用ツェナーダイオードDZ
2、及びエミレス検知用ツェナーダイオードDZ2と抵
抗R6の中点とダイオードD1のカソード側との間に接
続された遅延制御用コンデンサC2を有して構成されて
いる。
【0011】このように構成された放電灯始動装置は、
始動動作に関しては前記第1の従来例に示すものと同様
であるため、異なる動作をする放電灯Fがエミレス状態
となったランプ寿命末期の動作についてのみ説明を加え
る。
【0012】つまり、放電灯Fがエミレス状態となった
ランプ寿命末期には、放電灯Fが点灯しないため放電灯
始動装置は始動動作を繰り返し、正特性サーミスタPT
Cが発熱動作し高抵抗となって、点A−B間に略電源電
圧が発生する。このため、その電圧を検知してエミレス
検知用ツェナーダイオードDZ2がオンし、さらにトラ
ンジスタQ1がオンすることにより、起動用コンデンサ
C1の放電灯F側が短絡され、サイリスタSCRのゲー
トに流れ込む電流が遮断されてサイリスタSCRがオフ
される。この状態で、正特性サーミスタPTCが冷却さ
れて、その抵抗が低抵抗となってもサイリスタSCRが
オフしているので、点A−B間には略電源電圧が発生し
ており、トランジスタQ1はオン状態を維持して、電源
ACを遮断するまでラッチ状態を保ち、放電灯Fのフィ
ラメントf1、f2には予熱電流は流れなくなる。
【0013】この動作は、放電灯Fが寿命末期となった
場合、正特性サーミスタPTCが動作したままで放電灯
Fを交換しても、正特性サーミスタPTCが冷却される
まで放電灯始動装置が働かず、正特性サーミスタPTC
が冷却されるまで待つ必要が生ずることから、ランプ寿
命末期に放電灯Fを交換した際に、即時に放電灯Fが点
灯できるようにするために設けられたものである。
【0014】そのため、この放電灯始動装置において
は、放電灯Fが点灯しているか否かを判別するための判
別電圧(保持電圧VHとする)と、正特性サーミスタP
TCが動作しているか否かを判別するための判別電圧
(検知電圧VEとする)と、ランプ電圧VF及び電源電
圧VSの間の関係を、次式(1) のようにする必要があ
る。
【0015】 VF<VH<VE<VS ・・・・・・・・・(1) これは、もし仮に、保持電圧VH>検知電圧VEである
とすると、瞬時の電圧降下等で放電灯Fが立ち消えした
場合には、放電灯始動装置の両端電圧は、点灯時のラン
プ電圧VFから電源電圧VSへ上昇するが、保持電圧V
Hを越えて始動動作を開始する前に検知電圧VEとなる
ため、予熱遮断手段2が動作して始動動作を開始せず、
放電灯Fが不点のままとなってしまうという理由による
ものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された従来の放電灯始動装置(第1の従来例)
にあっては、熱応動スイッチSWが開路しても放電灯F
が不点であった場合、熱応動スイッチSWの再閉路と同
時に熱応動スイッチSWが自己発熱により再加熱され、
熱応動スイッチSWが十分に冷却されきらない状態から
再加熱されるために、図6に示すように再予熱時間t2
が1回目の予熱時間t1にくらべて短くなり、放電灯F
のフィラメントf1、f2が充分に加熱されず、放電灯
Fが始動しにくいという問題点があった。
【0017】また、熱応動スイッチSWが開路しても放
電灯Fが不点であった場合、熱応動スイッチSWが冷却
されて再閉路した時に、半導体スイッチであるサイリス
タSCRが導通しているため、熱応動スイッチSW内の
接点においてアーク放電が発生し、接点が磨耗し易いと
いう問題点もあった。
【0018】また、従来の別の放電灯始動装置(第2の
従来例)においては、放電灯Fの寿命末期時に、放電灯
始動装置が始動動作を繰り返して予熱電流を繰り返し流
し、正特性サーミスタPTCを発熱動作させて高抵抗と
して予熱電流を制限することにより回路を保護している
が、この場合においても、熱応動スイッチSWが開路後
