JPH07209302A - Ebvに対する抗体の検出用診断試薬 - Google Patents
Ebvに対する抗体の検出用診断試薬Info
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Abstract
質の少なくとも一部とエプスタイン−バール核抗原(E
BNA)タンパク質の少なくとも一部の組み合わせから
なることを特徴とする、エプスタイン−バールウイルス
に対する抗体の検出用診断試薬。 【効果】 特に膜抗原(MA)タンパク質の少なくとも
一部と、EBNAタンパク質の少なくとも一部を単一診
断アッセイで併用することにより、現用方法よりも高感
度且つ高精度のEBV抗体検出方法を実現する。
Description
イルスに対する抗体を検出するための診断試薬及びサン
プル中のエプスタイン−バールウイルスに対する抗体の
検出方法に係る。
はアフリカ(地方病即ちe)型バーキット・リンパ腫
(BL)に関連して最初に発見された偏在性ヒトヘルペ
スウイルスである。その後、該ウイルスは鼻咽頭癌(N
PC)にも関連することが知見され、感染性単核細胞症
(IM)の原因物質であることが示された。感染は通常
は初期幼年期に生じ、一般に無症状であるが、軽い症状
を示す場合もある。しかしながら、青年期又は成人期の
感染は、末梢の非定型リンパ球の存在により特徴付けら
れるIMを誘発し得る。これらのリンパ球の大部分はT
リンパ球であるが、EBVに感染したBリンパ球の小集
団も含まれる。Bリンパ球の感染はin vitroで
も達成され得る。このような細胞は培養中にトランスフ
ォームして無制限に増殖し、「不滅化」、「潜伏感染」
又は「増殖トランスフォーム」すると言われている。公
知の限りでは、EBVに感染した全個体は終生潜伏感染
し続ける。これは、循環末梢血液リンパ球中の少数のE
BV−ゲノム陽性トランスフォームB細胞が終生継続的
に存在し、中咽頭に継続的且つ周期的にウイルスを放出
することを意味する。
殖疾患を誘発し、該疾患は一時的に衰弱をもたらす場合
もあるが、常に良性且つ自己限定的である。しかしなが
ら、免疫抑制された個体では、悪性変換する場合もあ
る。これは、故意に免疫抑制された個体で生じ、特に臓
器移植を受け、シクロスポリンAで治療した幼児、又は
便宜的にはHIV感染個体の場合、又は遺伝学的にはX
LP(x連関リンパ増殖症候群)遺伝子を有する男子患
者の場合などに生じる。これらの場合、悪性変換はEB
V感染B細胞のポリクローナル増殖に起因する。更に、
このような患者では口腔毛状白斑症の病巣にウイルスの
無制御な上皮複製が検出可能である。従って、免疫応答
はEBV感染の抑制に主要な役割を果たす。
スゲノムの検出によるか又は、EBV感染細胞中に普遍
的に発現される唯一の潜伏関連タンパク質産物であるE
BNA−1タンパク質の実証により立証することができ
る。
の1員である。EBVは以下の構造特徴を有する。
(172,000塩基対)から構成される。
包囲されたコア(タンパク質及びDNA)とキャプシド
を包囲する膜エンベロープとから構成される。正二十面
体キャプシドは六量体及び五量体キャプソメアから構成
される。膜エンベロープは外側表面にスパイクを有する
タンパク質/脂質二重層膜から構成される。キャプシド
殻とエンベロープとの間のスペースはテグメントと呼称
される非晶質タンパク質で充填されている。
一次感染後にその宿主に潜伏終生感染をもたらすことが
可能である。この潜伏は宿主免疫系により制御されるE
BVとそのヒト宿主との間の完全な均衡を意味する。
B95−8(マーモセット細胞系中で産生されるトラン
スフォーミングウイルス)、P3HR1(バーキット・
リンパ腫細胞系により産生される非トランスフォーミン
グウイルス)及びRaji(バーキット・リンパ腫細胞
系における潜伏ウイルス)の3種の原型EBV株で行わ
れている。
の完全なDNA配列が決定された。この配列の分析の結
果、80を越えるオープンリーディングフレームが確認
された(Baerら, 1984, Nature 3
10, p.207−211)。
用ウイルス分析に適していないため、その生物学的研究
には特殊な問題がある。更に、その細胞及び宿主範囲は
一般にin vitro培養できないヒト(及び数種の
高等霊長類)Bリンパ球及び上皮細胞に事実上制限され
ている。更に、ウイルスがその中で溶菌的に複製する細