再閉路した場合には、熱応動スイッチSWが十分に冷却
されきらない状態から再加熱されることになって再予熱
時間が短くなるため、正特性サーミスタPTCが充分に
あたたまらず充分に発熱動作せず、充分な回路の保護が
できないという問題点があった。
【0019】さらには、従来のさらに別の放電灯始動装
置(第3の従来例)においては、放電灯Fが点灯してい
るか否かを判別するための判別電圧(保持電圧VHとす
る)と、正特性サーミスタPTCが動作しているか否か
を判別するための判別電圧(検知電圧VEとする)と、
ランプ電圧VF及び電源電圧VSの関係を VF<VH<VE<VS とする必要があり、また、ランプ電圧VFの最大値と電
源電圧VSの最小値の間には大きな差はなく、放電灯始
動装置に使用される部品のバラツキを考慮すると、保持
電圧VHと検知電圧VEをランプ電圧VFの最大値と電
源電圧VSの最小値の間で、VH<VEとするように設
定することが困難であるという問題点があった。
【0020】本発明は、上記の問題点を改善するために
成されたもので、その目的とするところは、始動失敗後
の再始動時にも充分な予熱時間が確保でき、熱応動スイ
ッチの接点が磨耗しにくい放電灯始動装置を提供するこ
とにあり、また別の目的とするところは、放電灯の交換
時における待ち時間をなくした設計が容易な放電灯始動
装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するため、請求項1記載の発明にあっては、放電灯
Fのフィラメントf1、f2の非電源側の両端間に、遅
延機能を有する常閉の熱応動スイッチSWと、オンする
ことにより前記フィラメントf1、f2に予熱電流を流
す半導体スイッチSCRとの直列回路を接続すると共
に、放電灯Fの始動時に所定値以上の電圧が印加される
と起動用コンデンサC1を介して前記半導体スイッチS
CRをオンさせる始動制御部1を備えてなる放電灯始動
装置において、前記熱応動スイッチSWの非放電灯側
に、該熱応動スイッチSWが開路動作後再閉路した場合
であって、印加される電圧が所定値以上の時に、前記半
導体スイッチSCRを熱応動スイッチSWの再閉路動作
から所定時間遅れてオンさせる遅延制御手段3を設けた
ことを特徴とするものである。
【0022】また、請求項2記載の発明にあっては、前
記放電灯Fのフィラメントf1、f2の非電源側の両端
間に接続された熱応動スイッチSWと半導体スイッチS
CRの直列回路に、正特性サーミスタPTCを直列に接
続したことを特徴とするものである。
【0023】また、請求項3記載の発明にあっては、放
電灯Fのフィラメントf1、f2の非電源側の両端間
に、遅延機能を有する常閉の熱応動スイッチSWと、該
熱応動スイッチSWの非放電灯側に接続された正特性サ
ーミスタPTCと、オンすることにより前記フィラメン
トf1、f2に予熱電流を流す半導体スイッチSCRと
の直列回路を接続すると共に、放電灯Fの始動時に所定
値以上の電圧が印加されると起動用コンデンサC1を介
して前記半導体スイッチSCRをオンさせる始動制御部
1と、前記正特性サーミスタPTCが動作したことを検
出して前記起動用コンデンサC1の電源側を短絡させて
半導体スイッチSCRをオンさせないように動作するス
イッチング素子Q1を含む予熱遮断手段2とを備えてな
る放電灯始動装置であって、前記起動用コンデンサC1
の非半導体スイッチSCR側と前記スイッチング素子Q
1との間に、前記スイッチング素子Q1と直列に前記起
動用コンデンサC1の放電を制御する放電制御用コンデ
ンサC3を接続したことを特徴とするものである。
【0024】
【作用】以上のように構成したことにより、請求項1記
載の発明にあっては、熱応動スイッチSWの非放電灯側
に、熱応動スイッチSWが開路動作後再閉路した場合で
あって、印加される電圧が所定値以上の時に、半導体ス
イッチSCRを熱応動スイッチSWの再閉路動作から所
定時間遅れてオン(導通)させる遅延制御手段3を設け