胞である完全許容細胞型の不在により、大量のウイルス
を製造する能力は著しく制限されていた。
株のDNA分子は、詳細な制限エンドヌクレアーゼマッ
ピング、大腸菌プラスミド及びバクテリオファージλへ
のクローニング、並びにヌクレオチド配列決定のための
原型であった。
ントとタンデムに反復するDNAエレメントを有する単
一の二重鎖DNA分子構造から構成される。DNA分子
の各末端はゲノムの共有結合及び閉環を可能にする多重
末端配列を含む。ウイルス粒子においてEBV−ゲノム
は直鎖形態でのみ検出可能である。他方、EBV−ゲノ
ムは潜伏感染細胞の核の内側で環状エピソームとして存
在し、場合によっては宿主細胞染色体に組込まれる。
ノムを5つのユニークな領域に分離する。U2及びU3
領域はEBV単離株により著しく異なり、前者はEBV
のP3HR−1株ではほぼ完全に欠失している。
のその位置に基づく。名称は発現が開始するBamH1
又はEcoR1制限フラグメントの頭文字で始まる。名
称の3番目の文字は、発現が標準地図上で左向きか右向
きかに従ってL又はRである(従って、BLLF2はB
amH1制限フラグメントLで開始する第2番目の左向
き読み枠である)。
原の血清学的分類は種々の蛍光法に基づく。
細胞)の核中で抗補体免疫蛍光法により特異的に検出さ
れる抗原をエプスタイン−バール核抗原(EBNA)と
して分類する。
伝子発現が活性化されると、ウイルスDNA合成の阻害
により合成を妨げられない初期抗原(EA)類が検出さ
れる。使用する固定液の型(メタノール又はアセトン)
に依存してEAR及びEADの異なる2組のEAが検出可
能である。EAは誘導細胞の細胞質及び核内で間接免疫
蛍光により検出可能である。ウイルスDNA合成の開始
後(及びこの合成に依存して)間接免疫蛍光により検出
可能な(膜抗原(MA)及びウイルスキャプシド抗原
(VCA)を含む)ウイルス構造タンパク質が合成され
る。ウイルス産生細胞(例えばP3HR1細胞)の細胞質
及び核内では1組のVCAが間接免疫蛍光により検出可
能である。ウイルス産生のために誘導された生存可能な
感染細胞の表面には1組の抗原(MA)が間接免疫蛍光
により検出可能である。これらの抗原はウイルスエンベ
ロープ上にも検出することができ、ウイルス中和の重要
なターゲットである。
Henle及びHenle(Human Pathol
ogy, 5, 551−565, 1974)により
記載されている血清学的方法により常法で実施すること
ができる。
類の異なる抗原分子を区別することが可能である。種々
のウイルスポリペプチドはその分子量により呼称され、
全EBV−タンパク質を独自に記述できるような共通の
命名法は確立されていない。
P)、 B.ゲノム活性化及びウイルス複製の初期誘導に関与す
る抗原群(IEA)、 C.IEA−遺伝子産物により誘導され、ウイルスDN
Aの複製に必要であり、大部分がウイルス酵素である抗
原群(EA)、 D.ウイルス粒子の構造成分であり、ウイルスDNA合
成の開始後にウイルス複製サイクルで後期発現される抗
原群(VCA)、 E.感染細胞の細胞膜中で発現される抗原群(MA)で
ある。
質」である。
ル核抗原1(EBNA−1)は、全潜伏感染腫瘍関連細
胞中で普遍的にin vivo及びin vitro発
現される唯一のEBVコード化タンパク質であり、DN
A複製及び遺伝子活性化の機序の研究のために重要なタ
ーゲット分子を形成する。
のEBV陽性ヒト血清を使用し、イムノブロッティング
及びラジオイムノ電気泳動を行った処、EBV−陽性細
胞系ではEBNA−1が同定されたが、3種のEBV陰
性細胞系では同定されなかった。同定された抗原は、分
析した細胞系により異なる65,000〜73,000
の分子量を有していた。補体固定抗原は予め200倍以
上部分精製しておいたが、イムノブロッティングにより
同定された65kDa EBNAと同時精製されること
が判明した。EBNAは抗補体免疫蛍光(ACIF)に
より定義されるので、65kDa抗原はEBNAの主要
成分であると予想された。
BamHI K制限酵素フラグメントでトランスフェク
トすることによりEBNA遺伝子をマッピングした。マ
ウス繊維芽細胞系を優性選択可能なマーカーと共にこの
フラグメントでトランスフェクトした処、ACIFでE
BNA陽性ヒト血清では同定されるが、EBNA陰性ヒ
ト血清では同定されない核抗原が安定的に発現された。