たため、熱応動スイッチSWの開路により放電灯Fが点
灯しなかった場合であって再び熱応動スイッチSWが閉
路した場合にも、遅延制御手段3により半導体スイッチ
SCRは、熱応動スイッチSWの閉路後すぐにはオンせ
ず、所定時間遅れてオンするため、その遅れの間に熱応
動スイッチSWは充分に冷却されることになる。このた
め、半導体スイッチSCRが再びオンして予熱電流が流
れる状態となった際にも、熱応動スイッチSWが自己発
熱により再開路するまでの時間が長くなり、再予熱時間
が長く確保できて放電灯Fが始動しやすくなる。
【0025】また、熱応動スイッチSWが開路後、再閉
路する時には、半導体スイッチSCRはオン(導通)し
ていないため、熱応動スイッチSWの接点間にはアーク
放電の発生はなく、熱応動スイッチSWの接点の磨耗を
おさえて、その寿命を長くすることができる。
【0026】また、請求項2記載の発明にあっては、前
記放電灯Fのフィラメントf1、f2の非電源側の両端
間に接続された熱応動スイッチSWと半導体スイッチS
CRの直列回路に、正特性サーミスタPTCを直列に接
続したため、ランプ寿命末期に熱応動スイッチSWが開
路後、放電灯Fが点灯せずに再閉路する場合にあって
も、熱応動スイッチSWが再開路するまでの時間が長く
確保でき、このため、請求項1記載の効果に加えて、正
特性サーミスタPTCが確実に発熱動作して、回路の保
護が確実に図れる。
【0027】さらには、請求項3記載の発明にあって
は、正特性サーミスタPTCが動作したことを検出して
起動用コンデンサC1の放電灯側を短絡させて半導体ス
イッチSCRをオンさせないように動作するスイッチン
グ素子Q1を含む予熱遮断手段2を備えた放電灯始動装
置であって、起動用コンデンサC1の非半導体スイッチ
SCR側とスイッチング素子Q1との間に、スイッチン
グ素子Q1と直列に起動用コンデンサC1の放電を制御
する放電制御用コンデンサC3を接続したため、放電灯
Fの寿命末期であって正特性サーミスタPTCが発熱動
作し高抵抗となった場合には、スイッチング素子Q1の
オンにより放電制御用コンデンサC3が充電されて飽和
状態となり、起動用コンデンサC1の放電を規制して半
導体スイッチSCRのゲートに流れ込む電流を遮断する
ことにより半導体スイッチSCRをオフ状態とでき、ま
た、半導体スイッチSCRがオフであるため、正特性サ
ーミスタPTCが低抵抗となってもスイッチング素子Q
1はオン状態を維持して、半導体スイッチSCRのオフ
状態が保たれる。このため、ランプ寿命末期にも、電源
ACの投入後、正特性サーミスタPTCは一度動作する
のみで、その後は電流が流れず冷却されるため、放電灯
Fは、寿命末期時にも交換後すぐに点灯することにな
り、設計が容易で、かつ放電灯Fの交換時における待ち
時間をなくした放電灯始動装置が得られる。
【0028】
【実施例】図1は、本発明に係る放電灯始動装置の第1
の実施例を示すものであり、この放電灯始動装置は、前
記第1の従来例に示す放電灯始動装置の点灯検出用ツェ
ナーダイオードDZ1を除いた回路の熱応動スイッチS
Wの非放電灯側に、熱応動スイッチSWが開路動作後再
閉路した場合であって、印加される電圧が所定値以上の
時に、半導体スイッチであるサイリスタSCRを熱応動
スイッチSWの再閉路動作から所定時間遅れてオンさせ
る遅延制御手段3を設けたものであり、以下、その異な
る点について説明する。
【0029】遅延制御手段3は、熱応動スイッチSWの
非放電灯側に抵抗R4と抵抗R5との直列回路を、始動
制御部1の抵抗R1と抵抗R2の直列回路と並列に接続
し、その抵抗R4と抵抗R5の中点に、点灯検出用ツェ
ナーダイオードDZ1を介してトランジスタQ2のベー
スを接続し、そのトランジスタQ2のコレクタとエミッ
タを、それぞれ起動用コンデンサC1の両端に接続する
と共に、トランジスタQ2のベースとサイリスタSCR
のカソード間に遅延制御用コンデンサC2を接続して構
成されている。
【0030】このように構成された放電灯始動装置の電
源AC投入後の初始動動作については、前記第1の従来
例に示す放電灯始動装置と同様であるため、異なる点で
ある放電灯Fが始動に失敗した場合について説明する。
つまり、熱応動スイッチSWの開路により放電灯Fが点
灯しなかった場合、その熱応動スイッチSWの開路の間
も、抵抗R1を介して起動用コンデンサC1には充電電
流が流れて飽和状態となり、サイリスタSCRのゲート
への電流は流れず、サイリスタSCRはオフ状態となっ
ている。この状態で、熱応動スイッチSWが閉路する
と、熱応動スイッチSWの非放電灯側に接続された抵抗
R4と抵抗R5の両端間(点A−B間)には、略電源電
圧が発生し、点灯検出用ツェナーダイオードDZ1をオ
ンさせ、遅延制御用コンデンサC2に充電電流が流れ、
遅延制御用コンデンサC2がある程度充電されると、こ
れによりトランジスタQ2のベース−エミッタ間に電圧
が印加されてトランジスタQ2がオンして、サイリスタ
SCRのゲートに電流が流れサイリスタSCRがオンし
て再び始動状態となって、初始動動作と同様の動作をす
る。
【0031】このように構成したため、本実施例におい
ては、熱応動スイッチSWの開路により放電灯Fが点灯
しなかった場合であって、再び熱応動スイッチSWが閉
路した場合にも、遅延制御手段3によりサイリスタSC
Rは、遅延制御用コンデンサC2がある程度充電されト
ランジスタQ2がオンするまで動作せず、熱応動スイッ
チSWの閉路後所定時間遅れてオンするため、その遅れ
の間に熱応動スイッチSWは充分に冷却されることにな
る。このため、サイリスタSCRが再びオンして予熱電
流が流れる状態となった際にも、熱応動スイッチSWが
自己発熱により再開路するまでの時間が長くなり、再予
熱時間が長く確保できて放電灯Fが始動しやすくなり、
放電灯Fの再始動がより確実に行える。
【0032】また、熱応動スイッチSWが開路後、再閉
路する時には、サイリスタSCRはオン(導通)してい
ないため、熱応動スイッチSWの接点間にはアーク放電
の発生はなく、熱応動スイッチSWの接点の磨耗をおさ
えて、その寿命を長くすることができる。
【0033】図2は本発明の第2の実施例を示すもの
で、前記第1の実施例と異なる点は、熱応動スイッチS
Wの放電灯F側に別のダイオードD2を熱応動スイッチ
SWと直列に接続し、第1の実施例の遅延制御手段3の
スイッチング素子Q1を除去すると共に、点灯検出用ツ
ェナーダイオードDZ1のアノードをサイリスタSCR
のゲートに接続し、第1の実施例の遅延制御用コンデン
サC2を抵抗R5の両端に接続したものであり、他は前
記第1の実施例と同様に構成されている。
【0034】このように構成された放電灯始動装置にお
いても、初始動動作は第1の実施例と同様であるため、
異なる点について説明する。つまり、熱応動スイッチS
Wの開路により放電灯Fが点灯しなかった場合、その開
路の間も抵抗R1を介して起動用コンデンサC1は充電
されて飽和状態となり、サイリスタSCRのゲートへの
電流は流れず、サイリスタSCRはオフ状態となる。こ
の状態で熱応動スイッチSWが閉路すると、熱応動スイ
ッチSWの非放電灯側に接続された抵抗R4と抵抗R5
の両端間(点A−B間)には、略電源電圧が発生し、抵
抗R4を介して遅延制御用コンデンサC2が充電され、
遅延制御用コンデンサC2がある程度充電されると、点
灯検出用ツェナーダイオードDZ1がオン(導通)し、
これにより、サイリスタSCRのゲートに電流が流れサ
イリスタSCRがオンして再び始動状態となる。したが
って、サイリスタSCRは、熱応動スイッチSWの再閉
路後、遅延制御手段3を構成する遅延制御用コンデンサ
C2がある程度充電されるまで遅延してオンすることに
なり、本実施例においても前記第1の実施例と同様の効
果を奏する。
【0035】図3は、本発明の第3の実施例を示すもの