その後の研究で、Bam Kトランスフェクト細胞はB
95−8細胞のEBNA−1ポリペプチドと同時に泳動
する78kDaポリペプチドを発現することが判明し
た。
ニン反復領域の内側にはヒト血清に対して高反応性のp
62又はp107と通常呼称される免疫優性領域が存在
することが判明した。しかしながら、このgly−al
aフラグメントは正常ヒトタンパク質内に含まれること
が示され、自己抗体のターゲットであることが判明し
た。更に研究を進めた結果、特に活性なCMV、HSV
又はトキソプラズマ感染患者からの血清中のIgM抗体
は場合によりこのペプチドに対して交差反応を示すこと
が判明した。更に、大腸菌中で発現されるEBNA−1
のAA461−641をコードする28kDのC末端フ
ラグメントはヒト血清抗体に対して反応性であることが
判明した。更に研究が進められたが、診断法において無
傷のEBNA−1タンパク質の代わりに使用可能なEB
NA−1タンパク質のより小さいフラグメントは現時点
では同定されていない。
ドゲル系、細胞系及び化学的インデューサー並びに使用
する血清が異なるため、異なる試験で同定したEBV特
異的タンパク質を比較するのは困難であるという問題が
ある。
ビリオンに関連する合計33個のタンパク質を記載して
いる。界面活性剤による分別可溶化によると、ヌクレオ
キャプシドは少なくとも7個のタンパク質から構成され
ると予想される。VCA複合体の重要な成分は主要キャ
プシドタンパク質(MCP)である。EBV−MCPは
ウイルスゲノムのBcLF1読み枠内でコードされ(B
earら, 1984)、pI7.5〜9.0のEBV
産生細胞系中で153〜160kDaの非グリコシル化
タンパク質として発現される。このタンパク質は細胞質
中で可溶性形態で合成された後、核に輸送されてキャプ
シドに融合すると、もはや界面活性剤により可溶化され
ない。別の主要VCA成分は125kDaの分子量を有
しており、グリコシル化されている。このタンパク質は
ウイルスゲノムのBALF4読み枠内でコードされる。
この糖タンパク質は最初はVCA成分として分類された
が、最近の知見によると実際には細胞質及び核膜構造に
関連すると思われる。
deldorp及びP.Herbrink, J.Vi
rol.Meth., 21, 133−146, 1
988)は種々のEBV疾患に関して診断的に関連する
EBVマーカータンパク質の同定及び特徴付けを目的と
するものであった。
めに誘導されたウイルス産生細胞系HH514−C16
(P3HR1の再追加誘導体)と、EBV陰性細胞系R
amos及びBjabとから調製された抗原を含むイム
ノブロットストリップを使用することにより実施され
た。EBVゲノム(完全に)潜伏状態で含む細胞系であ
るX50−7及びJC−5を使用してEBNA/LMP
を特定的に試験することができる。
患者及び慢性IM患者又はEBV関連腫瘍様鼻咽頭癌患
者の血清中でEBV抗体応答のパターンが研究された。
特定のEBV−ゲノム産物に対して反応性のポリクロー
ナル及びモノクローナル抗体を使用して、この実験系で
検出されるタンパク質バンドのいくつかを特徴付けする
ことができる。しかしながら、これらの研究は所定の分
子量を有するタンパク質又はポリペプチドしか記載して
いない。これらのタンパク質をコードするEBVゲノム
上の配列については何ら開示していない。更に、イムノ
ブロット上の免疫反応性バンドが同一分子量の単一タン
パク質との反応性に起因するのか、あるいは複数のタン
パク質との反応性に起因するのかについても解明されて
いない。
aの分子量を有するEBV抗原を検出することが可能で
ある。このタンパク質はウイルスDNA合成を阻止する
ためにホスホノ酢酸(PAA)を使用する場合には発現
されず、抗VCA抗体を含む全血清により検出されるの
で、VCA関連成分であると思われる。別のVCA成分
は40kDaの分子量を有するタンパク質である。ウイ
ルスキャプシド抗原の多くは核ペレットに関連付けられ
る。
はビリオンエンベロープ内で感染細胞外層膜及び細胞内
膜構造上に存在する。数種の糖タンパク質と1種の非グ
リコシル化タンパク質はBLLF1読み枠内でコードさ
れるMA−複合体(最も研究されているのはgp350
/220)を構成することが記載されている。MA−g
p350/220はEBVを細胞レセプターCR2(C
D21)に結合するために不可欠であり、抗gp350/
220抗体がビリオン上でgp350/220と結合す
ると、前者の結合を妨げ、EBVの細胞侵入を阻止する
(ウイルス中和)。他方、抗gp350/220抗体が
細胞形質膜上でgp350/220と結合すると、補体
又はTキラーリンパ球の活性化によりウイルス感染細胞
の溶解を媒介し得る。この機序により、ウイルスエピト
ープも破壊され(ウイルス溶菌)、ウイルス感染性が破
壊される。生きたEBV産生細胞上の間接免疫蛍光又は
精製形態のgp350/220及び他のMA複合体成分
を使用する酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELI
SA)によりこれらのタンパク質に対する種々の抗体が
ヒト血清中で検出されている。
阻止することにより宿主防御において重要な役割を果た
し得る。従って、EBV−MA、特にgp350/22
0はEBV感染の予防用サブユニットワクチンの開発を
目的とする広範な研究の対象となっている。
あることが示されており、最近では中国で小規模の実地
試験に導入され、表面的な成功を収めている。
的な免疫蛍光試験により実施されている。より単純で標
準的な実験(例えばELISA)への発展が阻まれてい
るのは、標準ウイルス産生細胞系を使用してウイルス抗
原の大量生産及び精製が不可能なためである。
法で製造されたEBV抗原を使用することであると思わ
れる。これらのEBV抗原は遺伝子工学技術又は合成ペ
プチド技術を使用して製造することができる。
断を実施できるように特異的且つ高感度の方法を開発す
るためには、免疫優性ウイルスタンパク質及びそのエピ
トープを同定することが極めて重要である。
体を検出するために使用可能なタンパク質及びペプチド
は、参考資料として本明細書の一部とする本願と同一所
有権者の2件の同時継続出願に記載されている。これら
の出願の一方はEBVゲノムのBFRF3及びBdRF
1読み枠内で夫々コードされるVCA−p18タンパク
質及びVCA−p40タンパク質に係り(EP 0 5
74 048)、他方の出願(EP 9220279
7.4)はBKRF1読み枠内でコードされるEBNA
−1タンパク質に関する。
ドの組み合わせ、好ましくはgp350/220を使用
してエプスタイン・バールウイルスに対する抗体を検出
することができる。
分子に組込まれると、診断の感受性を低下することなく
診断において無傷なタンパク質に置き換えることが可能
な免疫優性エピトープが同定された。
適な診断試験は、(1)ウイルス産生細胞系(例えば−
P3HR1)上の間接免疫蛍光分析によるIgG抗ウイル
ス構造タンパク質(ウイルスキャプシド抗原及び膜抗原
を含む)の検出と、(2)潜伏感染細胞系(例えばRa
ji)上の抗補体免疫蛍光によるIgG抗EBNA(エ
プスタイン・バール核抗原)の検出に依存している。各
アッセイは感染細胞中でタンパク質の複合組に対する抗
体を別々に検出する。これらの型のIgG抗体は、各個
体型が90〜98%の感度で検出可能であるという制限
付きで全EBV感染患者内に存在する。
ス構造タンパク質(VCA及びMA)と抗EBNA抗体
の併存により特徴付けられることがここに判明した。
者からの血清はVCA−p18及びEBNA−1に対す
る抗体を含む。場合により、EBV血清反応陽性供血者
は低レベル又は負のレベルのEBNA−1抗体の存在下
でVCA−p18抗体を有しており、逆も言える。これ
は真のEVB血清反応陽性供血者を同定するために95
〜98%の感度を各々有する公知VCA及びEBNA免
疫蛍光血清診断法に対応する。更に、約90%の感度で
抗MA抗体を検出することができる。
み合わせ、即ちVCA−p18又はMA−gp350/
220とEBNA−1を単一の診断アッセイで併用する
と、EBV血清反応陽性を決定するためにより高感度の
アッセイが実現される。単一アッセイ(例えばイムノブ
ロット、Elisa、Spia等)でVCA−p18又
はMA−gp350/220とEBNA1の両者に対す
る抗体応答を同時に評価することにより、EBV血清反
応陽性状態を決定するための感度及び精度の双方を増加
することができる。
基づく診断法では不可能である。
ら精製した無傷のタンパク種でもよいし、組換えDNA
技術を使用することによりこれらのタンパク質を産生す
るように操作された細胞系又は微生物から精製してもよ
い。あるいは、これらのタンパク質の各々の免疫優性領