で、前記第1の実施例と異なる点は、熱応動スイッチS
Wの放電灯F側に別のダイオードD2を熱応動スイッチ
SWと直列に接続し、遅延制御手段3のトランジスタQ
2のエミッタをサイリスタSCRのカソードに接続する
と共に、第1の実施例の遅延制御用コンデンサC2を抵
抗R5の両端に接続したものであり、他は前記第1の実
施例と同様に構成されている。
【0036】このため、電源AC投入直後の始動時には
第1の実施例と同様に動作し、また、放電灯Fが始動に
失敗した場合にあっては、前記第2の実施例と同様に点
灯検出用ツェナーダイオードDZ1を、熱応動スイッチ
SWの再閉路から遅延させてオンさせ、トランジスタQ
2をオンさせることにより、起動用コンデンサC1の電
荷をトランジスタQ2とバイアス抵抗R3を介して放電
させ、これによりサイリスタSCRのゲートに電流を流
して、サイリスタSCRを熱応動スイッチSWの再閉路
から遅延させてオンさせ、トランジスタQ2をオフさせ
て再び始動動作を繰り返すことができるため、前記第1
の実施例と同様の効果を奏する。
【0037】図4は、本発明の第4の実施例を示すもの
で、前記第3の実施例と異なる点は、熱応動スイッチS
WとサイリスタSCRの間に正特性サーミスタPTCを
挿入した点と、第3の実施例の遅延制御手段3に代えて
放電制御手段2を設けた点であり、他は前記第3の実施
例と同様に構成されている。
【0038】放電制御手段2は、前記第3の実施例の遅
延制御手段3から遅延制御用コンデンサC2を除去した
回路において、スイッチング素子であるトランジスタQ
1のコレクタと起動用コンデンサC1の非サイリスタ側
との間に、トランジスタQ1と直列に放電制御用コンデ
ンサC3と放電抵抗R6の並列回路を接続して構成した
ものである。
【0039】このように構成した放電灯始動装置は、電
源AC投入直後の始動時には第3の実施例と同様に動作
し、また、放電灯Fが始動に失敗した場合であって、放
電灯Fがエミレス状態でない時には、前記第3の実施例
と同様に点灯検出用ツェナーダイオードDZ1をオンさ
せ、トランジスタQ1をオンさせることにより、起動用
コンデンサC1の電荷を放電制御用コンデンサC3→ト
ランジスタQ1→バイアス抵抗R3を介して放電させ、
これによりサイリスタSCRのゲートに電流を流して、
サイリスタSCRをオンさせる。サイリスタSCRがオ
ンすると予熱電流が流れて点A−B間は低電圧となるた
め、トランジスタQ1はすぐにオフされ、放電制御用コ
ンデンサC3に充電された電荷は、放電抵抗R6を介し
て放電されて放電制御用コンデンサC3には電荷がたま
らず、放電灯始動装置は始動動作を繰り返す。
【0040】一方、放電灯Fがエミレス状態の時には、
正特性サーミスタPTCは発熱動作して高抵抗となって
おり、トランジスタQ1がオン状態となっても点A−B
間は略電源電圧のままとなり、放電制御用コンデンサC
3には抵抗R1を介して充電電流が流れ続け、放電制御
用コンデンサC3が飽和状態になる。それと同時に、起
動用コンデンサC1の放電も停止し、また、起動用コン
デンサC1も抵抗R1を介して充電され続けるため、飽
和状態となってサイリスタSCRのゲートに電流が流れ
なくなり、サイリスタSCRがオフされることになる。
また、サイリスタSCRがオフすると、正特性サーミス
タPTCが冷却して低抵抗となってもサイリスタSCR
のゲートには電流が流れず、サイリスタSCRがオンで
きないために点A−B間は略電源電圧のままとなり、こ
の状態が電源ACをオフするまで維持される。
【0041】このように構成したため、本実施例におけ
る放電灯始動装置においては、放電灯Fの寿命末期であ
って正特性サーミスタPTCが発熱動作し高抵抗となっ
た場合には、トランジスタQ1のオンにより放電制御用
コンデンサC3が充電されて飽和状態となり、起動用コ
ンデンサC1の放電を停止させてサイリスタSCRのゲ
ートに流れ込む電流を遮断することによりサイリスタS