域(エピトープ)に相当する合成ペプチドをこの目的に
使用してもよい。
のBFRF3読み枠内でコードされる)VCA−p1
8、(EBVゲノムのBdRF1読み枠内でコードされ
る)VCA−p40、(EBV−ゲノムのBcRF1読
み枠内でコードされる)EBV−MCP、(EBV−ゲ
ノムのBALF4読み枠内でコードされる)gp125
のようなVCAタンパク質又は(EBV−ゲノムのBL
LF1読み枠内でコードされる)gp350/220の
ようなMAタンパク質の少なくとも一部と、EBNAタ
ンパク質の少なくとも一部を単一診断アッセイで併用す
ることにより、現用方法よりも高感度且つ高精度のEB
V抗体検出方法を実現することである。
おいてエプスタイン・バールウイルス血清反応陽性をよ
り高感度且つ高信頼度で検出するための、単一診断アッ
セイフォーマットでの2種の別個の診断マーカー分子の
組み合わせに関する。
構造タンパク質の少なくとも一部とエプスタイン−バー
ルEBNAタンパク質の少なくとも一部の組み合わせか
らなることを特徴とする、エプスタイン−バールウイル
スに対する抗体の検出用診断試薬を提供する。
ことが判明したタンパク質及びペプチドは、EBV核抗
原(EBNA)と、これと組み合わせて使用される膜抗
原及びウイルスキャプシド抗原を含むウイルス構造タン
パク質である。膜抗原群のうちではMA−gp350/
220タンパク質が好適である。
0及びEBNA−1に由来するペプチドの組み合わせを
含む診断試薬に関する。
CA−p18)又は配列番号5(EBNA−1)に示す
ようなアミノ酸配列の少なくとも一部を含む、VCA−
p18及びEBNA−1に由来するペプチドの組み合わ
せを含む診断試薬に関する。
1に由来するペプチドと併用し得るVCA−p18に由
来するペプチドは、配列番号2〜4に示すようなアミノ
酸配列を含むペプチドである。最適には、配列番号4に
示すようなアミノ酸配列を含むペプチドを使用し、この
配列は配列番号2及び3に示すようなVCA−p18タ
ンパク質上の2つの反応性ドメインの組み合わせであ
る。
BNA−1に由来するペプチドは、配列番号6〜9に示
すようなアミノ酸配列の1種以上を含むペプチドであ
る。最適には、配列番号9に示すような配列を有するペ
プチドを使用し、この配列は配列番号6〜8に示すよう
なEBNA−1タンパク質上の反応性ドメインの組み合
わせである。
保存変種も本発明に含まれる。本明細書中で使用する
「保存変種」なる用語は、あるアミノ酸残基が別の生物
学的に類似の残基に置換していることを意味する。保存
変種の例としては、1個の疎水性残基(例えばイソロイ
シン、バリン、ロイシン又はメチオニン)と別の残基と
の置換、又は1個の極性残基と別の残基との置換(例え
ばリシンとアルギニン、アスパラギン酸とグルタミン
酸、又はアスパラギンとグルタミン等)を挙げることが
できる。「保存変種」なる用語は、置換ポリペプチドに
対する抗体が非置換ポリペプチドに対しても免疫反応す
るという条件下で、置換アミノ酸による非置換親アミノ
酸の代用も包含する。従って、保存変種ポリペプチドを
EBV関連疾患患者からの血清で試験するなどの慣用ス
クリーニング方法を使用することにより、当業者は不当
な実験に頼ることなく変種ポリペプチドが本発明のポリ
ペプチドの必要な生物活性を有するか否かを容易に決定
することができる。
チドと適切な支持体又は標識物質を含む。
ルもしくはキュベット、チューブもしくは毛管、膜、フ
ィルター、試験ストリップの内壁、又は粒子(例えばラ
テックス粒子、赤血球、染料ゾル、金属ゾルもしくはゾ
ル粒子としての金属化合物、キャリヤータンパク質(例
えばBSA又はKLH))の表面である。
体、蛍光化合物、酵素、染料ゾル、金属ゾル又はゾル粒
子としての金属化合物である。
るための方法においては、本発明の診断試薬をサンプル
に接触させる。ペプチドとサンプル中の抗体との間で形
成された免疫複合体の存在を検出し、この検出によりサ
ンプル中のEBV抗体の存在を確認し、定量することが
できる。
生じる免疫化学反応は所謂サンドイッチ反応、凝集反
応、競合反応又は阻害反応である。
1種以上のペプチドを含有する本発明の診断試薬をサン
プル及び抗EBVと接触させた後、形成された免疫複合
体の存在を検出し、この検出に基づき、サンプル中のE
BVの存在を決定する。
し、サンプルを固体支持体(例えば微量試験ウェルの内
壁)上にコートされた1種以上のペプチド及び1種以上
の標識ペプチド又は標識抗抗体と接触させた後、固相上
のラベルの存在を検出してもよい。
−バールウイルスに対する抗体の検出方法に係り、該方
法は、前記サンプルを本発明の診断試薬と接触させ、該
試薬と抗体との間で形成された免疫複合体を検出するこ
とを特徴とする。
て上記のような診断試薬を含む。EBV抗体の検出のた
めにサンドイッチ反応を実施する場合には、テストキッ
トは例えば、固体支持体(例えば微量試験ウェルの内
壁)上にコートされた本発明のペプチドと、本発明の標
識化ペプチド又は標識化抗抗体を含み得る。
トは固体支持体にコートされた本発明のペプチドと、E
BVに対する標識化抗体、好ましくは該ペプチドに対す
るモノクローナル抗体を含み得る。
ゾルにコートされた本発明のペプチドを含み得る免疫化
学的試薬を含む。
Vに対する抗体上の結合部位を検出すべきEBV抗原と
の競合反応における免疫化学試薬として、固体支持体に
コートされた本発明の標識化ペプチドを使用する。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、これら
の実施例は単なる例示を目的とし、発明の範囲を限定す
るものではない。
ット分析により、EBV−タンパク質(EBNA+VC
A)に対する血清IgGの反応性を試験した。以下に詳
述するようにタンパク質をウイルス産生細胞系P3HR1
−HH514−C16中で発現させ、還元条件下で変性
SDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロースに移
した。
3HR1由来)の核フラクションからタンパク質抽出物を
調製し、10%アクリルアミドスラブゲル中還元条件下
で変性ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリル
アミドゲル電気泳動(PAGE)により分離した。電気
泳動分離後、タンパク質をニトロセルロースシートに移
し、その後、シートを小(3mm)ストリップに切断し
た。
0.05% Tween−20を含有するリン酸緩衝塩
類溶液pH7.4(PBS)(ブロッキング緩衝液)中
の4%ドライミルク、5%ウマ血清に周囲温度で2時間
浸漬させた。ブロッキング緩衝液で1:100に希釈し
たヒト血清を個々のストリップと共に周囲温度で1時間
インキュベートした後、ストリップをPBS+0.05
% Tween−20で4回洗った。ペルオキシダーゼ
標識化ヒツジ抗ヒトIgG抗体及び発色用の4−クロロ
−ナフトールを使用して結合した抗EBV IgGを検
出した。
21(1988)133−146及びJ.Med.V
irol.40(1993)161−169に詳述され
ている。
EBNA−1の位置を矢印により示す。
BV陽性(+)供血者から採取した。
に採取した血清サンプルを示す。
す。
試験した処、血清#8はEBV血清反応陰性であった
が、それ以外の全血清はEBV血清反応陽性であった。
BNA−1は指示されている。場合によりEBV特異的
抗体を欠失するEBV血清反応陰性供血者(例えば#
8)を除き、EBV血清反応陽性供血者からのIgGは
種々のEBVタンパク質、最も顕著且つ高頻度でVCA
−p18及びEBNA−1(矢印参照)と反応すること
が判明した。
は抗VCA−p18陽性であり、抗EBNA−1反応性
は弱〜陰性であり、血清#11、14、21、22、3
0、37は抗EBNA−1陽性であり、抗VCA−p1
8反応性は低〜陰性である。
組み合わせを特定する精製試薬を使用した酵素結合イム
ノソルベントアッセイの結果を示す。この実験では、V
CA−p18又はEBNA−1コンビペプチドを0.0
5M NaHCO3緩衝液pH9.6中1μg/mlの
濃度で固相へのコーティングとして単独又は1:1組み
合わせで使用した。実施例1(図1)に使用したと同一
組の血清を使用して抗体反応性を評価した。VCA−p
18及びEBNA−1からの別々のデータを併用しても
全血清が(ボーダーライン)EBV血清反応陽性である
ことを示すことはできるが、2種のマーカーを単一アッ
セイで併用することにより、更に簡単で直接的な、より
正確な判定が可能である。
A−1単独又は組み合わせを特定する精製試薬を使用し
た酵素結合イムノソルベントアッセイの結果を示す。こ
れらの実験では、VCA−p18又はEBNA−1コン
ビペプチドを0.05M NaHCO3緩衝液pH9.