CRをオフ状態とでき、また、サイリスタSCRがオフ
であるため、正特性サーミスタPTCが低抵抗となって
もトランジスタQ1はオン状態を維持して、サイリスタ
SCRのオフ状態が保たれる。このため、ランプ寿命末
期にも、電源ACの投入後、正特性サーミスタPTCは
一度動作するのみで、その後は電流が流れず冷却される
ため、放電灯Fは交換後すぐに点灯することになり、設
計が容易で、放電灯の交換時における待ち時間をなくし
た放電灯始動装置が得られる。
【0042】
【発明の効果】本発明の放電灯始動装置は、上述のよう
に構成したものであるから、請求項1記載の発明にあっ
ては、放電灯のフィラメントの非電源側の両端間に、遅
延機能を有する常閉の熱応動スイッチと、オンすること
により前記フィラメントに予熱電流を流す半導体スイッ
チとの直列回路を接続すると共に、放電灯の始動時に所
定値以上の電圧が印加されると起動用コンデンサを介し
て前記半導体スイッチをオンさせる始動制御部を備えて
なる放電灯始動装置において、前記熱応動スイッチの非
放電灯側に、該熱応動スイッチが開路動作後再閉路した
場合であって、印加される電圧が所定値以上の時に、前
記半導体スイッチを熱応動スイッチの再閉路動作から所
定時間遅れてオンさせる遅延制御手段を設けたため、熱
応動スイッチの開路により放電灯が点灯しなかった場合
であって再び熱応動スイッチが閉路した場合にも、遅延
制御手段により半導体スイッチは、熱応動スイッチの閉
路後すぐにはオンせず、所定時間遅れてオンするため、
その遅れの間に熱応動スイッチは充分に冷却されること
になる。このため、半導体スイッチが再びオンして予熱
電流が流れる状態となった際にも、熱応動スイッチが自
己発熱により再開路するまでの時間が長くなり、再予熱
時間が長く確保できて放電灯が始動しやすくなる。
【0043】また、熱応動スイッチが開路後、再閉路す
る時には、半導体スイッチはオン(導通)していないた
め、熱応動スイッチの接点間にはアーク放電の発生はな
く、熱応動スイッチの接点の磨耗をおさえて、その寿命
を長くすることができる。
【0044】また、請求項2記載の発明にあっては、放
電灯のフィラメントの非電源側の両端間に接続された熱
応動スイッチと半導体スイッチの直列回路に、正特性サ
ーミスタを直列に接続したため、ランプ寿命末期に熱応
動スイッチSWが開路後、放電灯Fが点灯せずに再閉路
する場合にあっても、熱応動スイッチSWが再開路する
までの時間が長く確保でき、このため、請求項1記載の
効果に加えて、正特性サーミスタPTCが確実に発熱動
作して、回路の保護が確実に図れるという効果をも奏す
る。
【0045】さらには、請求項3記載の発明にあって
は、放電灯のフィラメントの非電源側の両端間に、遅延
機能を有する常閉の熱応動スイッチと、該熱応動スイッ
チの非放電灯側に接続された正特性サーミスタと、オン
することにより前記フィラメントに予熱電流を流す半導
体スイッチとの直列回路を接続すると共に、放電灯の始
動時に所定値以上の電圧が印加されると起動用コンデン
サを介して前記半導体スイッチをオンさせる始動制御部
と、前記正特性サーミスタが動作したことを検出して前
記起動用コンデンサの放電灯側を短絡させて半導体スイ
ッチをオンさせないように動作するスイッチング素子を
含む予熱遮断手段とを備えてなる放電灯始動装置であっ
て、前記起動用コンデンサの非半導体スイッチ側と前記
スイッチング素子との間に、該スイッチング素子と直列
に前記起動用コンデンサの放電を制御する放電制御用コ
ンデンサを接続したため、放電灯Fの寿命末期であって
正特性サーミスタPTCが発熱動作し高抵抗となった場
合には、スイッチング素子Q1のオンにより放電制御用
コンデンサC3が充電されて飽和状態となり、起動用コ
ンデンサC1の放電を規制して半導体スイッチSCRの
ゲートに流れ込む電流を遮断することにより半導体スイ
ッチSCRをオフ状態とでき、また、半導体スイッチS