6中1μg/mlの濃度で固相へのコーティングとして
単独又は1:1組み合わせで使用した。
の血清を使用して抗体反応性を評価した。VCA−p1
8及びEBNA−1からの別々のデータを併用しても全
血清が(ボーダーライン)EBV血清反応陽性であるこ
とを示すことはできるが、2種のマーカーを単一アッセ
イで併用することにより、更に簡単で直接的な、より正
確な判定が可能である。
の血清を使用して抗体反応性を評価した。VCA−p1
8及びEBNA−1からの別々のデータを併用しても全
血清が(ボーダーライン)EBV血清反応陽性であるこ
とを示すことはできるが、2種のマーカーを単一アッセ
イで併用することにより、著しく簡単で直接的な、より
正確な判定が可能である。
からの1組のヒト血清を使用して抗体反応性を評価し
た。VCA−p18及びEBNA−1からの別々のデー
タを併用しても全血清が(ボーダーライン)EBV血清
反応陽性であることを示すことはできるが、2種のマー
カーを単一アッセイで併用することにより、更に簡単で
直接的な、より正確な判定が可能である。特に、VCA
−コンビペプチド単独(図の左部分)と、VCA及びE
BNA併用コンビペプチド(図の右部分)との相違は顕
著である。
群を有する異なるヒト集団(又は健康な集団)において
VCA及びEBNAコンビペプチドの結果から明らかな
ように、2種のマーカーを単一アッセイで併用すること
により、より簡単で直接的な、より正確な判定が可能で
ある。
くはEBNA−1単独又は組み合わせを特定する精製試
薬を使用した酵素結合イムノソルベントアッセイの結果
を示す。この実験では、精製MA−gp350/220
タンパク質(Hessingら, Journal o
f Chromatography,599, pp.
267−272 (1992)に従って精製)又はEB
NA−1コンビペプチドを0.05M NaHCO3緩
衝液pH9.6中1μg/mlの濃度で固相へのコーテ
ィングとして単独又は1:1組み合わせで使用した。こ
れらの実験で使用した血清組を図(図6、図7及び図
8)に指示し、抗体反応性の評価に使用した。MA−g
p350/220及びEBNA−1からの別々のデータ
を併用してもほとんどの血清が(ボーダーライン)EB
V血清反応陽性であることを示すことはできるが、2種
のマーカーを単一アッセイで併用することにより、更に
簡単で直接的な、より正確な判定が可能である。
の血清を使用して抗体反応性を評価した。MA−gp3
50/220及びEBNA−1からの別々のデータを併
用しても全血清が(ボーダーライン)EBV血清反応陽
性であることを示すことはできるが、2種のマーカーを
単一アッセイで併用することにより、更に簡単で直接的
な、より正確な判定が可能である。
の血清を使用して抗体反応性を評価した。MA−gp3
50/220及びEBNA−1からの別々のデータを併
用しても全血清が(ボーダーライン)EBV血清反応陽
性であることを示すことはできるが、2種のマーカーを
単一アッセイで併用することにより、著しく簡単で直接
的な、より正確な判定が可能である。
からの1組のヒト血清を使用して抗体反応性を評価し
た。MA−gp350/220及びEBNA−1からの
別々のデータを併用しても全血清が(ボーダーライン)
EBV血清反応陽性であることを示すことはできるが、
2種のマーカーを単一アッセイで併用することにより、
更に簡単で直接的な、より正確な判定が可能である。
群を有する異なるヒト集団(又は健康な集団)において
EBNA−タンパク質の少なくとも一部と共にVCAタ
ンパクの少なくとも一部又はMAタンパク質の少なくと
も一部を含む診断試薬の結果から明らかなように、これ
らの2種のマーカーを単一アッセイで併用することによ
り、より簡単で直接的な、より正確な判定が可能であ
る。
めに十分であるとみなされる。以上の記載から図示及び
記載以外の本発明の種々の変形が当業者に自明であり、
このような変形は請求の範囲に該当する。
イルス産生細胞系P3HR1−HH514−C16中で発
現されるようなEBV−タンパク質(EBNA+VC
A)と血清IgGとの反応性を試験したイムノブロット
分析結果を示す。
合わせに対するIgG反応性に関するヒト血清サンプル
のElisa反応性(450nmの光学密度)の結果を
示す。◆はVCA抗体及びEBNA抗体の両方について
標準血清学的分析により判定される血清反応陰性を示
し、□はVCA抗体及びEBNA抗体の両方について標
準血清学的分析により判定される血清反応陽性を示す。
EBNAコンビペプチドは配列番号9に示すようなアミ
ノ酸配列を有するペプチド、VCAコンビペプチドは配
列番号4に示すようなアミノ酸配列を有するペプチド、
EBNA及びVCAコンビペプチドは配列番号4及び9
に示すようなアミノ酸配列を有する2種のペプチドの組
み合わせを意味する。
VCA−p18及びEBNA−1単独及び組み合わせに
対するIgG反応性について試験したElisa反応性
(450nmの光学密度)の結果を示す。
VCA−p18及びEBNA−1単独及び組み合わせに
対するIgG反応性について試験したElisa反応性
(450nmの光学密度)の結果を示す。
ト血清を、VCA−p18及びEBNA−1単独及び組
み合わせに対するIgG反応性について試験したEli
sa反応性(450nmの光学密度)の結果を示す。
ヒト血清を、MA−gp350/220及びEBNA−
1単独及び組み合わせに対するIgG反応性について試
験したElisa反応性(450nmの光学密度)の結
果を示す。
ヒト血清を、MA−gp350/220及びEBNA−
1単独及び組み合わせに対するIgG反応性について試
験したElisa反応性(450nmの光学密度)の結
果を示す。
ト血清を、MA−gp350/220及びEBNA−1
単独及び組み合わせに対するIgG反応性について試験
したElisa反応性(450nmの光学密度)の結果
を示す。
イルス産生細胞系P3HR1−HH514−C16中で
発現されるようなEBV−タンパク質(EBNA+VC
A)と血清IgGとの反応性を試験した電気泳動(イム
ノブロット)分析結果を示す写真である。
Claims (14)
- 【請求項1】 エプスタイン−バールウイルス構造タン
パク質の少なくとも一部とエプスタイン−バールEBN
Aタンパク質の少なくとも一部の組み合わせからなるこ
とを特徴とする、エプスタイン−バールウイルスに対す
る抗体の検出用診断試薬。 - 【請求項2】 ウイルス構造タンパク質がMA−タンパ
ク質であることを特徴とする請求項1に記載の診断試
薬。 - 【請求項3】 MA−タンパク質がMA−gp350/
220タンパク質であることを特徴とする請求項2に記
載の診断試薬。 - 【請求項4】 ウイルス構造タンパク質がVCA−タン
パク質であることを特徴とする請求項1に記載の診断試
薬。 - 【請求項5】 VCA−タンパク質がVCA−p18タ
ンパク質であることを特徴とする請求項4に記載の診断
試薬。 - 【請求項6】 前記試薬が、配列番号1に示すようなア
ミノ酸配列の少なくとも一部を含むペプチドからなるこ
とを特徴とする請求項5に記載の診断試薬。 - 【請求項7】 前記ペプチドが、配列番号2、3又は4
に示すようなアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求
項6に記載の診断試薬。 - 【請求項8】 EBNAタンパク質がEBNA−1タン
パク質であることを特徴とする請求項1から7のいずれ
か一項に記載の診断試薬。 - 【請求項9】 前記試薬が、配列番号5に示すようなア
ミノ酸配列の少なくとも一部を含むペプチドからなるこ
とを特徴とする請求項8に記載の診断試薬。 - 【請求項10】 前記ペプチドが、配列番号6、7、8
又は9に示すようなアミノ酸配列を含むことを特徴とす
る請求項9に記載の診断試薬。 - 【請求項11】 配列番号4に示すようなアミノ酸配列
を有するペプチドと、配列番号9に示すようなアミノ酸
配列を有するペプチドを含む請求項4に記載の診断試
薬。 - 【請求項12】 前記試薬が、配列番号9に示すような
アミノ酸配列を有するペプチドからなることを特徴とす
る請求項3に記載の診断試薬。 - 【請求項13】 サンプル中のエプスタイン−バールウ
イルスに対する抗体の検出方法であって、前記サンプル
を請求項1から12のいずれか一項に記載の診断試薬と
接触させ、前記試薬と抗体との間で形成された免疫複合
体を検出することを特徴とする方法。 - 【請求項14】 請求項1から12のいずれか一項に記
載の診断試薬を含むことを特徴とする、サンプル中のエ
プスタイン−バールウイルスに対する抗体の検出用キッ
ト。
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