CRがオフであるため、正特性サーミスタPTCが低抵
抗となってもスイッチング素子Q1はオン状態を維持し
て、半導体スイッチSCRのオフ状態が保たれる。この
ため、ランプ寿命末期にも、電源ACの投入後、正特性
サーミスタPTCは一度動作するのみで、その後は電流
が流れず冷却されるため、放電灯Fは、寿命末期時にも
交換後すぐに点灯することになり、設計が容易で、かつ
放電灯Fの交換時における待ち時間をなくした放電灯始
動装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す回路図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す回路図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す回路図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す回路図である。
【図5】従来の放電灯始動装置(第1の従来例)を示す
回路図である。
【図6】同上の予熱時間を示す説明図である。
【図7】従来の別の放電灯始動装置(第2の従来例)を
示す回路図である。
【図8】従来のさらに別の放電灯始動装置(第3の従来
例)を示す回路図である。
【符号の説明】
1 始動制御部 2 予熱遮断手段 3 遅延制御手段 C1 起動用コンデンサ C3 放電制御用コンデンサ F 放電灯 f1、f2 フィラメント PTC 正特性サーミスタ Q1 スイッチング素子 SCR 半導体スイッチ SW 熱応動スイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電灯のフィラメントの非電源側の両端
    間に、遅延機能を有する常閉の熱応動スイッチと、オン
    することにより前記フィラメントに予熱電流を流す半導
    体スイッチとの直列回路を接続すると共に、放電灯の始
    動時に所定値以上の電圧が印加されると起動用コンデン
    サを介して前記半導体スイッチをオンさせる始動制御部
    を備えてなる放電灯始動装置において、前記熱応動スイ
    ッチの非放電灯側に、該熱応動スイッチが開路動作後再
    閉路した場合であって、印加される電圧が所定値以上の
    時に、前記半導体スイッチを熱応動スイッチの再閉路動
    作から所定時間遅れてオンさせる遅延制御手段を設けた
    ことを特徴とする放電灯始動装置。
  2. 【請求項2】 前記放電灯のフィラメントの非電源側の
    両端間に接続された熱応動スイッチと半導体スイッチの
    直列回路に、正特性サーミスタを直列に接続したことを
    特徴とする請求項1記載の放電灯始動装置。
  3. 【請求項3】 放電灯のフィラメントの非電源側の両端
    間に、遅延機能を有する常閉の熱応動スイッチと、該熱
    応動スイッチの非放電灯側に接続された正特性サーミス
    タと、オンすることにより前記フィラメントに予熱電流
    を流す半導体スイッチとの直列回路を接続すると共に、
    放電灯の始動時に所定値以上の電圧が印加されると起動
    用コンデンサを介して前記半導体スイッチをオンさせる
    始動制御部と、前記正特性サーミスタが動作したことを
    検出して前記起動用コンデンサの放電灯側を短絡させて
    半導体スイッチをオンさせないように動作するスイッチ
    ング素子を含む予熱遮断手段とを備えてなる放電灯始動
    装置であって、前記起動用コンデンサの非半導体スイッ
    チ側と前記スイッチング素子との間に、該スイッチング
    素子と直列に前記起動用コンデンサの放電を制御する放
    電制御用コンデンサを接続したことを特徴とする放電灯
    始動装置。
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